JP3954478B2 - 半導体光電陰極、及びそれを用いた光電管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光子の入射によって光電子を放出する半導体光電陰極、及びそれを用いた光電管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体光電陰極の受光感度波長の長波長側の限界は、光吸収層を形成する半導体エネルギーバンドギャップによりほぼ決定され、例えば、InP基板に格子整合する系では約1.7μmが限界である。
【0003】
これに対し、InP基板上にAs−P組成を段階的に変化させたステップグレーデッドバッファ層を設けた光電陰極が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この光電陰極によれば、InP基板と、本来InP基板とは格子不整合系であるIn組成0.53以上のInGaAs光吸収層との格子不整合を緩和させて波長が2.3μm程度までの赤外領域の光を検出することを可能にしている。
【0004】
また、GaAsあるいはGaSbを基板に用い、光吸収層に様々な材料系を用いる光電陰極も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この光電陰極では、例えば、GaSbを基板に用い、これに格子定数の接近したGaInAsSbを光吸収層に用いた場合、波長が1.77μmの赤外領域の光を検出できる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−297191号公報
【特許文献2】
米国特許第3958143号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載のものでは検出できる赤外領域の光の波長が短く、更に長い波長を有する赤外領域の光の検出ができない。現在のところ、検出可能な赤外領域の光の波長は2.3μm程度が限界であり、それ以上の波長では光電子放出は実現されていない。
【0007】
そこで、波長が更に長い赤外領域の光を検出するためには、エピタキシャル成長が可能で、吸収係数の大きな直接遷移型であると共に、よりエネルギーバンドギャップの小さい半導体材料を光吸収層に用いることが必要となる。
【0008】
III−V族化合物半導体ではInAs−InSbが最もエネルギーバンドギャップが小さい系であり、GaSbを基板結晶に用いた場合、格子整合するInAs(1−x)Sbx(x=0.09)を光吸収層とすることで、波長が4.3μm程度までの赤外領域の光を検出することが可能となる。
【0009】
しかし、GaSb/InAsSbの組み合わせは、図8に示すように、GaSb側の価電子帯上端位置よりも約0.1eV下側のところにInAsSb側の伝導帯の下端が位置するという特異なバンド構造となり、GaSb側の価電子帯とInAsSb側の伝導帯とが繋がって電子と正孔とが共存する状態となる。したがって、光吸収層で電子が発生したとしても電子を外部に取り出すことが困難であるという問題が起こる。
【0010】
本発明の目的は、赤外領域で良好な感度を有する半導体光電陰極、及びそれを用いた光電管を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明は、赤外線入射に応じて電子を真空中に放出する半導体光電陰極であって、GaSbで形成されたp型の半導体基板と、InAs(1−x)Sbx(0<x<1)で形成された光吸収層と、前記光吸収層より大きいエネルギーバンドギャップを有しAlを含むp型の第1化合物半導体層と、第1化合物半導体層と共に光吸収層を挟むように設けられたp型の第2化合物半導体層と、第2化合物半導体層上に設けられたp型の電子放出層と、電子放出層上に設けられ、電子放出層と共にpn接合を構成するn型のコンタクト層と、コンタクト層上に設けられた第1電極と、半導体基板の下面に設けられた第2電極と、を備え、第1化合物半導体層は、半導体基板と光吸収層との間に形成されており、第1及び第2化合物半導体層は、Al y Ga (1−y) Sb(0<y<1)で形成されていることを特徴とする。
第2の発明は、赤外線入射に応じて電子を真空中に放出する半導体光電陰極であって、GaSbで形成されたp型の半導体基板と、InAs (1−x) Sb x (0<x<1)で形成された光吸収層と、光吸収層より大きいエネルギーバンドギャップを有しAlを含むp型の第1化合物半導体層と、第1化合物半導体層と共に光吸収層を挟むように設けられたp型の第2化合物半導体層と、第2化合物半導体層上に設けられたp型の電子放出層と、電子放出層上に設けられ、電子放出層と共にpn接合を構成するn型のコンタクト層と、コンタクト層上に設けられた第1電極と、半導体基板の下面に設けられた第2電極と、を備え、第1化合物半導体層は、半導体基板と光吸収層との間に形成されており、第1及び第2化合物半導体層は、Al y Ga (1−y) As z Sb (1−z) (0<y<1、0<z<1)で形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、赤外線入射に応じて電子を真空中に放出する半導体光電陰極であって、GaSbで形成されたp型の半導体基板と、InAs (1−x) Sb x (0<x<1)で形成された光吸収層と、光吸収層より大きいエネルギーバンドギャップを有しAlを含むp型の第1化合物半導体層と、第1化合物半導体層と共に光吸収層を挟むように設けられたp型の第2化合物半導体層と、第2化合物半導体層上に設けられたp型の電子放出層と、電子放出層上に設けられ、電子放出層と共にpn接合を構成するn型のコンタクト層と、コンタクト層上に設けられた第1電極と、半導体基板の下面に設けられた第2電極と、を備え、第1化合物半導体層は、半導体基板と光吸収層との間に形成されており、第1及び第2化合物半導体層は、AlSb層とGaSb層とを交互に積層してなる超格子層を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の半導体光電陰極は、GaSbで形成された半導体基板と格子整合するInAs(1−x)Sbxを光吸収層とし、且つこの光吸収層よりもエネルギーバンドギャップが大きいAlを含んだ第1化合物半導体層が、半導体基板と光吸収層との間に形成された構造となっている。
【0013】
これにより、光吸収層側の伝導帯と上記第1化合物半導体層側の価電子帯とが分離され、光吸収により生成された電子と正孔との再結合を阻止することができ、受光感度波長の長波長側のカットオフ波長を拡張することが可能となる。
【0014】
好ましくは、第1化合物半導体層と共に光吸収層を挟むように設けられた第2化合物半導体層を更に備える。これにより、光吸収層に対して半導体基板と反対側に形成されたコンタクト層からの光吸収層への正孔の流入についても阻止することが可能となり、より効果的に電子を外部に取り出すことができる。
【0015】
第1及び第2化合物半導体層は、AlyGa(1−y)Sb(0<y<1)で形成されているのが好ましい。これにより、GaSbからなる半導体基板とほぼ格子整合しつつ、光吸収層よりも大きなエネルギーバンドギャップを有する化合物半導体層を実現することができる。
【0016】
また、第1及び第2化合物半導体層はAlyGa(1−y)AszSb(1−z)(0<y<1、0<z<1)で形成されていてもよい。これにより、GaSbからなる半導体基板と完全に格子整合させることができる。例えば、Al組成yを0.4とした場合、As組成zを0.03とすることで、GaSb半導体基板と完全に格子整合させることができる。
【0017】
第1及び第2化合物半導体層は、AlSb層とGaSb層とを交互に積層してなる超格子層を備えてもよい。これにより、1周期内のAlSb層とGaSb層との厚さを変えることで自由にAl組成比を決定することができる。
【0018】
また、半導体基板と光吸収層との間に位置する第1化合物半導体層にAlSb/GaSb超格子を用いた場合は、半導体基板と光吸収層との間の超格子バッファ層としての機能を合わせ持たせることが可能である。これによって結晶欠陥の低減を図ることができため、感度の向上や暗電流の低減等の特性向上を図ることができる。
【0019】
また、本発明の光電管は、上記の半導体光電陰極と、半導体光電陰極に対する陽極とを備え、半導体光電陰極と陽極とを真空容器内に封入して構成されることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の光電管は、例えば光電子増倍管であり、この場合は、上記半導体光電陰極への光の入射により発生した光電子を、増倍させて陽極に到達させるようになっている。上記の半導体光電陰極を備えることで、赤外領域における受光感度波長の長波長側のカットオフ波長が長い光を高感度で検出することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づき詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体光電陰極を示す図である。同図に示す半導体光電陰極1は、GaSbで形成されたp+型の半導体基板2と、InAsSbで形成されたp−型の光吸収層3とを備えている。
【0023】
半導体基板2と光吸収層3との間には、光吸収層3より大きいエネルギーバンドギャップを有し、AlGaSbからなるp+型の正孔ブロック層4が形成されている。
【0024】
また、光吸収層3の上には、AlGaSbからなるp−型の正孔ブロック層5が形成されており、正孔ブロック層5の上にはGaSbからなるp−型の電子放出層6が形成されている。
【0025】
電子放出層6の上には、GaSbからなるn+型のコンタクト層7が形成されており、このコンタクト層7と電子放出層6とでpn接合が形成されている。
【0026】
以上のような各層は、分子線エピタキシー法、または化学気相法により順次エピタキシャル成長させて形成される。このときの各層の厚さは、例えば、正孔ブロック層4,5がそれぞれ約0.2μm、光吸収層3が約1.0μm、電子放出層6が約0.5μm、コンタクト層7が約0.2μmである。
【0027】
また、上記各層のキャリア濃度は、半導体基板2が5×1017cm−3以上、正孔ブロック層4が5×1017cm−3以上、光吸収層が1×1017cm−3以下、正孔ブロック層5が1×1017cm−3以下、電子放出層6が1×1017cm−3以下、コンタクト層7が1×1018cm−3以上であることが望ましい。
【0028】
コンタクト層7上には、オーミック接触が得られる第1電極8が形成されている。この第1電極8は、例えば、Au、Ge、Niを含む合金により構成される。
【0029】
第1電極8及びコンタクト層7は、リソグラフィー技術及びエッチング技術により格子状のパターンに加工されている。また、露出した電子放出層6の表面には、Cs層10が塗布されている。これにより、表面の仕事関数が低下し、光電子が真空中へ放出されやすい構造となっている。
【0030】
一方、半導体基板2の下面にも、オーミック接触が得られる第2電極9が形成されている。この第2電極9は、例えばCr、Auを含む合金により構成される。
【0031】
以上のような半導体光電陰極1は、光吸収層3のSb組成比が0.09のとき、半導体基板2と格子整合する。本発明者らは、このとき、正孔ブロック層4,5のAl組成比を0.19以上1.0未満とすることで、光吸収層3で発生した電子を外部に取り出すことができることを見出した。このことについて、以下に説明する。
【0032】
図2は、光吸収層3側の伝導帯下端位置と正孔ブロック層4,5側の価電子帯上端位置とのエネルギー差をEsとしたとき、正孔ブロック層4,5におけるアルミの組成比と、Esとの関係を示す図であり、図3は、光吸収層3及び正孔ブロック層4,5のエネルギーバンドギャップを示す模式図である。
【0033】
図2に示すように、正孔ブロック層4,5のAl組成比が0.19未満のとき、Es(=Ec1−Ev2)は負となる。このときの正孔ブロック層4,5及び光吸収層3のエネルギーバンドギャップは、図3(a)に示すような状態となり、光吸収層3側の伝導帯下端位置Ec1が正孔ブロック層4,5の価電子帯上端位置Ev2の下方に位置する。このため、光吸収層3で電子が発生したとしても、電子と正孔とが再結合をしてしまい、電子を外部に取り出すことが困難となり、光電陰極として有効に動作しない。
【0034】
一方、正孔ブロック層4,5のAl組成比が0.19以上のときEsは正となる(図2参照)。このときの正孔ブロック層4,5及び光吸収層3のエネルギーバンドギャップは、図3(b)に示すような状態となり、光吸収層3側の伝導帯下端位置Ec1が正孔ブロック層4,5のEv2より上方に位置する。このように、光吸収層3側の伝導帯と正孔ブロック層4,5の価電子帯とが分離されるため、電子と正孔とが再結合することがなく、電子を外部に取り出すことができる。
【0035】
図4は、図1に示す半導体光電陰極1にバイアスを印加した状態のエネルギーバンド図である。同図において、価電子帯上端位置のエネルギー準位をEv、伝導帯下端位置のエネルギー準位をEc、フェルミ準位をEf、真空準位をVLで示している。
【0036】
赤外領域の波長を有する入射光により光吸収層3で発生した光電子は、バイアスが印加されることによって、正孔ブロック層5に妨げられることなく電子放出層6へと移動できるため、効率よく真空中へと放出される。
【0037】
以上のように、本実施形態に係る半導体光電陰極1は、GaSbで形成された半導体基板2と、InAsSbで形成された光吸収層3とを用いた場合に生じる電子と正孔との再結合を阻止できるため、波長が4.3μm程度までの赤外領域の光を検出することが可能となる。
【0038】
尚、正孔ブロック層4,5は、AlyGa(1−y)AszSb(1−z)(0<y<1、0<z<1)で形成してもよい。これにより、GaSbからなる半導体基板2と完全に格子整合させることができる。このため、基板結晶との格子不整合に起因する貫通転位を抑制することができ、キャリアの捕獲中心として働く結晶欠陥を低減できる。その結果、感度向上、暗電流の低減を図ることができる。
【0039】
また、正孔ブロック層4,5は、混晶層でもよいが、AlSb層とGaSb層とを交互に積層してなる超格子層を備えてもよい。この場合、1周期内のAlSb層とGaSb層との厚さを変えることで自由にAl組成比を決定することができる。例えば、Al組成比を50%とする場合、AlSb層5nm、GaSb層5nmを1周期として10〜20周期を積層することで、正孔ブロック層として有効に機能させることができる。
【0040】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る半導体光電陰極を示す図である。同図において、半導体光電陰極20は、第1の実施形態の半導体光電陰極1において、正孔ブロック層5と電子放出層6との代わりに、双方の機能を合わせ持たせたp−型のAlGaSb層11を形成したものである。
【0041】
この場合、AlGaSb層21とコンタクト層7との間でpn接合が形成されている。AlGaSb層21は、例えば、厚さが約0.5μm、キャリア濃度が1.0×1017cm−3以下であることが望ましい。
【0042】
図6は、図5に示す半導体光電陰極20にバイアスを印加した状態のエネルギーバンド図である。この場合も、第1の実施形態と同様に、赤外領域の波長を有する入射光により光吸収層3で発生した光電子が、バイアスが印加されることで、AlGaSb層21に妨げられることなく電子放出層6へと移動できる。
【0043】
次に、上述した実施形態の半導体光電陰極のいずれかを適用した光電子増倍管について説明する。
【0044】
図7は、上記半導体光電陰極のいずれかを備えた光電子増倍管の断面模式図である。光電子増倍管30は、半導体光電陰極PCと、図示しない収束電極(集束電極)と、二次電子増倍部として動作する第1段ダイノード311、第2段ダイノード312、・・・、第n段ダイノード31nと、二次電子増倍された電子を収集する陽極32と、これらを収容するための真空容器33とを備えている。ここで、半導体光電陰極PCとは、上記実施形態に記載した半導体光電陰極1または20のいずれか一方を指す。
【0045】
赤外領域の入射光hνは、半導体光電陰極PCの光吸収層3で大部分が吸収され、ここで励起された光電子eは、内部電界によって加速された後に、Cs層10の表面から真空容器33の内部へ放出される。
【0046】
真空容器33中へ放出された光電子eは、収束電極により軌道が修正され、効率良く第1段ダイノード311に入射する。第1段ダイノード311は、光電子eの入射に応じて、2次電子を第2段ダイノード312へ向けて放出する。2次電子は、第1段ダイノード311に入射した1次電子よりも数が多くなっている。
【0047】
第2段ダイノード312は、第1段ダイノード311と同様に入射した2次電子を増倍し、次段のダイノードに向けて放出する。この増倍動作は、第n段ダイノード31nまで次々と繰り返される。
【0048】
光電子は、最終的には100万倍程度にまで増幅されて陽極32に到達し、検出電気信号として真空容器33の外部に取り出される。
【0049】
上記実施形態の半導体光電陰極PCを備えた光電子増倍管を用いることで、およそ2μm以上の波長を有する赤外線であっても高感度で検出することが可能となる。
【0050】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、入射光の入射する面と光電子が放出される面とが同じ側に位置する、いわゆる反射型半導体光電陰極に適用した場合について説明したが、入射光の入射する面の反対側に光電子が放出される面が位置する、いわゆる透過型半導体光電陰極に適用してもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、GaSbで形成された半導体基板と、InAsSbで形成された光吸収層とを備えた半導体光電陰極において、光吸収層より大きいエネルギーバンドギャップを有し、Alを含んだ化合物半導体層を更に備えたので、およそ2μm以上の波長を有する赤外線領域の光であっても高感度で検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体光電陰極を示す図である。
【図2】光吸収層側の伝導帯下端位置と正孔ブロック層側の価電子帯上端位置との差と、正孔ブロック層におけるアルミの組成比との関係を示す図である。
【図3】光吸収層及び正孔ブロック層のエネルギーバンドギャップを示す模式図である。
【図4】図1に示す半導体光電陰極1にバイアスを印加した状態のエネルギーバンド図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る半導体光電陰極を示す図である。
【図6】図5に示す半導体光電陰極にバイアスを印加した状態のエネルギーバンド図である。
【図7】図1または図5に示す半導体光電陰極を備えた光電子増倍管の断面模式図である。
【図8】GaSb基板及びInAsSb層のエネルギーバンドギャップを示す模式図である。
【符号の説明】
1…半導体光電陰極、2…半導体基板、3…光吸収層、4…正孔ブロック層(第1化合物半導体層)、5…正孔ブロック層(第2化合物半導体層)6…電子放出層、7…コンタクト層、8…第1電極、9…第2電極、20…半導体光電陰極、30…光電子増倍管(光電管)、32…陽極、33…真空容器。
Claims (4)
- 赤外線入射に応じて電子を真空中に放出する半導体光電陰極であって、
GaSbで形成されたp型の半導体基板と、
InAs(1−x)Sbx(0<x<1)で形成された光吸収層と、
前記光吸収層より大きいエネルギーバンドギャップを有しAlを含むp型の第1化合物半導体層と、
前記第1化合物半導体層と共に前記光吸収層を挟むように設けられたp型の第2化合物半導体層と、
前記第2化合物半導体層上に設けられたp型の電子放出層と、
前記電子放出層上に設けられ、前記電子放出層と共にpn接合を構成するn型のコンタクト層と、
前記コンタクト層上に設けられた第1電極と、
前記半導体基板の下面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記第1化合物半導体層は、前記半導体基板と前記光吸収層との間に形成されており、
前記第1及び第2化合物半導体層は、AlyGa(1−y)Sb(0<y<1)で形成されていることを特徴とする半導体光電陰極。 - 赤外線入射に応じて電子を真空中に放出する半導体光電陰極であって、
GaSbで形成されたp型の半導体基板と、
InAs(1−x)Sbx(0<x<1)で形成された光吸収層と、
前記光吸収層より大きいエネルギーバンドギャップを有しAlを含むp型の第1化合物半導体層と、
前記第1化合物半導体層と共に前記光吸収層を挟むように設けられたp型の第2化合物半導体層と、
前記第2化合物半導体層上に設けられたp型の電子放出層と、
前記電子放出層上に設けられ、前記電子放出層と共にpn接合を構成するn型のコンタクト層と、
前記コンタクト層上に設けられた第1電極と、
前記半導体基板の下面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記第1化合物半導体層は、前記半導体基板と前記光吸収層との間に形成されており、
前記第1及び第2化合物半導体層は、AlyGa(1−y)AszSb(1−z)(0<y<1、0<z<1)で形成されていることを特徴とする半導体光電陰極。 - 赤外線入射に応じて電子を真空中に放出する半導体光電陰極であって、
GaSbで形成されたp型の半導体基板と、
InAs(1−x)Sbx(0<x<1)で形成された光吸収層と、
前記光吸収層より大きいエネルギーバンドギャップを有しAlを含むp型の第1化合物半導体層と、
前記第1化合物半導体層と共に前記光吸収層を挟むように設けられたp型の第2化合物半導体層と、
前記第2化合物半導体層上に設けられたp型の電子放出層と、
前記電子放出層上に設けられ、前記電子放出層と共にpn接合を構成するn型のコンタクト層と、
前記コンタクト層上に設けられた第1電極と、
前記半導体基板の下面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記第1化合物半導体層は、前記半導体基板と前記光吸収層との間に形成されており、
前記第1及び第2化合物半導体層は、AlSb層とGaSb層とを交互に積層してなる超格子層を備えることを特徴とする半導体光電陰極。 - 請求項1〜3のいずれか一項記載の半導体光電陰極と、
前記半導体光電陰極に対する陽極とを備え、
前記半導体光電陰極と前記陽極とを真空容器内に封入して構成されることを特徴とする光電管。
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