[go: up one dir, main page]

JP3075095B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

Info

Publication number
JP3075095B2
JP3075095B2 JP06221521A JP22152194A JP3075095B2 JP 3075095 B2 JP3075095 B2 JP 3075095B2 JP 06221521 A JP06221521 A JP 06221521A JP 22152194 A JP22152194 A JP 22152194A JP 3075095 B2 JP3075095 B2 JP 3075095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition
signal
control
circuit
idling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06221521A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0886264A (ja
Inventor
浩之 堀部
Original Assignee
国産電機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 国産電機株式会社 filed Critical 国産電機株式会社
Priority to JP06221521A priority Critical patent/JP3075095B2/ja
Publication of JPH0886264A publication Critical patent/JPH0886264A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3075095B2 publication Critical patent/JP3075095B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積分演算により求めた
点火位置で点火動作を行わせることにより機関の回転数
に応じて点火位置を制御する内燃機関用点火装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用の点火装置は、点火信号が与
えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、
内燃機関の点火位置で前記点火回路に点火信号を与える
点火位置制御回路とにより構成される。
【0003】点火回路は、点火コイルと、点火信号が与
えられたときに点火コイルの1次電流に急激な変化を生
じさせる一次電流制御回路とにより構成される。点火回
路としては、コンデンサ放電式の回路と電流遮断式の回
路とが知られている。
【0004】コンデンサ放電式の点火回路では、点火コ
イルの一次側に設けられて磁石発電機内に設けられたエ
キサイタコイルの出力や、バッテリの電圧を昇圧するコ
ンバータ回路の出力で点火位置よりも前の区間で一方の
極性に充電される点火エネルギー蓄積用のコンデンサ
と、点火信号が与えられたときに導通して点火エネルギ
ー蓄積用コンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルに
放電させる放電制御用サイリスタとにより、一次電流制
御回路が構成される。この形式の点火回路では、コンデ
ンサの電荷を放電させることにより点火コイルの一次電
流に急激な変化を生じさせて、該点火コイルの二次コイ
ルに点火用の高電圧を誘起させる。
【0005】またバッテリを電源として用いる電流遮断
式の点火回路では、点火コイルの一次コイルに対して直
列に接続された一次電流制御用スイッチにより一次電流
制御回路が構成される。この点火回路では、点火位置よ
りも前の位置で導通させた一次電流制御用スイッチを点
火位置で遮断状態にすることにより、バッテリから点火
コイルの一次コイルと一次電流制御用スイッチとを通し
て流しておいた電流を遮断して、点火コイルの二次コイ
ルに点火用の高電圧を誘起させる。
【0006】なおバッテリを電源として用いる電流遮断
式の点火回路が用いられる場合、一次電流制御用スイッ
チには、点火位置よりも前の位置で矩形波状の駆動信号
(一次電流制御用スイッチを導通させるための信号)が
与えられ、該駆動信号が零に立ち下がったときに一次電
流制御用スイッチが遮断状態にされて点火動作が行われ
る。従ってこの場合には、駆動信号の立ち下がりの変化
が点火信号となる。
【0007】更に磁石発電機内に設けた点火コイルの一
次コイルを点火用の電源として用いる電流遮断式の点火
回路では、点火コイルの一次コイルに対して並列に設け
られた一次電流制御用スイッチにより一次電流制御回路
が構成される。この形式の点火回路では、点火コイルの
一次コイルに一方の極性の電圧が誘起したときに一次電
流制御用スイッチを導通させ、点火位置で点火信号が与
えられたときに該一次電流制御用スイッチを遮断状態に
することにより点火コイルの二次コイルに点火用の高電
圧を誘起させる。
【0008】いずれの形式の点火回路が用いられる場合
であっても、点火回路に点火信号が与えられる位置が点
火位置となる。点火位置制御回路は、少なくとも機関の
回転数を制御条件として、該回転数に応じて点火位置を
進角または遅角させるように、点火信号の発生位置を変
化させる。
【0009】点火位置制御回路としては種々の形式のも
のが知られているが、その内の1つとして、積分演算に
より点火位置を演算して、演算した点火位置で点火信号
を発生させるようにした電子進角式の回路が知られてい
る。この種の点火位置制御回路では、機関と同期回転す
る信号発生装置から機関の最大進角位置及び最小進角位
置でそれぞれ第1及び第2の信号を発生させ、該第1及
び第2の信号により積分区間を定めて積分演算を行うこ
とにより得た複数の積分電圧を比較演算することにより
点火位置を求めるようにしている。
【0010】信号発生装置は、例えば、進角幅に等しい
極弧角を有するリラクタを備えたロータと、該ロータに
より与えられる磁束変化を検出して信号を発生する信号
発電子とにより構成される。信号発電子は、例えば、ロ
ータに対向させられる磁極部を有する鉄心と、該鉄心に
巻回された信号コイルと、鉄心に磁束を流す永久磁石と
により構成され、機関の最大進角位置でロータのリラク
タが鉄心の磁極部に対向し始め、最小進角位置で該リラ
クタと鉄心の磁極部との対向が終了するようにロータが
取り付けられる。この信号発生装置では、ロータのリラ
クタが鉄心の磁極部に対向し始める際、及び該対向が終
了する際にそれぞれ鉄心に生じる磁束変化により信号コ
イルに信号が誘起する。なお信号コイルに代えて、ホー
ルIC等の磁気検出素子を用いてリラクタにより生じさ
せられる磁束変化を検出する場合もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】電子進角式の点火位置
制御回路を用いた点火装置としては、実公平3−199
12号や実公平2−24952号に見られるように種々
の形式のものが提案されているが、従来のこの種の点火
装置による場合には、例えば図5の折れ線イに示すよう
に、機関の回転数Nが始動回転数No から進角開始回転
数N1 に達するまでの回転領域で点火位置が最小進角位
置θo に固定され、進角開始回転数N1 を超える領域で
点火位置が最大進角位置θ1 まで進角した後、進角終了
回転数N2を超える領域で点火位置が最大進角位置θ1
に固定される特性が得られる。
【0012】このように進角開始回転数N1 以下の回転
領域で点火位置が最小進角位置に固定される場合、最小
進角位置θo をアイドリング回転数Ni で運転する際に
適した位置に設定すると、機関の始動時に点火位置が進
み過ぎるため、始動操作の際に機関のピストンが押し戻
される現象(いわゆるケッチン)が生じ、運転者に危害
を加えるおそれがある。
【0013】ケッチンが生じるのを防ぐため、図5の折
れ線ロのように、最少進角位置を始動時に適した位置θ
o'に設定することも考えられるが、このように設定した
場合には、アイドリング時の点火位置が遅れ過ぎ、アイ
ドリング時にエンジンストールを生じやすい状態になる
という問題が生じる。
【0014】このように、始動時に要求される特性とア
イドリング運転時に要求される特性との間には相反する
関係があるため、実際には両者の妥協点を見出だして最
小進角位置を設定しており、始動時及びアイドリング運
転時の双方に満足がいく特性を得ることができないとい
う問題があった。
【0015】また従来の点火装置においては、機関に要
求される特性に合わせて最小進角位置を変更しようとす
ると(例えば図5の折れ線イの特性を折れ線ロの特性に
変更しようとすると)、信号発生装置のロータに設ける
リラクタの極弧角(進角幅)を変更する必要があるた
め、特性を変更するために要するコストが高くなるのを
避けられなかった。
【0016】本発明の目的は、信号発生装置の構成を変
更することなく、アイドリング時及び始動時の点火位置
を最適の位置に設定することができるようにした内燃機
関用点火装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、点火信号が与
えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、
内燃機関の点火位置で点火回路に点火信号を与える点火
位置制御回路とを備えた内燃機関用点火装置に係わるも
のである。
【0018】本発明においては、上記点火位置制御回路
が、内燃機関の最大進角位置及び最小進角位置でそれぞ
れしきい値レベルに達する第1の信号及び第2の信号を
発生する信号発生装置と、第1の信号がしきい値レベル
に達する位置から第2の信号がしきい値レベルに達する
位置までの区間矩形波状の基準電圧を発生する基準電圧
発生回路と、第1の進角制御用積分コンデンサを基準電
圧により最大進角位置で一定の電圧まで瞬時に充電した
後所定の時定数で追加充電する積分動作を行う第1の進
角制御用積分回路と、第2の進角制御用積分コンデンサ
を所定の時定数で充電する積分動作を行う第2の進角制
御用積分回路と、基準電圧により第1のアイドリング制
御用積分コンデンサを所定の時定数で充電する積分動作
を行う第1のアイドリング制御用積分回路と、第2のア
イドリング制御用積分コンデンサを所定の時定数で充電
する積分動作を行う第2のアイドリング制御用積分回路
と、第2の信号がしきい値レベルに達したときに第1及
び第2の進角制御用積分コンデンサと第1及び第2のア
イドリング制御用積分コンデンサとを瞬時に放電させる
リセット回路と、基準電圧を分圧して一定の参照電圧を
発生する参照電圧発生回路と、第1の進角制御用積分コ
ンデンサの両端に得られる第1の進角制御用積分電圧と
第2の進角制御用積分コンデンサの両端に得られる第2
の進角制御用積分電圧とを比較して第1の進角制御用積
分電圧が第2の進角制御用積分電圧を超えたときに進角
時点火位置信号を出力する進角時点火位置演算回路と、
第1のアイドリング制御用積分コンデンサの両端に得ら
れる第1のアイドリング制御用積分電圧と参照電圧とを
比較して第1のアイドリング制御用積分電圧が参照電圧
よりも低いとき及び高いときにそれぞれ第1の状態及び
第2の状態をとる第1の制御信号を発生する第1のアイ
ドリング制御用比較器と、第1のアイドリング制御用積
分電圧と第2のアイドリング制御用積分コンデンサの両
端に得られる第2のアイドリング制御用積分電圧とを比
較して第1のアイドリング制御用積分電圧が第2のアイ
ドリング制御用積分電圧よりも高いとき及び低いときに
それぞれ第1の状態及び第2の状態をとる第2の制御信
号を発生する第2のアイドリング制御用比較器とを備え
て、第1の制御信号及び第2の制御信号の双方が第1の
状態にあるときにアイドリング時点火位置信号を出力す
るアイドリング時点火位置演算回路と、第2の信号を入
力として該第2の信号がしきい値レベルに達したときに
始動時点火位置信号を出力する始動時点火位置信号発生
回路と、進角時点火位置信号、アイドリング時点火位置
信号または始動時点火位置信号のいずれかが発生したと
きに点火回路に点火信号を与える点火信号供給回路とを
備えている。
【0019】そして本発明においては、内燃機関の回転
数がアイドリング回転数に達した時に第1のアイドリン
グ制御用積分電圧の最大値が参照電圧よりも低くなるよ
うに参照電圧の大きさが設定され、第1のアイドリング
制御用積分電圧と第2のアイドリング制御用積分電圧と
が等しくなる回転角度位置が最小進角位置よりも進角し
たアイドリング時用の点火位置に等しくなるように第1
及び第2のアイドリング制御用積分回路の定数が設定さ
れている。また内燃機関の回転数がアイドリング回転数
よりも高く設定された進角開始回転数に達した時にアイ
ドリング時用の点火位置で第1の進角制御用積分電圧が
第2の進角制御用積分電圧を超えるように第1及び第2
の進角制御用積分回路の定数が設定されている。
【0020】
【作用】上記の構成において、進角時点火位置演算回路
における点火位置の演算手法は従来知られているものと
同様であり、この進角時点火位置演算回路により得られ
る進角時点火位置信号は、機関の回転数の上昇に伴って
その発生位置が進角していく。また始動時点火位置信号
発生回路は、最小進角位置で第2の信号がしきい値レベ
ルに達した時に始動時点火位置信号を発生する。このよ
うに、始動時の点火位置を第2の信号が発生する位置と
する点も従来の点火装置と同様である。
【0021】本発明は、進角時点火位置演算回路及び始
動時点火位置信号発生回路の外に、機関の回転数がアイ
ドリング回転数に達した時にアイドリング時点火位置信
号を発生するアイドリング時点火位置演算回路を設け
て、進角時点火位置信号、アイドリング時点火位置信号
または始動時点火位置信号のいずれかが発生したときに
点火回路に点火信号を与えることを特徴としている。
【0022】本発明で用いるアイドリング時点火位置演
算回路において、機関の回転数がアイドリング回転数よ
りも低いときには、第1のアイドリング制御用積分コン
デンサの充電を行う時間が長く、該積分コンデンサの両
端に得られる第1のアイドリング制御用積分電圧が参照
電圧よりも高いため、最小進角位置では第1のアイドリ
ング制御用比較器が出力する第1の制御信号が第2の状
態(例えば低レベルまたは零レベルの状態)にある。し
たがってこの状態では、アイドリング時点火位置演算回
路がアイドリング時用点火信号を発生せず、最小進角位
置で始動時点火位置信号が発生したときに点火回路に点
火信号が供給される。
【0023】機関が始動した後、回転数が上昇していく
と、第1のアイドリング制御用積分コンデンサを充電す
る時間が短くなっていくため、第1のアイドリング制御
用積分電圧の最大値が低くなっていく。機関の回転数が
アイドリング回転数に達すると、第1のアイドリング制
御用積分電圧が常に参照電圧よりも低い状態になる(最
小進角位置に達しても参照電圧を超えることができなく
なる)ため、最小進角位置で第1のアイドリング制御用
比較器が出力する第1の制御信号が第1の状態(例えば
高レベルの状態)にある。この状態では、最小進角位置
よりも前の位置で第1のアイドリング制御用積分電圧が
第2のアイドリング制御用積分電圧に達して第2の制御
信号が第1の状態になった時にアイドリング時点火位置
信号が発生し、この点火位置信号により点火回路に点火
信号が与えられる。従って、アイドリング回転数から進
角開始回転数までの低速領域では、アイドリング時の点
火位置で点火動作が行われる。
【0024】なお一般に、零レベルから一定の時定数で
上昇する2つの積分電圧を比較した場合、両積分電圧が
一致する位置は機関の回転数とは無関係に決る。従っ
て、第1のアイドリング制御用積分電圧と第2のアイド
リング制御用積分電圧とが一致する位置(アイドリング
時点火位置信号が発生する位置)は常に一定になり、回
転数の上昇に伴ってアイドリング時点火位置信号の発生
位置が進角することはない。また第1のアイドリング制
御用積分電圧と第2のアイドリング制御用積分電圧とが
一致する位置は、第1及び第2のアイドリング制御用積
分電圧の一方または双方の定数を変えることにより、適
宜に調整することができる。
【0025】本発明によれば、図4に示したように、始
動回転数No 以上アイドリング回転数Ni 未満の領域で
は最小進角位置θo で点火が行われ、アイドリング回転
数Ni 以上進角開始回転数N1 未満の領域ではアイドリ
ング時点火位置θi で点火が行われ、進角開始回転数N
1 以上進角終了回転数N2 以下の領域で点火位置がθi
からθ1 まで進角する特性が得られる。従って、最小進
角位置θo を適当に設定しておくことにより始動時の点
火位置をケッチンが生じない位置とすることができる。
また第1及び第2のアイドリング制御用積分回路の定数
を調整することにより、信号発生装置のロータの構成を
変更することなく、アイドリング時の点火位置θi を適
宜に調整することができる。
【0026】
【実施例】図1は本発明の実施例を示したもので、同図
において1は点火信号Vf が与えられたときに点火用の
高電圧を発生する点火回路、2は内燃機関の点火位置で
点火回路1に点火信号Vf を与える点火位置制御回路、
3は点火電源としてのエキサイタコイルである。エキサ
イタコイル3は、内燃機関に取り付けられた磁石発電機
内に設けられていて、機関の回転に同期して正負の半サ
イクルの交流電圧Ve1及びVe2を誘起する。エキサイタ
コイルの正の半サイクルの出力電圧Ve1は点火回路1に
入力され、負の半サイクルの電圧Ve2は、電源回路4に
入力されている。エキサイタコイル3の一端と接地間に
は、該エキサイタコイルから電源回路4に流入した電流
の帰路を形成するダイオードD1 が接続されている。電
源回路4は例えば、エキサイタコイル3が発生する負の
半サイクルの電圧Ve2で電源コンデンサを一方の極性に
充電する回路と、該電源コンデンサの両端の電圧を一定
値に保つ定電圧回路とからなっていて、その出力端子に
一定の直流電圧Vccを出力する。この電源回路4の出力
電圧は、点火位置制御回路2の各部の電源端子に印加さ
れている。
【0027】点火回路1は、点火コイルIGと、該点火
コイルの一次側に設けられた点火エネルギ蓄積用コンデ
ンサC1 と、点火信号Vf が与えられた時に導通してコ
ンデンサC1 の電荷を点火コイルの1次コイルW1 放電
させる放電制御用サイリスタTh1と、エキサイタコイル
3の一方の半サイクルの出力電圧(この例では正の半サ
イクルの出力電圧)で点火エネルギ蓄積用コンデンサC
1 を一方の極性に充電するコンデンサ充電回路とにより
構成される。
【0028】更に詳細に説明すると、点火コイルIG
は、一次コイルW1 と二次コイルW2とを有していて、
両コイルの一端が接地され、一次コイルW1 の非接地側
の端子に点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 の一端が接
続されている。コンデンサC1の他端はカソードを該コ
ンデンサ側に向けたダイオードD2 を通してエキサイタ
コイル3の一端に接続され、ダイオードD2 とコンデン
サC1 との接続点と接地間に放電制御用サイリスタTh1
がそのカソードを接地側に向けた状態で接続されてい
る。点火コイルIGの1次コイルW1 の両端にはカソー
ドを接地側に向けたダイオードD3 が接続され、エキサ
イタコイル3の他端と接地間には、アノードを接地側に
向けたダイオードD4 が接続されている。この例では、
エキサイタコイル3→ダイオードD2 →点火エネルギ蓄
積用コンデンサC1 →ダイオードD3及び点火コイルの
一次コイルW1 →ダイオードD4 の回路により、エキサ
イタコイル3の一方の半サイクルの出力電圧でコンデン
サC1 を一方の極性に充電するコンデンサ充電回路が構
成されている。
【0029】また図示の例では、サイリスタTh1の両端
に保護用の抵抗R1 が接続され、サイリスタTh1のゲー
トカソード間に保護用の抵抗R2 及びコンデンサC2 が
並列接続されている。
【0030】上記の点火回路1においては、エキサイタ
コイル3が正の半サイクルの電圧Ve1を発生したとき
に、上記コンデンサ充電回路を通して点火エネルギ蓄積
用コンデンサC1 が図示の極性に充電される。後述の点
火位置制御回路2からサイリスタTh1のゲートに点火信
号Vf が与えられると、該サイリスタTh1が導通するた
め、コンデンサC1 の電荷がサイリスタTh1と点火コイ
ルの一次コイルW1 とを通して放電する。これにより点
火コイルの鉄心中で大きな磁束変化が生じるため、該点
火コイルの二次コイルW2 に点火用の高電圧が誘起す
る。この高電圧は、機関の気筒に取り付けられた点火プ
ラグPに印加されるため、該点火プラグに火花が生じて
機関が点火される。
【0031】点火位置制御回路2は、内燃機関に取り付
けられて、内燃機関の最大進角位置及び最小進角位置で
それぞれしきい値レベルに達する第1の信号Vs1及び第
2の信号Vs2を発生する信号発生装置201と、第1の
信号Vs1をパルス波形に波形整形する第1の波形整形回
路202と、第2の信号Vs2をパルス波形に波形整形す
る第2の波形整形回路203と、第1の信号Vs1がしき
い値レベルに達する位置から第2の信号Vs2がしきい値
レベルに達する位置までの区間矩形波状の基準電圧Vq
を発生する基準電圧発生回路204と、第1の進角制御
用積分回路205と、第2の進角制御用積分回路206
と、第1のアイドリング制御用積分回路207と、第2
のアイドリング制御用積分回路208と、リセット回路
209と、参照電圧発生回路210と、進角時点火位置
演算回路211と、アイドリング時点火位置演算回路2
12と、始動時点火位置信号発生回路213と、点火信
号供給回路214とからなっている。
【0032】更に詳述すると、本実施例の信号発生装置
201は、始動時の点火位置に適した最小進角位置θo
から最大進角位置θ1 までの角度幅に相当する極弧角α
を有するリラクタを備えたロータと、該ロータにより与
えられる磁束変化を検出して信号を発生する信号発電子
とにより構成されている。ここで極弧角αは、進角領域
における進角幅βよりは大きく設定されている。
【0033】信号発電子は、例えば、ロータに対向させ
られる磁極部を有する鉄心と、該鉄心に巻回された信号
コイルLs と、鉄心に磁束を流す永久磁石とにより構成
され、機関の最大進角位置でロータのリラクタが鉄心の
磁極部に対向し始め、最小進角位置で該リラクタと鉄心
の磁極部との対向が終了するようにロータが取り付けら
れる。この信号発生装置では、ロータのリラクタが鉄心
の磁極部に対向し始める際、及び該対向が終了する際に
それぞれ鉄心に生じる磁束変化により信号コイルLs に
第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2[図2(A)、図3
(A)参照]が誘起する。なお図2及び図3は図1の実
施例の各部の電圧波形を示したもので、図2は機関の始
動時及びアイドリング運転時の波形を示し、図3は回転
数の上昇に伴って点火位置が進角する進角動作が行われ
ているときの波形を示している。図2及び図3において
横軸には機関の回転角度θをとっている。この例では、
第1の信号Vs1が負極性の信号からなり、第2の信号V
s2が正極性の信号からなっている。
【0034】なお信号コイルに代えて、ホールIC等の
磁気検出素子を用いてリラクタにより生じさせられる磁
束変化を検出することにより第1の信号及び第2の信号
を得る信号発生装置を用いることもできる。
【0035】信号コイル201の一端は接地され、該信
号コイルの両端にはノイズ吸収用の抵抗R3 及びコンデ
ンサC3 が並列に接続されている。
【0036】第1の波形整形回路202は、信号コイル
201の非接地側端子にカソードが接続されたダイオー
ドD5 と、ダイオードD5 のアノードにエミッタが接続
されたNPNトランジスタTR1 と、トランジスタTR
1 のコレクタに抵抗R3 を通してベースが接続されたP
NPトランジスタTR2 と、トランジスタTR1 のベー
スエミッタ間に接続された抵抗R4 と、トランジスタT
R1 のベース接地間に接続された抵抗R5 及びコンデン
サC3 の並列回路と、トランジスタTR2 のベースエミ
ッタ間に並列に接続された抵抗R6 及びコンデンサC4
とにより構成されている。この波形整形回路において
は、信号コイルLs から負極性の第1の信号Vs1が発生
したときに抵抗R5 とコンデンサC3 との並列回路を通
してトランジスタTR1 にパルス状のベース電流が流れ
る。これによりトランジスタTR1及びTR2 が短時間
導通し、トランジスタTR2 のエミッタコレクタ間を通
して第1のパルス信号が出力されるようになっている。
【0037】第2の波形整形回路203は、コンデンサ
C5 及び抵抗R7 の並列回路にダイオードD6 を直列接
続した回路からなり、この波形整形回路は、正極性の第
2の信号Vs2がコンデンサC5 の両端の電圧を超えたと
きにダイオードD6 を通して第2のパルス信号を出力す
る。
【0038】基準電圧発生回路204は、電源回路4か
ら電源電圧Vccが与えられたフリップフロップ回路Fか
らなり、その入力端子に第1の波形整形回路202から
得られる第1のパルス信号が与えられている。またフリ
ップフロップ回路Fの入力端子には、後述するリセット
回路のスイッチング素子を構成するNPNトランジスタ
TR3 のコレクタが接続され、トランジスタTR3 のエ
ミッタは接地されている。トランジスタTR3 のベース
は抵抗R8 を通して波形整形回路203の出力端子(ダ
イオードD6 のカソード)に接続され、該トランジスタ
TR3 のベースエミッタ間には抵抗R9 及びコンデンサ
C6 が並列に接続されている。
【0039】この例では、信号コイルLs が第1の信号
Vs1を発生してトランジスタTr2が導通したときにフリ
ップフロップ回路Fの入力端子の電位が高レベルに変化
し、この入力端子のレベル変化により、フリップフロッ
プ回路Fの出力端子Qの電位が高レベルになる。また信
号コイルLs が第2の信号Vs2を発生して波形整形回路
203がパルス信号を発生したときにトランジスタTR
3 が導通してフリップフロップ回路Fの入力端子の電位
を零レベル(接地電位)にする。この入力端子の電位の
変化によりフリップフロップ回路Fの出力端子Qの電位
が反転する(零レベルになる)。
【0040】従って、基準電圧発生回路204は、図2
(B)及び図3(B)に示したように、第1の信号Vs1
がしきい値レベルに達する位置(最大進角位置)θ1 か
ら第2の信号Vs2がしきい値レベルに達する位置(最小
進角位置)θo までの区間矩形波状の基準電圧Vq を発
生する。
【0041】第1の進角制御用積分回路205は、フリ
ップフロップ回路F(基準電圧発生回路204)の出力
端子にコレクタが接続されたNPNトランジスタTR4
と、トランジスタTR4 のコレクタベース間及びベース
接地間にそれぞれ接続された抵抗R10及びR11と、トラ
ンジスタTR4 のエミッタと接地間に接続された第1の
進角制御用積分コンデンサCa1と、トランジスタTR4
のコレクタエミッタ間に接続された抵抗R12とからなっ
ている。積分コンデンサCa1の非接地側端子は、ダイオ
ードD7 を通してトランジスタTR3 のコレクタに接続
されている。
【0042】上記の積分回路205においては、最大進
角位置θ1 で基準電圧Vq が発生したときに第1の進角
制御用積分コンデンサCa1がトランジスタTR4 のコレ
クタエミッタ間を通して、基準電圧Vq を抵抗R10及び
R11で分圧した電圧Vq1まで瞬時に充電される。コンデ
ンサCa1が電圧Vq1まで充電されるとトランジスタTR
4 にベース電流が流れなくなって該トランジスタが遮断
状態になるため、以後は積分コンデンサCa1が基準電圧
Vq により抵抗R12を通して一定の時定数で追加充電さ
れる。最小進角位置θo で第2の信号Vs2が発生する
と、トランジスタTR3 が導通するため、積分コンデン
サCa1の電荷がダイオードD7 とトランジスタTR3 と
を通して瞬時に放電させられて積分コンデンサCa1がリ
セットされる。従って、第1の進角制御用積分コンデン
サCa1の両端には、図2(F)及び図3(F)に示した
ように、最大進角位置θ1 で一定の電圧Vq1まで瞬時に
立上った後、最小進角位置θo まで一定の傾きで上昇す
る波形の第1の進角制御用積分電圧Va1が得られる。
【0043】第2の進角制御用積分回路206は、電源
回路4の出力端子に一端が接続された抵抗R13と、抵抗
R13の他端と接地間に接続された第2の進角制御用積分
コンデンサCa2とからなり、第2の進角制御用積分コン
デンサCa2は電源電圧Vccにより抵抗R13を通して一定
の時定数で充電される。積分コンデンサCa2の非接地側
端子はダイオードD8 を通してトランジスタTR3 のコ
レクタに接続されている。従って、第2の進角制御用積
分コンデンサCa1の両端には、図2(F)及び図3
(F)に示したように、各最小進角位置θo から一定の
時定数で上昇して次の最小進角位置θo で零に戻る波形
の第2の進角制御用積分電圧Va2が得られる。
【0044】第1のアイドリング制御用積分回路207
は、基準電圧発生回路204の出力端子に一端が接続さ
れた抵抗R14と、該抵抗R14の他端と接地間に接続され
た第1のアイドリング制御用積分コンデンサCi1とから
なっている。積分コンデンサCi1の非接地側端子は、エ
ミッタが接地されたNPNトランジスタTR3'のコレク
タにダイオードD7'を通して接続され、トランジスタT
R3'のベースは抵抗R8'を通して波形整形回路203の
出力端子に接続されている。トランジスタTR3'のベー
スエミッタ間には抵抗R9'及びコンデンサC6'が並列に
接続されている。
【0045】第1のアイドリング制御用積分コンデンサ
Ci1は、基準電圧Vq により抵抗R14を通して一定の時
定数で充電される。最小進角位置θo で第2の信号Vs2
が発生して(しきい値レベルに達して)トランジスタT
R3'が導通すると積分コンデンサCi1の電荷がダイオー
ドD7'とトランジスタTR3'とを通して瞬時に放電させ
られる。従って第1のアイドリング制御用積分コンデン
サCi1の両端には、図2(C)及び図3(C)に示した
ように、最大進角位置θ1 から所定の傾きで上昇して最
小進角位置θo で零に戻る波形の第1のアイドリング制
御用積分電圧Vi1が得られる。
【0046】第2のアイドリング制御用積分回路208
は、電源回路4の出力端子に一端が接続された抵抗R15
と、該抵抗R15の他端と接地間に接続された第2のアイ
ドリング制御用積分コンデンサCi2とからなっている。
第2のアイドリング制御用積分コンデンサCi2の非接地
側端子は、ダイオードD8'を通してトランジスタTR3'
のコレクタに接続されている。
【0047】第2のアイドリング制御用積分コンデンサ
Ci2は、一定の電源電圧Vccにより抵抗R15を通して一
定の時定数で充電される。最小進角位置θo で第2の信
号Vs2が発生するとトランジスタTR3'が導通するた
め、積分コンデンサCi2の電荷がダイオードD8'とトラ
ンジスタTR3'とを通して瞬時に放電させられる。従っ
て第2のアイドリング制御用積分コンデンサCi2の両端
には、図2(D)及び図3(D)に示したように、最小
進角位置θo から所定の傾きで上昇して次の最小進角位
置θo で零に戻る波形の第2の進角制御用積分電圧Vi2
が得られる。
【0048】また参照電圧発生回路210は、基準電圧
発生回路204の出力端子間に接続された抵抗R16及び
R17の直列回路からなっており、この回路は、基準電圧
Vqを分圧して参照電圧Vr を発生する。
【0049】この例では、トランジスタTR3 、抵抗R
8 ,R9 、コンデンサC6 及びダイオードD7 ,D8
と、トランジスタTR3'、抵抗R8',R9'、コンデンサ
C6'及びダイオードD7',D8'とにより、第2の信号V
s2がしきい値レベルに達したときに第1及び第2の進角
制御用積分コンデンサCa1及びCa2と、第1及び第2の
アイドリング制御用積分コンデンサCi1及びCi2とを瞬
時に放電させるリセット回路209が構成されている。
【0050】進角時点火位置演算回路211は、比較器
CP1 と該比較器の出力端子と電源回路4の出力端子と
の間に接続された抵抗R18とからなり、比較器CP1 の
非反転入力端子(+端子)及び反転入力端子(−端子)
にそれぞれ第1の進角制御用積分電圧Va1及び第2の進
角制御用積分電圧Va2が入力されている。
【0051】この進角時点火位置演算回路においては、
第1の進角制御用積分コンデンサCa1の両端に得られる
第1の進角制御用積分電圧Va1と第2の進角制御用積分
コンデンサCa2の両端に得られる第2の進角制御用積分
電圧Va2とを比較して第1の進角制御用積分電圧Va1が
第2の進角制御用積分電圧Va2を超えたときに進角時点
火位置信号Vf1を出力するアイドリング時点火位置演算
回路212は、第1のアイドリング制御用積分電圧Vi1
及び参照電圧Vr がそれぞれ反転入力端子及び非反転入
力端子に入力された第1のアイドリング制御用比較器C
P2 と、第1のアイドリング制御用積分電圧Vi1及び第
2のアイドリング制御用積分電圧Vi2がそれぞれ非反転
入力端子及び反転入力端子に入力された第2のアイドリ
ング制御用比較器CP3 とを備え、両比較器CP2 及び
CP3 の出力端子は共通に接続されて抵抗R19を介して
電源回路4の出力端子に接続されている。
【0052】第1のアイドリング制御用比較器CP2
は、第1のアイドリング制御用積分電圧Vi1が参照電圧
Vr よりも低いとき及び高いときにそれぞれ第1の状態
(この例では高レベルの状態)及び第2の状態(この例
では零レベルの状態)をとる第1の制御信号e1 を発生
する。また第2のアイドリング制御用比較器CP3 は、
第1のアイドリング制御用積分電圧Vi1が第2のアイド
リング制御用積分電圧Vi2よりも高いとき及び低いとき
にそれぞれ第1の状態(高レベルの状態)及び第2の状
態(零レベルの状態)をとる第2の制御信号e2 を発生
する。アイドリング時点火位置演算回路212は、第1
の制御信号e1 及び第2の制御信号e2 の双方が第1の
状態(高レベルの状態)にあるときにアイドリング時点
火位置信号Vf2を出力する。
【0053】上記進角時点火位置信号Vf1及びアイドリ
ング時点火位置信号Vf2はそれぞれダイオードD10及び
D11を通して点火回路1のサイリスタTh1のゲートに供
給されている。
【0054】始動時点火位置信号発生回路213は、波
形整形回路203のダイオードD6のアノードにアノー
ドが接続されたダイオードD9 と、該ダイオードのカソ
ードに一端が接続された抵抗R20とからなり、抵抗R20
の他端は点火回路1のサイリスタTh1のゲートに接続さ
れている。この始動時点火位置信号発生回路213は、
第2の信号Vs2がしきい値レベルに達したときにサイリ
スタTh1のゲートに始動時点火位置信号Vf3を供給す
る。
【0055】上記ダイオードD10及びD11と始動時点火
位置信号供給回路213の出力端子をサイリスタTh1の
ゲートに接続する回路とにより、進角時点火位置信号V
f1、アイドリング時点火位置信号Vf2または始動時点火
位置信号Vf3のいずれかが発生したときに点火回路1に
点火信号Vf を与える点火信号供給回路214が構成さ
れている。
【0056】本実施例では、内燃機関の回転数がアイド
リング回転数Ni に達した時に第1のアイドリング制御
用積分電圧Vi1の最大値が参照電圧Vr よりも低くなる
ように参照電圧Vr の大きさが設定され、第1のアイド
リング制御用積分電圧Vi1と第2のアイドリング制御用
積分電圧Vi2とが等しくなる回転角度位置が最小進角位
置よりも進角したアイドリング時用の点火位置に等しく
なるように第1及び第2のアイドリング制御用積分回路
207及び208の定数が設定されている。また内燃機
関の回転数がアイドリング回転数よりも高く設定された
進角開始回転数に達した時に上記アイドリング時用の点
火位置で第1の進角制御用積分電圧Va1が第2の進角制
御用積分電圧Va2を超えるように第1及び第2の進角制
御用積分回路205及び206の定数が設定されてい
る。
【0057】上記の実施例において、機関の始動時に
は、進角時点火位置演算回路211及びアイドリング時
点火位置演算回路212が点火位置信号Vf1及びVf2を
発生しないため、信号発生装置201が発生する第2の
信号Vs2がしきい値レベルに達して信号コイルLs から
波形整形回路203及び始動時点火位置信号発生回路2
13を通して始動時点火位置信号Vf3が出力されたとき
に、該点火位置信号Vf3が点火回路1の放電制御用サイ
リスタTh1のゲートに点火信号Vf として与えられる。
従って機関の始動時の点火位置は最小進角位置θo とな
り、この最小進角位置θo を始動時に適した位置に設定
しておくことにより、ケッチンを生じさせることなく、
機関を始動させることができる。
【0058】機関が始動し、電源回路4の出力が確立す
ると、フリップフロップ回路204及び各積分回路が正
常に動作を開始するため、図2(C),(D)に示した
ように、第1及び第2のアイドリング制御用積分電圧V
i1及びVi2が発生し、同図(F)に示したように、第1
及び第2の進角制御用積分電圧Va1及びVa2が発生す
る。機関の回転数が進角開始回転数N1 よりも低い間
は、図2(F)に示すように第1の進角制御用積分電圧
Va1が第2の進角制御用積分電圧Va2を超えることがで
きない(Va1とVa2とがクロスできない)ため、図2
(G)に示したように、進角時点火位置演算回路211
は点火位置信号Vf1を出力することができない。
【0059】また第1のアイドリング制御用積分電圧V
i1は、最小進角位置θo よりも進んだ位置θi で第2の
アイドリング制御用積分電圧Vi2以上になるため、該θ
i の位置で第2のアイドリング制御用比較器CP3 が高
レベルの制御信号e2 を出力する。
【0060】回転数Nがアイドリング回転数Ni よりも
低いときには、図2(C)に示したように、第2のアイ
ドリング制御用比較器CP3 が高レベルの制御信号e2
を出力した時に第1のアイドリング制御用積分電圧Vi1
が参照電圧Vr よりも大きい状態にあり、比較器CP2
が出力する制御信号e1 は零レベルになっている。従っ
て、回転数がアイドリング回転数Ni よりも低い領域で
は、比較器CP3 が高レベルの制御信号e2 を発生して
も、アイドリング時点火位置演算回路212からアイド
リング時点火位置信号Vf2が出力されることはなく、点
火動作は最小進角位置θo で行われる。
【0061】回転数Nがアイドリング回転数Ni 以上に
なると、図2(C)に2点鎖線で示したように、第1の
アイドリング制御用積分電圧Vi1が常に参照電圧Vr よ
りも低い状態になるため、比較器CP2 が出力する制御
信号は常に高レベルの状態になる。従って回転数Nがア
イドリング回転数Ni 以上になると、θi の位置で比較
器CP3 が高レベルの制御信号e2 を発生すると同時
に、図2(E)に示すようなアイドリング時点火位置信
号Vf2が発生し、この点火位置信号Vf2が点火信号Vf
[図2(H)]としてサイリスタTh1のゲートに与えら
れる。そのため、アイドリング回転数Ni 以上、進角開
始回転数N1 未満の領域では、アイドリング時点火位置
信号Vf2の発生位置θi で点火動作が行われる。
【0062】一般に零ボルトから一定の時定数で上昇す
る2つの積分電圧Vi1及びVi2を比較した場合、両積分
電圧が等しくなる位置は機関の回転数の如何に係わりな
く一定になるため、アイドリング時の点火位置θi は常
に一定になる。このアイドリング時の点火位置θi は、
第1及び第2のアイドリング制御用積分回路207及び
208の定数を変えることにより適宜に調整することが
できる。
【0063】機関の回転数が進角開始回転数N1 に達す
ると、図3(F)に示したように、アイドリング時の点
火位置θi で第1の進角制御用積分電圧Va1が第2の進
角制御用積分電圧Va2を超えて比較器CP1 が進角時点
火位置信号Vf1を発生するようになり、進角時点火位置
信号Vf1がサイリスタTh1のゲートに点火信号Vf とし
て供給されるようになる。第1の進角制御用積分電圧V
a1が第2の進角制御用積分電圧Va2を超える位置(進角
時点火位置信号Vf1が発生する位置)は、回転数の上昇
に伴って進角していくため、進角開始回転数N1 以上の
領域では、点火位置が回転数の上昇に伴って進角してい
く。
【0064】進角終了回転数N2 に達して点火位置が最
大進角位置θ1 まで進角すると、進角動作が止まり、進
角終了回転数N2 を超える領域では点火位置が最大進角
位置θ1 に固定される。
【0065】従って、上記実施例によれば、図4に示す
ように、始動回転数No 以上アイドリング回転数Ni 未
満の領域では最小進角位置θo で点火が行われ、アイド
リング回転数Ni 以上進角開始回転数N1 未満の領域で
はアイドリング時の点火位置θi で点火が行われ、進角
開始回転数N1 以上進角終了回転数N2 以下の領域で点
火位置がθi からθ1 まで進角する特性が得られる。従
って、最小進角位置θo を適当に設定しておくことによ
り、始動時の点火位置をケッチンが生じない位置とする
ことができる。また第1及び第2のアイドリング制御用
積分回路207及び208の定数を調整することによ
り、信号発生装置201のロータの構成を変更すること
なく、アイドリング時の点火位置θi を適宜に調整する
ことができる。
【0066】上記の実施例では、トランジスタTR3 、
抵抗R8 ,R9 、コンデンサC6 及びダイオードD7 ,
D8 と、トランジスタTR3'、抵抗R8',R9'、コンデ
ンサC6'及びダイオードD7',D8'とにより、第2の信
号Vs2がしきい値レベルに達したときに第1及び第2の
進角制御用積分コンデンサCa1及びCa2と、第1及び第
2のアイドリング制御用積分コンデンサCi1及びCi2と
を瞬時に放電させるリセット回路209を構成したが、
一方のトランジスタTR3 により全ての積分コンデンサ
Ca1,Ca2,Ci1,Ci2のリセットを行わせるようにし
てもよい。
【0067】上記の実施例では、点火回路1としてコン
デンサ放電式の回路を用いたが、電流遮断形の点火回路
が用いられる場合にも本発明を適用できる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、回転数
の上昇に伴って発生位置が進角する特性を有する進角時
点火位置信号を発生する進角時点火位置演算回路及び最
小進角位置で始動時点火位置信号を発生する始動時点火
位置信号発生回路の外に、機関の回転数がアイドリング
回転数に達した時にアイドリング時点火位置信号を発生
するアイドリング時点火位置演算回路を設けて、進角時
点火位置信号、アイドリング時点火位置信号または始動
時点火位置信号のいずれかが発生したときに点火回路に
点火信号を与えるようにしたので、始動回転数以上アイ
ドリング回転数未満の領域では最小進角位置で点火が行
われ、アイドリング回転数以上進角開始回転数未満の領
域ではアイドリング時の点火位置で点火が行われ、進角
開始回転数以上進角終了回転数以下の領域で点火位置が
アイドリング時の点火位置から最大進角位置まで進角す
る特性を得ることができる。従って、最小進角位置を適
当に設定しておくことにより、始動時の点火位置をケッ
チンが生じない位置に設定することができ、安全性を高
めることができる。
【0069】また本発明によれば、第1及び第2のアイ
ドリング制御用積分回路の定数を調整することにより、
信号発生装置のロータの構成を変更することなく、アイ
ドリング時の点火位置を適宜に調整することができるた
め、特性の変更に要するコストを安くすることができ、
機関の要求に合致した特性を有する点火装置を安価に提
供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示した回路図である。
【図2】進角開始回転数よりも低い回転領域での図1の
各部の電圧波形を示した波形図である。
【図3】進角開始回転数よりも高い回転領域での図1の
各部の電圧波形を示した波形図である。
【図4】本発明の実施例により得られる点火特性の一例
を示した線図である。
【図5】従来の内燃機関用点火装置により得られる点火
特性を示した線図である。
【符号の説明】
1 点火回路 2 点火位置制御回路 201 信号発生装置 202 波形整形回路 203 波形整形回路 204 基準電圧発生回路 205 第1の進角制御用積分回路 206 第2の進角制御用積分回路 207 第1のアイドリング制御用積分回路 208 第2のアイドリング制御用積分回路 209 リセット回路 211 進角時点火位置演算回路 212 アイドリング時点火位置演算回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、内燃機関の点火位置で前記
    点火回路に点火信号を与える点火位置制御回路とを備え
    た内燃機関用点火装置において、 前記点火位置制御回路は、 内燃機関の最大進角位置及び最小進角位置でそれぞれし
    きい値レベルに達する第1の信号及び第2の信号を発生
    する信号発生装置と、 前記第1の信号がしきい値レベルに達する位置から第2
    の信号がしきい値レベルに達する位置までの区間矩形波
    状の基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、 第1の進角制御用積分コンデンサを前記基準電圧により
    最大進角位置で一定の電圧まで瞬時に充電した後所定の
    時定数で追加充電する積分動作を行う第1の進角制御用
    積分回路と、 第2の進角制御用積分コンデンサを所定の時定数で充電
    する積分動作を行う第2の進角制御用積分回路と、 前記基準電圧により第1のアイドリング制御用積分コン
    デンサを所定の時定数で充電する積分動作を行う第1の
    アイドリング制御用積分回路と、 第2のアイドリング制御用積分コンデンサを所定の時定
    数で充電する積分動作を行う第2のアイドリング制御用
    積分回路と、 前記第2の信号がしきい値レベルに達したときに前記第
    1及び第2の進角制御用積分コンデンサと第1及び第2
    のアイドリング制御用積分コンデンサとを瞬時に放電さ
    せるリセット回路と、 前記基準電圧を分圧して一定の参照電圧を発生する参照
    電圧発生回路と、 前記第1の進角制御用積分コンデンサの両端に得られる
    第1の進角制御用積分電圧と第2の進角制御用積分コン
    デンサの両端に得られる第2の進角制御用積分電圧とを
    比較して第1の進角制御用積分電圧が第2の進角制御用
    積分電圧を超えたときに進角時点火位置信号を出力する
    進角時点火位置演算回路と、 前記第1のアイドリング制御用積分コンデンサの両端に
    得られる第1のアイドリング制御用積分電圧と前記参照
    電圧とを比較して第1のアイドリング制御用積分電圧が
    参照電圧よりも低いとき及び高いときにそれぞれ第1の
    状態及び第2の状態をとる第1の制御信号を発生する第
    1のアイドリング制御用比較器と、前記第1のアイドリ
    ング制御用積分電圧と前記第2のアイドリング制御用積
    分コンデンサの両端に得られる第2のアイドリング制御
    用積分電圧とを比較して第1のアイドリング制御用積分
    電圧が第2のアイドリング制御用積分電圧よりも高いと
    き及び低いときにそれぞれ第1の状態及び第2の状態を
    とる第2の制御信号を発生する第2のアイドリング制御
    用比較器とを備えて、前記第1の制御信号及び第2の制
    御信号の双方が第1の状態にあるときにアイドリング時
    点火位置信号を出力するアイドリング時点火位置演算回
    路と、 前記第2の信号を入力として該第2の信号がしきい値レ
    ベルに達したときに始動時点火位置信号を出力する始動
    時点火位置信号発生回路と、 前記進角時点火位置信号、アイドリング時点火位置信号
    または始動時点火位置信号のいずれかが発生したときに
    前記点火回路に点火信号を与える点火信号供給回路とを
    具備し、 内燃機関の回転数がアイドリング回転数に達した時に前
    記第1のアイドリング制御用積分電圧の最大値が前記参
    照電圧よりも低くなるように前記参照電圧の大きさが設
    定され、 前記第1のアイドリング制御用積分電圧と第2のアイド
    リング制御用積分電圧とが等しくなる回転角度位置が最
    小進角位置よりも進角したアイドリング時用の点火位置
    に等しくなるように第1及び第2のアイドリング制御用
    積分回路の定数が設定され、 内燃機関の回転数が前記アイドリング回転数よりも高く
    設定された進角開始回転数に達した時に前記アイドリン
    グ時用の点火位置で前記第1の進角制御用積分電圧が第
    2の進角制御用積分電圧を超えるように第1及び第2の
    進角制御用積分回路の定数が設定されていることを特徴
    とする内燃機関用点火装置。
JP06221521A 1994-09-16 1994-09-16 内燃機関用点火装置 Expired - Fee Related JP3075095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06221521A JP3075095B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 内燃機関用点火装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06221521A JP3075095B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 内燃機関用点火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0886264A JPH0886264A (ja) 1996-04-02
JP3075095B2 true JP3075095B2 (ja) 2000-08-07

Family

ID=16768021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06221521A Expired - Fee Related JP3075095B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 内燃機関用点火装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3075095B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328959A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Kokusan Denki Co Ltd エンジン用点火装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0886264A (ja) 1996-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3075095B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS59705B2 (ja) 内燃機関点火装置
JP3149755B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3125587B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP2005061380A (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JPS6124697Y2 (ja)
JPH09144636A (ja) 内燃機関用点火装置
JP3379328B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3119120B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP4063060B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3125563B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3475525B2 (ja) 磁石発電機出力模擬装置及び点火装置の試験装置
JP2569844B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JPS6132151Y2 (ja)
JP2855950B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP2004176625A (ja) 内燃機関用点火装置
JP3412458B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2535693Y2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3531534B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2894063B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3149709B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3070261B2 (ja) 内燃機関用回転検出信号発生回路
JPH0313581Y2 (ja)
JP3123294B2 (ja) 内燃機関用無接点点火装置
JPS6226619Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000509

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees