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JP3985597B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロコンピュータを用いて内燃機関の点火時期を制御する内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用の点火装置は、点火信号が与えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加するための高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の回転情報(回転速度情報及びクランク角情報)を有する信号を発生する信号発生装置と、この信号発生装置から得た機関の回転速度情報に対して機関の点火時期をマイクロコンピュータを用いて決定して、決定した点火時期が検出されたときに点火回路に点火信号を与える点火時期制御部とにより構成される。
【0003】
信号発生装置としては、通常、内燃機関のクランク軸に取り付けられたリラクタ付きのロータと、該ロータのリラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出したときに第1極性のパルス信号及び第2極性のパルス信号を発生するパルサ(信号発電子)とを備えたものが用いられる。ここで第1極性及び第2極性は互いに異なる極性であって、例えば、第1極性を負極性とすると、第2極性は正極性となる。
【0004】
従来から用いられている信号発生装置が出力する第1極性のパルス信号P1及び第2極性のパルス信号P2の波形の一例を図7(A)に示した。同図において360°はクランク軸の1回転を示し、Tpはクランク軸が1回転するのに要する時間を示している。またαは信号発生装置のロータに設けられたリラクタの極弧角を示し、ΔTはパルサがリラクタの回転方向の前端側エッジを検出して第1極性のパルス信号P1を発生してからリラクタの回転方向の後端側エッジを検出して第2極性のパルス信号P2を発生するまでの時間(リラクタ通過時間)を示している。この信号発生装置は、機関のピストンが上死点TDCに達するときのクランク角位置に対して十分に進角した位置に設定された基準クランク角位置θ1に相当する基準タイミングt1で第1極性のパルス信号P1を発生し、基準クランク位置よりも遅れ、上死点に相当するクランク角位置よりも僅かに進角したクランク位置θ2に相当するタイミングt2で第2極性のパルス信号P2を発生する。第2極性のパルス信号P2が発生するタイミングt2は、機関の始動時の点火時期として適したクランク角位置に相当するタイミングに設定されている。
【0005】
リラクタの極弧角をαとし、乗算記号を*とすると、上記リラクタ通過時間ΔT(クランク軸が角度αを回転するのに要した時間)と機関の回転速度N[rpm]との間には下記の(1)式の関係がある。
【0006】
ΔT=(α/360)*(6*10/N) …(1)
なお図7(A)においては、各パルス信号がマイクロコンピュータにより認識されるしきい値レベルVthに達するタイミングを、各パルス信号が発生するタイミングとしている。
【0007】
通常、点火時期制御部は、内燃機関の始動を開始した後、その回転速度が安定するまでの間、内燃機関の始動時の点火時期として予め定めた時期が検出されたときに点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段と、信号発生装置の出力から得た回転速度情報に対して機関の始動後の点火時期をマイクロコンピュータにより演算して、演算した点火時期を検出したときに点火回路に点火信号を与える定常運転時点火信号供給手段とにより構成される。
【0008】
内燃機関の回転情報を検出する信号発生装置として図7に示すようなパルス信号P1及びP2を発生する信号発生装置を用いる場合には、パルス信号の発生間隔(例えばP1とP2との発生間隔)を検出することにより、機関の回転速度情報を得ることができる。
【0009】
また機関の始動が完了していて、その回転が安定している状態では、パルサが特定のクランク角位置で発生するタイミングを基準タイミングとして、この基準タイミングで点火タイマに点火時期の計測動作を開始させることにより、演算された定常運転時の(機関の始動が完了して回転速度が安定している状態での)点火時期の検出を行うことができる。
【0010】
例えば、パルサがリラクタの前端側エッジを検出して第1極性のパルス信号P1を発生するタイミングt1を基準タイミングとして、この基準タイミングから点火時期tiまでの間の経過時間(基準タイミングに相当するクランク角位置から点火時期に相当するクランク角位置まで機関が回転するのに要する時間)Tiを点火時期検出用計測値として演算し、基準タイミングt1で第1極性のパルス信号P1が発生したときに、演算された点火時期検出用計測値Tiを点火タイマにセットしてその計測を行わせることにより、演算した点火時期tiの検出を行うことができ、演算した点火時期が検出されたときに点火回路に点火信号を与えることにより点火動作を行わせることができる。
【0011】
ところが、内燃機関の始動時においては、クランク軸の回転速度が機関の行程変化に伴って細かく変動するため、上記のように点火タイマを用いて点火時期を正確に検出することは困難である。そのため、一般には、上記第2極性のパルス信号P2を機関の始動時の点火時期として適したタイミングt2で発生させるように信号発生装置を構成して、信号発生装置がリラクタの後端側エッジを検出して第2極性のパルス信号P2を発生したときに点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段を特別に設けている。
【0012】
信号発生装置がリラクタの後端側エッジを検出して第2極性のパルス信号P2を発生したときに点火回路に点火信号を与える方法としては、信号発生装置が第2極性のパルス信号を発生したときに、該第2極性のパルス信号をマイクロコンピュータを経由することなく、ハードウェア回路を通して点火回路に与える方法と、パルサがリラクタの回転方向の前端側エッジを検出して第1極性のパルス信号P1を発生してから、リラクタの後端側エッジを検出して第2極性のパルス信号P2を発生するまでの時間をリラクタ通過時間ΔTとしてマイクロコンピュータ内のタイマにより計測して、該リラクタ通過時間ΔTの計測が完了した時にマイクロコンピュータから点火回路に点火信号を与える方法とが知られている。
【0013】
内燃機関の始動装置として、ロープスタータやキックスタータなどの人力を操作力として用いる始動装置を用いる場合には、始動時にクランキングを行った際のクランク軸の回転速度が運転者の操作力の影響を受け、操作力が不足した場合には、クランキングの際の回転速度がかなり低くなることがある。始動時のクランク軸の回転速度が極めて低い状態で、信号発生装置が第2極性のパルス信号を発生したときに点火回路に点火信号を与えると、機関の慣性力の不足により、ピストンが上死点を超えることができずに押し戻され、機関の始動に失敗することがある。
【0014】
そこで、従来は、前記リラクタ通過時間(機関の回転速度情報を含む時間)を、機関の始動を支障なく行わせるために必要なクランキング速度の下限Nsに相当する判定基準時間Tsと比較して、リラクタ通過時間ΔTが判定基準時間Tsよりも短いとき(始動時のクランク軸の回転速度が機関の始動を行わせるために必要な大きさを有しているとき)にのみ、第2極性のパルス信号の発生位置で点火回路に点火信号を与えるようにしている。ここで判定基準時間Tsは、下記の式により与えられる。
【0015】
Ts=(α/360)*(6*10/Ns) …(2)
一例として、リラクタの極弧角αを30°とし、クランクキング速度の下限値Nsを150[rpm]とした場合、Ts=33333μsとなる。
【0016】
機関の始動時にこのような処理を行って点火動作を行わせる場合に、機関の始動時にマイクロコンピュータが実行するプログラムのアルゴリズムを図6に示した。図6は、内燃機関の始動時に機関の回転速度が始動完了速度に達する前の状態で、信号発生装置が第2極性のパルス信号を発生する毎に実行される割り込みルーチンを示したものである。このアルゴリズムによる場合には、ステップ1でタイマが計測したリラクタ通過時間ΔTをRAMに格納し、ステップ2において今回計測されたリラクタ通過時間ΔTが判定基準時間Tsよりも短いか否かを判定する。その結果、リラクタ通過時間ΔTが判定基準時間Ts以上であると判定されたときには、クランキング速度が低く過ぎるとして、ステップ3に進み、点火回路に点火信号が与えられるのを禁止して機関を失火させた後、ステップ4以降で他の必要な処理を行わせてメインルーチンに戻る。
【0017】
ステップ2において、計測されたリラクタ通過時間ΔTが判定基準時間よりも短いと判定されたときには、クランキング速度が十分高いとしてステップ5に進み、点火回路に点火信号を与えて点火動作を行わせる。その後ステップ4以降で必要な処理を行わせてメインルーチンに戻る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
図7(A)に示したように、信号発生装置の出力にノイズが含まれておらず、パルサがリラクタの前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出した時に発生する第1極性のパルス信号P1及び第2極性のパルス信号P2のみがマイクロコンピュータにより認識される場合には、図6に示したようなアルゴリズムでリラクタ通過時間の長短を判定することにより、始動時のクランキング速度の不足を検出して、機関の始動の失敗につながる無用な点火動作が行われるのを防ぐことができる。
【0019】
しかしながら、図7(B)に示したように、クランキング時に生じる振動によりパルサが出力する信号にノイズPnが乗った場合には、ノイズPnの第2極性のパルス信号P2と同極性の最初の山がしきい値レベルを超えるタイミングtn1でリラクタ経過時間計測用のタイマが計測している時間がリラクタ通過時間ΔT’としてマイクロコンピュータに取り込まれるため、クランキング速度が設定速度よりも低い場合であってもリラクタ通過時間が判定基準時間Tsよりも短いと誤判定される。このような状態が生じると、クランキング速度が不足している状態で点火動作が行われるため、ピストンが上死点を越えることができずに押し戻され、機関の始動に失敗することがある。
【0020】
特に、タイマがリラクタ通過時間ΔTの計測を完了するタイミングを機関の始動時の点火時期とする場合に、上記のようにノイズPnによりリラクタ経過時間が実際の時間よりも短く計測されると、過進角位置で点火が行われるため、ピストンが押し戻されて機関の始動に失敗する確率が高くなる。
【0021】
本発明の目的は、機関の始動時にクランキング速度が不足しているにもかかわらず、信号発生装置の出力に混入したノイズによりクランキング速度が適正であると誤判定されて無用な点火動作が行われ、機関のピストンが押し戻される現象が生じるのを防ぐことができるようにした内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、点火信号が与えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加するための高電圧を発生する点火回路と、内燃機関と同期回転するロータに設けられたリラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出したときに第1極性のパルス信号及び第2極性のパルス信号を発生する信号発生装置と、この信号発生装置が第1極性のパルス信号を発生してから第2極性のパルス信号を発生するまでの時間をリラクタ通過時間として計測するリラクタ通過時間計測用の計時手段と、内燃機関の始動を開始してからその回転速度が安定するまで間、内燃機関の始動時の点火時期として予め定めた点火時期を検出して点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段と、内燃機関の回転速度が安定した後の定常運転時の点火時期を決定する点火時期決定手段と、点火時期決定手段により決定された点火時期を検出して点火回路に点火信号を与える定常運転時点火信号供給手段とを備えた内燃機関用点火装置を対象とする。
【0023】
本発明においては、上記始動時点火信号供給手段を、リラクタ経過時間計測用計時手段がリラクタ通過時間を計測する毎に計測されたリラクタ通過時間を第1の判定基準時間Tsと比較して、該リラクタ通過時間が第1の判定基準時間よりも短いときに点火回路への点火信号の供給を許可し、該リラクタ通過時間が第1の判定基準時間を超えているときに点火回路に点火信号が与えられるのを禁止する第1の始動時点火許否手段と、第1の始動時点火許否手段により点火回路への点火信号の供給が許可されている状態で、リラクタ通過時間を第1の判定基準時間よりも短く設定された第2の判定基準時間Ts’と比較してリラクタ通過時間が第2の判定基準時間を超えているときに点火回路に点火信号を供給し、リラクタ通過時間が第2の判定基準時間以下であるときには点火回路への点火信号の供給を禁止する第2の始動時点火許否手段とを備えた構成とした。
【0024】
上記第1の判定基準時間Tsは、機関の始動時のクランキング速度の適正範囲の下限値Nsに相当するリラクタ経過時間に等しく設定する。
【0025】
また第2の判定基準時間Ts’は、通常であれば始動時には得ることができない高いクランキング速度の下限値付近の値に相当するリラクタ通過時間に等しく設定する。
【0026】
一般に、機関の始動時にクランキング速度の適正範囲の下限値Nsのk倍(kは1を超える整数または小数)の速度k*Ns以上のクランキング速度が得られないとした場合、第2の判定基準時間Ts’は例えばTs/kに設定する。
【0027】
即ち、本発明においては、リラクタ通過時間が始動時のクランキング速度の適正範囲の下限値に相当する第1の判定基準値よりも短く、クランキング速度が適正範囲にあると判定されたときに、更にそのリラクタ通過時間が始動時にしては短か過ぎないかどうか(クランキング速度が始動時にはあり得ない速度ではないかどうか)を判定し、リラクタ通過時間が短すぎる場合には、ノイズにより正規のリラクタ経過時間の計測に失敗したとして機関を失火させる。
【0028】
このように構成すると、始動時に信号発生装置の出力にノイズが混入した場合に、クランキング速度が実際よりも高く検出されることにより、クランキング速度が不足している状態で点火動作が行われて、機関の始動時にピストンが押し戻される現象が生じるのを防ぐことができる。
【0029】
上記第2の始動時点火許否手段は、第1の始動時点火許否手段により点火回路への点火信号の供給が許可されている状態でリラクタ通過時間を第1の判定基準時間よりも短く設定された第2の判定基準時間と比較する比較判定過程を行う比較判定手段と、比較判定過程が行われた回数を判別する比較判定回数判別手段とを備えて、比較判定手段によりリラクタ通過時間が第2の判定基準時間以下であると判定されたときに点火回路への点火信号の供給を中止し、比較判定手段によりリラクタ通過時間が第2の判定基準時間を超えていると判定されたとき及び比較判定回数判別手段により比較判定過程がn回(nは2以上の整数)以上行われたと判別されたときに点火回路に点火信号を与えるように構成するのが好ましい。
【0030】
ここでnの値は、始動時のクランキング速度が不足することなく、かつ信号発生装置の出力にリラクタ経過時間の計測に誤差を生じさせるようなノイズが混入していない場合に、機関の始動操作開始後、機関の回転速度が第2の判定基準時間Ts’に相当する回転速度Ns/kに達するまでの間にリラクタ経過時間が計測される回数と、ノイズによるリラクタ通過時間の誤計測に起因する誤点火を防ぐために機関の始動時に許容する必要がある機関の失火回数とを勘案して、適当な値に設定しておく。
【0031】
上記のように、第2の始動時点火許否手段がリラクタ経過時間と第2の判定基準時間との比較判定を行う回数を制限するようにしておくと、機関が始動した後、その回転速度が安定するまでの間に、機関の回転速度が第2の判定基準時間Ts/kに相当する回転速度に達したときに機関が失火して、一旦始動した機関が停止してしまうのを防ぐことができる。
【0032】
なお上記第1及び第2の始動時点火許否手段により点火回路に点火信号を与える過程を、機関の始動開始後、その回転速度が安定するまでの間のみに行い、第2の判定基準時間Ts/kを、機関の回転が安定する回転速度領域の下限付近に設定した設定速度に相当する値に設定する場合には、上記のように、第2の始動時点火許否手段がリラクタ経過時間と第2の判定基準時間との比較判定過程を行う回数を制限する過程を特に設ける必要はない。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は本発明の実施形態のハードウェアの構成例を示したもので、同図において、1は、点火信号Viが与えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加するための高電圧を発生する点火回路、2は機関と同期回転するロータに設けられたリラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して第1極性のパルス信号P1及び第2極性のパルス信号P2を発生する信号発生装置、3は信号発生装置2が第1極性のパルス信号P1を発生してから第2極性のパルス信号P2を発生するまでの時間をリラクタ通過時間ΔTとして計測するリラクタ通過時間計測用計時手段と、内燃機関の始動時に計時手段がリラクタ通過時間を計測する毎に計測されたリラクタ通過時間ΔTに基づいて内燃機関の点火時期を検出して点火回路1に点火信号を与える始動時点火信号供給手段と、計時手段が計測したリラクタ通過時間に基づいて内燃機関の始動後の点火時期を決定する点火時期決定手段と、点火時期決定手段により決定された点火時期を検出して点火回路に点火信号を与える定常運転時点火信号供給手段とを実現するマイクロコンピュータである。
【0035】
更に詳細に説明すると、図示の点火回路1は、一端が接地された一次コイルW1及び二次コイルW2を有する点火コイルIGと、点火コイルの一次コイルW1の非接地側端子に一端が接続された点火用コンデンサCiと、点火用コンデンサCiの他端と接地間にカソードを接地側に向けて接続されたサイリスタThと、点火コイルの一次コイルの両端にカソードを接地側に向けて接続されたダイオードD1と、コンデンサCiの他端にカソードが接続されたダイオードD2と、サイリスタThのゲートカソード間に接続された抵抗R1と、サイリスタThのゲートに一端が接続された抵抗R2とを備えたコンデンサ放電式の回路からなっている。点火コイルIGの二次コイルW2の非接地側の端子は機関の気筒に取りつけられた点火プラグPLの非接地側端子に接続されている。
【0036】
ダイオードD2のアノードはバッテリ4の出力電圧を昇圧する昇圧回路(DC/DCコンバータ)5の出力端子に接続され、昇圧回路5の出力電圧でダイオードD2と点火コイルの一次コイルW1及びダイオードD1の並列回路とを通して点火用コンデンサCiが図示の極性に充電されるようになっている。
【0037】
信号発生装置2は、内燃機関のクランク軸に取りつけられたロータ2Aと、パルサ2Bとからなっている。図示のロータ2Aは円筒面状の外周面を有する磁性材料からなる回転体201と、該回転体の外周に形成された円弧状の突起からなるリラクタ202とからなっている。内燃機関にフライホイール磁石発電機が取りつけられる場合には、該発電機の回転子のヨークを構成するフライホイールを回転体201として用いることができる。パルサ2Bは、例えば回転体201の外周面とリラクタ202とに対向した状態で配置される磁極部を先端に有する鉄心(図示せず。)と、該鉄心に巻回された信号コイル203と、該鉄心に磁気結合された永久磁石(図示せず。)とを備えていて、鉄心の磁極部がリラクタ202の回転方向の前端側エッジ202aとの対向を開始する際(エッジ202aを検出した際)及び後端側エッジ202bとの対向を開始する際(エッジ202bを検出した際)にそれぞれ信号コイル203から図2(A)に示したような第1極性のパルス信号P1及び第2極性のパルス信号P2を発生する。本実施形態では、第1極性を負極性とし、第2極性を正極性としている。
【0038】
パルサ2Bが発生する第1極性のパルス信号P1及び第2極性のパルス信号P2はそれぞれ第1の波形整形回路6及び第2の波形整形回路7と抵抗Ra及びRbとを通してマイクロコンピュータ3のポートA1及びA2に入力されている。第1及び第2の波形整形回路6及び7はそれぞれ、第1極性のパルス信号P1及び第2極性のパルス信号P2がしきい値レベルに達したときにマイクロコンピュータが認識し得る波形の信号を出力する回路である。
【0039】
マイクロコンピュータ3は、CPU,ROM,RAM,タイマなどを有していて、バッテリ4を電源として一定の直流電圧を出力する制御用電源回路8から電源電圧(例えば5V)が与えられて動作する。
【0040】
マイクロコンピュータ3は、そのROMに記憶されたプログラムを実行することによりリラクタ経過時間計測用計時手段、始動時点火信号供給手段、点火時期決定手段、定常運転時点火信号供給手段などの点火制御部を構成するために必要な機能実現手段を実現する。
【0041】
上記リラクタ経過時間計測用計時手段は、信号発生装置2が第1極性のパルス信号P1を発生してから第2極性のパルス信号P2を発生するまでの時間をリラクタ通過時間として計測する手段で、第1極性のパルス信号P1が発生したときにマイクロコンピュータ内のタイマをリセットすると同時に該タイマに計時動作を開始させ、第2極性のパルス信号P2が発生したときに該タイマの計測値を読み込む。
【0042】
上記点火時期決定手段は、内燃機関が始動した後の点火時期を決定する手段で、この手段は、機関の回転速度を含む所定の制御条件に対して、機関の点火時期を演算する。点火時期は、第1極性のパルス信号が発生するタイミングt1から点火時期tiまでの時間Ti(図1A参照)の形で演算される。本明細書ではこの時間Tiを点火時期検出用計測時間と呼ぶ。この点火時期検出用計測時間Tiは、機関が各瞬時の回転速度で、第1極性のパルス信号の発生タイミングt1に相当するクランク角位置θ1から点火時期tiに相当するクランク角位置θiまで回転するのに要する時間である。
【0043】
通常、点火時期の演算は、その演算の直前に検出された機関の回転速度の情報を含むデータと他の必要な条件(もしあれば)と点火時期との関係を与えるマップ(ROMに記憶されている)から読み出したデータを用いて、補間法により行われる。
【0044】
内燃機関の回転速度の情報を含むデータとしては、上記リラクタ通過時間ΔTを用いてもよく、機関が1回転するのに要した時間(例えば、各第1極性のパルス信号P1が発生してから再び該第1極性のパルス信号P1が発生するまでの時間)を用いてもよい。
【0045】
機関の回転速度を示すデータとしてリラクタ通過時間ΔTを用いる場合、リラクタの極弧角をα、乗算記号を*とすると、点火時期検出用計測時間Tiと点火時期tiに相当するクランク角位置θiとの間には下記の関係がある。
【0046】
Ti=(θi/α)ΔT …(3)
定常運転時点火信号供給手段は、上記点火時期決定手段により決定された点火時期を検出して、点火回路に点火信号を与える手段で、この手段は、例えば、信号発生装置2が第1極性のパルス信号P1を発生したときに点火タイマに点火時期検出用計測値Tiをセットする点火タイマセット手段と、該点火タイマが計測値Tiの計測を完了したときにポートA3の電位をHレベル(高レベル)として点火回路のサイリスタThに点火信号を与える点火信号出力手段とにより構成される。
【0047】
図1に示した点火装置において、マイクロコンピュータ3のポートA3の電位がHレベルにされて点火回路1に点火信号Viが与えられると、サイリスタThがオン状態になるため、点火用コンデンサCIに蓄積された電荷がサイリスタThと点火コイルの一次コイルW1とを通して放電する。この放電により点火コイルの一次コイルに高い電圧が誘起し、この電圧が点火コイルの一次、二次間の巻数比により昇圧されて点火コイルの二次コイルW2に点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグPLに印加されるため、該点火プラグで火花放電が生じ、機関が点火される。
【0048】
内燃機関の回転速度が安定している、機関の定常運転時には、上記のようにして、点火タイマを用いて演算した点火時期を検出することが可能である。ところが、内燃機関の始動時には、クランク軸の回転速度が機関の行程の変化に伴って細かく変動するため、点火時期を点火タイマを用いて検出することは困難である。そのため、機関の回転速度が安定するまでの間は、点火装置の制御モードを始動モードとして、始動時点火信号供給手段により、点火タイマを用いずに、始動時の点火時期として予め定めた時期に相当するクランク角位置で点火回路に点火信号を与えるようにする。
【0049】
始動時点火信号供給手段は、内燃機関の始動を開始した後、その回転速度が安定するまでの間、計時手段がリラクタ通過時間ΔTを計測する毎に、計測されたリラクタ通過時間ΔTに基づいて内燃機関の始動時の点火時期を検出して点火回路1に点火信号Viを与える手段で、本発明においては、この始動時点火信号供給手段を、少なくとも下記の手段を備えた構成とする。
【0050】
(a)リラクタ通過時間計測用計時手段がリラクタ通過時間を計測する毎に計測されたリラクタ通過時間ΔTを第1の判定基準時間Tsと比較して、該リラクタ通過時間ΔTが第1の判定基準時間Tsよりも短いときに点火回路1への点火信号の供給を許可し、リラクタ通過時間ΔTが第1の判定基準時間Tsを超えているときに点火回路1に点火信号が与えられるのを禁止する第1の始動時点火許否手段。
【0051】
(b)始動時点火許否手段により点火回路1への点火信号の供給が許可されている状態で、リラクタ通過時間ΔTを第1の判定基準時間Tsよりも短く設定された第2の判定基準時間Ts/kと比較してリラクタ通過時間が第2の判定基準時間を超えているときに点火回路に点火信号を供給し、リラクタ通過時間が第2の判定基準時間以下であるときには点火回路への点火信号の供給を禁止する第2の始動時点火許否手段。
【0052】
上記第1の始動時点火許否手段は、始動時のクランキング速度が不足していないか否かを判定するために設けられたもので、クランキング速度が不足していないと判定されたときにのみ点火回路に点火信号が与えられるのを許容する。
【0053】
従って、上記第1の判定基準時間Tsは、機関の始動時のクランキング速度の適正範囲の下限値Nsに相当するリラクタ経過時間に等しく設定する。例えば、機関の始動時にピストンが押し戻される現象が生じるのを防ぐために、始動時の最初の点火時に150[rpm]以上のクランキング速度が必要であるときには、上記第1の判定基準時間を150[rpm]に相当するリラクタ経過時間(=33333μs)に設定する。
【0054】
図2(B)は、機関の始動操作を行った際に生じる機械的振動により、信号発生装置2のロータとパルサとの間のギャップが変動して、パルサの出力にノイズが混入した場合の信号波形の一例を示している。このように信号発生装置の出力にノイズが混入すると、正規の第1極性のパルス信号P1が発生した後、ノイズの第1極性の山がしきい値を超えた時に、リラクタ通過時間計測用計時手段が計測している時間がリラクタ通過時間ΔT’としてマイクロコンピュータに読み込まれる。そのため、リラクタ通過時間が実際の時間よりも短い時間としてマイクロコンピュータに認識される。このような状態が生じると、クランキング速度が実際の速度よりも高く検出されるため、クランキング速度が不足しているにもかかわらず、不足していないと判定される事態が生じる。このような状態で点火動作を行わせると、慣性力の不足によりピストンが上死点を超えることができずに押し戻されて機関の始動に失敗するおそれがある。
【0055】
上記第2の始動時点火許否手段は、信号発生装置が正規の第1極性のパルス信号を発生した後、正規の第2極性のパルス信号を発生するまでの間にノイズが発生した場合に、クランキング速度が実際の速度よりも高く検出されて、クランキング速度が不足しているにもかかわらず、不足していないと判定されるのを防ぐために設けられたもので、リラクタ通過時間が極端に短いと判定されたときに点火回路への点火信号の供給を中止する。
【0056】
従って、第2の判定基準時間Ts’は、通常始動時には得ることができないクランキング速度の下限値付近の値に相当するリラクタ通過時間に等しく設定する。例えば、人力による始動を行う場合に、クランキング速度の適正範囲の下限値Ns(上記の例では150[rpm])の4倍の速度4*Ns以上のクランキング速度が得られない場合には、上記第2の判定基準時間を4*Ns(=600[rpm])に相当するリラクタ経過時間8333μs(=33333/4 μs)に設定する。
【0057】
一般に、機関の始動時にクランキング速度の適正範囲の下限値Nsのk倍の速度k*Ns以上のクランキング速度が得られない場合には、第2の判定基準時間Ts’はTs/k以下に設定する。なおkは、1を超える整数または小数)である。
【0058】
即ち、本発明においては、リラクタ通過時間が始動時のクランキング速度の適正範囲の下限値に相当する第1の判定基準値よりも短く、クランキング速度が適正範囲にあると判定されたときに、更にそのリラクタ通過時間が始動時にしては短すぎないかどうか(クランキング速度が始動時にはあり得ない速度ではないかどうか)を判定し、リラクタ通過時間が短すぎる場合には、ノイズにより正規のリラクタ経過時間の計測に失敗したとして機関を失火させる。
【0059】
このように構成すると、始動時に信号発生装置の出力にノイズが混入した場合に、クランキング速度が実際よりも高く検出されることにより、クランキング速度が不足している状態で点火動作が行われて、機関の始動時にピストンが押し戻される現象が生じるのを防ぐことができる。
【0060】
上記のように構成する場合、始動時点火信号供給手段により点火信号を与える時期を定める始動モードを終了するまでの間に、機関の回転速度が上昇して、正規に検出されるリラクタ通過時間が第2の判定基準時間Ts’よりも短くなる状態になったときにと、点火回路に点火信号が与えられなくなって、機関が失火する。
【0061】
このような状態が生じるのを防ぐため、上記第2の始動時点火許否手段は、第1の始動時点火許否手段により前記点火回路への点火信号の供給が許可されている状態でリラクタ通過時間を第1の判定基準時間よりも短く設定された第2の判定基準時間と比較する比較判定過程を行う比較判定手段と、比較判定過程が行われた回数を判別する比較判定回数判別手段とを備えて、比較判定手段によりリラクタ通過時間が第2の判定基準時間以下であると判定されたときに点火回路への点火信号の供給を中止し、比較判定手段によりリラクタ通過時間が第2の判定基準時間を超えていると判定されたとき及び比較判定回数判別手段により比較判定過程がn回(nは2以上の整数)以上行われたと判別されたときに点火回路に点火信号を与えるように構成するのが好ましい。
【0062】
ここでnの値は、始動時のクランキング速度が不足することなく、かつ信号発生装置の出力にリラクタ経過時間の計測に誤差を生じさせるようなノイズが混入していない場合に、機関の始動操作開始後、機関の回転速度が第2の判定基準時間Ts’に相当する回転速度Ns/k(kは1を超える実数)に達するまでの間に行われることが予測されるリラクタ経過時間の計測回数の予測値と、始動時にノイズによるクランキング速度の誤判定に起因して誤点火が行われるのを防ぐために許容することが必要な失火回数とを勘案して、適当な値に設定しておく。例えば、十分なクランキング速度で始動操作が行われ、信号発生装置の出力にリラクタ経過時間の計測に誤差を生じさせるようなノイズが混入しなかった場合に、始動操作開始後、リラクタ経過時間が2回計測された段階で(2回目の点火が行われた段階で)機関の回転速度が第2の判定基準時間Ts’に相当する回転速度Ns/kに達することが見込まれる場合であっても、図2(B)に示したように、最初の第1極性のパルス信号P1が発生してから第2極性のパルス信号が発生するまでの間にノイズの発生によるリラクタ通過時間の計測が少なくとも4回行われることが予想される場合(少なくとも4回の機関の失火を許容することが必要な場合)には、n=5に設定しておく。
【0063】
図2(B)に示した例では、始動操作開始後、最初の正規の第1極性のパルス信号P1が発生してから正規の第2極性のパルス信号P2が発生するまでの間に、しきい値を超えるノイズの第1極性の山が3回発生している。この場合、パルス信号P1が発生してからP2が発生するまでの間に、リラクタ経過時間ΔTが4回計測されるが、いずれも第2の判定基準時間Ts’よりも短いため、点火回路への点火信号の供給は中止される。その後、クランク軸が1回転すると、再び第1極性のパルス信号P1と第2極性のパルス信号P2とが相次いで発生するが、これらの信号が発生する間には、しきい値を超えるノイズは発生しなかったため、第2の極性のパルス信号P2が発生した時に点火回路に点火信号が与えられる。
【0064】
上記のように、第2の始動時点火許否手段がリラクタ経過時間と第2の判定基準時間との比較判定を行う回数を制限するための手段を設けておくと、第2の判定基準時間を比較的低い回転速度に相当する時間に設定した場合でも、機関の動作が始動モードにある間に、機関の回転速度が第2の判定基準時間Ts’に相当する回転速度に達したときに機関が失火するのを防ぐことができるため、第2の判定基準時間の設定の自由度を高めることができる。
【0065】
上記のように、リラクタ経過時間と第2の判定基準時間との比較判定を行う回数を制限するように第2の始動時点火許否手段を構成する場合に、機関の始動開始後その回転速度が安定するまでの間、信号発生装置2が第2極性のパルス信号を発生する毎にマイクロコンピュータに実行させる割り込みルーチンのアルゴリズムを示すフローチャートを図3に示した。
【0066】
このアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1においてリラクタ通過時間計測用計時手段(タイマ)が計測しているリラクタ通過時間ΔTをRAMに格納する。次いでステップ2において、リラクタ通過時間ΔTを第1の判定基準時間Tsと比較し、その結果、ΔT<Tsでない(始動操作時のクランキング速度が不足している)と判定されたときには、ステップ3に進んで点火回路に点火信号が与えられるのを禁止し、機関を失火させる。
【0067】
ステップ2においてΔT<Tsである(クランキング速度が不足していない)と判定されたときには、ステップ4に進んで、ステップ2の判定過程が既に設定されたn(nは2以上の整数)回以上実行されたか否かを判定する。その結果、ステップ2の実行回数がnに達していないと判定されたときには、ステップ5に進んでΔT>Ts/kの関係(kは1を超える整数または小数)が成立しているか否かを判定する。その結果、ΔT>Ts/kの関係が成立しているときには、ステップ6に進んでポートA3の電位をHレベルとすることにより点火回路1に点火信号Viを与え、点火動作を行わせる。その後、更に必要な処理がある場合には、その処理をステップ7以降で行わせた後、メインルーチンに復帰する。
【0068】
ステップ5において、ΔT>Ts/kの関係が成立していない(リラクタ通過時間が機関の始動時にしては短過ぎ、クランク軸の回転速度が始動時にしては速すぎる)と判定されたときには、今回行われたリラクタ経過時間の計測がノイズ信号によるものであるとしてステップ3に進んで機関を失火させる。
【0069】
また図3のステップ5において、ステップ2の実行回数がnに達していると判定されたときには、ΔT>Ts/kの関係が成立しているか否かの判定を行わせることなく、ステップ6に進んで点火回路に点火信号を供給し、点火動作を行わせる。
【0070】
図3に示したアルゴリズムによる場合には、マイクロコンピュータ内に設けられてリラクタ通過時間ΔTを計時するタイマと、図3のステップ1とにより、信号発生装置が第1極性のパルス信号を発生してから第2極性のパルス信号を発生するまでの時間をリラクタ通過時間として計測するリラクタ通過時間計測用計時手段が構成される。
【0071】
また図3のステップ2により、上記計時手段がリラクタ通過時間ΔTを計測する毎に、計測されたリラクタ通過時間ΔTを第1の判定基準時間Tsと比較して、該リラクタ通過時間が第1の判定基準時間よりも短いときに点火回路への点火信号の供給を許可し、該リラクタ通過時間が第1の判定基準時間を超えているときに点火回路に点火信号が与えられるのを禁止する第1の始動時点火許否手段が構成される。
【0072】
また図3のステップ5により、第1の始動時点火許否手段により点火回路への点火信号の供給が許可されている状態でリラクタ通過時間を第1の判定基準時間よりも短く設定された第2の判定基準時間と比較する比較判定過程を行う比較判定手段が構成され、ステップ4により、比較判定過程が行われた回数を判別する比較判定回数判別手段が構成される。またこれら比較判定手段と、比較判定回数判別手段と、ステップ3及び6とにより、比較判定手段によりリラクタ通過時間が第2の判定基準時間以下であると判定されたときに点火回路への点火信号の供給を中止し、比較判定手段によりリラクタ通過時間が第2の判定基準時間を超えていると判定されたとき及び比較判定回数判別手段により比較判定過程がn回(nは2以上の整数)以上行われたと判別されたときに点火回路に点火信号を与える第2の始動時点火許否手段が構成される。
【0073】
なお上記第1及び第2の始動時点火許否手段により点火回路に点火信号を供給する過程を、機関の始動開始後その回転速度が安定するまでの間のみに行い、第2の判定基準時間Ts/kを、機関の回転が安定する速度領域の下限付近に設定した設定速度に相当する値に設定する場合には、上記のように、第2の始動時点火許否手段に、リラクタ経過時間ΔTと第2の判定基準時間Ts/kとの比較判定過程を行う回数を制限する過程を特に設ける必要はない。
【0074】
上記の例では、リラクタ通過時間ΔTが第1の判定基準時間Tsよりも短いか否かの判定を行って、ΔT<Tsであると判定されたときに直ちに第2の始動時点火許否手段の比較判定回数を判別するステップ4に移行するようにしているが、図4に示したように、図3のステップ2とステップ4との間にステップ2’を挿入して、ステップ2でΔT<Tsであるか否かの判定を行った後、更にステップ2’でリラクタ通過時間ΔTを第1の判定基準時間Tsよりも短く、第2の判定基準時間Ts/kよりは長く設定された第3の判定基準時間Ts’と比較し、ステップ2’でΔT>Ts’であると判定されたきには、ステップ4に移行させずに直ちに機関を失火させるようにしてもよい。ここで、第3の判定基準時間Ts’は、機関の始動操作を開始した後、機関の始動が完了したことを確認するのに適した回転速度に設定する。例えば、Tsを150[rpm]に相当する値に設定し、Ts/kを600[rpm]に設定する場合、Ts’は1000[rpm]程度に設定する。
【0075】
このように構成すると、機関の始動が完了してその回転速度が例えば1000[rpm]を超えているときに、ステップ4以降の過程が無駄に行われるのを防ぐことができる。
【0076】
上記の説明では、マイクロコンピュータ3が機関の始動時に第2の極性のパルス信号P2を認識したときに、該マイクロコンピュータのポートA3をHレベルとして点火回路1に点火信号を与えるようにしたが、信号発生装置2からハードウェア回路を通して点火回路1に点火信号を与えるように構成することもできる。但し、このように構成する場合には、必要時に機関を失火させたり、機関の始動が完了した後に始動時の点火時期に点火回路に点火信号が与えられるのを阻止するために、必要に応じて信号発生装置2の出力(P2)で点火回路1に点火信号が与えられるのを阻止するための手段を設けておく必要がある。
【0077】
例えば、図5に示すように、信号発生装置2が発生する第2極性のパルス信号P2をダイオードD3と抵抗R2とを通して、始動時の点火信号として点火回路のサイリスタThに供給する回路と、マイクロコンピュータ3のポートA3からダイオードD4と抵抗R2とを通してサイリスタThに定常運転時の点火信号を供給する回路とを備えた構成とすることもできる。
【0078】
このように構成する場合には、例えば、マイクロコンピュータのポートA4から駆動信号が与えられたときに導通状態になって第2極性のパルス信号P2を点火回路1から側路する側路用スイッチ9を設けて、始動時に必要に応じて機関を失火させる際、及び機関の始動が完了した後、定常時の動作モードに移行する際にスイッチ9をオン状態にすることにより、点火回路1への点火信号の供給を停止させることができるようにしておく。
【0079】
図5に示した例では、エミッタが接地され、コレクタがダイオードD3のアノードに接続されるとともに、ベースがマイクロコンピュータ3のポートA4に接続されたNPNトランジスタTR1により側路用スイッチ9が構成され、ポートA4の電位がHレベルにされたときにトランジスタTR1がオン状態になって、パルス信号P2が点火回路に点火信号として与えられるのを阻止するようになっている。
【0080】
なお上記の説明では、信号発生装置が第2極性のパルス信号を発生したときに実行される割り込みルーチンのみを示したが、マイクロコンピュータが実行するプログラムのメインルーチンでは、リラクタ通過時間ΔTに対して機関の定常運転時の点火時期を演算する点火時期演算手段等の機能実現手段を構成するための演算が行われる。また図3または図4に示した割り込みルーチンとメインルーチンとの外に、機関の定常運転時に信号発生装置が第1極性のパルス信号を発生したときに点火タイマに点火時期検出用計測時間Tiをセットしてその計測を開始させる点火タイマセット手段を構成するための割り込みルーチンと、点火タイマが点火時期検出用計測時間Tiを計測したときにポートA3の電位をHレベルとして点火信号を出力させる点火信号出力手段を構成するための割り込みルーチンとを含む定常時点火信号供給手段を構成するための割り込みルーチン等が更に設けられるが、これらの構成は従来の点火装置で用いられているものと同様でよいので、それぞれの詳細な説明は省略する。
【0081】
図1に示した例では、点火用コンデンサCiが点火コイルの一次コイルに対して直列に接続されていて、点火用コンデンサの充電電流が点火コイルの一次コイルを通して流れるように構成されているが、図1において点火用コンデンサCiとサイリスタThとの位置を入れ替えた構成をとることもできる。
【0082】
また上記の例では、点火用コンデンサを充電する電源部をバッテリと該バッテリの電圧を昇圧する昇圧回路とにより構成したが、内燃機関に取り付けられる磁石発電機内に設けたエキサイタコイルを電源として点火用コンデンサを充電するようにしたり、磁石発電機内に設けた発電コイルと、該発電コイルの出力を昇圧するチョッパ回路とからなる電源回路を電源として点火用コンデンサを充電するようにしたりすることもできる。
【0083】
また点火回路1は、コンデンサ放電式の回路に限られるものではなく、電流遮断形の点火回路が用いられる場合にも本発明を適用することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、始動時に、リラクタ経過時間を第1の判定基準時間と比較して、リラクタ経過時間が第1の判定基準時間よりも短いときに点火を許可し、リラクタ経過時間が第1の判定基準時間以上であるときに点火を禁止する第1の始動時点火許否手段と、この第1の点火許否手段により点火が許可されている状態で、リラクタ経過時間を第1の判定基準時間よりも短い第2の判定基準時間と比較して、リラクタ経過時間が第2の判定基準時間よりも長いときに点火回路に点火信号を与え、リラクタ経過時間が第2の判定基準時間以下のときに点火信号の供給を禁止する第2の始動時点火許否手段とを設けて、始動時にリラクタ経過時間が短すぎることが検出されたときに点火を禁止するようにしたので、始動時に信号発生装置の出力にノイズが混入した場合に、クランキング速度が実際よりも高く検出されることにより、クランキング速度が不足している状態で点火動作が行われて、機関の始動時にピストンが押し戻される現象が生じるのを防ぐことができる。
【0085】
また本発明において、第2の始動時点火許否手段がリラクタ経過時間と第2の判定基準時間との比較判定を行う回数を制限するための手段を設けた場合には、第2の判定基準時間を比較的低い回転速度に相当する時間に設定した場合でも、機関の始動操作開始後、その回転速度が安定するまでの間に、機関の回転速度が第2の判定基準時間に相当する回転速度に達したときに機関が失火するのを防ぐことができるため、第2の判定基準時間の設定範囲の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いるハードウェアの構成例を示した回路図である。
【図2】(A)及び(B)は、図1の点火装置において、機関の始動時に信号発生装置が発生するパルス信号の波形を示した波形図である。
【図3】図1に示した実施形態において、第1の始動時点火許否手段及び第2の始動時点火許否手段を構成するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図4】図1に示した実施形態において、第1の始動時点火許否手段及び第2の始動時点火許否手段を構成するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの他の例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態で用いるハードウェアの構成例を示した回路図である。
【図6】従来の点火装置において機関の始動時に実行される割り込みルーチンのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図7】(A)及び(B)は本発明が対象とする点火装置において信号発生装置が発生するパルス信号の波形を示した波形図である。
【符号の説明】
1…点火回路、Ci…点火用コンデンサ、IG…点火コイル、Th…サイリスタ、Vi…点火信号、2…信号発生装置、P1…第1極性のパルス信号、P2…第2極性のパルス信号、3…マイクロコンピュータ、4…バッテリ、5…昇圧回路。

Claims (2)

  1. 点火信号が与えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加するための高電圧を発生する点火回路と、前記内燃機関と同期回転するロータに設けられたリラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出したときに第1極性のパルス信号及び第2極性のパルス信号を発生する信号発生装置と、前記信号発生装置が前記第1極性のパルス信号を発生してから第2極性のパルス信号を発生するまでの時間をリラクタ通過時間として計測するリラクタ通過時間計測用の計時手段と、前記内燃機関の始動を開始してからその回転速度が安定するまでの間前記内燃機関の始動時の点火時期として予め定めた点火時期を検出して前記点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段と、内燃機関の回転速度が安定した後の定常運転時の点火時期を決定する点火時期決定手段と、前記点火時期決定手段により決定された点火時期を検出して前記点火回路に点火信号を与える定常運転時点火信号供給手段とを備えた内燃機関用点火装置において、
    前記始動時点火信号供給手段は、
    前記計時手段がリラクタ通過時間を計測する毎に計測されたリラクタ通過時間を第1の判定基準時間と比較して、該リラクタ通過時間が第1の判定基準時間よりも短いときに前記点火回路への点火信号の供給を許可し、該リラクタ通過時間が第1の判定基準時間を超えているときに前記点火回路に点火信号が与えられるのを禁止する第1の始動時点火許否手段と、
    前記第1の始動時点火許否手段により前記点火回路への点火信号の供給が許可されている状態で、前記リラクタ通過時間を前記第1の判定基準時間よりも短く設定された第2の判定基準時間と比較して前記リラクタ通過時間が前記第2の判定基準時間を超えているときに前記点火回路に点火信号を供給し、前記リラクタ通過時間が前記第2の判定基準時間以下であるときには前記点火回路への点火信号の供給を禁止する第2の始動時点火許否手段と、
    を具備したことを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 点火信号が与えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加するための高電圧を発生する点火回路と、前記内燃機関と同期回転するロータに設けられたリラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出したときに第1極性のパルス信号及び第2極性のパルス信号を発生する信号発生装置と、前記信号発生装置が前記第1極性のパルス信号を発生してから第2極性のパルス信号を発生するまでの時間をリラクタ通過時間として計測するリラクタ通過時間計測用の計時手段と、前記内燃機関の始動を開始してからその回転速度が安定するまでの間前記内燃機関の始動時の点火時期として予め定めた点火時期を検出して前記点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段と、内燃機関の回転速度が安定した後の定常運転時の点火時期を決定する点火時期決定手段と、前記点火時期決定手段により決定された点火時期を検出して前記点火回路に点火信号を与える定常運転時点火信号供給手段とを備えた内燃機関用点火装置において、
    前記始動時点火信号供給手段は、
    前記計時手段がリラクタ通過時間を計測する毎に計測されたリラクタ通過時間を第1の判定基準時間と比較して、リラクタ通過時間が第1の判定基準時間よりも短いと判定されたときに前記点火回路への点火信号の供給を許可し、該リラクタ通過時間が第1の判定基準時間を超えていると判定されたときに前記点火回路に点火信号が与えられるのを禁止する第1の始動時点火許否手段と、
    前記第1の始動時点火許否手段により前記点火回路への点火信号の供給が許可されている状態で前記リラクタ通過時間を前記第1の判定基準時間よりも短く設定された第2の判定基準時間と比較する比較判定過程を行う比較判定手段と、前記比較判定過程が行われた回数を判別する比較判定回数判別手段とを備えて、前記比較判定手段により前記リラクタ通過時間が前記第2の判定基準時間以下であると判定されたときに前記点火回路への点火信号の供給を中止し、前記比較判定手段により前記リラクタ通過時間が前記第2の判定基準時間を超えていると判定されたとき及び前記比較判定回数判別手段により前記比較判定過程がn回(nは2以上の整数)以上行われたと判別されたときに前記点火回路に点火信号を与える第2の始動時点火許否手段と、
    を具備したことを特徴とする内燃機関用点火装置。
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