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JP3952223B2 - アリルアミン重合体 - Google Patents

アリルアミン重合体 Download PDF

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JP3952223B2
JP3952223B2 JP13846597A JP13846597A JP3952223B2 JP 3952223 B2 JP3952223 B2 JP 3952223B2 JP 13846597 A JP13846597 A JP 13846597A JP 13846597 A JP13846597 A JP 13846597A JP 3952223 B2 JP3952223 B2 JP 3952223B2
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allylamine
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dihydrochloride
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忠雄 遠藤
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Nitto Boseki Co Ltd
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Nitto Boseki Co Ltd
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    • C08F226/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a single or double bond to nitrogen or by a heterocyclic ring containing nitrogen
    • C08F226/02Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a single or double bond to nitrogen or by a heterocyclic ring containing nitrogen by a single or double bond to nitrogen

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアリルアミン重合体、その製造方法および架橋剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、高い固有粘度を有するアリルアミン重合体や水不溶性の高分子ゲル状アリルアミン重合体、これらを高い収率で製造する方法、および上記アリルアミン重合体の製造に用いられる架橋剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アリルアミン重合体は、側鎖にアミノ基を含むオレフィン系重合体で水によく溶け、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子として知られている。そのようなアリルアミン重合体の製造方法としては、モノアリルアミンの水溶液を、ラジカル重合開始剤として過酸化水素、過硫酸カリウムまたは分子内にアゾ基を持つ化合物を用いて、重合させる方法が知られている。
【0003】
しかしながら、このような方法では、得られるアリルアミン重合体は、通常、分子量が小さく、高い固有粘度を有するアリルアミン重合体や水不溶性の高分子ゲル状アリルアミン重合体は製造しにくいという問題があった。一方、反応染料用染料固着剤、高分子凝集剤、紙加工剤の分野では、高い固有粘度を有するアリルアミン重合体等のカチオン系重合体が求められており、また、コレステロール低下剤やリン酸除去剤等の医薬分野では、水不溶性の高分子ゲル状アリルアミン系重合体等のカチオン系重合体が求められているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、高い固有粘度を有するアリルアミン重合体や水不溶性の高分子ゲル状アリルアミン重合体、およびこのものを高い収率で製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する多官能性アリルアミン誘導体の塩を架橋剤として用い、このものとアゾ系のラジカル開始剤の存在下に、アリルアミンの塩を重合させることにより、高い固有粘度を有するアリルアミン重合体や水不溶性の高分子ゲル状アリルアミン重合体が、高い収率で得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、下記式(I)
【化5】
Figure 0003952223
で表されるアリルアミン単位を有し、かつこのアリルアミン単位の少なくとも一部が、一般式(II)
【化6】
Figure 0003952223
(式中、Rは水素原子またはCH=CHCH−、XはO、NHまたはCH=CHCHN、Yは酸素原子により中断されていてもよいアルキレン基およびアルキリデン基並びにシクロアルキレン基およびシクロアルキリデン基の中から選ばれる少なくとも一つの基から構成され、水酸基が導入されていてもよい炭素数2〜20の二価の有機基を示す。)
で表される多官能性アリルアミン誘導体で架橋されている構造を有する遊離型のアリルアミン重合体または対応する塩型のアリルアミン重合体であることを特徴とするアリルアミン重合体を提供するとともに、上記一般式(II)で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩からなるアリルアミン重合体製造用架橋剤をも提供するものである。
【0007】
また、前記アリルアミン重合体は、本発明に従えば、極性溶媒中において、下記一般式(II)で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩、および分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤の存在下、アリルアミン塩を重合させて、塩型のアリルアミン重合体を得、所望により、塩型のアリルアミン重合体を中和処理して、遊離型のアリルアミン重合体を得ることにより、製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のアリルアミン重合体、式(I)
【化7】
Figure 0003952223
で表されるアリルアミン単位を有し、かつこのアリルアミン単位の少なくとも一部が、一般式(II)
【化8】
Figure 0003952223
(式中、R、XおよびYは上記と同じである。)
で表される多官能性アリルアミン誘導体で架橋されている構造を有している。
【0009】
このアリルアミン重合体は遊離型であってもよいし、塩型であってもよい。塩型の場合、塩の種類については特に制限はなく、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。これらの中で塩酸塩が好ましい。また、塩型の場合は、完全な塩の形であってもよいし、部分塩の形であってもよい。
【0010】
本発明のアリルアミン重合体においては、分子中のアリルアミン単位に対する多官能性アリルアミン誘導体単位のモル比が小さい場合には、水溶性の重合体となり、そして該モル比が大きくなるに伴い、重合体の固有粘度が高くなるが、さらに該モル比が大きくなっていくと、重合体は、遂には水不溶性の高分子ゲル状となる。
【0011】
本発明のアリルアミン重合体における、アリルアミン単位に対する多官能性アリルアミン誘導体単位のモル比は、所望するアリルアミン重合体の性状および多官能性アリルアミン誘導体単位の構造などによって適宜選択されるが、一般的には、0.001〜0.02の範囲である。
【0012】
本発明のアリルアミン重合体の製造方法については特に制限はないが、以下に示す本発明の方法に従えば、該アリルアミン重合体を高い収率で製造することができる。
【0013】
本発明の方法においては、極性溶媒中において、前記一般式(II)で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩、および分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤の存在下、アリルアミン塩を重合させることにより、所望のアリルアミン重合体を製造することができる。
【0014】
本発明の方法において、高分子のアリルアミン重合体が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、アリルアミンおよび二官能性アリルアミン誘導体が重合系で陽電荷を持っていることが重要であると考えられる。このことは、アリルアミンが塩の状態になっていないと、重合しにくく、さらに、架橋剤として通常使用される非イオン性の類似化合物、例えば、N,N′−メチレンビスアクリルアミドを用いると、高分子の重合体が得られないことからも支持される。
【0015】
本発明の方法においては、架橋剤として用いられる多官能性アリルアミン誘導体の塩の一つの末端に、電荷を有するアリルアミノ基(NCH2CH=CH2)を有し、かつ、それとは別に、他方の末端に、親水性の基であるアリルアミノ基(NCH2CH=CH2)またはアリルオキシ基(OCH2CH=CH2)を有することも重要と考える。このことは、そのような2つの基を独自に有しないもの、例えば、N,N′−ジアリルアセトアミジン塩酸塩、N,N,N−トリアリルアミン塩酸塩等を架橋剤として用いても、固有粘度が高い重合体が得られないことからも支持される。
【0016】
なお、上記N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−ジアリルアセトアミジンおよびトリアリルアミンの構造を以下に示す。
【0017】
N,N′−メチレンビスアクリルアミド
CH2=CHCONHCH2NHCOCH=CH2
N,N′−ジアリルアセトアミジン
【化9】
Figure 0003952223
トリアリルアミン
N(CH2CH=CH23
本発明の方法において、原料モノマーとして用いられるアリルアミン塩の塩の種類としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。これらの中で塩酸塩が好ましい。
【0018】
本発明の方法においては、重合は極性溶媒中において実施される。この極性溶媒としては、例えば水、酸(塩酸、硫酸、りん酸、ポリ−りん酸)、またはその水溶液、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸など)またはその水溶液、アルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、無機酸の塩(塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等)の水溶液中で行われる。重合に際して、前記アリルアミン塩は、単離された結晶の形で使用するのが普通であるが、上記極性溶媒中にモノアリルアミンと酸とを加えてその系中で塩を生成させてもよい。言うまでもなく、酸またはその水溶液を重合溶媒として使用する場合には、所定量のアリルアミンを酸またはその水溶液中に加え、さらに多官能性アリルアミン誘導体を加え、そのまま重合させることができる。
【0019】
本発明の方法においては、ラジカル重合開始剤として、高分子量のアリルアミン重合体を高い重合率で与えることができる点から、分子中にアゾ基を有するものが用いられる。この分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤としては、特公平2−14364号公報、特公平2−56361号公報、特公平2−56362号公報、特公平2−57082号公報、特公平2−57083号公報などに記載されているものを挙げることができる。その中の代表的なものを列挙すれば次のとおりである。
【0020】
2,2′−ジアミジニル−2,2′−アゾプロパン・一塩酸塩、2,2′−ジアミジニル−2,2′−アゾブタン・一塩酸塩、2,2′−ジアミジニル−2,2′−アゾペンタン・一塩酸塩、2,2′−ビス(N−フェニルアミジニル)−2,2′−アゾプロパン・塩酸塩、2,2′−ビス(N−フェニルアミジニル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、2,2′−ビス(N,N−ジメチルアミジニル)−2,2′−アゾプロパン・塩酸塩、2,2′−ビス(N,N−ジメチルアミジニル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、2,2′−ビス(N,N−ジエチルアミジニル)−2,2′−アゾプロパン・塩酸塩、2,2′−ビス(N,N−ジエチルアミジニル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、2,2′−ビス(N−ジn−ブチルアミジニル)−2,2′−アゾプロパン・塩酸塩、2,2′−ビス(N−ジn−ブチルアミジニル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、3,3′−ビス(N,N−ジn−ブチルアミジニル)−3,3′−アゾペンタン・塩酸塩、アゾ−ビス−N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン・塩酸塩;
【0021】
2,2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノ)−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジメチルアミノ)−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノ)−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノ)−ブチロニトリルまたは2,2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジメチルアミノ)−ブチロニトリルを、ジメチル硫酸またはp−トルエンスルホン酸メチルなどで四級化して得た第4アンモニウム塩型アゾニトリル;
【0022】
3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3−メチル−3,4−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3−エチル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3,5−ジメチル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3,6−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロヘキセン・塩酸塩、3−フェニル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3,5−ジフェニル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩;
【0023】
2,2′−アゾビス−(2−メチル−プロピオアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−メチル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2′−アゾビス−(2−メチル−ブチロアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−メチル−ブチルヒドロキサム酸)、2,2′−アゾビス−(2−イソブチル−2−メチル−プロピオアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−イソブチル−2−メチル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2′−アゾビス−(2−シクロヘンキシル−プロピオアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−シクロヘキシル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2′−アゾビス−(2−フェニル−プロピオアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−フェニル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2′−アゾビス−(2−ベンジル−プロピオアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−ベンジル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、1,1′−アゾビス−(シクロヘキシル−カルボアミドキシム、1,1′−アゾビス−(シクロヘキシル−カルボヒドロキサム酸);
【0024】
2,2′−アゾビス−(2−カルボキシメチル−プロピオアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−カルボキシエチル−プロピオアミドキシム)、3,3′−アゾビス−(3−カルボキシエチル−ブチロアミドキシム)、2,2′−アゾビス−(2−カルボキシメチル−プロピオンヒドロキサム酸)、2,2′−アゾビス−(2−カルボキシエチル−プロピオンヒドロキサム酸)、3,3′−アゾビス−(3−カルボキシエチル−ブチルヒドロキサム酸);
【0025】
2,2′−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチルエステル)、2,2′−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸エチルエステル)、2,2′−アゾビス−(2−エチルプロピオン酸メチルエステル)、2,2′−アゾビス−(2−エチル酪酸メチルエステル)、2,2′−アゾビス−(2−アセトキシ−プロパン)、2,2′−アゾビス−(2−アセトキシ−ブタン)、1,1′−アゾビス(1−ホルムオキシ−シクロヘキサン);
【0026】
2,2′−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸ヒドラジド)、2,2′−アゾビス−(2−メチル酪酸ヒドラジド)、2,2′−アゾビス−(2−エチル酪酸ヒドラジド)、1,1′−アゾビス−(1−シクロヘキシルカルボン酸ヒドラジド)、4,4′−アゾビス−(4−ヒドロキシ吉草酸ヒドラジド)、4,4′−アゾビス−(4−ヒドロキシカプロン酸ヒドラジド)。
【0027】
これらの重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
本発明の方法においては、架橋剤として、一般式(II)
【化10】
Figure 0003952223
で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩が用いられる。
【0029】
この一般式(II)において、R1は水素原子またはCH2=CHCH2−、XはO、NHまたはCH2=CHCH2N、Yは二価の有機基を示す。
【0030】
上記Yで示される二価の有機基としては、酸素原子により中断されていてもよいアルキレン基およびアルキリデン基並びにシクロアルキレン基およびシクロアルキリデン基の中から選ばれる少なくとも一つの基から構成され、水酸基が導入されてもよい炭素数2〜20の二価の有機基が好ましい。
【0031】
また、塩の種類としては、先にアリルアミン塩の塩の種類として例示したものと同じものを挙げることができるが、これらの中で、特に塩酸塩が好適である。
【0032】
このような一般式(II)で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩としては、以下に示すものを挙げることができる。
【0033】
(1)R1が水素原子、XがNH、Yが−(CH2p−であるアリルアミン誘導体、すなわち一般式(II−1)
CH2=CHCH2NH(CH2pNHCHCH2=CH2 (II−1)
(式中、pは2〜20の整数を示す。)
で表されるアリルアミン誘導体の塩;
上記一般式(II−1)において、pは重合時の溶解性などの点から、2〜8の整数が好ましく、具体的には、N,N′−ジアリル−エチレンジアミン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,3−ジアミノプロパン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,4−ジアミノブタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,5−ジアミノペンタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,6−ジアミノヘキサン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,7−ジアミノヘプタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,8−ジアミノオクタン・二塩酸塩を例示できる。
【0034】
(2)R1が水素原子、XがNH、Yが−(CH2q−と−CH(R2)−の基が結合したものであるアリルアミン誘導体、例えば一般式(II−2)
【化11】
Figure 0003952223
(式中、R2は炭素数1〜9のアルキル基、qは1〜10の整数を示す。)
で表されるアリルアミン誘導体の塩;
上記一般式(II−2)において、重合時の溶解性の良好な点から、qは1〜4の整数、R2は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、具体的には、N,N′−ジアリル−1,2−ジアミノプロパン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,2−ジアミノブタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,3−ジアミノブタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,2−ジアミノペンタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,3−ジアミノペンタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,4−ジアミノペンタン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,2−ジアミノヘキサン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,3−ジアミノヘキサン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,4−ジアミノヘキサン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−1,5−ジアミノヘキサン・二塩酸塩を例示できる。
【0035】
(3)R1が水素原子、XがNH、Yが1〜3個の炭素数5〜7のシクロアルキレン基と0〜2個の−(CH2r−(rは1〜10の整数)とが結合し、かつ炭素数2〜20のものであるアリルアミン誘導体の塩;
具体的には、N,N′−ジアリル−1,4−ジアミノシクロヘキサン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−4−アミノメチル−シクロヘキシルアミン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−4−アミノメチル−シクロヘキシルメチルアミン・二塩酸塩、N,N′−ジアリル−ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン・二塩酸塩等を例示できる。
【0036】
(4)R1がCH2=CHCH2−、XがCH2=CHCH2N、Yが−(CH2s−であるアリルアミン誘導体、すなわち一般式(II−3)
(CH2=CHCH22N(CH2sN(CH2CH=CH22 (II−3)
(式中、sは2〜20の整数を示す。)
で表されるアリルアミン誘導体の塩;
一般式(II−3)において、重合時の溶解性などの点から、sは2〜8の整数が好ましく、具体的には、N,N,N′,N′−テトラアリル−エチレンジアミン・二塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,3−ジアミノプロパン・二塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン・二塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,5−ジアミノペンタン・二塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,6−ジアミノヘキサン・二塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,7−ジアミノヘプタン・二塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,8−ジアミノオクタン・二塩酸塩を例示できる。
【0037】
(5)R1が水素原子またはCH2=CHCH2−、XがO、NHまたはCH2=CHCH2N、Yが
−[CH2CH(OH)CH2t−[OCH2CH(OH)CH2u
(式中、tは1〜6の整数、uは0〜3の整数を示し、tとuとの合計が1〜6である。)
で表される基であるアリルアミン誘導体の塩;
具体的には、1−アリルアミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・塩酸塩、1−(ジアリル)アミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・塩酸塩、1−(3′−アリルアミノ−2′−ヒドロキシ−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・塩酸塩、1−[3′−(ジアリル)アミノ−2′−ヒドロキシ−プロピルオキシ]−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・塩酸塩を例示することができる。
【0038】
(6)R1が水素原子またはCH2=CHCH2−、XがO、NHまたはCH2=CHCH2N、Yが
Figure 0003952223
(式中、vは1〜6の整数、wは0〜3の整数、xは2または3、yは1〜3の整数を示し、vとwとyとの合計が2〜6である。)
で表される基であるアリルアミン誘導体の塩;
具体的には、N,N,N′,N′−テトラアリル−ビス(3−アミノ−2−ヒドロキシ−n−プロピルオキシ)エタン・二塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラアリル−ビス(3−アミノ−2−ヒドロキシ−n−プロピルオキシ)プロパン・二塩酸塩を例示することができる。
【0039】
本発明の方法においては、ラジカル開始剤の使用量は、原料モノマーのアリルアミン塩に対し、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で選ばれる。
【0040】
また多官能性アリルアミン誘導体の塩の使用量は、アリルアミン塩に対するモル比が、通常0.001〜0.02になるように選ばれる。該多官能性アリルアミン誘導体の塩のモル比が多くなるに伴い、得られるアリルアミン重合体は、固有粘度が高くなっていくが、あるモル比に達すると高分子ゲル状となる。
【0041】
重合系におけるアリルアミン塩および多官能アリルアミン誘導体の塩の合計濃度は、その溶解度の範囲内で高い方が望ましいが、通常は10〜85重量%の範囲で選ばれる。
【0042】
重合温度は、ラジカル開始剤の種類などにより異なるが、通常は30〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲である。重合時間は、重合温度などにより左右され、一概に定めることはできないが、通常は100時間以内で充分である。また、この重合は、空気中の酸素により若干阻害されるので、窒素などの不活性ガス雰囲気下で実施するのが有利である。
【0043】
重合反応終了後、塩型のアリルアミン重合体を所望する場合は、例えば、反応混合物を中和することなく、そのままメタノールなどの貧溶媒中に投入し、析出した固形物をろ過などの手段により取り出し、必要ならば洗浄後、乾燥処理することにより、所望の塩型のアリルアミン重合体が得られる。
【0044】
また、遊離型のアリルアミン重合体を所望する場合は、反応混合物を適当なアルカリを用いて中和処理したのち、上記と同様の処理を施すことにより、遊離型のアリルアミン重合体が得られる。
【0045】
本発明はまた、前記一般式(II)で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩からなるアリルアミン重合体製造用架橋剤をも提供する。アリルアミン重合体の製造において、この架橋剤を用いることにより、前述のように、高い固有粘度を有するアリルアミン重合体や水不溶性の高分子ゲル上アリルアミン重合体が高い収率で得られる。
【0046】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0047】
実施例1 N,N′−ジアリル−1,3−ジアミノプロパン・二塩酸塩(架橋剤A)の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた五つ口丸底フラスコに1,3−ジアミノプロパン74.13g(1.0モル)を仕込み、氷冷下でエーテル50mlを加え、撹拌・溶解しながら、アリルクロリド168.3g(2.2モル)と濃度40重量%水酸化ナトリウム水溶液220g(2.2モル)とを同時にゆっくり滴下して、両方の滴下が同時に終わるようにした。この間、反応温度を20〜30℃に保ちながら5時間反応を続けた。更に温度を50〜60℃に上げてアリルクロリドの還流下で8時間反応させた。
【0048】
反応終了後、析出した白色結晶を濾別し、さらに油層を分液し、水層をエーテルで抽出し、油層とこのエーテル層を混ぜ、水酸化ナトリウムで一晩脱水した。次ぎに、このエーテルを留去し、残渣を減圧蒸留してbp70〜74℃(2mmHg)のN,N′−ジアリル−1,3−ジアミノプロパンを107.86g得た。
【0049】
N,N′−ジアリル−1,3−ジアミノプロパン107.86g(0.78モル)とエーテル250mlを温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた1リットル四つ口セパラブルフラスコ中に入れた後、氷冷下に濃度14.91重量%の塩化水素エーテル溶液460ml(1.88モル)を滴下した。析出した結晶を濾別し、エーテルで十分洗浄した後、50℃で24時間真空乾燥することにより、122.20gの粗結晶を得た。それを、メタノールとエタノールの重量比で2対1の混合溶液から再結晶し、分解点251℃のN,N′−ジアリル−1,3−ジアミノプロパン・二塩酸塩を25.62g得た。元素分析の結果は、C=47.54%,H=9.10%,N=12.14%であった。これらの値は計算値C=47.58%,H=8.87%,N=12.33%と一致した。
【0050】
実施例2 N,N′−ジアリル−1,2−ジアミノプロパン・二塩酸塩(架橋剤B)の合成
1,3−ジアミノプロパンの代わりに1,2−ジアミノプロパンを用いた以外は、実施例1と同様に処理し、bp54〜60℃(2mmHg)のN,N′−ジアリル−1,2−ジアミノプロパンを経由して、mp176〜177℃のN,N′−ジアリル−1,2−ジアミノプロパン・二塩酸塩を21.82g得た。元素分析の結果は、C=47.39%,H=9.17%,N=12.22%であった。これらの値は計算値C=47.58%,H=8.87%,N=12.33%と一致した。
【0051】
実施例3 N,N′−ジアリル−1,6−ジアミノ−n−ヘキサン・二塩酸塩(架橋剤C)の合成
1,3−ジアミノプロパン1.0モルの代わりに1,6−ジアミノ−n−ヘキサン1.0モルを用いた以外は、実施例1と同様に処理し、bp98℃(2mmHg)のN,N′−ジアリル−1,6−ジアミノ−n−ヘキサンを経由して、分解点240℃のN,N′−ジアリル−1,6−ジアミノ−n−ヘキサン・二塩酸塩を38.88g得た。元素分析の結果は、C=52.13%,H=10.23%,N=11.30%で、計算値C=53.53%,H=9.73%,N=10.40%と一致した。
【0052】
実施例4 N,N′−ジアリル−ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン・二塩酸塩(架橋剤D)の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた300mlの五つ口丸底フラスコにジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン52.59g(0.25モル)を入れ、それに氷冷下で塩化メチレン50mlを加え、撹拌しながらアリルクロリド46.27g(0.60モル)と濃度40重量%水酸化ナトリウム水溶液60.46g(0.60モル)とを同時にゆっくり滴下して両方の滴下が同時に終わるようにした。
【0053】
この間の反応温度を20〜30℃に保ちながら5時間反応を続けた。更に50〜60℃に上げてアリルクロリドの還流下で38時間反応させた。
【0054】
反応終了後、析出した白色結晶を濾別し、油層を分液した後、水層をエーテルで抽出し、油層とこのエーテル層を混ぜ、水酸化ナトリウムで一晩乾燥した。次ぎに、このエ−テルを留去し、油状物として54.51gのN,N′−ジアリル−ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタンを得た。
【0055】
この油状物52.45g(0.18モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた500ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、氷冷下で濃度35重量%塩酸水溶液37.62g(0.36モル)を滴下した。反応終了後、その水溶液をそのままN,N′−ジアリル−ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン・二塩酸塩水溶液として使用した。分解点190〜205℃。
【0056】
この架橋剤のIRスペクトルを図1に示す。
【0057】
実施例5 N,N,N′,N′−テトラアリル−エチレンジアミン・二塩酸塩(架橋剤E)の合成
撹拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた1リットルの五つ口丸底フラスコに、1,2−ジブロモエタン97.84g(0.5モル)を加え、さらに、氷冷下でジアリルアミン116.6g(1.2モル)と濃度40重量%水酸化ナトリウム水溶液120g(1.2モル)とを同時にゆっくり滴下して、両方の滴下が同時に終わるようにした。
【0058】
この間の反応温度を20〜30℃に保ちながら5時間反応を続けた。更に温度を上げて50〜60℃に保ちながら38時間反応させた。
【0059】
反応終了後、析出した結晶を濾別し、油層を分液した後、水層をエーテルで抽出し、油層とこのエーテル層を混ぜ水酸化ナトリウムで一晩乾燥した。次ぎにこのエーテルを減圧下で留去した後、残渣を減圧蒸留することにより、bp86℃(3mmHg)のN,N,N′,N′−テトラアリル−エチレンジアミンを53.75g得た。
【0060】
50.98g(0.23モル)のN,N,N′,N′−テトラアリル−エチレンジアミンと50mlのアセトンを温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、氷冷下に濃度14.91重量%塩酸エーテル溶液136ml(0.56モル)を滴下した。反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、更に50℃で24時間減圧下で乾燥することにより、mp138〜140℃のN,N,N′,N′−テトラアリル−エチレンジアミン・二塩酸塩を得た。元素分析の結果は、C=56.16%,H=10.19%,N=9.49%であった。これらの値は計算値C=57.34%,H=8.94%,N=9.55%と一致した。
【0061】
実施例6 N,N,N′,N′−テトラアリル−1,3−ジアミノプロパン・二 塩酸塩(架橋剤F)の合成
1,2−ジブロモエタン0.5モルの代わりに、1,3−ジブロモプロパン0.5モルを用いた以外は、実施例5と同様に処理し、bp92℃(2mmHg)のN,N,N′,N′−テトラアリル−1,3−ジアミノプロパンを経由して、mp74〜76℃のN,N,N′,N′−テトラアリル−1,3−ジアミノプロパン・二塩酸塩を22.29g得た。元素分析の結果は、C=57.90%,H=10.20%,N=8.84%であった。これらの値は計算値C=58.63%,H=9.18%,N=9.12%と一致した。
【0062】
実施例7 N,N,N′,N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン・二塩酸塩(架橋剤G)の合成
広栄化学(株)製N,N,N′,N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン24.84g(0.10モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300ml四口セパラブルフラスコに入れ氷冷下に濃度35重量%塩酸水溶液7.29g(0.20モル)を滴下した。反応終了後、その水溶液をそのまま架橋剤として使用した。収量は44.67gであった。
【0063】
実施例8 N,N,N′,N′−テトラアリル−1,6−ジアミノヘキサン・二塩酸塩(架橋剤H)の合成
1,2−ジブロモエタン0.05モルの代わりに、1,6−ジアミノヘキサン0.05モルを用いた以外は、実施例5と同様に処理し、bp108〜112℃(1mmHg)のN,N,N′,N′−テトラアリル−1,6−ジアミノヘキサンを経由して、mp137〜138℃のN,N,N′,N′−テトラアリル−1,6−ジアミノヘキサン・二塩酸塩を7.19g得た。元素分析の結果は、C=61.78%,H=10.00%,N=7.93%であった。これらの値は計算値C=61.88%,H=9.81%,N=8.02%と一致した。
【0064】
実施例9 1−アリルアミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・塩酸塩(架橋剤I)の合成
モノアリルアミン62.82g(1.1モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300ml四つ口セパラブルフラスコに仕込み、氷冷下にアリルグリシジルエーテル114.15g(1.0モル)を滴下した。この間の反応温度を20〜30℃に保ちながら5時間反応を続けた。更に温度を50〜60℃に上げてモノアリルアミンの還流下で16時間反応を続けた。反応終了後、溶媒及び未反応のモノアリルアミンを留去して取り除き、残渣を減圧蒸留してbp101〜104℃(2mmHg)の1−アリルアミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパンを89.65g得た。元素分析の結果は、C=62.78%,H=10.32%,N=8.22%であり、これらの値は計算値C=63.13%,H=10.01%,N=8.18%と一致した。
【0065】
1−アリルアミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン77.65g(0.45モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、さらに、氷冷下で濃度15.3重量%塩酸エーテル溶液140ml(0.59モル)を滴下した。反応終了後、溶媒をデカントして取り除き、得られる残渣を50℃で24時間乾燥することにより、96.45gの1−アリルアミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・塩酸塩を得た。これを、そのまま、架橋剤として使用した。
【0066】
実施例10 1−(ジアリル)アミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・塩酸塩(架橋剤J)の合成
ジアリルアミン72.87g(0.75モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300ml四つ口フラスコに入れ、それに、氷冷下でアリルグリシジルエーテル57.08g(0.50モル)を滴下した。この間の反応温度を20〜30℃に保ちながら5時間反応を続けた。更に、反応温度を50〜60℃に上げ、24時間反応を続けた。未反応のジアリルアミンを留去して取り除いたのち、残渣を減圧蒸留してbp101〜102℃(2mmHg)の1−(ジアリル)アミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパンを84.51g得た。元素分析の結果は、C=67.83%,H=10.26%,N=6.78%であった。これらの値は計算値C=68.21%,H=10.02%,N=6.63%と一致した。
【0067】
1−(ジアリル)アミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン83.63g(0.40モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300ml四つ口セパラブルフラスコに仕込み、氷冷下に濃度18.96重量%塩酸エーテル溶液151g(0.79モル)を滴下した。溶媒をデカントして取り除いたのち、残渣を50℃で24時間真空乾燥することにより、1−(ジアリル)アミノ−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−プロパン・二塩酸塩を53.75g得た。
【0068】
実施例11 N,N,N′,N′−テトラアリル−ビス(3−アミノ−2−ヒドロキシ−n−プロピルオキシ)エタン・二塩酸塩(架橋剤K)の合成
ジアリルアミン64.12g(0.66モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた300ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、それに氷冷下でエチレンジグリシジルエーテル(ナガセ化成(株)製デナコールEX−811)52.26g(0.30モル)を滴下した。この間の反応温度を20〜30℃に保ちながら5時間反応を続けた。更に反応温度を50〜60℃に上げて保ちながら8時間反応を続けた。
【0069】
反応終了後、未反応のジアリルアミンを留去して取り除き、油状物として94.27gのN,N,N′,N′−テトラアリル−ビス(3−アミノ−2−ヒドロキシ−n−プロピルオキシ)エタンを得た。元素分析の結果は、C=76.14%,H=11.14%,N=12.72%であった。これらの値は計算値C=76.31%,H=10.98%,N=12.71%に一致した。
【0070】
この油状物94.27g(0.26モル)を温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えた500ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、氷冷下に濃度9.85重量%塩酸エーテル溶液208.3g(0.56モル)を滴下した。反応終了後、溶媒をデカントして取り除き、得られる残渣を50℃で24時間、真空乾燥することにより86.74gのN,N,N′,N′−テトラアリル−ビス(3−アミノ−2−ヒドロキシ−n−プロピルオキシ)エタン・二塩酸塩を得た。
【0071】
この架橋剤のIRスペクトルを図2に示す。
【0072】
以上のようにして得られた架橋剤A〜Kの構造式を表1および表2に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0003952223
【0074】
【表2】
Figure 0003952223
【0075】
実施例12〜43 アリルアミン重合体の製造
濃度62重量%または70重量%モノアリルアミン(MAA)塩酸塩水溶液10gに、所定量の架橋剤、およびラジカル開始剤として2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加し、得られる混合物を、55℃で72時間、加熱して重合させた。
【0076】
重合終了後、反応混合物が液体またはゲル状にかかわらず、反応混合物を、200mlのメタノールに注入し、生じた沈殿を濾取し、本発明のアリルアミン重合体を得た。
【0077】
なお、架橋剤Aを用いて合成したアリルアミン重合体塩酸塩(実施例13)の元素分析の結果は、C=37.99%,H=9.56%,N=14.55%であった。なお、計算値C=38.51%,H=8.62%,N=14.97%である。
【0078】
また、この重合体のIRスペクトルを図3に示す。
【0079】
重合する際のMAAに対する架橋剤のモル比、得られた重合体の収率、およびその固有粘度(反応混合物が液体の場合)または水不溶性ゲル(水不溶性ゲルが発生した場合)を表3および表4にまとめて示す。なお、固有粘度は、アリルアミン重合体を0.5重量%濃度になるよう0.1モル/リットル塩化ナトリウム水溶液に溶かし、得られる溶液を、30℃で測定して求めた。
【0080】
【表3】
Figure 0003952223
【0081】
【表4】
Figure 0003952223
【0082】
表3および表4より、本発明のアリルアミン重合体の製造方法では、高分子のアリルアミン重合体が高重合率で得られることが判明した。
【0083】
比較例1〜7
架橋剤として、本発明で用いた架橋剤以外のものを用いて、実施例と同様にして、アリルアミン重合体を製造した。その結果を表5に示す。
【0084】
【表5】
Figure 0003952223
【0085】
(注)
【化12】
Figure 0003952223
表5より、本発明で用いた架橋剤以外のものを用いた例では、重合収率が悪いか、高粘度(高分子)のアリルアミン重合体が得られないかのどちらかであることが判明した。
【0086】
【発明の効果】
本発明により、従来製造できにくかった、高固有粘度を有するアリルアミン重合体、または水不溶性の高分子ゲル状アリルアミン重合体が高収率で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で製造した架橋剤のIRスペクトルの図である。
【図2】実施例11で製造した架橋剤のIRスペクトルの図である。
【図3】実施例13で製造したアリルアミン重合体のIRスペクトルの図である。

Claims (3)

  1. 式(I)
    Figure 0003952223
    で表されるアリルアミン単位を有し、かつこのアリルアミン単位の少なくとも一部が、一般式(II)
    Figure 0003952223
    (式中、Rは水素原子またはCH=CHCH−、XはO、NHまたはCH=CHCHN、Yは酸素原子により中断されていてもよいアルキレン基およびアルキリデン基並びにシクロアルキレン基およびシクロアルキリデン基の中から選ばれる少なくとも一つの基から構成され、水酸基が導入されていてもよい炭素数2〜20の二価の有機基を示す。)
    で表される多官能性アリルアミン誘導体で架橋されている構造を有する遊離型のアリルアミン重合体または対応する塩型のアリルアミン重合体であることを特徴とするアリルアミン重合体。
  2. 極性溶媒中において、一般式(II)
    Figure 0003952223
    (式中、Rは水素原子またはCH=CHCH−、XはO、NHまたはCH=CHCHN、Yは酸素原子により中断されていてもよいアルキレン基およびアルキリデン基並びにシクロアルキレン基およびシクロアルキリデン基の中から選ばれる少なくとも一つの基から構成され、水酸基が導入されていてもよい炭素数2〜20の二価の有機基を示す。)
    で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩、および分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤の存在下、アリルアミン塩を重合させて、塩型のアリルアミン重合体を得、所望により、塩型のアリルアミン重合体を中和処理して、遊離型のアリルアミン重合体を得ることを特徴とする請求項1または2記載のアリルアミン重合体の製造方法。
  3. 下記式(II)
    Figure 0003952223
    (式中、Rは水素原子またはCH=CHCH−、XはO、NHまたはCH=CHCHN、Yは酸素原子により中断されていてもよいアルキレン基およびアルキリデン基並びにシクロアルキレン基およびシクロアルキリデン基の中から選ばれる少なくとも一つの基から構成され、水酸基が導入されていてもよい炭素数2〜20の二価の有機基を示す。)
    で表される多官能性アリルアミン誘導体の塩からなるアリルアミン重合体製造用架橋剤。
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