JP3973421B2 - 車輌用制御装置及び当該制御方法、並びに当該制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源の回転を変速して出力する自動変速機の変速を、道路情報に適合するように制御する車輌用制御装置及び当該制御方法、並びに当該制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輌が走行する道路状況などに対する運転者の期待に応じてエンジンブレーキを作動するため、特開平11−230322号公報に示されているように、ナビゲーション装置が検出した前方道路情報などにより自動変速機を制御する車輌用制御装置、いわゆるナビ協調変速制御が提案されている。
【0003】
上記公報に開示されたナビ協調変速制御は、ナビゲーション装置より検出される道路状況(例えば道路の種類、道路の幅など)、各種センサにより検出される車輌の走行状態(例えば路面平滑度、降雪など)、運転状態(例えば運転経験、運転者の覚醒度など)などの情報に適合するエンジンブレーキを作動するように所定の目標入力軸回転数を算出し、無段変速機(CVT)の変速速度及び変速比を制御することにより、運転者の期待に応じたエンジンブレーキにより車輌の運転性を向上させ、特にコーナー及びカーブにおいて車輌を安定して走行させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したナビ協調変速制御は、違和感を生じさせないため、例えばアクセルペダルの開放(アクセルオフ)などによる運転者の減速開始の意図に基づき開始されるが、該制御の変速速度及び変速比は、該制御の開始時における車輌の現在の位置からコーナーまでの距離に関係なく設定されるため、例えば車輌がコーナーに接近した状態でアクセルオフにされた場合、コーナーに進入する前までに車速を減速するためには、該制御の開始位置からコーナーまでの距離が、十分でない(短い)場合があった。そのため、コーナーに進入するまでに車速が十分減速されないままコーナーに進入することにより、車輌が安定してコーナーを走行することができない虞があり、またコーナー進入後にも上記ナビ協調変速制御が完了しないことにより、運転者や同乗者に違和感を与えてしまう虞もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を鑑みて考え出されたものであり、その目的とするところは、例えば運転者の減速開始の意図に基づきナビ協調変速制御を開始し、運転者や同乗者の期待などに応じたエンジンブレーキ力が得られるように、該制御の変速速度及び変速比を、該制御の開始時における車輌の現在の位置からコーナーまでに距離などにより設定してナビ協調変速制御を制御することで、コーナー進入前までに十分な減速を行い、車輌が安定してコーナー走行できるようにすると共に、所定のコーナーから所定距離手前までにナビ協調変速制御を完了し、運転者や同乗者に違和感を与えないようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、駆動源(例えばエンジン、電気モータ)が入力軸に駆動連結され、入力軸からの回転を変速して出力軸に出力する自動変速機(5)と、道路情報に基づき前記自動変速機(5)の変速比を制御する変速機制御装置(4)と、を備える車輌用制御装置(1)において、
コーナー形状の情報を含む道路情報に基づき、車輌前方の特定コーナーを検出するコーナー検出手段(33)と、
前記検出された特定コーナーに対して前記自動変速機(5)の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定する目標入力軸回転数設定手段(40)と、
前記特定コーナーの地点から所定距離(Lh)手前の地点を、入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点とし、前記特定コーナーのコーナー形状が急であるほど前記所定距離を大きく設定する到達地点設定手段(43)と、
運転者の減速意図を示す操作を検出する減速意図検出手段(42)と、
前記運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、前記設定された到達地点までに入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させるように、変速速度(v)を設定する変速速度設定手段(44)と、
該設定された変速速度(v)に基づき変速を実行する変速実行手段(49)と、を備える、
ことを特徴とする車輌用制御装置(1)にある。
【0009】
請求項2に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、前記道路情報は、道路勾配を含む情報である、
請求項1記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0012】
請求項3に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、前記コーナー検出手段(33)は、特定点における屈曲度合い(例えばθ)が所定値以上である場合、前記特定点を前記特定コーナーとして検出してなる、
請求項1または2記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0013】
請求項4に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、前記目標入力軸回転数設定手段(40)は、前記所定の目標入力軸回転数(例えばNF)を選択する最終目標入力軸回転数選択手段(48)と、道路情報に基づき道路情報目標入力軸回転数(例えばNT)を設定する道路情報目標入力軸回転数設定手段(45c)と、を備え、
前記最終目標入力軸回転数選択手段(48)は、少なくとも、車速(V)、アクセル開度、変速マップから設定される基本目標入力軸回転数(例えばNB)と、検出された前記特定コーナーの形状、現在の車速(V0)、減速の必要度合い(例えばGr)、道路勾配、運転者の減速意図、に基づき設定された前記道路情報目標入力軸回転数(例えばNT)のうち、随時、回転数が高い方を前記所定の目標入力軸回転数(例えばNF)として選択してなる、
請求項1ないし3のいずれか記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0014】
請求項5に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、前記道路情報目標入力軸回転数設定手段(45c)は、運転者の減速意図を示す操作を検出した場合、前記特定コーナーの形状と、現在の車速(V0)と、道路勾配と、減速の必要度合い(例えばGr)と、に基づき算出される推奨入力軸回転数(例えばNC)を、前記道路情報目標入力軸回転数(例えばNT)として設定してなる、
請求項4記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0015】
請求項6に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、アクセルペダル(7)のオン・オフ状態を検出するアクセルセンサ(23)を備え、
前記道路情報目標入力軸回転数設定手段(45c)は、前記アクセルセンサ(23)の検出結果に基づき前記アクセルペダル(7)がオフ状態であることを検出した場合、前記特定コーナーの形状(例えばθ)と、現在の車速(V0)と、道路勾配と、減速の必要度合い(例えばGr)と、に基づき算出される前記推奨入力軸回転数(例えばNC)を、前記道路情報目標入力軸回転数(例えばNT)として設定してなる、
請求項5記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0016】
請求項7に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、スロットルバルブ(9)の開度量を検出するスロットル開度センサ(25)を備え、
前記道路情報目標入力軸回転数設定手段(45c)は、前記スロットル開度センサ(25)の検出結果に基づき前記スロットルバルブ(9)の開度量がアイドリング時の開度量であることを検出した場合、前記特定コーナーの形状(例えばθ)、現在の車速(V0)と、道路勾配と、減速の必要度合い(例えばGr)と、に基づき算出される前記推奨入力軸回転数(例えばNC)を、前記道路情報目標入力軸回転数(例えばNT)として設定してなる、
請求項5記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0017】
請求項8に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、前記目標入力軸回転数設定手段(40)は、運転者の減速意図を示す操作を検出する前は、入力軸回転数と前記推奨入力軸回転数(例えばNC)のうち、回転数の低い方を前記道路情報目標入力軸回転数(例えばNT)として設定してなる、
請求項5ないし7いずれか記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0018】
請求項9に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、前記目標入力軸回転数設定手段(40)は、前記所定の目標入力軸回転数が所定の上限値以上となる場合、該上限値を前記所定の目標入力軸回転数として設定してなる、
請求項1ないし8のいずれか記載の車輌用制御装置(1)にある。
【0019】
請求項10に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、駆動源(例えばエンジン、電気モータ)が入力軸に駆動連結され、入力軸からの回転を変速して出力軸に出力する自動変速機(5)を備え、道路情報に基づき前記自動変速機(5)の変速比を制御する車輌用制御方法において、
コーナー形状の情報を含む道路情報に基づき、車輌前方の特定コーナーを検出し、
前記検出された特定コーナーに対して前記自動変速機(5)の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定し、
前記特定コーナーの地点から前記特定コーナーのコーナー形状が急であるほど距離(Lh)手前の地点を、入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点として設定し、
運転者の減速意図を示す操作を検出し、
前記運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、前記設定された到達地点までに入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させるように、変速速度(v)を設定し、
該設定された変速速度(v)に基づき変速を実行する、
ことを特徴とする車輌用制御方法にある。
【0021】
請求項11に係る本発明は(例えば図1ないし図17参照)、駆動源(例えばエンジン、電気モータ)が入力軸に駆動連結され、入力軸からの回転を変速して出力軸に出力する自動変速機(5)の変速比を、道路情報に基づき制御するための車輌用制御コンピュータを、
コーナー形状の情報を含む道路情報に基づき、車輌前方の特定コーナーを検出するコーナー検出手段(33)、
前記検出された特定コーナーに対して前記自動変速機(5)の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定する目標入力軸回転数設定手段(40)、
前記特定コーナーの地点から前記特定コーナーのコーナー形状が急であるほど距離(Lh)手前の地点を、入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点として設定する到達地点設定手段(43)、
運転者の減速意図を示す操作を検出する減速意図検出手段(42)、
前記運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、前記設定された到達地点までに入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させるように、変速速度(v)を設定する変速速度設定手段(44)、
該設定された変速速度(v)に基づき変速を実行する変速実行手段(49)、
として機能させるための車輌用制御プログラムにある。
【0023】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、本願特許請求の範囲の構成に何等影響を与えるものではない。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、目標入力軸回転数設定手段は、特定コーナーに対して自動変速機の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定し、到達地点設定手段は、特定コーナーの地点から所定距離手前の地点を、入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点とし、特定コーナーのコーナー形状が急であるほど前記所定距離を大きく、設定し、変速速度設定手段は、運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、設定された到達地点までに入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数に到達させるように変速速度を設定し、変速実行手段は、該設定された変速速度に基づき変速を実行するので、上記設定された到達地点までに、入力軸回転数を道路情報に基づく所定の目標入力軸回転数に到達させることにより自動変速機の変速の実行を完了することができ、特に、特定コーナーの形状が急な場合であっても、特定コーナー進入前までに車速を確実に減速することができる。これにより、特定コーナーの進入前までに変速実行手段による変速の実行を確実に完了させることができ、コーナー走行中における変速を防止することができて、運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。
【0027】
請求項2に係る本発明によると、道路情報は、道路勾配を含む情報なので、変速機制御装置は、自動変速機の変速比を道路勾配に基づき制御することができ、これにより運転者や同乗者の期待に応じた変速の実行をすることができる。
【0031】
請求項3に係る本発明によると、特定点における屈曲度合いが所定値以上である場合、特定点を特定コーナーとして検出するので、特定コーナー屈曲度合いが大きい場合であっても、上記特定コーナーに対して車速を十分減速することができ、車輌が上記特定コーナーを安定して走行することができる。
【0032】
請求項4に係る本発明によると、最終目標入力軸回転数選択手段は、少なくとも、車速、アクセル開度、変速マップから設定される基本目標入力軸回転数と、検出された特定コーナーの形状、現在の車速、減速の必要度合い、道路勾配、運転者の減速意図、に基づき、道路情報目標入力軸回転数設定手段より設定された道路情報目標入力軸回転数のうち、随時、回転数が高い方を所定の目標入力軸回転数として選択するので、入力軸回転数が一旦小さくなりその後大きくなるような制御が生じることを防止することができ、これにより運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。道路情報目標入力軸回転数が所定の目標入力軸回転数として設定された場合は、特定コーナーの形状、現在の車速、減速の必要度合い、道路勾配、運転者の減速意図などに適合した所定の目標入力軸回転数を設定でき、これにより運転者や同乗者の期待に応じたエンジンブレーキを作動することができる。
【0033】
請求項5に係る本発明によると、道路情報目標入力軸回転数設定手段は、運転者の減速意図を示す操作を検出した場合、特定コーナーの形状と、現在の車速と、道路勾配と、減速の必要度合いと、に基づき算出される推奨入力軸回転数を、道路情報目標入力軸回転数として設定するので、道路情報目標入力軸回転数として設定することを、運転者の減速意図を示す操作に応じることができ、これにより運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。
【0034】
請求項6に係る本発明によると、アクセルペダルがオフ状態であることを検出した場合に、特定コーナーの形状と、現在の車速と、道路勾配と、減速の必要度合いと、に基づき算出される推奨入力軸回転数を、道路情報目標入力軸回転数として設定するので、運転者の減速意図を確実に検出することができ、道路情報目標入力軸回転数として設定することを、運転者の減速意図を示す操作に応じることができる。
【0035】
請求項7に係る本発明によると、スロット開度センサがスロットルバルブの開度量がアイドリング時の開度量であることを検出した場合に、特定コーナーの形状と、現在の車速と、道路勾配と、減速の必要度合いと、に基づき算出される推奨入力軸回転数を、道路情報目標入力軸回転数として設定するので、運転者の減速意図を確実に検出することができ、道路情報目標入力軸回転数として設定することを、運転者の減速意図を示す操作に応じることができる。
【0036】
請求項8に係る本発明によると、目標入力軸回転数設定手段は、運転者の減速意図を示す操作を検出される前は、入力軸回転数と推奨入力軸回転数のうち、回転数の低い方を道路情報目標入力軸回転数として設定するので、運転者の減速意図を示す操作がない状態で、ダウンシフト制御がされることを防止することができ、これにより運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。
【0037】
請求項9に係る本発明によると、目標入力軸回転数が上限値以上となる場合、該上限値を目標入力軸回転数として設定するので、到達地点に対するダウンシフト制御の際、急激な減速により運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができ、例えば特定コーナーからの所定距離が短い場合や車速が大きい場合であっても、急激な減速を防止することができる。
【0038】
請求項10に係る本発明によると、特定コーナーに対して自動変速機の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定し、特定コーナーの地点から特定コーナーのコーナー形状が急であるほど距離手前の地点を、入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点として設定し、運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、設定された到達地点までに入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数に到達させるように変速速度を設定し、該設定された変速速度に基づき変速を実行するので、上記設定された到達地点までに、入力軸回転数を道路情報に基づく所定の目標入力軸回転数に到達させることにより自動変速機の変速の実行を完了することができ、特に、特定コーナーの形状が急な場合であっても、特定コーナー進入前までに車速を確実に減速することができる。これにより、特定コーナーの進入前までに変速実行手段による変速の実行を確実に完了させることができ、コーナー走行中における変速を防止することができて、運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。
【0040】
請求項11に係る本発明によると、特定コーナーに対して自動変速機の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定し、特定コーナーの地点から特定コーナーのコーナー形状が急であるほど距離手前の地点を、入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点として設定し、運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、設定された到達地点までに入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数に到達させるように変速速度を設定し、該設定された変速速度に基づき変速を実行するので、上記設定された到達地点までに、入力軸回転数を道路情報に基づく所定の目標入力軸回転数に到達させることにより自動変速機の変速の実行を完了することができ、特に、特定コーナーの形状が急な場合であっても、特定コーナー進入前までに車速を確実に減速することができる。これにより、特定コーナーの進入前までに変速実行手段による変速の実行を確実に完了させることができ、コーナー走行中における変速を防止することができて、運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る車輌用制御装置を示すブロック図である。
【0043】
本発明が適用される車輌は、車載コンピュータからなる車輌用制御装置1、不図示の駆動源(例えばエンジン、電気モータなど)、アクセルペダル7、及びスロットルバルブ9から構成されており、該車輌用制御装置1は、車輌状態検出装置2、ナビゲーション装置3、変速機制御装置4、ベルト式無段変速機(CVT)5、を備えている。
【0044】
車輌状態検出装置2は、車輌の走行状態及び運転者の意図(車輌状態)を検出する装置であり、具体的には、図1に示すように、車速及び図示しないジャイロにより検出された車輌の走行する方角から、現在位置を検出するジャイロセンサ21、無段変速機5の出力部(後述するセカンダリプーリ72)の回転数を検出する車速センサ22、アクセルペダル7のオン・オフ状態、及びアクセル開度量を検出するアクセルセンサ23、図示しない運転席に設けられているフットブレーキのペダル操作の有無、及び該ペダルの踏み込む量により踏力の大きさを検出するブレーキセンサ24、スロットルバルブ9の開度量を検出するスロットル開度センサ25、図示しない運転席に設けられているステアリングの操舵角を検出するステアリングセンサ26、エンジン回転数センサ27などを備えている。
【0045】
また、アクセルぺダル7はアクセルセンサ23に、スロットルバルブ9はスロットル開度センサ25に接続されている。ジャイロセンサ21及び車速センサ22は、後述するナビゲーション装置3に、車速センサ22、アクセルセンサ23、ブレーキセンサ24、スロットル開度センサ25、ステアリングセンサ26、及びエンジン回転数センサ27は、後述する変速機制御装置4に接続されている。
【0046】
ナビゲーション装置3は、図1に示すように、ジャイロセンサ21や不図示のGPS(グローバル測位システム)レシーバなどからの信号に基づき車輌の現在位置を検出し、該現在位置及び道路情報に基づき地図描画を行うと共に、運転者により入力された目的地までの経路案内を行う基本処理手段31と、走行環境認識を認識する走行環境認識手段32と、走行環境情報を出力する走行環境情報伝達手段34と、を備えている。上記走行環境認識手段32は、道路情報や現在の車速、現在位置などに基づき、車輌前方の特定コーナーの検出、コーナー形状判定処理や必要減速度Grなど(走行環境情報)の算出(認識)を行うコーナー検出手段33を備えている。そして、ナビゲーション装置3は、後述する道路情報変速制御手段45の道路情報目標入力軸回転数設定手段45c、継続制御コーナー検出手段45d、及び変速速度制御手段41の到達地点設定手段43に接続されている。
【0047】
また、上記道路情報は、例えばCD−ROM、DVD−ROM、MOなどの記憶媒体に記憶(あるいは予め記憶されておらずインターネットなどにより配信)されており、該情報における道路は、ノード(特定点)及びノード間を結ぶ線により表されている。そして、例えばコーナー及びカーブ(以下「コーナー」とする)形状の屈曲度合いなどの道路情報が検出されることにより、上述した走行環境情報が算出される。
【0048】
なお、上記のコーナー検出手段33は、ナビゲーション装置3に格納した例を示したが、これに限らず、変速機制御装置4に格納されていてもよく、車輌用制御装置1として、ナビゲーション装置3と変速機制御装置4を統合した制御部内に格納されてもよい。
【0049】
変速機制御装置4は、図1に示すように目標入力軸回転数設定手段40、変速速度制御手段41、及び変速実行手段49を備えている。該目標入力軸回転数設定手段40は、道路情報変速制御手段(変速制御手段)45、通常変速制御手段46、道路勾配推定手段47、及び最終目標入力軸回転数選択手段48を備えている。
【0050】
道路情報変速制御手段45は、道路情報(例えばナビゲーション装置3が認識する上記走行環境情報など)に基づいて、所定の目標入力軸回転数を算出し、自動変速機(例えばベルト式無段変速機5)の変速の実行により、入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数となるようにし、コーナー通過まで入力軸回転数を所定の目標入力軸回転数に維持する制御(以下「コーナー制御」とする)を実施するものであり、コーナー制御検出手段(道路情報制御検出手段)45a、道路情報目標入力軸回転数設定手段45c、及び継続制御コーナー検出手段(継続制御検出手段)45dを備えている。さらに上記コーナー制御検出手段45aは、ダウンシフト制御検出手段45bを備えている。
【0051】
通常変速制御手段46は、所定の変速マップに基づきアクセル開度量、車速Vなどに応じた無段変速機5の入力軸回転数(エンジン回転数)の通常制御(以下、単に「通常制御」とする)を実施するものであり、基本目標入力軸回転数算出手段46aを備えている。
【0052】
変速速度制御手段41は、減速意図検出手段42、到達地点設定手段43、及び変速速度設定手段44を備え、減速意図検出手段42は、ブレーキ踏力検出手段42aを備えている。また上記変速実行手段49は、過渡目標入力軸回転数算出手段49aを備えている。
【0053】
また、減速意図検出手段42(ブレーキ踏力検出手段42a)及び道路勾配推定手段47は、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cに接続されており、該道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、通常変速制御手段46(基本目標入力軸回転数算出手段46a)と共に、最終目標入力軸回転数選択手段48に接続されている。コーナー制御検出手段45a(ダウンシフト制御検出手段45b)は、継続制御コーナー検出手段41cに接続されており、該継続制御コーナー検出手段41cは、減速意図検出手段42と共に変速速度設定手段44に接続されている。
【0054】
そして、上記最終目標入力軸回転数選択手段48、継続制御コーナー検出手段41c、及び変速速度設定手段44は、変速実行手段49(過渡目標入力軸回転数算出手段49a)に接続されている。そして変速実行手段49は、無段変速機(自動変速機)5に接続されており、これにより、所定の信号を無段変速機5の後述する油圧アクチュエータ74、76などに出力することより変速が実行される。
【0055】
なお、上記の目標入力軸回転数設定手段40、到達地点設定手段43、変速速度設定手段44、変速実行手段49、及び最終目標入力軸回転数選択手段48について、変速機制御装置4に格納した例を示したが、例えばナビゲーション装置3に格納されていてもよく、また車輌用制御装置として、上述したナビゲーション装置3と、変速機制御装置4とを統合した制御部内に格納してもよい。
【0056】
ついで、本発明に適応し得る無段変速機5について図2に沿って説明する。図2は、無段変速機の一例としてのベルト式無段変速機を示す図である。無段変速機5は、発進装置としてのロックアップクラッチCL付きトルクコンバータ50、正逆転装置を構成するデュアルピニオンプラネタリギヤ60、ベルト式無段変速装置70、及びディファレンシャル装置80を備え、これら各装置が分割された一体ケース13に収納されている。
【0057】
デュアルピニオンプラネタリギヤ60は、サンギヤ60S、リングギヤ60R、これらギヤ60S、60Rにそれぞれ噛合する2個のピニオン60P1、60P2を支持するキャリヤ60Cを有しており、サンギヤ60Sがトルクコンバータ50からの入力軸51に連結され、かつキャリヤ60Cがベルト式無段変速装置70のプライマリプーリ71に連結されている。そして、キャリヤ60Cとリングギヤ60Rとの間に直結クラッチCが介在し、また前記リングギヤ60Rとケース13との間に逆転用ブレーキBが介在している。
【0058】
ベルト式無段変速装置70は、プライマリプーリ71、セカンダリプーリ72、これら両プーリ71、72に巻き掛けられる金属製などのベルト73、及び油圧アクチュエータ74、76を備え、前記両プーリ71、72は、それぞれ固定シーブ71a、72a及び可動シーブ71b、72bからなる。
【0059】
プライマリ側可動シーブ71bの背面にはダブルチャンバ74a、74bを有する油圧アクチュエータ74が配設されており、またセカンダリ側可動シーブ72bの背面にはシングルチャンバ76a及びプーリロード用スプリング76bを有する油圧アクチュエータ76が配設されている。そして、これら油圧アクチュエータ74、76には、負荷トルクに対応するベルト挟圧力を付与すると共に、所定変速比になるように油圧が供給される。該油圧は、図示しない油圧回路におけるリニアソレノイド弁が、変速機制御装置4からの信号を入力して適宜調圧されると共に、切換え弁などにより切換えられる。
【0060】
さらに、ディファレンシャル装置80は、前記セカンダリプーリ72と、カウンタギヤ10及びディファレンシャル装置80のリングギヤ80aを介して連結されており、該プーリ72の回転が減速してディファレンシャル装置80に伝達される。該ディファレンシャル装置80は、上記リングギヤ80aの回転をデフキャリヤ80bを介して左右サイドギヤ80c、80dにその負荷に応じて伝達し、これらサイドギヤ80c、80dは、それぞれ左右車軸11l、11rを介して不図示の駆動車輪に連結されている。
【0061】
なお、図2中、車速センサ22は、セカンダリ固定シーブ72aに臨んで配置されセカンダリプーリ72の回転数を検出し、エンジン回転数センサ26は、エンジンクランクシャフト12に連結しているトルクコンバータハウジング52に臨んで配置される。
【0062】
ついで、本発明に係る車輌用制御装置1について、図1ないし図16に沿って説明する。図3はナビゲーション装置による処理のフローチャート、図4は変速機制御装置による処理のフローチャートである。
【0063】
図3及び図4は、車輌用制御装置1が実施するコーナー制御全体を示すフローチャートであり、コーナー制御の前段である図3に示すナビゲーション装置3による処理(ステップS1からS3)と、コーナー制御の後段である図4に示す変速機制御装置4による処理(ステップS11からS15)とからなっている。以下、ナビゲーション装置3による処理と、変速機制御装置4による処理と、に分けて説明する。
【0064】
[ナビゲーション装置による処理(S1からS3)]
まず、ステップS1において、図1示す基本処理手段31は所定の車輌情報を検出し該車輌情報や前方道路情報に基づいて経路案内などの通常の基本処理を行う。
【0065】
具体的に、道路情報、図1に示すジャイロセンサ21により検出された車輌の走行する方角、車速センサ22により検出された車速、さらにGPSレシーバなどの信号から車輌情報(例えば車輌の現在位置、進行方向など)を検出し、運転者に地図描画や音声などにより車輌の現在位置を示すと共に、運転者により入力された目的地までの経路案内を行う。
【0066】
さらに、上記の道路情報について図5に沿って説明する。図5は道路情報の内容の一例を示す図である。道路情報は、図5に示すようにノード(特定点)及びノード間を結ぶ線で構成されおり、図5に示す実線が道路の形状を示している。ここで、道路は、ノードN1、N2、N3、…、N12と前記各ノード間を滑らかに結ぶ曲線分であるリンクによって、スプライン曲線として表現されており、各ノードは絶対座標である緯度及び経度などの座標により定義されている。上述した道路の形状は上記のノードやリンクのみならず、標高を含めて定義することも可能である。
【0067】
上記の標高のデータは、左右上下所定間隔(例えば50[m])のマトリクス状の各地点(図5中10−10、10−11、…、14−15で示される各地点)において格納されており、例えば図5中11−11の地点で標高24[m]、11−12の地点で標高28[m]という標高のデータを有しており、各ノードの標高は、上記各地点の標高から線間補完して求められる。
【0068】
なお、上記のリンクは、その道路がどのような特性を有するかを示す道路属性データ及び道路種別データなどによりさらに定義されている。ここで、道路属性データは、道路の車線数、一方通行の有無、交差点の有無、交差点の分岐数、距離、幅員、カント、バンクなどであり、また道路種別データは、高速道路、国道、一般道などの道路の種類である。
【0069】
なお、車輌情報について、上記の記憶媒体に記憶された道路情報などに基づいて検出する例を示したが、これに限らず車輌情報を検出できるものであればいずれのものであってもよく、例えば該道路情報と共に、道路に沿って埋設されたセンサを検知して車輌の現在位置を補正することなどによって、車輌情報の精度をさらに向上することが可能である。
【0070】
ステップS2において、走行環境認識手段32は走行環境認識処理を行う。ナビゲーション装置処理における走行環境認識処理について、図1及び図6に沿って説明する。図6は走行環境認識手段サブルーチンのフローチャートである。
【0071】
まず、ステップS2−1において、基本処理手段31は、図6に示すように、ナビゲーション基本処理(S1)において検出された車輌情報を走行環境認識手段32に出力し、ステップS2−2において、上記処理(S1)において検出された前方道路情報をコーナー検出手段33に出力する。
【0072】
ステップS2−3において、上述した車輌情報と前方道路情報を受けたコーナー検出手段33は、これらの情報によりコーナー形状判定処理を行う。ここで、コーナー形状判定処理とは、車輌の進行方向にあるコーナーの形状を、車輌情報及び前方道路情報に基づいた旋回角θ(屈曲度合い)の大きさから、例えば緩・中・急コーナーに判定することをいう。
【0073】
具体的に、上記のコーナー形状判定処理について図7に沿って説明する。図7はコーナー形状の一例を示した図である。例えば、図7に示すようにノードN1、N2、N3、…、N6と、これらを滑らかに結ぶ曲線分のリンクによって表現されている道路が、車輌の進行方向にある場合において、例えばノードN4(図7中央に示すノード)におけるコーナーの旋回角θは、ノードN4から互いに離れる向きに所定距離La、Lbのリンクの接線が交差する角度で示される(直線道路における旋回角θは0と定義)。つまり、コーナー形状は旋回角θが大きいほど急なものであり、逆に旋回角θが小さいほど緩いものである。
【0074】
そして、所定の旋回角θを予め設定して、コーナー形状を段階的に(例えば緩・中・急コーナー)判定する。具体的には、上記所定の旋回角θをθ1、θ2、θ3に設定しておき(θ1<θ2<θ3)、車輌の進行方向にあるコーナーの旋回角θが、緩コーナー(θ1<θ≦θ2)、中コーナー(θ2<θ≦θ3)、急コーナー(θ3<θ)のいずれに該当するか否か判定をする。これにより、コーナー検出手段33は、車輌情報と前方道路情報に基づいて上記のコーナー形状判定処理を行う。
【0075】
また、ナビゲーション装置3には、車輌が走行するであろう予定走行経路が設定されており、例えば、ナビゲーション装置3において目的地までの走行経路が予め設定されている場合は、その設定された経路が予定走行経路であり、設定されていない場合は、例えば車輌が自然に進行する場合に通過することが予想される経路(一例として道路種別が、現在走行している種別と同じ経路)を予定走行経路と設定することができる。これにより、走行環境認識手段32は、該予定走行経路上の各ノードにおけるコーナー形状を判定することができる。また、上記のコーナー形状判定処理は、図7に示すようなカーブに限らず、交差点及びT字路などでも同様に求めることができる。
【0076】
なお、上述したコーナー形状判定処理は、緩・中・急コーナーの3段階に判定を行う一例を示したが、これに限らず、例えば後述するコーナー制御を開始するための判定の精度をさらに向上させるために、コーナー形状を示す上記段階(予め設定する所定旋回角θ)をさらに細かく(例えば4段階以上に)設定して判定してもよい。
【0077】
さらに、コーナー形状を示す例として旋回角θ(屈曲度合い)を示したが、これに限らず、コーナー形状を示すものであればいずれのものであってもよく、例えば、3点のノードを通る円の曲率半径により、上記コーナー形状判定処理をしてもよい。
【0078】
ついで、走行環境認識手段32は、上述したコーナー形状判定処理に基づき図8に示す所定のコーナー判定マップを準備し、車輌前方のコーナーが、該マップの後述する所定領域内に該当するコーナー(特定コーナー)か否かを判定する。図8はコーナー判定マップの一例を示す図である。
【0079】
具体的に、上記コーナー判定マップについて図8に沿って説明する。図8の横軸は任意のノード位置(図8の原点)から予定走行経路上に沿った距離Lを示し、図8左方から右方に向けて車輌が走行している場合を示している。また、図8の縦軸は各ノードにおける旋回角θによるコーナー形状を示し、縦軸下方から上方になるほど旋回角θは大きく、つまりコーナー形状が急なものになる。
【0080】
例えば、横軸右端にある任意のノード位置(図8の原点)から距離LをL1、L2、L3(L1<L2<L3)に、また縦軸下端(図8の原点)から旋回角θを、コーナー形状判定処理(S2−3)において予め設定した旋回角θ1、θ2、θ3(θ1<θ2<θ3)に、各々3分割する。そして、図8右上の急コーナー制御領域(L<L1かつθ>θ3)、同図略々中央の中コーナー制御領域(L<L2かつθ>θ2において急コーナー制御領域を除いた領域)、及び同図左下の緩コーナー制御領域(L<L3かつθ>θ1において急コーナー及び中コーナー制御領域を除いた領域)の3つのコーナー制御領域を設定する。
【0081】
これにより、例えば、旋回角θ4(θ2<θ4<θ3)のコーナー形状のノードに向って車輌が走行している場合、車輌の現在位置が該ノード位置(図8の原点)から距離L4(L4>L3)離れていれば(図8左方の点P1)、上記のいずれのコーナー領域にも該当せず、つまり走行環境認識手段32は、車輌の現在位置から予定走行経路の所定範囲(Ld)内に特定コーナーはないと判定するが、該車輌が該ノード位置に接近して、該ノードに対し距離L5(L2<L5<L3)に達した場合(図8左方の点P2)、緩コーナー制御領域に該当するため、特定コーナーがあると判定する。
【0082】
ステップS2−4において、走行環境認識手段32は各ノードにおける必要減速度Grを算出し、コーナー検出手段33は、車輌前方の所定範囲内Ld内において最大の必要減速度Grに該当するコーナーのノード(特定点)を、特定コーナーとして検出する(屈曲度が所定値以上である特定点を特定コーナーとして検出する。)。
【0083】
具体的に、上記の必要減速度算出処理について説明する。まず、各ノードにおける必要減速度Grを算出するにあたり、上述したコーナー形状判定処理(S2−3)において求められた旋回角θに基づいて、車輌が各ノードにおけるコーナーを安定して走行できる車速V(以下「推奨車速Vr」とする)を算出する。ここで、「コーナーを安定して走行できる」とは、車輌がコーナーを走行中、旋回中心に対し反対向きに、つまり遠心力と同方向に運転者や同乗者が受ける加速度(以下「横加速度」とする)が、運転者や同乗者に違和感を与えない所定の横加速度であることをいう。
【0084】
つまり、上記違和感を与えない所定の横加速度(例えば0.2G)(Gは重力加速度)を設定することにより、推奨車速Vrは、上記旋回角θ、所定距離La、及びLbから所定式に基づいて算出される。なお、上述した推奨車速Vrは上記各ノード毎に算出するものに限らず、前記リンクを分割した一定距離毎に仮のノード(補完点)を設定することも可能である。該補完点を設定することにより、道路の形状を詳細に判断できるので、より道路情報に適合した推奨車速Vrを設定することができる。また、ノード3点を通る円の曲率半径を算出し、その曲率半径と上記違和感を与えない所定の横加速度に基づき推奨車速Vrを算出することもできる。
【0085】
そして、上記の推奨車速Vrに基づいて必要減速度Grの算出について、図9に沿って説明する。図9は各ノードのコーナーに対する必要減速度を示す図である。ここで、必要減速度Grとは、コーナーを安定して走行するために、コーナー走行前にエンジンブレーキを作動させて車速Vを推奨車速Vrに減速させる場合に必要な減速度のことである。
【0086】
具体的には、例えば任意のノードNiにおけるコーナーに対する必要減速度Griは、現在の車速V0、ノードNiの推奨車速Vri、及び車輌の現在位置から該ノードNiまで距離Lciとすると、以下の式▲1▼により算出される。
Gri=(V0 2−Vri2)/(2×Lci) … ▲1▼
【0087】
例えば、図9に示すように、車輌の現在の位置から予定走行経路における所定範囲内Ld内(例えば200[m]内)の各ノードN1、N2、N3について、各ノードにおけるコーナーの旋回角θなどにより推奨車速Vr1、Vr2、Vr3が算出され、上式▲1▼より、車輌の現在位置から各ノードまでの距離LC1、LC2、LC3に基づき、各ノードに対する必要減速度Gr1、Gr2、Gr3が算出される。つまり、各ノードにおいて車速Vが図9に示すような軌跡を推移して減速されれば、各ノードのコーナーを安定して走行することができる。なお、上式▲1▼は必要減速度Grを算出する所定式の例として示したが、これに限らず、各ノードのコーナーを安定して走行することができるものであればいずれのものであってもよい。
【0088】
そして、走行環境認識手段32は、上記所定範囲内Ldの各ノードに対する必要減速度Grの内最大値を選択し、これを最終的な必要減速度Gr(以下「最終必要減速度Grf」とする)として設定する。例えば図9において、上述したVr1、Vr2、Vr3のうち、最低車速Vr2となるノードN2での必要減速度Gr2が、3つのノードのうち最大値をとるので、このノードN2の必要減速度Gr2を最終必要減速度Grfとして設定する。
【0089】
なお、上記説明は、3点のノードN1、N2、N3の例について説明したが、実際には、車輌の現在位置から所定範囲Ld内の全ての各ノードN1、N2、…、Nnに対して推奨車速Vr1、Vr2、…、Vrnを算出し、さらに各ノードまでの距離LC1、LC2、…、Lcnを求め、所定範囲内Ldの全てのノードに対する必要減速度Gr1、Gr2、…、Grnを算出し、最大値となる必要減速度を最終必要減速度Grfとして設定する。
【0090】
そして、ステップS3において、走行環境認識手段32は、上述した予定走行経路上の各ノードにおけるコーナー形状判定結果、最終必要減速度Grf、及び車輌の現在位置から特定コーナーのノードまでの距離Lcを、走行環境情報と認識し、図1に示すように、道路情報変速制御手段45の道路情報目標入力軸回転数設定手段45c及び到達地点設定手段43に該走行環境情報を出力(伝達)する。
【0091】
[無段変速機制御装置による処理(S11からS15)]
次に、図4に示すステップS11からS15において、コーナー制御の後段である変速機制御装置4による処理について説明する。まず図4に沿って、上記ステップS11からS15の処理を以下に概説する。
【0092】
図4に示すように、変速機制御装置4による処理において、基本目標入力軸回転数算出手段46aは、後述する基本目標入力軸回転数NBを算出し、該算出結果を最終目標入力軸回転数選択手段48に出力する(S11)。道路勾配推定手段47は、車輌が走行する道路勾配を推定し、該推定結果を道路情報目標入力軸回転数設定手段45cに出力する(S12)。道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、該推定結果と、運転者の減速意図と、前記走行環境情報に基づき、後述するコーナーに対する目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)を設定し、該設定結果を最終目標入力軸回転数選択手段48に出力する(S13)。そして、最終目標入力軸回転数選択手段48は、上記の基本目標入力軸回転数NB及び上記コーナーに対する目標入力軸回転数NTから、後述する最終的な目標となる最終目標入力軸回転数NF(所定の目標入力軸回転数)を決定(選択)し(S14)、変速実行手段49は、特定コーナーを安定して走行するために、入力軸回転数が上記最終目標入力軸回転数NFに略々到達するように、無段変速機5の変速を実行する(S15)。
【0093】
[基本目標入力軸回転数算出処理(S11)]
まず、ステップS11において、通常変速制御手段46の基本目標入力軸回転数算出手段46aは、上述した通常制御を実施する時の入力軸回転数(以下「基本目標入力軸回転数NB」とする)を算出(設定)する。
【0094】
具体的に、上記基本目標入力軸回転数NBの算出について、図1及び図10に沿って説明する。図10は基本目標入力軸回転数マップ(変速マップ)の一例を示す図である。同図に示すマップは、車速センサ22から車速V、スロットル開度センサ25からスロットル開度量(またはアクセル開度)、及び不図示のシフトポジション選択部からシフトポジションの信号に基づいて、最良燃費特性または最大動力特性になるように、変速実行手段49が無段変速機5の変速を実行するための変速比(つまり車速Vに対する基本目標入力軸回転数NB)を示している。これにより、図1に示す基本目標入力軸回転数算出手段46aは、車輌状態検出装置2から受けた車速V、スロットル開度量、及び上記シフトポジション選択部から受けたシフトポジションの信号により、上記マップに基づいて基本目標入力軸回転数NBを算出(設定)し、該算出結果を最終目標入力軸回転数選択手段48に出力する。
【0095】
[道路勾配推定処理(S12)]
ステップS12において、道路勾配推定手段47は、後述するコーナーに対する目標入力軸回転数NTを補正するため、車輌状態検出装置2から受けたスロットル開度量、車速V、及び不図示の車輌の加速度センサから受けた加速度などから道路勾配を推定し、該推定結果を道路情報目標入力軸回転数設定手段45cに出力する(図1参照)。
【0096】
[コーナー目標入力軸回転数算出処理(S13)]
次に、ステップS13において、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、特定コーナーの形状に対して推奨されるコーナー推奨入力軸回転数NC(推奨入力軸回転数)を算出し、該算出結果に運転者の減速意図を反映させたコーナーに対する目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)を設定する。上記ステップS13の処理を図11に沿って以下に詳説する。図11はコーナー目標入力軸回転数算出処理サブルーチンのフローチャートである。
【0097】
まず、ステップS13−1において、道路情報変速制御手段45は、コーナー制御が実施中であることを示すコーナー制御中フラグがオンであるか否かを判定する。コーナー制御の開始直後、例えばエンジン始動時においてコーナー制御中フラグ初期化されオフなので(S13−1のNo)、さらに、ステップS2−3のコーナー形状判定処理における判定結果に基づき、車輌前方(車輌の予定走行経路の所定範囲Ld内)に特定コーナーがあるか否かを判定し(S13−2)、特定コーナーがないと判定した場合(S13−2のNo)、コーナーに対する目標入力軸回転数NT(以下単に「コーナー目標入力軸回転数NT」とする)を初期化し(例えば初期値0)(S13−3)、リターンする(S13−15)。例えば車輌が直線道路(またはコーナー制御が必要とされないコーナー)を走行している場合、車輌前方に特定コーナーがあると判定されるまで上記処理が繰り返され、通常制御が継続される。
【0098】
ついで、ステップS13−2の判定により車輌前方に特定コーナーがあると判定された場合(S13−2のYes)、ステップS13−4に進む。つまり、道路情報変速制御手段45は、走行環境認識手段32から受けた走行環境認識情報に基づき、車輌が図8に示すマップの所定制御領域にある場合、車輌前方に特定コーナーがあると判定する。
【0099】
ステップS13−4において、道路情報変速制御手段45は、必要減速度Grが所定値以上であるか否かを判定する(S13−4)。所定値以上でないと判定された場合(S13−4のNo)、例えば、現在の車速V0が推奨車速Vrより小さい場合(所定値が0以上の場合)、上述と同様にステップS13−3、S13−15を介してリターンする。
【0100】
一方、上記ステップS13−4において必要減速度Grが所定値以上であると判定された場合(S13−4のYes)、ステップS13−5に進む。つまり、道路情報変速制御手段45は、走行環境情報伝達手段34から受けた検出結果に基づく特定コーナーの必要減速度Grが、所定値以上であることを判定する。
【0101】
ステップS13−5において、コーナー制御中フラグがオンにされ、図1に示す道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、上記特定コーナーの必要減速度Grに基づいてコーナー推奨入力軸回転数NCを算出する(S13−6)。
【0102】
ここで、コーナー推奨入力軸回転数NCの算出について図12に沿って具体的に説明する。図12はコーナー推奨入力軸回転数マップの一例を示す図である。
【0103】
図12は、縦軸に入力軸回転数、横軸に車速Vを示しており、また、必要減速度Grをパラメーターとしている。例えば、車輌前方に特定コーナーが検出され、必要減速度の算出処理(S2−4)において算出された該特定コーナーの必要減速度Grが0.5Gであり、現在の車速V0が90[k/m]である場合、図12よりコーナー推奨入力軸回転数NCは約2、500[rpm]と算出される。
【0104】
ところで、コーナー形状が緩くても現在の車速V0が大きい場合や、アクセルオフが遅れることによりコーナー制御の開始が遅れた場合(つまりLcが短い場合)、運転者や同乗者は、上述した式▲1▼から大きな必要減速度Grを受けることになるので、上記運転者や同乗者に違和感を与えてしまう場合がある。そこで、上記違和感を与えないために、例えばコーナー制御領域(図8参照)に基づいて、図12に示す必要減速度Grに所定の上限値を設定する。
【0105】
つまり、図12に示すように、車輌の現在の位置が急コーナー制御領域(図8右上方)にある場合は、例えば1G、中コーナー制御領域(図8略々中央)にある場合は例えば0.8G、及び緩コーナー制御領域(図8左下方)にある場合は例えば0.5Gとするように、必要減速度Grに上限値を設定する。
【0106】
これにより、車輌が特定コーナーに接近して、例えば、図8に示す緩コーナー制御領域から中コーナー制御領域にから進入すると、図12に示すように必要減速度Grの上限値は0.5Gから0.8Gとなり、この際、該中コーナー制御領域内において入力軸回転数が上記上限値(0.8G)を越えない場合は、該入力軸回転数をコーナー推奨入力軸回転数NCとして算出し、超える場合は、上記上限値の入力軸回転数を(図12に示す0.8Gの実線上の入力軸回転数を)、コーナー推奨入力軸回転数NCとして算出する。つまり、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、コーナー推奨入力軸回転数NC(所定の目標入力軸回転数)が所定の上限値以上となる場合、該上限値をコーナー推奨入力軸回転数NCとして設定する。
【0107】
これにより、ダウンシフト制御の際、急激な減速により運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができ、例えば上述した特定コーナーからの所定距離Lcが短い場合、または車速Vが大きい場合であっても、急激な減速を防止することができる。
【0108】
なお、より走行環境情報に適合したコーナー推奨入力軸回転数NCを算出するために、上述したステップS12の道路勾配推定処理において推定された道路の勾配に基づいて、図12に示すコーナー推奨入力軸回転数マップを補正してもよい。例えば、車輌が所定の降坂路を走行している場合、同図マップより算出されるコーナー推奨入力軸回転数NCに一定値(例えば500[rpm])を加算した値をコーナー推奨入力軸回転数NCとしてもよく、また降坂路の斜度に応じた所定値をコーナー推奨入力軸回転数NCに加算して、より走行環境情報に適合させたコーナー推奨入力軸回転数NCの加算も可能である。
【0109】
また、例えば、乗車人数、貨物量などの変化により車輌重量が増加する場合、慣性力の増加によって、同じ車速Vでもより大きいコーナー推奨入力軸回転数NCが必要とされるので、より走行環境情報に適合したコーナー推奨入力軸回転数NCを算出するために、例えば予め乗車人数、貨物の重量を設定して、または特定の出力軸トルクが発生している場合の加速度によって車輌重量を推定して、車輌重量により上記マップを補正してよい。
【0110】
ついで、ステップS13−7において、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、運転者の減速意図としてアイドルオンの状態にあるか否かを判定する。上記運転者の減速意図を示す操作として、例えば、アクセルセンサ23の検出結果よりアクセルペダル7がオフ状態(アクセルオフ)であること、またスロットル開度センサ25の検出結果よりスロットルバルブ9が所定の開度量(例えばアイドリング時の通常の開度量)状態であることなどを、図1に示す減速意図検出手段42から受けることにより上記判定をする。これにより、運転者の減速意図を確実に検出することができる。
【0111】
アイドルオンの状態にない場合(S13−7のNo)、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、コーナー推奨入力軸回転数NCが実入力軸回転数NINより大きいか否かを判定する(S13−9)。コーナー推奨入力軸回転数NCが実入力軸回転数NINより小さい場合(S13−9のNo)、コーナー推奨力軸回転数NCをコーナー目標入力軸回転数NTとし(S13−11)、リターンする(S13−15)。つまり、運転者の減速意図(アイドルオン)を示す操作があるまでコーナー推奨力軸回転数NC(推奨力軸回転数)をコーナー目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)として設定する。
【0112】
例えば、車輌の現在位置から特定コーナーまでの距離がまだ遠く(つまりLcが大きく)、コーナー推奨入力軸回転数NCがまだ実入力軸回転数NINを超えるほど(初期値0から)大きくなっていない場合、また、車輌が特定コーナーに接近することによりコーナー推奨入力軸回転数NCが大きくなっても、例えば登坂路を走行しているなどのため、実入力軸回転数NINが上記コーナー推奨入力軸回転数NCより大きい場合などにおいて、上記運転者の減速意図を示す操作があるまで、コーナー推奨力軸回転数NC(推奨力軸回転数)をコーナー目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)として設定する。
【0113】
一方、コーナー推奨入力軸回転数NCが実入力軸回転数NINより大きい場合(S13−9のYes)、実入力軸回転数NINをコーナー目標入力軸回転数NTとし(S13−10)、リターンする(S13−15)。つまり、運転者の減速意図を示す操作があるまで、実入力軸回転数NIN(入力軸回転数)をコーナー目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)として設定する。
【0114】
つまり、道路情報目標入力軸回転数設定手段(目標入力軸回転数設定手段)45cは、運転者の減速意図を示す操作を検出される前は、実入力軸回転数NIN(入力軸回転数)とコーナー推奨力軸回転数NC(推奨入力軸回転数)のうち、回転数の低い方をコーナー目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)として設定する。
【0115】
例えば、運転者がアクセルペダル7を踏み込んだ状態でコーナーに進入した場合、通常アクセルオフの状態と比較し、アクセルの踏み込み量に応じて変速比が大きい状態、つまりダウンシフト側(U/D側)の変速となり、実入力軸回転数NINが上昇している。この時の実入力軸回転数NINと、道路情報などから推奨されるコーナー推奨入力軸回転数NCと、を比較し(S13−9)、コーナー推奨入力軸回転数NCの方が大きい場合は(S13−9のYes)、コーナー目標入力軸回転数NTを実入力軸回転数NINまで上昇させる(S13−10)。逆に、実入力軸回転数NINの方が大きい場合は(S13−9のNo)、コーナー目標入力軸回転数NTをコーナー推奨入力軸回転数NCまで上昇させる(S13−11)。その結果、アクセル開放の際に入力軸回転数の落ち込みを防止でき、オフアップ(アクセル戻しにより発生するアップシフト)による空走感、及びそこからアクセル開放状態になった際のダウンシフトによるビジーシフト(アップシフト側に変速した後、直ちにダウンシフト側に変速する変速比のシフト)を防止することができる。
【0116】
ついで、上記ステップS13−7において、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cがアイドルオンの状態であると判定した場合(S13−7のYes)、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、コーナー推奨力軸回転数NCをコーナー目標入力軸回転数NTと設定し(S13−8)、リターンする(S13−15)。つまり、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cは、特定コーナーの形状(例えば旋回角θ)と、現在の車速V0と、減速の必要度合い(例えば必要減速度Gr)と、道路勾配と、及び運転者の減速意図(例えばアクセルオフ)と、に基づきコーナー目標入力軸回転数NTを設定する。
【0117】
これにより、特定コーナーの形状(例えば旋回角θ)、現在の車速V0、減速の必要度合い(例えば必要減速度Gr)、道路勾配、運転者の減速意図(例えばアクセルオフ)などに適合したコーナー目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)を後述する最終目標入力軸回転数NF(所定の目標入力軸回転数)として設定することができ、運転者や同乗者の期待に応じたエンジンブレーキを作動することができる。
【0118】
ついで、上記ステップS13−1においてコーナー制御中フラグがオンであると判定された場合(S13−1のYes)、道路情報変速制御手段45は、特定コーナーを通過したか否かを判定する(S13−12)。まだ、特定コーナーを通過していないと判定された場合(S13−12のNo)、以下同様に特定コーナー走行中は、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cによるコーナー目標入力軸回転数NTの設定(ステップS13−6ないしS13−15の制御)を継続する。
【0119】
そして、上記ステップS13−12において特定コーナーを通過したと判定された場合(S13−12のYes)、コーナー制御中フラグがオフにされ(S13−13)、コーナー目標入力軸回転数NTを初期化し(例えば初期値0)(S13−14)、リターンする(S13−15)。
【0120】
[最終目標入力軸回転数算出処理(S14)]
ステップS14(図4参照)において、最終目標入力軸回転数選択手段48は、最終的な目標入力軸回転数(以下「最終目標入力軸回転数NF」とする)を選択する。この際、通常制御のための基本目標入力軸回転数NBと、コーナー制御のためのコーナー目標入力軸回転数NT(道路情報目標入力軸回転数)と、を比較し、変速実行手段49による無段変速機5の変速を実行する際、特定コーナーを安定して走行するために、より回転数の高い方の入力軸回転数(よりダウンシフト側の入力軸回転数)を最終目標入力軸回転数NF(所定の目標入力軸回転数)として選択する。
【0121】
[変速制御処理(S15)]
次に、変速実行手段49が無段変速機5の変速を実行することにより、入力軸回転数が上述した最終目標入力軸回転数NFになるように、無段変速機5を制御する処理(変速制御処理)を行う。上記ステップS15の処理を図13に沿って以下に詳説する。図13は変速制御処理サブルーチンのフローチャートである。
【0122】
まず、車輌が直線など(例えば直線道路、コーナー制御が必要とされないコーナーなど)を走行する際の通常制御を説明する。ステップS15−1において、道路情報変速制御手段45は、コーナー制御中フラグがオンか否かを判定する(ステップS13−5、S13−13参照)。コーナー制御中フラグがオフの場合(S15−1のNo)、変速速度設定手段44は、通常制御時の過渡目標入力軸回転数NSのスイープ量Sを算出する(S15−2)。
【0123】
ここで、過渡目標入力軸回転数NSとは、無段変速機5の変速の実行開始の際における実入力軸回転数NINを、最終目標入力軸回転数NFに過渡的に略々到達させる目標入力軸回転数をいう。つまり、所定の周期(例えば16[ms])で繰り返される変速機制御装置4による処理(ステップS11からS15)において、所定周期毎に算出された過渡目標入力軸回転数NSの変化量(スイープ量S)を一周期前の過渡目標入力軸回転数NS(つまり実入力軸回転数NIN)に加算したものである。したがって、上記スイープ量Sは、アップシフト制御の場合は(つまり入力軸回転数を小さくする場合は)負の値となり、ダウンシフト制御の場合は(つまり入力軸回転数を大きくする場合は)正の値となる。なお、最終目標入力軸回転数NFが一周期前の過渡目標入力軸回転数NSと一致している場合は、スイープ量Sは0として実入力軸回転数NINはその値を維持される。
【0124】
また、通常制御におけるスイープ量Sは、車輌前方の特定コーナーに関係なくアクセル開度量や車速Vなどの車輌状態に基づいて算出される。例えば、アクセル開度量が大きいほど、または車速Vが小さいほど、大きいスイープ量Sが算出される。
【0125】
次に、過渡目標入力軸回転数算出手段49は、上記通常制御におけるスイープ量Sにより、過渡目標入力軸回転数NSを算出し(S15−9)、変速実行手段49は、実入力軸回転数NINが該過渡目標入力軸回転数NSに一致するように無段変速機5の変速を実行して(S15−10)、リターンする(S15−11)。つまり、コーナー検出手段33が車輌前方に特定コーナーを検出しない限り(コーナー制御中フラグがオフである限り)、上記処理が実施されて通常制御が継続される。
【0126】
この際、図2に示す無段変速機5の油圧アクチュエータ74、76に所定の信号が出力され、上記スイープ量Sに応じた油圧供給により、上記油圧アクチュエータ74、76が制御される。これにより、両プーリ71、72に巻き掛けられたベルトの半径を変化させることにより変速比(車速Vが一定の場合に実入力軸回転数NIN)が制御される。つまり、変速比は、プライマリプーリ71に巻き掛けられたベルト73の半径をrp、セカンダリプーリ72のベルト73の半径をrsとすると、両半径の比率rs/rp(プーリ比)によって制御される。
【0127】
次に、車輌がコーナーに進入・走行する際のコーナー制御を説明する。上記ステップS15−1の判定によりコーナー制御中フラグがオンと判定された場合(S15−1のYes)、変速変速設定手段44は、最終目標入力軸回転数NFが一周期前の過渡目標入力軸回転数NS(つまり実入力軸回転数)より大きいか否かを判定する(S15−3)。最終目標入力軸回転数NFが一周期前の過渡目標入力軸回転数NSより大きい場合(S15−3のYes)、ステップS15−4に進み、コーナー制御によるダウンシフト制御を実施する。
【0128】
ステップS15−4において、変速変速設定手段44は、最終目標入力軸回転数NF(つまりコーナー目標入力軸回転数NT)から一周期前の過渡目標入力軸回転数NSを引いた入力軸回転数の差分dNIN(以下、単に「差分dNIN」とする)を算出する。
【0129】
次に、到達地点設定手段43は、コーナー検出手段33によって検出された特定コーナーの地点から所定値Lh手前の地点を、入力軸回転数が最終目標入力軸回転数NF(所定の目標入力軸回転数)に略々到達する地点(到達地点)として設定する。
【0130】
ステップS15−5において、変速速度設定手段44は、走行環境情報伝達手段34から受けた車輌の現在位置から特定コーナーの地点(該特定コーナーのノード)までの距離Lcと、車速センサ22から受けた車速Vと、到達地点設定手段43によって検出されたLhと、から以下の▲2▼式より、上記特定コーナーの地点から所定距離手前までにコーナー制御によるダウンシフト制御を完了させる時間(以下「ダウンシフト完了時間Td」とする)を算出する。
Td=(Lc−Lh)/V … ▲2▼
【0131】
これにより、上式▲2▼から算出されるダウンシフト完了時間Tdの時間において上記ダウンシフト制御を完了すれば、車輌がコーナー前距離Lhを通過する際に、実入力軸回転数NINは最終入力軸回転数NFに略々到達する。
【0132】
また、コーナー形状が急な場合は、早い段階で上記ダウンシフト制御を完了させるため、コーナー形状に応じて上記コーナー前距離Lhを変更してもよい。例えば、到達地点設定手段43は、走行環境認識手段32から受けた走行環境情報(例えば旋回角θ)に応じて、コーナー前距離Lhを変更する。図14は、コーナー形状に応じたコーナー前距離変更マップの一例を示す図であり、同図はコーナー形状が急になる(旋回角θが大きくなる)に従って、コーナー前距離Lhが大きくなる傾向を示している。
【0133】
つまり、到達地点設定手段43は、特定コーナーの地点からの特定コーナーの形状(例えば旋回角θ)に応じて設定される距離Lh手前の地点を、入力軸回転数が最終目標入力軸回転数NFに略々到達させる地点(到達地点)として設定する。
【0134】
これにより、到達地点設定手段43は、該マップに従ってコーナー前距離Lhを変更し、変速速度設定手段44は、上式▲2▼からダウンシフト完了時間Tdを算出する。
【0135】
なお、コーナー形状を示す例として旋回角θを示したが、これに限らず、コーナー形状を示すものであればいずれのものであってもよく、例えば、コーナーの曲率半径でもよい。また、図14に示したマップはこれに限らず、所定式に基づいて算出してもよく、さらにコーナー形状とコーナー前距離Lhの関係は該マップに示すような比例関係に限らず、所定の重み付けをしてもよい(例えば旋回角θの次数、係数、定数などの変更)。
【0136】
ステップS15−6において、変速速度設定手段44は、上記差分dNIN及びダウンシフト完了時間Tdに基づき、以下の式▲3▼より単位時間あたりの入力軸回転数の変化量(以下「変速速度v」とする)を算出し、変速実行手段49の過渡目標入力軸回転数算出手段49に出力する。
v=dNIN/Td … ▲3▼
【0137】
つまり、変速速度設定手段44は、到達地点までに入力軸回転数が最終目標入力軸回転数NFとなるように変速速度vを設定する。これにより、到達地点までに入力軸回転数を速やかに、かつ滑らかに最終目標入力軸回転数NF(所定の目標入力軸回転数)に略々到達させることができ、運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。例えば特定コーナーに対して、車速Vを速やかにかつ滑らかに(過度の変速ショックがないように)減速することができると共に、十分減速することができ、車輌が特定コーナーを安定して走行することができる。
【0138】
なお、計算式の一例として上記の式▲3▼を示したが、これに限らず、到達地点までに入力軸回転数が最終目標入力軸回転数NFとなるように変速速度vを設定するものであれば、いずれのものであってもよく、例えば所定のマップにより算出してもよい。
【0139】
さらに、上記変速速度vを所定の上限値及び下限値を設定してもよい。図15は変速速度マップの一例を示す図であり、例えば、特定コーナーに接近した状態でアクセルオフにされ、変速速度vが大きくなり過ぎる場合、運転者や同乗者の違和感を防ぐため、所定の上限値を設定してもよく、また、差分dNINが小さいことにより変速速度vが小さくなり過ぎる場合、油圧アクチュエータ74、76の駆動の制限などのため、下限値を設定してもよい。
【0140】
ステップS15−7において、過渡目標入力軸回転数算出手段49は、変速速度設定手段44から受けた変速速度vに基づいてスイープ量Sを算出する。この際、変速機制御装置4による処理(S11からS15)は所定周期で繰り返されるので、各周期毎のスイープ量Sを算出する。例えば、上記所定周期が16[ms]とすると、スイープ量Sは以下の式▲4▼で表される。
S[rpm]=v[rpm/sec]×(16/1000) … ▲4▼
【0141】
そして、ステップS15−9において、過渡目標入力軸回転数算出手段49は、一周期前の過渡目標入力軸回転数NSに上記スイープ量Sを加算して、過渡目標入力軸回転数NSを算出する。
【0142】
そして、変速実行手段49は、実入力軸回転数NINを上記過渡目標入力軸回転数NSに一致させ(S15−10)、上記周期毎、変速の実行を繰り返し(S15−11)、入力軸回転数を最終目標入力軸回転数NFに過渡的に略々到達することにより(S15−3のNo)、車輌がコーナー前距離Lhを通過する際に、変速実行手段49による無段変速機5の変速比の制御が完了する。つまり、変速実行手段49は、到達地点までに入力軸回転数を最終目標入力軸回転数に略々到達させるように変速を実行する。
【0143】
これにより、無段変速機5の変速の実行を特定コーナーの進入までに確実に完了することができる。また、無段変速機5の変速の実行中における入力軸回転数を過渡的に最終目標入力軸回転数に到達させるので、該入力軸回転数が滑らか変化することになり、これにより運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。
【0144】
次に、車輌がコーナーを脱出する際のコーナー制御から通常制御への復帰を説明する。ステップS15−1の判定において、コーナー制御中フラグがオンからオフになってからの経過時間が所定時間(例えば変速比を滑らかに変化させてコーナー制御から通常制御に復帰できる時間)内か否かを判定する。コーナー制御中フラグがオンからオフになってから所定時間を経過していない場合(S15−1のYes)、ステップS15−3の判定により、最終目標入力軸回転数NFが一周期前の過渡目標入力軸回転数NSより大きいか否かを判定し、最終目標入力軸回転数NFが一周期前の過渡目標入力軸回転数NSより小さい場合(S15−3のNo)、コーナー制御によるアップシフト制御(ステップS15−8ないしS15−11の制御)を実施する。
【0145】
この際、コーナー制御によるアップシフト制御におけるスイープ量Sの絶対値は、上述した通常制御、及びコーナー制御によるダウンシフト制御におけるスイープ量Sの絶対値より小さいスイープ量S(かつ負の値)が算出され(S15−8)、該算出結果より過渡目標入力軸回転数NSが算出される(S15−9)。これにより、コーナー制御によるダウンシフト制御から通常制御に復帰する際、急な変速比の下降により駆動力の低下を防止することが可能となる。
【0146】
つづいて、コーナー通過後の通常制御について説明する。
【0147】
ステップS15−1の判定により、コーナー制御中フラグがオンからオフになってから所定時間を経過したと判定されると(S15−1のNo)、通常制御におけるスイープ量Sが算出され(S15−2)、該算出結果により過渡目標入力軸回転数NSが算出される(S15−9)。これにより、変速実行手段49は、実入力軸回転数NINが過渡目標入力軸回転数NSに一致するように、無段変速機5の変速を実行し(S15−10)、リターンする(S15−11)。そして、コーナー検出手段33が、車輌前方に特定コーナーを検出しない限り上記通常制御が継続される。
【0148】
[簡単な走行例]
ついで、本発明に係る車輌用制御装置1に基づくコーナー制御によるダウンシフト制御の簡単な走行例について、図16及び図17に沿って説明する。図16は、本発明を適用した走行例を示す図で、(a)は特定コーナーに接近する前にアクセルオフにされた(Lcが長い)場合の説明図、(b)は特定コーナーに接近してアクセルオフにされた(Lc’が短い)場合の説明図、図17は本発明を適用しない走行例を示す図で、特定コーナーに接近してアクセルオフにされた(Lc’が短い)場合の説明図であり、特定コーナーにおけるノードN1からの距離x対する、各入力軸回転数及び変速比の変化を示している。図16(a)、(b)及び図17の走行例は、車輌が進入しようとしているコーナー(コーナー形状)は同一であり、道路情報(例えば道路の勾配)も同一と仮定した場合を示している。
【0149】
まず、図16(a)に示す走行例について説明する。距離x1において、コーナー検出手段33が車輌前方に特定コーナーを検出すると(S13−2及びS13−4のYes)、道路情報目標入力軸回転数設定手段45cはコーナー推奨入力軸回転数NCの算出を開始するので(S13−6)、1点破線で示すコーナー推奨入力軸回転数NCは上昇を始めるが(S13−15)、アクセルオフにされていないので(S13−7のNo)、距離x2において、コーナー推奨入力軸回転数NCが実線で示す過渡目標入力軸回転数NSを超えても、距離x3まで、破線で示すコーナー目標入力軸回転数NTは過渡目標入力軸回転数NSを超えず(S13−10)、アクセルオフにされるまで、2点破線で示す最終目標入力軸回転数NFは過渡目標入力軸回転数NSに設定されている(S14)。
【0150】
ついで、距離x3において、アクセルオフにされると(S13−7のYes)、最終目標入力軸回転数NFは、コーナー推奨入力軸回転数NCとなりステップ状に上昇する(S13−8、S14)。つまり道路情報変速制御手段45は、これと略々同時にコーナー制御によるダウンシフト制御を開始させ、変速速度設定手段44は、差分dNIN、及びダウンシフト完了時間Tdに基づき変速速度vを設定する(S15−4からS15−6)。そして、過渡目標入力軸回転数算出手段49は、上記設定した変速速度vに基づき過渡目標入力軸回転数NSを算出し(S15−7からS15−9)、変速実行手段49は、該過渡目標入力軸回転数NSと一致するように実入力軸回転数NINを上昇させることで、エンジンブレーキ力を上昇させる(S15−11)。
【0151】
距離x4において、変速実行手段49は、車輌がコーナー前距離Lhを通過する際に、過渡目標入力軸回転数NSが最終目標入力軸回転数NFに略々到達させることより、コーナー制御によるダウンシフト制御を完了させるので(S15−3のNo)、車速Vは十分減速される。そして、距離x5において、車輌はノードN1のコーナー上を十分減速して走行できるので、該コーナーを安定して走行することができる。
【0152】
次に、図16(b)及び図17に示す走行例について説明する。図16(a)に示す走行例では距離x3においてアクセルオフにされたのに対し、図16(b)及び図17に示す走行例では、車輌が距離x3’に達したところでアクセルオフにされるため、ノードN1のコーナーまでの距離が図16(a)の走行例のLcより短いLc’となっている。
【0153】
距離x3’までは、図16(a)に示す走行例における距離x3までの状態が維持されており、最終目標入力軸回転数NFは過渡目標入力軸回転数NSに設定されている状態にある(S13−10)。車輌が距離x3’に達したところでアクセルオフにされると(S13−7のYes)、図16(a)に示す走行例と同様に、最終目標入力軸回転数NFがステップ状に上昇する(S13−8、S14)。道路情報変速制御手段45は、これと略々同時にコーナー制御によるダウンシフト制御が開始させ、過渡目標入力軸回転数NSを算出すると共に(S15−4からS15−9)、図16(a)に示す過渡目標入力軸回転数NSより大きな勾配(変速速度v)の過渡目標入力軸回転数NSに一致するように実入力軸回転数NINを上昇させることで、エンジンブレーキ力を上昇させる(S15−11)。
【0154】
一方、図17に示すように本発明を適用しない場合、車輌が距離x3’に達したところでアクセルオフにされると、ノードN1のコーナーまでの距離Lc’と関係なく変速速度vが設定されるため、例えば図17に示す過渡目標入力軸回転数NS’の勾配(変速速度v)が図16(b)に示す過渡目標入力軸回転数NSより小さいと、車輌がコーナー前距離Lhを通過する際に(距離x4)、実入力軸回転数NINが最終目標入力軸回転数NFに到達しない場合ある。そのため、車輌がノードN1のコーナーを通過する際(距離x5)、ダウンシフト制御が完了しない場合があり、車速Vが十分減速されないため、該コーナーを安定して走行できない虞がある。
【0155】
しかしながら、本発明を適用した場合、上述したようなノードN1のコーナーからの距離Lc’が短い場合であっても、道路情報変速制御手段45は、車輌が図16(a)に示す走行例と同じ距離x4を通過する際に、上記過渡目標入力軸回転数NSに基づいてコーナー制御によるダウンシフト制御を完了させる(S15−3のNo)。つまり、アクセルオフのタイミングに関係なく、コーナー前距離Lhを通過する際には、上述したダウンシフト制御が完了される。そのため、コーナー進入前に十分減速できるので、該コーナーを安定して走行することができる。
【0156】
なお、変速速度vが上限値に達した場合には、急な減速を防ぐためコーナー前距離Lhを通過する際にコーナー制御によるダウンシフト制御が完了しないこともあるが、該コーナー前距離Lhを予め大きめに設定することで、コーナーを進入する前にコーナー制御によるダウンシフト制御を完了させることができる。
【0157】
以上のように、本発明に係る車輌用制御装置1、及び当該制御方法、並びに当該制御プログラムによると、到達地点設定手段43に設定された到達地点までに入力軸回転数を道路情報に基づく最終目標入力軸回転数NF(所定の目標入力軸回転数)に略々到達させることにより、自動変速機5の変速の実行を完了することができ、道路情報に応じた車輌の走行を可能にすることができる。
【0158】
また、コーナー前距離Lhまでに変速実行手段49による変速の実行させるので、上記変速の実行開始の際、車輌の現在位置から特定コーナーの地点までの距離Lcが短い場合であっても、車輌が特定コーナーに進入する前までに車速Vを十分減速することができ、特定コーナーを安定して走行することができる。また、特定コーナーの進入前までに変速実行手段49による変速の実行を完了させるので、コーナー走行中における該変速を防止することができ、運転者や同乗者に違和感を与えることを防止することができる。
【0159】
さらに、特定コーナーの地点から特定コーナーの形状(例えば旋回角θ、曲率半径など)に応じて設定されたコーナー前距離Lhを、到達地点として設定するので、特定コーナーの形状が急な場合であっても、コーナー前距離Lhをコーナー形状に合わせて算出することができ、コーナー前距離Lhに基づいてダウンシフト完了時間を変更することができる。これにより、特定コーナー進入前までに車速Vを確実に減速することができる。また、特定コーナーの進入前までに変速実行手段49による変速の実行を確実に完了させることができる。
【0160】
なお、上述した実施の形態において、コーナー前距離Lhを設定し、特定コーナーから該コーナー前距離Lh手前の地点を通過するまでに、変速実行手段49による変速の実行を完了させる例を示したが、これに限らず、特定コーナーの地点から所定値手前に上記変速の実行を完了させるものであれば、いずれのものであってもよく、例えば特定コーナーを通過する所定時間前までに上記変速を完了させるものであってもよい。
【0161】
また、上述した実施の形態において、無段変速機5を適用した例を説明したが、上記の無段変速機5はベルト式無段変速機に限らず、例えば、トロイダル式無段変速装置でもよく、また特開平8−261303号公報に示される出力が0となる状態に自己収束する無段変速機(IVT)、静油圧式無段変速機(HST)などの他の無段変速機に同様に適用し得ることは勿論、電気モータを駆動源とする電気自動車並びに電気モータ及びエンジンを駆動源とするハイブリット自動車における上記モータジェネレータによる駆動力制御装置など、所定の変速比に無段制御し得るものにも同様に適用し得る。さらに、有段自動変速機(オートマッチクトランスミッション)を搭載した車輌にも、最終目標入力軸回転数NFになるような所定の変速比に最も近い変速段を設定することにより、同様に適用可能である。
【0162】
そして、上述した実施の形態において、より運転性を向上させる一例として、コーナーから所定距離Lh手前までに変速実行手段49による変速の実行を完了させる例を示したが、これに併せて、道路情報(例えば道路の種類、道路の幅など)、各種センサにより検出される道路状況(例えば路面平滑度、降雪など)、運転状態(例えば運転経験、運転者の覚醒度など)などの情報を変速速度vに反映させて、より運転性を向上させることも可能である。例えばブレーキ踏力検出手段42a(図1)がフットブレーキ8のペダル(不図示)の踏み込む力(ブレーキ踏力)を検出し、該検出結果を変速速度vに反映してもよく、また、コーナー制御検出手段45a(ダウンシフト制御検出手段45b)がコーナー制御(ダウンシフト制御)の実施を検出して、継続制御コーナー検出手段45dが、該検出結果に基づき、特定コーナーに対するコーナー制御中に該制御を継続する必要がある2番目の特定コーナー(上記特定コーナーと直線道路などを介し繋がる特定コーナー)を検出し、該検出結果を変速速度vに反映させて、さらに運転性の向上を図ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輌用制御装置を示すブロック図。
【図2】無段変速機の一例としてのベルト式無段変速機を示す図。
【図3】ナビゲーション装置による処理のフローチャート。
【図4】変速機制御装置による処理のフローチャート。
【図5】道路情報の内容の一例を示す図。
【図6】走行環境認識手段サブルーチンのフローチャート。
【図7】コーナー形状の一例を示した図。
【図8】コーナー判定マップの一例を示す図。
【図9】各ノードのコーナーに対する必要減速度を示す図。
【図10】基本目標入力軸回転数マップの一例を示す図。
【図11】コーナー目標入力軸回転数算出処理サブルーチンのフローチャート。
【図12】コーナー推奨入力軸回転数マップの一例を示す図。
【図13】変速制御処理サブルーチンのフローチャート。
【図14】コーナー形状に応じたコーナー前距離変更マップの一例を示す図。
【図15】変速速度マップの一例を示す図。
【図16】本発明を適用した走行例を示す図で、(a)は特定コーナーに接近する前にアクセルオフにされた(Lcが長い)場合の説明図、(b)は特定コーナーに接近してアクセルオフにされた(Lc’が短い)場合の説明図。
【図17】本発明を適用しない走行例を示す図で、特定コーナーに接近してアクセルオフにされた(Lc’が短い)場合の説明図。
【符号の説明】
1 車輌用制御装置
4 変速機制御装置
5 自動変速機(ベルト式無段変速機)
7 アクセルペダル
9 スロットルバルブ
23 アクセルセンサ
25 スロットル開度センサ
33 コーナー検出手段
40 目標入力軸回転数設定手段
43 到達地点設定手段
44 変速速度設定手段
48 最終目標入力軸回転数選択手段
49 変速実行手段
Lh 特定コーナーの地点から特定コーナーの形状に応じて設定される距離(コーナー前距離)
v 変速速度
V0 現在の車速
Gr 減速の必要度合い(必要減速度)
θ 屈曲度合い(旋回角)
Claims (11)
- 駆動源が入力軸に駆動連結され、入力軸からの回転を変速して出力軸に出力する自動変速機と、道路情報に基づき前記自動変速機の変速比を制御する変速機制御装置と、を備える車輌用制御装置において、
コーナー形状の情報を含む道路情報に基づき、車輌前方の特定コーナーを検出するコーナー検出手段と、
前記検出された特定コーナーに対して前記自動変速機の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定する目標入力軸回転数設定手段と、
前記特定コーナーの地点から所定距離手前の地点を、入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点とし、前記特定コーナーのコーナー形状が急であるほど前記所定距離を大きく設定する到達地点設定手段と、
運転者の減速意図を示す操作を検出する減速意図検出手段と、
前記運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、前記設定された到達地点までに入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させるように、変速速度を設定する変速速度設定手段と、
該設定された変速速度に基づき変速を実行する変速実行手段と、を備える、
ことを特徴とする車輌用制御装置。 - 前記道路情報は、道路勾配を含む情報である、
請求項1記載の車輌用制御装置。 - 前記コーナー検出手段は、特定点における屈曲度合いが所定値以上である場合、前記特定点を前記特定コーナーとして検出してなる、
請求項1または2記載の車輌用制御装置。 - 前記目標入力軸回転数設定手段は、前記所定の目標入力軸回転数を選択する最終目標入力軸回転数選択手段と、道路情報に基づき道路情報目標入力軸回転数を設定する道路情報目標入力軸回転数設定手段と、を備え、
前記最終目標入力軸回転数選択手段は、少なくとも、車速、アクセル開度、変速マップから設定される基本目標入力軸回転数と、検出された前記特定コーナーの形状、現在の車速、減速の必要度合い、道路勾配、運転者の減速意図、に基づき設定された前記道路情報目標入力軸回転数のうち、随時、回転数が高い方を前記所定の目標入力軸回転数として選択してなる、
請求項1ないし3のいずれか記載の車輌用制御装置。 - 前記道路情報目標入力軸回転数設定手段は、運転者の減速意図を示す操作を検出した場合、前記特定コーナーの形状と、現在の車速と、道路勾配と、減速の必要度合いと、に基づき算出される推奨入力軸回転数を、前記道路情報目標入力軸回転数として設定してなる、
請求項4記載の車輌用制御装置。 - アクセルペダルのオン・オフ状態を検出するアクセルセンサを備え、
前記道路情報目標入力軸回転数設定手段は、前記アクセルセンサの検出結果に基づき前記アクセルペダルがオフ状態であることを検出した場合、前記特定コーナーの形状と、現在の車速と、道路勾配と、減速の必要度合いと、に基づき算出される前記推奨入力軸回転数を、前記道路情報目標入力軸回転数として設定してなる、
請求項5記載の車輌用制御装置。 - スロットルバルブの開度量を検出するスロットル開度センサを備え、
前記道路情報目標入力軸回転数設定手段は、前記スロットル開度センサの検出結果に基づき前記スロットルバルブの開度量がアイドリング時の開度量であることを検出した場合、前記特定コーナーの形状、現在の車速と、道路勾配と、減速の必要度合いと、に基づき算出される前記推奨入力軸回転数を、前記道路情報目標入力軸回転数として設定してなる、
請求項5記載の車輌用制御装置。 - 前記目標入力軸回転数設定手段は、運転者の減速意図を示す操作を検出する前は、入力軸回転数と前記推奨入力軸回転数のうち、回転数の低い方を前記道路情報目標入力軸回転数として設定してなる、
請求項5ないし7いずれか記載の車輌用制御装置。 - 前記目標入力軸回転数設定手段は、前記所定の目標入力軸回転数が所定の上限値以上となる場合、該上限値を前記所定の目標入力軸回転数として設定してなる、
請求項1ないし8のいずれか記載の車輌用制御装置。 - 駆動源が入力軸に駆動連結され、入力軸からの回転を変速して出力軸に出力する自動変速機を備え、道路情報に基づき前記自動変速機の変速比を制御する車輌用制御方法において、
コーナー形状の情報を含む道路情報に基づき、車輌前方の特定コーナーを検出し、
前記検出された特定コーナーに対して前記自動変速機の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定し、
前記特定コーナーの地点から前記特定コーナーのコーナー形状が急であるほど距離手前の地点を、入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点として設定し、
運転者の減速意図を示す操作を検出し、
前記運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、前記設定された到達地点までに入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させるように、変速速度を設定し、
該設定された変速速度に基づき変速を実行する、
ことを特徴とする車輌用制御方法。 - 駆動源が入力軸に駆動連結され、入力軸からの回転を変速して出力軸に出力する自動変速機の変速比を、道路情報に基づき制御するための車輌用制御コンピュータを、
コーナー形状の情報を含む道路情報に基づき、車輌前方の特定コーナーを検出するコーナー検出手段、
前記検出された特定コーナーに対して前記自動変速機の入力軸回転数を上昇させるための所定の目標入力軸回転数を設定する目標入力軸回転数設定手段、
前記特定コーナーの地点から前記特定コーナーのコーナー形状が急であるほど距離手前の地点を、入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させる到達地点として設定する到達地点設定手段、
運転者の減速意図を示す操作を検出する減速意図検出手段、
前記運転者の減速意図を示す操作を検出した際に、前記設定された到達地点までに入力軸回転数を前記所定の目標入力軸回転数に到達させるように、変速速度を設定する変速速度設定手段、
該設定された変速速度に基づき変速を実行する変速実行手段、
として機能させるための車輌用制御プログラム。
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