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JP3983422B2 - ガス濃度検出装置 - Google Patents

ガス濃度検出装置 Download PDF

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JP3983422B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用エンジンから排出される排ガス中の特性成分の濃度を検出するガス濃度センサを用いたガス濃度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両用エンジンからの排ガスを原因とする大気汚染は現代社会に深刻な問題を引き起こしており、排ガス中の公害物質に対する浄化基準法規が年々厳しくなってきている。そのため、ガソリン若しくはディーゼルエンジンに対する燃焼制御や触媒コンバータを利用し、排ガス中の公害物質を低減するための検討が進められている。米国においては、OBD−II(On Board Diagnostic −II)規制にて排ガス浄化用の触媒が適切であるかどうか判定する機能を要求している。
【0003】
これに対し、触媒の上流側及び下流側に2つのO2 センサを設けてこの2つのO2 センサの検出結果を取り込む、いわゆる2O2 センサモニタシステムが導入されているが、この方法は公害物質の直接的な検出方法ではない。そのため、排ガス中の成分から公害物質が事実低減されたか否かといった、その正確な検出・判定が困難であった。
【0004】
仮に排ガス中のNOx濃度を直接検出することで燃焼制御モニタ、触媒モニタ等が可能となれば、排ガス中の公害物質の低減がより正確で効果的なものとなる。すなわち、排ガス中のNOx濃度の知見により燃料噴射やEGR率などがフィードバック制御できれば、エンジンから排出される公害成分を低減することができる。また、NOx濃度を検出するためのNOxセンサを排ガス浄化用の触媒コンバータよりも下流側に設けることにより、当該コンバータに担持された触媒の劣化を容易に判定することも可能となる。
【0005】
このような背景から、排ガス中のNOx濃度を精度良く検出することのできるNOxセンサを提供すると共に、同NOxセンサを車両用エンジンに搭載する技術が望まれている。
【0006】
この種の従来技術として、酸素濃度を予め低減し、NOx濃度を検知するタイプのNOxセンサがある(特開平8−271476号公報や特開平9−318596号公報)。これは拡散抵抗を介し排ガス雰囲気と隔離したチャンバ内のO2 をポンプセルにより排気し、残ったNOxをセンサセルで分解・排気し、その分解電流値をNOx濃度出力とするものである。このNOxセンサを動作させるためには、該ポンプセル及びセンサセルを所定温度以上に加熱し、酸素イオン伝導性固体電解質の活性を高める必要がある。このため、NOxセンサには素子加熱用のヒータがポンプセル及びセンサセルの近傍に設置される。
【0007】
また上述したように、NOxセンサはエンジンの排ガス成分を検出するため、温度変動や流速の変動が非常に大きい排ガスに晒される。従ってNOxセンサの精度を高めるためには、NOxセンサの温度を精度良く一定に保つことが要求される。
【0008】
センサ温度制御方法の一の方法として、ヒータ抵抗を検出し、ヒータ抵抗値に応じて温度制御する方法がある。この方法では、ヒータの抵抗値を測定することによりヒータ温度を測定し、該測定温度をセル温度とほぼ等しいと見なしてヒータの温度を一定に保つように温度制御している。また同二の方法として、セルの内部インピーダンスを検出し、このインピーダンス値に応じて温度制御する方法がある。この方法では、ポンプセルのインピーダンスを検出し、ヒータの制御を実施している。例えばSAE−No.970858では、センサの第1,第2のポンプセルのうち、第2ポンプセルのインピーダンスを検出し、その検出値からヒータ制御を実施している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記一の方法では排ガスの温度が大きく変動する時や排ガスの流速が大きい時にセル温度とヒータ温度とが一致しなくなり、高精度にセンサセル温度を制御することができない。また上記二の方法では、やはり排ガスの温度が大きく変動する時や排ガスの流速が大きい時にポンプセル温度とセンサセル温度とが一致しなくなり、高精度にセンサセル温度を制御することができない。
【0010】
そのためにセンサセルの温度が変動してしまい、NOx濃度の検出精度が悪化する。そこで、ガス濃度検出精度が排ガスの温度変動や流速の変化によって悪化することなく検出可能な装置が必要となる。
【0011】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、被検出ガスの温度変動や流速の変化があっても常にガス濃度検出精度を確保することができるガス濃度検出装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
求項に記載の発明では、電圧印加に伴い被検出ガス中の余剰酸素を排出しつつその酸素濃度に応じた電流を流す第1セルと、同じく電圧印加に伴い余剰酸素排出後のガス成分から特定成分の濃度に応じた電流を流す第2セルとを含む複数のセルと、前記複数のセルを加熱するヒータとを備えるガス濃度センサを用いるガス濃度検出装置において、前記複数のセルの内部抵抗を各々検出する検出手段と、前記複数のセルの温度条件を判定する判定手段と、前記判定結果に応じて、前記複数のセルの内部抵抗に基づくヒータ通電制御を選択的に実施する通電制御手段とを備える。
【0016】
かかる場合、複数のセルの内部抵抗に基づくヒータ通電制御を選択的に実施することで、センサ構造等に起因して各セルの温度が異なる場合にも、ガス濃度検出精度の低下が抑制される。
【0017】
そして、前記通電制御手段は、冷間始動当初には前記複数のセルのうち、最も高温のセルについてその内部抵抗に基づくヒータ通電制御を行い、その後、前記第2のセルの内部抵抗に基づくヒータ通電制御に移行する。これにより、例えば被検出ガス(排ガス)の温度が安定している時には、第2セルの内部抵抗に基づいてヒータ通電制御が行われ、被検出ガスが一時的に温度上昇する時には、温度変化の影響により最も温度上昇するセルの内部抵抗に基づいてヒータ通電制御が行われる。以上の構成により、各セル間の温度分布が変動しても、ガス濃度検出精度を確保することができる。
【0018】
請求項に記載の発明では、前記第1セルの内部抵抗を検出する第1の検出手段と、前記第2セルの内部抵抗を検出する第2の検出手段と、前記検出した第1及び第2セルの内部抵抗の和又は平均を求め、該求めた内部抵抗の和又は平均が目標値になるように前記ヒータの通電を制御する通電制御手段とを備える。
【0019】
この場合、各セル間で温度差が生じて温度分布が相違しても、温度差の拡大が解消される。その結果、各セルの過昇温や不活性温度までの温度降下を抑制し、安定したガス濃度検出が可能となる。
【0020】
請求項に記載の発明では、前記検出した第1セルの内部抵抗に基づいて当該第1セルの印加電圧を制御する印加電圧制御手段を更に備える。この場合、第1セルの内部抵抗に応じて当該第1セルの印加電圧を制御することにより、印加電圧が適正に管理でき、酸素濃度の検出精度も確保できる。
【0021】
請求項に記載の発明では、前記各セルの内部抵抗検出のためにセル印加電圧又は電流を一時的に変化させる装置において、被検出ガス中の酸素濃度又はそれ以外のガス濃度に応じた電流信号を出力するための信号出力線の途中にサンプルホールド回路を設け、各セルの内部抵抗検出時には直前の信号出力を前記サンプルホールド回路によりホールドさせる。
【0022】
つまり、第1又は第2セルを含む各セルの内部抵抗検出のためにセル印加電圧を一時的に変化させる装置では、その電圧変化の際に互いのセル間で電流が干渉したり、ガス濃度の信号出力が不用意に変動したりする。これに対し本発明では、各セルの内部抵抗検出時には直前の信号出力をサンプルホールド回路によりホールドさせるため、上記不具合が解消される。
【0023】
請求項に記載の発明では、前記各セルに印加する電圧を変更する際、その変更速度を制限するための速度制限手段を備える。この場合、印加電圧の発振が抑制される。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態におけるガス濃度検出装置は、自動車用ガソリンエンジンに適用されるものであって、同エンジンの空燃比制御システムにおいてはガス濃度検出装置による検出結果に基づいてエンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比(A/F)でフィードバック制御する。特に本実施の形態では、排ガス中の酸素濃度とNOx濃度とを同時に検出可能な、いわゆる複合型ガスセンサを用い、同センサからガス濃度情報を取得することとしている。
【0025】
つまり本実施の形態の装置では、検出した酸素濃度により空燃比がフィードバック制御される一方、検出したNOx濃度によりエンジン排気管に取り付けられたNOx触媒(例えばNOx吸蔵還元型触媒)の制御が実施される。NOx触媒の制御について略述すれば、NOx触媒にて浄化されずに排出されるNOx量をガス濃度センサの検出結果から判定し、NOx未浄化量が増大した時に、NOx浄化能力を回復させるための再生処理を実行する。再生処理としては、NOx触媒に対して一時的にリッチガスを供給し、同触媒に吸着したイオンを除去するようにすればよい。
【0026】
本実施の形態におけるガス濃度検出装置の概要を図1のブロック図を用いて説明する。ガス濃度センサ100は、酸素濃度を検出するためのポンプセル110と、NOx濃度を検出するためのセンサセル120と、バッテリ電源+Bからの給電により発熱するヒータ103とを備える。NOx濃度検出手段M1は、ガス濃度センサ100のセンサセル電極に接続され、センサセル120に電圧を印加すると共にNOx濃度に応じた電流信号を検出する共に外部に出力する機能を有する。インピーダンス検出手段M2は、センサセル120のインピーダンスに応じた電流を検出し、該検出したインピーダンスが所定の目標値になるようヒータ103の駆動信号を出力する機能を有する。
【0027】
また、酸素濃度検出手段M3は、ガス濃度センサ100のポンプセル電極に接続され、ポンプセル110に電圧を印加すると共に酸素濃度に応じた電流信号を検出する共に外部に出力する機能を有する。ヒータ駆動手段M4は、インピーダンス検出手段M2より出力された信号に応じてヒータ103を駆動する機能を有する。
【0028】
以下に、ガス濃度検出装置の構成を詳細に説明する。先ずは図3を用いてガス濃度センサ100の構成を説明する。ガス濃度センサ100は2セル構造を有し、NOx濃度の検出と同時に酸素濃度の検出が可能な、いわゆる複合型ガスセンサとして構成される。ガス濃度センサ100は、ポンプセル110、多孔質拡散層101、センサセル120、大気ダクト102及びヒータ103を要件とし、これら各部材が積層されて成る。なお、同センサ100は図の右端部にてエンジン排気管に取り付けられ、その上下面及び左面が排ガスに晒されるようになっている。
【0029】
より詳細には、ポンプセル110は多孔質拡散層101と排ガス空間との間に設置される。ポンプセル110の排ガス側(図の上側)にはポンプ第1電極111が設置され、多孔質拡散層101側(図の下側)にはポンプ第2電極112が設置される。また、センサセル120は多孔質拡散層101と大気ダクト102との間に設置される。センサセル120の多孔質拡散層101側(図の上側)にはセンサ第1電極121が設置され、大気ダクト102側(図の下側)にはセンサ第2電極122が設置される。そして、多孔質拡散層101には図の左側から排ガスが導入されて図の右方へと流通する。
【0030】
ポンプセル110及びセンサセル120は積層して形成された固体電解質を有し、これら固体電解質はZrO2 、HfO2 、ThO2 、Bi2 O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼成体からなる。また、多孔質拡散層101は、アルミナ、マグネシャ、ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質からなる。
【0031】
ポンプセル110の排ガス側のポンプ第1電極111と、センサセル120のセンサ第1,第2電極121,122とは、白金Pt等の触媒活性の高い貴金属からなる。一方、ポンプセル110の多孔質拡散層101側のポンプ第2電極112は、NOxガスに不活性な(NOxガスを分解し難い)Au−Pt等の貴金属からなる。
【0032】
ヒータ103は絶縁層104に埋設され、この絶縁層104とセンサセル120との間に大気ダクト102が構成される。基準ガス室を構成する大気ダクト102には外部から大気が導入され、その大気は酸素濃度の基準となる基準ガスとして用いられる。絶縁層104はアルミナ等にて形成され、ヒータ103は白金とアルミナ等のサーメットにて形成される。ヒータ103はポンプセル110やセンサセル120を含めセンサ全体(電極含む)を活性状態にすべく、外部からの給電により熱エネルギを発生させる。なお、ヒータ103の発熱によりポンプセル110及びセンサセル120が全体的に加熱されてセンサの温度分布が極力均一になるよう、同ヒータ103の発熱部分が拡げられて構成される。
【0033】
上記構成のガス濃度センサ100についてその動作を図4を用いて説明する。図4(a)に示されるように、多孔質拡散層101には図の左側から排ガス成分が導入され、その排ガスがポンプセル近傍を通過する際、ポンプセル110に電圧を印加することで分解反応が起こる。なお、排ガス中には酸素(O2 )、窒素酸化物(NOx)、二酸化炭素(CO2 )、水(H2 O)等のガス成分が含まれる。
【0034】
既述の通りポンプセル110のポンプ第2電極112はNOx不活性電極(NOxガスを分解し難い電極)で形成されている。従って、図4(b)に示されるように、排ガス中の酸素(O2 )のみがポンプセル110で分解され、ポンプ第1電極111から排ガス中に排出される。このとき、ポンプセル110に流れた電流が排ガス中に含まれる酸素濃度として検出される。
【0035】
また、排ガス中の酸素(O2 )はポンプセル110で完全に分解されず、その一部はそのままセンサセル近傍まで流通する。そして、図4(c)に示されるように、センサセル120に電圧を印加することにより、残留酸素(O2 )とNOxとが分解される。つまり、O2 とNOxとがそれぞれセンサセル120のセンサ第1電極121で分解され、センサセル120を介してセンサ第2電極122から大気ダクト102の大気中に排出される。このとき、センサセル120に流れた電流が排ガス中に含まれるNOx濃度として検出される。
【0036】
次に、酸素濃度を検出するためのポンプセル110の特性と、NOx濃度を検出するためのセンサセル120の特性とについて、図5及び図6を用いて説明する。先ずは、ポンプセル特性を図5を用いて説明する。
【0037】
図5のV−I特性図に示されるように、ポンプセル特性は酸素濃度に対して限界電流特性を有する。なお、横軸のVpはポンプセル印加電圧を示し、縦軸のIpはポンプセル電流を示す。同図において、限界電流検出域はV軸に対して平行な直線部分からなり、その領域は酸素濃度が濃いほど正電圧側にシフトする。
【0038】
ここで、酸素濃度が変化する際に印加電圧が一定値に固定されていると、上記限界電流検出域(V軸に平行な直線部分)を用いた正確な酸素濃度検出を行うことができない。またこれは、ポンプセル110で十分量の酸素を排出することができないことにもなり、センサセル120での残留酸素が増加し、NOx濃度を検出するための電流にも大きな誤差を生じる。そこで、ポンプセルの直流抵抗成分(印加電圧増加に伴い増加する傾き部分)の角度と同等の電圧、すなわち図5の印加電圧線LX1に示すような電圧を印加する制御を行い、排ガス中の酸素濃度に関係なく常に所望のセンサ電流(限界電流)を検出可能とする。因みに、ポンプセル110のポンプ第2電極112(多孔質拡散層101側の電極)がNOx不活性電極であるために同ポンプセル110ではNOxガスが分解されにくくなっているが、図5に示した通り一定の電圧以上になると、NOxが分解され、酸素濃度に応じたポンプセル電流に加えてNOx濃度に応じたポンプセル電流が流れる(図5の破線部分)。従って、印加電圧線LX1はNOxガスを分解しない程度に設計される。
【0039】
次に、センサセル特性を図6を用いて説明する。図6のV−I特性図に示されるように、センサセル特性はNOx濃度に対して限界電流特性を有する。なお、横軸のVsはセンサセル印加電圧を示し、縦軸のIsはセンサセル電流を示す。同図において、A1部分では多孔質拡散層101を通じてセンサセル120に流れ込む残留酸素によりオフセット分の電流(オフセット電流)が流れ、A2部分ではNOxの分解電流が流れる。また、A3部分ではH2 Oの分解電流が流れる。このとき、排ガス中のNOx濃度に対応する限界電流は「A1+A2」の電流値で検出される。NOx分解電流を規定する限界電流検出域はV軸に対して平行な直線部分からなり、その領域はNOx濃度が濃いほど僅かながら正電圧側にシフトする。NOx濃度を検出する際、図6の印加電圧線LX2に沿って印加電圧を制御することで、排ガス中のNOx濃度に関係なく常に所望のセンサ電流(限界電流)が検出可能となる。
【0040】
ここで、ガス濃度センサ100の温度特性について説明する。図7(a)はポンプセルの温度(℃)と交流インピーダンスZac(Ω)との関係を示し、図7(b)はセンサセルの温度(℃)と交流インピーダンスZac(Ω)との関係を示す。同図を見て明らかなように、何れのセルにおいてもセル温度と交流インピーダンスとは相関がある。
【0041】
また、図8にはセンサセルの温度依存性を表す。このセンサ特性より明らかなように、NOx濃度を検出するためのセンサセルは温度依存性があり、NOx信号の感度を示す限界電流検出域(フラット領域)が非常に狭い。そのため、センサセルの温度変動に対し、NOx濃度を検出するセンサ出力が大きく変化し不安定になる。従って、NOx濃度の検出精度を確保するには、センサセルのインピーダンスを精度良く検出し、同インピーダンス値が一定になるようヒータ制御を行うことが不可欠になる。
【0042】
前記図1を具体化したガス濃度検出装置の構成を図2に示す。図2の装置においては、ガス濃度センサ100の多孔質拡散層101にリーンガスが導入されて同拡散層101側からポンプセル110を介して余剰酸素が排出される時を基準に(その時のポンプセル電流Ipの向きを基準に)、ポンプセル110の正側端子及び負側端子が規定される。つまり、ポンプ第1電極111に接続される端子が正側端子、ポンプ第2電極112に接続される端子が負側端子として規定される。センサセル120側についても同様に、多孔質拡散層101にリーンガスが導入される時を基準に(その時のセンサセル電流Isの向きを基準に)、センサ第2電極122に接続される端子が正側端子、センサ第1電極121に接続される端子が負側端子として規定される。
【0043】
ポンプセル110及びセンサセル120の共通の負側端子には基準電圧回路201及び増幅回路202が接続される。つまり、基準電圧回路201により電圧Vaが生成され、その電圧Vaが増幅回路202の非反転入力端子に入力される。増幅回路202の出力端子は同増幅回路202の反転入力端子に接続されており、ボルテージフォロワ構成として基準電圧回路201の電圧Vaがポンプ第2電極112(ポンプセル110の負側端子)とセンサ第1電極121(センサセル120の負側端子)とに印加される。これにより、各セル110,120の負側端子は、GND電圧(0V電圧)よりも浮いた基準電圧Vaとなる。
【0044】
制御回路200は、CPU及びA/D,D/Aコンバータを備えるマイクロコンピュータで構成され、各A/Dコンバータ(A/D0〜A/D3)には図の各端子Vc,Ve,Vd,Vbの電圧が各々入力される。また、D/Aコンバータ(D/A1,D/A0)からはポンプ指令電圧Vb,センサ指令電圧Vcが各々出力され、D/Aコンバータ(D/A2,D/A3)からはNOx濃度信号,酸素濃度信号が各々出力される。
【0045】
制御回路200のD/A1から出力される指令電圧Vbは、増幅回路211の非反転入力端子に入力される。増幅回路211の出力端子は、酸素濃度に応じて流れるポンプセル電流Ipを検出するための電流検出抵抗212の一端に接続され、電流検出抵抗212の他端はガス濃度センサ100のポンプ第1電極111(ポンプセルの正側端子)に接続されると共に増幅回路211の反転入力端子に接続される。電流検出抵抗212の両端子は制御回路200のA/D2,A/D3に各々接続される。これにより、ポンプ第1電極111の電圧は常に指令電圧Vbと同じ電圧になるよう制御される。
【0046】
従って、制御回路200のD/A1からの指令電圧Vbがポンプセル110に印加されると、電流検出抵抗212の両端子電圧Vd,Vbの差及び電流検出抵抗212の抵抗値R1によりポンプセル電流Ip(酸素濃度)は、
Ip=(Vd−Vb)/R1
として算出される。なお、制御回路200と増幅回路211と電流検出抵抗212とから前記図1の酸素濃度検出手段M3が構成される。
【0047】
一方、制御回路200のD/A0から出力される指令電圧Vcは、LPF(ローパスフィルタ)230を介して増幅回路221の非反転入力端子に入力される。LPF230は例えば抵抗及びコンデンサからなる一次フィルタでよい。増幅回路221の出力端子は、NOx濃度に応じて流れるセンサセル電流Isを検出するための電流検出抵抗222の一端に接続され、電流検出抵抗222の他端はガス濃度センサ100のセンサ第2電極122(センサセルの正側端子)に接続されると共に増幅回路221の反転入力端子に接続される。電流検出抵抗222の両端子は制御回路200のA/D0,A/D1に各々接続される。これにより、センサ第2電極122の電圧は常に指令電圧Vcと同じ電圧になるよう制御される。
【0048】
従って、制御回路200のD/A0からの指令電圧Vcがセンサセル120に印加されると、電流検出抵抗222の両端子電圧Ve,Vcの差及び電流検出抵抗222の抵抗値R2によりセンサセル電流Is(NOx濃度)は、
Is=(Ve−Vc)/R2
として算出される。なお、制御回路200と増幅回路221と電流検出抵抗222とから前記図1のNOx濃度検出手段M1が構成される。
【0049】
また、制御回路200は、掃引法を用いてセンサセル120の交流インピーダンスを検出する。つまり、センサセル120のインピーダンス検出時において、制御回路200は、D/A0にてセンサセル印加電圧を瞬間的に変化させる。この印加電圧はLPF230により正弦波的になまされつつセンサセル120に印加される。交流電圧の周波数は10KHz以上が望ましく、LPF230の時定数は5μs程度で設定される。そして、電流検出抵抗222の両端子電圧Ve,Vcの変化がA/D1,A/D0で読み取られ、その時の電圧変化量と電流変化量とからセンサセル120の交流インピーダンスが算出される。
【0050】
また、制御回路200内のCPUは、制御指令値DutyをI/Oポートから出力してMOSFETドライバ300を駆動する。このとき、MOSFET310により電源320(例えばバッテリ電源)からヒータ103へ供給される電力がPWM制御される。
【0051】
制御回路200により実施される演算処理を図9〜図12のフローチャートに従い説明する。図9のルーチンは、所定の時間間隔(例えば4ms周期)で制御回路200内のCPUにより実行されるメインルーチンを示す。
【0052】
図9において、ステップ200では、後述の図10の手順に従いガス濃度センサ100の印加電圧制御やガス濃度出力処理を行う。また、ステップ300では、ガス濃度センサ100のインピーダンス検出を行うべきタイミングであるか否かを判別し、例えば前回のインピーダンス検出時から所定時間が経過していればステップ300を肯定判別してステップ350に進む。インピーダンス検出の周期は、エンジン始動時には128ms、定常運転時には256msというように可変に設定される。
【0053】
ステップ350では、後述する図11の手順に従いインピーダンス検出を実施する。また、続くステップ400では、ガス濃度センサ100のヒータ制御を行うべきタイミングであるか否かを判別し、例えば前回のヒータ制御時から所定時間(例えば128ms)が経過していればステップ400を肯定判別してステップ450に進む。ステップ450では、後述する図12の手順に従いヒータ制御を実施する。
【0054】
ステップ200の印加電圧制御について、図10のフローチャートに従い説明する。図10において、先ずステップ201,202では、電流検出抵抗212の両端子電圧Vd,VbをそれぞれA/D2,A/D3により読み取る。次に、ステップ203,204では、電流検出抵抗222の両端子電圧Ve,VcをそれぞれA/D1,A/D0により読み取る。
【0055】
ステップ205ではポンプセル電流Ipを算出し、続くステップ206では、図5に示した印加電圧線LX1を用い、前記算出したポンプセル電流Ipに対応する目標印加電圧を求める(マップ演算する)。さらにステップ207では、前記求めた目標印加電圧を指令電圧VbとしてD/A1から出力する。次に、ステップ208ではセンサセル電流Isを算出し、続くステップ209では、図6に示した印加電圧線LX2を用い、前記算出したセンサセル電流Isに対応する目標印加電圧を求める(マップ演算する)。さらにステップ210では、前記求めた目標印加電圧を指令電圧VcとしてD/A0から出力する。
【0056】
その後、ステップ211では、前記算出したセンサセル電流IsをNOx濃度に応じた電流としてD/A2からエンジン制御用マイコン等、外部装置に出力する。最後にステップ212では、前記算出したポンプセル電流Ipを酸素濃度に応じた電流としてD/A3からエンジン制御用マイコン等、外部装置に出力する。ステップ211,212でガス濃度信号を出力する際、シリアル通信を介して出力してもよい。
【0057】
次に、図11に示すセンサセル120のインピーダンス検出手順(図9のステップ350)について、図13のタイムチャートを参照しつつ説明する。
図11において、先ずステップ351,352では、電圧変化前の電流検出抵抗222の両端子電圧Ve,VcをA/D1,A/D0により読み取る(この電圧値をVe1,Vc1とする)。その後、ステップ353では、現在のセンサセル印加電圧Vsに対し所定の交流電圧ΔVsを加算した電圧(Vs+ΔVs)をD/A0から出力する。このとき、図13に示されるように、LPF230の時定数に合わせ正弦波的に印加電圧(Vc,Ve端子電圧)が変化する。
【0058】
さらにその後、ステップ354,355では、電圧変化後の電流検出抵抗222の両端子電圧Ve,VcをA/D1,A/D0により読み取る(この電圧値をVe2,Vc2とする)。Ve2,Vc2のA/D読み取りは、電圧変化から25μs程度だけ後に行えばよい。
【0059】
ステップ356では、センサセル120のインピーダンスZacを下式を用いて算出する。
Zac=(Vc2−Vc1)/{(Ve2−Vc2)−(Ve1−Vc1)}
最後に、ステップ357では、印加電圧を元の電圧値Vsに戻すためのΔVs2をD/A0から出力し、センサセル120に印加する。
【0060】
次に、ヒータ制御手順について図12のフローチャートに従い説明する。図12において、ステップ451では、センサセル120のインピーダンスF/B制御を実行する条件が成立するか否かを判別する。ここで、例えばセンサセル120のインピーダンスZacを用い、同Zac値が所定の活性判定値(例えばセル温度=650℃に相当する値)に達したか否かに応じてF/B制御の実行条件を判別する。ステップ451がNOの場合、ステップ452に進み、100%通電によりヒータ通電を制御する。但し、各セル(センサ素子)の熱衝撃を緩和することが必要な場合には、電力一定(例えば40W一定)制御等を行う。
【0061】
電力一定制御をPI制御で行う場合について、その具体例を以下に示す。つまり、比例項GP及び積分項GIを、
GP=KP・(W−WT)
GI=GI+KI・(W−WT)
から求める。但し、KPは比例定数、KIは積分定数、Wはヒータ電力の検出値、WTはヒータ電力の目標値である。そして、「GP+GI」を制御指令値Dutyとし、そのDuty値によりヒータ通電を制御する。
【0062】
また、ステップ451がYESの場合、その状態で所定時間(例えば20秒)が経過したか否かを判別する(ステップ453)。ステップ453がNOの場合、ステップ454でPID制御手法を用いてインピーダンスF/B制御を実行し、ステップ453がYESの場合、ステップ455でPI制御手法を用いてインピーダンスF/B制御を実行する。要するに、ガス濃度センサ100の昇温途中においては、センサ昇温が終了する際の温度収束性を良くするべく、一定時間だけPID制御を行い、その後、PI制御に移行する。但し、温度収束性に問題がなければステップ453,454の処理自体を省略してもよい。
【0063】
ここで、インピーダンスF/B制御をPID制御で行う場合(ステップ454)について、その具体例を以下に示す。つまり、比例項GP、積分項GI及び微分項GDを、
GP=KP・(Zac−ZacT)
GI=GI+KI・(Zac−ZacT)
GD=KD・(Zac−ZacB)
から求める。但し、Zacはセンサセル120のインピーダンス検出値、ZacTはセンサセル120のインピーダンス目標値、ZacBはインピーダンス検出値の前回値である。また一例として、比例定数KP=1.8%、積分定数KI=0.18%、微分定数KD=1.3%とする。そして、「GP+GI+GD」を制御指令値Dutyとし、そのDuty値によりヒータ通電を制御する。
【0064】
また、インピーダンスF/B制御をPI制御で行う場合(ステップ455)には、比例項GP及び積分項GIを、
GP=KP・(Zac−ZacT)
GI=GI+KI・(Zac−ZacT)
から求める。そして、「GP+GI」を制御指令値Dutyとし、そのDuty値によりヒータ通電を制御する。
【0065】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
センサセル120(第2セル)のインピーダンスに基づいてヒータ通電を制御するようにしたので、当該センサセル120のインピーダンスが一定に制御できる。従って、排ガスの温度や流速の変化によって当該センサセル120の温度が不用意に変動し、NOx濃度の検出精度が低下するといった不具合が解消される。その結果、常にガス濃度の検出精度を確保するという本発明の目的が達せられる。かかる場合、1つのヒータ103にて両方のセル110,120が適正に温度制御される。
【0066】
また、図2に見られるように、ポンプセル110(第1セル)及びセンサセル120(第2セル)の負側端子を0V電圧から浮かすように構成したので、各セルにおいて負電流を流すことが可能となり、リーンガスの場合のみならず、リッチガスに対しても多孔質拡散層101内のガス濃度を一定に保つ(例えば酸素濃度を常にストイキ状態に保つ)ことができる。その結果、リッチガスの検出を可能にしてガス濃度の検出範囲を拡大させると共に、リッチガスからリーンガスへの復帰に際し、ガス濃度出力の応答遅れを改善することができる。
【0067】
図14は前記図2の構成に対しガス濃度出力をアナログ的に出力する構成例であり、前記図1に示すNOx濃度検出手段M1及び酸素濃度検出手段M3がアナログ回路で構成される。図14では前記図2との相違点として、電流検出抵抗212の両端子電圧を、オペアンプ301a及び抵抗301b〜301eからなる増幅回路301で差動増幅しており、増幅回路301により前記図1の酸素濃度検出手段M3の出力部が構成される。また、電流検出抵抗222の両端子電圧を、オペアンプ303a及び抵抗303b〜303eからなる増幅回路303で差動増幅しており、増幅回路303により前記図1のNOx濃度検出手段M1の出力部が構成される。図14の構成によれば、ガス濃度出力信号が連続的に出力できるため非常に高速にガス濃度信号が得られる。
【0068】
次に、本発明における第2〜第5の実施の形態を説明する。但し、以下の各実施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0069】
(第2の実施の形態)
上述したガス濃度センサ100のように複数のセル110,120が設けられる場合、各セル毎にセル温度が相違し、センサ自体の温度分布が機能上無視できない状態になる。つまり、ガス濃度センサ100はヒータの発熱部分を拡げて均一な加熱ができるよう構成されるものの、主にセンサセル付近のセンサ取付部における熱ひけが原因でポンプセル110よりもセンサセル120の方が若干温度が低くなる。例えばエンジンのアイドル時等、排ガスの温度や流速が安定している時でもポンプセル電極付近が約800℃、センサセル電極付近が約760℃となり、約40℃の温度差が生じる。
【0070】
また、冷間始動時にセル温度が上昇する過程においては、ポンプセル側の昇温が速いために温度分布が平衡状態と異なり、ポンプセル110とセンサセル120との温度差が拡大する。このため、センサセル120のインピーダンスを検出し、その検出値を目標値に対してフィードバック制御しても、図15に示されるようにポンプセル温度がオーバーシュートして過昇温してしまい、この過昇温に伴いポンプセル110の劣化を招くおそれがある。因みに図15では、時刻t1以前において100%通電又は電力一定制御が実行され、時刻t1以降においてセンサセル120のインピーダンスを一定に制御するインピーダンスF/B制御が実行される。
【0071】
また、排ガス温度が極めて高い時や、長期間の燃料カット時等排ガス温が低い時にも、排ガス雰囲気に晒されやすい位置にあるポンプセル110が過昇温又は過降温してガス濃度センサ100の温度分布が変化し、同センサ100の機能が低下するという状態が発生する。
【0072】
そこで本実施の形態では上記不具合を解消すべく、センサセル120のインピーダンス検出に加え、ポンプセル110のインピーダンス検出を行う。便宜上以下の記載では、センサセル120のインピーダンスを「Zs」、ポンプセル110のインピーダンスを「Zp」と記載する。そして、Zs値に基づくF/B制御と、Zp値に基づくF/B制御とを選択的に実施してヒータ通電を制御する。
【0073】
本実施の形態におけるガス濃度検出装置の構成を図16に示す。図16の装置について前記図2との相違点を述べれば、ポンプセル110のインピーダンス検出時における印加電圧の交流的な変化をなますためのLPF240が追加して設けられる。制御回路200は、既述したセンサセル120のインピーダンス検出に加え、A/D2,A/D3に取り込まれる電圧値Vd,Vbの変化からポンプセル110のインピーダンス検出を実施する。
【0074】
つまり、制御回路200は、D/A1にてポンプセル印加電圧を瞬間的に変化させる。この印加電圧はLPF240により正弦波的になまされつつ、ポンプセル110に印加される。交流電圧の周波数は10KHz以上が望ましく、LPF240の時定数は5μs程度で設定される。そして、電流検出抵抗212の両端子電圧Vd,Vbの変化がA/D2,A/D3で読み取られ、その時の電圧変化量と電流変化量とからポンプセル110の交流インピーダンスが算出される。
【0075】
ポンプセル110のインピーダンス検出手順は、基本的に前記図11の処理に準ずるためここではその図示及び詳細な説明を省略する。但し略述すれば、電圧変化前及び変化後の電流検出抵抗212の両端子電圧Vd,VbをA/D2,A/D3により読み取り、該読み取った電圧変化前後のVd,Vb値を基に、ポンプセル110のインピーダンスZpを算出する。Zp値の検出処理は、前記図9のメインルーチンにおいて、センサセル120のインピーダンス検出処理であるステップ350の直後に実施されればよい。
【0076】
図17及び図18は本実施の形態におけるヒータ制御サブルーチンを示すフローチャートであり、同ルーチンは前記図12の処理に置き換えて実行される。以下、図17及び図18に示すヒータ制御手順を図19及び図20のタイムチャートを参照しつつ説明する。
【0077】
図17において、先ずステップ501では、センサセルF/BフラグFSSが「1」であるか否かを判別する。センサセルF/BフラグFSSは、センサセル120のインピーダンスF/B制御が実行されているかどうかを表すフラグであって、同F/B制御の実施以前は「0」に(初期状態)、同F/B制御の開始以降は「1」に操作される。
【0078】
例えばエンジン始動時においてFSS=0であればステップ502に進み、冷間始動時か否かを判別する。この判別はポンプセル110のインピーダンスZpに基づいて行われればよく、同インピーダンスZpが所定の判定値(例えばセル温度=200℃に相当する値)以上であれば同ステップが肯定判別される。又は、エンジン運転情報に基づいてステップ502の判別を行うようにしてもよい。
【0079】
ステップ502がYESであればステップ503に進み、ポンプセル110のインピーダンスZpが所定の判定値(例えばセル温度=650℃に相当する値)未満であるか否かを判別する。ステップ503がNOであれば、ステップ504で100%通電又は電力一定制御を実行する。
【0080】
また、ステップ503がYESの場合、その時点でポンプセルF/BフラグFPSが「1」でなければ直ちにFPS=1とする(ステップ505,506)。ポンプセルF/BフラグFPSは、冷間始動時からの昇温途中の過程においてポンプセル110のインピーダンスF/B制御が実行される旨を表すフラグである。
【0081】
その後、ステップ507では、FPS=1の操作以後、所定時間(例えば30秒)が経過したか否かを判別する。そして、ステップ507がNOであればステップ508に進み、ポンプセル110のインピーダンスF/B制御を実行する。同ステップ508ではPI又はPID制御手法を用いてヒータ通電が制御される。ステップ504又は508の処理後、後述する図18のステップ518に進む。また、ステップ507がYESになるとステップ509に進み、センサセルF/BフラグFSSに「1」をセットした後、図18のステップ510に進む。
【0082】
一方、前記ステップ501がYESの場合には、そのまま図18のステップ510に進み、前記ステップ502がNOの場合には、ステップ509でセンサセルF/BフラグFSSに「1」をセットした後、図18のステップ510に進む。
【0083】
上記処理によれば図19のタイムチャートに示されるように、エンジンの冷間始動直後に各セル110,120の温度が上昇する際、ポンプセル温度が650℃に達する時刻t11では、ポンプセルF/BフラグFPSが「1」に操作される共に、ポンプセル110のインピーダンスF/B制御が開始される(図17のステップ506,508)。時刻t11後にポンプセル温度が目標値に達する時、ポンプセル110のインピーダンスF/B制御が実施されているため、前記図15のような過昇温(オーバーシュート)が生ずることはない。また、ポンプセル110のインピーダンスF/B制御の開始から所定時間(30秒)が経過する時刻t12では、センサセルF/BフラグFSSが「1」に操作される(図17のステップ509)。
【0084】
図18のステップ510では、ポンプセル温度TPSとセンサセル温度TSSとの差から温度差Txを求める(Tx=TPS−TSS)。ここで、各セル温度TPS,TSSは、各セルのインピーダンスZp,Zsを変換して算出される値である。
【0085】
そして、ステップ511〜517では、セル間の温度差Txに応じて「ポンプセル110のインピーダンスF/B制御」と「センサセル120のインピーダンスF/B制御」とを選択的に実行する。つまり、ステップ511ではTx≧90℃であるか否かを判別し、ステップ512ではTx≦70℃であるか否かを判別する。Tx≧90℃であればステップ514に進み、ポンプセル110のインピーダンスF/B制御を実行する。また続くステップ515で温度差発生フラグFHiに「1」をセットする。
【0086】
また、Tx≦70℃であればステップ516に進み、センサセル120のインピーダンスF/B制御を実行する。また続くステップ517で温度差発生フラグFHiを「0」にクリアする。さらに、70℃<Tx<90℃であればステップ513に進み、温度差発生フラグFHiの状態に応じてステップ514,516の処理を選択的に実行する。
【0087】
上記ステップ511〜517の処理によれば、図20のタイムチャートに示されるように、温度差Txが90℃になる以前(時刻t21以前)は温度差発生フラグFHiが「0(初期値)」で保持され、このとき、センサセル120のインピーダンスF/B制御が実行される(図18のステップ516)。また、温度差Txが90℃に達する時刻t21では温度差発生フラグFHiが「1」に操作され、ポンプセル110のインピーダンスF/B制御が開始される(図18のステップ514)。その後、温度差Txが70℃まで低下する時刻t22では温度差発生フラグFHiが「0」にクリアされ、センサセル120のインピーダンスF/B制御が再開される(図18のステップ516)。
【0088】
要するに、例えば排ガスの温度が安定していて温度差Txが比較的小さい時には、センサセル120のインピーダンスF/B制御が実行される。また、例えば排ガスが一時的に温度上昇する時には、ポンプセル110が温度変化の影響を受けて温度差Txが比較的大きくなるために、ポンプセル110のインピーダンスF/B制御が実行される。なお、ステップ511〜517の処理によれば、温度差Txの判定値にヒステリシスが設けられるため、制御動作のハンチングが抑制される。
【0089】
図18の処理に戻りステップ518〜525では、セル温度のガード処理を実行する。詳細には、ステップ518では、ポンプセル110のインピーダンスZpを温度変換したポンプセル温度TPSが所定の上限値(例えば900℃)未満であるか否かを判別し、TPS<上限値であれば、ステップ519で同ポンプセル温度TPSが所定の下限値(例えば650℃)を超えるか否かを判別する。そして、TPS>下限値であれば、ステップ520でセンサ不活性フラグFNを「0」にクリアし、TPS≦下限値であれば、ステップ521でセンサ不活性フラグFNに「1」をセットする。センサ不活性フラグFNが「0」にクリアされることは、ポンプセル温度が降下してガス濃度センサ100が正常に機能しない状態にあることを意味する。
【0090】
また、TPS≧上限値の場合、ステップ522でセンサ保護を図るべくヒータ通電を強制的にOFFし、続くステップ523でセンサセル120のインピーダンスZsを温度変換したセンサセル温度TSSが所定の下限値(例えば650℃)を超えるか否かを判別する。そして、TSS>下限値であれば、ステップ524でセンサ不活性フラグFNを「0」にクリアし、TSS≦下限値であれば、ステップ525でセンサ不活性フラグFNに「1」をセットする。但し、上記ステップ518,519,523の判別はインピーダンスZp又はZsを用いて行ってもよい。
【0091】
また一方で、上記の通り排ガス温による加熱等でセンサ温度分布が変化すると、ポンプセル特性の直流抵抗成分を表す傾きが変化する。より具体的には、図21のV−I特性図において、ポンプセル温度が上昇すると、直流抵抗成分を表す傾きが大きくなり(図の(A))、ポンプセル温度が降下すると、直流抵抗成分を表す傾きが小さくなる(図の(B))。このとき、厳密にはV−I特性上の限界電流検出域がV軸に対して僅かに右上がりとなり、ポンプセル印加電圧を設定するための本来の印加電圧点が限界電流検出域内のほぼ中央に存在することから、図の(A)の変化により印加電圧点が図の左寄りにずれ、図の(B)の変化により印加電圧点が図の右寄りにずれる。
【0092】
そこで本実施の形態では、図22に示されるように、既述の印加電圧線LX1に加えて印加電圧線LXa,LXb,LXcを新たに設け、ポンプセル110のインピーダンス値に応じて複数の印加電圧線を切り換えて使用する。具体的には、直流抵抗成分を表す傾きが大きくなるポンプセル高温時には印加電圧線LXaを使い、直流抵抗成分を表す傾きが小さくなるポンプセル低温時には印加電圧線LXb又はLXcを使うこととする。これにより、ポンプセル印加電圧を設定するための本来の印加電圧点が図の左右にずれても、印加電圧が適切に設定できる。
【0093】
図23は、図22中の複数の印加電圧線LX1,LXa〜LXcを選択的に用いてポンプセル印加電圧を可変に設定するための手順を示すフローチャートであり、同処理は例えば前記図10のステップ204,205の間に挿入されて実施される。
【0094】
図23のステップ601では、ポンプセル110のインピーダンスZpを温度変換したポンプセル温度TPSが所定の判定値(820℃)未満であるか否かを判別し、ステップ602では同ポンプセル温度TPSが所定の判定値(780℃)未満であるか否かを判別し、ステップ603では同ポンプセル温度TPSが所定の判定値(730℃)未満であるか否かを判別する。そして、
・ステップ601がNOであれば、ステップ604で図22の印加電圧線LXaを選択し、
・ステップ602がNOであれば、ステップ605で図22の印加電圧線LX1を選択し、
・ステップ603がNOであれば、ステップ606で図22の印加電圧線LXbを選択し、
・ステップ603がYESであれば、ステップ607で図22の印加電圧線LXcを選択する。
【0095】
換言すれば、TPS≧820℃の場合には印加電圧線LXaが、TPS=780〜820℃の場合には印加電圧線LX1が、TPS=730〜780℃の場合には印加電圧線LXbが、TPS<730℃の場合には印加電圧線LXcが、それぞれ選択的に使われる。但し、上記ステップ601〜603の判別はインピーダンスZpを用いて行ってもよい。
【0096】
なお本実施の形態では、前記図17,図18のステップ503,511〜513が請求項記載の判定手段に相当し、前記図17,図18のステップ508,514,516が通電制御手段に相当する。
【0097】
以上第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、排ガスの温度や流速の変化によってもNOx濃度の検出精度が確保できることに加え、以下の効果が得られる。つまり、各セル110,120の活性状態に関わる温度条件を判定し(図17,図18)、その判定結果に応じてポンプセル110のインピーダンスF/B制御と、センサセル120のインピーダンスF/B制御とを選択的に実施するようにしたので、センサ構造等に起因して各セルの温度特性が異なる場合にも、ガス濃度検出精度の低下が抑制される。その結果、各セル間の温度分布が変動してもガス濃度検出精度を確保することができる。
【0098】
実際には、冷間始動当初には複数のセル110,120のうち、高温側のセル(本実施の形態ではポンプセル110)についてインピーダンスF/B制御を行い、その後、センサセル120のインピーダンスF/B制御に移行するようにした。また、セル間の温度差が比較的大きい時には高温側のセル(本実施の形態ではポンプセル110)についてインピーダンスF/B制御を行い、セル間の温度差が比較的小さい時にはセンサセル120のインピーダンスF/B制御を行うようにした。これにより、排ガスの温度が安定している時には、センサセル120のインピーダンスF/B制御が行われ、排ガスが一時的に温度上昇する時には、温度変化の影響により最も温度上昇するセルのインピーダンスF/B制御が行われる。以上の構成により、各セル間の温度分布が変動しても、ガス濃度検出精度を確保することができる。
【0099】
また、ポンプセル110,センサセル120の温度を所定の上限値及び下限値でガードするようにしたので、過昇温に伴うセンサ劣化や温度降下に伴うセンサ機能の低下といった問題が回避できる。
【0100】
さらに、ポンプセル110のインピーダンスに応じて当該セル110の印加電圧を制御するようにしたので、ポンプセル印加電圧が適正に管理でき、酸素濃度の検出精度も確保できる。酸素濃度の検出精度が向上すれば、NOx濃度の検出精度もより一層向上する。
【0101】
(第3の実施の形態)
上記第2の実施の形態の如く、ポンプセル110及びセンサセル120の両方について掃引法によるインピーダンス検出を行う場合、インピーダンス検出するセルの印加電圧を交流的に変化させると、その時の電流変化がインピーダンス検出しない他側セルに干渉する問題がある。つまり、例えばポンプセルのインピーダンスを検出する場合、当該ポンプセルへの交流電圧の印加に同期してセンサセル側にも電流が流れ、センサセル電流Isが不用意に変動してしまう(数μA程度)。同様に、センサセルのインピーダンスを検出する場合、当該センサセルへの交流電圧の印加に同期してポンプセル側にも電流が流れ、ポンプセル電流Ipが不用意に変動してしまう(数μA程度)。
【0102】
そこで本実施の形態では、インピーダンス検出時において他側セルへの影響が及ばないように、酸素濃度又はNOx濃度を出力する信号経路の途中にサンプルホールド手段を設け、セル間の電流出力の干渉を抑制することとしている。
【0103】
本実施の形態におけるガス濃度検出装置の構成を図24に示す。図24の装置について前記図16との相違点を述べれば、電流検出抵抗212の両端にはオペアンプ301a及び抵抗301b〜301eからなる増幅回路301が接続され、その出力側にはS/H(サンプルホールド)回路302が接続される。S/H回路302は、酸素濃度検出時におけるポンプセル電流Ipをサンプルし、信号SG1がオンとなる所定のゲートオン期間内においてサンプル値を逐次更新して出力する。
【0104】
また、電流検出抵抗222の両端にはオペアンプ303a及び抵抗303b〜303eからなる増幅回路303が接続され、その出力側にはS/H(サンプルホールド)回路304が接続される。S/H回路304は、NOx濃度検出時におけるセンサセル電流Isをサンプルし、信号SG2がオンとなる所定のゲートオン期間内においてサンプル値を逐次更新して出力する。
【0105】
かかる構成において、図25のタイムチャートに示されるように、制御回路200からD/A1信号(指令電圧Vb)が出力されてポンプセル側のインピーダンス検出が行われる時、信号SG2によりセンサセル側(他側)のS/H回路304をホールド状態とする。これにより、センサセル電流Isに応じたNOx濃度出力がゲートOFF直前の値(インピーダンス検出直前の値)で保持され、セル干渉による出力変動が抑制される。
【0106】
また同様に、制御回路200からD/A0信号(指令電圧Vc)が出力されてセンサセル側のインピーダンス検出が行われる場合、信号SG1によりポンプセル側(他側)のS/H回路302をホールド状態とする。これにより、ポンプセル電流Ipに応じた酸素濃度出力がゲートOFF直前の値(インピーダンス検出直前の値)で保持され、セル干渉による出力変動が抑制される。
【0107】
図示は省略するが、インピーダンス検出側のセルについてもその検出期間内でガス濃度出力の更新を一時的に取り止め、インピーダンス検出直前の値でガス濃度出力をホールドするようにしてもよい。これにより、何れのガス濃度出力に対しても不用意な出力変動が抑制される。
【0108】
以上第3の実施の形態によれば、新たに次の効果が得られる。つまり、ポンプセル110又はセンサセル120のインピーダンス検出のためにセル印加電圧を一時的に変化させる装置では、その電圧変化の際に互いのセル間で電流が干渉したり、ガス濃度の信号出力が不用意に変動したりする。これに対し本実施の形態では、インピーダンス検出時には直前の信号出力をS/H回路302,304によりホールドさせるため、上記不具合が解消される。
【0109】
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、ポンプセル110及びセンサセル120の各インピーダンスを検出すると共に、それら両方の値の和(又は平均値)を使ってヒータ103のインピーダンスF/B制御を実行する。
【0110】
例えばポンプセル温度=800℃、センサセル温度=760℃が各セルの目標温度である場合、その和=1560℃をインピーダンスF/B制御の目標値とする。ここで、センサセル温度が目標値(760℃)で一定制御される時に、ガス濃度センサ100の温度分布が変化してポンプセル温度が目標温度よりも110℃高い910℃まで上昇すると、セル間の温度差が「+150℃」となる。この状態ではポンプセル110が過昇温の状態にある。そこで、各セルの温度の和が目標値(1560℃)になるようにヒータ通電を制御し、それぞれのセル温度を55℃ずつ降下させてセンサセル温度を705℃、ポンプセル温度を855℃とする。これにより、ポンプセル110の過昇温状態が解消される。
【0111】
一方、同じくセンサセル温度が目標値(760℃)で一定制御される時に、ガス濃度センサ100の温度分布が変化してポンプセル温度が目標温度よりも190℃低い610℃まで降下すると、セル間の温度差が「−150℃」となる。この状態ではポンプセル110が不活性状態にあり、センサとして正常に機能しない。そこで、各セルの温度の和が目標値(1560℃)になるようにヒータ通電を制御し、それぞれのセル温度を95℃ずつ上昇させてセンサセル温度を855℃、ポンプセル温度を705℃とする。これにより、ポンプセル110の不活性状態が解消される。
【0112】
上記の如くポンプセル110及びセンサセル120の温度が何れも変動するため、各セルのインピーダンスに応じて印加電圧を制御する。例えば前記図22及び図23で説明した手法を用い、ポンプセル110のインピーダンスZpに基づいて複数の印加電圧線を選択的に使うようにするとよい。
【0113】
或いは、図26に示す通り、センサセル120の印加電圧線をL11,L12L13のように複数設定しておき、同センサセル120のインピーダンスZsに基づいて印加電圧線を選択的に使うようにするとよい。例えばセンサセル温度=800℃の時は印加電圧線L11を、センサセル温度=750℃の時は印加電圧線L12を、センサセル温度=700℃の時は印加電圧線L13を、それぞれ使い印加電圧を制御する。
【0114】
以上第4の実施の形態によれば、各セル110,120間で温度差が生じて温度分布が相違しても、温度差の拡大が解消される。その結果、各セル110,120の過昇温や不活性温度までの温度降下を抑制し、安定したガス濃度検出が可能となる。
【0115】
(第5の実施の形態)
ポンプセル110又はセンサセル120のインピーダンスを検出する装置において、当該セル110,120への印加電圧を変化させる際に、インピーダンス検出が原因でガス濃度の検出精度が悪化するのを防ぐ方法を提案する。
【0116】
要するに、前述の通りガス濃度センサ100への指令電圧(印加電圧)は電圧波形をなますためのLPF(例えば図16の符号230,240)に通されるが、このLPFの時定数はインピーダンス検出に適した値で設定される。そのため、その構成のままでガス濃度検出を行うと、ガス濃度の検出誤差が大きくなるおそれがある。ガス濃度の検出誤差が生じる理由を図27を用いて説明する。
【0117】
図27において、空燃比がリッチからリーンへ移行する際、各セルに対して出力される指令電圧は破線のようにステップ状に変化するのに対し、LPFを通過した電圧は実線のように破線の指令電圧をなました波形で変化する。そのため、電圧印加に伴って流れる限界電流は、破線で示す真値よりも大きい方向にずれを生じる。従って、印加電圧を切り替えた直後の限界電流、すなわち図27中の(●)のタイミングでガス濃度を検出する場合にはガス濃度の検出誤差が生じないのに対し、図の(○)のタイミングで限界電流を検出する場合には同電流値が真値から大きくずれ、結果としてガス濃度の検出誤差が生じる。
【0118】
そこで本実施の形態では、ガス濃度検出時にはインピーダンス検出時よりも大きい時定数のLPFに切り換えることにより、図27で見られたガス濃度の検出誤差を小さくする。ここで、LPFの時定数を大きくすることは、ガス濃度センサ100の印加電圧変化の周波数を小さくすることに相当する。かかる場合には交流インピーダンス成分が大きくなり、印加電圧を変化させた時の電流変化が小さくなる。よって、限界電流の真値からのずれ量も図28に示すように小さくなり、ガス濃度の検出誤差も低減できる。
【0119】
以上のことから、前記図2や前記図16等におけるLPF230,240について、その時定数をインピーダンス検出時とガス濃度検出時とで変更する。その簡易的な構成として、LPF230,240を図29のように構成することが考えられる。つまり、図29では、スイッチSWを使用してLPF230,240の抵抗値をR1又はR2(但し、R1>R2)のいずれかに切り換え、時定数を変更する。より具体的には、ガス濃度検出時には図示の状態に操作して時定数を大きくし、インピーダンス検出時にはスイッチSWを切り換えて時定数を小さくする。なお、コンデンサ容量値を変化させて時定数を変更することも可能である。
【0120】
以上第5の実施の形態によれば、ガス濃度の検出誤差をなくし、その検出精度を向上させることができる。また、速度制限手段としてのLPF230,240により印加電圧の変更速度が制限されるため、印加電圧の発振が抑制される。因みに、印加電圧の発振を防止する他の構成としては、制御回路200(CPU)により印加電圧の変更速度を制限する構成でもよい。具体的には、通常5mV/4msの変更速度を、5mV/30ms程度に遅くする。
【0121】
なお、本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
(他の形態1)上記第1の実施の形態において、ポンプセル110及びセンサセル120の両方についてインピーダンスを検出し、センサセル120のインピーダンスに応じてヒータ103のF/B制御を実施すると共に、ポンプセル110のインピーダンスに応じて当該セル110の印加電圧を制御する。この場合、第1の実施の形態で説明した効果に加え、ポンプセル印加電圧を適正に管理して酸素濃度の検出精度が確保できるという効果が得られる。
【0122】
(他の形態2)ポンプセル110及びセンサセル120の両方のインピーダンスを検出する装置では、例えば前記図16に見られるように、D/AコンバータとLPFとがそれぞれ2個ずつ必要になる。そこで、図30に示されるように、ガス濃度センサ100の共通の負側端子(基準電圧側)に、LPF260と増幅回路261とを設け、D/A0からLPF260に対して指令電圧を出力する。各セルのインピーダンス検出には、D/A0出力を交流的に変化させ、その時の電圧変化量と電流変化量とからインピーダンスを検出する。この構成によれば、D/AコンバータとLPFとが1つずつでよく、回路構成が簡素化できる。
【0123】
(他の形態3)図31に示されるように、前記図30の構成の一部を変更し、電流検出抵抗212の端子Vdに増幅回路311及びS/H回路312を設けると共に、電流検出抵抗222の端子Veに増幅回路313及びS/H回路314を設ける。かかる場合、各セルのインピーダンス検出期間において、S/H回路312,314がインピーダンス検出直前の出力値を保持することにより、ガス濃度出力の不用意な出力変動が抑制され、信号出力が安定する。実際には、ポンプセル110のインピーダンス検出時に酸素濃度出力をホールドし、また、センサセル120のインピーダンス検出時にNOx濃度出力をホールドする。因みに、図31の構成では、共通端子の印加電圧を変化させるため、インピーダンス検出時に各セルの電流が干渉するという問題はない。
【0124】
(他の形態4)上記各実施の形態では、ポンプセル110及びセンサセル120の共通の負側端子(ポンプ第2電極112,センサ第1電極121)をGND電圧(0V電圧)よりも浮いた基準電圧Vaとしたが、この構成を変更する。例えば一方のセル(例えば図1のセンサセル120)の負側端子のみをGND電圧から浮かすと共に他方のセル(図1のポンプセル110)の負側端子をGND接地させたり、或いは両方のセルの負側端子をGND接地させてもよい。
【0125】
(他の形態5)上記第2の実施の形態では、図22に示されるように4本の印加電圧線を設定し、これら印加電圧線をポンプセルのインピーダンスに応じて選択的に用いることとしたが、この構成を変更する。例えば図22のV−I特性図において、3本以下又は5本以上となる複数の印加電圧線を設定し、これらを選択的に使用してもよい。また、標準の印加電圧線をLX1のみとし、ポンプセルのインピーダンスに応じてLX1の傾きを補正するようにしてもよい。
【0126】
(他の形態6)上記第4の実施の形態では、ポンプセル110及びセンサセル120のインピーダンスの和が目標値になるようヒータ通電を制御したが、これに代えて、各セル110,120のインピーダンスの平均が目標値になるようヒータ通電を制御してもよい。この場合にも同様の効果が得られる。
【0127】
(他の形態7)上記各実施の形態では、各セルの内部抵抗を検出する手法として、掃引法を用いてセル印加電圧を一時的に変化させ、その時の電流変化から交流インピーダンスを検出したが、他の手法に変更してもよい。例えば抵抗検出時において、セル電流を一時的に変化させ、その時の電圧変化から交流インピーダンスを検出する。実際には、図32の構成を用いる。なお図32は、前記図2の構成の一部を変更したものである。
【0128】
図32では、前記図2との相違点として、ガス濃度センサ100のセンサ第2電極122と電流検出抵抗222との間にスイッチSW1が設けられる。そして、同スイッチSW1の接点aには定電流Icstを発生する定電流源350が接続され、接点bには電流検出抵抗222が接続される。通常はスイッチSW1が接点b側に操作される。また、インピーダンス検出時には制御回路200によりスイッチSW1が接点a側に切り換えられ、一時的にセンサセル120に定電流Icstを流すよう構成される。なお、センサ第2電極122への印加電圧はVpで与えられる。
【0129】
実際の動作を図33を用いて説明する。時刻t31以前は、スイッチSW1が接点b側に操作されており、それにより、センサセル120の両電極121,122には例えば0.5Vの電圧が印加される(Vp−Va=0.5V)。時刻t31〜t32では、スイッチSW1が開放状態で所定時間(200μs程度)保持され、その時のVp電圧がA/D0にて読み取られる(その値をAD1とする)。
【0130】
また、時刻t32では、スイッチSW1が接点a側に切り換えられてセンサセル120に定電流Icstが流れる。時刻t32から所定時間経過後(例えば25μs経過後)に、その時のVp電圧がA/D0にて読み取られる(その値をAD2とする)。そして、定電流Icstと電圧変化量ΔV(AD2−AD1)とから、
インピーダンス=ΔV/Icst
としてインピーダンスが検出される。その後、時刻t33ではスイッチSW1が接点b側に戻される。以上、センサセル120を例に取り、同セル120のインピーダンス検出について説明したが、勿論ポンプセル110についても同様にインピーダンス検出が可能となる。
【0131】
又は、各セルの内部抵抗として直流素子抵抗を検出し、この直流素子抵抗に応じてヒータF/B制御や印加電圧制御を実行する。なお直流素子抵抗は、センサV−I特性座標の抵抗支配域上に電圧(例えば負の電圧)を印加し、その時に流れる電流値(負の電流値)から検出すればよい。
【0132】
(他の形態8)本発明は、上記したガス濃度センサ100以外にも適用できる。例えば図34の構成のガス濃度センサに適用する。図34に示すガス濃度センサ150では前記図3のガス濃度センサ100と比較して、ポンプセルとセンサセルの設置場所が逆になっている。つまり、排ガス中の酸素濃度を検出するためのポンプセル160は多孔質拡散層101と大気ダクト102との間に設けられ、排ガス中のNOx濃度を検出するためのセンサセル170は多孔質拡散層101と排ガス空間との間に設けられる。各セル160,170に設置されるポンプ第1,第2電極161,162及びセンサ第1,第2電極171,172のうち、多孔質拡散層101側のポンプ第1電極161のみが、Au−Pt等、NOxガスに不活性な貴金属で形成される電極(NOxガスを分解し難い電極)であり、その他の電極は白金等、触媒活性の高い貴金属で形成される。ガス濃度センサ150(セル160,170)によるガス濃度の検出原理や出力特性については既述のセンサ100と殆ど同じであるため、その説明を省略する。
【0133】
(他の形態9)上記各実施の形態では、2セル構造のガス濃度センサについてその具体例を示したが、それ以外に、3セル構造のガス濃度センサや、ポンプセルやセンサセルを複数に分割して設け、それにより4個以上のセルを持つガス濃度センサにも適用できる。以下には、3セル構造のガス濃度センサを用いたガス濃度検出装置への適用例を説明する。
【0134】
図35を参照しつつ3セル構造のガス濃度センサ400の構成を説明する。ガス濃度センサ400は主要な構成として、排ガス中の酸素を排出することで酸素濃度を検出するポンプセル410(第1セル)と、酸素分圧を検知するリファレンスセル430と、NOxガスを分解しその酸素イオンを排出することでNOx濃度を検出するセンサセル420(第2セル)と、ヒータ440とを有する。
【0135】
エンジンから排出された排ガスは、第1多孔質拡散層401を介して第1チャンバ405に導入される。ポンプセル410は、リファレンス第1電極431とリファレンス第2電極432との間の電圧によりモニタしたリファレンスセル430の電圧に基づき、第1チャンバ405内に存在する酸素をNOxが分解しないレベルで汲み出し制御する。すなわち、ポンプ第1電極411とポンプ第2電極412との間に電圧を印加することで酸素が汲み出され、この時に流れる電流を計測することで酸素濃度が検出される。
【0136】
酸素が汲み出された排ガスは、第2多孔質拡散層404を介して第2チャンバ406に導入される。第2チャンバ406内に存在するNOxガスは、センサセル420を用いて分解し汲み出されるように制御される。すなわち、センサ第1電極421とセンサ第2電極422との間に電圧を印加することでNOxガスが汲み出され、この時に流れる電流値を計測することでNOx濃度が検出される。
【0137】
例えば第1チャンバ405内の排ガスがリーンである程(酸素が多く含まれる状態)、リファレンスセル430の起電力が低減され、リファレンス第2電極432の電圧は低下する。このとき、第1チャンバ405内の酸素がポンプセル410を介して排ガス側(図の上側)に排出される。また、第1チャンバ405内の排ガスの酸素濃度が非常に低い場合、リファレンスセル430の起電力が上昇し、リファレンス第2電極432の電圧が上昇する。このとき、第1チャンバ405内の酸素の排出が少なくなる。その際のポンプセル電流を計測することにより、排ガス中の酸素濃度が検出できる。
【0138】
一方、排ガス中の酸素を排出された後のガスは第2多孔質拡散層404を介して第2チャンバ406に導入される。センサセル420に所定の電圧が印加されると、同センサセル420はNOxガスを分解し、酸素イオンを第2チャンバ406から大気ダクト407側に排出する。その際のセンサセル電流を計測することにより、排ガス中のNOx濃度が検出できる。
【0139】
ヒータ440は、絶縁層441,442に埋設されており、上記各セル410,420,430を含めセンサ全体(電極含む)を活性状態にすべく、外部からの給電により熱エネルギを発生させる。
【0140】
そして、上記構成のガス濃度センサ400において、例えば第1の実施の形態のように、センサセル420(第2セル)のインピーダンスに基づいてヒータ通電を制御することで、当該センサセル420のインピーダンスが一定に制御できるようになる。従って、排ガスの温度や流速の変化によって当該センサセル420の温度が不用意に変動し、NOx濃度の検出精度が低下するといった不具合が解消される。その結果、常にガス濃度の検出精度を確保するという本発明の目的が達せられる。
【0141】
或いは、第2の実施の形態のように、各セル410,420,430のインピーダンスを検出すると共に、当該各セル410〜430の活性状態に関わる温度条件を判定し、その判定結果に応じて各セル410〜430のインピーダンスF/B制御を選択的に実施する。これにより、センサ構造等に起因して各セルの温度特性が異なる場合にも、ガス濃度検出精度の低下が抑制される。その結果、各セル間の温度分布が変動してもガス濃度検出精度を確保することができる。
【0142】
実際には、エンジンの冷間始動当初には複数のセル410〜430のうち、最も高温のセルについてインピーダンスF/B制御を行い、その後、センサセル420のインピーダンスF/B制御に移行する。また、セル間の温度差が比較的大きい時には最も高温のセルについてインピーダンスF/B制御を行い、セル間の温度差が比較的小さい時にはセンサセル420のインピーダンスF/B制御を行うようにする。これにより、排ガスの温度が安定している時には、センサセル420のインピーダンスF/B制御が行われ、排ガスが一時的に温度上昇する時には、温度変化の影響により最も温度上昇するセルのインピーダンスF/B制御が行われる。以上の構成により、各セル間の温度分布が変動しても、ガス濃度検出精度を確保することができる。
【0143】
(他の形態10)酸素濃度とNOx濃度とを検出可能なガス濃度センサの他、酸素濃度と、HC濃度又はCO濃度とを検出可能なガス濃度センサにも適用できる。HC濃度又はCO濃度を検出する場合、ポンプセルにて排ガス(被検出ガス)中の余剰酸素を排出し、センサセルにて余剰酸素排出後のガス成分からHC又はCOを分解する。これにより、酸素濃度に加え、HC濃度又はCO濃度が検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス濃度検出装置の基本構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施の形態におけるガス濃度検出装置を示す全体構成図。
【図3】ガス濃度センサの構成を示す要部断面図。
【図4】ガス濃度センサの動作原理を説明するための図。
【図5】ガス濃度センサのポンプセル特性を説明するためのV−I特性図。
【図6】ガス濃度センサのセンサセル特性を説明するためのV−I特性図。
【図7】ポンプセル及びセンサセルの温度特性を示す図。
【図8】センサセルの温度依存性を説明するためのV−I特性図。
【図9】メインルーチンを示すフローチャート。
【図10】印加電圧制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図11】インピーダンス検出サブルーチンを示すフローチャート。
【図12】ヒータ制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図13】インピーダンス検出時における信号の変化を示す波形図。
【図14】他の形態においてガス濃度検出装置を示す全体構成図。
【図15】エンジン始動時からのセル温度の推移を示すタイムチャート。
【図16】第2の実施の形態におけるガス濃度検出装置を示す全体構成図。
【図17】第2の実施の形態においてヒータ制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図18】図17に続き、ヒータ制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図19】エンジン始動時におけるセル温度の推移を示すタイムチャート。
【図20】インピーダンスF/B制御の切り換えを説明するためのタイムチャート。
【図21】温度変化に伴うポンプセル特性の変化を示すV−I特性図。
【図22】複数の印加電圧線を設定するためのV−I特性図。
【図23】印加電圧制御の一部を示すフローチャート。
【図24】第3の実施の形態におけるガス濃度検出装置を示す全体構成図。
【図25】信号波形を示すタイムチャート。
【図26】温度変化に伴うセンサセル特性の変化を示すV−I特性図。
【図27】印加電圧と限界電流との推移を示すタイムチャート。
【図28】印加電圧と限界電流との推移を示すタイムチャート。
【図29】LPFの構成を示す電気回路図。
【図30】他の形態においてガス濃度検出装置を示す全体構成図。
【図31】他の形態においてガス濃度検出装置を示す全体構成図。
【図32】他の形態においてガス濃度検出装置を示す全体構成図。
【図33】インピーダンス検出時における電圧変化を示す波形図。
【図34】他の形態においてガス濃度センサの構成を示す要部断面図。
【図35】他の形態においてガス濃度センサの構成を示す要部断面図。
【符号の説明】
100,150,400…ガス濃度センサ、103…ヒータ、110,160…第1セルとしてのポンプセル、120,170…第2セルとしてのセンサセル、200…検出手段,第1の検出手段,第2の検出手段,通電制御手段,判定手段を構成する制御回路、212,222…電流検出抵抗、230,240…速度制限手段を構成するLPF(ローパスフィルタ)、302,304,312,314…S/H回路(サンプルホールド回路)、400…ガス濃度センサ、440…ヒータ、410…第1セルとしてのポンプセル、420…第2セルとしてのセンサセル、430…リファレンスセル。

Claims (5)

  1. 電圧印加に伴い被検出ガス中の余剰酸素を排出しつつその酸素濃度に応じた電流を流す第1セルと、同じく電圧印加に伴い余剰酸素排出後のガス成分から特定成分の濃度に応じた電流を流す第2セルとを含む複数のセルと、前記複数のセルを加熱するヒータとを備えるガス濃度センサを用いるガス濃度検出装置において、
    前記複数のセルの内部抵抗を各々検出する検出手段と、
    前記複数のセルの温度条件を判定する判定手段と、
    前記判定結果に応じて、前記複数のセルの内部抵抗に基づくヒータ通電制御を選択的に実施する通電制御手段と
    を備え、
    前記通電制御手段は、冷間始動当初には前記複数のセルのうち、最も高温のセルについてその内部抵抗に基づくヒータ通電制御を行い、その後、前記第2のセルの内部抵抗に基づくヒータ通電制御に移行することを特徴とするガス濃度検出装置。
  2. 電圧印加に伴い被検出ガス中の余剰酸素を排出しつつその酸素濃度に応じた電流を流す第1セルと、同じく電圧印加に伴い余剰酸素排出後のガス成分から特定成分の濃度に応じた電流を流す第2セルと、前記第1,第2セルを加熱するヒータとを備えるガス濃度センサを用いるガス濃度検出装置において、
    前記第1セルの内部抵抗を検出する第1の検出手段と、
    前記第2セルの内部抵抗を検出する第2の検出手段と、
    前記検出した第1及び第2セルの内部抵抗の和又は平均を求め、該求めた内部抵抗の和又は平均が目標値になるように前記ヒータの通電を制御する通電制御手段と
    を備えることを特徴とするガス濃度検出装置。
  3. 前記検出した第1セルの内部抵抗に基づいて当該第1セルの印加電圧を制御する印加電圧制御手段を更に備える請求項1又は請求項2に記載のガス濃度検出装置。
  4. 前記各セルの内部抵抗検出のためにセル印加電圧又は電流を一時的に変化させる装置において、
    被検出ガス中の酸素濃度又はそれ以外のガス濃度に応じた電流信号を出力するための信号出力線の途中にサンプルホールド回路を設け、各セルの内部抵抗検出時には直前の信号出力を前記サンプルホールド回路によりホールドさせる請求項1〜請求項3のいずれかに記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記各セルに印加する電圧を変更する際、その変更速度を制限するための速度制限手段を備える請求項1〜請求項4のいずれかに記載のガス濃度検出装置。
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