JP3968964B2 - ヒートシュリンクバンド用鋼板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー陰極線管のパネル周囲を緊締するヒートシュリンクバンド用鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー陰極線管(以下、CRTと称す)では、管体内が1.0×10-7Torr程度の高真空状態であることから、パネル面の変形防止および管体の内爆防止といった処理を必要としている。このような処理としては、バンド状に成形した鋼板からなるヒートシュリンクバンド(以下、HSバンドと称す)を400℃から600℃程度の温度で数秒〜数十秒間加熱・膨張させ、CRTガラスパネルにはめ込み、冷却・収縮によって張力を付与する、いわゆる焼ばめ処理によってパネル面の変形を補正する方法が挙げられる。
【0003】
従来、上記焼ばめ処理に使用されるHSバンド材は軽量でかつ所定の強度と延性を具備することが課題とされ、HSバンド材としてはメッキを施した板厚0.8〜2mmの冷延鋼板が使用されていた。ところがその後、HSバンド材に地磁気等の外部磁界の遮蔽効果を付与することで、電子ビームの着弾地のずれにより生じる色ずれを大幅に低減できることが見いだされ、磁気シールド性が新たな鋼板性能として着目されている。
【0004】
上記のようにHSバンド材に高い強度を持たせながら高い磁気シールド性も付与する方法として、例えば特開平11−86755号公報には、Siを1〜2%含有させてSiの固溶強化を活用するとともに、地磁気レベルの透磁率を向上させる方法が、また、特開平11−158549号公報にはSi含有鋼の介在物組成を適正化して保磁力を向上させるとともに、結晶粒径を適正化して高強度化を図る方法がそれぞれ開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
最近ではTV受像管のさらなる軽量化が指向され、HSバンド材の薄肉化に対する要望が益々強くなりつつある。一方、テレビの大画面化や平面化、コンピュータモニタの高精細化に伴い、磁気シールド性(すなわち高透磁率化等の磁気特性)への要求も厳しくなり、HSバンド材では磁気特性向上も切望されている。このように、HSバンド材にはさらなる高強度化および磁気特性向上(高透磁率化)が強く求められているのが現状である。
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、強度と透磁率を向上させる方法として、Si、Mn、P等の元素を多量に含有させる方法、および結晶粒径を適正化する方法をとっているが、特開平11−86755号公報記載の方法では溶接性や製造コストの面からさらにSi、Mn、P等の含有量を増加させることは難しく、これ以上の高強度、高透磁率化は難しいといえる。また、特開平11−158549号公報記載の方法では、細粒化により高強度化は図られるものの、同時に透磁率の低下を招くので、所望の強度レベルを達成しようとすれば透磁率が不十分となる。
【0007】
以上のように、従来技術では最近のニーズに応えるべく優れた強度と磁気特性を兼ね備えた鋼板は得られていない。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、強度と透磁率とのバランスに優れた鋼板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、粗大な析出物を形成しやすいBに着目して、HSバンド材の高強度、高透磁率化を図るべく鋭意研究を重ねた。その結果、以下の知見を得た。
【0010】
▲1▼磁気特性の向上に有効な元素であるBは、Oとの親和力が強いので、鋳造時に微細介在物であるB2O5を生成しやすい。
【0011】
▲2▼スラブ加熱時には表層でBの酸化が進行してBの枯渇層が生じやすい。
【0012】
▲3▼さらに、BはNとの親和力も強いのでスラブ加熱時や焼鈍時に表層窒化が生じやすく、Nと結合して粗大な析出物を形成しやすい。
【0013】
▲4▼上記のようなB2O5、Bの枯渇層及び表層窒化が生じると、B添加の効果が十分活かされない。
【0014】
▲5▼B2O5、Bの枯渇層及び表層窒化の生成を防ぎ、B添加の効果を十分活かすためには、鋳造時のO含有量を一定量以下にまで十分低減し、なおかつSbをBと複合して適量添加することが有効である。
【0015】
本発明はかかる知見に基づきなされたもので、以下の構成を有する。
[1]mass%で、C:0.005%以下、Si:0.5〜4%、Mn:2%以下、sol.Al:0.2 %以下、S:0.04%以下、P:0.2%以下、N:0.01%以下、B:0.0003〜0.004%、T.O.:0.005%以下、Sb:0.002〜0.1%を含有し、残部Fe および不可避不純物からなるヒートシュリンクバンド用鋼板。
【0016】
[2] 上記[1]において、B量とN量がB/N:0.2〜1を満足することを特徴とするヒートシュリンクバンド用鋼板。
【0017】
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%はすべてmass%である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細をその限定理由とともに説明する。
まず、種々のB含有鋼について抽出残渣の化学分析、透過電子顕微鏡観察等を行い、析出物、介在物の詳細調査を行った。その結果、B含有鋼では、窒化物以外に酸化物であるB2O5が生じており、この酸化物生成量が比較的多い鋼において透磁率が劣る傾向が認められた。そして、電子顕微鏡観察の結果、この酸化物の大きさは比較的微細であることが判明し、この酸化物自体が透磁率に悪影響を及ぼしていると推定された。Bは酸素との親和力が強いので、溶鋼の鋳造時に十分溶存酸素が低減されていないと、酸化物であるB2O5が形成されるものと考えられる。
【0019】
そこで、B含有鋼の磁気特性向上を目的に、磁気特性に及ぼす酸素含有量を調査した。
【0020】
C:0.002%、Si:1.2%、Mn:1%、P:0.07%、S:0.004%、sol.Al:tr.または0.01%、N:0.002%、B:0.0016%、とし、T.O.を0.001〜0.01%と変化させた鋼を溶製した。ここで、T.O.量(酸素含有量)は、SiまたはAlを添加してからの脱ガス処理時間を調節することにより調整し、Bは、溶存酸素量が高い段階で添加すると鋳造前の段階で酸化物として消費される可能性があるので、それを防止するために、Si、Alを添加し、その後、溶鋼を鋳造する直前に添加した。次いで、熱間圧延および板厚1.2mmまで冷間圧延を施し、680〜730℃で焼鈍を行うことにより結晶粒径を調整し、強度レベル:YP=330〜340MPaの供試材を得た。
【0021】
得られた供試材から25cmエプスタインサンプルを採取して磁気特性を測定した。なお、磁気特性(透磁率)は、23.9A/m(0.3エールステッド)まで磁化したときの比透磁率で評価した。また、酸素含有量は、熱延板と最終焼鈍板にほとんど差が認められないことを事前に確認して、ここでは板厚1.2mmの最終焼鈍板から採取したサンプルについて調査した結果を用いた。
【0022】
図1に、このようにして得られた供試材の酸素含有量(T.O.)と比透磁率の関係を示す。なお、図1において、sol.Al:tr.の鋼の磁気特性を○で、sol.Al:0.01%の鋼の磁気特性を●で示す。
【0023】
図1より、B含有鋼の比透磁率は鋼の酸素含有量と密接に関係しており、sol.Al:tr.の供試材(図中○)、 sol.Al:0.01%の供試材(図中●)ともに、T.O.を0.005%以下に低減すると高い比透磁率が得られることが判明した。 また、T.O.が0.005%以下の鋼板について析出物、介在物の調査を実施したところ、Bはほぼ完全に窒化物として存在しており、酸化物はsol.Al:tr.鋼ではSiO2、sol.Al:0.01%鋼ではAl2O3が主体となっていることが確認された。
【0024】
以上の結果より、酸素含有量(T.O.)は0.005%以下とする。
次に、B含有鋼におけるSb添加の効果について調査した。
本発明鋼では透磁率を向上させる目的で、Cの含有量を0.005%以下としている。このような、いわゆる極低炭素鋼では、スラブの加熱時あるいは焼鈍時に表層でのC以外の元素の酸化が生じやすくなる。この原因は必ずしも明らかではないが、Cが十分存在する場合にはCが優先酸化されるが、Cの含有量が少ないとその効果が十分得られず、他の元素の酸化が生じてしまうものと考えられる。本発明鋼では、B含有鋼を用いているため、表層でのBの酸化反応が進行しやすいと考えられる。
【0025】
また、BはNとの親和力も強いので、スラブ加熱時、焼鈍時等において、表層で炉内雰囲気成分として存在する窒素と結合しやすく、鋼板表層では窒化が生じやすいと考えられる。
【0026】
そこで、表層でのBの酸化、窒化防止を目的に、B含有鋼へのSbの複合添加を検討した。C:0.002%、Si:1.2%、Mn:1%、P:0.07%、S:0.004%、sol.Al:0.02%、N:0.002%、B:tr.または0.0015%、T.O.:0.002%とし、Sbをtr.〜0.2%と変化させた鋼を溶製し、図1と同様の条件で熱延、冷延、焼鈍を施し供試材を得た。
【0027】
次いで、得られた供試材から25cmエプスタインサンプルを採取して磁気特性を測定した。なお、磁気特性(透磁率)の測定及び酸素含有量の測定は、図1と同様の方法にて行った。
【0028】
図2にこのようにして得られた供試材のSb添加量と比透磁率の関係を示す。なお、図2において、B:tr.の鋼の比透磁率を●で、B:0.0015%の鋼(B含有鋼)の比透磁率を○で示した。
【0029】
図2により、B含有鋼(図中○)ではSbを0.002〜0.1%の範囲で含有させることにより、さらに比透磁率が向上することがわかる。
【0030】
B含有鋼のSb:tr.材と、Sb:0.02%材について表層からの深さ方向にB、Nの化学分析を行ったところ、Sb:tr.材では表層からの深さ50μm付近までの領域でBの含有量が減少していることが判明した。これは、Bが鋼の表層で優先酸化され、Bの含有量が減少したものと推測される。また、表層からの深さ30μm付近までの領域ではNの含有量が鋼板内部と比べてわずかに増加しており、窒化も生じていることが判明した。
【0031】
一方、Sb:0.02%材では酸化、窒化ともに軽減されていた。Sb:0.02%材では鋼の表層での酸化、窒化が防止されて磁気特性が向上したものと考えられる。
【0032】
以上の理由により、Sbの添加量は0.002〜0.1%とする。
次に、さらに磁気特性を向上させるために、B含有量と磁気特性の関係を調査した。C:0.002%、Si:1.2%、Mn:1%、P:0.07%、S:0.004%、sol.Al:0.01%、N:0.003%としBをtr.〜0.006%と変化させ、さらにT.O.およびSbの含有量を、T.O.:0.006%、Sb:tr.に調整した鋼、T.O.:0.002%、Sb:tr.に調整した鋼、T.O.:0.002%、Sb:0.01%に調整した鋼に図1と同様の条件で溶製、熱延、冷延、焼鈍を施し供試材を得た。
【0033】
次いで、得られた供試材から25cmエプスタインサンプルを採取して磁気特性を測定した。なお、磁気特性(透磁率)の測定及び酸素含有量の測定は、図1と同様の方法にて行った。
【0034】
図3にこのようにして得られた供試材のB含有量、B/Nと比透磁率の関係を示す。なお、図3において、T.O.:0.006%、Sb:tr.に調整した鋼の比透磁率を▲で、T.O.:0.002%、Sb:tr.を含有する鋼の比透磁率を●で、T.O.:0.002%、Sb:0.01%を含有する鋼の比透磁率を○で示した。
【0035】
図3より、T.O:0.006%、Sb:tr.に調整した鋼(図中▲)では、比透磁率の値にやや多くのばらつきを有しており、B/N=1.2付近で極大をとる。また、T.O:0.002%、Sb:tr.に調整した鋼(図中●)では、比透磁率のばらつきがT.O.:0.006%を含有する鋼より改善されるとともに、その値も向上し、比透磁率はB/N=0.9付近で極大となる。
【0036】
一方、T.O.:0.002%、Sb:0.01%に調整した鋼(図中○)では、BとSbの複合添加の効果により、 T.O:0.002%、Sb:tr.鋼よりさらに比透磁率が向上し、B/N=0.7付近で極大となる。以上のように、酸素含有量を適正化した鋼にBとSbを複合して添加することにより、比透磁率が大幅に向上し、さらにB/Nを適正範囲にすることによりさらに比透磁率が向上することがわかる。
【0037】
以上の理由により、Bの含有量は、磁気特性の向上効果が認められる0.0003〜0.004%の範囲とする。また、より磁気特性を向上させるためには、BとNをB/Nで0.2〜1の範囲とすることが好ましい。
【0038】
次に、他の成分の限定理由について説明する。
C:0.005%を超えて含有するとカーバイドが析出し、透磁率を劣化させる。したがって、Cは0.005%以下とする。
【0039】
Si:強度を増加させると同時に透磁率を向上させる重要な元素である。Si添加による強度上昇および透磁率向上の効果を発揮させるには、0.5%以上の添加が必要である。一方、Siを4%超えで添加しても透磁率の改善効果は小さくいたずらにコスト上昇を招く。さらには、溶接性の劣化、脆化等も招く。したがって、Siの含有量は、0.5〜4%とする。
【0040】
Mn:透磁率の劣化が比較的小さく、なおかつ固溶体強化により強度を上昇させる元素である。したがって、Mnは強度を確保するために適量添加することが望ましい。ただし、2%を超えて添加すると磁気特性が劣化する。以上より、Mnは2%以下とする。
【0041】
P:透磁率の劣化が小さく、なおかつ微量でも固溶体強化能が大きい元素である。したがって、積極的に活用することが望ましい元素である。ただし、0.2%超えで添加すると溶接性が著しく劣化するので0.2%以下とする。
【0042】
sol.Al:添加は必須では無いが、T.O.を低減する目的で含有させることが望ましい。しかし、0.2%を超えて含有させると、B含有の効果が得られず、いたずらにコストアップを招くので、0.2%以下とする。また、酸化物を安定してSiO2とするためには0.001%以下、もしくはAl2O3とするためには0.005%以上含有させることが望ましい。
【0043】
N:析出物を形成しやすく、磁気特性を劣化させる元素である。したがって、0.01%以下とする。
【0044】
また、本発明においては、Sbと比べてその効果は非常に小さいものの、酸化、窒化を防止する目的で、例えば、Sn:0.003〜0.15%、Cu:0.05〜0.2%等を1種または2種以上で複合して添加してもよい。
【0045】
次に本発明のヒートシュリンクバンド用鋼板の製造方法について説明する。
本発明においては、本発明で規定する成分が本発明の範囲内であればよく、本発明の鋼板を得るには、例えば、転炉で吹練した溶鋼を脱ガス処理し所定の成分に調整し、引き続き鋳造、熱間圧延を行う。熱間圧延時の仕上焼鈍温度、巻取り温度は特に規定する必要はなく、通常でかまわない。また、熱間圧延後の熱延板焼鈍は行っても良いが必須ではない。次いで一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延により所定の板厚とした後に、最終(仕上)焼鈍を行う。
【0046】
なお、HSバンド材として、耐食性の観点からメッキを施してもよい。メッキ種は特に限定されるものではなく、例えば、Zn、Zn−Ni合金、Zn−Al合金、Ni、Al、Sn、Crなどの単層メッキ、またはこれらの復層メッキ、あるいはメッキと地鉄とを一部または全部合金化させたメッキなどが適用可能である。
また、鋼板表面あるいはメッキ表面に各種の化成処理皮膜を形成してもよい。
【0047】
【実施例】
転炉で吹練した溶鋼を脱ガス処理し、所定の成分に鋳造後、1150℃×1hrのスラブ加熱を行った後、板厚3.2mmまで熱間圧延を行った。ここで、巻き取り温度は680℃とした。その後、酸洗を行い、引き続き、板厚1.2mmまで冷間圧延を行い、10%H2−90%N2雰囲気で680℃〜820℃×60secの仕上焼鈍を行った。また、一部の鋼板については、焼鈍後に伸長率:0.5〜1.5%のスキンパス圧延を行った。
仕上焼鈍後の鋼板の化学成分を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
得られた各鋼板の機械特性及び磁気特性を表2に示す。
ここで、機械特性(YPEL)の測定はJIS5号引張試験片にて行い、磁気測定は25cmエプスタイン試験片を用いて行った。なお、磁気特性は23.9A/mまで磁化したときの透磁率で評価した。
【0050】
【表2】
【0051】
表2より、鋼板成分を本発明範囲に制御した本発明例では、良好な磁気特性および高い強度を有する鋼板が得られていることがわかる。一方、比較例では、強度が劣っているかもしくは透磁率が低いことがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、磁気特性と強度とのバランスに優れたHSバンド用鋼板を得ることができる。
【0053】
また、本発明は、結晶粒の粗大化等の手段を用いない為、透磁率を向上させてもほとんど強度低下を伴わないので、強度レベルを維持しつつ透磁率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素含有量と比透磁率の関係を示すグラフ。
【図2】Sb含有量と比透磁率の関係を示すグラフ。
【図3】B含有量、B/Nと比透磁率の関係を示すグラフ。
Claims (2)
- mass%で、C:0.005%以下、Si:0.5〜4%、Mn:2%以下、sol.Al:0.2 %以下、S:0.04%以下、P:0.2%以下、N:0.01%以下、B:0.0003〜0.004%、T.O.:0.005%以下、Sb:0.002〜0.1%を含有し、残部Fe および不可避不純物からなるヒートシュリンクバンド用鋼板。
- B量とN量がB/N:0.2〜1を満足することを特徴とする請求項1記載のヒートシュリンクバンド用鋼板。
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