JP3964069B2 - 淡水化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽エネルギーを利用し、海水、塩分等を含んだ地下水(かん水)、産業廃水等の原水から蒸留法により淡水を得る淡水化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、太陽エネルギーを利用した海水の淡水化技術への関心が高まってきている。本出願人も先に太陽エネルギーを利用した「淡水化装置及びその運転方法」を開発し、特許出願(97JP97002098)をしている。該淡水化装置は、太陽エネルギーを集める集熱板を具備する太陽熱集熱器と、太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として該熱交換器で内部に収容している原水との間で熱交換を行い該原水から水蒸気を発生させる減圧式の蒸発缶と、原水を収容する原水タンクとを具備し、太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として蒸発缶の熱交換器に供給し、蒸発缶で発生した水蒸気を原水タンク内の凝縮器に供給して蒸留水を得るようになっている。そしてこの原水タンクは、外面を放熱部とし、内面を凝縮部とする伝熱性能の良い空気遮断体で覆われ、夜間放熱により凝縮水を回収し、蒸留水の回収効率を向上させるようになっている。
【0003】
上記淡水化装置を試作し性能確認のため、日本国内及び日射量の多い低緯度乾燥地帯(中東地区)での試験を行った。その結果、それぞれ安定して所定の能力が得られ、その単位収量(集熱面積当たり)も12.5kg/m2以上と従来から提案されていた太陽熱利用淡水化装置の性能を大きく上回っていることが確認できた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記淡水化装置の性能確認のための実験において、得られた運転データを解析したところ、原水タンクの原水の温度上昇は設計通りであったが、凝縮能力(冷却能力)の向上が更なる蒸留性能の向上に重要であることがわかった。即ち、冷却源である原水タンクの原水の温度上昇を極力抑えることが性能向上の重要なポイントになる。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、原水タンクの原水の温度上昇を抑え、蒸留性能の向上を図ることができる淡水化装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、太陽エネルギーを利用する淡水化装置であって、太陽エネルギーにより熱媒を加熱する太陽熱集熱器と、熱交換器を具備し太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として該熱交換器で内部に収容している原水との間で熱交換を行い該原水から水蒸気を発生させる減圧式の蒸発缶と、原水を収容した原水タンク内に配置され蒸発缶で発生した水蒸気を受入れ該原水との間で熱交換を行い蒸留水を得る凝縮器と、原水タンク内の原水を直接又は間接的に冷却する放熱器とを具備することを特徴とする。
【0007】
上記のように原水タンク内の原水を冷却する放熱器を具備することにより、該原水タンク内の原水の温度上昇が抑制され、蒸留性能が向上する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の淡水化装置において、原水を間接的に冷却する放熱器は原水タンク内に配置された熱交換器と外部放熱器を具備し、該熱交換器と外部放熱器を媒体通路で接続し、媒体の蒸発・凝縮を繰り返し原水を冷却するサーモサイフォン型の放熱器であることを特徴とする。
【0009】
上記のように放熱器を媒体の蒸発・凝縮を繰り返し原水を冷却するサーモサイフォン型とすることにより、放熱のために特別な動力を必要とすることなく、原水の有する熱を放出することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の淡水化装置において、熱交換器と放熱器の間で蒸発・凝縮を繰り返す媒体は水であることを特徴とする。
【0011】
上記のように、(サーモサイフォンを利用した)外部放熱器を設けることにより、外部放熱器及び該外部放熱器と原水タンク内に配置された熱交換器とを結ぶ配管(海水等の塩水と接触しない場合)に耐蝕の材料を使用することなく、安価な材料を使用して価格の低減を図ることができるだけでなく、外部放熱器の材質を制約無く選定でき、効率のよい、銅やアルミニウム等の熱伝導性のよい材質を選定でき放熱効率の良い外部放熱器を構成することができる。ここで、海水に接する部分の材質を考慮したヒートパイプを用いても勿論良い。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の淡水化装置において、原水タンクは淡水化装置内外の日陰部又は原水タンクへの入熱が少ない場所に配置したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の淡水化装置において、放熱器又は外部放熱器は淡水化装置内外の日陰部又は放熱に最適な場所に設置することを特徴とする。
【0014】
上記のように、原水タンク及び放熱器を太陽光が直接当たらない日陰、入熱の少ない場所及び放熱に最適な場所に配置したので、原水タンク内の原水の温度上昇が抑えられると共に、放熱器の放熱効率が向上するから、更に原水の温度上昇を抑えることができる。
【0015】
又、上記のように放熱器又は外部放熱器を淡水化装置の内外の日陰部又は放熱に最適な場所で夜間の天空放熱等を利用して効率良く放熱できる場所に設置するので、原水タンク内の原水の効率良い冷却が可能となる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の淡水化装置において、原水タンクと放熱器との間を結ぶ原水通路又は熱交換器と外部放熱器との間を結ぶ媒体通路に開閉弁を設け、原水タンク内の原水温度が外気温度よりも低い場合、該開閉弁を閉じることを特徴とする。
【0017】
上記のように原水タンクと放熱器との間を結ぶ原水通路又は熱交換器と外部放熱器との間を結ぶ媒体通路に開閉弁を設け、原水タンク内の原水温度が外気温度よりも低い場合、該開閉弁を閉じることにより、日中の気温上昇による外部からの原水タンクの原水への熱進入を防ぐことができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、太陽エネルギーを利用する淡水化装置であって、太陽エネルギーにより熱媒を加熱する太陽熱集熱器と、熱交換器を具備し太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として該熱交換器で内部に収容している原水との間で熱交換を行い該原水から水蒸気を発生させる減圧式の蒸発缶と、該蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮して蒸留水を得る凝縮器と、原水を収容した原水タンク内に配置され蒸発缶内の熱交換器を通った熱媒を通すことにより該原水との間で熱交換を行う熱交換器を具備し、夜間に原水タンク内の熱交換器を通して原水で加熱された熱媒の熱を太陽熱集熱器の集熱板を通して外部に放熱することを特徴とする。
【0019】
上記のように夜間に太陽熱集熱器の集熱板を通して、原水タンク内の原水の熱が放熱されることにより、日昼昇温した原水の熱を夜間に集熱板を通して効率良く放熱することができる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の淡水化装置において、蒸発缶の熱交換器をバイパスさせるバイパス手段を設け、夜間に原水タンク内の熱交換器を通して原水で加熱された熱媒を太陽熱集熱器の集熱板に送ることを特徴とする。
【0021】
上記のようにバイパス手段を設けて、夜間に原水タンク内の熱交換器を通して原水で加熱された熱媒を蒸発缶の熱交換器をバイパスさせて太陽熱集熱器の集熱板に送るようにしたので、夜間の太陽熱集熱器の集熱板を通して行われる放熱は、日中の集熱サイクルとは完全な逆サイクルとなり、原水タンク内の原水の温度を効果的に下げることができる。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の淡水化装置において、原水タンク内の原水を直接又は間接的に冷却する放熱器を設けたことを特徴とする。
【0023】
上記のように請求項7又は請求項8に記載の淡水化装置に原水を直接又は間接的に冷却する放熱器を設けたことにより、原水タンク内の原水の温度を更に効果的に下げることができる。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、太陽エネルギーを利用した淡水化装置であって、太陽エネルギーにより熱媒を加熱する太陽熱集熱器と、熱交換器を具備し太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として該熱交換器で内部に収容している原水との間で熱交換を行い該原水から水蒸気を発生させる減圧式の蒸発缶と、該蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器を具備し、該凝縮器は小容量のタンク内に収容され、該タンク内に前記水蒸気の凝縮に必要な所定流量の原水を冷却水として供給すると共に加温された同量の原水を排出することを特徴する。
【0025】
上記のように、蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器を小容量のタンク内に収容し、タンク内に水蒸気の凝縮に必要な所定流量の原水を冷却水として供給すると共に、加温された同量の原水を排出するので、少ない供給原水流量で原水タンク内の原水の温度を運転中略一定に保つことができる。
【0026】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の淡水化装置において、凝縮器と小容量のタンクの組合せを熱交換器とすることを特徴とする。
【0027】
上記のように凝縮器と小容量のタンクの組合せを例えば、シェル・チューブ型熱交換器又はプレート型等の熱交換器とすることにより、より少ない供給原水流量で原水の温度を運転中略一定に保つことができる。
【0028】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1つに記載の淡水化装置において、蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水を別途設けた貯留タンクに貯留し、該貯留した原水を蒸発缶に蒸発用の原水として供給する手段を設けたことを特徴とする
【0029】
蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水は水温が高いから、この原水を蒸発用の原水として蒸発缶に供給することにより、凝縮器で加温された原水を有効に利用できるから、淡水化装置の蒸留能力が更に向上する。
【0030】
また、請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれか1つに記載の淡水化装置において、水深の浅く上部が開口した水槽を具備し、該水槽の開口部を透光性のカバーで覆った構成のベースン型の太陽熱蒸留器を設け、該太陽熱蒸留器の水槽に蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水を貯留し、蒸留水を得るように構成したことを特徴とする。
【0031】
上記のようにベースン型の太陽熱蒸留器を設け、該太陽熱蒸留器の水槽に凝縮器で加熱された原水を貯留して、蒸留水を得るように構成することにより、装置全体として蒸留能力が更に向上する。
【0032】
また、請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれか1つに記載の淡水化装置において、水深の浅い広い面積を有するプールを設け、該プールに前記蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水及び/又は前記太陽熱蒸留器の水槽から排出される原水を貯留し、該原水から太陽熱を利用して食塩他、原水(例えば、海水)中の有用な塩類を回収することを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は請求項1に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。本淡水化装置は太陽熱集熱器10、蒸発缶20及び放熱器40を具備する構成である。
【0034】
太陽熱集熱器10は太陽エネルギー11を集め熱媒13を加熱する集熱板12を具備する。蒸発缶20は缶胴21を具備し、該缶胴21内には原水Q1が収容されている。更に、缶胴21内には原水Q1の中に浸漬するように熱交換器22が配置されている。31は内部に原水Q2を収容する原水タンクであり、該原水タンク31の開口部は空気遮蔽体34で覆われ、更に上面は太陽光を透過する空気遮蔽体34’で覆われている。また、原水タンク31内には原水Q2の中に浸漬するように凝縮器32が配置されている。なお、凝縮器32は原水タンク31の底部に配置されている。
【0035】
上記構成の淡水化装置において、太陽熱集熱器10の集熱板12で集められた太陽エネルギー11は熱媒13を加熱し、該熱媒を気化する。該気化された熱媒13は熱交換器22へ流れ込み、該熱交換器22で原水Q1との間で熱交換を行い凝縮され、液体状の熱媒となって集熱板12に戻る。
【0036】
上記熱交換器22で熱媒13により加熱された原水Q1から水蒸気23が発生する。なお、缶胴21内は図示しない真空ポンプ等で減圧されており、水蒸気23の発生は盛んに行われる。該水蒸気23は配管24を通って原水タンク31内に配置された凝縮器32に流れ込む。凝縮器32では水蒸気23と原水Q2の間で熱交換が行われ水蒸気は凝縮し蒸留水Wとして回収されると共に、原水Q2は加温される。
【0037】
原水Q2が加温され水温が上昇すると凝縮器32の凝縮機能が衰えるので、ここでは放熱器40を設け、該放熱器40に原水タンク31内の原水Q2を循環させて原水Q2が有する熱を外部に放出する。また、空気遮蔽体34’を透過した太陽エネルギー11は原水Q2の上層部を加熱し、水蒸気33を発生する。該水蒸気33は空気遮蔽体34’の裏面で凝縮して蒸留水となって該空気遮蔽体34’の裏面を伝わって流下し、捕集樋35に集められ、蒸留水Wとして回収される。該捕集樋35による蒸留水Wの回収は空気遮蔽体34’の表面からの熱放散の多い夜間にも行われる。
【0038】
上記のように原水タンク31内の原水Q2を冷却する放熱器40を設けることにより、原水Q2の有する熱は温度上昇が抑制され、凝縮器32の凝縮能力低下は抑制される。特に夜間は上記空気遮蔽体34’の表面からの熱放散と放熱器40からの熱放出により、原水Q2はより効果的に冷却され、本淡水化装置の昼間の蒸留回収性能に貢献する。なお、原水タンク31の原水Q2の上層は水温が高いから、この水温の高い上層の原水Q2を蒸発用の原水Q1として蒸発缶20に供給することにより、蒸発缶20で蒸発は効率良く行われる。
【0039】
また、上記例では、蒸発缶20を1段としたが、図6に示すように2段以上複数段としてもよく、この場合最終段の蒸発缶20−3の蒸留水を凝縮器32に導くようにする。
【0040】
図2は請求項2に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。同図において、図1と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す(以下、他の図面においても同様とする)。本淡水化装置が図1の淡水化装置と異なる点は、放熱器が原水タンク31内に配置された熱交換器41と原水タンク31外に配置された外部放熱器42を具備し、該熱交換器41と外部放熱器42を媒体通路43で接続し、媒体の蒸発・凝縮を繰り返し原水Q2を冷却するサーモサイフォン型の放熱器である点であり、他は図1の淡水化装置と同一である。
【0041】
上記のように放熱器を熱交換器41と外部放熱器42を媒体通路43で接続し、媒体の蒸発・凝縮を繰り返して原水を冷却するサーモサイフォン型の放熱器とすることにより、放熱のために特別な動力を必要とすることなく、原水Q2の有する熱を放出することができる。
【0042】
請求項3に記載の発明に係る淡水化装置は、その構成は図2に示す淡水化装置と同一であるが、媒体通路43を通る媒体を水とする。上記のように、(サーモサイホンを利用した)外部放熱器を設けることにより、外部放熱器42と媒体通路43の配管(海水等の塩水と接触しない場合)に耐蝕の材料を使用することなく、安価に材料を使用して価格の低減を図ることができる。更に外部放熱器42の材質を制約無く選定でき、効率のよい、銅やアルミニウム等の熱伝導性のよい材質を選定でき放熱効率の良い外部放熱器42を構成することができる。なお、該外部放熱器42としてヒートパイプを用いてもよいことは勿論である。
【0043】
図3は請求項4に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。本淡水化装置は上部に太陽熱集熱器10の集熱板12及び太陽電池50が配置されている。蒸発缶20、原水タンク31及び放熱器40は太陽エネルギー(太陽光)11が直接当たらない日陰等(集熱板12及び太陽電池50によって生じる日陰等)の場所、即ち、原水タンク31は外部からの入熱の少ない場所に、放熱器40は放熱に適した場所に配置する。なお、太陽電池50は、得られる電力で本淡水化装置が必要とする電力を賄うようにすることが望ましい。
【0044】
上記のように、原水タンク31及び放熱器40を太陽光が直接当たらない日陰等の入熱の少ない場所や放熱に適した場所に配置することにより、原水タンク31内の原水Q2の温度上昇が抑えられると共に、放熱器40の放熱効率が向上する。なお、図1及び図2に示す構成の淡水化装置においても、原水タンク31、放熱器40や外部放熱器42を日陰や入熱の少ない場所や放熱に適した場所に配置することにより、原水Q2の温度上昇が抑えられると共に、放熱器40の放熱効率を向上させることができることは当然である。
【0045】
図4は請求項5に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。放熱器の外部放熱器42を当該淡水化装置の内外の日陰部又は放熱に最適な場所に設置する。このように、外部放熱器42を淡水化装置の内外で、例えば夜間の天空放熱等で効率良く放熱できる場所に設置することにより、原水タンク31内の原水Q2の効率良い冷却をすることができる。なお、図1に示すように、原水タンク31内の原水Q2を直接循環させる形式の放熱器40も当該淡水化装置の内外の日陰部又は放熱に最適な場所に設定することにより、例えば夜間の天空放熱等を利用して原水タンク31内の原水Q2の効率良い冷却をすることができる。
【0046】
図5は請求項6に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。本淡水化装置は、放熱器の熱交換器41と外部放熱器42とを結ぶ媒体通路43に開閉弁44を設け、夜間は該開閉弁44を開いて原水タンク31内の原水Q2の熱を外部放熱器42を通して放熱し、日中外気温度が上昇し、原水タンク31内の原水Q2の温度が外気温度よりも低くなると、該開閉弁44を閉じるようにする。
【0047】
上記のように熱交換器41と外部放熱器42とを結ぶ媒体通路43に開閉弁44を設け、原水タンク31内の原水温度が外気温度よりも低い場合、該開閉弁44を閉じることにより、日中の気温上昇による外部からの原水タンク31の原水Q2への熱進入を防ぐことができる。開閉弁44の開閉は自動的に行うことも容易である。例えば原水Q2の水温を測定するセンサと外気温度を測定するセンサを設け、原水Q2の水温が外気温度より高い場合は開閉弁44を開き、原水Q2の水温が外気温度より低い場合は開閉弁44を閉じるように自動的に制御すればよい。
【0048】
なお、図1に示すように、原水タンク31内の原水Q2を直接循環させる形式の放熱器40でも原水の循環経路に開閉弁を設け、原水タンク31内の原水温度が外気温度よりも低い場合、該開閉弁44を閉じることにより、日中の気温上昇による外部からの原水タンク31の原水Q2への熱進入を防ぐことができる。
【0049】
図6は請求項7に記載の発明に係る淡水化装置の構成を示す図である。本淡水化装置は、複数台(図では3台)の蒸発缶20−1、20−2、20−3が配置され、第1の蒸発缶20−1で発生した水蒸気23は第2の蒸発缶20−2に配置された熱交換器22に流れ込み凝縮され蒸留水Wとして回収されると共に、第2の蒸発缶20−2で発生した水蒸気23は第3の蒸発缶20−3に配置された熱交換器22に流れ込み凝縮され蒸留水Wとして回収されるようになっている。
【0050】
上記構成の淡水化装置において、昼間で太陽が照っている時は、太陽熱集熱器10の集熱板12で加熱された熱媒13は第1の蒸発缶20−1の熱交換器22を通り原水Q1を加熱し、更に原水タンク31の上層部(原水Q2の水面近く)に配置した熱交換器37を通って太陽熱集熱器10の集熱板12に戻るようになっている。
【0051】
また、上記構成の淡水化装置において、太陽熱集熱器10の集熱板12は夜間に放熱機能を有するから、この夜間放熱機能を利用して原水タンク31内の放熱を行う。即ち、昼間の蒸留水Wを回収するサイクルでは熱媒13は、太陽熱集熱器10の集熱板12→第1の蒸発缶20−1の熱交換器22→原水タンク31の熱交換器37→集熱板12と流れるが、夜間はこれとは逆に矢印Aに示すように、原水タンク31の熱交換器37→第1の蒸発缶20−1の熱交換器22→集熱板12→熱交換器37と流れ、原水Q2が保有する熱を放熱する。
【0052】
ここで、熱交換器37には集熱板12の夜間放熱量と原水タンク31の原水Q2の必要冷却熱量とを勘案して必要伝熱面積を持たせることにより、夜間に原水Q2を必要冷却熱量だけ冷却させることができる。
【0053】
図7は請求項8に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。本淡水化装置が図6に示す淡水化装置と異なる点は、第1の蒸発缶20−1の熱交換器22をバイパスするための切替弁25、26を具備するバイパスライン27を設けた点である。そして夜間は該切替弁25、26を切り替え、熱媒13を熱交換器22をバイパスして矢印Aに示すように流すことにより、昼間の蒸留水回収サイクル(集熱サイクル)とは確実に逆のサイクルとして、太陽熱集熱器10の集熱板12の天空への夜間放熱により原水Q2の水温を効果的に下げることができる。
【0054】
図8は請求項9に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。本淡水化装置は、図7に示す構成の淡水化装置に原水タンク31の原水Q2を冷却するため、原水タンク31内に熱交換器41を配置すると共に、該原水タンク31外に外部放熱器42を設け、該熱交換器41と外部放熱器42を開閉弁と媒体通路で接続した構成である。
【0055】
上記のように、熱交換器41と外部放熱器42を設け、原水タンク31内の原水Q2を放熱により冷却することにより、更に効果的に原水Q2の水温を下げることができる。なお、この例では熱交換器41と外部放熱器42を設け、媒体を介して間接的に原水Q2を冷却するようにしているが、図1に示すように原水Q2を放熱器40に流し、放熱により原水Q2を直接的に冷却するように構成してもよい。
【0056】
図9は請求項10に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。本淡水化装置は、太陽エネルギーにより熱媒13を加熱する太陽熱集熱器10と、減圧式の蒸発缶20と、小容量の原水タンク31に収容された凝縮器32とを具備する。また、小容量の原水タンク31内には装置運転中ポンプ51により水蒸気の凝縮に必要な所定流量の原水を冷却水として供給し、同流量の原水を流出している。
【0057】
上記構成の淡水化装置において、太陽熱集熱器10の集熱板12で加熱された熱媒13は蒸発缶20の熱交換器22に流れ込み、原水Q1を加熱して、集熱板12に戻る。また、蒸発缶20で発生した水蒸気23は原水タンク31内に配置された凝縮器32で凝縮され、蒸留水Wとして回収される。凝縮器32の周りを流れる原水Q3の出口温度は入口温度より、例えば5℃以上高くならない流量の原水Q3を日中の運転時間に流すようにする。原水Q3を冷却源として使用するため、入口(供給)温度は低めに保たれており、冷却源温度も装置運転中は略一定に保つことができる。
【0058】
また、このような太陽エネルギーを利用した淡水化装置では太陽が登っている時だけの運転であり、熱量も太陽の日射量が地平面で単位面積当たり1kw/m2以下と非常に低いため、よって冷却源の流量も非常に少なくて良い。このことは冷却源の供給をポンプ51で行ったとしても小型で電力消費量が少なくて済む。従って、小容量の太陽電池を設置し、その発電電力で賄うことができる。
【0059】
図10は請求項11に記載の発明に係る淡水化装置の構成を示す図である。本淡水化装置が図9の淡水化装置と異なる点は、図9の原水タンク31及び凝縮器32の組合せに換えて熱交換器29を用いた点である。そして太陽熱集熱器10の集熱板12で加熱された熱媒13は蒸発缶20の熱交換器22に供給され、排出される熱媒13を集熱板12に戻す。
【0060】
熱交換器29としてシェル・チューブ型熱交換器を用いた場合、蒸発缶20内で発生した原水からの水蒸気はシェル・チューブ型熱交換器29のチューブ内に供給され、ポンプ51によりチューブ内に供給される原水Q3と熱交換され、凝縮水Wとなり回収される。このように蒸発缶20内で原水Q1から発生した水蒸気を凝縮させる凝縮器として熱交換器29を用い、例えばシェル・チューブ型熱交換器を用いた場合そのチューブ内に冷却源である原水Q3を供給し、シェル側を水蒸気とその凝縮側にすることにより、チューブ内の流速を確保でき伝熱性能の向上が図れると同時にシェル側材質に耐海水性でなく汎用のステンレス材等が使用ができ、価格の低減も図れる。
【0061】
なお、上記例では原水タンク31及び凝縮器32の組合せに換えてシェル・チューブ型熱交換器29を用いたが、シェル・チューブ型熱交換器に限定されるものではなく、例えばプレート型の熱交換器でもよく、熱交換器の種類は限定されるものではない。
【0062】
また、図9及び図10に示す淡水化装置において、原水タンク31及び熱交換器29から排出される原水Q4の流量は少ないが、その温度は入口温度より高いから、この排出される原水Q4を図11に示すように別途設けたタンク52に貯留し、この貯留した原水Q4を蒸発用の原水として蒸発缶20に供給することにより、装置として効率のよい蒸留能力、即ち蒸留水の回収が可能となる。これが請求項12に記載の発明に係る淡水化装置の構成例である。
【0063】
なお、上記例では、タンク52には図9及び図10に示す淡水化装置の原水タンク31及び熱交換器29からの加熱された原水を貯留するように構成したが、これに限定されるものではなく、図1乃至図8に示す淡水化装置において、蒸発缶20で発生した蒸気を凝縮する凝縮器32で加熱された原水を貯留し、ここから各蒸発缶20に供給するようにしてもよい。
【0064】
また、図12に示すように、水深の浅く上部が開口した水槽61を具備し、該水槽61の開口部を透光性のカバー62で覆った構成のベースン型の太陽熱蒸留器60を設け、該水槽61に図9及び図10の原水タンク31や蒸発缶20や熱交換器29から排出された原水Q4を貯留し、該貯留した原水Q4から蒸発した水蒸気をカバー62の裏面で凝結させ、捕集樋63で捕集して蒸留水Wを回収するように構成することもできる。これが請求項13に記載の発明に係る淡水化装置の構成例である。このようにベースン型の太陽熱蒸留器60を設けることにより、装置全体として蒸留能力が更に向上する。
【0065】
なお、上記例では、タンク52には図9及び図10に示す淡水化装置の原水タンク31及び熱交換器29からの加熱された原水を貯留するように構成したが、これに限定されるものではなく、図1乃至図8に示す淡水化装置の蒸発缶20で発生した蒸気を凝縮する凝縮器32で加熱された原水を水槽61に貯留するようにしてもよい。
【0066】
また、図13に示すように、水深の浅い広い面積を有するプール70を設け、該プール70に図9及び図10の原水タンク31や蒸発缶20や熱交換器29、図12のベースン型の太陽熱蒸留器60から排出された原水Q4、更には図1乃至図8に示す淡水化装置の蒸発缶20で発生した蒸気を凝縮する凝縮器32で加熱された原水を貯留し、太陽エネルギーで該貯留した原水Q4から水蒸気71を蒸発させることにより、該プール70に食塩72を析出させることができる。
【0067】
これにより、蒸留水の回収の他に、濃縮した原水(例えば海水)から食塩他、原水中に含まれる有用な塩類を回収することができる。これが請求項14に記載する発明に係る淡水化装置の構成例である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように各請求項に記載の発明によれば、下記のような優れた効果がえられる。
【0069】
請求項1に記載の発明によれば、原水タンク内の原水を冷却する放熱器を具備するので、原水タンク内の原水の温度上昇が抑制され、蒸留性能が向上する。
【0070】
請求項2に記載の発明によれば、放熱器を原水タンク内に配置された熱交換器と外部放熱器を媒体通路で接続し、媒体の蒸発・凝縮を繰り返し原水を冷却するサーモサイフォン型の放熱器とするので、放熱のために特別な動力を必要とすることなく、原水の有する熱を放出することができる。
【0071】
請求項3に記載の発明によれば、熱交換器と放熱器の間で蒸発・凝縮を繰り返す媒体は水であるので、外部放熱器と原水タンク内に配置された熱交換器とを結ぶ配管(海水等の塩水と接触しない部分)に耐蝕の材料を使用することなく、安価な材料を使用して価格の低減を図ることができるだけでなく、外部放熱器の材質を制約無く選定でき、効率のよい、銅やアルミニウム等の熱伝導性のよい材質を選定でき放熱効率の良い外部放熱器を構成することができる。
【0072】
請求項4に記載の発明によれば、原水タンク及び放熱器は太陽光が直接当たらない日陰や入熱の少ない場所や放熱に適する場所に配置したので、原水タンク内の原水の温度上昇が抑えられると共に、放熱器の放熱効率が向上するから、更に原水の温度上昇を抑えることができる。
【0073】
請求項5に記載の発明によれば、放熱器や外部放熱器を淡水化装置の内外の日陰部又は放熱に最適な場所で夜間の天空放熱等を利用して効率良く放熱できる場所に設置するので、原水タンク内の原水の効率良い冷却が可能となる。
【0074】
請求項6に記載の発明によれば、原水タンクと放熱器との間を結ぶ原水通路又は熱交換器と外部放熱器との間を結ぶ媒体通路に開閉弁を設け、原水タンク内の原水温度が外気温度よりも低い場合、該開閉弁を閉じるので、日中の気温上昇により逆に外部からの原水タンクの原水への熱進入を防ぐことができる。
【0075】
請求項7に記載の発明によれば、夜間に原水タンク内の熱交換器を通して原水で加熱された熱媒の熱は太陽熱集熱器の集熱板を通して外部に放熱できるようになっているので、日中昇温した原水の熱を夜間に集熱板を通して効率良く放熱することができる。
【0076】
請求項8に記載の発明によれば、夜間に原水タンク内の熱交換器を通して原水で加熱された熱媒を蒸発缶の熱交換器をバイパスさせて太陽熱集熱器の集熱板に送るようにバイパス手段を設けるので、夜間の太陽熱集熱器の集熱板を通して行われる放熱は、日中の集熱サイクルとは完全な逆サイクルとなり、原水タンク内の原水の温度を効果的に下げることができる。
【0077】
請求項9に記載の発明によれば、原水タンク内の原水を直接又は間接的に冷却する放熱器を設けたので、原水タンク内の原水の温度を更に効果的に下げることができる。
【0078】
請求項10に記載の発明によれば、蒸発缶からの水蒸気を凝縮させる凝縮器は小容量のタンク内に収容され、該タンク内に水蒸気の凝縮に必要な所定流量の原水を冷却水として供給すると共に加温された同量の原水を排出するので、少ない供給原水流量で原水タンク内の原水の温度を運転中略一定に保つことができる。
【0079】
請求項11に記載の発明によれば、蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器を熱交換器とするので、より少ない供給原水流量で原水タンク内の原水の温度を運転中略一定に保つことができる。
【0080】
請求項12に記載の発明によれば、蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水を別途設けた貯留タンクに貯留し、該貯留した原水を蒸発缶に蒸発用の原水として供給する手段を設けたので、凝縮器で加温された原水を有効に利用できるから、淡水化装置の蒸留性能が更に向上する。
【0081】
請求項13に記載の発明によれば、ベースン型の太陽熱蒸留器を設け、該太陽熱蒸留器の水槽に蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水を貯留し、蒸留水を得るように構成したので、装置全体として蒸留性能が更に向上する。
【0082】
請求項14に記載の発明によれば、水深の浅い広い面積を有するプールを設け、該プールに蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水及び/又は太陽熱蒸留器の水槽から排出される原水を貯留するので、該原水を太陽熱を利用して原水蒸発して食塩他、海水中の有用な塩類を回収することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図2】請求項2に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図3】請求項4に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図4】請求項5に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図5】請求項6に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図6】請求項7に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図7】請求項8に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図8】請求項9に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図9】請求項10に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図10】請求項11に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図11】請求項12に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図12】請求項13に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【図13】請求項14に記載の発明に係る淡水化装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 太陽熱集熱器
11 太陽エネルギー
12 集熱板
13 熱媒
20 蒸発缶
20−1 蒸発缶
20−2 蒸発缶
20−3 蒸発缶
21 缶胴
22 熱交換器
23 水蒸気
24 配管
25 切替弁
26 切替弁
27 バイパスライン
29 熱交換器
31 原水タンク
32 凝縮器
33 水蒸気
34 空気遮蔽体
34’ 空気遮蔽体
35 捕集樋
37 熱交換器
40 放熱器
41 熱交換器
42 外部放熱器
43 媒体通路
44 開閉弁
50 太陽電池
51 ポンプ
52 タンク
60 太陽熱蒸留器
61 水槽
62 カバー
63 捕集樋
70 プール
71 水蒸気
72 食塩
Claims (14)
- 太陽エネルギーを利用する淡水化装置であって、
太陽エネルギーにより熱媒を加熱する太陽熱集熱器と、熱交換器を具備し前記太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として該熱交換器で内部に収容している原水との間で熱交換を行い該原水から水蒸気を発生させる減圧式の蒸発缶と、原水を収容した原水タンク内に配置され前記蒸発缶で発生した水蒸気を受入れ該原水との間で熱交換を行い蒸留水を得る凝縮器と、前記原水タンク内の原水を直接又は間接的に冷却する放熱器とを具備することを特徴とする淡水化装置。 - 請求項1に記載の淡水化装置において、
前記原水を間接的に冷却する放熱器は前記原水タンク内に配置された熱交換器と外部放熱器を具備し、該熱交換器と外部放熱器を媒体通路で接続し、媒体の蒸発・凝縮を繰り返し原水を冷却するサーモサイフォン型の放熱器であることを特徴とする淡水化装置。 - 請求項2に記載の淡水化装置において、
前記熱交換器と放熱器の間で蒸発・凝縮を繰り返す媒体は水であることを特徴とする淡水化装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の淡水化装置において、
前記原水タンクは当該淡水化装置内外の日陰部又は該原水タンクへの入熱が少ない場所に配置したことを特徴とする淡水化装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の淡水化装置において、前記放熱器又は前記外部放熱器は当該淡水化装置内外の日陰部又は放熱に最適な場所に設置することを特徴とする淡水化装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の淡水化装置において、
前記原水タンクと前記放熱器との間を結ぶ原水通路又は前記熱交換器と前記外部放熱器との間を結ぶ媒体通路に開閉弁を設け、前記原水タンク内の原水温度が外気温度よりも低い場合、該開閉弁を閉じることを特徴とする淡水化装置。 - 太陽エネルギーを利用する淡水化装置であって、
太陽エネルギーにより熱媒を加熱する太陽熱集熱器と、熱交換器を具備し前記太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として該熱交換器で内部に収容している原水との間で熱交換を行い該原水から水蒸気を発生させる減圧式の蒸発缶と、該蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮して蒸留水を得る凝縮器と、原水を収容した原水タンク内に配置され前記蒸発缶内の熱交換器を通った熱媒を通すことにより該原水との間で熱交換を行う熱交換器を具備し、夜間に前記原水タンク内の熱交換器を通して原水で加熱された熱媒の熱を前記太陽熱集熱器の集熱板を通して外部に放熱することを特徴とする淡水化装置。 - 請求項7に記載の淡水化装置において、
前記蒸発缶の熱交換器をバイパスさせるバイパス手段を設け、夜間に前記原水タンク内の熱交換器を通して原水で加熱された熱媒を前記太陽熱集熱器の集熱板に送ることを特徴とする淡水化装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の淡水化装置において、
前記原水タンク内の原水を直接又は間接的に冷却する放熱器を設けたことを特徴とする淡水化装置。 - 太陽エネルギーを利用した淡水化装置であって、
太陽エネルギーにより熱媒を加熱する太陽熱集熱器と、熱交換器を具備し前記太陽熱集熱器で加熱された熱媒を加熱源として該熱交換器で内部に収容している原水との間で熱交換を行い該原水から水蒸気を発生させる減圧式の蒸発缶と、該蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器を具備し、該凝縮器は小容量のタンク内に収容され、該タンク内に前記水蒸気の凝縮に必要な所定流量の原水を冷却水として供給すると共に加温された同量の原水を排出することを特徴する淡水化装置。 - 請求項10に記載の淡水化装置において、
前記凝縮器と小容量のタンクの組合せを熱交換器とすることを特徴とする淡水化装置。 - 請求項1乃至11のいずれか1つに記載の淡水化装置において、
前記蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水を別途設けた貯留タンクに貯留し、該貯留した原水を前記蒸発缶に蒸発用の原水として供給する手段を設けたことを特徴とする淡水化装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1つに記載の淡水化装置において、
水深の浅く上部が開口した水槽を具備し、該水槽の開口部を透光性のカバーで覆った構成のベースン型の太陽熱蒸留器を設け、該太陽熱蒸留器の水槽に前記蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水を貯留し、蒸留水を得るように構成したことを特徴とする淡水化装置。 - 請求項1乃至13のいずれか1つに記載の淡水化装置において、
水深の浅い広い面積を有するプールを設け、該プールに前記蒸発缶で発生した水蒸気を凝縮する凝縮器で加熱された原水及び/又は前記太陽熱蒸留器の水槽から排出される原水を貯留し、該原水から太陽熱を利用して食塩他、原水中の有用な塩類を回収することを特徴とする淡水化装置。
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