JP4000742B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体と該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真感光体には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の感光体に対して有利な点があるが、欠点としては機械的強度が弱く、多数枚のプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生がある。
【0003】
電子写真感光体(以下単に感光体とも云う)の表面には帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などにより電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
【0004】
具体的には摩擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電時に発生するオゾン等の活性酸素、チッソ酸化物などによる表面の劣化などに対する耐久性が要求される。
【0005】
そのためのアプローチとして、感光体の表面に高強度の保護層を設置するなどの技術が検討されてきた。例えば特開平6−118681号公報では感光体の保護層として、硬化性シリコーン樹脂を用いることが報告されているが、発生したキャリアの輸送機能に問題があり、特に高抵抗となる低湿環境では応答性に問題が生じる。デジタル複写機の分野ではより高画質への要求が高まり高解像度の画像形成が検討されているが、このように応答性の低い表面保護層はキャリアの拡散を招き、良好な静電潜像を得ることができない。
【0006】
画像情報を静電潜像として忠実に再現するためには露光/未露光部の電位コントラストが十分確保されている必要があるが、これは発生キャリアが表面電荷に到達するまでのキャリアの拡散を押さえることが重要である。日本画像学会誌第38巻第4号296頁には高密度画像の潜像劣化は、電荷輸送層の拡散定数(D)とドリフト移動度(μ)との比D/μが大きくなると静電潜像への拡散の効果が無視できず、電荷輸送層の膜厚が大きくなると潜像劣化は大きくなると記述されている。しかしながら、これまで実用化されてきた有機電子写真感光体はクリーニングブレード等の擦過による膜厚減耗が大きく、電荷輸送層等の感光層膜厚を20μm以下に設計することは感光体の耐久性を更に小さくすることになり、好ましくなかった。
【0007】
以上のことから、クリーニングブレード等の擦過に対する強度が大きく、且つ低湿環境においても、露光/未露光部の電位コントラストが十分確保できる電子写真感光体とこの電子写真感光体を用いた高画質の画像形成方法、画像形成装置等の検討がなされてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決することにあり、表面硬度が高く、耐摩耗性が高く、繰り返し使用時の電子写真特性が高温高湿、低温低湿のような厳しい環境条件下でも露光/未露光部の電位コントラストが十分安定に確保できる感光体を提供することであり、該感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及び該画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジを提供する事である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
我々は上記問題点について検討を重ねた結果、表面硬度の高い硬化性樹脂層を保護層に用いた感光体においては、該硬化性樹脂層とその下の感光層、例えば電荷輸送層とのイオン化ポテンシャル差を小さくすることが、該感光体のキャリアの拡散を抑制するのに有効であることを見いだした。即ち硬化性樹脂層と電荷輸送層とのイオン化ポテンシャル差を0.4(eV)以下にし、且つ感光体トータルでの時間応答性を0.25sec以内に保つことで静電潜像形成の乱れを少なくし、良好な画像を形成できることを見いだした。
【0010】
即ち、下記構成の何れかをとることにより本発明の目的が達成されることを見いだした。
【0011】
1.導電性支持体上に感光層、硬化性樹脂層を積層してなる電子写真感光体において、該硬化性樹脂層が水酸基、或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、下記一般式(1)で示される化合物とを反応させて得られるシロキサン系樹脂層であり、感光層と該硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルの差が0.4(eV)以下であり、且つ該電子写真感光体の下記に定義する時間応答性T10が0.25秒以下であることを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1) B−(R 1 −ZH) m
式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価又は多価の基を表し、R 1 は単結合又は2価のアルキレン基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、mは1〜4の整数を表す。
【0012】
〈時間応答性T10〉
|600V|±20Vに帯電させた感光体を|200V|以下に光減衰できる十分な光量で光照射を行なった場合に、光照射後10msec間隔で測定した表面電位の隣り合うデーター間の電位差の10点平均が10V以下となるまでの時間。
【0015】
2.前記一般式(1)中のZが酸素原子であることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
3.前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を積層してなることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写真感光体。
【0016】
4.前記硬化性樹脂層が電荷輸送性を有する構造単位を含み架橋構造を有するシロキサン系樹脂層であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0017】
5.前記シロキサン系樹脂層が前記一般式(2)で表される部分構造をシロキサン系樹脂層中に有することを特徴とする前記4に記載の電子写真感光体。
【0018】
6.前記硬化性樹脂層中にコロイダルシリカ、又は金属酸化物粒子を含有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0019】
7.前記硬化性樹脂層中に酸化防止剤を含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0020】
8.前記硬化性樹脂層が該電子写真感光体の保護層であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0021】
9.前記感光層と前記硬化性樹脂層の総膜厚が15μm以下であり、且つ時間応答性T10が0.1秒以下であること特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
【0022】
10.少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光工程における像露光をスポット面積が2000μm2以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
【0023】
11.前記ビーム光のスポット面積が1000μm2以下であることを特徴とする前記10記載の画像形成方法。
【0024】
12.少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記現像工程に用いられるトナーの平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする画像形成方法。
【0025】
13.前記トナーの形状係数が1.0以上1.6以下の範囲にあるトナーの割合が65個数%以上であることを特徴とする前記12に記載の画像形成方法。
【0026】
14.像露光工程における像露光をスポット面積が2000μm2以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする前記12又は13に記載の画像形成方法。
【0027】
15.少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光工程から現像工程までの時間が100msec以下の速度で画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
【0028】
16.少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光手段における像露光をスポット面積が2000μm2以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0029】
17.少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記現像手段に用いられるトナーの平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする画像形成装置。
【0030】
18.前記トナーの形状係数が1.0以上1.6以下の範囲にあるトナーの割合が65個数%以上であることを特徴とする前記17に記載の画像形成装置。
【0031】
19.像露光工程における像露光をスポット面積が2000μm2以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする前記17又は18に記載の画像形成装置。
【0032】
20.少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光手段から現像手段までの時間が100msec以下の速度で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0033】
21.電子写真感光体と少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、前記1〜9のいずれか1項に記載の感光体と帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段のいずれか1つとを一体に組み合わせて有しており、該画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0034】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の時間応答性について説明する。
【0035】
本発明の時間応答性T10は|600V|±20Vに帯電させた感光体を|200V|以下に光減衰できる十分な光量で光照射を行なった場合に、光照射後10msec間隔で測定した表面電位の隣り合うデーター間の電位差の10点平均が10V以下となるまでの時間である。
【0036】
上記表面電位の隣り合うデーター間の電位差の10点平均が10V以下となるまでの時間とは、該隣り合うデーター間の電位差データーを逐次時間列で1データーづつずらした10個のデーターブロックとし、該データーブロックの10個の電位差データーの平均値が10V以下となる最初の時間を意味する。
【0037】
本発明のイオン化ポテンシャルについて説明する。
本発明のイオン化ポテンシャルとは
一般的には原子または分子の基底状態から1個の電子を無限遠に引き離すのに要するエネルギーを電子ボルトの単位で表した数値であるが、ここでいうイオン化ポテンシャルとは正孔輸送の場合のエネルギー準位の目安として正孔輸送物質の最高被占準位のを代表値とする。
【0038】
硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルの測定は製膜した硬化性樹脂層に加速電子或いは光量子で衝撃し、電離の結果生じるイオンが出現する最低エネルギーを求めることによって得ることができる。本発明においては表面性試験装置「AC−1」(理研計器社製)を用いてイオン化ポテンシャルの測定を行った。
【0039】
本発明の硬化性樹脂層と感光層のイオン化ポテンシャルの差(ΔIP)を0.4(eV)以下にするには、硬化性樹脂層に該硬化性樹脂層全体に均一な電荷キャリアの移動特性を持たせ、その上で隣接する感光層のイオン化ポテンシャルを該硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルに近づけることが必要である。以下、硬化性樹脂層に電荷輸送性を付与する方法、及び電荷輸送層のイオン化ポテンシャルを該硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルに近づける方法、更に、硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルを電荷輸送層のイオン化ポテンシャルに近づける方法について記載する。
【0040】
本発明の硬化性樹脂層とは層形成の過程でモノマー、オリゴマー、又はポリマー等の該樹脂の構成成分が熱や光等のエネルギーにより、互いに化学反応を促進し、3次元架橋の構造形成した硬度の高い樹脂層を云う。
このような硬化性樹脂層の樹脂材料としては例えばメラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられるが、本発明では以下に示すようなシロキサン系樹脂層を用いて本発明の電子写真感光体を作製した。以下該シロキサン系樹脂層を有する電子写真感光体について記載する。
【0041】
本発明の硬化性樹脂層(電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層)
本発明の電子写真感光体は電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層を感光層の保護層として構成することにより達成される。該シロキサン系樹脂層は下記に詳述する硬化性有機ケイ素化合物等と該有機ケイ素化合物と反応性を有する反応性電荷輸送性化合物との組成物を塗布乾燥する事により得ることができる。
【0042】
前記硬化性有機ケイ素化合物は代表的には下記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物を原料とした塗布組成物を塗布乾燥することにより形成される。これらの原料は親水性溶媒中では加水分解とその後に生じる縮合反応により、溶媒中で有機ケイ素化合物の縮合物(オリゴマー)を形成する。これら塗布組成物を塗布、乾燥することにより、3次元網目構造を形成したシロキサン系樹脂層を形成することができる。
【0043】
一般式(3) (R)n−Si−(X)4-n
式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。
【0044】
一般式(3)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。特にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が好ましい。又Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。特には炭素数6以下のアルコキシ基が好ましい。
【0045】
本発明の硬化性樹脂層は、更に前記一般式(1)で示された化合物が前記有機ケイ素化合物又は該縮合物等との縮合反応により、樹脂層中に取り込まれ、電荷輸送性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層に改質する事により、該シロキサン系樹脂層に電荷輸送性を付与し、イオン化ポテンシャルの値を低下させる効果が大きい。
【0046】
一般式(1) B−(R1−ZH)m
一般式(1)のBは電荷輸送性化合物構造を含む1価以上の基である。ここでBが電荷輸送性化合物構造を含むとは、一般式(1)中の(R1−ZH)基を除いた化合物構造が電荷輸送性能を有しているか、又は前記一般式(1)中の(R1−ZH)基を水素原子で置換したBHの化合物が電荷輸送性能を有する事を意味する。
【0047】
尚、前記の電荷輸送性化合物とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す化合物であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる化合物として定義できる。
【0048】
前記電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層の中に、コロイダルシリカや金属酸化物粒子を該シロキサン系樹脂層中に分散させた構造を形成しても良い。即ち、本発明の硬化性樹脂層は該シロキサン系樹脂とコロイダルシリカや金属酸化物粒子とで複合化された樹脂層である。金属酸化物粒子について詳述する。
【0049】
〈金属酸化物粒子〉
本発明の金属酸化物粒子とは平均粒径1nmから1μm、特に好ましくは10nmから200nmの金属酸化物粒子であって、通常は液相法によって合成される。
【0050】
前記金属酸化物粒子の金属原子の例としてはSi、Ti、Al、Cr、Zr、Sn、Fe、Mg、Mn、Ni、Cuなどが挙げられる。これらの金属酸化物粒子はコロイド粒子として得ることができる。
【0051】
前記金属酸化物粒子のコロイド粒子は通常次の一般式で表される金属アルコキシド又は金属アリールオキシド等の金属オキシドより合成することができる。
【0052】
M(OR)4
(Mは金属原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、フェニル基、ベンジル基を表す。)
該コロイド粒子はゾル−ゲル工程を経て得ることができる。ゾル−ゲル工程において、はじめに、ゾルは触媒の存在下アルコール/水性溶媒中に金属オキシドを懸濁することによって得られる。該溶液中の金属オキシドは加水分解を受けて、ゲル構造に縮合する。ゲルは縮合され、沈殿した金属酸化物粒子のコロイド粒子を形成する。
【0053】
又、前記コロイダルシリカや金属酸化物粒子は該粒子表面に前記有機ケイ素化合物と反応性を有する化合物基を有することが好ましい。該反応性を有する化合物基としては、例えば水酸基、アミノ基等が挙げられる。このような反応性基を有するコロイダルシリカや金属酸化物粒子を用いることにより、本発明のシロキサン系樹脂層はシロキサン系樹脂と該表面が化学結合をした樹脂層を形成し、更に、強度と弾性を増強した樹脂層となり、該樹脂層を感光体の保護層として用いるとブレードクリーニング等の擦過に対して摩耗しにくい、電子写真特性の良好な膜を形成する。
【0054】
前記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物との総量(H)と前記一般式(1)の化合物(I)の組成物中の組成比としては、質量比で100:3〜50:100であることが好ましく、より好ましくは100:10〜50:100の間である。
【0055】
またコロイダルシリカや金属酸化物粒子(J)の添加量は前記総量(H)+化合物(I)成分の総質量100部に対し(J)を1〜30質量部を用いることが好ましい。
【0056】
前記総量(H)成分が前記の範囲内で使用されると、本発明の感光体の保護層として、硬度が高く且つ弾力性が硬化性樹脂層を形成できる。(J)成分の金属酸化物粒子の過不足も前記総量(H)成分と同様の傾向がみられる。一方、前記化合物(I)成分が前記の範囲内で使用されると前記シロキサン系樹脂と感光層間のイオン化ポテンシャルの差を低下させ感度や残留電位特性等の電子写真特性が良好で、表面硬度が高い感光体を得ることができる。
【0057】
前記のシロキサン系樹脂層を形成するには縮合反応を促進するために縮合触媒を用いることが好ましい。ここで用いられる縮合触媒とは縮合反応に接触的に作用する触媒、及び縮合反応の反応平衡を生成系に移動させる働きをするものの少なくともいずれか一方の作用をもつものであれば良い。
【0058】
具体的な縮合触媒としては酸、金属酸化物、金属塩、アルキルアミノシラン化合物など従来シリコンハードコート材料に用いられてきた公知の触媒を用いることができる。例えば、有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)等が挙げられる。
【0059】
一般式(1)の代表例を下記に示す。
【0060】
【化2】
【0061】
【化3】
【0062】
【化4】
【0063】
更に、下記一般式(4)の化合物を用いても電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層を形成することが出来る。
【0064】
一般式(4)
B−(−R1−Si(R11)3-a(R12)a)n
式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であり、R11は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、R1は置換若しくは無置換のアルキレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。
【0065】
前記一般式(4)の代表例を下記に示す。
【0066】
【化5】
【0067】
前記一般式(1)で示された化合物の内最も好ましい化合物はZが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物である。Zが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物は該化合物が前記有機ケイ素化合物と反応し、シロキサン系樹脂の網目構造中に入り込むことにより硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャル値を低下させ、該硬化性樹脂層に十分な電荷輸送性能を付与することができる。
【0068】
上記のような樹脂構造は前記一般式(1)で示された電荷輸送性化合物がシロキサン系樹脂中に化学反応により組み込まれた樹脂構造であり、該シロキサン系樹脂構造中に前記一般式(2)で示される部分構造で組み込まれる。即ち、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又はケイ素原子を介して前記一般式(2)中のYで示される連結原子又は連結基(Y)に結合し、Yを介してシロキサン系樹脂中に含有される。
【0069】
好ましくは前記一般式(2)のYが、隣接する結合原子(ケイ素原子Siと前記電荷輸送性能を有する構造単位の一部を構成する炭素原子C)を除いた2価以上の原子又は基である。
【0070】
但し、Yが3価以上の原子の時は式中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記シロキサン系樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0071】
又、前記一般式の中で、Y原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
【0072】
ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記連結基は−NR−で表される(Rは水素原子又は一価の有機基である)。
【0073】
電荷輸送性能を有する構造単位Xは式中では一価の基として示されているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合はシロキサン系樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0074】
前記シロキサン系樹脂層は該樹脂構造の部分構造として含まれる前記電荷輸送性能を有する構造単位Xの化学構造やその量によっても該シロキサン系樹脂層のイオン化ポテンシャル値が変化し、その結果該シロキサン系樹脂層と隣接する感光層とのイオン化ポテンシャルの差が本発明の範囲を超えて拡大することもあり、そのような感光体は感度の低下、残留電位の上昇、及び電子写真特性の時間応答性の劣化を引き起こす。
【0075】
前記シロキサン系樹脂層のイオン化ポテンシャルを最も効果的に低下させ感光層のイオン化ポテンシャルに近づける該シロキサン系樹脂層の製造方法としては一般式(1)の化合物の中でZが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物である。Zが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物は該化合物が前記有機ケイ素化合物と反応し、シロキサン系樹脂の網目構造中に入り込むことにより硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャル値を低下させ、該イオン化ポテンシャル値は該硬化性樹脂層に隣接する感光層のイオン化ポテンシャル値に接近し、感光層とシロキサン系樹脂層の接触界面の電界障壁を低下させ、感光体全体としての感度、残留電位や電子写真特性の時間応答性を良好にする。一方ではZが水酸基の化合物の中でも、電荷輸送構造Xの化学構造の違いにより、シロキサン系樹脂層のイオン化ポテンシャルは大きく変化するので、該シロキサン系樹脂層のイオン化ポテンシャルを隣接する感光層のイオン化ポテンシャルに近づけるためには該シロキサン系樹脂層を構成する各構成成分とその構成成分比を十分に調整する事が必要である。
【0076】
一方、本発明の感光層と硬化性樹脂層とのイオン化ポテンシャルの差を小さくする方法としては、感光層のイオン化ポテンシャルを硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルに近づけることもまた有効である。以下本発明の感光層構成について記載する。
【0077】
本発明の電子写真感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)等の感光層とその上に本発明の硬化性樹脂層を塗設した構成をとるのが好ましい。
【0078】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL層)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0079】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0080】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0081】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、シリコン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0082】
電荷輸送層
電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0083】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
【0084】
電荷輸送層のイオン化ポテンシャルは該電荷輸送層の主要構成成分である電荷輸送性化合物の構造とその量に大きく依存する。上記各種の電荷輸送物質の中で本発明の有用な化合物は該電荷輸送層のイオン化ポテンシャルを前記硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルより小さくその差が0.4(eV)となるような化合物を選択することが重要である。本発明に有用な電荷輸送性物質はイオン化ポテンシャルの値が5.0〜5.7(eV)にある化合物が好ましく、より好ましくは5.2〜5.5(eV)のイオン化ポテンシャルを有する化合物である。このような電荷輸送物質としては例えば下記のような化合物が挙げられる。
【0085】
【化6】
【0086】
【化7】
【0087】
【化8】
【0088】
【化9】
【0089】
【化10】
【0090】
【化11】
【0091】
本発明ではイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0092】
電荷輸送層(CTL層)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0093】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0094】
次に、本発明の硬化性樹脂層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0095】
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤
ヒンダードフェノール系
・アミン系酸化防止剤
ヒンダードアミン系
ジアリルジアミン系
ジアリルアミン系
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
【0096】
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
【0097】
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だと高温高湿時のカブリや画像ボケに効果がなく、20質量%より多い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する。
【0098】
又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させて良い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対して0.01〜20質量%が好ましい。
【0099】
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い)。
【0100】
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
【0101】
【化12】
【0102】
式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0103】
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0104】
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0105】
有機リン化合物としては、例えば、一般式RO−P(OR)−ORで表される化合物である。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0106】
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式R−S−Rで表される化合物で代表的なものである。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0107】
以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
【0108】
【化13】
【0109】
【化14】
【0110】
【化15】
【0111】
【化16】
【0112】
次に、前記硬化性樹脂層、及び感光層以外の感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
【0113】
本発明の円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0114】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0115】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0116】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0117】
本発明においては導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
【0118】
又本発明に最も好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0119】
本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0120】
次に本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0121】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0122】
次に、本発明の電子写真感光体を適用する画像形成方法、画像形成装置について、例を挙げて説明する。
【0123】
・帯電前露光工程(直前の画像形成で感光体上に残留する電荷を消去する為の露光):帯電前露光工程としてはLED等による光照射が用いられる。帯電前露光は感光体の応答の遅れによる残留電位の上昇や露光パターンに起因するメモリーの発生を抑制できる。但し、本発明の電子写真感光体は帯電前露光のない系でも長期に亘って安定した画像を得ることができる。
【0124】
・帯電工程:コロナ帯電、接触帯電方式のいずれも好適に用いることができる。特に接触帯電方式は直接帯電部材が電子写真感光体と接触するため、感光体がダメージを受けやすく、本発明の感光体の効果が顕著に現れる。感光体上への帯電電位は使用する感光体により適宜決定されるが、帯電電圧で300〜1500Vになるようにこの帯電工程で帯電される。
【0125】
・像露光工程:露光光源は白色光、LED、LDいずれも好適に用いることができるが、露光量が大きくなりすぎると残留電位が上昇し易くなり、本発明の感光体の効果が顕著に現れる。デジタル画像の場合は像露光光源はLED、LDが好ましい。
【0126】
本発明の感光体は近年高画質の中間調を形成するために用いられるパルス幅変調方式(PWM)のデジタル像露光方式に適している。
【0127】
この方式は、画像信号によって、レーザービームを照射する時間を変調することにより中間調画素形成を行うもので、この方式によれば高解像度かつ高階調性の画像を形成でき、従って、特に高解像度と高階調性を必要とするカラー画像形成装置はとくに適している。即ち、この方式によると、1画素毎にビームスポットにより形成されるドットの面積階調を行うことができ解像度を低下させることなく中間調を表現できる。
【0128】
ところが、このPWM方式においても、更に画素密度を上げていくと露光スポット径に対して画素が相対的に小さくなるために露光時間変調による階調を十分にとることができないという問題点があった。特に従来の電子写真感光体では光スポット面積を微細化しているにもかかわらず、感光体上に形成される潜像及び現像の条件が十分でないため、最終的に得られる画像はこのPMW方式の利点を十分には再現しきれていないという問題があった。即ち、潜像を形成するための光キャリアが感光層を走行する間に拡散を生じるために光スポットによって与えられた画像情報が劣化してしまう現象や形成された潜像により生じる電位ポテンシャルのコントラストが導電性支持体までに存在する空間により低下する現象が生じることにより、初期に光スポットにより与えられた画像情報が大きく劣化してしまうことにより画質の低下が発生しているものと考えられる。
【0129】
上記のような問題点に対して本発明の感光体は感光層の上に荷輸送性を有する構造単位を含み架橋構造を有する硬化性樹脂層を有することから、感光層と硬化性樹脂層の合計膜厚を薄く設計でき、更に光照射後の表面電位減衰時間応答性が十分に速いことから、前記光スポット面積を微細化しても、与えられた画像情報を劣化させないで潜像形成をすることができる。
【0130】
本発明の感光体は像露光をスポット面積を2000μm2以下のビームで行う画像形成方法、或いは画像形成装置において、該感光体の特徴を十分に発揮することができる。該スポット面積が1000μm2以下のビーム光を用いても本発明の感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置は十分に該スポット面積に対応した画像を形成することができる。特に、本発明の硬化性樹脂層を有する感光体は該感光体の感光層と硬化性樹脂層の総膜厚を15μm以下としても、前記本発明の時間応答性が0.25秒以下の特性を十分満たすことができるので、スポット面積が1000μm2以下の微細なビーム光であっても、該ビーム光に対する潜像形成をより忠実に再現することが可能になる。その結果400dpi以上で、256階調を実現するところのきわめて優れた画像品質を達成することができる。
【0131】
前記ビーム光のスポット面積とは該ビーム光の強度がピーク強度の1/e2以上の光強度に対応する面積で表される。
【0132】
用いられる光ビームとしては半導体レーザーを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
【0133】
・現像工程:現像工程には一成分、二成分のいずれの現像剤も使用可能であり、磁性、非磁性トナーのいずれも好適に用いることができる。特に前記像露光工程から該現像工程までのプロセス時間が短い高速の画像形成方法や画像形成装置、或いは直径の小さい円筒状感光体を用いた画像形成方法や画像形成装置において、高硬度で且つ時間応答性が良好な本発明の感光体はその特徴を発揮することができる。
【0134】
即ち、本発明の感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置の1つは該感光体上に像露光工程で像露光後、次の現像工程において、現像が開始されるまでの時間が100msec以下の画像形成方法、画像形成装置を特徴とする。該画像形成方法、画像形成装置はA4紙40枚以上の高速複写機やプリンターや、直径30mmφ以下の円筒状感光体を用いた小型の複写機やプリンターを設計しても微細画像を忠実に作製することを可能にする。
【0135】
・転写工程:転写工程にはコロナ転写、ローラー転写、中間転写体を用いる転写方式のいずれも好適に用いられるが、コロナ転写では紙粉の静電的な付着が起こりやすくなるため本発明の感光体の効果が顕著に現れる。
【0136】
・分離工程:特に大径の円筒状支持体に形成された電子写真感光体では分離性が劣るため、爪分離が有効である。しかしながら爪分離方式では電子写真感光体が分離爪の接触により発生する爪傷の影響を受けやすいため、本発明の電子写真感光体は爪分離のプロセスにおいては顕著な効果を示す。
【0137】
・クリーニング工程:通常クリーニングブレードが好適に用いられ、更にクリーニングの補助部材としてファーブラシやローラーを用いることができる。クリーニング条件は感光体の減耗に大きく影響するため、本発明の電子写真感光体を用いることにより、幅広いクリーニング工程に対応することができる。
【0138】
・定着工程:加熱定着が好ましい。例えば加熱ローラー定着、フラッシュ定着等が用いられる。
【0139】
本発明の感光体が適用される画像形成方法は上記に記した画像形成工程を基本として、応用、展開したプロセスにも適用される。
【0140】
たとえば、カラー現像では帯電器、或いは現像器が複数感光体周辺に配置される画像形成方法にも本発明の感光体は適用される。
【0141】
又、転写工程では中間転写体を使用するような工程にも適用される。
クリーニング工程ではクリーニングの補助機構や紙粉除去機能を有する工程が付加されてもよい。
【0142】
次に、上記画像形成工程の中で特に感光体の膜厚減耗、フィルミング等の本発明の効果に重要な関連を有するクリーニング工程と現像剤について記載する。
【0143】
・クリーニングブレードの特性と当接条件
本発明では感光体に圧接配置されたブレード状のクリーニング部材を備えた装置を用いて、転写されず感光体上に残留したトナーをクリーニングするのが好ましい。クリーニングブレードの感光体に対し、カウンター方向に当接し、該当接条件は、クリーニング性を向上させる観点から5〜50g/cmの線圧で当接することが好ましい。線圧が5g/cm未満だとトナーのすり抜けが発生しやすくなり、50g/cmより大きいとブレードメクレが発生し易くなる。
【0144】
なおクリーニング工程の前段階においては、クリーニングを容易にするために感光体表面を除電する除電工程を付加する事が好ましい。この除電工程は、例えば交流コロナ放電を生じさせる除電器により行われる。
【0145】
本発明に用いられるクリーニングブレードの硬度は65°〜75°、反発弾性が15%〜60%(20℃、50±5%RHの条件下)のゴム弾性体が好ましい。反発弾性が15%未満だとブレードのバウンディングが起こりや易くなり、低温環境でのクリーニング性の確保が難しく、75%を越えると逆にブレードの追随性が大きくなりブレードメクレが発生し易くなる(前記クリーニングブレードに用いられる弾性体ゴムブレードの物性値;硬度と反発弾性はJISA硬度及び反発弾性として、JISK6301の加硫ゴム物理試験方法に基づいて測定される)。
【0146】
本発明に用いられるクリーニングブレードはシリコンゴム、ウレタンゴム等が用いられるが、ウレタンゴムで作られたものが最も好ましい。
【0147】
次に本発明に用いるトナー及び現像剤について説明する。
《本発明に使用されるトナー》
〈トナーの形状係数〉
本発明に用いられるトナーの「形状係数」は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0148】
形状係数=〔(最大径/2)2×π〕/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
【0149】
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
【0150】
本発明に用いられるトナーにおいては、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは、70個数%以上である。さらに好ましくは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上とすることであり、より好ましくは、70個数%以上である。
【0151】
トナー形状係数の本発明に対する効果
本発明の画像形成装置に用いられるトナーにこの形状係数が揃ったトナーを用いると、トナー個々の帯電特性が均一になり、カブリのない、良好な画像を作製することができる。又、形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いると、トナー粒子が破砕されにくくなって微粒子トナーの発生が減少し、クリーニング不良による感光体のトナーフィルミングが防止される。
【0152】
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、トナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、トナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.0〜1.6または1.2〜1.6にしたトナー粒子を調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6または1.2〜1.6に調整したトナー粒子を同様に通常のトナーへ添加して調整する方法がある。
【0153】
上記方法の中では重合法トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0154】
〈トナーの形状係数の変動係数〉
本発明に用いられるトナーの「形状係数の変動係数」は下記式から算出される。
【0155】
トナーの形状係数の変動係数=〔S1/K〕×100(%)
〔式中、S1は100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕
本発明の画像形成装置にこの形状係数の変動係数は16%以下のトナーを用いることにより、前記形状係数の効果で記した効果がより顕著に発現される。更に好ましい形状係数の変動係数は14%以下である。
【0156】
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
【0157】
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
【0158】
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0159】
〈トナーの個数変動係数〉
本発明に用いられるトナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナーの「個数粒度分布における個数変動係数」(以下トナーの個数変動係数という)は下記式から算出される。
【0160】
トナーの個数変動係数=〔S2/Dn〕×100(%)
〔式中、S2は個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。〕
トナーの個数変動係数の本発明に対する効果
本発明に用いられるトナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が向上する。このようなトナーを本発明の画像形成装置に用いると、トナーの帯電特性が安定する、クリーニング不良が発生しにくく、本発明のシロキサン系樹脂層を有する感光体の表面を常にクリーンに保つことができる。
【0161】
本発明に用いられるトナーにおける個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0162】
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
【0163】
〈トナー粒子の粒径〉
本発明に用いられるトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0164】
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、感光体に付着してフィイルミングを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0165】
本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
【0166】
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0167】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0168】
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0169】
粉砕法トナーの場合、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度である。このものの形状係数の変動係数は20%程度である。また、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数変動係数を27%以下とするためには、さらに分級操作を繰り返す必要がある。
【0170】
懸濁重合法によるトナーの場合、従来は層流中において重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子が得られ、例えば特開昭56−130762号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合が20個数%程度となり、また形状係数の変動係数も18%程度となる。また、個数粒度分布における個数変動係数を制御する方法として前記した様に、重合性単量体の大きな油滴に対して、機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られるトナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と大きいものであり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0171】
樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、例えば特開昭63−186253号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度であり、また形状係数の変動係数は18%程度である。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数変動係数は30%であり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0172】
本発明に用いられるトナーの粒径は、体積平均粒径で3〜8μmが好ましい。トナーの体積平均粒径および粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を測定し求めたものである。
【0173】
更に、前記トナーはトナーの体積平均粒径3.0μm未満の粒子が30個数%以下であることが好ましい。このトナーを製造する方法としては特に限定されるものでは無い。粉砕分級法でも粉砕時に過粉砕を抑制しつつ粉砕を行うことでもよい。さらに、繰り返し分級する方法を採用してもよい。さらにいわゆる重合法トナーの製造方法は懸濁重合法や融着法によるトナーの製造方法も好ましい。
【0174】
尚、重合法では必要に応じて、樹脂粒子の分散液中での遠心分離などによる微粒子除去等によても達成できる。
【0175】
いずれにしろ、粉砕法トナーであれ重合法トナーであれ上記本発明の要件を満たすものであれば、本発明の目的を達成できる。
【0176】
〈本発明に使用されるトナーの製造方法〉
本発明に使用されるトナーの製造方法は、最も一般的に用いられている粉砕法、即ちバインダー樹脂と着色剤、その他必要により添加される種種の添加剤を混練粉砕後分級して作製しても良いし、離型剤、着色剤を含有した樹脂粒子を媒体中で合成作製して製造してもよい。
【0177】
水系媒体中で融着させる方法として、例えば特開昭63−186253号公報、同63−282749号公報、特開平7−146583号公報等に記載されている方法や、樹脂粒子を塩析/融着させて形成する方法等をあげることができる。
【0178】
ここで用いられる樹脂粒子は重量平均粒径50〜2000nmが好ましく、これらの樹脂粒子は乳化重合、懸濁重合、シード重合等のいずれの造粒重合法によっても良いが、好ましく用いられるのは乳化重合法である。
【0179】
前記粉砕法のバインダー樹脂、或いは前記樹脂粒子の樹脂の製造に用いられる単量体は、いずれの製造方法においても、従来公知の重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0180】
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂を構成する単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル誘導体等が具体的に挙げられ、これらは単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0181】
その他のビニル系重合体の具体的例示化合物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0182】
さらに、スチレン−アクリル系樹脂(ビニル系樹脂)で含カルボン酸重合体を得るための単量体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、ケイ皮酸無水物、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル等が挙げられる。
【0183】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングルコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等の架橋剤を添加してもよい。
【0184】
また、ポリエステル樹脂としては、2価以上のカルボン酸と2価以上のアルコール成分を縮合重合させて得られる樹脂である。2価のカルボン酸の例としてはマレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等が挙げられ、これらの酸無水物も使用することができる。
【0185】
また、ポリエステル樹脂を構成する2価のアルコール成分の例としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のエーテル化ビスフェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4,ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等をあげることができる。
【0186】
また、ポリエステル樹脂として架橋構造を有するものとしては、下記3価のカルボン酸、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等があげられ、これらの酸無水物、あるいは多価アルコール成分、具体的にはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等を添加することで架橋ポリエステル樹脂とすることもできる。
【0187】
着色剤としては無機顔料、有機顔料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0188】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0189】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0190】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0191】
有機顔料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0192】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0193】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0194】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0195】
これらの有機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0196】
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0197】
本発明で得られたトナーには、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0198】
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0199】
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0200】
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0201】
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
【0202】
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0203】
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%程度が好ましい。
トナー化工程は上記で得られたトナー粒子を、例えば流動性、帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的として、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0204】
トナーは、バインダー樹脂、着色剤以外にトナー用添加剤として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には離型剤、荷電制御剤等が挙げられる。
【0205】
尚、離型剤としては、種々の公知のもので、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、これらの変性物、カルナウバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどをあげることができる。これらは離型剤粒子として加えられ、樹脂や着色剤と共に塩析/融着させることが好ましいことはすでに述べた。
【0206】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0207】
〈現像剤〉
本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよいが、好ましくは二成分現像剤としてである。
【0208】
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
【0209】
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。
【0210】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0211】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0212】
図1は本発明の画像形成装置の全体の構成を示す概要構成図である。
図1に示す画像形成装置は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B(図示省略)、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
【0213】
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
【0214】
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
【0215】
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
【0216】
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体(以下、感光体ドラムとも云う)21と、その外周に、帯電手段である帯電器22、現像手段である現像装置23、転写手段である転写器24、分離手段である分離器25、クリーニング手段26及びPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。感光体21は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
【0217】
回転する感光体21へは帯電器22による一様帯電がなされた後、露光光学系30により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である露光光学系30は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ(符号なし)、シリンドリカルレンズ(符号なし)を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い潜像を形成する。
【0218】
感光体21上の潜像は現像装置23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙の傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a及び転写進入ガイド板46に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写器24によって転写紙Pに転写され、次いで分離器25によって除電されて転写紙Pは感光体21面より分離し、搬送装置45により定着器50に搬送される。
【0219】
定着器50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを熔着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
【0220】
図2は、本発明の画像形成装置における感光体とその周辺の構成を示す正面図である。図2において、21は感光体、71は感光体21を加熱するために内周面に設けられた発熱体としてのヒータ、72は感光体の外周に当接または近接して設けられる感光体温度を検知する温度検知手段としての温度センサである。
【0221】
図2において、本発明の像露光工程で像露光後、次の現像工程において、現像が開始されるまでの時間とは感光体の像露光点Ao点から現像開始点Ds迄の距離を感光体が移動する時間に相当する。また、前述した図1に示すように、本発明の画像形成装置には、該画像形成装置が設置されている環境の環境条件を検知するための環境条件検知手段73が設けられている。該環境条件検知手段73は、環境の温度を検知するための温度センサ731と、環境の湿度を検知するための湿度センサ732とから構成されている。
【0222】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0223】
実施例1〜3及び比較例1〜3
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
【0224】
〈下引き層〉
チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30g
シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g
2−プロパノール 150ml
上記塗布液を用いてφ60mmの円筒形の導電性支持体上に、乾燥膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0225】
〈電荷発生層〉
Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピーク角度が2θで27.3) 60g
シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製)700g
t−ブタノール 1600ml
2−メトキシメチルペンタノン 400ml
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0226】
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(T−18) 200g
ポリカーボネート(Z−300:三菱ガス化学社製) 300g
酸化防止剤(例示化合物1−3) 5g
ジクロロメタン 2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、表1記載の乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。電荷輸送層のイオン化ポテンシャルは5.40(eV)であった。
【0227】
〈硬化性樹脂層〉
メチルトリメトキシシラン 180g
化合物(例示化合物B−1) 60g
酸化防止剤(例示化合物2−1) 1g
2−プロパノール 225g
3%酢酸 30g
アルミニウムトリスアセチルアセトナート 3g
メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、2−プロパノール、3%酢酸を混合し、室温で16時間撹拌してシラン化合物のオリゴマー液を調製した。次いでこのオリゴマー化液に例示化合物T−1、酸化防止剤、アルミニウムトリスアセチルアセトナートを加えて2時間撹拌した後、濾過して硬化性樹脂層用塗布液を調整した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥膜厚2.5μmの硬化性樹脂層を形成し、110℃、1時間の加熱硬化を行い、架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を形成し、感光体1を作製した。硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルは5.51(eV)であった。従って感光体1の硬化性樹脂層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャル差は0.11(eV)である。
【0228】
感光体2の作製
感光体1において硬化性樹脂層を次のように変更し、感光体2を作製した。
【0229】
〈硬化性樹脂層〉
メチルトリメトキシシラン 100g
ジメトキシジメチルシラン 82g
例示化合物(B−1) 60g
酸化防止剤(例示化合物2−1) 1g
2−プロパノール 225g
3%酢酸 30g
ジブチル錫アセテート 3g
メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、2−プロパノール、3%酢酸、例示化合物T−1、酸化防止剤、アルミニウムトリスアセチルアセトナートを同時に加えて2時間撹拌した後、濾過して硬化性樹脂層用塗布液を調整した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥膜厚2.5μmの硬化性樹脂層を形成し、110℃、1時間の加熱硬化を行い、架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を形成し、感光体2を作製した。該硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルは5.62(eV)であった。従って感光体2の硬化性樹脂層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャル差は0.22(eV)である。
【0230】
感光体3の作製
感光体1において電荷輸送層を次のように変更し、感光体3を作製した。
【0231】
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(T−20) 200g
ポリカーボネート(Z−300:三菱ガス化学社製) 300g
酸化防止剤(例示化合物1−3) 5g
ジクロロメタン 2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0232】
電荷輸送層のイオン化ポテンシャルは5.60(eV)であった。硬化性樹脂層は感光体1と同じ硬化性樹脂層を設置したため、イオン化ポテンシャル差は0.09(eV)であった。
【0233】
感光体4の作製
感光体1において電荷輸送層を次のように変更し、感光体4を作製した。
【0234】
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(T−16) 200g
ポリカーボネート(Z−300:三菱ガス化学社製) 300g
酸化防止剤(1−3) 5g
ジクロロメタン 2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0235】
電荷輸送層のイオン化ポテンシャルは5.05(eV)であった。硬化性樹脂層は感光体1と同様に設置したため、イオン化ポテンシャル差は0.46(eV)であった。
【0236】
感光体5の作製
感光体1と同様にして電荷輸送層までを形成した。
【0237】
〈硬化性樹脂層〉
メチルトリメトキシシラン 180g
化合物(例示化合物B−8) 60g
酸化防止剤(例示化合物2−1) 1g
2−プロパノール 225g
3%酢酸 30g
アルミニウムトリスアセチルアセトナート 3g
これらを混合し、室温で16時間攪拌してシラン化合物のオリゴマー液を調製した。次いでこのオリゴマー化液の例示化合物B−12、酸化防止剤、アルミニウムトリスアセチルアセトナートを加えて2時間攪拌した後、濾過して硬化性樹脂層用塗布液を調整した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥膜厚2.5μmの硬化性樹脂層を形成し、110℃、1時間の加熱硬化を行い、架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を形成し、感光体5を作製した。硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルは4.98(eV)であった。従って感光体5の硬化性樹脂層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャル差は0.42(eV)である。
【0238】
現像剤の作製
現像剤1の作製
スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート=75:20:5の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量3500)4部とを溶融・混練した後、機械式粉砕機を使用し微粉砕を行い、風力分級機により2回分級してた。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度75/数平均一次粒子径12nm)を1.2質量%を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を40m/s、50℃で10分間混合し、トナー1を得た。該トナー1の個数平均粒径は7.3μm、形状係数1.0〜1.6の割合(個数%)は68.0であった。
【0239】
このトナーにシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤1を調整した。
【0240】
尚、キャリアの個数平均粒径の測定はレーザー回折式粒度分布測定放置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック社製)により測定した。
【0241】
現像剤2の作製
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10Lを入れ、撹拌溶解する。この液に撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.2kgを徐々に加え、次いでサンドグラインダー(媒体分散機)を用いて、20時間連続分散した。分散後、大塚電子社製電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で122nmであった。また、静置乾燥による質量法で測定した上記分散液の固形分濃度は16.6質量%であった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
【0242】
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換水4Lに混合し、室温下撹拌溶解する。これをアニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0243】
ノニルフェノールアルキルエーテル0.014kgをイオン交換水12Lに混合し、室温下撹拌溶解する。これを開始剤溶液Aと呼ぶ。
【0244】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100Lの反応釜に数平均分子量(Mn)が3500のポリプロピレンエマルジョン3.41kgとアニオン界面活性剤溶液Aとノニオン界面活性剤溶液Aとを入れ、撹拌を開始する。次いでイオン交換水44Lを加える。
【0245】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで開始剤溶液Aを全量添加する。その後液温度を75±1℃に制御しながらスチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを投入する。
【0246】
更に液温度を80℃±1℃に下げて、6時間加熱撹拌を行った。
液温度を40℃以下に冷却し、撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、これをラテックスA1とした。
【0247】
尚、ラテックスA1中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点121℃、分子量分布は重量平均分子量12,700、重量平均粒径は120nmであった。
【0248】
過硫酸カリウム200.7gをイオン交換水12Lに混合し、室温下撹拌溶解する。これを開始剤溶液Bとする。
【0249】
温度センサー、冷却管、窒素導入管、櫛型バッフルを付けた100Lの反応釜にノニオン界面活性剤溶液Aを入れ、撹拌を開始する。次いでイオン交換水44Lを投入する。
【0250】
加熱を開始し、液温度が70℃になったところで開始剤溶液Bを添加する。この時、スチレン11kgとアクリル酸n−ブチル4kgと、メタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を投入する。
【0251】
その後、液温度を72±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。更に液温度を80±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。次いで液温度を40℃以下に冷却し、撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液をラテックスB1とした。尚、ラテックスB1の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は重量平均分子量24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0252】
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgとイオン交換水20Lを入れ、撹拌溶解する。これを塩化ナトリウム溶液Aとする。
【0253】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛型バッフルを付けた100LのSUS反応釜(撹拌翼はアンカー翼)に上記で作製したラテックスA1、20kgとラテックスB1、5.2kgと着色剤分散液1、0.4kgとイオン交換水20kgとを入れ撹拌する。次いで35℃に加温し、塩化ナトリウム溶液Aを添加する。その後5分間放置した後に昇温を開始し、液温度を85℃まで5分で昇温する。(昇温速度10℃/分)液温度85±2℃にて6時間加熱撹拌し、塩析・融着させる。その後30℃以下に冷却し、撹拌を停止する。目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液(1)とする。次いで遠心分離機を使用し、会合液(1)よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後イオン交換水により洗浄した。
【0254】
上記で洗浄を完了したウェットケーキ状の着色粒子を40℃の温風で乾燥し着色粒子を得た。この着色粒子の個数平均粒径は4.6μmであった。更にこの着色粒子に疎水性シリカ(疎水化度65,数平均一次粒子径12nm)1質量%を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を20m/s、41℃で10分間混合し、トナー2を得た。このトナー粒子の個数平均粒径は4.6μm、形状係数1.0〜1.6の割合(個数%)は81.1であった。
【0255】
このトナー2を用い、現像剤1と同様にシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤−2を調整した。
【0256】
〈評価〉
1.感光体の時間応答性(T10)評価
感光体の時間応答性評価は感光体試験装置EPA−8100(川口電機社製)を用いて行った。
【0257】
作製したドラムを約5×5(cm)の平板状に切り出して試験器に装着し、スタティックモードにて、帯電電位−600±20(V)になるように設定し、露光量は白色光にて感光体の表面電位が−200(V)以下となる十分な光量に設定し、光照射後の表面電位を10msec間隔で測定した。応答速度として光照射後、隣り合う時間で測定した表面電位の差の10点平均が10V以下となるまでの時間T10を求めた。
【0258】
2.画像評価
(〔表1〕に記載の感光体と現像剤の組み合わせで実施例1〜3比較例1〜3を行った。)
特性評価は本感光体をコニカ社製デジタル複写機Konica7075(レーザ露光、反転現像、爪分離、ブレードクリーニングプロセスを有するA4紙75枚/分の複写機)改造機に搭載し、感光体線速を調整して像露光工程−現像工程間の時間を120msecに設定し、初期帯電電位を−750Vに設定し、低温低湿環境:LL(10℃、20%RH)と高温高湿環境:HH(30℃、80%RH)にてそれぞれA4紙3万枚の連続複写の画像評価を行った。
【0259】
画像評価はドット密度400dpiの像露光をレーザービームスポット面積を3200、1900、800(μm2)に変化させて、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像を目視評価した。
【0260】
評価プロセス条件
尚、上記7075を用いた画像評価条件は下記の条件に設定した。
【0261】
帯電条件
帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750V
現像条件
DCバイアス ;−500V
Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm
現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式
現像剤層厚 ;700μm
現像スリーブ径;40mm
転写条件
転写極;コロナ帯電方式、転写ダミー電流値:45μA
クリーニング条件
弾性体ゴムブレード;自由長:9mm、厚さ:2mm、硬度:70°、反発弾性:35、感光体当接圧(線圧):15g/cm
画像特性
ドット画像品質評価
◎:ドット画像がほぼ忠実に再現されている
○:ドット画像に太り、細りはあるが鮮明に再現されている
△:ドット画像がコピー枚数と共に劣化し、文字チリが発生している
×:ドット画像の乱れ、激しい文字チリ発生している
【0262】
【表1】
【0263】
実施例4
実施例1において像露光工程−現像工程間の時間を120msecから90msecに変更した以外は実施例1と同様にして評価を行った。
【0264】
比較例4
比較例1において像露光工程−現像工程間の時間を120msecから90msecに変更した以外は比較例1と同様にして評価を行った。
【0265】
【表2】
【0266】
像露光工程−現像工程間の時間が100msec以下では本発明の効果がより顕著となる。
【0267】
評価
表1から明らかなように本発明の硬化性樹脂層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャルの差が0.4(eV)以下である実施例1〜3の感光体は形成されたドット画像が良好であるのに対し、該イオン化ポテンシャルの差が0.4を越えた比較例1〜3はドット画像が劣化している。又、スポット面積が2000以下のビーム光を用いた像露光ではより画像品質が良好であることが見いだされる。そして表2の実施例4と比較例4の比較により、露光から現像までの時間が100msec以下の画像形成方法において、本発明の効果がより顕著に現れている。
【0268】
【発明の効果】
上記実施例より、本発明の感光層と硬化性樹脂層を有する電子写真感光体は低温低湿環境下、或いは高温高湿環境下の厳しい条件においても、良好なドット画像を形成し、該感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置においても優れた効果を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の全体の構成を示す概要構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置における感光体とその周辺の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
21 感光体
22 帯電器
23 現像装置
24 転写器
25 分離器
26 クリーニング手段
26A 弾性体ゴムブレード
27 PCL(プレチャージランプ)
30 露光光学系
70 通電回路
71 ヒータ
72 温度センサ
73 環境条件検知手段
731 温度センサ
732 湿度センサ
Claims (21)
- 導電性支持体上に感光層、硬化性樹脂層を積層してなる電子写真感光体において、該硬化性樹脂層が水酸基、或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、下記一般式(1)で示される化合物とを反応させて得られるシロキサン系樹脂層であり、感光層と該硬化性樹脂層のイオン化ポテンシャルの差が0.4(eV)以下であり、且つ該電子写真感光体の下記に定義する時間応答性T10が0.25秒以下であることを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1) B−(R 1 −ZH) m
式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価又は多価の基を表し、R 1 は単結合又は2価のアルキレン基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、mは1〜4の整数を表す。
〈時間応答性T10〉
|600V|±20Vに帯電させた感光体を|200V|以下に光減衰できる十分な光量で光照射を行なった場合に、光照射後10msec間隔で測定した表面電位の隣り合うデーター間の電位差の10点平均が10V以下となるまでの時間。 - 前記一般式(1)中のZが酸素原子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を積層してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記硬化性樹脂層が電荷輸送性を有する構造単位を含み架橋構造を有するシロキサン系樹脂層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記硬化性樹脂層中にコロイダルシリカ、又は金属酸化物粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記硬化性樹脂層中に酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記硬化性樹脂層が該電子写真感光体の保護層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層と前記硬化性樹脂層の総膜厚が15μm以下であり、且つ時間応答性T 10 が0.1秒以下であること特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光工程における像露光をスポット面積が2000μm 2 以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
- 前記ビーム光のスポット面積が1000μm 2 以下であることを特徴とする請求項10記載の画像形成方法。
- 少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記現像工程に用いられるトナーの平均粒径が3〜8μmであることを特徴とす る画像形成方法。
- 前記トナーの形状係数が1.0以上1.6以下の範囲にあるトナーの割合が65個数%以上であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
- 像露光工程における像露光をスポット面積が2000μm 2 以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成方法。
- 少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光工程から現像工程までの時間が100msec以下の速度で画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光手段における像露光をスポット面積が2000μm 2 以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記現像手段に用いられるトナーの平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする画像形成装置。
- 前記トナーの形状係数が1.0以上1.6以下の範囲にあるトナーの割合が65個数%以上であることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
- 像露光工程における像露光をスポット面積が2000μm 2 以下のビーム光を用いて潜像形成を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載の画像形成装置。
- 少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、且つ前記像露光手段から現像手段までの時間が100msec以下の速度で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体と少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光体と帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段のいずれか1つとを一体に組み合わせて有しており、該画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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