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JP3988498B2 - 導波管フィルタ - Google Patents

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JP3988498B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導波管フィルタに関し、特にマイクロ波帯以上の高周波領域で動作する各種無線機器、通信機器、計測器等に使用される高周波フィルタに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の導波管フィルタとして、図5に示すような構成のものがある。導波管フィルタは、金属製の方形導波管200の内壁に一定間隔に設けた突壁210〜219によって複数の空間に仕切った構成をなしており、前記突壁の間に形成された4つの直方体状の空間部分は空胴共振器として作用する。
【0003】
また、突壁210と211、212と213、214と215、216と217、218と219の間にそれぞれ形成された隙間は、前記空胴共振器間を電磁界的に結合する誘導性の結合回路として作用する。方形導波管200の寸法、突壁210〜219の寸法及び配置する間隔を適切に設定することにより所望の周波数で動作する4段の帯域通過フィルタが実現される。
【0004】
また、図5の導波管フィルタには、導波管外壁に他の高周波回路と接続するための同軸型コネクタ220〜221が設けられている。前記コネクタの同軸芯線は導波管両端にある空間の内部に伸長しており、前記空間内部の電磁界と結合して伝送路の同軸導波管変換を実現している。
【0005】
図5の導波管フィルタは、一般に金属ブロックを削り加工して突壁等を成形したものや、複数の金属板をはめ込みやネジ止め等によって組み合わせて製造される。管壁部分にはフィルタ特性調整用のネジが設けられることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の導波管フィルタは、マイクロ波帯またはミリ波帯を利用した無線装置等の無線部と組み合わせて用いる際に、接続性が悪いという課題を有している。一般に、前記無線部は平面基板上に半導体デバイスや導体パターンによる平面回路等を実装し、これらをマイクロストリップ線路等の伝送線路で接続して構成されため、フィルタをマイクロストリップ線路やコプレナ線路といった平面基板上の伝送路と接続する必要がある。
【0007】
図5に示した従来の導波管フィルタでは、回路が構成されている平面基板上に実装することができないため、平面の伝送路を同軸ケーブルに変換して基板より高周波信号を引き出し、別に固定した導波管フィルタに接続するというように実装しなければならず、接続ケーブルによる損失増加やコスト増加も問題となる。
【0008】
また、上述した従来の導波管フィルタは、金属の立体構造物として別に形成され、コネクタも必要となることから、製造コストが高くなるという問題がある。
【0009】
かかる課題を解決するため本発明第1の導波管フィルタは、内空部が等間隔に突壁で仕切られて形成された複数の空間部を有する金属のシールド筐体と、第1及び第2の伝送線路が表面に形成された基板とを具備し、 前記シールド筐体は、基板と接する面において、空間部端から動作周波数の4分の1波長離れた位置に、深さが動作周波数の4分の1波長の溝が設けられ、前記シールド筐体の外部より前記シールド筐体の端に位置する第1の空間部の内部まで前記第1の伝送線路が設けられ、前記シールド筐体の外部より前記第1の空間部と反対側の端に位置する前記シールド筐体端の第2の空間部の内部まで前記第2の伝送線路が設けられ、前記シールド筐体の下部となる前記基板の表面に前記複数の空間部を塞ぐように接地導体が設けられ、前記シールド筐体が前記基板に貼り合わされて導波路が形成される構成を採る。
【0010】
この構成によれば、基板上に形成した接地導体面と金属のシールド筐体の内空部によって方形の導波路が形成され、前記シールド筐体に設けた突壁により前記導波路が複数の空間部に部分的に仕切られた構造となる。前記空間部は動作周波数にて共振する空胴共振器として作用し、前記突壁は共振器間を結合する結合窓として作用する。また、基板上に形成した伝送線路はフィルタの入出力線路として作用し、シールド筐体の両端に位置する前記空間部内を電磁界的に励振する。以上により、本発明の構造体は導波管型の帯域通過フィルタとして動作する。ここで、シールド筐体の貼り合わせ面の平滑度や基板の反りといった製造上の問題によって貼り合わせ面に隙間が生じる可能性がある。前記隙間は接地を弱くするため、前述のようにフィルタ特性劣化を招く。この構成によれば、貼り合わせ面における導波路の角部では高周波的に短絡される効果を有するため、前記隙間による特性劣化を低減することが可能となる。また、貼り合わせはネジ止め等の圧着手段で十分となり、導電性接着剤を用いる必要が無くなるため、量産性に優れた導波管フィルタが実現可能となる。
【0015】
また本発明の導波管フィルタは、シールド筐体に形成された複数の空間部を動作周波数の半波長の間隔の突壁で仕切った構成を採る。
【0016】
この構成によれば、シールド筐体に設けた複数の空間部をTEモードで共振する空胴共振器として動作させることが可能となる。TEモードは導波管フィルタで一般に利用される基本的な共振モードであり、小型で設計の容易なフィルタが構成できる。
【0017】
また本発明の導波管フィルタは、シールド筐体に形成された複数の空間部の一部もしくは全てを誘電体によって充填した構成を採る。
【0018】
この構成によれば、充填した誘電体材料の比誘電率が大きいほど、電磁波の波長短縮効果によりシールド筐体に形成した複数の空間部の寸法を小さくできる、すなわち導波管フィルタを一段と小型化することが可能となる。
【0022】
また本発明の導波管フィルタは、基板の裏面に第1および第2の伝送線路がマイクロストリップ線路となるように接地導体を設け、前記基板の裏面の接地導体と、シールド筐体下部に位置する前記基板表面上の接地導体をスルーホールによって接続した構成を採る。
【0023】
この構成によれば、マイクロ波帯やミリ波体で一般的に使用されるマイクロストリップ線路で接続、形成された高周波回路上に本発明の導波管フィルタが実現可能となる。
【0024】
また本発明の導波管フィルタは、基板裏面の接地導体とシールド筐体下部に位置する前記基板表面上の接地導体を接続するスルーホールを、シールド筐体に形成した複数の空間部内には設けないように請求項6に記載の導波管フィルタを構成したものである。
【0025】
この構成によれば、共振器となる前記複数の空間部内にはスルーホールによる電磁界的な不連続要素が無いため、請求項7記載の導波管フィルタの特性確保が容易となる。
【0026】
また本発明の導波管フィルタは、基板の表面に第1および第2の伝送線路がコプレナ線路となるように接地導体を設け、コプレナ線路を成す前記基板の表面の接地導体と、シールド筐体下部に位置する基板上の接地導体を接続した構成を採る。
【0027】
この構成によれば、マイクロ波帯やミリ波体で一般的に使用されるコプレナ線路で接続、形成された高周波回路上に本発明の導波管フィルタが実現可能となる。
【0028】
また本発明の導波管フィルタは、成型加工した樹脂の表面をメタライズしてシールド筐体を形成した構成を採る。
【0029】
この構成によれば、金属ブロックを削り加工する、あるいは金属板を組み合わせる等してシールド筐体部分を製造する場合と比べて、フィルタの軽量化、製造のコストを低減することができる。また、導波管フィルタ全体の軽量化を図ることも可能となる。
【0030】
また本発明の導波管フィルタは、基板の表面にマイクロ波またはミリ波のデバイスおよび回路を実装・形成し、前記デバイスや回路のシールドを、導波管フィルタ部分のシールド筐体と一体化して形成した構成を採る。
【0031】
本発明の導波管フィルタは、マイクロ波帯またはミリ波帯を利用した無線装置等の無線部に組み込んで用いられる。前記無線部は、一般に平面基板上に半導体デバイスや導体パターンによる平面回路等が実装され、これらをマイクロストリップ線路等の伝送線路で接続して構成され、不要輻射や回路間の不要結合を防止するために電磁界シールドが施される。前記無線部に施されるシールドと本発明の導波管フィルタを形成するシールド筐体は、共に基板上に貼り合せて用いられるものであり、この構成では、これらを一体化して作成することによって、本発明の導波管フィルタを含んだ高周波回路全体をコンパクトに実現することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、導波管フィルタを、突壁で部分的に仕切られた複数の空間を有するシールド筐体と、前記シールド筐体の下部となる表面に接地導体面を設けた平面基板を貼り合せることにより構成したことである。
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態について、図1を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態における導波管フィルタを示す構成図である。図1において、10は金属製のシールド筐体、20から25はシールド筐体10の内壁の両側に接続して設けられた金属製の突壁、30は両面に電極膜が施された誘電体基板、40から41は誘電体基板30の表面にマイクロストリップ線路として形成された入出力線路、50は誘電体基板30の表面上でシールド筐体10の下部に設けられた接地導体、60は誘電体基板30の裏面に施された接地電極と表面の接地導体50を電気的に接続するスルーホール、70から73はシールド筐体10内に突壁20から25で仕切られて形成された空間である。
【0035】
図1においてシールド筐体10は、内部構造が分かるように一部を透過して図示している。
【0036】
シールド筐体10は直方体形状を成しており、下面が開口した内空部分を有している。シールド筐体10の下面部分は誘電体基板30と貼り合わされ、接地導体50によって前記内空部分が塞がれて方形の導波路が形成される。
【0037】
シールド筐体10の内空部分には突壁20〜25が設けられている。突壁20と21、突壁22と23、突壁24と25はそれぞれY座標が同じ位置で前記導波路の内壁と接続されており、各々電磁波に対しては誘導性の結合窓として動作する。前記結合窓はY方向に概ねフィルタの動作周波数の半波長の間隔で配置されている。突壁により内空部分は4つの空間に仕切られている。
【0038】
入出力線路40〜41はマイクロストリップ線路乃至はグラウンデッドコプレナ線路構造を有しており、先端が空間70及び73内まで達している。シールド筐体10が入出力線路40及び41と接する部分は切り欠きが設けられており、シールド筐体10と入出力線路40及び41が電気的に短絡しないようになっている。
【0039】
以上のように構成された導波管フィルタについて、以下その動作を説明する。入出力線路40より入力した高周波信号は、先端部分より放射されて空間70内部を励振する。空間70内に励起された電磁波は突壁20及び21で形成された結合窓を介して空間71に伝搬し、以下同様にして空間73まで順次伝搬していく。空間71及び72はY方向に動作周波数に対して半波長の長さを有しており、空胴共振器として動作する。突壁22及び23で形成された結合窓は、フィルタにおいて共振器間の結合する段間結合手段として作用し、突壁20及び21、突壁24及び25で形成された結合窓はフィルタにおける入出力結合手段として作用する。以上の動作は従来の導波管フィルタと同じであり、本実施の形態の構成によっても、従来と同様の動作および特性が実現可能である。
【0040】
スルーホール60は誘電体基板30の裏面の接地電極と表面の接地導体50を接続するために設けている。但し、接地導体50において空間70〜73を囲う部分には空間内部の電磁界を乱すことを避けるため、スルーホールを設けない。しかしながら、シールド筐体が接地導体と接する部分もしくはその近傍となる部分には、接地強化のためスルーホールを設ける。
【0041】
以上の構成によれば、シールド筐体10と接地導体50で囲まれた空間70〜73は2段の帯域通過フィルタとして動作する。突壁20〜25によって形成された結合窓の結合度は、突壁の厚さ、突壁間のスリットの間隔によって調整される。
【0042】
本実施の形態によれば、マイクロストリップ線路乃至はグラウンデッドコプレナ線路を形成した平面基板上に、突壁加工を施したシールド筐体を貼り合せるだけの簡単な構成で、低損失な導波管フィルタを構成することができる。また、全体を金属筐体及びコネクタにより構成した従来の導波管フィルタと比べて、平面回路との接続性に優れ、低コストに製造可能である。
【0043】
なお、本実施の形態では、3対の突壁を設けて2段の帯域通過フィルタを構成した例を示したが、シールド筐体の寸法を長くして、より多くの突壁を設けることにより、3段以上のフィルタを構成することも可能である。
【0044】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態について、図2を参照しながら説明する。図2は本発明の第2の実施の形態における導波管フィルタを示す構成図である。図2において、図1と同一番号を付したものは、実施の形態1で示したものと同じ構造及び同じ動作をするものである。図2において図1と異なる点は、シールド筐体10の誘電体基板30と接する面に突起80〜85を設け、誘電体基板30に突起80〜82が噛み合うようにスルーホール90〜95を設け、シールド筐体の内空部たる空間70〜73全体に誘電体を充填し、入出力線路40〜41をコプレナ型の伝送線路とした点である。
【0045】
以上のように構成された導波管フィルタについて、以下その動作を説明する。基本動作は上述の実施の形態1と同じである。本実施の形態では、シールド筐体10に設けた突起80〜82と、誘電体基板30に設けたスルーホール90〜95により、シールド筐体10実装時の位置合わせを容易とする構成を成している。シールド筐体10の実装位置ずれは、入出力線路40と空間70及び入出力線路41と空間73の位置関係を変化させ、フィルタにおける入出力結合度の誤差を招き、ひいてはフィルタの入出力整合や通過特性の劣化となって特性にあらわれる。よって、シールド筐体の位置ずれを防止できる本構成では、実装による特性劣化を防止することができる。
【0046】
導波管フィルタでは、空間70〜73を囲う導波管の外導体部分の接地が弱いとフィルタの特性劣化を招くが、本実施の形態ではシールド筐体10と接地導体50はスルーホール90〜95により電気的に接続される構成であるため、導波管部分の接地の強化が可能であり、同じく特性劣化を防止することができる。前記スルーホールに導電性ペーストを用いて接続すると、電気的にも機械的にも接続を強化することが可能となる。
【0047】
また、本実施の形態の導波管フィルタは、空間70〜73には誘電体が充填されている。誘電体は電磁波の波長を短縮する効果がある。空間が空気で満たされている場合と比べて、比誘電率εの誘電体を充填すると、空間70〜73の寸法をεの平方根分の1とすることが可能となる。よって、誘電体の使用によりシールド筐体の寸法を小型化することが可能となる。
【0048】
入出力線路40〜41はコプレナ線路である。コプレナ線路の両側には接地電極が設けられるが、前記接地電極は本実施の形態の導波管フィルタを構成する接地導体50と誘電体基板30の表面で接続されている。
【0049】
以上の構成によれば、第1の実施の形態と同様に、シールド筐体10と接地導体50で囲まれた空間70〜73は2段の帯域通過フィルタとして動作する。
【0050】
本実施の形態によれば、コプレナ線路を形成した平面基板上に、内部に突壁加工を施し、底面部に突起加工を施したシールド筐体を貼り合せるだけの簡単な構成で、低損失な導波管フィルタを構成することができる。また、シールド筐体実装による位置ずれや接地の弱化による特性劣化のない導波管フィルタを構成することができる。さらに、シールド筐体内部への誘電体充填により、小型な導波管フィルタが構成可能である。
【0051】
なお、本実施の形態では四角形状の突起およびスルーホールを有するシールド筐体の例を示したが、効果は突起およびスルーホールの形状には依らないことは言うまでもない。
【0052】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態について、図3および図4を参照しながら説明する。図3は本発明の第3の実施の形態における導波管フィルタを含むマイクロ波またはミリ波回路全体を示す構成図である。図3において図1と同一番号を付したものは、実施の形態1で示したものと同じ構造及び同じ動作をするものである。図3において図1と異なる点は、誘電体基板30上にマイクロストリップ線路で接続されたマイクロ波またはミリ波帯で動作する高周波回路を実装し、前記高周波回路全体を電磁界的にシールドするシールド筐体100を設け、シールド筐体100の一部分に突壁20〜25とフィルタ部分を仕切る仕切り壁110〜111を設け、シールド筐体100の底面において仕切り壁110〜111で仕切った空間部分の両側に溝120〜121を設けた点である。
【0053】
図4は図3においてシールド筐体100のA−A’で示した部分を切断した断面図である。図4において図3と同一番号を付したものは、図3で示したものと同じものである。
【0054】
以上のように構成された導波管フィルタについて、以下その動作を図3を用いて説明する。基本動作は上述の実施の形態1と同じである。本実施の形態では、誘電体基板30上にマイクロ波帯やミリ波帯で動作する高周波回路が実装されている。前記高周波回路はMMICやその他の半導体デバイス、チップ部品等で構成され、各回路要素間が誘電体基板30上に形成したマイクロストリップ線路によって接続されている。高周波回路では通常、他の回路との結合や外部への輻射を防止する目的で電磁界的なシールドが施される。前記シールドはシールド筐体100により実現されている。シールド筐体100の内部には、高周波回路の回路要素間の不要な結合を防ぐため、回路要素間を仕切る位置に金属壁が形成されている。
【0055】
本実施の形態の導波管フィルタは、マイクロストリップ線路40〜41間に形成される。基板上においてフィルタとなる部分には接地導体が形成されており、シールド筐体100においてフィルタとなる部分は仕切り壁110と111によって囲まれた空間部分である。前記空間部分には突壁20〜25が形成され、第1の実施の形態と同様の導波管フィルタが高周波回路の一部として構成されている。導波管フィルタの下部にある接地導体は、誘電体基板30の裏面にある接地電極とスルーホールで接続されると共に、高周波回路の各回路要素の接地電極とも基板表面で接続されている。
【0056】
シールド筐体100の底面において、仕切り壁110と111の間に形成されたフィルタ部分の両側には溝120〜121が形成されている。溝120〜121の効果について図4を用いて説明する。溝120〜121は、フィルタとなる空間部分の下端であるB点からフィルタの動作周波数において4分の1波長となる距離だけ離れたC点に設けられている。また、溝120〜121の下端C点と上端であるD点の長さ、すなわち、溝の深さもフィルタの動作周波数において4分の1波長となるように設けられている。点Dは短絡されているため、動作周波数において溝の下端部分C点のインピーダンスは開放となる。
【0057】
ここで、シールド筐体100の底面と誘電体基板30を貼り合わせた際に隙間が生じたと仮定すると、B点とC点の間に空間が生じ電磁波が漏れてしまうこととなるが、C点のインピーダンスは開放であるため、動作周波数におけるB点のインピーダンスは短絡となってみえる。よって、隙間が生じていても動作周波数においてはB点箇所が短絡接続されたのと等価となり、電磁波の漏れを防止することができる。電磁波のエネルギー漏洩はフィルタの損失劣化を招くことから、溝120〜121の効果により、シールド筐体100を貼り合わせた際に隙間が生じた場合でも、損失劣化の小さい導波管フィルタが構成可能となる。
【0058】
以上の構成によれば、高周波回路が実装された基板上に、一部に壁加工を施した前記高周波回路をシールドするシールド筐体を貼り付ける構成によって、第1の実施の形態と同様の帯域通過フィルタが実現できる。
【0059】
本実施の形態によれば、マイクロ波帯やミリ波帯で動作する高周波回路の他の回路要素と導波管フィルタを同一基板上に構成できる。また、前記高周波回路のシールドと導波管フィルタを構成するシールド筐体を一体化して作成でき、低コスト化を図ることが可能となる。さらに、フィルタ部分の両側に設けた溝の効果により、シールドの貼り合わせ面に隙間が生じても、導波管フィルタの低損失性を確保することができる。
【0060】
なお、本実施の形態を説明する図3にある高周波回路は一つの例として示したものであり、前記高周波回路を仕切るシールド筐体内の壁の位置や形状は導波管フィルタの動作に影響しないものであることは言うまでもない。
【0061】
なお、本実施の形態では、溝を設けて貼り合わせ時の隙間による特性劣化を防止する例を示したが、シールド筐体の基板と接する底面に、弾力があり導電性を有するガスケット材等の部材を設けても、電気的導通および密着性が確保されるため、同じく隙間による特性劣化を防止することが可能である。
【0062】
なお、全ての実施の形態では、ブロック状の金属を削り加工してシールド筐体を形成したもの図示して説明したが、シールド筐体は成型加工した樹脂の表面をメタライズして構成することも可能である。この構成によれば、フィルタの軽量化、製造のコストを低減することができる。また、導波管フィルタ全体の軽量化を図ることも可能となる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表面に接地電極を形成した基板に、適切な突壁加工を施したシールド筐体を貼り合わせる構成により、マイクロ波やミリ波帯において低損失で、基板上に実装した他の高周波回路との接続性に優れ、実装による特性劣化のない導波管フィルタを低コストで容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施の形態の導波管フィルタを示す図
【図2】本発明第2の実施の形態の導波管フィルタを示す図
【図3】本発明第3の実施の形態の導波管フィルタを示す図
【図4】本発明第3の実施の形態の導波管フィルタに用いるシールド筐体の断面図
【図5】従来の導波管フィルタを示す図
【符号の説明】
10 シールド筐体
20〜25 突壁
30 誘電体基板
40、41 入出力線路
50 接地導体
60 スルーホール
70〜73 空間
80〜85 突起
90〜95 スルーホール
100 シールド筐体
110〜111 仕切り壁
120〜121 溝

Claims (8)

  1. 内空部が等間隔に突壁で仕切られて形成された複数の空間部を有する金属のシールド筐体と、第1及び第2の伝送線路が表面に形成された基板とを具備し、前記シールド筐体は、基板と接する面において、空間部端から動作周波数の4分の1波長離れた位置に、深さが動作周波数の4分の1波長の溝が設けられ、前記シールド筐体の外部より前記シールド筐体の端に位置する第1の空間部の内部まで前記第1の伝送線路が設けられ、前記シールド筐体の外部より前記第1の空間部と反対側の端に位置する前記シールド筐体端の第2の空間部の内部まで前記第2の伝送線路が設けられ、前記シールド筐体の下部となる前記基板の表面に前記複数の空間部を塞ぐように接地導体が設けられ、前記シールド筐体が前記基板に貼り合わされて導波路が形成される導波管フィルタ。
  2. 前記シールド筐体に形成された複数の空間部は、動作周波数の半波長の間隔の突壁で仕切られている請求項1に記載の導波管フィルタ。
  3. 前記シールド筐体に形成された複数の空間部は、一部又は全てが誘電体によって充填されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導波管フィルタ。
  4. 前記基板は、第1の伝送線路および第2の伝送線路がマイクロストリップ線路となるように、裏面に接地導体が設けられ、前記基板の裏面の接地導体と、シールド筐体下部に位置する前記基板表面上の接地導体がスルーホールによって接続されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の導波管フィルタ。
  5. 前記スルーホールは、前記シールド筐体が前記接地導体と接する部分もしくはシールド筐体の外側に位置することを特徴とする請求項4に記載の導波管フィルタ。
  6. 前記基板は、第1および第2の伝送線路がコプレナ線路となるように、表面に接地導体が設けられ、コプレナ線路を成す前記基板の表面の接地導体と、シールド筐体下部に位置する基板上の接地導体が接続されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の導波管フィルタ。
  7. 前記シールド筐体は、成型加工した樹脂の表面をメタライズして形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の導波管フィルタ。
  8. 前記シールド筐体は、基板の表面に実装または形成されたデバイスまたは回路を電磁界的にシールドする筐体と一体化して形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の導波管フィルタ。
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