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JP3962838B2 - 熱間圧延用ロール - Google Patents

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JP3962838B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイス系合金からなる外殻層を有する耐摩耗性および耐肌荒れ性に優れた熱間圧延用ロールに関する。特に、熱間板圧延用仕上列のワークロールに用いるのに最適なロールである。
【0002】
【従来の技術】
従来から圧延材に接する外殻層にハイス系合金を形成した熱間圧延用ハイスロールとしては、例えば遠心鋳造法(特開平8−60289号公報)や連続鋳掛け肉盛法(W088/07594号公報)等の鋳造法により製造されたハイスロールがある。
【0003】
ハイス系合金は、金属組織中にVを主体とするMC系高硬度炭化物と、M2C系、M6C系等の複炭化物と、高温軟化抵抗の高い基地とを有するため熱間圧延用ロール材として優れた耐摩耗性を発揮するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のハイスロールによる熱間圧延においては、特に熱間板圧延仕上列では、ロールの外殻層の表面にピット状の深い窪み疵ができやすかった。このピット状の疵が著しく発生すると、薄鋼板など被圧延材の表面肌が粗くなり製品の品質を劣化させる問題があった。また、ピット状の疵を排除するためロール改削量が多くなり、ロール原単位を悪化させる問題があった。
【0005】
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ハイス系合金の耐摩耗性を確保するとともに、ロール表面のピット状の疵を軽減させた耐肌荒れ性に優れた熱間圧延用ロールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ロール表面のピット状の疵の発生要因を究明し、この疵が圧延使用中にハイス外殻層の組織中の共晶炭化物(主にM2C系、M6C系、M73系およびM236系炭化物)が欠け落ちてしまうために発生することをつきとめた。そこで、ロール特性として相反する耐摩耗性と耐肌荒れ性とのバランスをとるとともに、ピット状の疵の発生を軽減させることを考え、本発明を完成した。
【0007】
(1)ハイスロールの耐摩耗性を確保するために、高硬度のMC系炭化物を基地中に均一に分散させる。MC系炭化物の硬度は基地に比べ数倍高く、これを分散させることにより基地を主体に摩耗が進むことを防止した。MC系炭化物は例えばVCの場合ビッカース硬度が約2900であり、M2C系、M6C系、M73系およびM236系炭化物より硬度が高いので耐摩耗性を確保するには最も有効である。
【0008】
(2)ロール表面のピット状の疵を軽減させるために、その原因となるM2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物などMC系炭化物以外の共晶炭化物の晶出量を減らすことにより欠け落ちを少なくした。
【0009】
(3)MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)と、これらの共晶炭化物とほぼ同時に晶出した基地で構成される共晶部において、その共晶部のサイズが粗大であると、欠け落ちた際の欠け落ち部分も大きくなり不都合となるため、共晶部のサイズを所定の範囲に抑えた。
【0010】
(4)M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物についても、耐摩耗性の観点から、M73系およびM236系炭化物より硬度の高いM2C系炭化物とM6C系炭化物の合計の面積率を、M73系とM236系炭化物の合計の面積率より大きくした。
【0011】
すなわち、本発明の熱間圧延用ロールは、ロールの外殻層がハイス系合金からなり、その化学組成は重量%で、C:1.3〜2.2%、Si:0.3〜1.2%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:2.0〜9.0%、Mo:9.0%以下、V:4.0〜15.0%、およびW:20.0%以下、Ni:5.0%以下、Co:10.0%以下のうちいずれか1種または2種以上を含有し残部実質的にFeおよび不可避的不純物からなり、その組織中に粒径が4μm以上のMC系炭化物が面積率で7〜15%、かつ、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)がその合計の面積率で15%以下で分散し、かつMC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)と、これらの共晶炭化物とほぼ同時に晶出した基地で構成される共晶部があり、該共晶部は面積10000μm2以上の粗大なものが存在しないことを特徴とする。
【0013】
さらに、M2C系とM6C系炭化物の合計の面積率が、M73とM236系炭化物の合計の面積率より大きいことが望ましい。
【0014】
【作用】
本発明の熱間圧延用ロールにおいて、MC系炭化物の粒径および面積率、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)の合計の面積率を上述のように限定した理由を述べる。
【0015】
MC系炭化物としてはVC、WC、NbCなどがあり、微細粒状の炭化物で基地中もしくは粒界に晶出する。これらの炭化物は高硬度であり、ロールに優れた耐摩耗性を付与する。その面積率が7%未満では耐摩耗性が不足する。一方、面積率が15%を超えると、M2C系、M6C系、M73系およびM236系炭化物の存在の如何にかかわらず鋳造時の偏析が起こり製造が困難となる。したがって、MC系炭化物の面積率は、7〜15%が好ましい。
【0016】
MC系炭化物の粒径が4μm未満のものは耐摩耗性への寄与効果が小さいので、本発明では粒径が4μm以上のMC系炭化物の面積率をコントロールした。
【0017】
2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物などのMC系炭化物以外の共晶炭化物の合計が、面積率で15%を超えると、圧延使用中に共晶炭化物が欠け落ちやすくなるので好ましくない。
【0018】
図1に示すものは、本発明に係わる組織の模式図である。図1において、1は基地、2は基地中もしくは粒界に晶出したMC系炭化物、3はMC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)と、これらの共晶炭化物とほぼ同時に晶出した基地で構成される共晶部である。共晶部の面積サイズが粗大であると、欠け落ちた際の欠け落ち部分も大きくなるため、共晶部は面積10000μm2以上の粗大なものが存在しないようにするのが好ましい。さらに好ましくは、5000μm2以上の粗大なものが存在しないようにする。
【0019】
本発明のハイス系合金は、その化学組成は重量%で、C:1.0〜3.5%、Si:0.3〜3.0%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:2.0〜9.0%、Mo:9.0%以下、V:4.0〜15.0%を含有し残部実質的にFeおよび不可避的不純物からなるのが好ましい。これを第1のハイス化学組成とする。
【0020】
前記第1のハイス化学組成に重量%で、W:20.0%以下、Ni:5.0%以下、Co:10.0%以下のうちいずれか1種または2種以上を含有させてもよい。これを第2のハイス化学組成とする。
【0021】
さらに、第1のハイス化学組成または第2のハイス化学組成に重量%で、Nb:5.0%以下、Ti:5.0%以下、Zr:5.0%以下のうちいずれか1種または2種以上を含有させてもよい。
【0022】
本発明の熱間圧延用ロールの外殻層の化学組成(重量%)を上述のように限定した理由を述べる。
【0023】
C:1.0〜3.5%
Cは、Cr、Mo、W、Vと結合して高硬度の炭化物(MC、M2C、M6C、M73等)を生成し耐摩耗性を高める。Cが1.0%未満では炭化物の生成量が不足して十分な耐摩耗性が得られない。Cが3.5%を超えた場合、VやNbなどの含有量が少ないとき、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)の合計の面積率が15%を超えてしまい、VやNbなどの含有量が多いとき、MC系炭化物の面積率が15%を超えてしまうので好ましくない。より好ましいC量は、1.3〜2.2%である。
【0024】
Si:0.3〜3.0%
Siは、溶湯の脱酸と湯流れを向上させる。Siが0.3%未満ではこの効果が期待できない。Siが3.0%を超えると材質が脆化するので好ましくない。より好ましいSi量は、0.3〜1.2%である。
【0025】
Mn:0.1〜1.5%
Mnは、溶湯の脱酸や不純物であるSをMnSとして固定する効果がある。Mnが0.1%未満ではこの効果が期待できない。Mnが1.5%を超えると残留オーステナイトを生じやすくなり硬度が低下する。より好ましいMn量は、0.1〜1.0%である。
【0026】
Cr:2.0〜9.0%
Crは、基地組織をベイナイトあるいはマルテンサイトにして硬化させ、耐摩耗性を保持するのに有効な元素である。Crが2.0%未満ではこの効果が不足する。CrはCと結合してM236系、M73系炭化物を生成する。Crが9.0%を超えるとMC系、M2C系に比べ低硬度のM236系やM73系炭化物が過剰となり耐摩耗性が期待できない。Crを多く含む複炭化物は、W、V、Mo等の複炭化物ほど硬くないため、全炭化物量に対する相対的割合は少ないほうが好ましい。より好ましいCr量は、3.5〜6.0%である。
【0027】
Mo:9.0%以下
Moは、Cと結合して硬質のM2C系炭化物を生成し、かつ基地組織中に固溶して基持組織を強化するので耐摩耗性の向上に有効な元素である。Moが9.0%を超えるとM2C系あるいはM6C系炭化物の晶出が多くなり、共晶炭化物量が面積比で15%以上となり好ましくない。より好ましいMo量は、2.0〜7.0%である。
【0028】
V:4.0〜15.0%
Vは、Cと結合して耐摩耗性の向上に効果のあるMC系炭化物を生成する。4.0%未満ではこの効果が小さい。一方、15.0%を超えるとCとのバランスでMC系炭化物が均一に分布しにくくなる。Vは非常に炭化物形成作用の強い元素であり、硬質のVC炭化物を形成する。多すぎると、粒状VC炭化物が過多となり偏析しやすい。より好ましいV量は、4.5〜8.5%である。
【0029】
W:20.0%以下
Wは、基地の高温軟化抵抗を増加させる効果がある。また、VC炭化物中に置換固溶し、VC炭化物の比重を増加し重力偏析程度を軽減する。Wが20.0%を超えるとM6C系炭化物が増加し、耐肌荒れ性および靭性の点で好ましくない。より好ましいW量は、8.0%以下である。
【0030】
Ni:5.0%以下
Niは、焼入れ性を改善する効果がある。5.0%を超えると材料の変態点が低下し高温硬さを低下させることになり、耐肌荒れ性および耐摩耗性の点で好ましくない。より好ましいNi量は、2.0%以下である。
【0031】
Co:10.0%以下
Coは、高温における組織を安定化させる。Coが多すぎてもその効果の向上が特に見られず経済性の点から10.0%以下とする。より好ましいCo量は、4.0%以下である。
【0032】
Nb:5.0%以下、Ti:5.0%以下、Zr:5.0%以下
Nb、TiおよびZrは、Vと同様に硬質のMC系炭化物を形成し耐摩耗性を向上させる。Nb、TiおよびZrのうちの少なくとも1種または2種以上を添加するのが有効である。より好ましい含有量は、それぞれ、Nb:2.5%以下、Ti:1.0%以下、Zr:1.0%以下である。
【0033】
PおよびSは、不可避的に不純物として含有され機械的性質の劣化を招くので含有量を抑えるのがよい。P:0.1%以下、S:0.1%以下が好ましい。本発明のハイス系合金は、上記の各成分を含有し残部は実質的にFeからなる。
【0034】
本発明の熱間圧延用ロールは、圧延材と接して圧延加工を行う外殻層が、本発明の特徴を有するハイス系合金で形成される。この場合、外殻層と内層材(あるいは芯材)とが接合された複合ロールに適用できる。複合ロールの場合、内層材あるいは芯材として、ダクタイル鋳鉄、普通鋳鉄、黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、鍛鋼、鋳鋼などの強靭材料が使用される。なお、複合ロールでなく単体ロール、すなわちロール全体が本発明の特徴を有するハイス系合金で形成されていてもよい。
【0035】
本発明の熱間圧延用ロールは、公知の遠心鋳造法あるいは連続鋳掛け肉盛法等の鋳造法により製造することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の熱間圧延用ロールを実施例に基づいて詳細に説明する。
【0037】
直径90mm、高さ90mmのCO2砂型に外殻層用の溶湯を注入して、小型のロール素材を鋳造した。この素材に適切な熱処理を施した後、機械加工により、外径60mm、内径35mm、長さ40mmの試験用の小型スリーブロール(本発明例)を作製した。また、比較例も同様に同寸法の試験用の小型スリーブロールを作製した。
【0038】
表1に作製した熱間圧延用ロールの外殻層の化学組成(重量%)を示す。なお、表1〜表3中の「本発明例5」は参考例であり、C含有量が外れるため本発明の技術範囲外である。
【0039】
表1 外殻層の化学組成
No C Si Mn Cr Mo V
本発明例1 1.32 0.79 0.36 5.10 5.98 5.54
本発明例2 1.50 0.88 0.40 4.25 3.20 4.95
本発明例3 1.68 0.85 0.51 5.94 6.09 6.87
本発明例4 1.94 0.89 0.43 6.43 5.93 7.37
本発明例5 2.33 0.77 0.56 4.27 7.61 8.47
比較例1 2.58 0.74 0.46 12.0 1.88 5.09
比較例2 1.48 0.87 0.33 4.37 5.21 3.96
【0040】
(表1の続き)
No W Ni Co Nb Ti Zr Fe
本発明例1 -- -- -- -- -- -- Bal
本発明例2 3.78 -- -- -- -- -- Bal
本発明例3 2.03 0.83 -- -- -- -- Bal
本発明例4 -- 0.65 6.54 -- -- -- Bal
本発明例5 8.51 -- -- 1.20 1.02 1.12 Bal
比較例1 -- -- -- -- -- -- Bal
比較例2 5.03 -- -- -- -- -- Bal
【0041】
炭化物の面積率測定
各試験用ロールから試験片を切り出し、基地組織部を腐食により黒化させ、20視野で画像解析法により、4μm以上のMC系炭化物およびMC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)の合計の面積率を測定しその平均値を求めた。
【0042】
また、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)と、これらの共晶炭化物とほぼ同時に晶出した基地で構成される共晶部の面積を炭化物を腐食することにより、画像解析法により測定した。
【0043】
硬さ測定
各試験用ロールの表面の硬さをショアー硬さ計により測定した。その結果を表3に示す。
【0044】
圧延摩耗試験
圧延摩耗試験機に試験用ロールを組み込み圧延摩耗試験を行った。圧延後、試験用ロールの表面に生じた摩耗の深さを触針式表面粗さ計(SURFCOM)により測定した。その結果を表3に示す。
【0045】
図3は圧延摩耗試験機の概略図を示す。表2に圧延摩耗試験条件を示す。図3において、圧延摩耗試験機は、圧延機31と、圧延材Sを余熱する加熱炉32と、圧延材Sを冷却する冷却水槽33と、圧延材Sの巻取り機34とテンションコントローラ35とから構成される。圧延機31には試験用ロール311、312が組み込まれる。
【0046】
表2 圧延摩耗試験条件
圧延材料 圧延距離 圧延温度 圧下率 圧延速度 ロール冷却
SUS304 800m 900℃ 25% 150m/min 水冷
【0047】
Figure 0003962838
【0048】
表3において、M2C他とは、M2C系、M6C系、M73系およびM236系炭化物の合計量を意味する。また、欠け落ちとは、欠け落ちによるピット状の疵の度合いを意味する。
【0049】
本発明(本発明例1〜5)では、そのハイス系合金の組織中に粒径が4μm以上のMC系炭化物が面積率で7〜15%、かつ、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)がその合計の面積率で15%以下の範囲内に分散しており、耐摩耗性が良好で欠け落ちが無かった。
【0050】
また、本発明例1〜5では、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)と、これらの共晶炭化物とほぼ同時に晶出した基地で構成される共晶部があり、該共晶部は面積10000μm2以上の粗大なものが存在しないことが確認できた。
【0051】
比較例1では、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)がその合計の面積率で15%以上であるため、欠け落ちの度合いが激しくピット状の疵が深かった。また、面積10000μm2以上の粗大な共晶部が存在し、欠け落ち部のサイズが大きいものであった。比較例2では、欠け落ちは殆どないものの粒径が4μm以上のMC系炭化物が面積率で7%未満であるため耐摩耗性に劣った。
【0052】
図2は本発明例1および比較例1の圧延摩耗試験後のロールの表面に生じた摩耗の深さの測定結果を示す。図2において、(a)は本発明例1、(b)は比較例1の測定結果である。比較例1では共晶炭化物の欠け落ちによるピット状の疵4が深いことが確認できた。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、外殻層の耐摩耗性に優れるとともに、共晶炭化物の欠け落ちが発生しにくいため、圧延製品の肌が良好となる。また、従来では共晶炭化物の欠け落ちによるピット状の疵が深いためロール改削量が多かったが、その改削量を軽減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる組織の模式図である。
【図2】圧延摩耗試験後のロールの表面に生じた摩耗の深さの測定結果を示す図である。
【図3】圧延摩耗試験機の概略図である。
【符号の説明】
1 基地、 2 MC系炭化物、 3 共晶部、 4 ピット状の疵

Claims (2)

  1. ロールの外殻層がハイス系合金からなり、その化学組成は重量%で、C:1.3〜2.2%、Si:0.3〜1.2%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:2.0〜9.0%、Mo:9.0%以下、V:4.0〜15.0%、およびW:20.0%以下、Ni:5.0%以下、Co:10.0%以下のうちいずれか1種または2種以上を含有し残部実質的にFeおよび不可避的不純物からなり、その組織中に粒径が4μm以上のMC系炭化物が面積率で7〜15%、かつ、MC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)がその合計の面積率で15%以下で分散し、かつMC系炭化物以外の共晶炭化物(M2C系、M6C系、M73系、M236系炭化物など)と、これらの共晶炭化物とほぼ同時に晶出した基地で構成される共晶部があり、該共晶部は面積10000μm2以上の粗大なものが存在しないことを特徴とする熱間圧延用ロール。
  2. 2C系とM6C系炭化物の合計の面積率が、M73とM236系炭化物の合計の面積率より大きいことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延用ロール。
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