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JP3974429B2 - 乱数発生素子 - Google Patents

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JP3974429B2
JP3974429B2 JP2002054153A JP2002054153A JP3974429B2 JP 3974429 B2 JP3974429 B2 JP 3974429B2 JP 2002054153 A JP2002054153 A JP 2002054153A JP 2002054153 A JP2002054153 A JP 2002054153A JP 3974429 B2 JP3974429 B2 JP 3974429B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乱数発生素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットなど情報通信ネットワークが整備されてきており銀行決済などの商取引も情報通信ネットワーク上で行われるようになってきている。これにともなってセキュリティに対する要求が増大してきており、さまざまな暗号システムが開発されている。
【0003】
このような暗号システムにおいては質のよい乱数を発生させることがセキュリティを高くするためには必要である。ここで乱数の質とは乱数に周期性がないこと、乱数を予測することが不可能であることなどが挙げられる。
【0004】
従来、乱数は、シフトレジスターなどの計算ソフトなどを用いて発生させていた。しかしながらこれは擬似乱数であり、どうしても数が多くなると、周期性が現れてしまいセキュリティの低下を招いていた。
【0005】
このため質がよい真性の乱数を発生させるために、熱雑音などの物理現象に基づく物理乱数を用いる方法が考えられている。このような物理現象に基づく物理乱数は原理上真性の乱数といえるものであり、究極の乱数発生方法といえる。
【0006】
このひとつとしてダイオードの熱雑音の信号を増幅することによって乱数を発生させる装置が提案されている。この装置ではダイオードの極めて小さい熱雑音の信号を様々な増幅装置によって増幅させているので、質の高い一様な乱数列を発生させるためには回路規模が大きくならざるを得なかった。
【0007】
また、この装置では、ダイオードの電流電圧特性を基準としなければならず基準値を設定することが困難であり、その結果出力に偏りが生じてしまうことが多かった。
【0008】
また、半導体チップの処理速度が高速化するにつれて、乱数を発生させる速度も高速化させる要求もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の乱数発生装置では、回路規模が大きく、出力に隔たりが生じるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、回路規模が小さく偏りが少ない乱数発生素子を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、乱数を発生させる速度が極めて速い乱数発生素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、並列に配置された一対の第1の電流路及び第2の電流路と、
前記第1の電流路及び前記第2の電流路の近傍に配置され、相互に電荷が移動可能な一対の第1の微粒子及び第2の微粒子とを具備し、
すくなくとも前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子の一方が前記第1の電流路及び前記第2の電流路の一方と電気的に結合していることを特徴とする乱数発生素子を提供する。
【0013】
このとき、前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子が、前記第1の電流路及び前記第2の電流路の間に配置されていることが好ましい。
【0014】
また、前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子は、電荷のエネルギー準位が帯電エネルギーを含めて離散的であることが好ましい。
【0015】
また、前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子は、直径100nm(ナノメートル)以下であることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、並列に配置された一対の第1の電流路及び第2の電流路と、
前記第1の電流路及び前記第2の電流路の間に配置され、直径1μm以下の微粒子と、
前記微粒子及び前記第1の電流路の間に配置された第1の絶縁層と、
前記微粒子及び前記第2の電流路の間に配置された第2の絶縁層とを具備し、
前記第1の電流路、前記第1の絶縁層及び前記微粒子を有する第1のキャパシタンス或いは前記第2の電流路、前記第2の絶縁層及び前記微粒子を有する第2のキャパシタンスの容量のうち少なくとも一つが1nF(ナノファラッド)以下であることを特徴とする乱数発生素子を提供する。
【0017】
このとき、前記微粒子のプラズマ振動数が前記第1の電流路及び前記第2の電流路の電子速度よりも小さいことが好ましい。
【0018】
また、前記微粒子が奇数個あることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、並列に配置された一対の第1の電流路及び第2の電流路と、
前記第1の電流路及び前記第2の電流路の間に配置され、相互に電荷が移動可能な複数のトラップ準位を有する手段とを具備し、
すくなくとも前記トラップ準位が前記第1の電流路及び前記第2の電流路の一方と電気的に結合していることを特徴とする乱数発生素子を提供する。
【0020】
ここで並列とは、平行である必要はない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、種々工夫して用いることができる。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係わる乱数発生素子の概念図である。
【0023】
図1に示すように、この乱数発生装置は、並列に配置された一対の第1の電流路1及び第2の電流路2と、第1の電流路1及び第2の電流路2の間に配置され、相互に電荷が移動可能な一対の第1の微粒子3及び第2の微粒子4とを具備している。
【0024】
ここで第1の微粒子3及び第2の微粒子4は、電荷の波動関数の効果が現れるのに十分小さい構造であり、例えば直径が100nm以下である。これを量子ドットと呼ぶ。
【0025】
また、第1の微粒子3及び第2の微粒子4はキャパシタンスC、抵抗Rをもつトンネル障壁6を隔てて電気的に結合しており、互いに電荷が移動可能になっている。
【0026】
また、第1の微粒子3と第1の電流路1は、キャパシタンスC、抵抗Rをもつ障壁5を介して電気的に結合している。第2の微粒子4と第2の電流路2は、キャパシタンスC、抵抗Rをもつ障壁7を介して電気的に結合している。
【0027】
ここで、第1の微粒子3及び第2の微粒子4が結合している一対の量子ドット系23には局所的に電気的中性条件からはずれているとする。つまり、この一対の量子ドット系23には余分な電荷8が第1の電流路1或いは第2の電流路2より注入されている状態或いは分極を起こしているものとする。これは
>>R、R>>R
の関係式が成り立ち、一対の量子ドット系23内、すなわち相互に電荷が移動可能な第1の微粒子3及び第2の微粒子4間での電荷移動のほうが電流路と量子ドット系の間の電荷移動よりも容易であることを可能にすれば実現する。
【0028】
この乱数発生素子は、第1の微粒子3及び第2の微粒子4の直径がナノメーターオーダーぐらいのサイズになった場合に、電子などの電荷が第1の微粒子3或いは第2の微粒子4に存在する確率が物理的な不確定さで揺らぐことを利用している。この物理的な不確定さで揺らぐ電荷分布が、第1の電流路1及び第2の電流路2に流れる電流に与える影響を観測することで物理乱数を発生させることができる。
【0029】
例えば微細構造のキャパシタンスを
C=εS/d
と見積もる。このときSは微細構造体のおおよその面積、dは構造体間のおおよその距離、εは比誘電率である。
【0030】
第1の微粒子3及び第2の微粒子4として、直径10nmの二つのシリコン微粒子が距離2.5nmで離れて存在していると仮定すると、キャパシタンスはおよそ2.2aF(10−18F)となる。この場合電子1個の帯電エネルギーは36meVとなる。
【0031】
この電子1個の帯電エネルギー36meVは、室温300Kの熱エネルギー25.8meVよりも十分大きいので、この一対の量子ドット系23では電荷分布の変化が室温で観測されるようになる。この現象は一般的にクーロンブロッケイド効果と呼ばれている。
【0032】
一方、局在準位間の電荷の移動に伴う抵抗をRとするならば、電荷が局在準位に落ち着く時間Δtはおおよそ
Δt=1/(CR)
で見積もられる。
【0033】
例えば、第1の微粒子3及び第2の微粒子4間のトンネル抵抗Rが10Ωの場合、クーロンブロッケイド効果が観測されるとするならばΔtは約4.5×10−11秒となる。ここでクーロンブロッケイド効果が観測される抵抗値Rを25.8kΩ以上、キャパシタンスCを2.2aFと見積もった。
【0034】
図1において、例えば第1の電流路1に電流を流せば、第1の電流路1を流れる電流内の電子からのクーロン反発力により、第1の微粒子3内の電荷分布は変化し、電子8が第1の電流路1に流れる電流から離れるように再配置される。
【0035】
電流路としてシリコンFETのソースドレイン間を考える。ソースドレイン間の移動度をμ、ソースドレイン間に印加される電界をEとすると、ソースドレイン間を流れる電流内の電荷の速度vはv=μEで与えられる。
【0036】
第1の微粒子3及び第2の微粒子4の直径をlとすれば、第1の電流路1を流れる電流内の電荷が、第1の微粒子3及び第2の微粒子4の近傍を横切る時間Δt
Δt=l/v=l/(μE)
で与えられる。ここでもしΔtとΔtのうち一方の値が他方の値よりも1000倍以下の値であれば電流は電子の再配置を感知することになる。
【0037】
例えば、移動度μを1000cm/(Vs)、電界Eを10cm/秒とするならば、電子の速度は1015nm/秒となる。従って第1の微粒子3の直径を10nmとすると、電子が第1の微粒子3の近傍を横切る時間ΔtIは10−13秒となり、第1の微粒子3内の電荷分布と第1の電流路1を流れる電流とは相互作用をすることになる。
【0038】
このとき、第1の電流路1に電流を流すことにより第1の微粒子1内の電荷分布が揺らぎ、この電荷分布の揺らぎが再び第1の電流路1に流れる電流に反映されるため、電流は時間的に揺らぐことになる。ここで、第2の電流路2を第2の微粒子4の近傍に配置し、第1の電流路1及び第2の電流路2に流れる電流量を同じになるように調整する。このとき電流量を同じように調整するとは、例えば第1の電流路1及び第2の電流路2を同じ材質で同じ断面積の配線とし同じ電圧を印加させるように調整すればよい。
【0039】
しかし第1の電流路1及び第2の電流路2の電流量を厳密に一致させることはできないうえ、電流を流す前の一対の量子ドット系23内すなわち第1の微粒子3及び第2の微粒子内の電荷状態はその時々で異なるため、第1の電流路1及び第2の電流路2に流れる電流の差は測るごとにゼロ付近をプラス、マイナス均等に分布することになる。
【0040】
以上より、図2に示すように、第1の電流路1及び第2の電流路2に電流を流す前の状態を起点とし、第1の電流路1及び第2の電流路2に流れる電流の差を差動増幅回路90につなげれば、電流の値として乱数を得ることができる。
【0041】
図2には、簡略化した差動増幅回路90を示し、第1の電流路1と第2の電流路2の電流差を増幅して出力91より取り出すものである。
【0042】
このようにして物理現象による物理乱数を発生することができる。
【0043】
この現象は電流値がプラス・マイナスゼロ付近で揺らぐため、ダイオード等の熱雑音を増幅する乱数発生装置のような「0」、「1」間の偏りが本質的に少ない。
【0044】
また、上記のΔtの計算例でも分かるが、第1の微粒子3及び第2の微粒子間の距離を調整するだけで、ピコ秒(10−12秒)程度或いはこれ以下の早い動作が実現できる。
【0045】
本実施形態における乱数発生素子は、量子力学的な波動関数の変化が強く働く場合であり、第1の微粒子3及び第2の微粒子4を有する一対の量子ドット系23の電荷分布を観測するという行為が主に波動関数の波束の収束をもたらす。
【0046】
従って、量子力学的に予測不可能である量子揺らぎを利用した物理乱数であり数が多くなっても全く周期性は現れない。
【0047】
これは電荷の波動関数が強く重なりあった状況であり、その最も典型的で簡単な構成は、第1の微粒子3及び第2の微粒子4内における一つのエネルギー準位間を電気的に結合させた状態に余分な電荷が一つ加えられた状態、すなわち量子的二準位系の場合である。このとき、直接にしろ、間接的にしろ波動関数が重なり合い、量子力学的効果が期待される。
【0048】
図3に、この一対の量子ドット系23のポテンシャルを示す。
【0049】
この一対の量子ドット系23における電荷の運動はシュレーディンガー方程式により記述される(T.Tanamoto, Physical Review A Vol.61,p022305(2000))。
【0050】
電子は二つの量子ドット間を量子ドット間のトンネリング障壁の高さと厚さに依存する周期で行き来する。このとき二つの量子ドットのどちらに電荷が存在するかを近接した第1の電流路1或いは第2の電流路2により観測する場合、第1の微粒子3及び第2の微粒子4のいずれに電荷が発見されるかは、確実には分からない。
【0051】
これは量子力学の本質であり、予測できるのは、波動関数の振幅の二乗、すなわち二つの量子ドットそれぞれに電荷が存在する確率だけである。二つの量子ドットの電磁気的なポテンシャル構造が同じならば、二つの量子ドットに電荷が存在する振幅が等しくなるので、二準位系のどちらに電荷がいるかは全く等価である。
【0052】
従って二つの量子ドットのどちらに電荷が存在するのかを観測し、一方の量子ドットに電荷がいることが観測された場合を「0」、他方の量子ドットに電荷が発見された場合を「1」とすれば乱数となる。この場合、温度の効果で各量子ドット内の基底準位だけでなく、励起状態を経ても構わない。
【0053】
図4は、第1の微粒子3及び第2の微粒子4を有する一対の量子ドット系23を第1の電流路1及び第2の電流路2の間に奇数個並べたものである。それぞれの一対の量子ドット系23をちょうど平均すると「0」と「1」半々の揺らぎの電流値が得られる。
【0054】
このとき第1の電流路1及び第2の電流路2を流れる電流内の電荷の速度が遅く、一対の量子ドット系23における分極の効果が平均化された場合でも、一対の量子ドット系23が奇数個ならば、第1の電流路1及び第2の電流路2には必ず「0」か「1」の影響が残る。
【0055】
また、一対の量子ドット系23が3つ以上存在する場合は、隣接する一対の量子ドット系23間には電荷が反対に分布するようにクーロン力が働くため、量子ドット内の電荷分布が一つの方向に偏ることをさらに抑制する効果も期待できる。
【0056】
また、ある一対の量子ドット系が機能しない場合や、機能しても一方の量子ドットに電荷が偏在するような場合でも、一対の量子ドット系が複数個存在することによって乱数発生素子としては機能する。
【0057】
(実施形態2)
次に、図5を用いて、本発明の実施形態2に係わる乱数発生素子について説明する。
【0058】
本実施形態では、主に、電荷状態が安定していないキャパシタンスネットワークの電位分布の時間変化と電流の揺らぎの時間変動が相互作用する効果を利用する。
【0059】
図5(a)に示すように、この乱数発生素子は、並列に配置された一対の第1の電流路1及び第2の電流路2と、第1の電流路1及び第2の電流路2の間に配置され、直径1μm以下の微粒子9と、微粒子9及び第1の電流路1の間に配置された第1の絶縁層10と、微粒子9及び第2の電流路2の間に配置された第2の絶縁層11とを具備している。
【0060】
このとき第1の電流路1、第1の絶縁層10及び微粒子9を有する第1のキャパシタンス及び第2の電流路2、第2の絶縁層11及び微粒子9を有する第2のキャパシタンスの容量のうち少なくとも一つが1nF以下である。
【0061】
図5(b)は、第1の電流路1及び第2の電流路2の間に微粒子9が複数個ある場合の構造を示す。この場合は第1の電流路1及び第2の電流路2に存在する電荷と微粒子9に存在する電荷との間でクーロン相互作用があり、このクーロン相互作用によって第1の電流路1及び第2の円粒ライン2に流れる電流と微粒子9内の電荷分布が時間的に揺らぐ。
【0062】
このように微粒子9が量子効果を示すほど小さくなくても、各微粒子9上の電荷の間で作用するクーロン相互作用の影響によっても、第1の電流路1及び第2の電流路2に流れる電流と微粒子9の電荷分布が時間的に揺らぐ。
【0063】
この場合微粒子9内に存在する電荷と電流路間のキャパシタンス或いは微粒子9間のキャパシタンスの内、少なくとも一つが1nF以下であることが、電荷分布の揺らぎを電流として観測するためには必要である。
【0064】
また、第1の電流路1及び第2の電流路2間の絶縁膜は一つであっても構わないし、三つ以上であっても構わない。
【0065】
図5(c)は、第1の電流路1及び第2の電流路2と微粒子9間との間の絶縁膜として、空気などを用いた場合を示している。
【0066】
この原理は以下のとおりである。
【0067】
第1の電流路1及び第2の電流路2のうち、一方の電流路に流れる電流は、微粒子9の電荷分布を変化させ、ひいては他方の電流路にも影響を与える。一方の電流路に流れる電流が多くなれば、クーロン反発力により、他方の電流路に流れる電流は抑制される。この変動を出力として「0」、「1」とすれば質のよい乱数となる。
【0068】
本実施形態の乱数発生素子に用いる微粒子は、必ずしも量子的なエネルギー準位の間隔が測定温度で観測されていなくてもよく、少数電荷の滞在場所が少数電荷同士及び電流路との間の相互作用で時間変動することが電流路の揺らぎを生む。
【0069】
この場合微粒子の大きさは、量子ドットよりも大きくなってきた場合に効果が大きくなる。しかしこの場合も、電荷の揺らぎはキャパシタンスのエネルギーの大きさであるから、微粒子系70の構造のうちいくつかのキャパシタンスが小さければ小さいほどその効果は大きくなる。
【0070】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係わる乱数発生素子について説明する。
【0071】
本実施形態では、電流路間の物質構造のもつ特徴的なプラズマ振動数と電流路を流れる電流の時間的な変動の大きさが大きく離れていない場合、やはり電流路とその間の物質内電荷が強く相互作用し、電流値が揺らぐ効果を利用する。
【0072】
図6(a)は、本実施形態に係わる乱数発生素子の構成図である。
【0073】
この乱数発生素子は、第1の電流路1及び第2の電流路2の間に構造体13が存在している。この構造体13は帯電もしくは分極しており、そのプラズマ振動数が、第1の電流路1及び第2の電流路2を流れる電流のおおよその振動周期である、1/Δt(上記の式)と同じくらいになるようにする。
【0074】
こうすることで構造体13の電荷分布の変動と、第1の電流路1及び第2の電流路2を流れる電流とが同期し、電流に揺らぎが生じる。この揺らぎは第1の電流路1及び第2の電流路2で逆なので、良質の乱数が得られることになる。
【0075】
図6(a)に示す乱数発生素子は、第1の電流路1及び第2の電流路2の間の構造体13そのものにプラズマ振動が発生している場合である。この構造体13は直径が1μm程度以下の微粒子が絶縁膜12で覆われている。
【0076】
この他に図6(b)に示すように、直径が100nm程度以下の微粒子14が、それぞれ第1の電流路1、第2の電流路2の近傍に配置され、配線15を介して電気的に結合されている場合がある。配線15は、絶縁膜73を介して、それぞれ微粒子14と電気的に結合している。この場合、微粒子14間には巨視的な数の電子が介在し、そのプラズマ振動数が配線15に流れる電流の時間変動と大きく異なるが、配線15のプラズマ振動数が第1の電流路1、第2の電流路2における揺らぎの振動数とかけ離れていなければ、第1の電流路1及び第2の電流路2間の相関が生じ、効率的な乱数発生に使用できる。
【0077】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係わる乱数発生素子について説明する。
【0078】
本実施形態では、電流路間に複数のトラップ準位を配置した構造であり、複数のトラップ準位間を移動する電荷の時間的な変動の大きさが、電流路を流れる電流の時間的な変動の大きさと大きく離れていない場合、やはり電流路とその間の物質内電荷が強く相互作用し、電流値が揺らぐ効果を利用する。
【0079】
図7に示すように、トラップ準位17を含む膜16を挟んで第1の電流路1と第2の電流路2を設ける。トラップ準位17へは第1の電流路1或いは第2の電流路2から電荷が漸次移動しても構わないし、最初から多くの電荷の注入しても構わない。
【0080】
このトラップ準位17の電荷の時間的変動を介して、第1の電流路1及び第2の電流路2間に相互作用が生まれ、良質の乱数を生成する。
【0081】
トラップ準位17は、FIB(Focused Ion Beam)を用いてGa、B、Si、W等を絶縁膜に打ち込むことによって形成できる。
【0082】
以下、本発明の乱数発生素子について具体的な構造を説明する。
【0083】
図8乃至図17は、本発明の実施形態1から4に係わる乱数発生素子をシリコン基板上に形成した断面図である。微粒子が十分小さく量子効果が生じる程度になれば、実施形態1で説明した効果が強く働く。
【0084】
微粒子の大きさが均一でなく、あるものは比較的大ききいならば、実施形態2で説明した効果も働く。
【0085】
さらに微粒子の大きさが大きくなれば実施形態3で説明した効果が支配的になる。
【0086】
以下の構造において絶縁膜などに何らかのトラップ準位が存在すれば、実施形態4で説明した効果も発揮する。ここで図13、図14、図15に示す乱数発生素子は実施形態4で説明した効果が働く。
【0087】
(実施例1)
図8(a)に、実施例1に係わる乱数発生素子の断面図を示す。電流は紙面に垂直な方向に流れる。
【0088】
この乱数発生素子は、シリコン基板20上に絶縁膜22が形成されている。絶縁膜22上にはシリコン微粒子23が形成されている。シリコン微粒子23は、酸化膜24で覆われている。絶縁膜22及び酸化膜24の側面には、2つの側壁細線25が形成されている。
【0089】
この2つの側壁細線25は、それぞれ第1の電流路1及び第2の電流路2となる。シリコン微粒子23は、2つの側壁細線25の間に位置するように設けられている。また、二つのシリコン微粒子23は、互いに電荷が移動可能である一対の量子ドット系23である。
【0090】
この作製方法は以下のとおりである。
【0091】
先ず、図8(b)に示すように,Si基板20上に素子領域21を形成して、素子領域51を形成する。次に、Si基板20の表面を熱酸化し、厚さ10nm以下のSi酸化膜22を形成する。Si基板20としてはn型でもp型でもよい。
【0092】
次に、図8(c)に示すように、CVD法等を用いてポリSi層を形成し、アニールすることによりSi量子ドット28を形成する。
【0093】
次に、図8(d)に示すように、CVD法等を用いて再び酸化膜24を厚さ8nm程度形成する。
【0094】
次に、図8(e)に示すように、露光装置を用いて、酸化膜24をパターニングする。この際このパターニングにより残す部分はSi量子ドット28が一つ以上残ることが望ましい。
【0095】
次に、図8(f)に示すように、CVD法等を用いてポリSi層を作製し、このポリSi層をはがすことにより、Si量子ドット28を含む部分の両側にポリSi層からなる側壁細線25を形成する。
【0096】
次に、図8(g)に示すように、第1の電流路1及び第2の電流路2のソース(S)とドレイン(D)を分ける位置にマスクをポジレジスト等により形成する。ここで図8(g)は、素子領域を基板に対して上から見た図である。
【0097】
次に、図8(h)に示すように、イオン注入を行い電流のコンタクト領域となるソース(S)とドレイン(D)を形成する。この際、Si基板20として、n型を用いる場合にはホウ素などを、p型を用いる場合にはリンなどを注入する。図8(i)に、この鳥瞰図を示す。
【0098】
次に、コンタクトを取ることにより外部の差動増幅回路を結びつける。側壁細線25が第1の電流路1及び第2の電流路2となり、隣接する結合量子ドット系23の電荷分布の影響を読み取ることになる。
【0099】
なお、ここで量子ドット28としてはポリスチレンビーズなどのナノ粒子を塗布してもよい。また、Auなど金属微粒子を用いてもよい。
【0100】
また、量子ドット28の代わりに、アモルファスSi層をつけてもよい。アモルファスSiには多くのトラップ準位がトンネリング障壁を隔てて存在しているので、結合量子ドット系23の代わりとして利用できる。
【0101】
この場合、電流路に沿ってきちんと二つの量子ドットが並んでいるとは限らないが、二つ以上の量子ドット系においても電流路が量子ドットのサイズに比べて長ければ、二つの電流路が検知する量子ドットの分布は均一だと言える。
【0102】
図8(j)は、素子分離としてSTI(Shallw Trench Isolation)と呼ばれる方法を用いた場合の断面図である。
【0103】
図8(k)は、基板20の代わりに、SOI基板100を用いた場合の鳥瞰図である。SOI基板100を用いた場合、イオン注入した部分は基板内の酸化膜101まで到達しても構わない。
【0104】
(実施例2)
図9(a)に、実施例2に係わる乱数発生素子の断面図を示す。電流は紙面に垂直な方向に流れる。
【0105】
この乱数発生素子は、シリコン基板20上に絶縁膜22が形成されている。絶縁膜22上にシリコン微粒子23が形成されている。シリコン基板20上の絶縁膜22下には、第1の電流路1及び第2の電流路2が形成されている。第1の電流路1及び第2の電流路2の間にはシリコン微粒子23が位置している。
【0106】
この作製方法は以下のとおりである。
【0107】
先ず、図9(b)に示すように、Si基板20上に素子領域51を一部がくびれるように形成する。図9(b)は上から見た図である。このくびれは量子ドットの電界変化を効率的に検知するためのものであり、必ずしも必要ではない。この素子領域51にイオン注入を行うことで、導電領域を形成する。イオン注入するイオンの種類等は実施例1と同じである。
【0108】
次に、図9(c)に示すように、素子領域の真中部分を電子ビーム露光装置等により露光し、Si基板20をエッチングすることによりトレンチ構造30を形成する。
【0109】
次に、図9(d)に示すように、全体を酸化し、酸化膜22を形成する。次に、CVD法等により酸化膜22上に、ポリSi膜を形成し、実施例1と同じようにSi量子ドット系28を形成する。図9(g)に、このときの鳥瞰図を示す。また、図9(f)に、素子を上からみた図を示す。
【0110】
次に、図9(e)に示すように、CVD法等により酸化膜80を蒸着し、コンタクトホールを空けて電流端子を形成する。図9(e)中、まるで囲んだ範囲が量子ドット系23として効果を発揮する。
【0111】
量子ドット系の形成については実施例1と同じく、ポリSi以外の量子ドットも利用できる。
【0112】
また、図9(h)に示すように、トレンチ構造30は、例えばSi基板20の面方位を利用した異方性エッチング等で置き換えてもよい。
【0113】
また、図9(i)は、素子分離としてSTI27を用いた場合の断面図である。
【0114】
また、図9(j)は、基板としてSOI基板100を用いた場合の断面図である。SOI基板100を用いた場合、イオン注入した部分は基板内の酸化膜101まで到達しても構わない。
【0115】
(実施例3)
図10(a)に、実施例3に係わる乱数発生素子の断面図を示す。電流は紙面に垂直な方向に流れる。
【0116】
この乱数発生素子は、トレンチ内にシリコン微粒子9が埋め込まれ、その両側に絶縁膜31を介して、第1の電流路1及び第2の電流路2が形成されている。第1の電流路1及び第2の電流路2は、シリコン酸化膜32上に積層形成されたものである。一対のシリコン微粒子9によって、結合量子ドット系23を形成している。
【0117】
この作製方法は以下のとおりである。
【0118】
先ず、図10(b)に示すように、Si基板20上に、厚さ数百nm以上のSi酸化膜32を形成する。次に、Si酸化膜32上にポリSi層33を形成する。このポリSi層33は、後に第1の電流路及び第2の電流路となる。次に、ポリSi層33上に、CVD法等によりSi酸化膜34を形成する。
【0119】
次に、図10(c)に示すように、Si酸化膜34、ポリSi層33及びSi酸化膜32の一部をパターニングし、トレンチ構造30を形成する。
【0120】
次に、図10(d)に示すように、熱酸化によりトレンチ構造30の内壁に薄い酸化膜層31を形成する。
【0121】
次に、図10(e)に示すように、トレンチ構造30内にポリSi等によりSi量子ドット9を形成する。
【0122】
次に、図10(f)に示すように、CVD法等により保護酸化膜35を形成する。
【0123】
次に、図10(g)に示すように、第1の電流路及び第2の電流路とコンタクト35を取る。図10(g)は素子を上から見たものである。
【0124】
(実施例4)
図11に、実施例4に係わる乱数発生素子の断面図を示す。電流は紙面に垂直な方向に流れる。
【0125】
この乱数発生素子は、絶縁膜40上に第2の電流路2が形成されている。第2の電流路2上には絶縁膜41を介して、第1の電流路1が形成されている。第1の電流路1上には、絶縁膜42が形成されている。第1の電流路1及び第2の電流路2は、エッチングにより端部が形成されており、この端部に側壁絶縁膜43が形成されている。側壁絶縁膜43の側壁上にはシリコン微粒子9が形成されており、これらのシリコン微粒子によって量子ドット系23が形成されている。
【0126】
この構造でも、結合量子ドット系23で電荷が移動可能で、この電荷分布が、近接する第1の電流路1及び第2の電流路2に影響を与えることで、乱数を発生させることができる。
【0127】
この構造は、絶縁膜40、第2の電流路2、絶縁膜41及び第1の電流路1が積層された積層膜の一部をパターニングして、その角を酸化して、シリコン微粒子23をこの角に堆積することで形成することができる。
【0128】
(実施例5)
図12に、実施例5に係わる乱数発生素子の断面図を示す。
【0129】
この乱数発生素子は、絶縁膜40上に第2の電流路2が形成されている。第2の電流路2上には絶縁膜45中にシリコン微粒子9が埋め込まれた結合量子ドット系23が形成されている。この結合量子ドット系23上には、第1の電流路1が形成されている。第1の電流路1上には、絶縁膜42が形成されている。
【0130】
この構造は、絶縁膜40、第2の電流路2、絶縁膜45中にシリコン微粒子9が埋め込まれた結合量子ドット系23、第1の電流路1及び絶縁膜42を積層した後に、最後にパターニングして形成することができる。
【0131】
(実施例6)
図13に、実施例6に係わる乱数発生素子の断面図を示す。
【0132】
この乱数発生素子は、絶縁膜50上に第2の電流路2が形成されている。第2の電流路2上には絶縁膜51が形成されている。絶縁膜51上には、SiN膜52が形成されている。SiN膜52上には絶縁膜53が形成されている。絶縁膜53上には、第1の電流路1が形成されている。第1の電流路1上には、絶縁膜54が形成されている。
【0133】
SiN膜52と絶縁膜51及び53との界面には、トラップ準位55が形成されている。このトラップ準位55は、第1の電流路1及び第2の電流路2の間に形成されている。
【0134】
(実施例7)
図14に、実施例7に係わる乱数発生素子の断面図を示す。
【0135】
この乱数発生素子は、絶縁膜50上に第2の電流路2が形成されている。第2の電流路2上には絶縁膜51が形成されている。絶縁膜51上には、アモルファスSi膜60が形成されている。アモルファスSi膜60上には絶縁膜53が形成されている。絶縁膜53上には、第1の電流路1が形成されている。第1の電流路1上には、絶縁膜54が形成されている。
【0136】
アモルファスSi膜60は、粒界状のものであり、一部が量子ドットとして機能する。また、アモルファスSi膜60の粒界面にはトラップ準位が存在するので、このトラップ準位を利用する。
【0137】
(実施例8)
図15に、実施例8に係わる乱数発生素子の断面図を示す。
【0138】
この乱数発生素子は、Si基板20上に熱酸化膜で覆われた結合量子ドット23が形成されている。この上にシリコン層61が形成されている。
【0139】
第2の電流路2として、Si層基板20の表面を用いる。第1の電流路1としては、シリコン層61を利用する。
【0140】
この構造は、絶縁膜上にSiをエピタキシャル技術により積層したのち、結晶化することにより第1の電流路1を形成することで得られる。このときシリコン層61の結晶化が完全に行われなかった場合も考えて、この上にゲート電極62を形成する。このゲート電極62は第1の電流路1と第2の電流路2における電流量の調節に用いられる。
【0141】
以下、その他の実施例について説明する。
【0142】
図16(a)、図16(b)、図16(c)は、それぞれ図8、図9、図11の量子ドットの代りにFIBなどでGa、B、Si、Wなどのイオンを打ち込んで形成したトラップ準位55を利用したものである。その他の構造は、それぞれ図8、図9、図11と同じである。
【0143】
ここでこのトラップ準位は基板まで到達しても構わない。また、FIBなどを使わずに、KOHなどを行ってSi基板の表面を荒らして、熱酸化膜との間にトラップ準位を形成しても構わない。
【0144】
以上の実施例では、第1の電流路及び第2の電流路にポリSiを用いたが、このポリSi層は伝導性を高めるためにCoSi、FeSi、NiSi、TiSi等でシリサイド材料を用いても良い。
【0145】
また、第1の電流路及び第2の電流路として、Al、Fe、Ti、Ni、Co、Cu等の金属を用いてもよい。
【0146】
また、以上の実施例では単一の成分からなる量子ドットを用いたが、量子ドット自体も表面をシリサイド化しても構わない。また、二種類の半導体もしくは金属を用いても構わない。
【0147】
また、以上の実施例において量子ドット系の電荷分布を調整するため、ゲート電極を素子の上或いは基板の裏側に形成してもよい。
【0148】
また、量子ドット系の電子状態の制御性をよくするため、上記の素子構造に磁場をかけてもよいし、また、電磁気的に結合させるため、キャビティもしくは多重量子井戸構造の中においてもよい。
【0149】
以上の実施例では主に量子ドットが二つ結合したものを用いたが、結合する量子ドットの数は三つ以上でも構わない。この場合、例えば、第五の実施例では積層される量子ドットの数が三層以上になる。
【0150】
また、素子領域の作製、素子分離はLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法でもよいし、STI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれる方法でも構わない。また、その他の生成法でも構わない。
【0151】
また、上記の実施例では、トンネル酸化膜及び絶縁膜としてSi酸化膜を用いたが、代りにSiNや酸化アルミニウムやHfO、ZrO等の誘電率の高い材料でも構わない。また、これらの材料を二つ以上積層しても構わない。
【0152】
また、第1の電流路及び第2の電流路はところどころがくびれている所謂、ポイントコンタクト構造でも構わないし、単一電子素子でも構わない。
【0153】
また、基板としてシリコン基板を用いて説明したが、ガラス、STO、GaN、GaAs等の基板でも構わない。
【0154】
【発明の効果】
微小電荷の量子力学的、熱的揺らぎが対等な電流路を流れる電流に影響を与える構造になっているため、電流路間の差の電流を乱数データと利用することにより、偏りのない良質な乱数を微細な回路で、高速に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係わる乱数発生素子の概念図。
【図2】 本発明の実施形態1に係わる乱数発生素子の概念図。
【図3】 一対の量子ドット系のポテンシャルの図。
【図4】 第1の微粒子3及び第2の微粒子4を有する一対の量子ドット系を第1の電流路1及び第2の電流路2の間に奇数個並べた図。
【図5】 本発明の実施形態2に係わる乱数発生素子であり、(a)は、断面図、(b)は断面図、(c)は、鳥瞰図である。
【図6】 本発明の実施形態3に係わる乱数発生素子の構成図。
【図7】 本発明の実施形態4に係わる乱数発生素子の断面図。
【図8】 本発明の実施例1に係わる乱数発生素子であり、(a)は断面図、(b)乃至(f)及び(h)は主用工程を示す断面図であり、(g)は上面図であり、(i)は鳥瞰図であり、(j)は変形例の断面図であり、(k)は変形例の鳥瞰図である。
【図9】 本発明の実施例2に係わる乱数発生素子であり、(a)は断面図、(b)乃至(e)は主用工程を示す断面図であり、(f)は上面図であり、(g)は鳥瞰図であり、(h)乃至(j)は変形例の断面図である。
【図10】 本発明の実施例3に係わる乱数発生素子であり、(a)は断面図、(b)乃至(f)は主用工程を示す断面図であり、(g)は上面図である。
【図11】 本発明の実施例4に係わる乱数発生素子の断面図。
【図12】 本発明の実施例5に係わる乱数発生素子の断面図。
【図13】 本発明の実施例6に係わる乱数発生素子の断面図。
【図14】 本発明の実施例7に係わる乱数発生素子の断面図。
【図15】 本発明の実施例8に係わる乱数発生素子の断面図。
【図16】 本発明の別の実施例に係わる乱数発生素子の断面図。
【符号の説明】
1・・・第1の電流路
2・・・第2の電流路
3・・・第1の微粒子
4・・・第2の微粒子
5・・・トンネル障壁
6・・・障壁
7・・・障壁
8・・・電荷

Claims (8)

  1. 並列に配置された一対の第1の電流路及び第2の電流路と、
    前記第1の電流路及び前記第2の電流路の近傍に配置され、相互に電荷が移動可能な一対の第1の微粒子及び第2の微粒子とを具備し、
    すくなくとも前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子の一方が前記第1の電流路及び前記第2の電流路の一方と電気的に結合していることを特徴とする乱数発生素子。
  2. 前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子が、前記第1の電流路及び前記第2の電流路間に配置されていることを特徴とする前記請求項1記載の乱数発生素子。
  3. 前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子は、電荷のエネルギー準位が帯電エネルギーを含めて離散的であることを特徴とする請求項1或いは請求項2記載の乱数発生素子。
  4. 前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子は、直径100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の乱数発生素子。
  5. 並列に配置された一対の第1の電流路及び第2の電流路と、
    前記第1の電流路及び前記第2の電流路の間に配置され、直径1μm以下の微粒子と、
    前記微粒子及び前記第1の電流路の間に配置された第1の絶縁層と、
    前記微粒子及び前記第2の電流路の間に配置された第2の絶縁層とを具備し、
    前記第1の電流路、前記第1の絶縁層及び前記微粒子を有する第1のキャパシタンス或いは前記第2の電流路、前記第2の絶縁層及び前記微粒子を有する第2のキャパシタンスの容量のうち少なくとも一つが1nF以下であることを特徴とする乱数発生素子。
  6. 前記微粒子のプラズマ振動数が前記第1の電流路及び前記第2の電流路の電子速度よりも小さいことを特徴とする請求項5記載の乱数発生素子。
  7. 前記微粒子が奇数個あることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の乱数発生素子。
  8. 並列に配置された一対の第1の電流路及び第2の電流路と、
    前記第1の電流路及び前記第2の電流路の間に配置され、相互に電荷が移動可能な複数のトラップ準位を有する手段とを具備し、
    すくなくとも前記トラップ準位が前記第1の電流路及び前記第2の電流路の一方と電気的に結合していることを特徴とする乱数発生素子。
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