JP3989113B2 - 運搬車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動モータ又はエンジンを駆動源とし、且つ左右輪間にデフ機構を備えない運搬車に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビニールハウスの普及により、寒冷地でもメロンの栽培が盛んに行なわれるようになってきた。大型のビニールハウスは、大収穫を見込むために50m〜100mの長大なものとなり、肥料、苗、作物の移動には機械力が必要となる。
従来は、トラクター、耕運機を用いていたが、トラクターや耕運機では、狭いハウス内での取り回し性は良くない。
【0003】
そこで、例えば実公昭51−31502号公報の「電動運搬機」を用いることを検討した。この電動運搬機は、同公報の第2図に示されるとおりに、前の左輪11をチェーン及びスプロケットを介して電動機4で駆動し、前の右輪11’をチェーン及びスプロケットを介して電動機4’で駆動し、後の左右輪17,17’を備え、前後輪間にバッテリ15,15’を備えた電動車両である。前記電動機4,4’をスイッチ箱16(同公報の第1図)を操作することで、左右独立して制御し、機体を旋回させることができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の電動運搬機は、電動機4,4’で機体を旋回させる様にしているが、小規模の方向修正には不向きである。すなわち、小規模の方向修正は電動機4,4’を止めたままで人手でターンする方が効率が良い。
しかし、前記電動機4,4’を止めたときには、これらの電動機4,4’がブレーキとなり前輪11,11’は回転しないため、実質的に人手でターンさせるには無理がある。
【0005】
大型の運搬車では、左右輪間にデフ機構を備えたものがある。デフ機構は左右輪の回転差を吸収することができるので、電動モータ若しくはエンジンを止めた状態であっても人手でターンさせることはできる。
しかし、デフ機構は高価であり、小型で軽量の運搬車には価格の高騰を招くため採用するには無理がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、デフ機構を備えない運搬車において、電動モータ又はエンジンを止めた状態で簡単に人手で方向修正ができる運搬車を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、駆動車軸にバブを取付け、このハブに車輪を取付け、ハブと駆動車軸との間に車輪遊び機構を介在させることにより、駆動車軸に対して左右の車輪を360°未満の範囲で空転可能にした運搬車であって、車輪遊び機構は、駆動車軸から径外方へ突起させた突起部と、この突起部を収納すべく前記ハブに設けた周溝と、この周溝に突出させるべくハブに取付けたストップ部材とからなり、このストップ部材が突起部に当るまでは駆動車軸に対してハブを回転可能にしたことを特徴とする。
【0008】
車輪が所定角空転可能であるから、車輪を空転させて旋回や方向修正を行なう。従って、運搬車の使い勝手が飛躍的に良くなる。
【0009】
請求項2では、突起部は、駆動車軸に開けた貫通孔に抜き差し可能に取付けた頭付きピンのヘッド部であり、ストップ部材は、ハブ側に捩じ込んだボルトであることを特徴とする。
突起部を頭付きピンのヘッド部、ストップ部材をボルトで構成したので、構成が極めて単純なものとなり、車輪遊び機構の低コスト化、コンパクト化並びに軽量化を容易に達成することができる。
【0010】
請求項3は、ボルトを捩じ込むねじ孔の径をヘッド部の外径より大径とすることで、ねじ孔を通じて頭付きピンを出入れできるようにしたことを特徴とする。ボルトを外すことで、ねじ孔を通じて頭付きピンを簡単に出し入れすることができる。
【0011】
請求項4は、頭付きピンをねじ孔へ押出す工具を差込む通孔を、円筒部に開けたことを特徴とする。
ねじ孔に対向した位置に通孔を開け、この通孔から工具を差込み、頭付きピンを押出す。頭付きピンを簡単にねじ孔を通じて取り出すことができる。
【0012】
請求項5は、通孔に盲栓を嵌めたことを特徴とする。
通孔に盲栓を嵌めることで、ごみなどの異物の侵入を防止するとともに、周溝にグリースを封じ込めておくことができる。
【0013】
請求項6では、突起部は、駆動車軸に打込んだピン、捩じ込んだビスの頭又は駆動車軸から削り出した凸部であり、ストップ部材は、ハブ側に捩じ込んだボルトであることを特徴とする。
【0014】
突起部を打込みピン、ビス若しくは凸部とし、ストップ部材をボルトにしたので、構成が極めて単純なものとなり、車輪遊び機構の低コスト化、コンパクト化並びに軽量化を容易に達成することができる。
突起部を打込みピンとすれば、ピンは構造が単純であり安価であり、打込み工数も小さいものであるから、車輪遊び機構の一層のコスト低減を図ることができる。
突起部を捩じ込みビスの頭とすれば、駆動車軸に対してビスは脱着可能となり、駆動車軸に複数のねじ孔を設けておけば、ビスの取付け位置を変更することができ、トレッドの調整が容易となる。
突起部を駆動車軸から削り出した凸部とすれば、切削加工工数は嵩むものの、部品数の削減が図れ、例えばピンやビスの紛失を虞れが無くなり、部品管理が容易になる。
【0015】
請求項7は、駆動車軸にバブを取付け、このハブに車輪を取付け、ハブと駆動車軸との間に車輪遊び機構を介在させることにより、駆動車軸に対して左右の車輪を360°未満の範囲で空転可能にした運搬車であって、車輪遊び機構は、駆動車軸に360°未満の範囲で設けたカム溝と、このカム溝に突出させるべくハブに取付けたストップ部材とからなり、このストップ部材がカム溝のエンド部に当るまでは駆動車軸に対してハブを回転可能にしたことを特徴とする。
【0016】
車輪が所定角空転可能であるから、車輪を空転させて旋回や方向修正を行なう。従って、運搬車の使い勝手が飛躍的に良くなる。
加えて、カム溝を駆動車軸に設けたので、駆動車軸の外径にハブの内径を合せることができ、バブの小径化が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。図面は符号の向きに見るものとする。「左」「右」は作業者から見た方向、「前」は前進側、「後」はその逆側をいい、左の部材にはL、右の部材にはRを付す。
なお、以下の説明では電動モータを駆動源とするが、駆動源はガソリンエンジン若しくはジーゼルエンジンであってもよい。
【0018】
また以下の説明において、請求項と図面の対応は次の通りである。
請求項1は図3〜図13、請求項2〜5は図3〜図10、請求項6は図11〜図13、請求項7は図14に対応する。
【0019】
図1は本発明に係る運搬車の斜視図であり、運搬車1は左右の前輪2L,2R、左右の後輪3L,3R(3Rは不図示)を備えた4輪車であり、前後輪間にバッテリ4L,4R(右のバッテリ4Rは不図示)を備え、前後に延びた荷台5の前部に枠フレーム6をボルト7・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)で固定し、この枠フレーム6と荷台5の後面とに柵8,8を取付け、後輪3,3から後斜め上へ把持ハンドル9L,9Rを延ばし、左のハンドル9Lにブレーキレバー11、右のハンドル9Rに変速レバー12を取付けたものである。
【0020】
図2は本発明に係る運搬車の下部構造の分解斜視図であり、車体フレーム20はメインフレーム21の前部に、上から下にモータマウントベース22、外筒23、ギヤケースマウントベース24を一体的に備え、中央にバッテリ支持ピース25,26を備え、後部に鳥居型の後部フレーム27を備えたものである。この後部フレーム27は後輪車軸28を支える左右一対の縦フレーム29L,29Rと荷台を直接受ける横フレーム31とからなる。
【0021】
前記後輪車軸28は非回転軸であり、把持ハンドル9L,9Rの基部32,32を差込んだ後、座金33,33及びボルト34,34で後輪3L,3Rを取付けることができる。後輪3L,3Rは自由回転輪である。ハンドル9L,9Rは後輪車軸28を回転中心に傾動可能であり、途中のピース35,35(一方は不図示)を図示せぬ荷台にボルト固定するようにした一種のチルトハンドルである。
【0022】
バッテリ支持ピース25に孔25a,25bを開け、同様にバッテリ支持ピース26に孔26a,26bを開け、前側の孔25aと孔26aとにバッテリケージ37の一端を差込み、バッテリケージ37を孔25a,孔26aを支点に傾動できるようにした。孔25bと孔26bには右のバッテリケージ(不図示)を取付けることができる。
【0023】
次に前輪駆動系統の説明をする。
本発明の運搬車は電動モータ38で軸直結駆動系40を介して前輪2L,2Rを駆動することを特徴とする。チェーンやベルトを使用しないので、始動ショックがなく、大きなトルクを前輪2L,2Rへ伝えることができ、滑らかで且つ強力な走行が図れる。
そのための軸直結駆動系40は、出力軸38aを差込むことのできる中継軸41と、この中継軸41の下端に取付けたピニオンベベルギヤ42と、このピニオンベベルギヤ42に噛み合う大径ベベルギヤ43と、この大径ベベルギヤ43にスプライン結合した駆動車軸としての前輪車軸44と、車輪遊び機構50,50とからなる。
【0024】
図3は本発明に係る車輪遊び機構(第1実施例)の分解斜視図である。
車輪遊び機構50は、駆動車軸(前輪車軸44)の軸線51に直交するように前輪車軸44に貫通形成した貫通孔52a,52b,52cと、これらの貫通孔52a,52b,52cに差込むピン部53a、及びヘッド部53bとからなる頭付きピン53と、車輪と一体的に回転するハブ60と、このハブ60の円筒部63に捩じ込むボルト66とからなる。
ここで、上記ヘッド部53bが駆動車軸から径外方へ突起させた「突起部」の一具体例であり、上記ボルト66が周溝に突出させるべくハブに取付けた「ストップ部材」の一具体例である。
【0025】
ハブ60は、例えばフランジ61と、このフランジ61に溶接したパイプ62と、このパイプ62より大径であってパイプ62の先端に被せた状態で結合した円筒部63と、この円筒部63に開けた十分に大きな孔64及びこの孔64に連ねて取付けたナット65と、このナット65に捩じ込むボルト66と、このボルト66をロックするロックナット67と、前記孔64の対向位置にて円筒部63に開けた通孔68と、この通孔68に嵌合するゴム製又は樹脂製の盲栓69と、からなる。
【0026】
71は座金、72はC形止め輪、73は止め輪溝、74,74はボルト、75,75はナット、76は車輪ホイールである。
また、65aはねじ孔であり、前記孔64とともに、頭付きピン53のヘッド部53bの外径より、大径にしたことを特徴とする。
【0027】
図4は本発明に係る車輪遊び機構(第1実施例)の組立断面図であり、図3(分解図)の組立図であり、車輪ホイール76にボルト74,74,ナット75,75でフランジ61を固定することで前輪にハブ60を取付け、このハブ60に前輪車軸44の一端を差込むことで、前輪車軸44に車輪を取付けたことを示す。なお、頭付きピン53と円筒部63、ナット65及びボルト66の関係が分かりにくいので、次図で詳しく説明する。
【0028】
図5は図4の要部拡大図であり、頭付きピン53側に座金71を置き、この座金71の抜け止めを図るためにC形止め輪72を止め輪溝73にセットしたことを示し、前輪車軸44に対してパイプ62並びに円筒部63が、図左に寄ればパイプ62のエッジ(左端面)がヘッド部53bに当り、又パイプ62並びに円筒部63が図右へ寄れば座金71がヘッド部53bに当るため、前輪車軸44からハブが抜ける心配はない。
【0029】
このパイプ62のエッジ、円筒部63の内面及び座金71で囲まれた部分は、周溝78であり、この周溝78にグリース(図示せず)を充填することにより、各部品における摩耗が防止できると共に、C形止め輪72に座金71を貼り付けておくことができる。この結果、トレッド変更のために円筒部63及びパイプ62を前輪車軸44に沿って横移動させても、座金71が不都合に外れる心配はない。
【0030】
図6は図4の6−6線断面図(便宜上盲栓69は外したままとした。)であり、前輪車軸44を周溝78を介して円筒部63が囲み、ボルト66の先端が周溝78に突出していることを示す。すなわち、ボルト66は、ロックナット67を緩めた状態でナット65に捩じ込み、その先端が前輪車軸44に当ったら、若干戻し、ロックナット67を締め付ければ、図の様に前輪車軸44に対して少し隙間が開いた状態で、ボルト66をセットすることができる。
【0031】
以上の構成からなる車輪遊び機構及び運搬車の作用を次に説明する。
図7(a)〜(d)は本発明に係る車輪遊び機構(第1実施例)の作用説明図である。
(a)において、駆動車軸である前輪車軸44を、前進のために矢印▲1▼の通りに駆動したとする。前輪2Rは止まっており、前輪車軸44のみが廻る。
(b)において、頭付きピン53のヘッド部53bがボルト66に当ったときから、前輪2Rも前輪車軸44とともに矢印▲2▼の如く廻り始める。これで、運搬車は前進する。
【0032】
(c)において、前進から停止に移行した状態を示す。この状態ではヘッド部53bにボルト66が掛っている関係上、前輪2Rの回転は次の条件で可能となる。
(d)において、前輪車軸44を静止した状態で、前輪2Rを矢印▲3▼の如く回転させることができる。すなわち、ボルト66が次にヘッド部53bに当るまでの角度θ(約300°)の範囲で前輪2Rは図反時計方向に回転可能である。この作用により、次に説明するように運搬車のターンや方向修正が可能となる。
【0033】
図8は本発明に係る運搬車のターン説明図であり、運搬車1は枕地(耕地のエッジ)で方向転換のために180゜ターンする必要がある。
このときには電動モータを停止し、例えば図の様に左の前輪2Lを中心に反時計方向にターンする。車軸は静止状態にあるため、右の前輪2Rのみが必要なだけ空転する。
前輪トレッドをT1としたので、旋回半径もT1に等しくなり、右の前輪2Rの走行距離はπ・T1となる。
また、前輪の外径をD1とし、前輪の回転数をnとする。π・D1・n=π・T1であるから、n=T1/D1となる。
仮に、トレッドT1=190mm、前輪外径D1=360mmとすれば、n=190/360=0.53回転=190゜相当となる。この角度190°は空転可能角度の300°より小さいので、十分に180°ターンをさせることができる。
方向修正はターンの小規模なものであるから、方向修正も上記ターンと同様に容易に行うことができる。
【0034】
図9(a)〜(c)は本発明に係る頭付きピンの着脱要領説明図である。
(a)において、頭付きピン53を抜くには、先ずロックナット67を緩め、ボルト66をナット65から外す。同時に盲栓69を外す。
(b)において、細い丸棒の様な工具79を通孔68に差込み、頭付きピン53を押出す。これで頭付きピン53は孔64及びナット65を通して容易に外すことができる。
(c)において、例えば貫通孔52a,52aに嵌まっていた想像線で示すハブ60,60を別の貫通孔52c,52cへ移し、頭付きピン53,53を落とし込み、ボルト66,66をセットすれば、左右の前輪間隔(トレッド)を簡単に調整することができる。
【0035】
図10は本発明の車輪遊び機構の第2実施例図であり、この車輪遊び機構50では、フランジ61に円筒部63を一体形成し、且つ円筒部63に周溝78を中ぐり加工で形成したことを特徴とする。その他は図4と同じであるから、符号を流用して説明は省略する。
ただし、図4と比較すると、図4の座金71やC形止め輪72が不要であるから、これらの部品を紛失するなどの心配がないこと、フランジ61とパイプ62との溶接、パイプ62と円筒部63との溶接が不要となること、から加工工数の削減が見込め、特に多量生産向きな構成であるといえる。
【0036】
なお、図中、81はグリースであり、このグリース81を周溝78に充填しておくことで、頭付きピン53とボルト66との当りが円滑になり、各部品の寿命を延ばすことができる。
また、円筒部63を肉厚にすることにより、孔64に直接ねじ(ねじ孔65a)を切ることが可能となるから、ナット65は必ずしも必要ではない。
【0037】
図11(a),(b)は車輪遊び機構の第3実施例図であり、この車輪遊び機構50では、(a)に示すとおり、前輪車軸44に、ピン孔83を開け、このピン孔83に頭84aを備えたピン84を打込む。
(b)は組立断面図であり、ハブ側の円筒部63にナット85を溶接し、このナット85にボルト86を捩じ込むことで、このボルト86の先端を周溝78に差し入れたことを示す。87はロックナットである。
【0038】
ここで、ナット85及びボルト86は、図6でのナット65及びボルト66より格段に小径のものを採用した。ナット85を介してピン84を抜くことはできないが、車輪遊び機構50をよりコンパクトにすることができる。
【0039】
円筒部63並びにボルト86が静止していれば、前輪車軸44は頭84aがボルト86に当るまで300°程度回転可能である。同様に、前輪車軸44が静止しているときには、円筒部63を300°程度廻すことができる。
従って、前輪車軸44が停止していても、前輪を空転させることができる。
【0040】
すなわち、第3実施例では「突起部」をピンで構成し、「ストップ部材」をボルトで構成したものである。突起部をピンとすれば、ピンは構造が単純であり安価であり、打込み工数も小さいものであるから、車輪遊び機構の一層のコスト低減を図ることができる。
【0041】
図12は車輪遊び機構の第4実施例図であり、この車輪遊び機構50では、前輪車軸44を切削加工するときに凸部89を削り出したものであり、他の構成及び作用は図11(b)と同じであるから、符号を流用して説明は省略する。
第4実施例では、「突起部」を駆動車軸から削り出した凸部としたものであり、切削加工工数は嵩むものの、部品数の削減が図れ、例えばピンやビスの紛失を虞れが無くなり、部品管理が容易になる。
【0042】
図13(a)〜(c)は車輪遊び機構の第5実施例図であり、この車輪遊び機構50では、(a)に示すとおり、前輪車軸44に、ねじ孔91aを設け、このねじ孔91aに頭92aを備えたビス92を捩じ込む。
(b)に示すとおりに、前輪車軸44に複数個のねじ孔91a,91b,91cを設けておけば、ビス92を矢印の要領で位置変えすることができる。
(c)は組立断面図であり、ハブ側の円筒部63にナット85を溶接し、このナット85にボルト86を捩じ込むことで、このボルト86の先端を周溝78に差し入れたことを示す。作用は、図11(b)と同じであるから説明を省略する。
【0043】
すなわち、第5実施例では「突起部」を捩じ込みビス92の頭92aとしたものであり、駆動車軸に対してビス92は脱着可能となり、駆動車軸に複数のねじ孔91a,91b,91cを設けておけば、ビス92の取付け位置を変更することができ、トレッドの調整が容易となる。
【0044】
図14(a)〜(c)は車輪遊び機構の第6実施例図である。
(a)において、前輪車軸44に360°未満の範囲でカム溝94aを切削する。同様に他のところにカム溝94b,94cを切削する。
(b)に示す通りに、前輪車軸44にハブ60を取付け、カム溝94aにストップ部材としてのボルト86の先端を臨ませる。図から明らかなように、ハブ60は他のカム溝94b又は94cに取付けることもでき、トレッドの調整が可能となる。
【0045】
(c)は(b)のC−C線断面図であり、カム溝94aは360°未満の溝であるから、2つのエンド部94d,94eを有する。そこで、静止中の前輪車軸44に対して円筒部63を廻すと、エンド部94d又は94eにボルト86が当るまでは円筒部63は右又は左に回転する。
【0046】
車輪が所定角空転可能であるから、車輪を空転させて旋回や方向修正を行なう。従って、運搬車の使い勝手が飛躍的に良くなる。
加えて、(c)を図13(c)と比較すると円筒部63が一廻り小径であることが分かる。すなわち、第6実施例では、カム溝94a〜94cを前輪車軸44に刻設したので、前輪車軸44の外径にハブ、即ち円筒部63の内径を合せることができ、バブの小径化が容易になる。
【0047】
請求項1において、ハブに設けた周溝は、突起部並びにストッパ部材の先端を収納するスペースがあれば、その構成は任意である。
また、請求項6における打込みのためのピンは単なる円柱ピン、ビスは丸棒に雄ねじを切っただけのものでもよく、要は一部が駆動車軸から突起して突起部を構成するものであればよい。従って、ピン、ビス、凸部の形状は実施例に限定するものではない。
【0048】
そして、本発明に係る運搬車は、狭義の運搬車に限るものではなく、農業用作業車、林業用作業車、漁業用作業車、その他一般産業の作業車、各種の台車、各種の運搬車、各種の電気自動車、ガソリン自動車を呼称するものである。
【0049】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1によれば、電動モータなどの駆動系のために駆動車軸が停止していても車輪を所定角空転させることができ、車輪の空転により運搬車の旋回や方向修正を行なうことができる。従って、運搬車の使い勝手が飛躍的に良くなる。
【0050】
請求項2では、突起部は、駆動車軸に開けた貫通孔に抜き差し可能に取付けた頭付きピンのヘッド部であり、ストップ部材は、ハブ側に捩じ込んだボルトであることを特徴とし突起部を頭付きピンのヘッド部、ストップ部材をボルトで構成したので、構成が極めて単純なものとなり、車輪遊び機構の低コスト化、コンパクト化並びに軽量化を容易に達成することができる。
【0051】
請求項3は、ボルトを捩じ込むねじ孔の径をヘッド部の外径より大径とすることで、ねじ孔を通じて頭付きピンを出入れできるようにしたことを特徴とする。ボルトを外すことで、ねじ孔を通じて頭付きピンを簡単に出し入れすることができる。
【0052】
請求項4では、ねじ孔に対向した位置に通孔を開け、この通孔から工具を差込み、頭付きピンを押出す。頭付きピンを簡単にねじ孔を通じて取り出すことができる。
【0053】
請求項5は、通孔に盲栓を嵌めることで、ごみなどの異物の侵入を防止するとともに、周溝にグリースを封じ込めておくことができる。
【0054】
請求項6では、突起部を打込みピン、ビス若しくは凸部とし、ストップ部材をボルトにしたので、構成が極めて単純なものとなり、車輪遊び機構の低コスト化、コンパクト化並びに軽量化を容易に達成することができる。
突起部を打込みピンとすれば、打込みピンは構造が単純であり安価であり、打込み工数も小さいものであるから、車輪遊び機構の一層のコスト低減を図ることができる。
突起部を捩じ込みビスの頭とすれば、駆動車軸に対してビスは脱着可能となり、駆動車軸に複数のねじ孔を設けておけば、ビスの取付け位置を変更することができ、トレッドの調整が容易となる。
突起部を駆動車軸から削り出した凸部とすれば、切削加工工数は嵩むものの、部品数の削減が図れ、例えばピンやビスの紛失を虞れが無くなり、部品管理が容易になる。
【0055】
請求項7によれば、電動モータなどの駆動系のために駆動車軸が停止していても車輪を所定角空転させることができ、車輪の空転により運搬車の旋回や方向修正を行なうことができる。従って、運搬車の使い勝手が飛躍的に良くなる。
加えて、カム溝を駆動車軸に設けたので、駆動車軸の外径にハブの内径を合せることができ、バブの小径化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る運搬車の斜視図
【図2】本発明に係る運搬車の下部構造の分解斜視図
【図3】本発明に係る車輪遊び機構(第1実施例)の分解斜視図
【図4】本発明に係る車輪遊び機構(第1実施例)の組立断面図
【図5】図4の要部拡大図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】本発明に係る車輪遊び機構(第1実施例)の作用説明図
【図8】本発明に係る運搬車のターン説明図
【図9】本発明に係る頭付きピンの着脱要領説明図
【図10】本発明の車輪遊び機構の第2実施例図
【図11】本発明の車輪遊び機構の第3実施例図
【図12】本発明の車輪遊び機構の第4実施例図
【図13】本発明の車輪遊び機構の第5実施例図
【図14】本発明の車輪遊び機構の第6実施例図
【符号の説明】
1…運搬車、2L,2R…駆動輪としての前輪、44…駆動車軸としての前輪車軸、50…車輪遊び機構、51…車軸の軸線、52a〜52c…貫通孔、53…頭付きピン、53a…ピン部、53b…突起部(ヘッド部)、60…ハブ、63…円筒部、65a…ねじ孔、66,86…ストップ部材(ボルト)、68…通孔、69…盲栓、78…周溝、79…工具、84a…突起部(ピンの頭)、89…突起部(凸部)、92a…突起部(ビスの頭)、94a〜94c…カム溝、94c,94d…カム溝のエンド部、θ…空転可能な角度。
Claims (7)
- 駆動車軸にバブを取付け、このハブに車輪を取付け、ハブと駆動車軸との間に車輪遊び機構を介在させることにより、駆動車軸に対して左右の車輪を360°未満の範囲で空転可能にした運搬車であって、
前記車輪遊び機構は、駆動車軸から径外方へ突起させた突起部と、この突起部を収納すべく前記ハブに設けた周溝と、この周溝に突出させるべくハブに取付けたストップ部材とからなり、このストップ部材が前記突起部に当るまでは駆動車軸に対してハブを回転可能にしたことを特徴とする運搬車。 - 前記突起部は、駆動車軸に開けた貫通孔に抜き差し可能に取付けた頭付きピンのヘッド部であり、
前記ストップ部材は、ハブ側に捩じ込んだボルトであることを特徴とした請求項1記載の運搬車。 - 前記ボルトを捩じ込むねじ孔の径を前記ヘッド部の外径より大径とすることで、ねじ孔を通じて頭付きピンを出入れできるようにしたことを特徴とする請求項2記載の運搬車。
- 頭付きピンを前記ねじ孔へ押出す工具を差込む通孔を、前記円筒部に開けたことを特徴とする請求項3記載の運搬車。
- 前記通孔に盲栓を嵌めたことを特徴とする請求項4記載の運搬車。
- 前記突起部は、駆動車軸に打込んだピン、捩じ込んだビスの頭又は駆動車軸から削り出した凸部であり、
前記ストップ部材は、ハブ側に捩じ込んだボルトであることを特徴とした請求項1記載の運搬車。 - 駆動車軸にバブを取付け、このハブに車輪を取付け、ハブと駆動車軸との間に車輪遊び機構を介在させることにより、駆動車軸に対して左右の車輪を360°未満の範囲で空転可能にした運搬車であって、
前記車輪遊び機構は、駆動車軸に360°未満の範囲で設けたカム溝と、このカム溝に突出させるべくハブに取付けたストップ部材とからなり、このストップ部材が前記カム溝のエンド部に当るまでは駆動車軸に対してハブを回転可能にしたことを特徴とする運搬車。
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