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JP3992779B2 - アシルオキシ安息香酸又はその塩の製造法 - Google Patents

アシルオキシ安息香酸又はその塩の製造法 Download PDF

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JP3992779B2 JP08624397A JP8624397A JP3992779B2 JP 3992779 B2 JP3992779 B2 JP 3992779B2 JP 08624397 A JP08624397 A JP 08624397A JP 8624397 A JP8624397 A JP 8624397A JP 3992779 B2 JP3992779 B2 JP 3992779B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素系漂白剤における漂白活性化剤として有用なアシルオキシ安息香酸又はその塩の製造法に関する。さらに詳細には、ヒドロキシ安息香酸又はその塩にアシル化剤を作用させて、アシルオキシ安息香酸又はその塩を製造するに際し、アシル化剤としてカルボン酸無水物を用い特定の温度で反応させることにより、アシルオキシ安息香酸のオリゴエステル等の副生物が少なく、高選択性、高収率でアシルオキシ安息香酸又はその塩を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
アシルオキシ安息香酸塩は、アシルオキシベンゼンスルホン酸塩と同様に過炭酸ナトリウム、過ほう素酸ナトリウム等に代表される過酸化水素発生基質や過酸化水素と併用することにより、低温でも非常に高い漂白性能を発揮するため、漂白活性化剤として特に有用な化合物である(特開平6−211746号、特開平6−145697号)。
【0003】
このアシルオキシ安息香酸又はその塩を得る方法としては、一般的に用いられるカルボン酸とアルコールの脱水エステル化法やアルカリ存在下水溶液中でエステル化を行うショッテンバウマン法、更には特開昭61−1655号公報に開示されているフェノール誘導体と酸塩化物を有機溶媒中で反応させる方法等がある。しかし、これらいずれの方法を用いても、ヒドロキシ安息香酸の縮合物等の副生成物が生成し、高選択性、高収率で目的のアシルオキシ安息香酸を得られない等の問題があり、アシルオキシ安息香酸又はその塩を高選択性、高収率で工業的に製造できる方法の開発が望まれていた。
【0004】
従って、本発明の目的は、アシルオキシ安息香酸のオリゴエステル等の副生物が少なく、高選択性でしかも高収率に、かつ廉価にアシルオキシ安息香酸又はその塩を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、ヒドロキシ安息香酸あるいはその塩とアシル化剤との反応について鋭意検討の結果、アシル化剤としてカルボン酸無水物を用い特定の温度で反応させることにより、驚くべきことにこれまでになく高い選択性、高い収率で目的のアシルオキシ安息香酸又はその塩が製造できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式(I)
【0006】
【化4】
Figure 0003992779
【0007】
(式中、M は水素原子又は陽イオン基を示す。)
で表されるヒドロキシ安息香酸又はその塩に、アシル化剤を反応させて、一般式(II)
【0008】
【化5】
Figure 0003992779
【0009】
(式中、R1は炭素数1〜21の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、もしくは炭素数1〜18の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基で置換されていてもよいアリール基を示し、M は前記と同じ意味を示す。)
で表されるアシルオキシ安息香酸又はその塩を製造するに際し、アシル化剤として、一般式(III)
【0010】
【化6】
Figure 0003992779
【0011】
(式中、R1は前記と同じ意味を示し、R2は炭素数1〜21の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、もしくは炭素数1〜18の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基で置換されていてもよいアリール基を示す。またR1とR2は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるカルボン酸無水物を用い、反応を 180℃以下で行うことを特徴とするアシルオキシ安息香酸又はその塩の製造法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
本発明の原料となるヒドロキシ安息香酸又はその塩は前記一般式(I)で表されるが、式中のM は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、置換アンモニウムあるいは4級アンモニウムを示す。アルカリ金属としては、Li、Na、K 等、アルカリ土類金属としては、Mg、Ca等が挙げられる。また置換アンモニウムとしては、具体的には、モノメチルアンモニウム、ジメチルアミン、トリメチルアミン、炭素数2〜14のモノアルキルアミンあるいはモノアルキルジメチルアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、メチルモノエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、炭素数2〜16のモノアルキルモノエタノールアミン、同じくモノアルキルジエタノールアミン、ピリジン、ピペリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、 N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン等から誘導されるアンモニウムが挙げられる。また、4級アンモニウムの具体例としては、炭素数1〜24の単一あるいは混合されていてもよくまた不飽和であってもよいモノアルキルトリメチルアンモニウム、炭素数1〜20の単一あるいは混合されていてもよくまた不飽和であってもよいジアルキルジメチルアンモニウム、炭素数1〜4のテトラアルキルアンモニウム等が挙げられる。
この中で、目的物のアシルオキシ安息香酸又はその塩の水溶性及び性能の点で、特に水素原子、Li、K 、Na、Mg、アンモニウム ( NH4 + ) が好ましく、更に水素原子、Li、K 、Naが特に好ましい。
【0014】
一般式(I)で表されるヒドロキシ安息香酸又はその塩の具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、又はそのNa塩、K 塩、Li塩、Mg塩等が挙げられる。この中で、原料供給面から、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、又はそのNa塩、K 塩あるいはMg塩の使用が好ましく実用的である。
なお、一般式(I)で表されるヒドロキシ安息香酸又はその塩は、対応する酸又は塩の形態として市販されており、いずれをも使用することができる。
【0015】
本発明でアシル化剤として用いられる一般式(III) で表されるカルボン酸無水物において、R1及びR2は前記の意味を示すが、炭素数1〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数3〜17の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が更に好ましい。またR1とR2は同一でも異なっていてもよいが、R1とR2が同一のものが好ましい。
【0016】
一般式(III) で表されるカルボン酸無水物の具体例としては、酢酸、n−プロピオン酸、n−酪酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、i−ヘプタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、n−デカン酸、i−デカン酸、n−ウンデカン酸、i−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸等に代表される脂肪酸の無水物、安息香酸、メチル安息香酸、オクチル安息香酸等に代表される芳香族カルボン酸の無水物が使用でき、中でも、親水性汚れ、疎水性汚れに対する効果及び水溶性の良好なものを得るために、炭素数4〜18の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸無水物が好ましい。
【0017】
また、本発明においては、アシル化剤として前記一般式(III) で表されるカルボン酸無水物以外のアシル化剤を併用することもできる。併用する場合にはアシル化剤全量に対し、一般式(III) で表されるカルボン酸無水物を10モル%以上、好ましくは50モル%以上用いるのが好ましい。
【0018】
一般式(III) で表されるカルボン酸無水物と併用しうるアシル化剤としては、カルボン酸ハライドが好ましい。
併用しうるカルボン酸ハライドとしては、上記酸無水物を構成するカルボン酸残基を有するカルボン酸ハライドが好ましく、カルボン酸ハライドのハライドとしては、F 、Cl、Br、I 等であれば反応上の差異がないためいずれでもよいが、工業的汎用原料であるカルボン酸クロライドがコスト面で有利である。
【0019】
本発明においてはまた、カルボン酸無水物とヒドロキシ安息香酸又はその塩を直接反応させるだけでなく、反応装置中にカルボン酸とカルボン酸ハライドとを反応させてカルボン酸無水物を形成させたり、カルボン酸と塩化チオニルとを反応させてカルボン酸無水物を形成させた後、この反応物にヒドロキシ安息香酸又はその塩を添加して反応させることもできる。
【0020】
本発明において、アシル化剤は、一般式(I)で表されるヒドロキシ安息香酸又はその塩に対し、通常 0.5〜 2.0倍モル使用するのが好ましい。また、アシル化剤と、一般式(1)で表されるヒドロキシ安息香酸又はその塩との仕込み順序は特に限定されず、ヒドロキシ安息香酸又はその塩にアシル化剤を添加しても、その逆でも良い。
【0021】
本発明におけるアシル化反応は、 180℃以下、好ましくは40〜160 ℃の範囲、更に好ましくは60〜150 ℃の範囲で行う。反応温度が180 ℃を越えると、アシルオキシ安息香酸のオリゴエステル等が生成し、選択率が悪くなり好ましくない。
【0022】
本発明のアシル化反応は無溶媒下でも、溶媒を用いて行ってもよい。本発明の反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられるが、トルエン、キシレンが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、例中の%は特記しない限り重量基準である。
また、実施例3〜5以外の実施例は参考例である。
【0024】
また、以下の実施例及び比較例において、液体クロマトグラフィー分析は下記の条件で行い、反応率及び選択率は下記の式により求めた。
【0025】
Figure 0003992779
<反応率>
【0026】
【数1】
Figure 0003992779
【0027】
<選択率>
【0028】
【数2】
Figure 0003992779
【0029】
(上記式中、R1は前記の意味を示し、n は1以上の整数を示す。)
実施例1
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを具備した4つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル;和光純薬(株)製)、キシレン 600gを仕込み、攪拌しながら 120℃まで加熱した。 120℃に到達後、カプリル酸無水物 284g(1.05モル;東京化成工業(株)製)を20分で滴下した。滴下終了後、 120℃で4時間熟成を行い、反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率96%、安息香酸誘導体エステル中のp−オクタノイルオキシ安息香酸の選択率99.2%であった。
反応条件、反応率、選択率をまとめて表1に示す。
【0030】
実施例2
攪拌機、温度計、冷却管、粉体ロートを具備した4つ口フラスコに、カプリル酸無水物 284g(1.05モル)を仕込み、攪拌しながら 120℃まで加熱した。120 ℃に到達後、p−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル)を20分で加えた。仕込終了後、 120℃で4時間熟成を行い、反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率98%、安息香酸誘導体エステル中のp−オクタノイルオキシ安息香酸の選択率98.1%であった。
反応条件、反応率、選択率をまとめて表1に示す。
【0031】
比較例1
攪拌機、温度計、脱水管を具備した4つ口フラスコに、カプリル酸 302g(2.1 モル;花王(株)製ルナック8−98)とp−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル)を仕込み、攪拌しながら 250℃まで加熱し、その温度で5時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率98%、安息香酸誘導体エステル中のp−オクタノイルオキシ安息香酸の選択率65%であった。
反応条件、反応率、選択率をまとめて表1に示す。
【0032】
比較例2
実施例1と同様の装置を使用し、p−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル)、カプリル酸 151g(1.05モル)を仕込、攪拌しながら 120℃まで加熱し、 120℃に到達後、カプリル酸クロライド 171g(1.05モル;東京化成工業(株)製)を20分で滴下した。滴下終了後、窒素を吹き込みながら 120℃で4時間熟成を行い、反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率97%、安息香酸誘導体エステル中のp−オクタノイルオキシ安息香酸の選択率86%であった。
反応条件、反応率、選択率をまとめて表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003992779
【0034】
実施例3〜5
実施例1と同様の装置を使用し、カプリル酸無水物のかわりにカプリル酸無水物とカプリル酸クロライドとを表2に示す割合で混合した混合物を滴下する以外は実施例1と同様に反応を行った。
反応条件、反応率、選択率をまとめて表2に示す。
【0035】
比較例3
実施例1と同様の装置を使用し、カプリル酸無水物のかわりにカプリル酸クロライドを滴下する以外は実施例1と同様に反応を行った。
反応条件、反応率、選択率を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003992779
【0037】
実施例6〜9及び比較例4
実施例2と同様の装置を使用し、n−デカン酸無水物 392g(1.2 モル;東京化成工業(株)製)を仕込み、昇温した。表3に示す温度に達したところでp−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル)を約1時間で添加し、表3に示す条件で反応を行った。
反応条件、反応率、選択率をまとめて表3に示す。
【0038】
【表3】
Figure 0003992779
【0039】
実施例10
実施例1と同様の装置にさらに窒素導入管を具備し、カプリル酸 144g(1モル)を仕込み、攪拌しながら 120℃まで加熱した。窒素は 100ml/分で吹き込み続けた。 120℃に到達後、カプリル酸クロライド 179g(1.1 モル)を5分で滴下し、30分保持しカプリル酸無水物を形成させた。反応物を 1H−NMRで分析した結果、仕込のカプリル酸の95モル%以上が酸無水物になっていた。
この反応物を攪拌しながら 120℃でp−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル)を1時間で添加し、 120℃で2時間熟成を行い、反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率99%、安息香酸誘導体エステル中のp−オクタノイルオキシ安息香酸の選択率98.5%であった。
【0040】
さらに反応物にヘキサン 500gを加え、結晶析出物を25℃で減圧濾過し、ヘキサン約 500gで洗浄後、50℃/200torr /5時間で乾燥して、p−オクタノイルオキシ安息香酸の粉末を純度99.1%、回収率91%で得た。得られた粉末の組成は、p−オクタノイルオキシ安息香酸誘導体エステル99.5%(内、p−オクタノイルオキシ安息香酸99.1%)、p−ヒドロキシ安息香酸及びそのオリゴマーは 0.1%、カプリル酸 0.4%であった。
【0041】
実施例11
実施例1と同様の装置を使用し、p−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル)を仕込み、攪拌しながら 130℃まで加熱した。 130℃に到達後、ラウリン酸無水物574g(1.5 モル;東京化成工業(株)製)を5分で滴下した。滴下終了後、130℃で2時間熟成を行い、反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率99%、安息香酸誘導体エステル中のp−ドデカノイルオキシ安息香酸の選択率99.5%であった。
【0042】
得られた反応物を50℃に冷却し、結晶析出物を減圧濾過し、ヘキサン約1000gで洗浄後、40℃/100torr /10時間で乾燥して、p−ドデカノイルオキシ安息香酸の粉末を純度99.3%、回収率93%で得た。得られた粉末の組成は、p−ドデカノイルオキシ安息香酸誘導体エステル99.7%(内、p−ドデカノイルオキシ安息香酸99.3%)、p−ヒドロキシ安息香酸及びそのオリゴマーは 0.1%、ラウリン酸 0.2%であった。
【0043】
実施例12
攪拌機、温度計、冷却管を具備した4つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸 138g(1モル)、3,5,5 −トリメチルヘキサン酸無水物 298g(1モル)を仕込み、攪拌しながら徐々に 100℃まで加熱した。 100℃で6時間熟成を行い、反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率95%、安息香酸誘導体エステル中の 3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ安息香酸の選択率97.9%であった。
【0044】
得られた反応物を 130℃/2torr/2時間で 3,5,5−トリメチルヘキサン酸の一部を留去し、さらに 160℃/4torr/30分間のスチーミングを行って 3,5,5−トリメチルヘキサン酸を除去し、冷却し白色固体を得た。得られた固体中の組成は、3,5,5 −トリメチルヘキサノイルオキシ安息香酸誘導体エステル95.5%(内、3,5,5 −トリメチルヘキサノイルオキシ安息香酸93.0%)、p−ヒドロキシ安息香酸及びそのオリゴマーは 2.4%、3,5,5 −トリメチルヘキサン酸 1.8%、その他 0.3%であった。
【0045】
実施例13
実施例1と同様の装置にさらに窒素導入管を具備し、EMERY1210 C5〜C9 Mono Acid 465g(3.5 モル;エメリー社製、C5:4%、C6:27%、C7:30%、C8:12%、C9:27%)を仕込み、攪拌しながら60℃まで加熱した。窒素は 100ml/分で吹き込み続けた。60℃に到達後、塩化チオニル 119g(1モル)を2時間で滴下し、30分保持し混合脂肪酸無水物を形成させた。この反応物に攪拌しながら 120℃でp−ヒドロキシ安息香酸 121g(0.88モル)を1時間で分割添加し、 120℃で1時間熟成を行い、反応物を液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、原料のp−ヒドロキシ安息香酸に対し反応率93%、安息香酸誘導体エステル中のアルカノイルオキシ安息香酸の選択率99.3%であった。
【0046】
得られた反応物を 130℃/5torrで脂肪酸含有量約25%まで脂肪酸を留去した。その後、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド平均8モル付加物 600g(花王(株)製、カルコール20−平均EO8モル付加品)を加え 130℃/5toorでスチーミングを行ってさらに脂肪酸を留去した。得られた混合品中のラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物を除いた組成は、アルカノイルオキシ安息香酸誘導体エステル96.0%(内、アルカノイルオキシ安息香酸95.7%)、p−ヒドロキシ安息香酸及びそのオリゴマーは 2.8%、脂肪酸 0.7%、その他 0.5%であった。
【0047】
実施例14
実施例1と同様の装置を使用し、p−ヒドロキシ安息香酸のかわりにサリチル酸 138g(1モル;和光純薬(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様の条件で行った。その結果、原料のサリチル酸に対し反応率95%、安息香酸誘導体エステル中のo−オクタノイルオキシ安息香酸の選択率98.9%であった。

Claims (2)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003992779
    (式中、M は水素原子、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、置換アンモニウムあるいは4級アンモニウムを示す。)
    で表されるヒドロキシ安息香酸又はその塩に、アシル化剤を反応させて、一般式(II)
    Figure 0003992779
    (式中、R1は炭素数1〜21の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、もしくは炭素数1〜18の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基で置換されていてもよいアリール基を示し、M は前記と同じ意味を示す。)
    で表されるアシルオキシ安息香酸又はその塩を製造するに際し、アシル化剤として、一般式(III)
    Figure 0003992779
    (式中、R1は前記と同じ意味を示し、R2は炭素数1〜21の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、もしくは炭素数1〜18の、エステル基、アミド基又はエーテル基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基で置換されていてもよいアリール基を示す。またR1とR2は同一でも異なっていてもよい。)
    で表されるカルボン酸無水物と、このカルボン酸無水物を構成するカルボン酸残基を有するカルボン酸ハライドとを併用し、アシル化剤全量に対し、一般式(III) で表されるカルボン酸無水物を50モル%以上用い、反応をトルエン及びキシレンから選ばれる溶媒を用いて、120〜150℃の範囲で行い、更に反応系に一般式( IV )又は(V)
    Figure 0003992779
    〔上記式( IV )及び(V)中、
    R :水素原子、または炭素数1〜 22 の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは無置換もしくは炭素数1〜 22 の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基あるいはハロゲンで置換されていてもよいフェニル基、あるいは多価アルコール残基を示す。
    R :炭素数1〜 21 の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは無置換もしくは炭素数1〜 22 の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基あるいはハロゲンで置換されていてもよいフェニル基を示す。
    R :水素原子、または炭素数1〜 22 の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは無置換もしくは炭素数1〜 22 の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基あるいはハロゲンで置換されていてもよいフェニル基、あるいは多価アルコール残基、又は式
    Figure 0003992779
    (式中、 R は前記と同じ意味を示し、2つの R は同一でも異なっていてもよい。)で表される基を示す。
    B :炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、 p 個の B 又は q 個の B は同一でも異なっていてもよい。
    p 及び q :それぞれアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す5〜 200 の数であり、同一でも異なっていてもよい。〕
    で表されるアルキレンオキサイド付加物が存在しないことを特徴とするアシルオキシ安息香酸又はその塩の製造法。
  2. 一般式(III) で表されるカルボン酸無水物が、炭素数4〜18の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸残基を有するものであり、R1とR2が同一の基である、請求項1記載の製造法。
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