JP3969190B2 - 撮像信号処理方法、撮像信号処理装置、撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子の撮像信号処理方法および装置並びに撮像装置に関する。より詳細には、CMOS型撮像素子や増幅型撮像素子など、画素にて得た画素信号を電流信号として出力する電流出力方式の固体撮像素子から出力された撮像信号の直流レベルを一定値に保持するクランプ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、固体撮像装置は、フォトダイオードなどで構成された各受光素子で光電変換を行ない、発生した電荷を検出回路によって検出し、その後増幅し、順次出力する。この検出回路は、検出動作とリセット動作を交互に行なう場合が殆どで、リセットノイズといわれるノイズ信号を発生し、その影響で画素ごとにオフセット成分を生じる。また、この検出回路が受光素子ごとに設けられている、いわゆる増幅型固体撮像素子の場合には、この検出回路自体のばらつきが問題となり、固定パターンノイズ(FPN;Fixed Pattern Noise )といわれるノイズ信号の発生原因となる。このFPN信号は既知である相関2重サンプリング(Correlated Double Sampling:以下CDSという)といわれる信号処理方式によって取り除くことができる。
【0003】
一方、CDS回路によってノイズ除去された信号は、PGA(Programmable Gain Amp :可変利得増幅器)などの信号処理を通過した後、A/D変換器(アナログデジタル変換器)によってデジタル信号へと変換され、デジタル信号処理によって映像信号が形成される。
【0004】
また、一般には、固体撮像装置から出力される信号のDCレベル(直流レベル)は、電源電圧、温度、あるいは半導体製造プロセスなどのバラ付きなどさまざまな要因で変動するため、画素信号がCDS回路、PGA、A/D変換器と通過していく間に、クランプ回路を用いて任意の時間に任意のDCレベルにクランプ(保持)する。たとえば、固体撮像装置の場合、DCレベルは、撮像素子のOPB(OPtical Black :光学的黒)レベルを基準レベルに合わせることで行なわれることが多い。このクランプ回路の実現方法としては、従来より様々な構成が提案されている。
【0005】
図12は、従来より用いられている固体撮像装置の構成例を示す概略ブロック図である。ここで図12(A)〜図12(D)に示す構成では、電流出力型の固体撮像素子を用いる場合を例に説明する。固体撮像素子3から出力された電流モードの撮像信号は、I/V(電流電圧)変換回路902で電圧信号に変換され、CDS回路903、PGA904、DCシフト回路905、A/D変換器906と通過し、最終的にはデジタル信号処理回路へと送出される。
【0006】
クランプ回路900としては、A/D変換器906の手前に配された差動増幅器907により、出力信号レベルと基準電圧源908の基準電圧とを比較して、その差がなくなるようにDCシフト回路905に帰還をかけてクランプをかける構成としている。
【0007】
この構成では、クランプをかけるための帰還信号をPGA904の後に帰還しているが、さらに手前に帰還する構成とすることもできる。たとえばPGA904の手前に帰還する場合は、PGA904の入力信号レベルが管理されるため、DCレベルのバラツキによってPGA904のダイナミックレンジが減少することを防ぐ効果も得られる。ただし、CDS回路903の手前に帰還することは現実的でない。CDS回路903の減算処理によって、一度DC成分が除去されてしまうからである。CDS回路903の手前に帰還することは不可能ではないが、前記事情により、CDS後に再度DCレベルを合わせることが必要になるので、事実上CDS回路903の手前に帰還する構成のクランプ回路が無駄になる。
【0008】
これに対して図12(B)は、CDS回路903のダイナミックレンジ確保のために、もう1つ独立のクランプ回路901を備えた点に特徴を有する。図示するように、CDS回路903の手前にDCシフト回路909を挿入し、CDS回路903の入力レベルが任意の基準電圧源922の直流電圧と等しくなるように差動増幅器910によってモニタし、帰還をかける構成としている。
【0009】
このように、図12(A)や図12(B)で示した従来のクランプ回路は、信号のDCレベルの変動を吸収することで、映像信号の黒浮きや黒沈みといった問題を防ぐとともに、CDS回路903やPGA904といったアナログ回路のダイナミックレンジ確保という観点からも必要とされている。
【0010】
ここで問題となるのは、図12(A)や図12(B)に例示した従来の固体撮像装置においては、クランプをかけるために必ずDCシフト回路が必要とされ、システムがより複雑化していくということである。一般的に、CDS回路やPGAといった信号処理回路は、電圧で信号を処理するものであり、この場合、クランプ回路もやはり電圧信号に帰還をかけることで実現される。したがって、DCシフト回路905,909は、電圧加算器のようなものを用いて構成されるが、場合によっては大きめの容量素子を用いて一度信号のDC成分をカットしてしまうようなやり方もある。
【0011】
図12(C)は、図12(A)におけるDCシフト回路905を電圧加算器を用いて構成した場合の例を示す。抵抗素子911,912,913、および差動増幅器914、基準電圧源915から構成されるのが電圧加算器で、可変利得増幅器904の出力電圧に、差動増幅器907の出力電圧を足し合わせたものをA/D変換器906へと出力する。A/D変換器906の入力電圧をバッファ916を介してスイッチ素子917の入力端へ渡し、このスイッチ素子917をクランプパルスで制御することによりクランプ電位をホールドコンデンサ918に保持する。差動増幅器907は、スイッチ素子917で制御される任意の時間において、A/D変換器906の入力電圧を監視し、それが基準電圧源908と同じ電圧になるように適当な電圧を抵抗素子912、すなわち電圧加算器の入力に対して帰還をかけることになる。
【0012】
図12(D)は、図12(A)におけるDCシフト回路905を容量素子を用いて構成した場合の例を示す。可変利得増幅器904の出力信号を容量素子917で受け取り、そのDC成分をカットし、バッファ918を介してA/D変換器906へと出力する。失ったDC成分はスイッチ素子919で制御される任意の時間に差動増幅器907によって与えられ、容量素子917によって保持される。差動増幅器907はA/D変換器906の入力信号電圧を監視し、それが基準電圧源908と同じになるように容量素子917に対して帰還をかけることになる。
【0013】
このように、電圧信号に対してクランプをかける場合に必要なDCシフト回路は、図12(C)のような電圧加算器や、図12(D)のように容量素子を用いる必要があり、回路規模の増大やレイアウト面積増大の原因となる。特に、大きめの容量素子を半導体基板上に形成することはレイアウト面積の問題上難しく、かといって半導体外部に出してしまう場合にはPAD(端子)数増大といった新たな問題を引き起こす。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の固体撮像装置においては、電流電圧変換回路、CDS回路、PGA、あるいはA/D変換器などの複雑なアナログ信号処理回路を必要としてきた上に、システム上、撮像信号のDCレベルを安定させるクランプ回路が必要であり、このため図12(C)や図12(D)に示すように、DCシフト回路が新たに必要となり、これが、システムの更なる複雑化の原因となっていた。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電圧加算器などを利用したDCシフト回路などの特別な回路を用いることなくクランプ回路を構成することのできる撮像信号処理方法および装置並びに撮像装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮像信号処理方法は、固体撮像素子から電流信号として出力される撮像信号の出力レベル(直流レベル)を一定値に保持する撮像信号処理方法であって、撮像信号を電圧信号に変換し、この変換した電圧信号における所定期間の出力レベルを検知し、この検知した出力レベルと予め定められている基準電圧値との差が略零となるように、撮像信号にクランプ電流を帰還することとした。加えて、撮像信号にクランプ電流を帰還する際、リセット期間に前記撮像信号への帰還を停止させた前記クランプ電流を、前記電圧信号を変換する動作基準点を設定するための基準電圧源に還流させることとした。
【0017】
本発明に係る撮像信号処理装置は、前記本発明に係る撮像信号処理方法を実施する装置であって、撮像信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と、電流電圧変換部により変換された電圧信号における所定期間の出力レベルを検知し、この検知した出力レベルと予め定められている基準電圧値とを比較することで出力レベルと基準電圧値との差を求める出力レベル比較部と、出力レベル比較部が求めた出力レベルと基準電圧値との差が略零となるように撮像信号にクランプ電流を帰還する電流帰還部とを備えた。ここで、電流帰還部は、リセット期間に撮像信号への帰還を停止させたクランプ電流を、電流電圧部の動作基準点を設定するための基準電圧源に還流させる。
【0018】
電流帰還部としては、たとえば、電圧信号がゲート端子に印加されるMOSトランジスタを含み、このMOSトランジスタの定電流特性を用いてクランプ電流を生成するものとすればよい。
【0019】
出力レベル比較部は、電流電圧変換部により変換された電圧信号における所定期間の出力レベルと予め定められている基準電圧値としての基準出力電圧とを比較する構成とする。
【0020】
また本発明に係る撮像信号処理装置は、固体撮像素子の各画素から画素信号線を介して出力される電流信号に含まれているオフセット成分を電流モードで抑制する電流型CDS機能を備えた電流信号検出部と組み合わせるのが好ましい。
【0021】
この電流型CDS機能を備えた電流信号検出部としては、リセット期間に対応する入力フェーズ時に電流信号におけるリセット期間の電流成分を受けて保持し、検出期間に対応する出力フェーズ時には入力フェーズ時に保持した電流成分を出力するカレントコピアを具備し、電流信号における検出期間には、この検出期間の成分とカレントコピアの電流入出力端子から出力される成分との差を求めることで固定パターンノイズを抑制する構成を取り得る。
【0022】
また、電流信号をオンオフするスイッチ素子と、リセット期間におけるスイッチ素子のオン時に電流信号を受けて当該電流信号に応じた電圧を保持する容量素子と、固体撮像素子側に接続された入力側の素子と出力側の素子とがミラー接続されたカレントミラー回路とを具備し、電流信号における検出期間には、カレントミラー回路の出力側の素子から出力される検出期間の成分と容量素子が保持している電圧に応じた電流成分との差を求めることで固定パターンノイズを抑制する構成としてもよい。
【0023】
あるいは、電流信号をオンオフするスイッチ素子と、リセット期間における記スイッチ素子のオン時に電流信号を受けてこの電流信号に応じた電圧を保持する容量素子と、容量素子の側に配された入力側の素子と出力側の素子とがミラー接続されたカレントミラー回路とを具備し、電流信号における検出期間には、この検出期間の成分と容量素子が保持している電圧に応じた電流成分であってカレントミラー回路の出力側の素子から出力された電流成分との差を求めることで固定パターンノイズを抑制する構成とすることもできる。
【0024】
なお、カレントコピアを具備する構成の電流信号検出部と組み合わせる場合には、電流帰還部は、リセット期間には撮像信号へのクランプ電流の帰還を停止する構成とすることが好ましい。さらには、リセット期間に撮像信号への帰還を停止させたクランプ電流を、たとえば電流電圧変換部の動作基準点を規定する基準電圧源など、予め定められた基準電圧源に還流させる構成とすると、より好ましい。
【0025】
本発明に係る撮像装置は、各画素からの電流信号を画素信号線を介して出力する固体撮像素子と、本発明に係る撮像信号処理装置とを具備したものである。
【0026】
【作用】
上記構成においては、出力レベル比較部が、固体撮像素子から出力される電流モードの撮像信号を電流電圧変換した電圧信号で検知することで、撮像信号における所定期間の出力レベルを検知する。そして、この検知した出力レベルと予め定められている基準電圧値とを比較することで撮像信号の出力レベルと基準電圧値との差を求める。電流帰還部は、出力レベル比較部が求めた出力レベルと基準電圧値との差が略零となるように、電流モードの撮像信号にクランプ電流を帰還する。
【0027】
つまり、上記構成においては、従来のような電圧信号でフィードバックする構成のクランプとは異なり、電流帰還型のクランプ構成を用いて信号電流に直接クランプ電流を加えることで、撮像信号の出力レベルを制御する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
図1は、電流出力方式の固体撮像素子と本発明に係る撮像信号処理装置とを備えた撮像装置の一実施形態の構成例を示す図である。この撮像装置1は、固体撮像素子3として、たとえばCMOS型撮像素子を備えている。また撮像装置1は、固体撮像素子3の後段に、電圧動作点設定部7および電流サンプリング部9を具備した電流信号検出部5と電流クランプ部26とを備えている。なお、固体撮像素子3と電流信号検出部5および電流クランプ部26とを1つの半導体基板上に形成してもよい。
【0030】
図1(A)において、固体撮像素子3を構成する感光部(センサアレイ)10の単位画素11は、フォトダイオード12、増幅用トランジスタ13、垂直選択用トランジスタ14、およびリセット用トランジスタ15によって構成されている。これらトランジスタ13〜15として、本例では、NchMOSトランジスタが用いられている。単位画素11がX方向(列方向)およびY方向(行方向)に配列されて画素部を構成している。なお、ここでは、図面の簡略化のために、m行n列の画素のみを示している。
【0031】
単位画素11において、垂直選択用トランジスタ14のゲート電極には垂直走査回路16から垂直選択線17を通して垂直走査パルスφVmが与えられ、リセット用トランジスタ15のゲート電極には垂直走査回路16から垂直リセット線18を通して垂直リセットパルスφVR mが与えられる。また、フォトダイオード12で光電変換された信号電荷は増幅用トランジスタ13で信号電流に変換され、垂直選択用トランジスタ14を通して垂直信号線19に出力される。
【0032】
垂直信号線19と水平信号線20との間には、水平選択用トランジスタ21が接続されている。この水平選択用トランジスタ21のゲート電極には、水平走査回路22から水平走査パルスφHnが与えられる。これにより、画素11から垂直信号線19に出力された信号電流は、水平選択用トランジスタ21を通して水平信号線20に流れる。
【0033】
水平信号線20の一方の端部には、電流信号検出部5が接続され、その内部の電圧動作点設定部7および電流サンプリング部9を介して、さらに電流クランプ部26が接続されている。電流信号検出部5としては、たとえば、本願出願人による特願2002−102108号に記載の、電流モードのCDS処理機能を備えたものを使用するのが好ましい。
【0034】
電圧動作点設定部7は、常に水平信号線20の電圧を略一定レベル(たとえばGNDレベル付近)に安定に保つ。電流サンプリング部9は、画素信号線の一例である水平信号線20を通じて画素信号を電流として受け取り、その電流をサンプリングすることによって、電流信号中に含まれているオフセット電流を取り除き、純粋な信号だけを取り出す。これにより、画素信号内に含まれるFPN(固定パターンノイズ)を抑圧する。
【0035】
電流クランプ部26は、水平信号線20から電流信号検出部5を通して入力される信号電流の所定位置(具体的には光学的黒レベル;OPB)をクランプすることで、電流信号の基準レベルであるOPBレベルを一定値に保持する。この電流クランプ部26の後段には、必要に応じて、電流クランプ部26から入力される信号電流を信号電圧に変換して出力する電流電圧変換回路が設けられる。
【0036】
固体撮像素子3は、感光部(センサアレイ)10にフォトダイオード11が縦横に並べられている他(図1(B)を参照)、垂直および水平の各走査回路などの出力制御回路や出力回路(ともに図示せず)などを備えている。必要に応じて、個々のフォトダイオード11上にマイクロレンズを配して撮像対象の画を集光する構成としてもよい。
【0037】
図1(B)に示すように、感光部10の端の一部には、フォトダイオード11の上部を遮光したセンサ列(遮光部)を並べてある。この部分の出力は常に光の無い部分で黒のレベル(光学的黒レベル)となるが、このような画素をOPB画素という。このOPB画素は、垂直走査の開始側の数ライン(ライン;1水平走査期間)分と、水平走査の開始側の数画素分だけ設けられるのが一般的である。
【0038】
電流クランプ部26は、電流モードで電流信号検出部5から出力された撮像信号における所定期間の直流レベルを検知し、この検知した直流レベルと予め定められている基準値との差が略零となるように、撮像信号にクランプ電流を帰還する。具体的には、この電流クランプ部26は、出力回路202と、クランプ回路250と、加算部280とを有している。この電流クランプ部26は、OPB画素の出力信号を検知し、その値と予め設定した基準値との大小の比較を行なう。本実施形態においては、電流信号検出部5から出力される電流信号を出力回路202にて電圧信号に変換し、この電圧信号中のOPBレベルと電圧基準値とをクランプ回路250にて比較する。
【0039】
そして、クランプ回路250は、OPB画素の出力が電圧基準値よりも大きければ小さくなるように、比較結果に応じてクランプレベル(つまりOPBレベル)を変動させOPB画素の出力レベルを基準値に収束させるよう負帰還制御を行なう。本構成例では、電流信号検出部5によるCDS処理の後に電流クランプ部26からの帰還信号を電流(クランプ電流)で加算しており、これにより、その後の信号のDCレベルを希望する値(予め設定した基準値)に変動させることが可能である。
【0040】
図2は、上記構成の撮像装置1における電流クランプ部26の機能構成を、撮像装置1の全体とともに示したブロック図である。図示するように、電流クランプ部26は、電流利得を制御する可変利得増幅器(PGA)200と、電流信号を電圧信号に変換する出力回路202の一例である電流電圧変換部(以下電流電圧変換部220という)と、クランプ回路250とを備える。
【0041】
クランプ回路250は、電流電圧変換部220から出力された電圧信号S3を監視(モニタリング)してその結果をクランプ電流Scpとして出力する電流出力型の差動増幅器252を有する。つまり、電流出力型の差動増幅器252は、撮像信号における所定期間の出力レベルを検知し、この検知した出力レベルと予め定められている基準電圧値とを比較することで出力レベルと基準電圧値との差を求める出力レベル比較部と、出力レベルと基準電圧値との差が略零となるように撮像信号にクランプ電流を帰還する電流帰還部との、両機能を備える。
【0042】
たとえば、電流出力型の差動増幅器252の所定位置(場所は回路構成により変わる)には、クランプのタイミングを規定するクランプパルスが入力される。具体的には、固体撮像素子3のOPB画素位置に応じたパルスが入力されることで、OPBクランプが実現される。
【0043】
また電流クランプ部26は、可変利得増幅器200により所定レベルに電流増幅された電流信号S1と差動増幅器252からのクランプ電流Scpとを加算して合成電流S2を出力する電流加算部280と、差動増幅器252の動作基準点を設定する動作基準点設定部の一例である基準電圧源290とを備える。電流クランプ部26の後段には、アナログ信号をデジタル信号に変換する信号処理系統用のA/D変換器28が接続されている。
【0044】
この構成において、電流信号検出部5は、電流型の固体撮像素子3から出力された撮像信号を、電流信号のままCDSの減算処理をして電流信号S0として検出し、この電流信号S0を可変利得増幅器200に供給する。可変利得増幅器200は、電流信号検出部5にてCDS処理された電流信号S0を所定レベルに増幅し電流加算部280の一方の端子に供給する。電流電圧変換部220は、電流加算部280から供給される電流信号S2を電圧信号S3に変換する。この電圧信号S3は、信号処理系用の多ビット(たとえば8〜11ビット)のA/D変換器28によりデジタル信号に変換される。
【0045】
クランプ回路250を構成する差動増幅器252は、電流電圧変換部220から出力される電圧信号S3の光学的黒レベルの電圧値を監視し、その結果をクランプ電流Scpとして電流加算部280に供給して、電流モードで電流電圧変換部220の入力に帰還をかける。つまり、固体撮像素子3、電流信号検出部5、可変利得増幅器200、電流電圧変換部220などが純粋な信号成分以外にオフセット成分を出力してしまうので、出力信号にはDCレベル変動が起こってしまう。これをクランプ電流Scpにより吸収するために、クランプ回路250が設けられている。
【0046】
この構成例のクランプ機能は、電流電圧変換部220から出力される電圧信号S3のOPB画素の出力レベルを差動増幅器252で任意の基準電圧源290の基準電圧V1と比較し、その差がなくなるように電流の形で可変利得増幅器200の後に帰還をかけることで実現している。すでに電流信号検出部5にてCDSの減算処理が終了しているため、この位置でクランプをかけることができる。
【0047】
また、電流で帰還をかけるため、抵抗などを利用した電圧加算器のような特別な回路が不要であり、単純に可変利得増幅器200からの信号電流S1にクランプ電流Scpを加えるだけで、OPB画素の信号成分のDCレベルを制御することができるという利点がある。このため、システムを単純化することができ、部品点数も削減することができる。
【0048】
また、CDS機能を有する電流信号検出部5や可変利得増幅器200は、電流信号で信号処理を行なうため、限られた電源電圧のなかで信号を処理する場合において、電圧信号で処理するよりも回路のダイナミックレンジを確保しやすいという利点もある。このため、従来技術の図12で例示したような、CDS回路903のダイナミックレンジ確保のための独立したDCシフト回路909のようなものは特に必要とせず、電流電圧変換部220で電圧信号に変換する手前に一度電流クランプ部26で帰還をかけるだけで、アナログ回路のダイナミックレンジ確保という目的も達成することができる。
【0049】
また、この例では、電流信号検出部5の後に可変利得増幅器200を入れているが、CDS機能を有する電流信号検出部5の手前に可変利得増幅器200を入れることもでき、特に必要ない場合は可変利得増幅器200を省略することもできる。また、可変利得増幅器200に限らず、電流型のサンプルホールド回路など、他の回路ブロックが挿入されてもよい。
【0050】
なお、この例では、クランプ電流を可変利得増幅器200の後段に帰還しているが、電流信号検出部5の直後に帰還することもできる。この場合、可変利得増幅器200のゲインを変えたときに、固体撮像素子3および電流信号検出部5の出すオフセット成分と、それを除去するためのクランプ電流に同じようにゲインが掛かるため、可変利得増幅器200のゲインを変えたときにクランプが外れにくいという利点がある。ただし、クランプ電流のノイズ成分も一緒にゲイン制御されてしまい、ゲインアップされたときにはS/N上不利になる虞れがある。
【0051】
図3は、電流信号検出部5の一実施形態の構成例を示す図である。ここで図3(A)は、その回路図、図3(B)は動作を説明するためのタイミングチャートである。図示する構成は、電圧動作点設定部7としてカレントミラー70を使用し、電流サンプリング部9としてカレントコピア(電流記憶セル)90を使用した点に特徴を有する。なお、この構成は、本願出願人による特願2002−102108号に記載の電流信号検出部の一実施形態の構成と同じである。
【0052】
カレントミラー70は、固体撮像素子3の画素信号線の一例である水平信号線20を介して出力される電流信号を受け取り、この受け取った電流信号の大きさに対応する大きさの電流信号を出力する電流/電流変換部の一例である。
【0053】
このカレントミラー70は、図3(A)に示すように、ドレインおよびゲートが水平信号線20に共通に接続され、かつソースが電位の基準であるグランドに接続された入力側の素子としてのNchMOSトランジスタQ71と、このNchMOSトランジスタQ71とゲートが共通に接続され、かつソースがグランド(GND)に接続された出力側の素子としてのNchMOSトランジスタQ72とから構成されている。すなわち、固体撮像素子3から信号が流れてくる画素信号線20をNchMOSトランジスタQ71,Q72からなるカレントミラー70に接続する。両NchMOSトランジスタQ71,Q72としては同じ特性のものが用いられる。
【0054】
また、図3(A)に示すように、カレントコピア90は、入出力端子としてのドレインがNchMOSトランジスタQ72のドレインと接続され、ソースが電源線VDDに接続されたPchMOSトランジスタQ91と、このPchMOSトランジスタQ91のゲートと電源線VDDとの間に接続されたサンプリング用の容量素子C91と、PchMOSトランジスタQ91のゲートとドレイン間に接続されたスイッチ素子SW91と、PchMOSトランジスタQ91のドレインと電流出力端子Ioutとの間に接続されたスイッチ素子SW92とから構成されている。
【0055】
すなわち、先ず、カレントミラー70の出力、つまりNchMOSトランジスタQ72のドレイン端子を、PchMOSトランジスタQ91のドレイン端子に接続する。PchMOSトランジスタQ91のゲートには、サンプリング用の容量素子C91が電源電圧VDDとの間に接続され、また、ゲートとドレインの間にスイッチ素子SW91が挿入され、カレントコピア90として構成される。
【0056】
NchMOSトランジスタQ72とPchMOSトランジスタQ91のドレイン端子同士をつないだノードの先には、スイッチ素子SW92が接続され、出力端子Ioutに接続される。
【0057】
ここで、図3(A1)に示すように、スイッチ素子SW91を導通状態、スイッチ素子SW92を非導通状態に制御するとカレントコピア90は入力フェーズとなり、図3(A2)に示すように、スイッチ素子SW91を非導通状態、スイッチ素子SW92を導通状態に制御するとカレントコピア90は出力フェーズとなる。
【0058】
なお、この図3(A)の例では、固体撮像素子3が増幅トランジスタ13としてNchMOSトランジスタを備えているので、これに応じて、カレントミラー70としてNchMOSトランジスタを、カレントコピア90としてPchMOSトランジスタをそれぞれ使用しているが、固体撮像素子3が、増幅トランジスタ13としてPchMOSトランジスタを備えている場合には、カレントミラー70およびカレントコピア90の形態も、図3(A)にて使用しているトランジスタのNchとPchの極性を反転させたものを使用すればよい。
【0059】
図3(B)には、固体撮像素子3の出力信号波形IINと合わせて、スイッチ素子SW91の制御パルスΦRST、スイッチ素子SW92の制御パルスΦDET、および出力端子Ioutに現れる出力信号波形Ioutとが示されている。ただし、制御パルスΦRST,ΦDETは、ハイ(H)期間にそれぞれのスイッチ素子を導通状態(オン)、ロー(L)期間に非導通状態(オフ)に制御するものとする。このΦRSTとΦDETのスイッチ制御によって、PchMOSトランジスタQ91および容量素子C91はカレントコピアとして動作する。
【0060】
固体撮像素子3から水平信号線20を介して、カレントミラー70のNchMOSトランジスタQ71に、図3(B)に示す信号波形の信号電流IINが供給される。この信号波形は、電流出力型の固体撮像素子の一般的な出力信号波形と同じである。たとえば、1画素期間内にはリセット期間と検出期間とがあり、リセット期間にはオフセット成分の信号Ioffが、検出期間には検出電流“Ioff−Isig”が出力される。その差分であるIsigが本来必要な信号電流となる。
【0061】
固体撮像素子3から出力されたこの信号電流IINは、画素信号線20を介してNchMOSトランジスタQ71,Q72から構成されるカレントミラー70に供給される。カレントミラー70は入力と出力の電流が同じになるように働くため、NchMOSトランジスタQ71に入力された信号電流は、そのままNchMOSトランジスタQ72のドレインに現れる。
【0062】
固体撮像素子3の出力信号IINがリセット期間にあるときには、図3(A1)に示すように、制御パルスΦRSTのH期間によってスイッチ素子SW91を導通状態、制御パルスΦDETのL期間によってスイッチ素子SW92を非導通状態に制御する。このときカレントコピア90は入力フェーズとなり、固体撮像素子3からカレントミラー70を介して流れてきた電流Ioffをすべて入力する。
【0063】
そして、このときの信号電流(オフセット成分)Ioffの大きさに応じた電圧がPchMOSトランジスタQ91のゲート端子に現れ、次の瞬間スイッチ素子SW91を非導通状態にすることで、そのときのゲート電圧を容量素子C91が記憶する。このカレントコピア90は出力フェーズとなり、先に入力したオフセット電流Ioffを記憶し、そのまま流し続けようとする。
【0064】
この状態で次に固体撮像素子3の出力信号IINは検出期間に移り、“Ioff−Isig”という信号がカレントミラー70を介して流れ込んでくるが、カレントコピア90は出力フェーズにあるため、先に容量素子C91に記憶した電流Ioffを流し続けようとする。このときスイッチ素子SW92を導通状態にしてやることで、カレントコピア90の記憶した電流Ioffと、カレントミラー70を介して流れ込んでくる信号電流“Ioff−Isig”の差分だけがIout端子に現れることになる。すなわち、“Iout=Ioff−(Ioff−Isig)=Isig”となり、オフセット成分Ioffを含まない純粋な信号IsigだけがIout端子に現れることになる。
【0065】
このように、図3に示した構成を用いることで、FPNの原因となるオフセット電流Ioffを取り除き、本来の信号成分Isigだけを出力端子Ioutから電流信号Ioutとして取り出すことができ、電流モードのCDS処理機能(すなわちFPN抑制機能)を実現することができる。なお、この出力電流信号は連続波となっていないが、サンプリングによって連続波に変換される。
【0066】
この回路は、NchMOSトランジスタQ71,Q72からなる1つのカレントミラー70と、PchMOSトランジスタQ91、容量素子C91、およびスイッチ素子SW91,SW92からなる1つのカレントコピア90だけで構成され、非常に回路構成が簡単で素子数が少ないという特徴を持つ。また、電流サンプリング部9として機能するカレントコピア90に対する制御も、リセット期間中に記憶、検出期間中に出力と、2つのフェーズを持つだけなので、非常に制御が簡単であるという特徴をもつ。
【0067】
また、画素信号線20の電位は、カレントミラー70を構成するダイオード接続されたNchMOSトランジスタQ71によって常に決定され、NchMOSトランジスタQ71のVth+その時の電流値とトランジスタサイズに応じたバイアス値となる。トランジスタのVthとサイズを適切に選択することよってGND付近で常に安定にすることができる。そして、これにより、固体撮像素子3内の増幅トランジスタ13は常に良好な増幅率を保ち、リニアリティの悪化を防ぐことができる。
【0068】
図4は、撮像装置1のより具体的な構成例を示した図であって、上記図3に示したカレントコピアを利用する電流信号検出部5の一実施形態とともに、可変利得増幅器200や電流電圧変換部220の一実施形態を示したものである。
【0069】
電流信号検出部5の後段に設けられた可変利得増幅器200は、NchMOSトランジスタQ201,Q202,Q203,Q204、このNchMOSトランジスタQ201〜Q204のそれぞれ対応するように設けられた電流源I201,I202,I203,I204、およびNchMOSトランジスタQ202〜Q204と対応する電流源I202〜I204のそれぞれの間に配されたスイッチ素子SW202a,SW202b,SW203a,SW203b,SW204a,SW204bを備えたカレントミラー回路により構成されている。
【0070】
図示した例では、電流入力側にNchMOSトランジスタQ201および電流源I201が配され、電流出力側にNchMOSトランジスタQ202〜Q204および電流源I202〜I204がスイッチ切替え可能に配されている。つまり、出力側にカレントミラー回路の出力段を3並列した構成としている。ただしこれは、必要なゲインに応じて構成されるもので、特に3並列に限るわけではない。また、NchMOSトランジスタでカレントミラー回路を構成しているが、PchMOSトランジスタを用いて構成してもよい。
【0071】
電流信号検出部5から出力された電流信号S0は、カレントミラー構成の可変利得増幅器200の入力側であるNchMOSトランジスタQ202のゲート端子に入力される。カレントミラー回路は単に入力された電流をそのミラー比に応じて出力するだけであるが、そのミラー比を可変にすることで可変利得動作させることができる。ここで、ミラー比を可変にするために設けられたのが、スイッチ素子SW202a〜SW204bである。このスイッチ素子SW202a〜SW204bを必要なゲインに応じて導通させると、ミラー比を決定することができる。また、電流信号検出部5からの信号電流S1が“0”になっても、可変利得増幅器200が動作するように、バイアス電流を流す機構として、電流源I201〜I204を備えている。
【0072】
この可変利得増幅器200の後段に設けられた電流電圧変換部220は、差動増幅器222と、この差動増幅器222の反転入力端子(−)と出力端子との間に配された抵抗素子224と、差動増幅器222の非反転入力端子(+)と基準電圧(具体的にはGND(接地))との間に配された基準電圧源226とを備える。基準電圧源226は、電流電圧変換部220にて電流電圧変換作用を行なう場合の電圧の基準となるものである。
【0073】
可変利得増幅器200から出力された電流信号S1は、電流電圧変換部220を構成する差動増幅器222の反転入力端子(−)に直接に入力される。また、差動増幅器222の反転入力端子(−)には、電流モードのクランプ機能を有する差動増幅器252からクランプ電流Scpも直接に入力される。
【0074】
つまり、この構成によれば、差動増幅器222の反転入力端子(−)にて、可変利得増幅器200からの電流信号S1と、差動増幅器252からのクランプ電流Scpとが合成され、差動増幅器222にて直ちに電圧信号S3に変換される。差動増幅器222の反転入力端子(−)にて直接に電流加算しているので、抵抗などを利用した電圧加算器のような特別な回路は必要としないので、部品点数を削減することができる。電流出力型の固体撮像素子3との組合せにマッチした電流型のクランプ回路とすることができる。
【0075】
この構成において、差動増幅器252は、スイッチ素子254で制御される任意の時間(前例ではOPBのタイミング)において、A/D変換器28の入力電圧、つまり電流電圧変換部220から出力された電圧信号S3を監視し、差動増幅器252の非反転入力端子(+)に接続された基準電圧源290の電圧との差がなくなるように、電流電圧変換部220の入力(本例では差動増幅器222の反転入力端子(−))に対して電流モードで帰還をかける。なお、スイッチ素子254がオフしている期間に、オン時に監視していた値を保持するために、サンプルホールド回路などを差動増幅器252の手前に挿入してもよい。
【0076】
ここで、このような電流帰還型の電流クランプ部26によれば、電圧帰還型の場合に必要だった電圧加算器や、DC成分をカットするための容量素子などが不要になり、単純に信号電流S1にクランプ電流Scpを加えるだけでクランプができる。このため、部品点数を削減することができ、また信号が通過する回路数を減らすことができるため、ノイズの混入なども少なくすることができる。
【0077】
また、クランプ電流を注入する回路自体は、たとえばMOSトランジスタの定電流特性を用いることで簡単に形成することができ、システムの複雑化を抑えることができる。特に、図4で例示した電流信号検出部5のような電流型のCDS回路を構成することで、電流帰還型のクランプ回路を用いることができ、システムの単純化に貢献する。たとえば、CMOSトランジスタなどを用いて、固体撮像素子3、電流信号検出部5、および電流クランプ部26を、一体的に半導体基板上に構成することもできる。
【0078】
さらに、CDS機能を有する電流信号検出部5や可変利得増幅器200は電流型の信号処理を行なうため、限られた電源電圧のなかで信号を処理する場合において、電圧信号で処理するよりも回路のダイナミックレンジを確保しやすいという利点もある。
【0079】
図5は、クランプ回路250の具体的な構成例を示す図である。ここで、図5(A)に示す一例は、電流出力型の差動増幅器252をCMOSトランジスタで具体的に構成した場合を示している。電流出力型の差動増幅器252は、差動増幅器252aと、PchMOSトランジスタ252bと、サンプリング回路252cとから構成されている。サンプリング回路252cは、スイッチ素子252dとホールドコンデンサ252eとを含む。ホールドコンデンサ252eは、クランプパルスで規定されるクランプ期間にサンプリングした差動増幅器252aの出力電圧を保持する。
【0080】
また、クランプ回路250は、サンプリング回路252cとPchMOSトランジスタ252bとの間に、ホールドコンデンサ252eに保持されているサンプリング電圧を受けて、それに応じてPchMOSトランジスタ252bのゲート端子を制御するクランプ電圧Vcpを発生する制御電圧発生回路260を有する。
【0081】
PchMOSトランジスタ252bのソース端子は電圧源(本例ではVDD)に接続され、ドレイン端子は電流電圧変換部220の入力に接続される。図4に示した電流電圧変換部220との対応では、ドレイン端子は差動増幅器222の反転入力端子(−)に接続され、PchMOSトランジスタ252bで生成されたクランプ電流Scpが差動増幅器222の反転入力端子(−)に入力される構成とする。
【0082】
PchMOSトランジスタ252bが飽和領域で動作するような電圧を制御電圧発生回路260が加えることで、PchMOSトランジスタ252bはゲート−ソース間の電圧に応じた電流を流す電流源として動作する。つまり、PchMOSトランジスタ252bは、制御電圧発生回路260から出力されるクランプ電圧Vcpをクランプ電流Scpに変換する電圧電流変換部として機能する。これにより、クランプ回路250は、電流出力型のクランプ回路としての機能を果たすことができる。
【0083】
なお、制御電圧発生回路260を用いることなく、ホールドコンデンサ252eに保持されているサンプリング電圧を直接PchMOSトランジスタ252bのゲート端子に加える構成としても、出力信号のDCレベルを制御する、つまりクランプ機能を作動させることができる。
【0084】
また、図5(A)に示す一例では、PchMOSトランジスタ252bのみでクランプ電流Scpを電流電圧変換部220の入力に供給する構成としているが、PchMOSトランジスタ252bをNchMOSトランジスタに置き換えて、電流電圧変換部220の入力からクランプ電流ScpをNchMOSトランジスタ側に引き込む構成としてもよい。また、PchMOSトランジスタおよびNchMOSトランジスタの両方を用いて、電流の流れる方向を切り替えて使う構成とすることもできる。
【0085】
また、図5(A)に示す一例では、PchMOSトランジスタ252bを用いて、制御電圧発生回路260から出力されるクランプ電圧Vcpをクランプ電流Scpに変換するようにしていたが、これに限らず、差動増幅器252aの出力端子を電流出力型の構成とすることで、制御電圧発生回路260やMOSトランジスタなどによる電圧電流変換部を設けることなく、その電流出力型の差動増幅器の出力にて直接にクランプ電流Scpを発生させる構成とすることもできる。
【0086】
図5(B)に示す第2例は、PchMOSトランジスタ252bのドレイン端子に3端子スイッチ素子258を挿入した構成例を示している。3端子スイッチ素子258は、入力端子aがPchMOSトランジスタ252bのドレイン端子と接続され、一方の出力端子bが電流電圧変換部220の入力部に接続され、他方の出力端子cが電流電圧変換部220の動作基準点と接続される構成とする。
【0087】
図4に示した電流電圧変換部220との対応では、出力端子bは差動増幅器222の反転入力端子(−)に接続され、PchMOSトランジスタ252bで生成されたクランプ電流Scpが3端子スイッチ素子258を介して差動増幅器222の反転入力端子(−)に入力される構成とする。また、出力端子cは電流電圧変換部220の非反転入力端子(+)と接続され、その非反転入力端子(+)に接続された基準電圧源226と同じ基準電圧V2が印加されるようにする。以下、3端子スイッチ素子258の役割について説明する。
【0088】
図3にて電流信号検出部5の具体例を挙げたように、カレントコピアセルを用いて電流モードでCDS処理をする場合、リセット期間にサンプリングのためにスイッチ素子SW92を閉じる必要がある。このとき、可変利得増幅器200やクランプ回路250には信号電流S1が流れてこないことになるので、電流電圧変換部220には、クランプ電流Scpだけが流れ込むことになる。
【0089】
クランプ電流Scpは信号電流が流れている期間に電流電圧変換部220のダイナミックレンジがきちんと確保されるように流れているため、信号電流S1がなくなってしまうと、クランプ電流Scpのせいで電流電圧変換部220が一時的にそのダイナミックレンジをはずしてしまう可能性がある。一般的に差動増幅器を用いて作られているI/V変換回路の場合は、一旦ダイナミックレンジから外れてしまうと動作スピードが極端に遅くなるなど、通常の動作状態に復帰するのに時間がかかる場合がある。
【0090】
このような問題を避けるために、スイッチ素子SW92のオンオフ制御と同じタイミングでスイッチ素子258をオンオフ制御する。すなわち、スイッチ素子SW92が非導通状態になって信号電流S1が電流電圧変換部220側に流れてこなくなったときに、スイッチ素子258を出力端子bから切断して電流電圧変換部220の入力部とPchMOSトランジスタ252bとを切り離す。これにより、電流電圧変換部220に入力される撮像信号S1へのクランプ電流Scpの帰還を停止することで、電流電圧変換部220へのクランプ電流Scpの流入を防ぎ、ダイナミックレンジをはずしてしまうことを防ぐようにする。
【0091】
また、単純にスイッチ素子258を切断してしまうと、PchMOSトランジスタ252bからのクランプ電流Scpが流れ込む先を失い、クランプ電流Scpの電流値が“0”になってしまう。すると次にスイッチ素子258を出力端子b側に接続してクランプ電流Scpを流し始めたときに、所望の電流値に落ち着くまでに時間がかかってしまうため、規定の時間内に信号を忠実に再現できなくなってしまう虞れがある。
【0092】
そこで、スイッチ素子258を単純にオンオフ制御するのではなく、図5(B)に示すように、スイッチ素子SW92を非導通状態にするときにはスイッチ素子258を出力端子bから出力端子c側に切り替え、電流電圧変換部220の非反転入力端子(+)側に接続することで、この非反転入力端子(+)の接続されている基準電圧源226につなぎ変える。つまり、スイッチ素子SW92を非導通状態にするリセット期間には、撮像信号へのクランプ電流Scpの帰還を停止させるとともに、この帰還を停止させたクランプ電流Scpを、電流電圧変換部220の動作基準点を設定するための基準電圧源226に向けて還流させる。
【0093】
こうすることで、クランプ電流Scpを流し込むPchMOSトランジスタ252bから見れば、クランプ電流Scpを電流電圧変換部220に流し込んでいるときも、遮断(カット)しているときも、見かけ上何も変わらないように見えるため、常に制御電圧発生回路260によって制御された電流を流し続けることができ、クランプ電流Scpの安定性を保つことができる。つまり、常にクランプ電流Scpの安定性を保ち、次に再びクランプ電流Scpを撮像信号S1に流し込むときにすぐに所望の電流が得られるようになる。
【0094】
図5(C)に示す第3例は、制御電圧発生回路260の具体的な構成例を示している。この制御電圧発生回路260は、差動増幅器262、PchMOSトランジスタ264、および抵抗素子266を有する。PchMOSトランジスタ264は、ソース端子が電圧源(本例ではVDD)に接続され、ゲート端子がPchMOSトランジスタ252bのゲート端子と共通に差動増幅器262の出力端子と接続され、ドレイン端子が差動増幅器262の非反転入力端子(+)と接続されている。差動増幅器262の反転入力端子(−)に差動増幅器252aの出力電圧が入力される。
【0095】
この構成において、制御電圧発生回路260は、差動増幅器252aの出力電圧を受けて、PchMOSトランジスタ252bを駆動するのに適当な電圧を発生する。すなわち、差動増幅器262は、差動増幅器252aの出力電圧と、抵抗素子266に加わる電圧が同じになるようにPchMOSトランジスタ264のゲート電圧を制御する。このとき、PchMOSトランジスタ264に流れる電流は、抵抗素子266とそれに加わる電圧とで制御されるため、その電流値を流せるだけのPchMOSトランジスタ264のゲート電圧が自動的に決まる。
【0096】
PchMOSトランジスタ264とその後段のPchMOSトランジスタ252bの能力(性能/特性)を全く同じにして、かつPchMOSトランジスタ264,252bが飽和領域で動作するようにその能力や抵抗素子266の値を決めておくと、PchMOSトランジスタ264のゲート電圧をそのままPchMOSトランジスタ252bのゲート端子にも供給することで、PchMOSトランジスタ264,252bの流れる電流を全く同じにすることができる。つまり、PchMOSトランジスタ252bが流すクランプ電流Scpを抵抗素子266とそれに加わる電圧とで制御することができる。
【0097】
なお、図5(C)で挙げた制御電圧発生回路260の構成例はあくまで一例であって、その他さまざまな構成例を取り得る。たとえば、差動増幅器252aをコンパレータとして使用し、その後段の制御電圧発生回路260をデジタル回路を用いてさまざまな処理を行なう構成、すなわちデジタル回路による演算処理部を備えた構成としてもよい。この場合には、デジタル回路の処理結果(デジタル値)をD/A変換器を用いてアナログ信号(たとえば電圧信号)に戻し、PchMOSトランジスタ252bの入力電圧として供給することで、PchMOSトランジスタ252bにてクランプ電流Scpを発生させることもできる。
【0098】
以上説明したように、上記実施形態の構成によれば、電流帰還型のクランプ回路を用いるようにしたので、電圧帰還型の場合に必要だった電圧加算器やDC成分カットするための容量素子などが不要になり、単純に信号電流にクランプ電流を帰還するだけでDCクランプが可能となる。このため、部品点数を削減することができ、また信号が通過する回路数を減らすことができるため、ノイズの混入なども少なくすることができる。
【0099】
加えて、図5にて具体的構成例を示したように、クランプ電流を注入する回路自体は、MOSトランジスタの定電流特性を用いることで簡単に形成することができ、システムの複雑化を抑えることができる。さらに、電流型の信号処理を行なう構成のCDS回路やPGA回路と組合せることで、限られた電源電圧のなかで信号を処理する場合において、電圧信号で処理するよりも回路のダイナミックレンジを確保しやすいという効果を享受することもできる。
【0100】
図6は、電流信号検出部5の他の実施形態の構成例を示す図である。ここで図6(A)は、その回路図、図6(B)は動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、この構成は、本願出願人による特願2002−102108号に記載の電流信号検出部の第6実施形態の構成と同じである。
【0101】
この実施形態の電流信号検出部5は、電圧動作点設定部7として図3に示した実施形態と同様にカレントミラー70を使用する一方、電流サンプリング部9として、図3に示した実施形態のカレントコピア90に代えて、スイッチ素子SW81、スイッチ素子SW81のオン時に電流信号を受けて当該電流信号に応じた電圧を保持する容量素子C81、およびカレントミラー80、スイッチ素子SW81がオンしているときに他のトランジスタとの間でカレントミラーを形成するトランジスタQ83を使用する点に特徴を有する。スイッチ素子SW81および容量素子C81からなるサンプル・アンド・ホールド(S/H)回路と、カレントミラーとによって、カレントコピア90と同様の作用をさせるものである。
【0102】
カレントミラー80は、電圧動作点設定部7として機能するカレントミラー70の構成要素であるNchMOSトランジスタQ72のドレイン側に、ドレインおよびゲートが共通に接続され、かつソースが電源VDDに接続された入力側の素子であるPchMOSトランジスタQ81と、このPchMOSトランジスタQ81とゲートが共通に接続され、かつソースが電源VDDに接続された出力側の素子であるPchMOSトランジスタQ82とから構成されている。両PchMOSトランジスタQ81,Q82としては同じ特性のものが用いられる。
【0103】
また、NchMOSトランジスタQ71のゲートは、スイッチ素子SW81を介して容量素子C81の一端およびNchMOSトランジスタQ83のゲートに接続されている。容量素子C81の他端およびNchMOSトランジスタQ83のソースは、電圧基準であるGNDに接続されている。
【0104】
スイッチ素子SW81には、これを制御する制御パルスΦRSTが供給され、制御パルスΦRSTがH期間のみスイッチ素子SW81は導通(オン)するものとする。図6に示すように、固体撮像素子3の出力電流がリセット期間にあるときのみ、スイッチ素子SW81を導通(オン)させる。スイッチ素子SW81がオンしているとき、NchMOSトランジスタQ71,Q83はカレントミラーを形成する。
【0105】
次に、この実施形態の電流信号検出部5の動作を説明する。先ず、NchMOSトランジスタQ71,Q72はカレントミラー70を形成しており、NchMOSトランジスタQ72はNchMOSトランジスタQ71の受け取った信号電流IINをそのまま流すように動作する。さらに、NchMOSトランジスタQ72の出力電流は、PchMOSトランジスタQ81,Q82から形成されたカレントミラー80に入力され、PchMOSトランジスタQ82ドレインにそのまま出力電流として表れる。
【0106】
たとえば、固体撮像素子3の出力電流がリセット期間にあるときには、カレントミラー70は、オフセット電流IoffをそのままPchMOSトランジスタQ81,Q82からなるカレントミラー80に入力し、さらにカレントミラー80は、リセット期間のオフセット電流IoffをそのままNchMOSトランジスタQ83や出力端子Ioutに向けて出力する。
【0107】
また、このリセット期間には、スイッチ素子SW81を介してNchMOSトランジスタQ71,Q83のゲート同士が接続されカレントミラーを形成するため、リセット期間のオフセット電流Ioffが、そのままNchMOSトランジスタQ83のドレインに現れる。また、このとき、NchMOSトランジスタQ71のゲートは、スイッチ素子SW81を介して容量素子C81と接続されるので、NchMOSトランジスタQ71のゲート電圧は容量素子C81に記憶保持される。
【0108】
ここで、NchMOSトランジスタQ83とPchMOSトランジスタQ82の電流の差分が出力端子Ioutに出力されることになるが、この時点ではNchMOSトランジスタQ83とPchMOSトランジスタQ82はお互い同じ大きさのオフセット電流Ioffを流しているため、図6(B)に示すように、出力電流Ioutは“0”である。
【0109】
次に、固体撮像素子3の出力電流が検出期間では、スイッチ素子SW81は非導通状態(オフ)にある。このとき、リセット期間にNchMOSトランジスタQ71が流していた電流に対応したゲート電圧が容量素子C81に記憶保持され、NchMOSトランジスタQ83のゲートに供給されている。このため、NchMOSトランジスタQ83は、スイッチ素子SW81がオフのときにも、容量素子C81に記憶された電圧に応じた電流を流す。
【0110】
NchMOSトランジスタQ71,Q81を同じサイズにしておくと、スイッチ素子SW81がオフ時にもNchMOSトランジスタQ83は、結果的に固体撮像素子3のリセット期間のオフセット電流Ioffを記憶し、流し続ける。つまり、NchMOSトランジスタQ83は、先のリセット期間のオフセット電流Ioffを記憶したままである。
【0111】
また、検出期間には、NchMOSトランジスタQ72はNchMOSトランジスタQ71とカレントミラーを形成しているため、検出期間の検出電流“Ioff−Isig”をそのままPchMOSトランジスタQ81,Q82からなるカレントミラー80に入力し、さらにカレントミラー80は、検出期間の検出電流“Ioff−Isig”をそのままNchMOSトランジスタQ83や出力端子Ioutに向けて出力する。
【0112】
ここで、NchMOSトランジスタQ83とPchMOSトランジスタQ82の電流の差分が出力端子Ioutに出力されることになるため、図6(B)に示すように、“Iout=(Ioff−Isig)−Ioff=−Isig”となって、信号成分だけが出力端子Ioutから出力されることになる。つまり、リセット期間のオフセット電流IoffをNchMOSトランジスタQ83から流し、検出期間の検出電流“Ioff−Isig”をPchMOSトランジスタQ81,Q82からなるカレントミラー80で折り返して流すことで引き算を行なうことで、オフセット成分Ioffを含まない純粋な信号成分“−Isig”を生成するようにしている。
【0113】
要するに、電流サンプリング部9は、電流信号IINにおける検出期間には、カレントミラー80の出力側の素子であるPchMOSトランジスタQ82から出力される電流成分“Ioff−Isig”と容量素子C81が保持している電圧に応じた電流成分Ioffとの差を求めることで、オフセット成分が抑制された信号成分“−Isig”を抽出する。
【0114】
このように、電流サンプリング部9としてカレントコピアを用いない図6に示す実施形態の構成においても、カレントコピアを用いた一〜第5実施形態と出力電流の向きが逆にはなるが、FPNの原因となるオフセット電流Ioffを取り除き、本来の信号成分“−Isig”だけを出力端子Ioutから電流信号Ioutとして取り出すことができ、電流モードのCDS回路としての機能を果たすことができる。
【0115】
なお、図3に示す実施形態と異なり、リセット期間にスイッチ素子SW81への制御信号ΦRSTがオフのときには、リセットノイズ成分が出力端子Ioutに現れるが、連続した信号電圧にする過程、すなわち、電流クランプ部26内の電流電圧変換部220によるI/V変換後にサンプル・アンド・ホールド回路によって連続信号に変換される過程で、取り除くことができるので問題とならない。
【0116】
また、この実施形態の回路も、NchMOSトランジスタQ71,Q72からなる1つのカレントミラー70と、スイッチ素子SW81、容量素子C81、およびPchMOSトランジスタQ81,Q82からなる1つのカレントミラー80、並びにスイッチ素子SW81がオンしているときにNchMOSトランジスタQ71との間でカレントミラーを形成するNchMOSトランジスタQ83で構成される電流サンプリング部9だけで構成され、先の実施形態とほぼ同様に非常に回路構成が簡単で素子数が少ないという特徴を持つ。また、電流サンプリング部9の制御も、リセット期間中に記憶、検出期間中に出力と、2つのフェーズを持つだけなので、非常に制御が簡単であるという特徴をもつ。
【0117】
図7は、クランプ回路の他の実施形態の構成例を示す図である。ここで、図7(A)は、その構成を示すブロック図であり、図7(B)は、このクランプ回路にて使用されるパルス信号のタイミングチャートである。
【0118】
本実施形態のクランプ回路300の構成は、信号処理系統用のA/D変換器28とは独立に設けられた専用のA/D変換部を含むデジタル回路の演算処理部を備え、デジタル回路の処理結果(デジタル値)をD/A変換器を用いてアナログ電圧信号に戻し、PchMOSトランジスタ252bの入力電圧として供給することで、PchMOSトランジスタ252bにてクランプ電流Scpを発生させる構成とした点に特徴を有する。また、このクランプ回路300は、応答速度が比較的高速のスタートアップモードと、応答速度が比較的低速のノーマルモードの何れか一方で動作可能に構成されている。
【0119】
図7(A)に示すように、本実施形態のクランプ回路300は、先の実施形態のクランプ回路250における差動増幅器252aに相当する比較器(コンパレータ)302と、比較パルスCPの数をカウントするアップダウンカウンタ304と、アップダウンカウンタ304のカウント値CNTが所定条件に合致するか否かを判定する判定回路306とを備える。アップダウンカウンタ304のリセット端子RSTには、インバータ308で垂直同期信号VSを反転させた反転垂直同期信号NVSが入力され、この反転垂直同期信号NVSごとにカウント値CNT1がリセットされるようになっている。
【0120】
また、クランプ回路300は、アップダウンカウント機能を有するレジスタカウンタ310と、レジスタカウンタ310のカウント値CNT2を直接にアナログ電圧に変換するD/A変換器312と、D/A変換器312から出力されたアナログ電圧を電流信号に変換する電圧電流変換器(V/I変換器)314とを備える。電圧電流変換器314から出力される電流信号(クランプ電流Scp)は、電流電圧変換部220の入力部へ供給される。
【0121】
レジスタカウンタ310から電流電圧変換部220までの制御系統は、カウント値CNT2をアップすればOPBレベルが上昇し、逆にカウント値CNT2がダウンすればOPBレベルを低下させるような極性とする。電圧電流変換器314としては、先の実施形態のクランプ回路250におけるPchMOSトランジスタ252bを用いればよい。この場合、D/A変換器312の出力をPchMOSトランジスタ252bのゲート端子に接続する。前記のような制御極性となるように、必要に応じて反転増幅器を設けるなどすればよい。
【0122】
レジスタカウンタ310は、クランプ回路300の動作モードに応じて、カウントする対象が異なるようになっている。この仕組みのために、クランプ回路300は、モード切替判定回路320と、このモード切替判定回路320の制御の元でレジスタカウンタ310のクロック端子CKに入力されるパルスを垂直同期信号VSおよび比較パルスCPの何れか一方に切り替える第1スイッチ322と、同じくレジスタカウンタ310のアップ/ダウン切替端子(U/D)に入力される信号を比較器302の出力および判定回路306の何れか一方に切り替える第2スイッチ324とを備える。
【0123】
アップダウンカウンタ304とレジスタカウンタ310とは、カウント対象が異なるものの、基本的な動作はアップダウンカウント機能を備える点で同じである。ただし、レジスタカウンタ310のカウント値CNT2は、直接後段のD/A変換器312のレジスタ値を担うことになるので、レジスタカウンタ310には、収束させたいOPBレベルに応じた初期値D1がセットされる。
【0124】
そして、電流電圧変換部220から得られる撮像信号S3をデジタル信号に変換しデジタル信号処理をする信号処理系統用のA/D変換器28とは独立に、信号処理系統用のA/D変換部よりもビット分解能が劣る直流レベル比較用のA/D変換部として、比較器302や、アップダウンカウンタ304あるいはレジスタカウンタ310が設けられている。
【0125】
たとえば、スタートアップモード時には、比較器302とレジスタカウンタ310により、事実上のサンプリング周波数が比較パルスCPの周波数となる実質的に1ビットのA/D変換部が構成される。またノーマルモード時には、比較器302とアップダウンカウンタ304により、実質的に1ビットのA/D変換部が構成される。また、判定回路306やレジスタカウンタ310は、直流レベル比較用のA/D変換部として機能する比較器302やアップダウンカウンタ304もしくは当該レジスタカウンタ310により得られたデジタルデータに基づいて、直流レベルと基準値との差に応じた制御電圧信号をデジタル信号処理により求めるデジタル演算処理部として機能する。
【0126】
クランプ回路300にて使用される動作制御用の垂直同期信号VSおよび比較パルスCPは図示しない図示しないタイミングジェネレータから発せられる。ここで、図7(B)に示すように、垂直同期信号VSは、1フレーム(または1フィールド)の最初に送出されるパルスである。また比較パルスCPは、感光部10の各水平走査ライン(1H)の最初に送出される水平同期信号HSに連動して、水平走査方向の先頭側におけるOPB画素位置で送出されるパルスである。この比較パルスCPは、固体撮像素子3の水平走査方向の先頭側に用意されたOPB画素の任意の1列の出力信号と基準電圧を比較パルスCPのタイミングで比較するためのものである。なお、垂直走査方向の先頭側におけるOPB画素位置では、この比較パルスCPが送出されないようにする。
【0127】
比較器302の一方の入力端子には基準電圧発生回路303から基準電圧V3が入力される。基準電圧発生回路303は、固定の基準電圧ではなく、比較パルスCPごとに略一定幅でスイングさせた(高電圧側と低電圧側とを交互に切り替えた)基準電圧V3を発生する。基準電圧V3はOPBレベルを収束させたい電圧であり、その中央値V30とスイング幅ΔV3は、電流クランプ部26の後段の信号処理に合わせて決まる。
【0128】
比較器302は、この基準電圧V3と電流電圧変換部220から出力される電圧信号S3との大小を比較し結果をデジタル値で出力する。具体的には、“基準電圧V3>電圧信号S3”であれば“H;ハイ”を出力し、それ以外は“L:ロー”を出力する。この比較結果は、スタートアップ時にはレジスタカウンタ310のアップ/ダウン切替端子(U/D)に入力され、ノーマルモード時にはアップダウンカウンタ304のアップ/ダウン切替端子(U/D)に入力される。
【0129】
アップダウンカウンタ304および判定回路306は、ノーマルモード時にのみ動作する部分である。アップダウンカウンタ304は、このアップ/ダウン切替端子(U/D)が“H”すなわち“基準電圧V3>電圧信号S3”のときに比較パルスCPがクロック端子CKに入力されるとカウント値CNT1を“+1”する。逆に、アップ/ダウン切替端子(U/D)が“L”すなわち“基準電圧V3≦電圧信号S3”のときに比較パルスCPがクロック端子CKに入力されるとカウント値CNT1を“−1”する。
【0130】
ここで図7(B)に示すように、比較パルスCPは、OPB画素位置で送出されるものなので、結果として、比較器302とアップダウンカウンタ304とにより、水平走査方向のOPB画素の所定列の出力信号S3と基準電圧V3を比較パルスCPのタイミングで比較し、その比較結果をアップダウンカウンタ304のカウント値CNT1に反映させることになる。
【0131】
アップダウンカウンタ304のカウント値CNT1は、判定回路306の一方の入力端子に入力される。判定回路306は、具体的にはデジタルコンパレータとして構成されており、判定基準としてD0(デジタル値)が他方の入力端子に入力されている。
【0132】
判定回路306は、アップダウンカウンタ304のカウント値CNT1が正の判定基準値“D0”を上回ったら、次の垂直同期信号VSでレジスタカウンタ310のカウント値CNT2を“−1”する信号を出力する。逆に、負の判定基準値“−D0”を下回ったら、レジスタカウンタ310のカウント値CNT2を“+1”する信号を出力する。判定回路306の出力は、レジスタカウンタ310のアップ/ダウン切替端子(U/D)に入力される。
【0133】
比較器302の比較出力を使用するのがスタートアップモード時にはレジスタカウンタ310、ノーマルモード時にはアップダウンカウンタ304である点で異なるものの、その比較出力に基づくカウント動作は、スタートアップモードとノーマルモードともに、水平同期信号HS後の比較パルスCPで行なう。つまり、実質的には、基準電圧V3とOPBレベルとの比較動作は水平同期信号HS後の比較パルスCPのみで行なわれる。
【0134】
よって、この比較パルスCPがアクティブ以外の時間帯は比較器302や基準電圧発生回路303は動作不要である。むしろ動作させておくと、比較器302や基準電圧発生回路303にはDC電流が流れ、消費電流の無駄になるので、比較パルスCPがアクティブのタイミングだけイネーブル(Enable)であればよい。そこで、本実施形態では、オンオフ制御部309により、水平同期信号HSで立ち上がり比較パルスCPで立ち下がる制御信号を作り、この制御信号で比較器302や基準電圧発生回路303にイネーブル(Enable)をかけるように構成している。オンオフ制御部309の具体的な回路は図示を省略する。これにより、消費電流を削減することができる。
【0135】
上記構成のクランプ回路300は、スタートアップモードおよびノーマルモードの何れにおいても、電流電圧変換部220の出力する電圧信号S3のOPB画素出力レベルが基準電圧V3より大きいとき比較器302の出力が“L”になるように接続され、レジスタカウンタ310のカウント値CNT2を“1”小さくし、D/A変換器312のアナログ出力を“1LSB”分小さくするように作用する。この結果、電流電圧変換部220のOPB画素出力レベル(OPBレベル)も小さくなり基準電圧V3との差が減少するように、全体が負帰還制御システムを形成する。
【0136】
比較パルスCPと垂直同期信号VSとは、図7(B)から分かるように、比較パルスCPの方が高周波数である。よって、電圧電流変換器314のレジスタ値を設定するレジスタカウンタ310のクロック入力端子CKに比較パルスCPが入力されているときには、全体の制御系は比較的高速に動作する。クランプ回路300は、この動作状態をスタートアップモードとする。一方、クロック入力端子CKに垂直同期信号VSが入力されているときには、全体の制御系は比較的低速に動作する。クランプ回路300は、この状態をノーマルモードとする。
【0137】
ところで、OPB画素出力と基準電圧V3との差が電圧電流変換器314の“1LSB”の変動による出力の変化より小さくなると、比較ごとに電圧電流変換器314の出力電圧を上げ下げするような状態になる。この状態は、上記のデジタル制御の観点からいえば安定点ということができるが、この電圧変動が画像ムラに現れると安定点とはいえず、むしろ発振状態と捉えるの方が適切である。一方、この状態は、OPB画素出力と基準電圧V3が十分近いことを示している。
【0138】
そこで、実際の制御に際しては、OPB画素出力が基準電圧V3から大きく離れているときに基準電圧V3に近づける動作状態をスタートアップモード(モード出力L)とし、比較パルスCPに基づいてレジスタカウンタ310をカウント動作させることで比較的高速に動作させる。そして、スタートアップモードで動作させたときにOPB画素出力と基準電圧V3とが十分近い状態となったことをモード切替判定回路320が検知したら低速動作のノーマルモード(モード出力H)に移行させる。そして、ノーマルモード時には、上記発振状態が生じないよう、スタートアップモード時よりも低速且つ低感度で動作させることとする。
【0139】
モード切替判定回路320は、D/A変換器312の出力電圧の上げ状態から下げ状態への変化を監視することでOPB画素出力が基準電圧V3に近づいたか否かを判断する。この判断方法としては、D/A変換器312の出力電圧の上げ状態から下げ状態への変化をレジスタカウンタ310のカウント値CNT2の状態で判断するような1回で行なうことも可能である。また、数回の上げ下げをカウントして検知することも可能である。
【0140】
図8は、クランプ回路300におけるスタートアップモードの制御動作を示すフローチャートである。先ずクランプ回路300は、“スタートアップモードの初期化”を行なう(S100)。たとえば、モード切替判定回路320はモード出力を“L”にセットする。またクランプ回路300は、レジスタカウンタ310に初期値D1をセットする。これを受けて、電圧電流変換器314から初期値D1に応じた電圧が出力され、これを受けた電圧電流変換器314が初期のクランプ電流Scpを電流電圧変換部220の入力部に供給する。
【0141】
次に、クランプ回路300は、電流電圧変換部220の電圧信号S3が示すOPBレベルと基準電圧V3とを比較し、この比較結果を、D/A変換器312のレジスタ値を担うレジスタカウンタ310に入力する。結果の取り込みはOPB画素を出力しているタイミングで立ち上がる比較パルスCPで行なうことによりOPB画素と基準電圧V3の比較結果として反映する。
【0142】
具体的には、先ず、比較器302とレジスタカウンタ310とにより、電流電圧変換部220の電圧信号S3が示すOPBレベルと基準電圧V3とを比較パルスCPに基づいて比較する(S102)。OPBレベルが基準電圧V3よりも大きければ、レジスタカウンタ310は、レジスタカウンタ値CNT2を“−1”する(S102−YES,S110)。これを受けて、D/A変換器312は、その出力電圧を低下させる(S112)。これにより、OPBレベルが低下する(S114)。この後、ステップS102に戻り、次の水平走査について上記処理(S102〜S114)を繰り返す。つまり、OPBレベルが基準電圧V3以下となるまで、水平走査のOPB画素ごとに上記処理を繰り返すことでOPBレベルを基準電圧V3まで低下させる。
【0143】
逆に、OPBレベルが基準電圧V3以下のとき(小さいか等しいとき)は、レジスタカウンタ310はレジスタカウンタ値CNT2を“+1”する(S102−NO,S120)。これを受けて、D/A変換器312は、その出力電圧を上昇させる(S122)。これにより、OPBレベルが低上昇する(S124)。この後、ステップS102に戻り、次の水平走査について上記処理(S102〜S124)を繰り返す。つまり、OPBレベルが基準電圧V3以上となるまで、水平走査のOPB画素ごとに上記処理を繰り返すことでOPBレベルを基準電圧V3まで上昇させる。
【0144】
この過程で、モード切替判定回路320は、レジスタカウンタ310のカウント値CNT2を監視し、カウント値CNT2のアップからダウンへの変化、あるいはダウンからアップへの変化の回数をカウントする(S130)。そして、このカウント数が予め定めてあるノーマルモードへの切替条件を満足するか否かを判定する(S132)。切替条件を満足するときには、モード切替判定回路320は、モード出力を“L”から“H”に切り替えることで、クランプ回路300をノーマルモードに移行させる(S134)。
【0145】
ステップS122,S132によるOPBレベル制御電圧の切替えは比較パルスCPごとになされるので、比較的高速の制御動作となる。つまり、スタートアップモード時には、OPBクランプレベルを設定値に急速に収束させるモードとして動作させることができる。
【0146】
なお、ノーマルモードに移行した後、何らかの原因でクランプ動作が不安定になりOPBレベルが所定範囲外になったときには、モード切替判定回路320は、モード出力を“H”から“L”に切り替えることで、クランプ回路300をスタートアップモードに移行させる(S140)。これにより、上記の高速な引き込み動作を再起動することができる。
【0147】
図9は、クランプ回路300におけるノーマルモードの制御動作を説明する図である。ここで、図9(A)は制御手順を示すフローチャートであり、図9(B)は、基準電圧発生回路303が発生する基準電圧V3の一例を示す図である。
【0148】
スタートアップモードからノーマルモードに移行すると、クランプ回路300は、先ずアップダウンカウンタ304のカウント値CNT1を初期化する(S200)。また、このノーマルモードでは、比較器302の比較出力を、垂直同期信号VSで毎回クリアされるレジスタカウンタ310側に切り替え入力する。
【0149】
そして、1フレーム中、OPB画素出力のレベルが基準電圧V3より大きければ“+1”、小さければ“−1”を繰り返し、カウンタ値CNT1が正の基準値“D0”を上回ったら、判定回路306が次の垂直同期信号VSでレジスタカウンタ310のカウント値CNT2を“−1”する信号を送る。逆に、負の基準値“−D0”を下回ったら、カウント値CNT2“+1”する信号を送る。
【0150】
具体的には、先ず、比較器302とアップダウンカウンタ304とにより、電流電圧変換部220の電圧信号S3が示すOPBレベルと基準電圧V3とを比較パルスCPに基づいて比較する(S202)。OPBレベルが基準電圧V3よりも大きければ、アップダウンカウンタ304は、カウンタ値CNT1を“+1”する(S204)。逆に、OPBレベルが基準電圧V3以下のとき(小さいか等しいとき)は、アップダウンカウンタ304はカウンタ値CNT1を“−1”する(S206)。判定回路306は、カウント値CNT1と判定基準D0とを比較し、その結果をレジスタカウンタ310に入力する。レジスタカウンタ310のクロック端子CKには垂直同期信号VSが入力されており、レジスタカウンタ310は、判定回路306の判定結果を垂直同期信号VSごとにチェックする(S210)。
【0151】
ここで図9(B)に示すように、基準電圧発生回路303は、ノーマルモード時の基準電圧V3を比較パルスCPごとに変動幅ΔV3だけ上下に変動させている。これに応じて、たとえば、アップダウンカウンタ304のカウント値CNT1が“±64”を超えたところでレジスタカウンタ310を動作させるように判定回路306に、判定基準値D0として“64”をセットする。OPB画素出力が基準電圧V3の大きいレベル“V3+”より大きい場合、アップダウンカウンタ304は比較パルスCPの都度に“+1”を繰り返し64回目の比較で“+64”に達する(S202,S204,S210)。
【0152】
そして、カウンタ値CNT1が正の基準値“D0”(前例では64)を上回っていると判定回路306の判定結果が示しているときには、レジスタカウンタ310は、次の垂直同期信号VSと同時にカウント値CNT2を“−1”する(S220)。これを受けて、D/A変換器312は、その出力電圧を低下させる(S222)。これにより、OPBレベルが低下する(S224)。この後、ステップS200に戻り、次のフレームについて上記処理(S200〜S224)を繰り返す。つまり、OPB画素出力が基準電圧V3の中央値V30に近づくまで、上記処理を繰り返す。
【0153】
逆に、OPB画素出力が基準電圧V3の小さいレベル“V3−”より大きい場合、アップダウンカウンタ304は比較パルスCPの都度に“−1”を繰り返し64回目の比較で“−64”に達する(S202,S206,S210)。そして、カウンタ値CNT1が負の基準値“−D0”(前例では−64)を下回っていると判定回路306の判定結果が示しているときには、レジスタカウンタ310は、次の垂直同期信号VSと同時にカウント値CNT2を“+1”する(S230)。これを受けて、D/A変換器312は、その出力電圧を上昇させる(S232)。これにより、OPBレベルが上昇する(S234)。この後、ステップS200に戻り、次のフレームについて上記処理(S200〜S234)を繰り返す。つまり、OPB画素出力が基準電圧V3の中央値V30に近づくまで、上記処理を繰り返す。
【0154】
一方、OPB画素出力が基準電圧V3の大きいレベル“V3+”と小さいレベル“V3−”の間にあるときは、比較パルスCPに基づく比較ごとにアップダウンカウンタ304は、そのカウント値CNT1に対する“+1”と“−1”を繰り返すことになる。この結果、アップダウンカウンタは“±64”に達することができずクランプレベルは固定されたままとなる。このように、基準電圧V3の変動幅ΔV3は、クランプ回路300の不感帯として作用する。クランプレベルは、レジスタカウンタ310のカウント値CNT2をD/A変換器312でアナログ値に直したものに対応するもので離散的な値をとる。D/A変換器312の1LSB分に応じたクランプレベル変動分より基準電圧V3の変動幅ΔV3を大きくとることで、OPB画素出力を不感帯に落とし込むことができる。
【0155】
つまり、このノーマルモードでは、スタートアップモードよりも低感度でOPBクランプ動作をさせることができる。またこのことにより、ノイズに対する安定性を確保することができる。ただし現実には、OPB画素出力にノイズが混入するため平均的には不感帯に落ち込んでいても、瞬間的には変動幅を超えることがある。ノイズが大きい場合、確率的に先の例でいえば64回カウントアップあるいはカウントダウンすることもありえる。この変動は、次のフレームで戻る確率が高く、これを繰り返すと面フリッカとなる。この場合は、基準電圧V3の変動幅ΔV3を調整することにより、OPBクランプの感度を設定することができる。
【0156】
また、ノーマルモードではレジスタカウンタ310の変化を垂直同期信号VSに同期して行なう。つまり事実上のサンプリング周波数が垂直同期信号VSの周波数となる。これは1枚の画像の先頭部分でクランプレベルを変化させることを意味する。これにより、画像途中にクランプノイズが混入することを防ぐことができるという効果がある。また、ステップS222,S232によるOPBレベル制御電圧の切替えは垂直同期信号VSごとになされるので、比較的ゆっくりとした制御動作となる。この点では、OPBクランプ制御を安定的に動作させる上で効果が高い。つまり、ノーマルモードでは、OPBレベルが基準値にほぼ収束したところで、クランプレベルの変動に対し感度の低い状態で動作させることができる。
【0157】
なお、ノーマルモードに移行した後、何らかの原因でクランプ動作が不安定になりOPBレベルが所定範囲外になったときには(S202)、モード切替判定回路320は、モード出力を“H”から“L”に切り替えることで、クランプ回路300をスタートアップモードに移行させる(S240)。これにより、スタートアップモードによる高速な引き込み動作を再起動することができる。
【0158】
以上のように、デジタル回路による演算処理部は、固体撮像素子3が出力する光学的黒レベル(OPB)をある一定の設定値に固定させるために必要なDCシフト量、つまり固体撮像素子3におけるOPBクランプレベルをデジタル値で保持することにより、アナログ値で保持するときのような、外付け容量を必要としない。このため、部品点数の削減や実装面積の縮小しつつ、画面内での黒レベル変動を抑えるOPBクランプ機能をデジタル処理にて実現することができる。
【0159】
また、クランプレベルをデジタル化する回路(A/D変換器)を信号系統とは独立に設けることで、低分解能のA/D変換器を利用することができる。たとえば、OPBレベルのデジタル化を比較器302つまり1ビットでデジタル化するコンパレータを利用することができ、多ビットのA/D変換器を使う場合に比べ、サンプリング周波数を低くすることでデジタルノイズの問題を緩和し回路規模を小さくすることができる。よって、クランプ回路300を固体撮像素子3と同一の半導体基板上に集積することにより、高集積化が可能なクランプシステムを有する固体撮像装置を提供することができる。
【0160】
また、OPBレベルの変動に対する動作速度や感度の違う複数のモードを切替制御する、たとえば高速且つ通常感度のスタートアップモードと、低速且つ不感帯付きのノーマルモードとを持つことにより、高速の引き込みとノイズに対する安定性という相反する特性を持たせることができる。これにより、スタンバイ解除時や、PGAのゲイン変更などによる急激なオフセット量の変動に伴なう大幅なクランプレベルの変動に対し、急速に値を収束させることができ、また安定状態においては感度を抑えることにより、ノイズによるクランプレベルの変動を抑えることができる。
【0161】
図10は、クランプ回路250の他の構成例を示すブロック図である。上記実施形態の構成では、電流信号検出部5にて得られた信号電流S0を電流電圧変換部220で電圧信号S3に変換し、この電圧信号S3を監視してDCクランプを実現していたが、本実施形態では、撮像信号を電流モードのままで監視するように構成した点に特徴を有する。
【0162】
この構成のクランプ回路250は、電流信号検出部5からの信号電流S2を受け取るカレントミラー構成の電流検知回路293と、カレントミラー構成の基準電流源296とを備えている。電流検知回路293は、受け取った信号電流をS2を差動増幅器252に渡すカレントミラー部294と、カレントミラー部294で射影された信号電流S2を受け取り電流電圧変換部220に渡すカレントミラー部295とを含む。
【0163】
差動増幅器252の所定位置(場所は回路構成により変わる)には、クランプのタイミングを規定するクランプパルスが入力される。具体的には、固体撮像素子3のOPB画素位置に応じたパルスが入力されることで、OPBクランプが実現される。この差動増幅器252は、電流入力且つ電流出力型のものであり、電流検知回路293のカレントミラー部294にて検知された信号電流S2(もしくはこれに対応する電流)と基準電流源296で規定される基準電流S4とを比較して、その差がなくなるように電流加算部280にクランプ電流Scpを帰還する。これにより、電流クランプ部26の後段に設けられた電流電圧変換部220の入力部では、信号電流S2のDCレベルが一定値に保持される。
【0164】
図11は、撮像信号を電流モードのままで監視する構成の他の例を示す図である。この構成のクランプ回路250は、電流信号検出部5からの信号電流S2をスイッチ素子297aを介して受け取るカレントミラー構成の電流検知回路298と、カレントミラー構成の基準電流源299とを備えている。
スイッチ素子297aは、クランプパルスで制御されクランプレベルを監視するタイミングを規定する。これに対応するように、クランプ回路250と電流電圧変換部220との間にはクランプパルスと逆極性のパルスで制御されるスイッチ素子297bが設けられる。このスイッチ素子297bは、クランプパルスを逆極性にするためのインバータ297cを介して、クランプパルスにより制御される。
【0165】
差動増幅器252は、電流入力且つ電流出力型のものであり、電流検知回路298で検知された信号電流S2(もしくはこれに対応する電流)と基準電流源299で規定される基準電流S4とを比較して、その差がなくなるように電流加算部280にクランプ電流Scpを帰還する。これにより、電流クランプ部26の後段に設けられた電流電圧変換部220の入力部では、信号電流S2のDCレベルが一定値に保持される。
【0166】
なお図10や図11に示した電流モードのままで監視する構成においても、電流信号検出部5と電流加算部280との間に、可変利得増幅器200を設けてもよい。そしてこの場合にも、クランプ電流Scpの帰還先は、可変利得増幅器200の前段側および後段側(電流加算部280の手前)の何れであってもよい。
【0167】
以上説明したように、上記の各実施形態によれば、CMOSセンサなどの電流出力型の固体撮像素子との組合せにおいて、撮像信号の直流レベルを安定化させるクランプ回路を電流帰還型のクランプ回路としたことで、従来のような電圧帰還型の構成の場合に必要だった電圧加算器やDC成分カットするための容量素子などが不要になり、単純に信号電流にクランプ電流を帰還するだけで、出力信号のDCレベルを安定化する直流クランプが可能となる。このため、部品点数を削減することができ、また信号が通過する回路数を減らすことができるため、ノイズの混入なども少なくすることができる。
【0168】
さらに、クランプ電流を注入する回路自体は、MOSトランジスタの定電流特性を用いることで簡単に形成することができ、システムの単純化や素子数の低減に貢献することができる。つまり、電流出力型の固体撮像素子との組合せにおいて、電流信号検出部を構成する電圧動作点設定部や電流サンプリング部あるいはクランプ部をすべて電流動作型の構成とすることで、撮像部(受光部/画素部)と同一の半導体基板に電流信号検出部やクランプ部を形成した一体型の固体撮像素子そのものを撮像装置とすることができ、非常に都合がよい。
【0169】
また、CDS回路やPGA回路も電流型の信号処理を行なう構成とし、これらと電流帰還型のクランプ部とを組み合わせることで、限られた電源電圧のなかで信号を処理する場合において、電圧信号で処理するよりも回路のダイナミックレンジを確保しやすいという利点もある。
【0170】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0171】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0172】
たとえば、上記実施形態では、電流モードでCDS機能をなす電流信号検出部5の具体例として、本願出願人による特願2002−102108号に記載の第1あるいは第6実施形態の構成を利用したが、これに限らず、特願2002−102108号に記載のその他の実施形態の構成を利用することもできる。勿論、特願2002−102108号に記載の構成例に限らず、固体撮像素子3にて取得した信号を電流信号で電流クランプ部26側に伝達する構成のものであればよい。たとえば、“IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICE,VOL44,No10「On-Focal-Plane Signal Processing for Current-Mode Active Pixel Sensors;以下文献1という)”にて提案されてる、2セル構成のカレントコピアを用いたFPN抑制回路(CDS回路)と組み合わせてもかまわない。
【0173】
またたとえば、固体撮像素子3と電流クランプ部26との間に電流モードで動作するCDS回路を備えていなくてもよい。この場合、電流クランプ部26の後段にて電圧モードでCDS処理をすればよい。ただしこの場合、前述の説明から分かるように、全体としての回路規模が大幅に増えるので、得策ではない。つまり、電流信号として撮像信号を出力する固体撮像素子3と電流モードでクランプ動作する電流クランプ部26との組合せにおいては、その間に電流モードでCDS処理する電流信号検出部5を設ける構成が最も好ましい構成となる。そして、これにより、部材を極力少なくすることができ、スペースやコストの面で効果が大きい。
【0174】
また上記実施形態では、MOSトランジスタを用いて、電圧動作点設定部や電流サンプリング部、あるいはクランプ電流を撮像信号に帰還するための電流帰還部を構成する例を説明したが、接合(Junction)型電界効果トランジスタやバイポーラ(Bipolar )型トランジスタを用いた構成であってもよい。
【0175】
さらに、上記実施形態では感光部が行列状(2次元状)に配されたエリアセンサを例に説明したが、これに限らず、ラインセンサであってもよい。
【0176】
また、上記実施形態で述べた各回路を、これらとは相補関係となるものに変形可能なのはいうまでもない。
【0177】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電流帰還型のクランプ回路を用いることによって、電圧帰還型の場合に必要だった電圧加算器や、DC成分カットするための容量素子などが不要になり、単純に信号電流にクランプ電流を加えてやるだけで直流クランプが可能となる。このため、出力信号のDCレベルの安定化やアナログ回路のダイナミックレンジの確保とともに、システムの単純化や素子数の低減に貢献することができる。特に、CMOSセンサなどの電流出力型の固体撮像素子および電流動作型のCDS回路と組み合わせる場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電流出力方式の固体撮像素子と本発明に係る撮像信号処理装置とを備えた撮像装置の一実施形態の構成例を示す図である。
【図2】 電流クランプ部を撮像装置の全体とともに示したブロック図である。
【図3】 電流信号検出部の一実施形態の構成例を示す図である。
【図4】 撮像装置のより具体的な構成例を示した図である。
【図5】 クランプ回路の具体的な構成例を示す図である。
【図6】 電流信号検出部の他の実施形態の構成例を示す図である。
【図7】 クランプ回路の他の実施形態の構成例を示す図である。
【図8】 クランプ回路におけるスタートアップモードの制御動作を示すフローチャートである。
【図9】 クランプ回路におけるノーマルモードの制御動作を説明する図である。
【図10】 クランプ回路の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】 撮像信号を電流モードのままで監視する構成の他の例を示す図である。
【図12】 従来より用いられている固体撮像装置の構成例を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
1…撮像装置、3…固体撮像素子、5…電流信号検出部、7…電圧動作点設定部、9…電流サンプリング部、26…電流クランプ部、28…A/D変換器、200…可変利得増幅器、220…電流電圧変換部、250…クランプ回路、252…差動増幅器、260…制御電圧発生回路、280…電流加算部、290…基準電圧源、300…クランプ回路、302…比較器、303…基準電圧発生回路、304…アップダウンカウンタ、306…判定回路、309…オンオフ制御部、310…レジスタカウンタ、312…D/A変換器、314…電圧電流変換器、320…モード切替判定回路
Claims (12)
- 固体撮像素子から電流信号として出力される撮像信号の出力レベルを一定値に保持する撮像信号処理方法であって、
前記撮像信号を電圧信号に変換し、該電圧信号における所定期間の出力レベルを検知し、この検知した出力レベルと予め定められている基準電圧値との差が略零となるように、前記撮像信号にクランプ電流を帰還することを有し、
前記撮像信号にクランプ電流を帰還する際、リセット期間に前記撮像信号への帰還を停止させた前記クランプ電流を、前記電圧信号に変換する動作基準点を設定するための基準電圧源に還流させる
ことを特徴とする撮像信号処理方法。 - 固体撮像素子から電流信号として出力される撮像信号の出力レベルを一定値に保持する撮像信号処理装置であって、
前記撮像信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と、
前記電流電圧変換部により変換された電圧信号における所定期間の出力レベルを検知し、この検知した前記出力レベルと予め定められている基準電圧値とを比較することで前記出力レベルと前記基準電圧値との差を求める出力レベル比較部と、
前記出力レベル比較部が求めた前記出力レベルと前記基準電圧値との差が略零となるように前記撮像信号にクランプ電流を帰還する電流帰還部とを備え、
前記電流帰還部は、リセット期間に前記撮像信号への帰還を停止させた前記クランプ電流を、前記電流電圧部の動作基準点を設定するための基準電圧源に還流させる
ことを特徴とする撮像信号処理装置。 - 前記出力レベル比較部は、前記電流電圧変換部により変換された前記電圧信号における前記所定期間の出力レベルと、前記予め定められている基準電圧値としての基準出力電圧とを比較する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像信号処理装置。 - 前記出力レベル比較部は、前記出力レベルと前記基準電圧値との差に応じた制御電圧信号を出力する制御電圧発生部を有し、
前記電流帰還部は、前記制御電圧発生部から出力された前記制御電圧信号に基づいて前記クランプ電流を生成する電圧電流変換部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像信号処理装置。 - 前記電圧電流変換部は、前記制御電圧信号がゲート端子に印加されるMOSトランジスタを含み、当該MOSトランジスタの定電流特性を用いて前記クランプ電流を生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像信号処理装置。 - 前記固体撮像素子の各画素から画素信号線を介して出力される電流信号に含まれているオフセット成分を抑制する電流信号検出部であって、
前記画素信号線を介して出力される前記電流信号を、この電流信号の形態のままで受け取り、前記画素ごとに、受け取った前記電流信号におけるリセット期間の成分をサンプリングし、このサンプリングした成分と前記電流信号における検出期間の成分との差を求め、これにより、前記オフセット成分が抑制された前記撮像信号を抽出する電流信号検出部を有し、
前記出力レベル比較部は、前記電流信号検出部が検出した前記撮像信号における前記所定期間の出力レベルを検知する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像信号処理装置。 - 前記電流信号検出部は、前記リセット期間に対応する入力フェーズ時に前記電流信号における前記リセット期間の電流成分を受けて保持し、前記検出期間に対応する出力フェーズ時には前記入力フェーズ時に保持した電流成分を出力するカレントコピアを具備し、
前記電流信号における検出期間には、当該検出期間の成分と前記カレントコピアの前記電流入出力端子から出力される成分との差を求める
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像信号処理装置。 - 前記電流電圧変換部は、前記基準電圧源により動作基準点が設定され、前記固体撮像素子から出力される電流モードの撮像信号を電圧信号に変換する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像信号処理装置。 - 前記出力レベル比較部は、前記撮像信号をデジタル信号に変換しデジタル信号処理をする信号処理系統用のA/D変換部とは独立に、前記信号処理系統用のA/D変換部よりもビット分解能が劣る出力レベル比較用のA/D変換部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像信号処理装置。 - 前記出力レベル比較用のA/D変換部は、前記撮像信号における前記所定期間の出力レベルと前記予め定められている基準値とを比較する1ビットのA/D変換部である
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像信号処理装置。 - 前記出力レベル比較部は、前記出力レベル比較用のA/D変換部により得られた前記所定期間の出力レベルを表すデジタルデータに基づいて、前記出力レベルと前記基準値との差に応じた制御電圧信号をデジタル信号処理により求めるデジタル演算処理部を有し、
前記電流帰還部は、前記デジタル演算処理部により得られた前記制御電圧信号に基づいて前記クランプ電流を生成する電圧電流変換部を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像信号処理装置。 - 各画素からの電流信号を画素信号線を介して出力する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子から前記電流信号として出力される撮像信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と、
前記電流電圧変換部により変換された電圧信号における所定期間の出力レベルを検知し、この検知した前記出力レベルと予め定められている基準電圧値とを比較することで前記出力レベルと前記基準電圧値との差を求める出力レベル比較部と、
前記出力レベル比較部が求めた前記出力レベルと前記基準電圧値との差が略零となるように前記撮像信号にクランプ電流を帰還する電流帰還部とを備え、
前記電流帰還部は、リセット期間に前記撮像信号への帰還を停止させた前記クランプ電流を、前記電流電圧部の動作基準点を設定するための基準電圧源に還流させる
ことを特徴とする撮像装置。
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