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JP3952236B2 - 化石燃料ガス化発電プラントおよびその機器の予熱方法 - Google Patents

化石燃料ガス化発電プラントおよびその機器の予熱方法 Download PDF

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JP3952236B2 JP18861398A JP18861398A JP3952236B2 JP 3952236 B2 JP3952236 B2 JP 3952236B2 JP 18861398 A JP18861398 A JP 18861398A JP 18861398 A JP18861398 A JP 18861398A JP 3952236 B2 JP3952236 B2 JP 3952236B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭や重質油などの化石燃料をガス化して発電する化石燃料ガス化発電プラントに係り、特に、ガス化された化石燃料をガスとして通す前に化石燃料ガス化発電プラントの構成機器を予め加熱する予熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の化石燃料ガス化発電プラントの一種である石炭ガス化複合発電プラントの構成の一例を示す系統図である。この石炭ガス化複合発電プラントにおいては、粉砕した石炭101を窒素102によりガス化炉7に供給するとともに、酸素103をガス化炉7に供給する。ガス化炉7からは、水素や一酸化炭素を主成分とし、灰や煤塵と、未反応の炭素分からなる固形物すなわちチャー108と、硫化カルボニルや硫化水素などの硫黄化合物を同伴した1000℃以上の可燃性の生成ガス105とを得る。可燃性の生成ガス105は、熱回収ボイラ8で約400℃に冷却され、サイクロン9やフィルタ10においてチャー108を除去され、ガス/ガス熱交換器21で約350℃に冷却される。
【0003】
回収されたチャー108は、未反応の炭素分を反応させ、灰分を溶融してスラグ106とするため、ガス化炉7に再供給される。水洗塔11では、サイクロン9およびフィルタ10を通過した微細な煤塵を水洗して除去する。可燃性の生成ガス105は、この水洗過程で、約120℃に冷却される。
【0004】
可燃性の生成ガス105中の硫化カルボニルを硫化水素に転換するため、硫化カルボニル転換器13が用いられる。硫化カルボニル転換器13の触媒が160℃から250℃の温度範囲で作用するので、可燃性の生成ガス105は、ガス/ガス熱交換器22とガス加熱用熱交換器23とにより、上記作用温度まで加熱される。
【0005】
硫化カルボニル転換器13を出た可燃性の生成ガス105は、ガス/ガス熱交換器22とガス冷却用熱交換器24とで、約40℃に冷却される。この冷却過程で生じた凝縮水は、凝縮水除去器14で除去される。ガス中の硫化水素は、硫化水素吸収塔15で除去される。硫化水素吸収液113は、約40℃で作用する。
硫黄化合物を除去されたガスすなわち精製ガス118は、ガス加熱用熱交換器25で約130℃に昇温された後、ガス/ガス熱交換器21でさらに加熱され、ガスタービン燃料ガス118aとしてガスタービン燃焼器17に供給され、ガスタービン19を駆動して発電する。
【0006】
ガス化炉で生成される生成ガス105は水分を含有し、その露点は100℃付近にある。ガス/ガス熱交換器21の伝熱管壁温度が露点を下回ると、管壁に凝縮水が発生し、微細な煤塵が管壁に付着して伝熱性能を低下させる恐れがある。そこで、生成ガス中の水分が伝熱管壁に凝縮することを防止するため、既に述べたように、ガス/ガス熱交換器21の入口において精製ガスをガス加熱用熱交換器25で約130℃に昇温する。
【0007】
上記運転は、図3の石炭ガス化複合発電プラントの定常運転状態である。これに対し、石炭ガス化複合発電プラントの停止状態では、すべての装置が常温であり、ガス化炉7が起動すると、高温のガスが流れ、加熱用熱交換器,冷却用熱交換器などに必要な蒸気や冷却水が供給され、下流の装置や機器類が、定常温度に昇温される。
【0008】
その際に、上記の通り、ガス化炉で発生するガスが水分を含むため、常温の装置や機器の内面には、凝縮水が生じる。この凝縮水は、定常温度になるに従い蒸発して消失するが、凝縮水の一時的な発生が性能の低下につながる機器が存在する。例えば、フィルタ10のフィルタエレメントには、起動初期からチャー108が堆積しているため、ここで凝縮水が生じると、フィルタが詰まり、正常に作用しなくなる場合がある。また、硫化カルボニル転換器13には触媒が充填されており、この触媒に凝縮水が付着すると、触媒活性を示す細孔が凝縮水で塞がれて、細孔内の水分が蒸発しにくいので、触媒が正常に作用しなくなる場合がある。したがって、これらの機器は、ガス化炉からのガスを通す前に、ガスの露点以上に予熱しておく必要がある。
【0009】
図3において、開きを白抜きで示し閉じをクロ抜きで示したバルブの状態は、起動初期の状態である。図3に示した石炭ガス化複合発電プラントの起動手順の概略は、以下の通りである。
(1)空気分離塔3,空気圧縮機4,窒素圧縮機5,酸素圧縮機6などからなる酸素製造装置を起動する。
(2)ガス化炉6に、酸素103と軽油などの液体燃料104とを供給し、ガス化炉7を加熱して、昇温する。燃焼ガス105aは、熱回収ボイラ8,サイクロン9,バイパスライン105bを経由して、水洗塔11に導かれる。水洗塔11では、燃焼ガス中のNOx,SOxが除去され、燃焼排ガス110として系外に出される。
(3)ガス循環圧縮機26,ガス加熱用熱交換器25,ガス/ガス熱交換器21,バイパスライン114a,フィルタ10,ガス/ガス熱交換器21,バイパスライン114b,ガス/ガス熱交換器22,ガス加熱用熱交換器23,硫化カルボニル転換器13,ガス/ガス熱交換器22,ガス冷却用熱交換器24,凝縮水除去器14,ガス循環用圧縮機26を結ぶ循環ラインに高圧窒素を充填する。ガス循環用圧縮機26を起動して高圧窒素を循環させるとともに、ガス加熱用熱交換器25および23に加熱蒸気を供給し、ガス冷却用熱交換器24に冷却水を供給し、循環する窒素を加熱して、フィルタ10および硫化カルボニル転換器13を上記露点以上に加熱する。
(4)硫化水素吸収塔15などからなる脱硫装置を起動する。
(5)ガスタービン燃焼器17,空気圧縮機18,ガスタービン19,発電機20などからなりガス化された化石燃料ガスを消費して発電する装置にガスタービン燃料ガス118aを受け入れる準備をする。
(6)ガス循環用圧縮機26を停止させ、ライン114のバルブ207と208とを閉じる。
(7)ガス化炉7に粉砕された石炭101の供給を開始し、液体燃料104の供給を停止する。
(8)主ガスラインのバルブ201〜206を開け、バイパスラインのバルブ209,210と、燃焼排ガスラインのバルブ211とを閉じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の起動手順では、フィルタ10および硫化カルボニル転換器13における水分の凝縮を防止するために、(3)に示した窒素循環加熱の手順が必要になった。窒素ガスを循環させるには、ガス循環用圧縮機26が必要である。
【0011】
このガス循環用圧縮機26は、定常運転時には使用されない上に、発電が開始される以前にガス循環用圧縮機を運転するための電力が必要になる。
【0012】
一方で、酸素製造装置には、高圧窒素が余剰となっていた。
【0013】
上記プラント構成では、起動時しか使用されないガス循環用圧縮機が必要となり、設備投資面での投資効率が低下していた。また、起動時にそのガス循環用圧縮機を運転するための電力が必要となり、エネルギー消費面での効率が低下するという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、化石燃料ガス化発電プラントにおいて、起動時しか使用されないガス循環用圧縮機に起因する設備投資面での効率低下およびエネルギー消費面での効率の低下を防止する手段を備えた化石燃料ガス化発電プラントと、その機器の予熱方法とを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、化石燃料をガス化するガス化装置と、空気を原料として酸素と窒素とを製造し製造した酸素を前記ガス化装置に供給する酸素製造装置と、ガス化された化石燃料ガスから硫黄化合物を除去する脱硫装置と、脱硫された化石燃料ガスを消費して発電する装置とからなり、ガス化装置と脱硫装置の少なくとも一方にガス化された化石燃料ガスを通す前に予熱を要する機器が付属する化石燃料ガス化発電プラントにおいて、酸素製造装置で生じる高圧の余剰な窒素を予熱を要する機器に供給する高圧窒素供給ラインを設けた化石燃料ガス化発電プラントを提案する。
【0016】
予熱を要する機器は、例えば、ガス化された化石燃料ガス中の固形物を除去するフィルタと、硫化カルボニルを硫化水素に転換する触媒充填容器との少なくとも一方を含むことができる。
【0017】
ガス化された化石燃料ガスを消費して発電する装置は、ガスタービン単独でもよいし、ガスタービンと、燃料電池および蒸気タービンの少なくとも一方との組み合わせであってもよい。
【0018】
本発明は、また、上記目的を達成するために、化石燃料をガス化するガス化装置と、空気を原料として酸素と窒素とを製造し製造した酸素を前記ガス化装置に供給する酸素製造装置と、ガス化された化石燃料ガスから硫黄化合物を除去する脱硫装置と、脱硫された化石燃料ガスを消費して発電する装置とからなり、前記ガス化装置と前記脱硫装置の少なくとも一方にガス化された化石燃料ガスを通す前に予熱を要する機器が付属する化石燃料ガス化発電プラントの機器の予熱方法において、酸素製造装置で生じる高圧の余剰な窒素の圧力を利用し加熱器を介して前記余剰な窒素を前記予熱を要する機器に供給して加熱する化石燃料ガス化発電プラントの機器の予熱方法を提案する。
【0019】
本発明においては、化石燃料をガス化するガス化装置と、空気を原料として酸素と窒素とを製造し製造した酸素を前記ガス化装置に供給する酸素製造装置と、ガス化された化石燃料ガスから硫黄化合物を除去する脱硫装置と、脱硫された化石燃料ガスを消費して発電する装置とからなり、ガス化装置と脱硫装置の少なくとも一方にガス化された化石燃料ガスを通す前に予熱を要する機器が付属する化石燃料ガス化発電プラントにおいて、酸素製造装置で生じる高圧の余剰な窒素の圧力を利用し加熱器を介して前記余剰な窒素を前記予熱を要する機器に供給して加熱するので、従来設置されていた起動時にしか利用されないガス循環用圧縮機が不要となり、設備投資面およびエネルギー消費面での効率を高められる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、図1および図2を参照して、本発明による化石燃料ガス化発電プラントおよびその機器の予熱方法の実施例を説明する。
【0021】
《実施例1》
図1は、本発明による化石燃料ガス化発電プラントの一実施例の構成を示す系統図である。プラントは、大きく分けて、石炭処理装置と、酸素製造装置と、ガス化装置と、脱硫装置と、ガス化された化石燃料ガスすなわち石炭ガスを消費して発電する装置とにより構成される。
【0022】
石炭処理装置は、粉砕機1と、石炭供給ホッパ2とからなる。石炭100は、粉砕機1で粉砕され、平均粒径40μmの微粉炭となり、石炭供給ホッパ2に充填される。
【0023】
酸素製造装置は、空気分離塔3と、空気圧縮機4と、窒素圧縮機5と、酸素圧縮機6とからなる。定常運転時には、ガスタービン19に連結した空気圧縮機18からの圧縮された空気115aが、空気分離塔3に供給され、深冷分離法により、窒素102と酸素103とに分離される。窒素102は、窒素圧縮機5で昇圧され、酸素103は、酸素圧縮機6で昇圧される。窒素102は、粉砕された石炭101をガス化炉7に搬送するとともに、各装置のパージやガスタービン19翼の冷却に用いられる。酸素103は、ガス化炉7に供給される。
【0024】
ガス化装置は、ガス化炉7と、熱回収ボイラ8と、サイクロン9と、フィルタ10とからなる。ガス化炉7には、粉砕された石炭101と酸化剤としての酸素103が供給され、石炭のガス化反応が生じて、水素や一酸化炭素を主成分とする可燃性の精製ガス105が発生する。ガス化炉7内は約1600℃の高温なので、石炭中に数%〜10数%程度含まれる灰分は溶融し、ガス化炉7下部から取り出され、水冷粉砕されて、ガラス状の固形物すなわちスラグ106となる。精製ガス105は、約1000℃の高温であるため、廃熱回収ボイラ8によって、約400℃に冷却される。生成ガス105は、スラグ106として取り出されなかった灰分や煤塵,未反応の炭素分を含む固形物すなわちチャー108を同伴しているので、ガス化装置に付属する乾式脱塵装置であるサイクロン9とフィルタ10とにより除去する。回収されたチャー108をガス化炉7に再供給し、その灰分を溶融してスラグ106にするとともに、未反応の炭素分を反応させる。
【0025】
脱硫装置は、水洗塔11と、硫化カルボニル転換器13と、硫化水素吸収塔15と、熱交換器類などとからなる。集塵後のガス中には、乾式脱塵装置で除去できなかった微細な固形物や、石炭中に含まれていた硫黄分から生成された硫化カルボニル,硫化水素が含まれている。微細な固形物は下流の装置における閉塞や磨耗などの原因となり、硫黄化合物はガスを燃焼した際に硫黄酸化物という有害なガスを発生させる原因となるので、脱硫装置においてこれらの物を除去する。
脱塵後の生成ガスは、ガス/ガス熱交換器21で300〜350℃に冷却され、サイクロン9およびフィルタ10を通過した微細な煤塵を水洗塔11で水洗除去される。この水洗過程で、生成ガスは、約120℃に冷却される。生成ガス中の硫化カルボニルは、硫化カルボニル転換器13で硫化水素に転換される。硫化カルボニル転換器13は、硫化カルボニルをガス中の水分と反応させて硫化水素に転換する触媒を充填した反応容器である。この触媒は160℃から250℃の温度範囲で作用するために、生成ガスは、ガス/ガス熱交換器22とガス加熱用熱交換器23とにより、上記作用温度に加熱される。ガス中の硫化水素は、硫化水素吸収塔15で除去される。硫化水素吸収液113は、約40℃で作用する。このため、硫化カルボニル転換器13を出た生成ガスは、ガス/ガス熱交換器22とガス冷却用熱交換器24とにより、約40℃に冷却される。この冷却過程で生じた凝縮水は、凝縮水除去器14で除去される。硫黄化合物を除去された精製ガス118は、ガス加熱用熱交換器25とガス/ガス熱交換器21とにより加熱され、ガスタービン燃料ガス118aとしてガスタービン燃焼器17に供給され、ガスタービン19を駆動し、発電する。
【0026】
ガス化炉で生成する生成ガス105は、水分を含有し、その露点は100℃付近である。ガス/ガス熱交換器21では、高温の生成ガスと低温の精製ガスとを伝熱管を介して間接接触させ、精製ガス118を加熱する。この際に、生成ガス105が接する伝熱管壁温度が露点を下回ると、管壁に凝縮水が発生し、微細な煤塵が管壁に付着して伝熱性能を低下させる恐れがある。このため、ガス/ガス熱交換器21の入口で、ガス加熱用熱交換器25により、精製ガスを約130℃に昇温し、生成ガス中の水分が伝熱管壁に凝縮するのを防止する。
【0027】
ガス化された石炭ガスを消費して発電する装置は、ガスタービン燃焼器17と、空気圧縮機18と、ガスタービン19と、発電機20とからなる。ガスタービン燃料ガス118aは、ガスタービン燃焼器17内で燃焼され、ガスタービン19を駆動し、発電機20により発電する。さらに、空気圧縮機18を駆動し、酸素製造装置の原料空気115aを供給する。排ガス116は、最終的には系外に放出されるが、排ガス116の熱を利用するための廃熱回収ボイラ,蒸気タービン,発電機からなる蒸気タービン発電装置が設置されてもよい。
【0028】
以上の動作は、本発明の化石燃料ガス化発電プラントの定常運転状態である。これに対して、発電プラントの停止状態では、すべての装置が常温であり、起動に際しては、ガス化炉が起動して、高温のガスが流れ、加熱用熱交換器,冷却用熱交換器などに必要な蒸気や冷却水が供給され、下流の装置や機器類が、定常の温度まで昇温される。
【0029】
既に述べたように、ガス化炉7で発生する生成ガス105が水分を含むため、起動の過程で常温の装置や機器の内面に生成ガス105が接すると、凝縮水が生じる。この凝縮水は、定常温度になるに従い、蒸発して消失するが、フィルタ10および硫化カルボニル転換器13では、凝縮水の一時的な発生が性能の低下につながる場合がある。フィルタ10のフィルタエレメントには、起動の初期からチャーが堆積しているため、ここで凝縮水が生じると、フィルタの詰まりが生じて、正常に作用しなくなる場合がある。硫化カルボニル転換器13には、触媒が充填されており、この触媒に凝縮水が付着すると、触媒活性を示す細孔が凝縮水で塞がれ、細孔内の水分が蒸発しにくいので、触媒が正常に作用しなくなる場合がある。そこで、これらの機器は、ガス化炉からの生成ガスを通す前に、ガスの露点以上に予熱しておく必要がある。
【0030】
図1の開きを白抜きで示し閉じを黒塗りで示したバルブの状態は、これらの機器の予熱過程の状態を示している。本発明における起動手順は、概略以下の通りである。
(1)粉砕機1および石炭供給ホッパ2から構成される石炭処理装置を起動し、粉砕された石炭を石炭供給ホッパ2に充填する。
(2)空気分離塔3,空気圧縮機4,窒素圧縮機5,酸素圧縮機6などからなる酸素製造装置を起動する。ガスタービン19に連結された空気圧縮機18がまだ起動していないので、原料空気117は、空気圧縮機4から供給される。
(3)ガス化炉7に、酸素103と軽油などの液体燃料104を供給して、ガス化炉を加熱し、昇温する。この燃焼ガス105aは、熱回収ボイラ8,サイクロン9,バイパスライン105bを経由して水洗塔11に導かれる。水洗塔11では、燃焼ガス中のNOx,SOxが除去され、燃焼排ガス110として系外に放出される。
(4)フィルタ10および硫化カルボニル転換器13は、酸素製造装置で生じた高圧の余剰な窒素107を供給して予熱する。高圧窒素107は、ガス加熱用熱交換器25で加熱され、ガス/ガス熱交換器21,バイパスライン114aを通過し、フィルタ10に至り、このフィルタ10を加熱する。さらに、高圧窒素107は、ガス/ガス熱交換器21,バイパスライン114b,ガス/ガス熱交換器22を経由して、ガス加熱用熱交換器23に至り、ガス加熱用熱交換器23で加熱され、硫化カルボニル転換器13に至り、硫化カルボニル転換器13を加熱する。硫化カルボニル転換器13を通過した後、ガス/ガス熱交換器22,ガス冷却用熱交換器24,凝縮水除去器14を経由し、排窒素ガス112として系外に放出される。高圧窒素107の供給は、フィルタ10および硫化カルボニル転換器13が、生成ガス105の露点以上の温度に加熱されるまで続けられる。フィルタ10および硫化カルボニル転換器13が、所定温度に到達したら、高圧窒素供給ラインのバルブ213および排窒素ガスラインのバルブ214を閉じ、高圧窒素107の供給を停止する。
(5)硫化水素吸収塔15などからなる脱硫装置を起動する。
(6)ガスタービン燃焼器17,空気圧縮機18,ガスタービン19,発電機20などからなりガス化された化石燃料ガスを消費して発電する装置へのガスタービン燃料ガス118aの受け入れ準備をする。
(7)ガス化炉7に粉砕された石炭101の供給を開始し、液体燃料104の供給を停止する。
(8)主ガスラインのバルブ201,202,203,204,205,206を開け、バイパスラインのバルブ209,210および燃焼排ガスラインのバルブ211を閉じる。
【0031】
本発明においては、フィルタ10と硫化カルボニル転換器13とにおける水分の凝縮を防止するため、上記手順(4)に示したように、酸素製造装置で生じた高圧の余剰な窒素を供給して、加熱する。したがって、図3に示した従来技術の窒素ガスを循環させるためのガス循環用圧縮機が不要となり、設備投資面および起動時のエネルギー消費面での効率が高められる。
【0032】
《実施例2》
次に、図2を参照して、本発明による他の実施例を説明する。図2は、本発明による化石燃料ガス化発電プラントの他の実施例が図1の実施例と異なる部分の構成を示す系統図である。図1の実施例1における石炭ガス化ガスを消費して発電する装置部分は、図2の発電装置に置き換えてもよい。
【0033】
図2の発電装置は、燃料電池27と、ガスタービン燃焼器17と、空気圧縮機18と、ガスタービン19と、発電機20と、排熱回収ボイラ28と、蒸気タービン29と、発電機20aとからなる。ガスタービン燃料ガス118aは、ガスタービン燃焼器17内で燃焼され、ガスタービン19を駆動し、発電機20により発電する。このとき、ガスタービン燃料ガス118aの一部は、分岐され、燃料電池27を経由し、燃料電池発電に利用される。ガスタービン19の排ガス116の熱は、排熱回収ボイラ28により、蒸気119に伝達される。蒸気119は、蒸気タービン29を駆動し、発電機20aで発電する。排ガス116は、煙突30から排出される。
【0034】
実施例2では、燃料電池27と蒸気タービン29とを併設する系統構成を示したが、いずれか一方だけを設置してもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、化石燃料をガス化するガス化装置と、空気を原料として酸素と窒素とを製造し製造した酸素を前記ガス化装置に供給する酸素製造装置と、ガス化された化石燃料ガスから硫黄化合物を除去する脱硫装置と、脱硫された化石燃料ガスを消費して発電する装置とからなり、ガス化装置と脱硫装置の少なくとも一方にガス化された化石燃料ガスを通す前に予熱を要する機器が付属する化石燃料ガス化発電プラントにおいて、酸素製造装置で生じる高圧の余剰な窒素の圧力を利用し加熱器を介して前記余剰な窒素を前記予熱を要する機器に供給して加熱するので、従来設置されていた起動時にしか利用されないガス循環用圧縮機が不要となり、設備投資面およびエネルギー消費面での効率を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化石燃料ガス化発電プラントの一実施例の構成を示す系統図である。
【図2】本発明による化石燃料ガス化発電プラントの他の実施例が図1の実施例と異なる部分の構成を示す系統図である。
【図3】従来の石炭ガス化複合発電プラントの一例の構成を示す系統図である。
【符号の説明】
1 粉砕機
2 石炭供給ホッパ
3 空気分離塔
4 空気圧縮機
5 窒素圧縮機
6 酸素圧縮機
7 ガス化炉
8 熱回収ボイラ
9 サイクロン
10 フィルタ
11 水洗塔
12 循環水ポンプ
13 硫化カルボニル転換器
14 凝縮水除去器
15 硫化水素吸収塔
16 吸収液循環ポンプ
17 ガスタービン燃焼器
18 空気圧縮機
19 ガスタービン
20 発電機
21 ガス/ガス熱交換器
22 ガス/ガス熱交換器
23 ガス加熱用熱交換器
24 ガス冷却用熱交換器
25 ガス加熱用熱交換器
26 ガス循環用圧縮機
27 燃料電池
28 排熱回収ボイラ
29 蒸気タービン
30 煙突
100 石炭
101 粉砕された石炭
102 窒素
103 酸素
104 液体燃料
105 生成ガス
105a 燃焼ガス
105b バイパスライン
106 スラグ
107 高圧窒素
108 チャー
109 循環水
110 燃焼排ガス
111 凝縮水
112 排窒素ガス
113 硫化水素吸収液
114 循環用高圧窒素
114a バイパスライン
114b バイパスライン
115 空気
115a 空気
116 排ガス
117 空気
118 精製ガス
118a ガスタービン燃料ガス
119 蒸気
201〜214 バルブ

Claims (2)

  1. 化石燃料をガス化するガス化装置と、空気を原料として酸素と窒素とを製造し製造した酸素を前記ガス化装置に供給する酸素製造装置と、ガス化された化石燃料ガスから硫黄化合物を除去する脱硫装置と、脱硫された化石燃料ガスを消費して発電する装置とからなり、前記ガス化装置と前記脱硫装置の少なくとも一方にガス化された化石燃料ガスを通す前に予熱を要する機器が付属する化石燃料ガス化発電プラントにおいて、
    前記酸素製造装置で生じる高圧の余剰な窒素を前記予熱を要する機器に供給する高圧窒素供給ラインを設けたことを特徴とする化石燃料ガス化発電プラント。
  2. 化石燃料をガス化するガス化装置と、空気を原料として酸素と窒素とを製造し製造した酸素を前記ガス化装置に供給する酸素製造装置と、ガス化された化石燃料ガスから硫黄化合物を除去する脱硫装置と、脱硫された化石燃料ガスを消費して発電する装置とからなり、前記ガス化装置と前記脱硫装置の少なくとも一方にガス化された化石燃料ガスを通す前に予熱を要する機器が付属する化石燃料ガス化発電プラントの機器の予熱方法において、
    前記酸素製造装置で生じる高圧の余剰な窒素の圧力を利用し加熱器を介して前記余剰な窒素を前記予熱を要する機器に供給して加熱することを特徴とする化石燃料ガス化発電プラントの機器の予熱方法
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