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JP3963432B2 - 畝間走行作業車 - Google Patents

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JP3963432B2
JP3963432B2 JP2002061664A JP2002061664A JP3963432B2 JP 3963432 B2 JP3963432 B2 JP 3963432B2 JP 2002061664 A JP2002061664 A JP 2002061664A JP 2002061664 A JP2002061664 A JP 2002061664A JP 3963432 B2 JP3963432 B2 JP 3963432B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畝を跨いで畝間を走行し、畝上で移植或いは収穫等の作業を行う作業者を作業姿勢のまま移動させる畝間走行作業車に関し、特には、自走式の畝間走行作業車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
畑の畝に沿って行われる播種,移植,収穫等の作業は、腰を屈めて行う作業を繰り返すので、かなりの重労働となる。このような作業の労力を軽減するために、畝上に座席を配置させ、畝を跨いで畝間を走行する畝間走行作業車が作業の補助具として用いられている。この畝間走行作業車を用いると、作業者は座席に腰を下ろした状態で作業を行うことができ、畝に沿って車を移動させながら作業を進めることができる。
【0003】
このような畝間走行作業車としては、作業者自身が足で地面を蹴って作業者の背面に車を進める人力式のものが古くから用いられてきたが、後ろ向きに作業を進める不快感を解消するために、原動機(エンジン又はモータ)を搭載して作業者の前方に車を移動させる自走式のものが開発されている。図10は、自走式の畝間走行作業車の従来技術を示す概略図である(特開平7−67411号公報等参照)。同図(a)は側面図、同図(b)は背面図を示している。
【0004】
同図において、フレーム60には、畝上に配置される座席61が装備されると共に、畝Aを跨いで畝間Wを走行する一対の前輪62及び後方車輪63が装備されている。また、フレーム60にはエンジン64が搭載されており、エンジンからの動力が伝動軸65及びチェンケース66を介して後方車輪63に伝動されている。このような自走式の畝間走行作業車によると、座席61に作業者が座り、図示省略した操作手段を手又は足で操作することによって車の移動及び停止を行い、着座したままの状態で畑作物の移植或いは収穫作業を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような畝間走行作業車では、畝Aを跨いで走行することから、畝及び畝上の作物を完全に跨ぐことができる車輪間の空間とグランドクリアランスが必要である。しかしながら、従来の畝間走行作業車によると、動力伝達のためのチェンケース66,66が後方車輪の間に配備されているため、チェンケース66,66が畝を崩さないようにするためには、畝Aに対して車輪間隔を大きく設定する必要が生じる。このような設定は、図10(b)の実線で示したように、畝間の幅Wが広い畑の場合には可能であるが、図の破線で示したように畝間の幅W’が狭い畑では、このような設定は不可能であり、チェンケース66,66が畝を崩してしまい使用できないという問題がある。
【0006】
また、畝と畝上の作物を合わせた高さHを完全にクリアするグランドクリアランスを得るためには、後方車輪63の車輪径を大きくする必要がある。従来の畝間走行作業車のように後方車輪にラグ付きのタイヤを用いているものでは、車輪径を大きくするとそれによって重量がかなり大きくなり、機体の軽量化を妨げる問題がある。更には、車輪径を大きくするとそれに伴ってタイヤ幅が広くなり、より広い畝間の幅Wを必要とする問題もある。
【0007】
そして、この種の作業車では、低価格で操作の単純なものが求められており、舵取り機構や変速機構といった重量の嵩む機構は排除して、枕地旋回や非作業時の運搬等は手引き又は手押しで行うことが前提となっているが、機体重量が大きくなると手引き又は手押し時の操作性が悪くなる問題があり、また、左右車輪の差動機構も排除しているので、旋回時には外側の車輪を引きずることになり、車輪の摩耗が進みやすくなるだけでなく、旋回時の操作性を悪化させることにもなっていた。
【0008】
更に、従来の自走式畝間走行作業車では、手押し又は手引きで機体を移動させるためには、例えば、エンジンと伝動軸を結合するVベルトのテンションを緩める等のクラッチ操作が必要であり、このクラッチ操作によって原動機とのロックを遮断して車輪をフリーにしてやる必要がある。しかしながら、このようなクラッチ操作は面倒であり走行操作を煩雑にすると共に、複雑なクラッチ機構を組み込むことで機体重量が嵩むという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであって、狭い畝間の畑であっても畝を崩すことなく走行可能であり、軽量でありながら充分な車輪間の空間を確保することができ、また、自走式でありながら簡単に手引き又は手押し走行が可能であって、しかも操作性の良い畝間走行作業車を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は以下の特徴を具備するものである。
【0011】
請求項1に係る発明は、畝上に配備される座席を備え、畝を跨いだ左右一対の前輪と後方走行部とにより畝間を走行する畝間走行作業車であって、前記座席の後方に、畝幅に相当する畝幅方向の横幅を有し、内部にモータ及び伝動機構を配備した箱形フレームを設け、該箱形フレームの左右両側から突出した伝動軸と該伝動軸にそれぞれ接続されるスプロケットとを、該伝動軸がスプロケットに対して前進方向に回転する場合のみロックする方向に組み込んだワンウエイクラッチを介して接続し、前記スプロケットとその下に配備した従動輪にクローラを巻き回して前記後方走行部を形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、畝上に配備される座席を備え、畝を跨いだ左右一対の前輪と後方走行部とにより畝間を走行する畝間走行作業車であって、前記座席の後方に、畝幅に相当する畝幅方向の横幅を有し、内部にモータ及び伝動機構を配備した箱形フレームを設け、該箱形フレームの左右両側から突出した伝動軸と該伝動軸にそれぞれ接続されるスプロケットとを配備して、前記伝動軸の軸端に形成された溝と前記スプロケットの軸受け部に形成された溝に対して爪部を係脱させる爪クラッチを介して前記伝動軸とスプロケットとを接続し、前記スプロケットとその下に配備した従動輪にクローラを巻き回して前記後方走行部を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2の畝間走行作業車を前提として、前記前輪,後方走行部及び箱形フレームを機体フレームに支持させ、該機体フレーム及び前記伝動軸を畝幅方向に伸縮自在にすることによって、異なる畝幅に対応できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2の畝間走行作業車を前提として、前記モータをオンオフ操作するスイッチ部を前記座席に座る作業者の足下に配備したことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1の畝間走行作業車を前提として、前記モータの電源となるバッテリを、前記箱形フレームの後方においてコネクタを介して着脱自在に配備し、バッテリの極性を反転させてコネクタを接続することで、前記伝動軸を逆転可能にしたことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項5の畝間走行作業車を前提として、前記箱形フレームの後方にバッテリ収容受けを設け、前記コネクタは、該バッテリ収容受けの底面中央に雄型端子を垂直に突出させると共に、前記バッテリの底面中央に雌型端子を設けることで形成し、該バッテリの上面に着脱操作用の取っ手を設けたことを特徴とする。
【0017】
上述の構成を備えた本発明は、以下の作用を奏するものである。
【0018】
請求項1に係る発明によると、座席の後方に配備された箱形フレームの両側から伝動軸が突出され、その伝動軸からほぼ垂直に、スプロケット,従動輪,クローラからなる動力伝達系を兼用した後方走行部が形成されており、チェンケース等の車輪間に配備される動力伝達系を一切排除しているので、箱形フレームの畝幅に相当する横幅と左右の後方走行部で囲まれた有効な車輪間の空間を形成することができる。これによって、狭い畝間の畑であっても、畝を崩したり、畝を覆ったマルチを破ったりすることのない円滑な畝間走行を行うことが可能になる。
【0019】
また、車輪間の空間において充分なグランドクリアランスを確保するためには、単にクローラの長さを長くして、スプロケットと従動輪との間隔を大きくすれば良く、特に車輪径を大きくする必要がないので、充分なグランドクリアランスを確保した上で機体の軽量化が可能である。そして、クローラ長を長くした場合であってもクローラの幅は必要以上に広くする必要がないので、狭い畝間の畑に対しても充分な対応が可能である。
【0020】
更には、モータからの動力が伝達される後方走行部では、伝動軸とスプロケットがワンウエイクラッチを介して接続されている。このワンウエイクラッチによる伝動作用は、伝動軸がスプロケットに対して前進方向に回転する場合のみ、この両者をロックするものである。このような方向にワンウエイクラッチを組み込むことによって、スプロケットが停止状態で伝動軸が前進方向に回転した場合には、スプロケットは伝動軸にロックされて動力が伝達されるが、伝動軸が停止状態でスプロケットが前進方向に回転した場合には、両者はロックされずスプロケットはフリーに回転することができる。
【0021】
すなわち、モータ駆動によって伝動軸を前進回転させると動力が後方走行部に伝達されて畝間走行作業車は前進方向に自走するが、モータを停止させた状態で機体を前方に手引き又は手押しした場合や、モータの回転より速くスプロケットが回転するように機体を手引き又は手押しした場合には、左右の後方走行部は独立してフリーに回転でき、スムースな手引き又は手押しによる移動及び旋回が可能になる。したがって、自走式でありながら、特にクラッチ操作を行うことなく、手引き又は手押しによる機体の前進又は旋回が可能になり、枕地旋回や非作業時における機体の前進等の取り扱い性が向上する。
【0022】
請求項2に係る発明によると、請求項1に係る発明と同様にチェンケース等の車輪間に配備される動力伝達系を一切排除しているので、箱形フレームの畝幅に相当する横幅と左右の後方走行部で囲まれた有効な車輪間の空間を形成することができ、狭い畝間の畑であっても、畝を崩したり、畝を覆ったマルチを破ったりすることのない円滑な畝間走行を行うことが可能になる。また、請求項1に係る発明と同様に充分なグランドクリアランスを確保した上で機体の軽量化が可能であると共に、狭い畝間の畑に対しても充分な対応が可能である。
【0023】
更には、モータからの動力が伝達される後方走行部では、伝動軸とスプロケットが爪クラッチを介して接続されており、この爪クラッチが設けられるスプロケットの軸受け部と伝動軸の端部が箱形フレームの側面に配備されている。したがって、作業者は爪クラッチを操作して、伝動軸端部の溝とスプロケット軸受け部の溝に爪部を係合させて伝動軸からの動力を後方走行部に伝達させることができると共に、爪クラッチの爪部を溝から外して後方走行部をフリーにすることができる。これによって、自走式でありながら、簡単なクラッチ操作で手引き又は手押しによる機体の前進又は旋回が可能になり、枕地旋回や非作業時における機体の前進等の取り扱い性が向上する。
【0024】
請求項3に係る発明によると、上述の作用に併せて、前輪,後方走行部及び箱形フレームを機体フレームに支持させ、この機体フレーム及び伝動軸を畝幅方向に伸縮自在にしているので、異なる畝幅の畑においても機体フレーム及び伝動軸の伸縮状態をその畝幅に応じて変更させることができ、あらゆる作物の畝に対応させることができる。
【0025】
請求項4に係る発明によると、上述の作用に併せて、モータをオンオフ操作するスイッチ部を座席に座る作業者の足下に配備したことで、作業者の手を塞ぐことなく車の進行操作が可能となり、また操作も簡単に行うことができるので、走行の操作性が向上する。
【0026】
請求項5に係る発明によると、上述の作用に併せて、以下の作用を奏する。
【0027】
すなわち、上述したワンウエイクラッチを備えた畝間走行作業車によると、モータ停止状態で機体を後方に手引き又は手押した場合、停止した伝動軸とスプロケットがロックされた状態となり、スムースな機体の移動ができない。そこで、伝動軸を逆転駆動させることで、その伝動軸の回転速度以下で後方への手引き又は手押し移動を可能にした。この種の畝間走行作業車では、機体を後方へ移動させる必要性は少ない(軽トラックの荷台から機体を積み降ろしする場合等に必要となる)ので、接点不良の生じやすいリレースイッチや機体の重量が増すギヤによる反転機構を設けることは得策ではない。この発明では、バッテリとモータとを着脱容易なコネクタ接続とし、後進移動時にはコネクタの接続を外して、バッテリの極性を反転させた上で接続することで、上述した伝動軸の反転駆動を可能にした。
【0028】
請求項6に係る発明によると、上述の作用に併せて、バッテリに設けたコネクタの着脱が容易になり、バッテリ上面に設けた取っ手を持ってバッテリをバッテリ収容受けから持ち上げ、バッテリの極性を反転させて再びバッテリ収容受けに戻すのみで、後進操作を簡易に行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る畝間走行作業車の全体構成を示す説明図であり、図2はその背面図である。図において、畝間走行作業車は、機体フレーム1に座席2、前輪3、後方走行部4を設けた基本構造を成す。機体フレーム1には、前方に、苗箱等が置かれる作業台部10と最前部に手引き用取っ手部11が形成されており、座席2の後方に、箱形フレーム12が設けられている。座席2は、機体フレーム1の座席係止部1a又は1bにフック2aを係止することで取り付けられており、係止部1a又は1bを選択することで座席高さの調整が可能になっている。これによって、移植又は収穫といった作業姿勢の異なる作業に対して座席高さを調節することが可能になる。前輪3は、機体フレーム1の前方に設けた支持部3bに車輪3aを軸支したものである。
【0030】
箱形フレーム12の上方には、移植作業を行うための苗箱積載台5が設置されている。この苗箱積載台5は箱形フレーム12に対して着脱可能であって、各種の作業に応じた積載台と付け替えることができる。箱形フレーム12の後方にはバッテリ収容受け13が設けられており、このバッテリ収容受け13に、上面に取っ手6aを備えたバッテリ6が収容されている。また、機体フレーム1における前方下部には、座席2に座った作業者の足下にあたる位置にスイッチ部7が設けられている。
【0031】
図2及び図3によって後方走行部4を説明すると、後方走行部4は、スプロケット40と従動輪41及びこれらに巻き回されたクローラ42からなり、スプロケット40の凹部40aにクローラ42の内面に形成された凸部42aが噛み合い、従動輪41の外周に支持されたクローラ42がスプロケット40の回転に応じて駆動するものである。クローラ42の外周には、駆動力を確保するラグ42bが設けられている。
【0032】
スプロケット40は、箱形フレーム12の左右両側から突出した伝動軸21にワンウエイクラッチ22を介して接続されている。このワンウエイクラッチ22は、伝動軸21がスプロケット40に対して前進方向に回転する場合のみ両者をロックするものであって、その逆に伝動軸21がスプロケット40に対して後進方向に回転する場合(スプロケット40が伝動軸21の前進回転に対して更に速く前進回転する場合及び停止した伝動軸21に対してスプロケット40が前進回転する場合を含む。)には、スプロケット40と伝動軸21はロックされず、互いにフリーな状態となるものである。また、従動輪41は、スプロケット40の下に配備されて、箱形フレームの12の側方に設けたブラケット12aに軸受けを介して軸支されている。
【0033】
このような構造の後方走行部4によると、箱形フレーム12の左右両側にほぼ垂直に走行系及び伝動系を配備することができ、左右の後方走行部4の間に伝動系等のスペース専有物が配置されることがない。したがって、箱形フレーム12の横幅を畝幅に相当する幅に設定することにより、図2に示すように、箱形フレーム12の底面と左右の後方走行部4の内側で形成された非常に有効な車間空間を、畝A及び狭い畝間Wに対して確保することができる。
【0034】
次に、図4によって畝間走行作業車の動力系について説明する。箱形フレーム12の中には、モータ20,ギアボックス20A及び伝動ケース23が配備されており、伝動ケース23内には、モータ20から伝動軸21へ所望の減速比で動力を伝達する伝動スプロケット23a,23b及びチェン23cからなる伝動機構が配備されている。そして、伝動軸21は箱形ケース12の側面に設けた軸受け24を介して箱形ケース12の左右両側に突出しており、この伝動軸21の両端に上述したようなワンウエイクラッチ22を介して後方走行部4のスプロケット40が接続されている。23dは伝動ケース23内に設けられた軸受けを示している。
【0035】
図5は畝間走行作業車の電気系を示す説明図である。畝間走行作業車の原動機であるモータ20とその電源となるバッテリ6とはコネクタ8を介して接続されている。このコネクタ8は雄型端子8aと雌型端子8bとによって形成されており、雄型端子8aがバッテリ収容受け13の底面中央に垂直に突出して設けられ、その雄型端子8aと接続する雌型端子8bがバッテリ6の底面に設けられている。したがって、バッテリ極性を反転させてモータの駆動を逆転させるには、バッテリ6の上述した取っ手6aを持ってバッテリ6を持ち上げ、矢印のように180°回転させて再びバッテリ収容受け13に戻すだけでよい。
【0036】
スイッチ部7は、モータ20の電源供給回路に直列に設けられる自己復帰型のスイッチからなる。これによると、足でスイッチ部7を押してON状態にするとモータ20が駆動され、足をスイッチ部7から離すとOFF状態となってモータ20は停止する。スイッチ部7を継続してON状態とするロック手段等を付加しても良い。
【0037】
以下に、上述した畝間走行作業車の使用形態について説明する。まず、機体を畑等の作業場所に移動させるには、スイッチ部7をOFF状態として、機体フレーム1前方の手引き用取っ手部11を持って機体を手引き移動させる。このOFF状態では伝動軸21は停止しているが、ワンウエイクラッチ22の作用によって前進に対してはスプロケット40はフリーに回転するので、手軽に機体を手引き移動させることができる。
【0038】
作業場所に到達すると、畝を跨いで前輪3及び後方走行部4を畝間に接地させ、畝上に配置された座席2に作業者が座り、作業者が足でスイッチ部7をON操作することで機体を前進させながら作業を行う。野菜等の苗移植作業に用いる場合には、機体フレーム1の作業台部10に苗箱をおいて当座の植え付け苗をその上に置き、後方の苗箱積載台5に複数個の苗箱を載置させておく。
【0039】
移植作業の場合は、株間の幅に応じて機体を断続的に移動させながら作業を順次行い、畝の端まで機体を移動させると、スイッチ部7をOFFにして手引きで機体を枕地旋回させ、隣接する畝に再び機体をセットする。枕地旋回する場合であっても、機体を前方に進める限りは後方走行部4を左右独立してフリーに回転させることができるのでスムースな旋回が可能である。ここでは苗の移植作業について説明したが、この実施形態の畝間走行作業車は、各作業での使用形態に応じて座席の高さを調節する構造を備えているので、苗の移植のみならず、畝に沿って行われる播種や収穫等のあらゆる作業に適用可能である。
【0040】
次に、機体の後進について説明する。上述したように通常の使用形態においては機体を後進させることは行わない。しかしながら、軽トラックの荷台に積んだ機体を降ろす場合や、狭い倉庫に収めた機体を旋回すること無しに倉庫から出す場合等に、手引き又は手押しで機体をスムースに後進させることが必要となる。このような場合には、上述したようにバッテリ6を取っ手6aを持って持ち上げ、その極性を反転させて装着した後、スイッチ部7をONとすることで伝動軸21を後方に回転させる。これによって、ワンウエイクラッチ22で伝動軸21と接続されたスプロケット40は、伝動軸21の回転速度以下で後方にフリーに回転させることが可能になり、手押し又は手引きの後進をスムースに行うことができる。
【0041】
上述した実施形態を含む本発明の畝間走行作業車によると、後方走行部4は箱形フレーム12の側方からほぼ垂直に配置されて、左右の車輪間にスペース専有物がない構造となっているので、狭い畝間の畑で使用した場合でも畝を崩すことが無い。また、畝を跨いだ機体のグランドクリアランスは、単にクローラ長を長くしてスプロケット40と従動輪41の間隔を広くすれば良く、特に車輪を大きくする必要がないので、機体重量の軽量化を図りながら充分なグランドクリアランスを確保できる。
【0042】
また、伝動軸21とスプロケット40とをワンウエイクラッチ22を介して接続しているので、自走式でありながらクラッチ操作を行うことなくスムースに手引き又は手押しの移動又は旋回を行うことができる。
【0043】
更に、スイッチ部7を座席に座る作業者の足下に配備したことで、作業者の手を塞ぐことなく機体の進行操作が可能となり、走行の操作性が向上する。
【0044】
更には、バッテリ6を簡単に取り外して極性を反転させて接続できる機構を有し、これによって伝動軸21を逆転駆動させることができるので、機体を後方に手引き又は手押し移動することもスムースに行うことができる。
【0045】
次に図6〜図8によって、本発明の他の実施形態を説明する。この実施形態は、前述の実施形態におけるワンウエイクラッチ22に換えて爪クラッチを用るものであって、他の構造は前述の実施形態と同様である(従って、同一の部位には同一の符号を付して一部説明を省略する。)。図6(a)は爪クラッチ50が入って伝動軸21とスプロケット40とが接続した状態、同図(b)は爪クラッチ50が外れて伝動軸21とスプロケットとが非接続になった状態を示している。
【0046】
爪クラッチ50の構造を説明すると、前述の箱形フレームの側面から突出した伝動軸21の両軸端部には、スプロケット40の軸受け部40Aが軸回りに回転可能に軸支されている。この伝動軸21には、図7(同図(a)は側面視部分断面図、同図(b)は正面図である。)に示されるように軸端の中心に沿って取り付け穴21Aが形成されていると共に、軸端に係合溝21aと退避溝21bとが直交して形成されている。また、スプロケット40の軸受け部40Aの端部にも係合溝40aが形成されている。そして、伝動軸21の取り付け穴21Aには、取付軸52の先端フランジに当接した圧縮ばね53によって箱形フレーム側にばね付勢されたクラッチハブ51が、伝動軸21に沿ってスライド可能且つ伝動軸21回りに回転可能に取り付けられている。このクラッチハブ51は、図8(同図(a)が正面図、同図(b)がAA断面図である。)に示されるように、前述の係合溝21a,40aに係合する爪部51aを有している(51Aは取付軸52が取り付けられる取付部を示している。)。54はそれぞれOリングを示している。
【0047】
このような爪クラッチ50が装備された伝動軸21とスプロケット40は、箱形フレーム12の側面に配備されている。そして、作業者は、図6(a)に示すようにクラッチハブ51を操作して爪部51aを伝動軸21の係合溝21aとスプロケット40の係合溝40aに係合させて、伝動軸21とスプロケット40とを接続させる。また、図6(b)に示すように、クラッチハブ51を軸端側にスライドさせて係合溝40a,21aから爪部51aを外すと共に係合溝40a,21aと爪部51aが直交するようにクラッチハブ51を回動させて、爪部51aを伝動軸21の軸端に形成した退避溝21b上に退避させることで、伝動軸21に対してスプロケット40がフリーに回転できるようにする。
【0048】
このような爪クラッチ50を備えた実施形態の畝間走行作業車においては、畝間における作業時には、クラッチハブ51を操作して爪クラッチ50により伝動軸21とスプロケット40とを接続させて作業車を自走させながら作業を行い、枕地旋回や非作業時における機体の移動時には、爪クラッチ50を非接続にして後方走行部をフリーにし、この状態で手引き又は手押しによる機体の移動又は旋回を行う。
【0049】
これによると、傾斜地の圃場においても確実に作業車を自走させることができ、また、枕地旋回等においては極簡単なクラッチ操作で後方走行部をフリーにして手引き又は手押しによる旋回等を行うことができるので、前述の実施形態と同様に機体の取り扱い性が向上する。
【0050】
図9によって、本発明の他の実施形態を説明する。同図は畝間走行作業車の機体を上からみた平面図である。前述の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複した説明を一部省略する。この実施形態においては、畝間走行作業車は左右の側部フレーム71と畝幅方向フレーム72〜75よりなる機体フレーム70を有しており、この機体フレーム70に座席2,前輪3,後方走行部4,箱形フレーム12がそれぞれ支持されている。76は上記の畝幅方向フレーム72〜75を連結する連結フレームである。
【0051】
そして、畝間方向フレーム72〜75は、大径の角材からなる鞘フレーム72A〜75Aと小径の角材からなる挿入フレーム72B〜75Bを有している。この挿入フレーム72B〜75Bはそれぞれ鞘フレーム72A〜75A内に挿入されて矢印方向にスライド自在に装着されており、挿入フレーム側の複数の位置決め孔の一つを鞘フレーム側の一つの位置決め孔に合わせて固定ピン70aで止める構造になっている。これより、挿入フレーム側の複数の位置決め孔を変更して固定ピン70aで止めることによって、機体フレーム70を畝幅方向に伸縮自在にしている。
【0052】
また、箱形フレーム12内の(図示省略したモータ20,伝動ケース23からなる)動力部12Aから後方走行部4に前述のワンウエイクラッチ22又は爪クラッチ50を介して動力を伝える伝動軸21は、軸受けを介して左右の一方が機体フレーム70(連結フレーム76)に支持され、他方が箱形フレーム12の側面に支持されている。そして、この伝動軸21は、左右の後方走行部4がそれぞれ装着される軸に分割されて、その一方が大径の角材からなる鞘フレーム77Aに接続され、他方が小径の角材からなる挿入フレーム77Bに接続されている。この挿入フレーム77Bは鞘フレーム77A内に挿入されて矢印方向にスライド自在に装着されているので、実質的に伝動軸21を畝間方向に伸縮自在にしている。
【0053】
このような実施形態によると、機体フレーム70及び伝動軸21を畝幅方向に調整長さLの範囲で伸縮自在にしているので、異なる畝幅の畑においても機体フレーム70及び伝動軸21の伸縮状態をその畝幅に応じて変更させることができ、あらゆる作物の畝に対応して畝間走行を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されるので、狭い畝間の畑であっても畝を崩すことなく走行可能であり、クローラ長を長くするだけで畝間走行に必要なグランドクリアランスを充分に確保することができて、軽量でありながら充分な車輪間の空間を確保することができる。更には、自走式でありながら簡単にスムースな手引き又は手押しによる移動又は旋回が可能であって、操作性の良い畝間走行作業車を提供することができる。
【0055】
また、機体フレーム及び伝動軸を畝幅方向に伸縮自在にしたものでは、異なる畝幅に対応させることができるので、あらゆる作物の畝に対応して畝間走行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る畝間走行作業車の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る畝間走行作業車の全体構成を示す背面図である。
【図3】実施形態に係る畝間走行作業車の後方走行部を示す説明図である。
【図4】実施形態の畝間走行作業車における動力系を示す説明図である。
【図5】実施形態の畝間走行作業車における電気系を示す説明図である。
【図6】他の実施形態の爪クラッチを示す説明図である。
【図7】他の実施形態における爪クラッチを形成する伝動軸を示す説明図である。
【図8】他の実施形態におけるクラッチハブを示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図10】自走式の畝間走行作業車の従来技術を示す概略図である。
【符号の説明】
1,70 機体フレーム
10 作業台部
11 手引き用取っ手部
12 箱形フレーム
13 バッテリ収容受け
2 座席
3 前輪
4 後方走行部
40 スプロケット
40a 係合溝
40A 軸受け部
41 従動輪
42 クローラ
5 苗箱積載台
6 バッテリ
7 スイッチ部
8 コネクタ
20 モータ
21 伝動軸
21a 係合溝
22 ワンウエイクラッチ
23 伝動ケース
24 軸受け
50 爪クラッチ
51 クラッチハブ
51a 爪部
52 取付軸
53 圧縮ばね

Claims (6)

  1. 畝上に配備される座席を備え、畝を跨いだ左右一対の前輪と後方走行部とにより畝間を走行する畝間走行作業車であって、
    前記座席の後方に、畝幅に相当する畝幅方向の横幅を有し、内部にモータ及び伝動機構を配備した箱形フレームを設け、
    該箱形フレームの左右両側から突出した伝動軸と該伝動軸にそれぞれ接続されるスプロケットとを、該伝動軸がスプロケットに対して前進方向に回転する場合のみロックする方向に組み込んだワンウエイクラッチを介して接続し、前記スプロケットとその下に配備した従動輪にクローラを巻き回して前記後方走行部を形成したことを特徴とする畝間走行作業車。
  2. 畝上に配備される座席を備え、畝を跨いだ左右一対の前輪と後方走行部とにより畝間を走行する畝間走行作業車であって、
    前記座席の後方に、畝幅に相当する畝幅方向の横幅を有し、内部にモータ及び伝動機構を配備した箱形フレームを設け、
    該箱形フレームの左右両側から突出した伝動軸と該伝動軸にそれぞれ接続されるスプロケットとを配備して、前記伝動軸の軸端に形成された溝と前記スプロケットの軸受け部に形成された溝に対して爪部を係脱させる爪クラッチを介して前記伝動軸とスプロケットとを接続し、前記スプロケットとその下に配備した従動輪にクローラを巻き回して前記後方走行部を形成したことを特徴とする畝間走行作業車。
  3. 前記前輪,後方走行部及び箱形フレームを機体フレームに支持させ、該機体フレーム及び前記伝動軸を畝幅方向に伸縮自在にすることによって、異なる畝幅に対応できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の畝間走行作業車。
  4. 前記モータをオンオフ操作するスイッチ部を前記座席に座る作業者の足下に配備したことを特徴とする請求項1又は2記載の畝間走行作業車。
  5. 前記モータの電源となるバッテリを、前記箱形フレームの後方においてコネクタを介して着脱自在に配備し、バッテリの極性を反転させてコネクタを接続することで、前記伝動軸を逆転可能にしたことを特徴とする請求項1記載の畝間走行作業車。
  6. 前記箱形フレームの後方にバッテリ収容受けを設け、前記コネクタは、該バッテリ収容受けの底面中央に雄型端子を垂直に突出させると共に、前記バッテリの底面中央に雌型端子を設けることで形成し、該バッテリの上面に着脱操作用の取っ手を設けたことを特徴とする請求項5記載の畝間走行作業車。
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