JP3981592B2 - 防振部材の装着方法、防振部材装着装置及び防振部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体ドラムの防振部材に関し、詳しくは、中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に対するシート状の防振部材の装着方法、防振部材装着装置及び防振部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機,プリンタ,ファクシミリ等の電子写真装置には、回転しながら潜像を形成する感光体ドラムが用いられている。
この感光体ドラムは、例えば、感光体支持体としてアルミニウム製ドラムを使用し、感光体を蒸着または塗工したものである。
【0003】
この感光体ドラムは、電子写真装置の小型化,軽量化に伴い、小径支持体、薄肉支持体が求められるようになってきている。
【0004】
従来、電子写真感光体ドラムは、クリーニングブレードを感光体表面に圧接してクリーニングする場合に、共鳴音を発生したり、あるいは接触帯電器との共鳴によって異音を発生する場合があり、近年では、上記の小型化傾向、薄肉化傾向の支持体により、感光体ドラムの異音の問題はその発生頻度を増し、年々重要視されるようになってきた。
【0005】
クリーニングブレードと感光体ドラムとの摩擦による共鳴音としては、主に高温高湿環境下における、連続使用時に発生する異音が知られている。
また、接触帯電器と感光体ドラムとの共鳴音としては、接触帯電器に加える交流電圧の周波数に依存する異音が知られている。
【0006】
感光体ドラムの異音防止対策として、何らかの充填体を電子写真感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入・固着することが行われている。
【0007】
充填体の形状としては、バネと組み合わせた構造物(実開昭62−127567号公報、特開平11−305598号公報参照)、スパイラル状(特開平8−62878号公報参照)、円柱型(特開2000−89612号公報参照)等が提案されている。
【0008】
充填体の材質としては、多孔質の弾性体(特開昭63−60481号公報参照)、特定のJIS硬度を有した重り部材(特開平5−35166号公報参照)、発泡ポリウレタン(特開昭63−271388号公報参照)、粘弾性材料(特許第2913689号公報参照)、線膨張係数を規定した充填体(特許第3259554号公報参照)等が提案されている。
【0009】
さらに、その充填体の挿入方法に関しては、スリットを有する円筒状の充填体について特開2001−305908号公報に提案されている。
しかし、シート状の充填体の挿入方法及び挿入装置についての提案はない。
【0010】
そこで、感光体ドラムの中空円筒基体の内部にシート状の防振部材を挿入する挿入方法及び挿入装置を提供することが要望されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、シート状の防振部材は、スリットを有する円筒状の防振部材などの他の防振部材に比べて、材料費が安価であるが、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に挿入・密着することが困難であり、作業性に問題があったため、実使用上問題があった。
【0012】
防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部に人の手作業で挿入する場合、感光体表面を手で握らないと、防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部に入れ難く、そうすると感光体表面の欠品や損傷も避けられない。
【0013】
また、防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入した後、防振部材が感光体ドラムの中空円筒基体の内部で移動しないようにするために、防振部材を感光体ドラムの内壁面に接着剤で固定するか、あるいは防振部材の表面のすべり性を悪くする必要がある。
そのようにすると、さらに防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入が困難となる。
また、防振部材の挿入性の悪さから、うっかりミスによる欠品や損傷も避けられない。
さらに、防振部材を感光体ドラムの内壁面に接着剤で固定した場合、リサイクル時に、防振部材の感光体ドラムからの取り外しが困難である。
【0014】
そこで、本発明の目的は、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に簡易且つ確実に挿入・密着させて装着することが可能な防振部材の装着方法、防振部材装着装置及び防振部材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の防振部材の装着方法は、中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に、シート状の防振部材を装着する方法であって、前記シート状の防振部材を、エアー吸引部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー吸引を停止することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着することを特徴とするものである。
本発明の防振部材の装着方法によれば、シート状の防振部材を、エアー吸引部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー吸引を停止することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着する方法を用いることにより、感光体ドラムの中空円筒基体の表面の感光層を手で握ることなく、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に簡単に挿入・密着させて装着することができる。
【0016】
本発明の防振部材の装着方法は、中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に、シート状の防振部材を装着する方法であって、前記シート状の防振部材を、エアー吸引部及びエアー排出部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー吸引の停止に加えてエアー排出することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着することを特徴とするものである。
本発明の防振部材の装着方法によれば、シート状の防振部材を、エアー吸引部及びエアー排出部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー吸引の停止に加えてエアー排出することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着する方法を用いることにより、感光体ドラムの中空円筒基体の表面の感光層を手で握ることなく、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に簡易且つ確実に挿入・密着させて装着することができる。
【0017】
本発明の防振部材の装着方法は、前記シート状の防振部材をエアー吸引する前記シャフトに位置決めして保持した後、前記シャフトに保持された前記シート状の防振部材の端部に向けて前記感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、前記感光体ドラムの中空円筒基体内部の所定位置まで前記シート状の防振部材を挿入するようになっている。
本発明の防振部材の装着方法によれば、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトに位置決めして保持した後、シャフトに保持されたシート状の防振部材の端部に向けて感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、感光体ドラムの中空円筒基体の内部にシート状の防振部材を挿入する方法を用いることにより、装着の困難なシート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入をより確実に行うことができる。
【0018】
本発明の防振部材装着装置は、中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に、シート状の防振部材を装着する装置であって、前記シート状の防振部材を保持するエアー吸引部を有するシャフトと、前記シート状の防振部材を前記シャフト上の所定の位置に位置決めする位置決め手段と前記エアー吸引部を介してエアー吸引することで前記シート状の防振部材を前記シャフト上に位置決め保持すると共に、エアー吸引を停止することで前記保持を解除するようにしたエアー吸引手段と、前記シート状の防振部材をエアー吸引する前記シャフトに位置決めして保持した後、前記シャフトに保持された前記シート状の防振部材の端部に向けて前記感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、前記感光体ドラムの中空円筒基体内部の所定位置まで前記シート状の防振部材を挿入するように動作する防振部材挿入手段とを備えたことを特徴とする構成を有するものである。
本発明の防振部材装着装置によれば、シート状の防振部材を保持するエアー吸引部を有するシャフトと、シート状の防振部材をシャフトに位置決めする位置決め手段とを備えた装置を用いることにより、シート状の防振部材をシャフトに巻き付けるのみで、シャフトのエアー吸引部がシート状の防振部材をエアー吸引するので、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引で保持することができ、位置決め手段がシート状の防振部材をシャフトに位置決めするので、装着の困難なシート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に挿入・密着して装着することができる。
【0019】
本発明の防振部材装着装置における前記防振部材挿入手段は、前記シャフトに保持された前記シート状の防振部材の端部に向けて前記感光体ドラムを把持して該感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、前記感光体ドラムの中空円筒基体の内部に前記シート状の防振部材を挿入するように動作する感光体ドラム搬送ロボットであることを特徴とする。
本発明の防振部材装着装置によれば、シャフトに保持されたシート状の防振部材の端部に向けて感光体ドラムを把持して感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、感光体ドラムの中空円筒基体の内部にシート状の防振部材を挿入する感光体ドラム搬送ロボットを備えていることで、感光体ドラム搬送ロボットがシート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入するので、感光体ドラム搬送ロボットを使用して、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入する装着作業を自動化することができ、感光体ドラムの中空円筒基体の表面の感光層を手で握ることなく、装着の困難なシート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への装着作業を大幅に効率化することができる。
【0020】
本発明の防振部材装着装置は、前記シート状の防振部材の前記シャフトへの保持を確認する防振部材装着確認手段と、前記シート状の防振部材の前記感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入を確認する防振部材挿入確認手段とを備えており、前記防振部材装着確認手段が防振部材確認センサであり、前記防振部材挿入確認手段が感光体ドラム確認センサであることを特徴とする。
本発明の防振部材装着装置によれば、シート状の防振部材のシャフトへの保持を確認する防振部材装着確認手段と、シート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入を確認する防振部材挿入確認手段とを備えていることで、防振部材装着確認手段がシート状の防振部材のシャフトへの保持を確認し、防振部材挿入確認手段がシート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入を確認するので、シート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への装着をより確実に行うことができる。
【0021】
本発明の防振部材装着装置は、感光体ドラムの中空円筒基体の内径r(mm)、シート状の防振部材の感光体ドラム装着時の周方向長さb(mm)、シート状の防振部材の厚さm(mm)、シャフトの外径d(mm)が、下記式[1],[2]を満たす範囲にあることが好ましい。
r−(d+2×m)≧1 [1]
π×r/2≦b [2]
本発明の防振部材装着装置によれば、感光体ドラムの中空円筒基体の内径r(mm)、シート状の防振部材の感光体ドラム装着時の周方向長さb(mm)、シート状の防振部材の厚さm(mm)、シャフトの外径d(mm)が、上記式[1],[2]を満たす範囲にあることで、シート状の防振部材をシャフトに保持した状態で、感光体ドラムの中空円筒基体の内径とシート状の防振部材との間に1mm以上の隙間を持つようになり、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部にスムーズに挿入することができ、シート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入後は、シート状の防振部材が感光体ドラムの中空円筒基体の内部で移動することがなくなる。
【0022】
本発明の防振部材の装着方法の実施に直接使用する防振部材は、25%圧縮荷重が1kg/cm2以下であるシート状の粘弾性材料よりなることを特徴とするものである。
本発明の防振部材によれば、25%圧縮荷重が1kg/cm2以下であるシート状の粘弾性材料を用いることにより、防振部材が適度な柔軟性を有するので、防振部材のシャフトへの装着時、リサイクル時の作業性が向上し、従来のスリットを有する円筒状の防振部材などの他の防振部材に比べて、材料費が安価であり、良好な生産性が確保できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係わる防振部材の装着方法を示す原理図、(a)はシート状の防振部材の感光体ドラムの内部への挿入前を示す図、(b)はシート状の防振部材の感光体ドラムの内部への挿入時を示す図、(c)はシート状の防振部材の感光体ドラムの内部への挿入後を示す図である。
図2は本発明の一実施の形態に係わる防振部材装着装置を示す概略図である。
図3は本発明の一実施の形態に係わるシート状の防振部材の一例を示す斜視図、図4は本発明の電子写真感光体ドラムの一例を示す斜視図、図5は本発明のシート状の防振部材を内蔵された電子写真感光体ドラムへのフランジの装着前の状態を示す斜視図である。
【0024】
図1乃至図5において、1は中空円筒基体13の表面に感光層を有する導電性支持体ドラムよりなる感光体ドラム、2は感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に装着されるシート状の防振部材、3はシート状の防振部材2を巻き付けて保持するためのシャフト、4はシート状の防振部材2をシャフト3に位置決めするための位置決め具、5はシャフト3に設けたエアー吸引・排出部、6はシャフト3に設けたエアー吸引・排出部5にエアーを供給するためのエアーポンプ、7はシャフト3に設けたエアー吸引・排出部5からエアーを吸引するためのバキュームポンプ、8はエアーポンプ6もしくはバキュームポンプ7を位置決め具4に対して選択的に接続するためのマニホールド、9はシート状の防振部材2の存在を確認するための防振部材確認センサ、10は感光体ドラム1の存在を確認するための感光体ドラム確認センサ、11は感光体ドラム1を搬送する感光体ドラム搬送ロボット、12は感光体ドラム1の中空円筒基体13の両端の端部開口13aに装着されるフランジ、14は感光体ドラム搬送ロボット11に設けた感光体ドラム1を保持するための保持具、15はシート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に装着する防振部材装着装置である。
【0025】
図1において、dはシャフト3の外径を表す。
図3において、aはシート状の防振部材2の感光体ドラム1への装着時の長手方向長さ、bはシート状の防振部材2の感光体ドラム1への装着時の周方向長さ、mはシート状の防振部材2の厚さを表す。
図4において、Rは感光体ドラム1の中空円筒基体13の外径、rは感光体ドラム1の中空円筒基体13の内径、Lは感光体ドラム1の中空円筒基体13の長さを表す。
【0026】
本発明の防振部材の装着方法は、シート状の防振部材2を、エアー吸引・排出部5を設けたシャフト3に位置決め具4で位置決めして巻き付け、図1(a)に示すように、シート状の防振部材2をシャフト3上にエアー吸引することで保持した後、その真上から保持具14で保持した感光体ドラム1を図1(a)の矢印方向に下降させ、図1(b)に示すように、シート状の防振部材2をエアー吸引するシャフト3を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に挿入し、シャフト3のエアー吸引部からのエアー吸引を停止することで、もしくはエアー吸引の停止に加えてエアー排出部5からエアー排出することで、シート状の防振部材2をその復元力で感光体ドラム1の内壁面に密着させ、その後、保持具14で保持した感光体ドラム1をシャフト3の真上に向って図1(c)の矢印方向に上昇させ、シャフト3が感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部から抜け外れ、図1(c)に示すように、感光体ドラム1の内壁面にシート状の防振部材2を装着する。
図1に示す本発明の実施の形態では、鉛直上方向からの挿入の場合を一例として示しているが、挿入方向はこれにとらわれることはない。
【0027】
本発明の防振部材の装着方法は、シート状の防振部材2を、エアー吸引部を設けたシャフト3に位置決めして巻き付け、シート状の防振部材2をシャフト3にエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材2をエアー吸引するシャフト3を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に挿入し、エアー吸引を停止することで、シート状の防振部材2がその復元力で感光体ドラム1の内壁面に密着する。
【0028】
本発明の防振部材の装着方法は、シート状の防振部材2を、エアー吸引部及びエアー排出部を設けたシャフト3に位置決めして巻き付け、シート状の防振部材2をシャフト3にエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材2をエアー吸引するシャフト3を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に挿入し、エアー吸引の停止に加えてエアー排出することで、シート状の防振部材2がその復元力で感光体ドラム1の内壁面に密着する。
【0029】
本発明の防振部材の装着方法は、シート状の防振部材2をエアー吸引するシャフト3に位置決めして保持した後、シャフト3に保持されたシート状の防振部材2の端部に向けて感光体ドラム1の中空円筒基体13の端部開口13aを接近させ、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部にシート状の防振部材2を挿入する。
【0030】
本発明の防振部材装着装置15は、図2に示すように、シート状の防振部材2を保持するエアー吸引・排出部5を有するシャフト3と、シート状の防振部材2をシャフト3に位置決めする位置決め手段である位置決め具4とを備えている。
【0031】
本発明の防振部材装着装置15は、図2に示すように、シャフト3に保持されたシート状の防振部材2の端部に向けて感光体ドラム1を把持して感光体ドラム1の中空円筒基体13の端部開口13aを接近させ、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部にシート状の防振部材2を挿入する感光体ドラム搬送ロボット11を備えている。
【0032】
本発明の防振部材装着装置15は、図2に示すように、シート状の防振部材2のシャフト3への保持を確認する防振部材装着確認手段と、シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入を確認する防振部材挿入確認手段とを備えており、防振部材装着確認手段が防振部材確認センサ9であり、防振部材挿入確認手段が感光体ドラム確認センサ10である。
【0033】
本発明の防振部材は、25%圧縮荷重が1kg/cm2以下であるシート状の粘弾性材料よりなる。
【0034】
本発明の実施の形態において、中空円筒状の導電性支持体ドラムよりなる感光体ドラム1としては、アルミニウム,銅,真鍮,亜鉛,ニッケル,ステンレス,クロム,モリブデン,バナジウム,インジウム,チタン,金,白金等の金属及び合金材料を用いることができ、その他に紙及び導電性粒子を含有したプラスチックや紙、並びに導電性ポリマーを含有するプラスチック等の合成樹脂材料を用いることができる。
また、感光体ドラム1の中空円筒基体13の外径Rは、φ20mm〜φ100mm、感光体ドラム1の中空円筒基体13の長さLは、240mm〜400mmのものが好適に使用できる。
【0035】
導電性支持体ドラムよりなる感光体ドラム1の中空円筒基体13の表面上に形成される感光層としては、酸化亜鉛,硫化カドニウム等の無機光導電性材料を結着樹脂に分散させた層、セレン,セレン−テルル,ペリレン系顔料等の蒸着層、ポリビニルカルバゾール,ポリビニルピレン,ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマーよりなる層、或いは電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造の感光層を使用することができ、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造の感光層の場合、電荷発生層及び電荷輸送層に使用される材料は、公知のものならばどのようなものでも使用することができる。
【0036】
シート状の防振部材2としては、ポリブタジエンゴム,スチレンブタジエンゴム,ポリイソプレンゴム,ニトリルブタジエンゴム,ブチルゴム,クロロプレンゴム,ウレタンゴム,シリコンゴム,多硫化ゴム,ポリエーテル系ゴム,アクリルゴム,エチレンプロピレンゴム,プロピレンオキサイドゴム,エチレンアクリルゴム,ノルボルネンゴム,ポリアミド系エラストマー,塩化ビニル系エラストマー,合成ゴム系材料,天然ゴム,マイクロセルポリマー等の市販材料、前記ゴム材料に雲母状酸化鉄,二酸化チタン,フェライト,天然雲母,酸化コバルト等の充填材を添加した材料を用いることができる。
特に、発泡体が好ましく、ポリオレフィン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、フッ素ゴム発泡体等が用いられる。
【0037】
シート状の防振部材2の材質としては、25%圧縮荷重が1kg/cm2以下であるシート状の粘弾性材料を用いることにより、シート状の防振部材2が適度な柔軟性を有するので、シート状の防振部材2のシャフト3への装着時、リサイクル時の作業性が向上し、良好な生産性が確保できる。
25%圧縮荷重が1kg/cm2を超えると、シート状の防振部材2は変形しにくく、シート状の防振部材2のシャフト3への装着性が悪くなる。
なお、25%圧縮荷重については、直径50mmのサンプルを用い、圧縮速度1mm/minでJIS K−6301に準じて測定した。
【0038】
シャフト3については、エアー吸引・排出の際に変形しない材質であれば、どのようなものでも使用することができる。
また、本発明の実施の形態では、円筒状であるが、これにとらわれることはない。
【0039】
位置決め具4については、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部へのシート状の防振部材2の装着したい場所によって高さを調整する必要がある。
【0040】
また、位置決め具4に挿入導入部(面取りまたはテーパー)を設けておくと、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部へのシート状の防振部材2の挿入がより容易となる。
位置決め具4の挿入導入部のテーパー面は、中心軸に対する角度が5度以上30度以下にするとより好ましい。
【0041】
シャフト3に設けたエアー吸引・排出部5は、シート状の防振部材2を保持できれば良く、材質、大きさ、厚さによって穴の大きさ、個数を調整すれば良い。また、シート状の防振部材2を保持しない部分は、穴を開けないようにする必要がある。
【0042】
エアーポンプ6、バキュームポンプ7については、バキュームポンプ7によるエアー吸引時に、シート状の防振部材2をシャフト3に保持でき、エアーポンプ6によるエアー排出時に、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の内壁面に密着できれば良く、シート状の防振部材2の材質、大きさ、厚さによって、シャフト3に設けたエアー吸引・排出部5の穴の径や、数、ポンプ出力を調整する必要がある。
【0043】
シャフト3に保持されたシート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に装着する際、手作業で挿入しても良いが、うっかりミスによる欠品や損傷がおこることがあるため、感光体ドラム搬送ロボット11を使って、自動化するのが良い。
感光体ドラム搬送ロボット11は、1サイクル動作(原点から動作を開始して再び原点に戻るまでの動作)間に、感光体ドラム1の保持を1度しか行わないようにすれば、より生産効率を上げることができる。
【0044】
防振部材確認センサ9、感光体ドラム確認センサ10については、シート状の防振部材2、感光体ドラム1の存在が確認できればどのようなものでも用いることができる。
防振部材確認センサ9、感光体ドラム確認センサ10としては、反射型光センサ、レーザー変位センサを用いるとより好ましい。
【0045】
防振部材確認センサ9でシート状の防振部材2のシャフト3に対する保持が確認されたら、手作業の場合、ランプもしくは音でシート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入を促すようにし、また、感光体ドラム搬送ロボット11を使う場合は、防振部材確認センサ9でシート状の防振部材2のシャフト3に対する保持が確認されてから、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に自動的に挿入されるようにすればより好ましい。
シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入後、感光体ドラム確認センサ10で感光体ドラム1の存在を確認されたら、エアー吸引停止もしくは、エアー排出されるようにし、その後、シャフト3を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部から引き抜く。
【0046】
その際、感光体ドラム確認センサ10で感光体ドラム1の存在を確認できないにも関わらず、防振部材確認センサ9でシート状の防振部材2の存在が確認された場合は、シート状の防振部材2が感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に装着されなかったものとして、手作業の場合、ランプもしくは音でエラーを知らせ、もう一度シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に挿入し、また、感光体ドラム搬送ロボット11を使って自動化されている場合は、もう一度シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に自動的に挿入されるようにするのが好ましい。
何度か連続でエラーが出た場合は、エラー品として、良品とは別の場所に搬送されるようにする。
【0047】
シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に装着する手順としては、まず、シャフト3のエアー吸引・排出部5にシート状の防振部材2を当て、シート状の防振部材2が位置決め具4に密着するようにし、シート状の防振部材2をシャフト3上にエアー吸引することで保持する。
その際、手作業でシート状の防振部材2をシャフト3のエアー吸引・排出部5にもっていっても良いが、自動的にシート状の防振部材2をシャフト3のエアー吸引・排出部5に保持するようにしても良い。
【0048】
自動化の例としては、シャフト3を90度旋回できる機構を持たせ、シャフト3を90度旋回させ、シート状の防振部材2上にシャフト3のエアー吸引・排出部5が当たるようにすること等が挙げられる。
また、手動でシャフト3のエアー吸引・排出部5にシート状の防振部材2を当てる際、防振部材確認センサ9でシート状の防振部材2の存在が確認できた場合、シート状の防振部材2がシャフト3上に自動的にエアー吸引されるようにしておくと良い。
また、シート状の防振部材2は、複数用いることもできる。
【0049】
さらに、防振部材確認センサ9でシート状の防振部材2のシャフト3に対する保持が確認されたら、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に挿入する。
勿論、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に手作業で挿入しても良いが、感光体ドラム搬送ロボット11を使って、シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入を自動化するのがより良い。
【0050】
シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入確認後、エアー吸引を停止することで、シート状の防振部材2をその復元力で円筒状の感光体ドラム1の内壁面に密着させることができる。
シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入確認は、感光体ドラム確認センサ10を使うことで自動化が可能となる。
また、シャフト3上のシート状の防振部材2の保持部にエアー吸引・排出部5を設け、エアー排出することで、より確実にシート状の防振部材2をその復元力で円筒状の感光体ドラム1の内壁面に密着させることができる。
【0051】
本発明の防振部材装着装置15は、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内径r(mm)、シート状の防振部材2の感光体ドラム1への装着時の周方向長さb(mm)、シート状の防振部材2の厚さm(mm)、シャフト3の外径d(mm)が、下記式[1],[2]を満たす範囲にする必要がある。
r−(d+2×m)≧1 [1]
π×r/2≦b [2]
【0052】
上記式[1],[2]を満たす範囲にあることで、シート状の防振部材2をシャフト3に保持した状態で、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内径とシート状の防振部材2との間に1mm以上の隙間を持つようになり、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部にスムーズに挿入することができ、シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入後は、シート状の防振部材2が感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部で移動することがなくなる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0054】
図6は本発明の他の実施の形態に係わる防振部材の装着方法を示す原理図、(a)はシート状の防振部材の感光体ドラムの内部への挿入前を示す図、(b)はシート状の防振部材の感光体ドラムの内部への挿入時を示す図、(c)はシート状の防振部材の感光体ドラムの内部への挿入後を示す図である。
例えば、図1に示した本発明の一実施の形態に係わる防振部材の装着方法では、保持具14で保持した感光体ドラム1をシャフト3の上方から下降させることにより、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の内壁面に密着させて装着したが、その他に、シート状の防振部材2を、エアー吸引・排出部5を設けたシャフト3に位置決め具4で位置決めして巻き付け、図6(a)に示すように、シート状の防振部材2をシャフト3上にエアー吸引することで保持した後、パレット16に立てた感光体ドラム1の真上からシート状の防振部材2を保持したシャフト3を図6(a)の矢印方向に下降させ、図6(b)に示すように、シート状の防振部材2をエアー吸引するシャフト3をパレット16に立てた感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に挿入し、シャフト3のエアー吸引部5からのエアー吸引を停止することで、もしくはエアー吸引の停止に加えてエアー排出部5からエアー排出することで、シート状の防振部材2をその復元力で感光体ドラム1の内壁面に密着させ、その後、シャフト3をパレット16に立てた感光体ドラム1の真上に向って図6(c)の矢印方向に上昇させ、シャフト3が感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部から抜け外れ、図6(c)に示すように、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の内壁面に密着させて装着する構造にしても良い。
【0055】
(実施例)
以下、本発明を実施例、比較例をあげてさらに具体的に説明するが、これにより本発明は何ら限定されるものではない。
実施例1
導電性支持体ドラムとして、外径Rがφ30mm、内径rがφ28.4mm、長さLが340mmのアルミニウムパイプを用いた。
この導電性支持体ドラムのアルミニウムパイプ基体の表面には感光層が形成され、感光体ドラム1になっている。
感光体ドラム1を形成する方法は、この実施例1では直接関与しないので詳細な説明は省略するが、導電性支持体ドラムの表面を切削し、フタロシアニンを含む電荷発生層及びブタジエン化合物とポリカーボネート樹脂からなる電荷輸送層を、塗布により形成し、感光体ドラム1を作製した。
【0056】
シート状の防振部材2には、感光体ドラム装着時の長手方向長さa=100mm、感光体ドラム装着時の周方向長さb=58mm、厚さm=4mmの25%圧縮荷重が0.2kg/cm2のマイクロセルウレタンフォーム(イノアック社製
LE−20 商標)を用いた。
【0057】
位置決め具4は、高さ120mm、外径26mmを用い、シート状の防振部材2を保持するシャフト3は、ステンレス製、外径d=19.0mmを用いた。
また、シート状の防振部材2を保持するシャフト3の位置決め具4の上端から軸方向高さ95mmの高さまで直径2mmの穴を約100個開け、さらに、シャフト3上の円周方向の2mmは穴を開けない部分を作り、その部分にシート状の防振部材2の隙間が来るようにし、エアー吸引・排出部5とした。
【0058】
シャフト3上のエアー吸引・排出部5にシート状の防振部材2を当て、シート状の防振部材2の端縁を位置決め具4の上端に密着するようにし、シート状の防振部材2をシャフト3上にエアー吸引することで保持した。
その時、防振部材確認センサ9でシート状の防振部材2の存在が確認できたら、自動的にエアー吸引されるようにした。
防振部材確認センサ9でシート状の防振部材2のシャフト3に対する保持が確認されたら、感光体ドラム搬送ロボット11を使って、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に挿入した。
シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入確認後、エアー吸引を停止することで、シート状の防振部材2をその復元力で円筒状の感光体ドラム1の内壁面に密着させることができた。
【0059】
実施例2
シート状の防振部材2として、感光体ドラム装着時の長手方向長さa=180mm、感光体ドラム装着時の周方向長さb=60mm、厚さm=2mmの25%圧縮荷重が0.4kg/cm2のマイクロセルウレタンフォーム(イノアック社製 L−24 商標)を用い、位置決め具4の高さ80mm、シャフト3の外径d=20mmにし、エアー吸引及びエアー排出できるようにし、シャフト3上の円周方向の4mmは穴を開けない部分を作り、その部分にシート状の防振部材2の隙間が来るようにし、エアー排出することで、シート状の防振部材2をその復元力で円筒状の感光体ドラム1の内壁面に密着させた以外は、実施例1と同様に行った。
【0060】
実施例3
シート状の防振部材2として、感光体ドラム装着時の長手方向長さa=140mm、感光体ドラム装着時の周方向長さb=73mm、厚さm=1mmの25%圧縮荷重が0.7kg/cm2のゴムスポンジ(イノアック社製 C−4305商標)を用い、位置決め具4の高さ120mm、シャフト3の外径d=24mmにし、実施例2と同様に行った。
【0061】
実施例1〜実施例3のすべてにおいて、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部の指定位置に簡易且つ確実に挿入・密着させて装着することができ、シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への装着後は、シート状の防振部材2が感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部で移動することがなかった。
【0062】
比較例1
シート状の防振部材2の厚さmを4.5mmにした以外は、実施例1と同様に行った。
比較例1では、上記式[1]のr−(d+2×m)≧1を満たす範囲に当てはまらないため、シート状の防振部材2をシャフト3に保持した状態で、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内径とシート状の防振部材2との間に1mm以上の隙間を持たないため、シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への挿入時、シート状の防振部材2が感光体ドラム1の中空円筒基体13の端部開口13aに引っかかり、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部にスムーズに挿入することができず、シート状の防振部材2がシャフト3上からめくれてしまう場合もあった。
【0063】
比較例2
シート状の防振部材2の感光体ドラム1への装着時の周方向長さbを40mmにした以外は、実施例1と同様に行った。
比較例2では、上記式[2]のπ×r/2≦bを満たす範囲に当てはまらないため、シート状の防振部材2の感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部への装着は、シート状の防振部材2を感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部の指定位置に確実に挿入・密着することができたが、時間経過とともにシート状の防振部材2と感光体ドラム1の内壁面との間に隙間が生じ、感光体ドラム1の中空円筒基体13の内部に装着したシート状の防振部材2がちょっとした衝撃で移動してしまった。
【0064】
【発明の効果】
本発明の防振部材の装着方法によれば、シート状の防振部材を、エアー吸引部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー吸引を停止することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着する方法を用いることにより、感光体ドラムの中空円筒基体の表面の感光層を手で握ることなく、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に簡単に挿入・密着させて装着することができる。
【0065】
本発明の防振部材の装着方法によれば、シート状の防振部材を、エアー吸引部及びエアー排出部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー排出することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着する方法を用いることにより、感光体ドラムの中空円筒基体の表面の感光層を手で握ることなく、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に簡易且つ確実に挿入・密着させて装着することができる。
【0066】
本発明の防振部材の装着方法によれば、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトに位置決めして保持した後、シャフトに保持されたシート状の防振部材の端部に向けて感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、感光体ドラムの中空円筒基体の内部にシート状の防振部材を挿入する方法を用いることにより、装着の困難なシート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入をより確実に行うことができる。
【0067】
本発明の防振部材装着装置によれば、シート状の防振部材を保持するエアー吸引部を有するシャフトと、シート状の防振部材をシャフトに位置決めする位置決め手段とを備えた装置を用いることにより、シート状の防振部材をシャフトに巻き付けるのみで、シャフトのエアー吸引部がシート状の防振部材をエアー吸引するので、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引で保持することができ、位置決め手段がシート状の防振部材をシャフトに位置決めするので、装着の困難なシート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部の指定位置に挿入・密着して装着することができる。
【0068】
本発明の防振部材装着装置によれば、シャフトに保持されたシート状の防振部材の端部に向けて感光体ドラムを把持して感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、感光体ドラムの中空円筒基体の内部にシート状の防振部材を挿入する感光体ドラム搬送ロボットを備えていることで、感光体ドラム搬送ロボットがシート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入するので、感光体ドラム搬送ロボットを使用して、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入する装着作業を自動化することができ、感光体ドラムの中空円筒基体の表面の感光層を手で握ることなく、装着の困難なシート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への装着作業を大幅に効率化することができる。
【0069】
本発明の防振部材装着装置によれば、シート状の防振部材のシャフトへの保持を確認する防振部材装着確認手段と、シート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入を確認する防振部材挿入確認手段とを備えていることで、防振部材装着確認手段がシート状の防振部材のシャフトへの保持を確認し、防振部材挿入確認手段がシート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入を確認するので、シート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への装着をより確実に行うことができる。
【0070】
本発明の防振部材装着装置によれば、感光体ドラムの中空円筒基体の内径r(mm)、シート状の防振部材の感光体ドラム装着時の周方向長さb(mm)、シート状の防振部材の厚さm(mm)、シャフトの外径d(mm)が、下記式[1],[2]を満たす範囲にあることで、
r−(d+2×m)≧1 [1]
π×r/2≦b [2]
シート状の防振部材をシャフトに保持した状態で、感光体ドラムの中空円筒基体の内径とシート状の防振部材との間に1mm以上の隙間を持つようになり、シート状の防振部材を感光体ドラムの中空円筒基体の内部にスムーズに挿入することができ、シート状の防振部材の感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入後は、シート状の防振部材が感光体ドラムの中空円筒基体の内部で移動することがなくなる。
【0071】
本発明の防振部材によれば、25%圧縮荷重が1kg/cm2以下であるシート状の粘弾性材料を用いることにより、防振部材が適度な柔軟性を有するので、防振部材のシャフトへの装着時、リサイクル時の作業性が向上し、従来のスリットを有する円筒状の防振部材などの他の防振部材に比べて、材料費が安価であり、良好な生産性が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる防振部材の装着方法を示す原理図。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる防振部材装着装置を示す概略図。
【図3】本発明の一実施の形態に係わるシート状の防振部材の一例を示す斜視図。
【図4】本発明の電子写真感光体ドラムの一例を示す斜視図。
【図5】本発明のシート状の防振部材を内蔵された電子写真感光体ドラムへのフランジの装着前の状態を示す斜視図。
【図6】本発明の他の実施の形態に係わる防振部材の装着方法を示す原理図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(導電性支持体ドラム)
2 シート状の防振部材
3 シャフト
4 位置決め具(位置決め手段)
5 エアー吸引・排出部
6 エアーポンプ
7 バキュームポンプ
8 マニホールド
9 防振部材確認センサ(防振部材装着確認手段)
10 感光体ドラム確認センサ(防振部材挿入確認手段)
11 感光体ドラム搬送ロボット
12 フランジ
13 中空円筒基体
13a 端部開口
14 保持具
15 防振部材装着装置
16 パレット
a シート状の防振部材の感光体ドラム装着時の長手方向長さ
b シート状の防振部材の感光体ドラム装着時の周方向長さ
d シャフトの外径
m シート状の防振部材の厚さ
R 感光体ドラムの中空円筒基体の外径
r 感光体ドラムの中空円筒基体の内径
L 感光体ドラムの中空円筒基体の長さ
Claims (8)
- 中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に、シート状の防振部材を装着する方法であって、
前記シート状の防振部材を、エアー吸引部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー吸引を停止することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着することを特徴とする防振部材の装着方法。 - 中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に、シート状の防振部材を装着する方法であって、
前記シート状の防振部材を、エアー吸引部及びエアー排出部を設けたシャフトに位置決めして巻き付け、シート状の防振部材をシャフトにエアー吸引することで保持した後、シート状の防振部材をエアー吸引するシャフトを感光体ドラムの中空円筒基体の内部に挿入し、エアー吸引の停止に加えてエアー排出することで、シート状の防振部材がその復元力で感光体ドラムの内壁面に密着することを特徴とする防振部材の装着方法。 - 前記シート状の防振部材をエアー吸引する前記シャフトに位置決めして保持した後、前記シャフトに保持された前記シート状の防振部材の端部に向けて前記感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、前記感光体ドラムの中空円筒基体内部の所定位置まで前記シート状の防振部材を挿入することを特徴とする請求項1または2に記載の防振部材の装着方法。
- 中空円筒基体の表面に感光層を有する電子写真感光体ドラムの内壁面に、シート状の防振部材を装着する装置であって、
前記シート状の防振部材を保持するエアー吸引部を有するシャフトと、前記シート状の防振部材を前記シャフト上の所定の位置に位置決めする位置決め手段と、前記エアー吸引部を介してエアー吸引することで前記シート状の防振部材を前記シャフト上に位置決め保持すると共に、エアー吸引を停止することで前記保持を解除するようにしたエアー吸引手段と、前記シート状の防振部材をエアー吸引する前記シャフトに位置決めして保持した後、前記シャフトに保持された前記シート状の防振部材の端部に向けて前記感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、前記感光体ドラムの中空円筒基体内部の所定位置まで前記シート状の防振部材を挿入するように動作する防振部材挿入手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の防振部材の装着方法の実施に直接使用する防振部材装着装置。 - 前記防振部材挿入手段は、前記シャフトに保持された前記シート状の防振部材の端部に向けて前記感光体ドラムを把持して該感光体ドラムの中空円筒基体の端部開口を接近させ、前記感光体ドラムの中空円筒基体の内部に前記シート状の防振部材を挿入するように動作する感光体ドラム搬送ロボットであることを特徴とする請求項4に記載の防振部材装着装置。
- 前記シート状の防振部材の前記シャフトへの保持を確認する防振部材装着確認手段と、前記シート状の防振部材の前記感光体ドラムの中空円筒基体の内部への挿入を確認する防振部材挿入確認手段とを備えており、前記防振部材装着確認手段が防振部材確認センサであり、前記防振部材挿入確認手段が感光体ドラム確認センサであることを特徴とする請求項4または5に記載の防振部材装着装置。
- 感光体ドラムの中空円筒基体の内径r(mm)、シート状の防振部材の感光体ドラム装着時の周方向長さb(mm)、シート状の防振部材の厚さm(mm)、シャフトの外径d(mm)が、下記式[1],[2]を満たす範囲にあることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の防振部材装着装置。
r−(d+2×m)≧1 [1]
π×r/2≦b [2] - 前記シート状の防振部材は、25%圧縮荷重が1kg/cm2以下であるシート状の粘弾性材料よりなるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ かに記載の防振部材の装着方法の実施に直接使用する防振部材。
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