JP3951898B2 - 車載機の制御装置、車両制御システム、及び車両用通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載機の制御装置、車両制御システム、及び車両用通信システムに係り、特に、携帯機との双方向通信により例えば車両ドアロックの施解錠やエンジン始動許可等を行う車載機の制御装置、並びに、該車載機を備える車両制御システム及び車両用通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯機と車載機とを備え、両者間の通信によるコード照合の結果に基づいて例えば車両ドアの施解錠等の制御を行う車両制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいて、携帯機は、自己の識別コードを記憶しており、車載機からの要求或いは所有者の操作によりその自己の識別コードを送信する。車載機は、携帯機との通信を行う送受信アンテナを有している。車載機は、携帯機から送信され送受信アンテナに受信された識別コードがメモリに記憶されている所望のコードに一致する場合、車両ドアの施錠・解錠を行う。従って、上記のシステムによれば、車載機と携帯機との通信により、車両ドアを非接触で遠隔的に施錠・解錠することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−47837公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に記載されたシステムにおいて、車載機は、携帯機との通信を行う送受信アンテナを用いて更に、携帯機とは異なる別の車外機と部品使用情報や音楽データ等に関し情報通信を行う。すなわち、車載機は、車外機との通信のための機器を携帯機との通信のための機器と兼用する。このため、かかるシステムによれば、通信機器の削減により車載機器の簡素化や省スペース化,ローコスト化を図ることが可能となる。
【0005】
しかしながら、車載機が車外機との通信を行う際に、その間の識別コードとして携帯機との通信において利用されている識別コードを用いるものとすると、その識別コードが外部に公開され易くなり、この場合には、高いセキュリティ性が要求される車両ドアの施解錠等の制御システムが成り立たなくなる不都合が生じ得る。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、携帯機との通信による識別コードの照合結果に応じて所定の処理を実行する車載機の送受信部を、そのセキュリティ性を損なうことなく携帯機とは異なる送受信機との通信にも利用することにより、車載機器の簡素化や省スペース化,ローコスト化を図ることが可能な車載機の制御装置、車両制御システム、及び車両用通信システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、少なくとも携帯機の送信する対応車両に関するID識別コードである第1の識別コードを受信し得る送受信アンテナと、自車両に関するID識別コードである第1の記憶コードを記憶する第1の記憶手段と、前記送受信アンテナに受信された前記第1の識別コードと前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の記憶コードとの照合結果に応じて所定の処理を実行する第1の処理実行手段と、ゲートでの車両の入場又は退場を許可・禁止する制御を行うインフラ装置との通信を前記送受信アンテナを用いて行う第2の処理実行手段と、を備える車両に搭載された車載機の制御装置であって、
前記第1の記憶コードとは異なる、予め入場又は退場を許可する車両乗員に関する第2の記憶コードを記憶する第2の記憶手段を備え、
前記第2の処理実行手段は、前記インフラ装置との通信を行う際に識別コードとして前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の記憶コードを用いる車載機の制御装置により達成される。
【0008】
本発明において、車載機は、携帯機から送信され送受信アンテナに受信された対応車両に関するID識別コードである第1の識別コードと第1の記憶手段に記憶されている自車両に関するID識別コードである第1の記憶コードとの照合結果に応じて所定の処理を実行すると共に、ゲートでの車両の入場又は退場を許可・禁止する制御を行うインフラ装置との通信をその送受信アンテナを用いて行う。このため、送受信アンテナが携帯機との通信に用いられると共に、上記したインフラ装置との通信にも用いられるので、車載機器の構成の簡素化や省スペース化,ローコスト化が図られる。また、本発明において、車載機がインフラ装置との通信を行う際には、識別コードとして、携帯機との通信に用いる第1の記憶コードとは異なる、第2の記憶手段に記憶されている予め入場又は退場を許可する車両乗員に関する第2の記憶コードが用いられる。このため、車載機とインフラ装置との通信が行われても、第1の記憶コードが外部に公開されないので、高いセキュリティ性が確保される。
【0009】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載の車載機の制御装置において、前記第2の記憶手段は、前記携帯機の送信する前記第1の識別コードとは異なる該携帯機の所有者に関する第2の識別コードが前記送受信アンテナに受信された場合に、該第2の識別コードを前記第2の記憶コードとして記憶することとすれば、また、
請求項9に記載する如く、対応車両に関するID識別コードである第1の識別コードを有する携帯機と、少なくとも携帯機の送信する前記第1の識別コードを受信し得る送受信アンテナ、自車両に関するID識別コードである第1の記憶コードを記憶する第1の記憶手段、前記送受信アンテナに受信された前記第1の識別コードと前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の記憶コードとの照合結果に応じて所定の処理を実行する第1の処理実行手段、及び、ゲートでの車両の入場又は退場を許可・禁止する制御を行うインフラ装置との通信を前記送受信アンテナを用いて行う第2の処理実行手段を備える車両に搭載された車載機と、を備える車両制御システムであって、前記携帯機は、前記第1の処理実行手段に前記所定の処理を実行させるための前記第1の識別コードとは異なる、所有者に関する第2の識別コードを更に有し、前記車載機は、前記携帯機の送信する前記第2の識別コードが前記送受信アンテナに受信された場合に、該第2の識別コードを予め入場又は退場を許可する車両乗員に関する第2の記憶コードとして記憶する第2の記憶手段を更に有すると共に、前記第2の処理実行手段は、前記インフラ装置との通信を行う際に識別コードとして前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の記憶コードを用いることとすれば、車載機とインフラ装置との間で携帯機の有する第2の識別コードに応じた通信を行わせることができる。
【0010】
尚、この場合、請求項3に記載する如く、請求項2記載の車載機の制御装置において、前記第2の記憶手段は、前記送受信アンテナに受信される、予め車載機に登録されていない携帯機の送信する前記第2の識別コードを前記第2の記憶コードとして記憶可能であることとしてもよい。
【0011】
また、請求項4に記載する如く、請求項1乃至3の何れか一項記載の車載機の制御装置において、車両のエンジンが停止した場合又は携帯機の所有者が車両から降車した場合に、前記第2の記憶コードが記憶されている前記第2の記憶手段から該第2の記憶コードを消去するコード消去手段を備えることとすれば、第2の記憶手段に第2の記憶コードが記憶されている期間を制限することができる。
【0012】
また、請求項5に記載する如く、請求項1記載の車載機の制御装置において、前記第2の処理実行手段は、前記インフラ装置からの要求に応答して前記第2の記憶コードを送信することとすれば、また、
請求項11に記載する如く、請求項9記載の車両制御システムの車載機とインフラ装置との間の通信を行う車両用通信システムであって、前記インフラ装置は、所定の場合に前記車載機に前記第2の記憶コードの送信を要求すると共に、前記車載機の第2の処理実行手段は、前記インフラ装置からの要求に応答して前記第2の記憶コードを送信することとすれば、車両乗員の操作を伴うことなく第2の記憶コードをインフラ装置に向けて送信することができる。
【0013】
更に、請求項6に記載する如く、請求項1記載の車載機の制御装置において、前記送受信アンテナが、車両に複数搭載されていると共に、車載機が前記インフラ装置との通信を行うべき前記送受信アンテナを切り替えるアンテナ切替手段を備えることとすれば、車載機とインフラ装置との間の通信を車両周囲のある限定された領域に制限することができ、また、その通信を必要最小限の電力で効果的に行うことができる。
【0014】
この場合、請求項7に記載する如く、請求項6記載の車載機の制御装置において、前記アンテナ切替手段は、車両と前記インフラ装置との位置関係に従って前記送受信アンテナの切り替えを行うこととしてもよい。
【0015】
また、請求項8に記載する如く、請求項6記載の車載機の制御装置において、前記アンテナ切替手段は、前記インフラ装置からの要求に従って前記送受信アンテナの切り替えを行うこととしてもよい。
【0016】
尚、請求項10に記載する如く、請求項9記載の車両制御システムにおいて、前記携帯機は、前記第2の識別コードを送信するか否かを切り替える送信切替手段を備え、該送信切替手段の状態に応じて前記第2の識別コードを送信することとすれば、不必要に携帯機から車載機へ第2の識別コードが送信されるのを防止することができ、また、携帯機における電力消費の軽減を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例である車両制御システムの構成図を示す。図1に示す如く、本実施例の車両制御システムは、車両に搭載される車載機20と、車両乗員に携帯される携帯機22と、を備えている。この車両制御システムは、車両乗員の操作を伴うことなく車載機20と携帯機22との双方向無線通信により、車両乗員が車両に乗車する際に車両ドアを解錠し、車両乗員が車両から降車する際に車両ドアを施錠し、また、車両乗員が車両に乗り込んだ後に車両エンジンの始動を許可し或いはステアリングロック,シフトロック等の各種ロッキングシステムを解除する機能(以下、車載機器遠隔制御機能と称す)を有している。
【0025】
図2は、本実施例の車載機20が備える複数の送信アンテナの通信可能領域を模式的に表した図を示す。車載機20は、車載アンテナとして車外用送信アンテナ24、車内用送信アンテナ26、及び、受信アンテナ28を有している。車外用送信アンテナ24は、例えば車両乗員が乗車時に手動操作する各車両ドアのアウタハンドルにそれぞれ配設されている。すなわち、車載機20は、車両が4ドア車である場合には4つの車外用送信アンテナ24を有する。尚、以下では、車載機20がこのように4つの車外用送信アンテナ24を有する場合について説明するが、この際、車両右前,車両左前,車両右後,車両左後の各車外用送信アンテナ24をその順に車外用送信アンテナ24-1,24-2,24-3,24-4とそれぞれ称す。
【0026】
図2に示す如く、各車外用送信アンテナ24-1〜24-4は、対応のドアアウタハンドルから車外へ向けて例えば半径1m〜1.5m程度を範囲とする通信可能領域(e1,e2,e3,e4)を有している。尚、車両前部に配設された車外用送信アンテナ24-1, 24-2は車両前方に、また、車両後部に配設された車外用送信アンテナ24-3,24-4は車両後方に、それぞれ指向性を持たせることとしてもよい。
【0027】
車内用送信アンテナ26は、例えば車室内のセンタコンソールフロア又はルーフセンタに配設されており、車室内全域をカバーする通信可能領域を有している。また、受信アンテナ28は、車載機20に唯一つ設けられた単一の受信アンテナであり、車両周辺から送信される所定の信号および車室内から送信される所定の信号を受信する。
【0028】
図1に示す如く、車載機20は、車両用電子制御ユニット(以下、車載ECUと称す)30を備えている。上記した車外用送信アンテナ24、車内用送信アンテナ26、及び受信アンテナ28はそれぞれ、車載ECU30に接続されている。車載機20からの送信情報として車載ECU30から出力されるデータは、例えばLF帯の周波数134kHz又はVHF,UHF帯の周波数300MHzの信号に変調された後に車外用送信アンテナ24又は車内用送信アンテナ26から送信される。また、受信アンテナ28に受信された受信信号は、2値化データに復調された後に車載ECU30に供給される。
【0029】
車載ECU30は、各種演算処理を行う中央演算処理部(CPU)32、並びに、CPU32に接続する車載第1メモリ部34及び車載第2メモリ部36を有している。車載第1メモリ部34には、自己の車両のID識別コード、並びに、車両ドアの施解錠制御や車両エンジンの始動許可制御,ロッキングシステム解除制御等の制御すべき対象を示す互いに異なる複数の制御コードが記憶されている。また、車載第2メモリ部36には、後述する携帯機22から送信される第2の識別コードが記憶される。CPU32は、車載第1メモリ部34に記憶されている記憶コードおよび車載第2メモリ部36に記憶されている記憶コードを用いて後述の処理を実行する。
【0030】
車載ECU30には、イグニションスイッチ38が接続されている。イグニションスイッチ38は、車両運転者が操作可能な車室内の所定位置に設けられており、車両運転者の操作に従って車両の運転状態を切り替えるためのスイッチである。車載ECU30は、イグニションスイッチ38の状態を判定し、その状態に応じて車両の運転状態を切り替える。
【0031】
車載ECU30には、何れも図示しないドアロック部、エンジン制御部、ステアリングロック部、及びイモビライザ部が接続されている。ドアロック部は、車載ECU30からの指令に基づいて、すべて又は少なくとも一部の車両ドアをロック(施錠)・アンロック(解錠)させる。エンジン制御部は、車載ECU30からの指令に基づいて、車両の動力源であるエンジンをスタータモータ等を用いて始動させると共に、エンジン駆動中にその駆動を停止させる。ステアリングロック部は、車載ECU30からの指令に基づいて、運転者が車両操舵時に操作するステアリングホイールの回転を禁止・許可させる。また、イモビライザ部は、車載ECU30からの指令に基づいて、エンジンへの燃料供給を禁止・許可させると共に、イグニション動作を禁止・許可させる。
【0032】
また、携帯機22は、受信アンテナ40及び送信アンテナ42を有している。受信アンテナ40は、携帯機22の周辺から送信される車載機20の送信信号を受信する。また、送信アンテナ42は、例えば半径5〜10m程度の通信可能領域を有している。受信アンテナ40は受信部44を介して、また、送信アンテナ42は送信部46を介して、それぞれCPU48に接続されている。受信部44は、受信アンテナ40に受信された車載機20からの周波数134kHz又は周波数300MHzの信号を2値化データに復調し、CPU48に供給する。また、送信部46は、CPU48から供給されたデータを例えば周波数134kHz又は周波数300MHzの信号に変調して送信アンテナ42から出力する。
【0033】
CPU48には、何れも図示しない携帯第1メモリ部及び携帯第2メモリ部が接続されている。この携帯第1メモリ部には、自己の携帯機22に対応する車両のID識別コードが記憶されている。また、この携帯第2メモリ部には、携帯第1メモリ部に記憶された車両に関するID識別コードとは異なる、携帯機22の所有者に関するID識別コードが記憶されている。以下、携帯機22の携帯第1メモリ部に記憶されたID識別コードを第1の識別コードと、また、携帯機22の携帯第2メモリ部に記憶されたID識別コードを第2の識別コードと、それぞれ称す。CPU48は、携帯第1メモリ部に記憶されている第1の識別コードおよび携帯第2メモリ部に記憶されている第2の識別コードを用いて後述の処理を実行する。
【0034】
次に、本実施例の車両制御システムにおける上記した車載機器遠隔制御機能を実現するための動作について説明する。
【0035】
本実施例のシステムにおいて、車両駐車時に車両ドアが施錠されている状況下、車載機20は、一定時間間隔ごとに或いは車両ドアのアウタハンドルに車両乗員が触れた場合,車両に乗員が接近したことが検知された場合に、携帯機22の応答を要求する送信信号(以下、照合用リクエスト信号と称す)として、ドアアンロックを示す制御コードを含む信号を暗号化し変調して車外用送信アンテナ24から送信する。
【0036】
かかる状況下、ドアアウタハンドル近傍の車外用送信アンテナ24の通信可能領域に携帯機22が存在すると、その携帯機22は、車載機20からの照合用リクエスト信号を受信アンテナ40で受信し解読した後、それに応答してレスポンスコードと携帯第1メモリ部に記憶されている第1の識別コードとを含む信号(以下、照合用レスポンス信号と称す)を暗号化し変調して送信アンテナ42から送信する。車載機20は、車外用送信アンテナ24から照合用リクエスト信号を送信した後に携帯機22からの照合用レスポンス信号を受信アンテナ28で受信した場合、そのレスポンス信号を解読し、その信号に含まれる第1の識別コードが車載第1メモリ部34に記憶されているID識別コードに一致するか否かを判別する車室外照合を行う。
【0037】
車載機20は、車両駐車時に車両ドアが施錠されている状況下、上記した車室外照合の結果として両識別コードが一致する場合には、正規の携帯機22を携帯する車両乗員が自己の車両に乗車しようとしているとして、車両ドアを施錠状態から解錠状態へ移行させるためのスタンバイモードとなる。そして、かかる状態で車両ドアのアウタハンドルに車両乗員が触れると、車載機20は、ドアロック部を制御することにより車両ドアの施錠状態を解除し、そのドアを解錠する。一方、上記した車室外照合の結果として両識別コードが一致しない場合には、車両ドアの施錠状態を維持する。
【0038】
尚、車載機20が車外用送信アンテナ24から照合用リクエスト信号を送信した状況下において、その車外用送信アンテナ24の通信可能領域内に携帯機22が存在しないこと等に起因して、携帯機22から車載機20へ照合用レスポンス信号が返送されない場合には、車載機20は、車両ドアを施錠状態に維持し、解錠させることはない。
【0039】
また、車両ドアが解錠された後、車両ドアが開閉されると、車載機20は、携帯機22の応答を要求する照合用リクエスト信号として、ステアリングロック解除およびエンジン始動を示す制御コードを含む信号を暗号化し変調して車内用送信アンテナ26から送信する。かかる状況下、車室内に携帯機22が存在すると、その携帯機22は、車載機20からの照合用リクエスト信号を受信アンテナ40で受信し解読した後、それに応答してレスポンスコードと携帯第1メモリ部に記憶されている第1の識別コードとを含む照合用レスポンス信号を暗号化し変調して送信アンテナ42から送信する。車載機20は、車内用送信アンテナ26から照合用リクエスト信号を送信した後に携帯機22からの照合用レスポンス信号を受信アンテナ28で受信した場合、そのレスポンス信号を解読し、その信号に含まれる第1の識別コードが車載第1メモリ部34に記憶されているID識別コードに一致するか否かを判別する車室内照合を行う。
【0040】
車載機20は、車両駐車時に車両ドアが解錠された後、エンジンが駆動していない状況下、上記した車室内照合の結果として両識別コードが一致する場合には、正規の携帯機22を携帯する運転者が自己の車両に乗車したとして、ステアリングロックを解除させかつエンジンを始動させるためのスタンバイモードとなる。そして、かかる状態でイグニションスイッチ38がオン操作されると、車載機20は、ステアリングロック部及びイモビライザ部を制御することによりステアリングホイールの回転禁止を解除し、エンジンへの燃料供給禁止およびイグニション禁止を解除すると共に、その後、エンジン制御部を制御することによりスタータモータを駆動しエンジンを始動させる。一方、車室内照合用のリクエスト信号を送信した後に携帯機22からの照合用レスポンス信号を受信しない場合、及び、携帯機22からの照合用レスポンス信号を受信しても上記した車室内照合の結果として両識別コードが一致しない場合には、ステアリングロック解除およびエンジン始動をスタンバイ状態に移行させることはなく、エンジンが始動されることはない。
【0041】
このように、本実施例において、車載機20は、車両ドアが施錠されている状況下、車外用送信アンテナ24から照合用リクエスト信号を送信した後に携帯機22の送信する照合用レスポンス信号の有無及びその信号に含まれる第1の識別コードの内容に基づいて車両ドアを解錠させる制御を実行すると共に、車両ドアが解錠された後エンジンが駆動していない状況下、車内用送信アンテナ26から照合用リクエスト信号を送信した後に携帯機22の送信する照合用レスポンス信号の有無及びその信号に含まれる第1の識別コードの内容に基づいてエンジンを始動させる制御を実行する。従って、本実施例のシステムによれば、車両乗員が車両に乗車する際に、車載機20と携帯機22との双方向通信により、車両乗員が車両キーを手に持つことなく、車両ドアを非接触で遠隔的に解錠することができると共に、エンジンを始動させることができる。
【0042】
また、エンジンが駆動している状況下においてイグニションスイッチ38がオフ操作されると、車載機20は、エンジン制御部を制御することによりエンジンの駆動を停止させる。そして、エンジンの駆動が停止された後に、車両ドアが開閉されかつドアアウタハンドル付近に設けられた図示しないロックスイッチがオン操作されると、車載機20は、携帯機22の応答を要求する照合用リクエスト信号として、ドアロックを示す制御コードを含む信号を暗号化し変調して車外用送信アンテナ24および車内用送信アンテナ26から送信する。携帯機22は、車載機20からの照合用リクエスト信号を受信アンテナ40で受信し解読した後、それに応答してレスポンスコードと携帯第1メモリ部に記憶されている第1の識別コードとを含む照合用レスポンス信号を暗号化し変調して送信アンテナ42から送信する。
【0043】
車載機20は、車両ドアが解錠されている状況下、車外用送信アンテナ24及び車内用送信アンテナ26から照合用リクエスト信号を送信した後に携帯機22からの照合用レスポンス信号を受信アンテナ28で受信した場合、そのレスポンス信号を解読し、その信号に含まれる第1の識別コードが車載第1メモリ部34に記憶されているID識別コードに一致するか否かを判別する車室外照合および車室内照合を行う。
【0044】
そして、車室外照合の結果として両識別コードが一致する場合には、正規の携帯機22を携帯する車両乗員が自己の車両から降車しようとしているとして、ドアロック部52を制御することにより車両ドアの解錠状態を解除し、車両ドアを施錠する。一方、携帯機22から送信されるべき照合用レスポンス信号を受信しない場合、携帯機22からの照合用レスポンス信号を受信しても上記した車室外照合の結果として両識別コードが一致しない場合、及び、車室内照合の結果として両識別コードが一致することにより携帯機22が車室内に存在すると判断される場合には、車両ドアの解錠状態を維持する。
【0045】
このように、本実施例において、車載機20は、車両ドアが解錠されている状況下、車外用送信アンテナ26から照合用リクエスト信号を送信した後に携帯機22の送信する照合用レスポンス信号の有無及びその信号に含まれる第1の識別コードの内容に基づいて車両ドアを施錠させる制御を実行する。従って、本実施例のシステムによれば、車両乗員が車両から離れる際に、車載機20と携帯機22との双方向通信により、車両乗員が車両キーを手に持つことなく車両ドアを非接触で遠隔的に施錠することができる。
【0046】
図3は、本実施例において車両に搭載される車載機20と通信を行うインフラ装置の構成図を示す。また、図4は、本実施例においてインフラ装置と車両とが通信している際の位置関係を模式的に表した図を示す。本実施例のシステムは、車載機20と通信を行うインフラ装置50を備えている。すなわち、車載機20は、携帯機22との双方向通信に用いている通信機器を用いて、その通信に支障をきたさないタイミングで、具体的には、携帯機22との通信はエンジン停止中に行われるのでエンジン駆動中にインフラ装置50と通信を行う。インフラ装置50は、例えば車両駐車場や有料道路の入退場ゲート等に設けられており、車載機20との通信により、車両の駐車場への入場および駐車場からの退場を許可・禁止する制御を行い、或いは、接続するホストコンピュータに有料道路や有料駐車場の精算を行わせるための信号の送受信を行う。
【0047】
図3に示す如く、インフラ装置50は、制御部52を備えており、制御部52により制御される。インフラ装置50は、また、道路に設置された車両検知センサ54を備えている。車両検知センサ54は、駐車場等の入退場ゲートに接近する車両の有無に応じた信号を出力する。車両検知センサ54は、制御部52に接続する車両検知部56に接続されている。車両検知部56は、車両検知センサ54の出力信号に基づいて入退場ゲートに車両が接近したか否かを検知する。
【0048】
インフラ装置50は、送信アンテナ58及び受信アンテナ60を有している。送信アンテナ58は、その配設位置から、車両検知センサ54を用いて検知される入退場ゲートに接近する車両の位置が含まれる例えば半径5〜10m程度の通信可能領域を有している。また、受信アンテナ60は、その周辺から送信される車載機20の送信信号を受信する。送信アンテナ58は送信部62を介して、また、受信アンテナ60は受信部64を介して、それぞれ制御部52に接続されている。送信部62は、制御部52から供給されたデータを、携帯機22の送信部46と同様の周波数の信号に変調して送信アンテナ58から出力する。また、受信部64は、受信アンテナ60に受信された車載機20からの信号を2値化データに復調し、制御部52に供給する。
【0049】
制御部52には、直接に或いはホストコンピュータを介してメモリ部(図示しない)が接続されている。このメモリ部には、駐車場等への入場が許可されている車両乗員に関するID識別コードが予め記憶されており、或いは、有料道路や有料駐車場へ進入した車両に乗車する車両乗員に関するID識別コードが記憶される。このID識別コードは、携帯機22の携帯第1メモリ部や車載機20の車載第1メモリ部34に記憶されている車両に関するID識別コードとは異なる一方、携帯機22の携帯第2メモリ部に記憶されている携帯機22の所有者に関するID識別コードと同一のコードである。制御部52は、このメモリ部に記憶されているID識別コードを用いて車両の入退場制御を行う。
【0050】
次に、本実施例のシステムにおける、インフラ装置50が契約駐車場の入場ゲートに設置された場合の、車載機20とインフラ装置50との通信を実現するための動作について説明する。この場合、インフラ装置50の有するメモリ部には、契約駐車場への入場が許可されている車両乗員に関するID識別コードが予め記憶されている。
【0051】
本実施例のシステムにおいて、車載機20は、上記の如く、車両駐車時に車両ドアが解錠された後、エンジンが駆動していない状況下、車室内照合が完了すると、ステアリングロックを解除させかつエンジンを始動させるためのスタンバイモードとなる。車載機20がかかるスタンバイモードへ移行する前には、車載機20の有する車載第2メモリ部36に何らコードは記憶されていない。
【0052】
そして、上記したスタンバイモードが実現されると、その後、車載機20は、携帯機22の応答を要求するリクエスト信号として、携帯機22に対して携帯第2メモリ部に記憶されている第2の識別コードの送信を要求する制御コードを含む信号を暗号化し変調して車内用送信アンテナ26から送信する。携帯機22は、車載機20からの第2の識別コードの送信を要求するリクエスト信号を受信アンテナ40で受信した場合、その信号を解読した後に、それに応答してレスポンスコードと自己の携帯第2メモリ部に記憶されている第2の識別コードとを含むレスポンス信号を暗号化し変調して送信アンテナ42から送信する。
【0053】
車載機20は、車内用送信アンテナ26から携帯機22に対して第2の識別コードの送信を要求するリクエスト信号を送信した後に携帯機22からのレスポンス信号を受信アンテナ28で受信した場合、そのレスポンス信号を解読した後に、その信号に含まれる第2の識別コードを自己の車載第2メモリ部36に記憶する。尚、車載機20は、携帯機22に対して第2の識別コードの送信を要求するリクエスト信号を送信した後に、車載第1メモリ部34に記憶されているID識別コードに対応する携帯機22であるか否かに関係なく複数の携帯機22からのレスポンス信号をそれぞれ受信した場合には、それらの各レスポンス信号を解読した後に、それらの信号に含まれる第2の識別コードをすべて車載第2メモリ部36に記憶する。
【0054】
このように、本実施例のシステムにおいては、車両駐車中に車両ドアが解錠されかつエンジンの始動が許可された後に、車載機20と携帯機22との双方向通信により、車載機20の車載第2メモリ部36に、車室内に存在するすべての携帯機22の第2の識別コードを記憶させることができる。
【0055】
また、本実施例のシステムにおいて、インフラ装置50は、車両検知センサ54を用いて契約駐車場に入場する車両を検知した場合、その後、その車両に搭載されている車載機20の応答を要求する送信信号(以下、インフラリクエスト信号と称す)として、車載機20に対して車載第2メモリ部36に記憶されている第2の識別コードの送信を要求する制御コードを含む信号を暗号化し変調して送信アンテナ58から送信する。
【0056】
車載機20は、インフラ装置50からのインフラリクエスト信号を受信アンテナ28で受信した場合、その信号を解読した後に、それに応答してレスポンスコードと自己の車載第2メモリ部36に記憶されている第2の識別コードとを含む信号(以下、インフラレスポンス信号と称す)を暗号化し変調して車外用送信アンテナ24から送信する。尚、車載第2メモリ部36に複数の第2の識別コードが記憶されている場合には、車載機20は、順番にすべての第2の識別コードを車外用送信アンテナ24から送信する。
【0057】
インフラ装置50は、送信アンテナ58からインフラリクエスト信号を送信した後に車載機20からのインフラレスポンス信号を受信アンテナ60で受信した場合、そのインフラレスポンス信号を解読し、その信号に含まれる第2の識別コードと同一の識別コードが自己のメモリ部に記憶されているか否かを判別する。かかる判別の結果、第2の識別コードと同一の識別コードがメモリ部に記憶されている場合には、入場ゲートに接近した車両に契約駐車場への入場が許可されている車両乗員が乗車しているとして、その車両の契約駐車場への入場を許可する。一方、第2の識別コードと同一の識別コードがメモリ部に記憶されていない場合には、入場ゲートに接近した車両に契約駐車場への入場が許可されている車両乗員が乗車していないとして、また、インフラリクエスト信号を送信した後に車載機22からのインフラレスポンス信号を受信しない場合には、入場ゲートに接近した車両に車載機20が搭載されていないとして、車載機20との通信を用いたその車両の契約駐車場への入場を禁止する。尚、この際、必要に応じて車両乗員の手動操作に従ってその車両の入場を許可することとしてもよい。
【0058】
この点、本実施例のシステムにおいては、インフラ装置50が契約駐車場の入場ゲートに設置されている場合、そのインフラ装置50に予め入場を許可する車両乗員に関するID識別コードを記憶させることとすれば、インフラ装置50と車両に搭載された車載機20との双方向通信により車両の入場を制御することが可能となる。かかる構成においては、車両乗員が車両を契約駐車場に駐車させる際に入場ゲートで窓を開けてインフラ装置50に対して入場用カード等を挿入する等の手動操作を行う必要がないので、駐車場入場時における車両乗員の手間を省くことができ、利便性の向上を図ることが可能となっている。
【0059】
また、インフラ装置50と車載機20との双方向通信が行われる際、車載機20からインフラ装置50へのインフラレスポンス信号の送信は、インフラ装置50が車両検知センサ54を用いて車両を検知した後に車載機20へ向けて送信するインフラリクエスト信号に応答して行われる。かかる構成においては、車載機20がインフラ装置50へインフラレスポンス信号を送信するうえで車両乗員による操作が不要であるので、この点でも、駐車場入場時における車両乗員の手間を省くことができ、利便性の向上を図ることが可能となっている。
【0060】
また、本実施例のシステムにおける、インフラ装置50が有料駐車場や有料道路の入退場ゲートに設置された場合の、車載機20とインフラ装置50との通信を実現するための動作について説明する。この場合、インフラ装置50側のメモリ部には、車両がゲートに接近した際に、その車両に乗車する車両乗員に関するID識別コードが記憶される。
【0061】
かかる場合においても、車両駐車中に車両ドアが解錠されかつエンジンの始動が許可された後に、車載機20と携帯機22との双方向通信により、車載機20の車載第2メモリ部36に車室内に存在する携帯機22の第2の識別コードが記憶される。
【0062】
インフラ装置50は、車両検知センサ54を用いて有料駐車場や有料道路に入退場する車両を検知した場合、その後、その車両の車載機20の応答を要求するインフラリクエスト信号として、車載機20に対して車載第2メモリ部36に記憶されている第2の識別コードの送信を要求する制御コードを含む信号を暗号化し変調して送信アンテナ58から送信する。車載機20は、インフラ装置50からのインフラリクエスト信号を受信アンテナ28で受信した場合、その信号を解読した後に、それに応答してレスポンスコードと自己の車載第2メモリ部36に記憶されている第2の識別コードとを含むインフラレスポンス信号を暗号化し変調して車外用送信アンテナ24から送信する。
【0063】
入場ゲートに設置されたインフラ装置50は、送信アンテナ58からインフラリクエスト信号を送信した後に車載機20からのインフラレスポンス信号を受信アンテナ60で受信した場合、そのインフラレスポンス信号を解読し、その信号に含まれる第2の識別コードをその受信時刻又は入場ゲート情報と共にホストコンピュータに送信する。ホストコンピュータは、インフラ装置50から送信された情報をメモリ部に記憶する。
【0064】
また、退場ゲートに設置されたインフラ装置50は、送信アンテナ58からインフラリクエスト信号を送信した後に車載機20からのインフラレスポンス信号を受信アンテナ60で受信した場合、そのインフラレスポンス信号を解読し、その信号に含まれる第2の識別コードと同一の識別コードがホストコンピュータのメモリ部に記憶されているか否かを判別する。かかる判別の結果、第2の識別コードと同一の識別コードがメモリ部に記憶されている場合には、車両が有料駐車場や有料道路から退場しようとしているとして、その第2の識別コードに対応して登録されている車両乗員の例えばクレジット番号や口座番号等から駐車料金又は通行料を精算した上で、その車両の退場を許可する。かかる処理が行われると、インフラ装置50は、ホストコンピュータのメモリ部から当該車両乗員に関する第2の識別コードを消去する。
【0065】
この点、本実施例のシステムにおいては、インフラ装置50が有料駐車場や有料道路等の入退場ゲートに設置されている場合、入場ゲート側のインフラ装置50と退場ゲート側のインフラ装置50とをホストコンピュータを介して接続することにより、インフラ装置50と車載機20との双方向通信により車両の入退場を制御することが可能となる。かかる構成においても、車両乗員が車両を有料駐車場に駐車させる際或いは有料道路で走行させた後に入退場ゲートで窓を開けてインフラ装置50に対して手動操作を行う必要がないので、車両乗員の手間を省くことができ、利便性の向上を図ることが可能となっている。また、車載機20がインフラ装置50へインフラレスポンス信号を送信するうえで車両乗員による操作が不要であるので、入退場時における車両乗員の手間を省くことができ、利便性の向上を図ることが可能となっている。
【0066】
このように、本実施例のシステムにおいて、車載機20とインフラ装置50とは、その車載機20を搭載する車両がインフラ装置50に接近した際に、車両乗員の操作を伴うことなく双方向の無線通信を行う。この際、車載機20は、携帯機22と通信を行う際に用いる車外用送信アンテナ24及び受信アンテナ28を用いてインフラ装置50と通信を行う。すなわち、車載機20は、携帯機22との通信に用いる通信機器と、インフラ装置50との通信に用いる通信機器とを兼用している。このため、本実施例の車載機20の構成によれば、両通信機器を別個独立に設ける構成と比較して、通信機器が削減されるので、車載機器の構成の簡素化が図られており、その結果として、車載機20の省スペース化及びローコスト化が図られている。
【0067】
尚、本実施例のシステムにおいて、車両ドアの施解錠制御やエンジンの始動許可制御を行うべく車載機20と携帯機22との通信において用いられる識別コードは、車載機20と携帯機22との間で予めペアリングされて記憶された第1の識別コードである。これに対し、車載機20とインフラ装置50との通信において用いられる識別コードは、上記した第1の識別コードとは全く異なる、携帯機22の所有者に関する第2の識別コードである。すなわち、車載機20は、上記の如く、携帯機22との通信に用いる通信機器と、インフラ装置50との通信に用いる通信機器とを兼用する一方で、インフラ装置50との間で第2の識別コードに応じた通信を行い、それらの各通信に用いる識別コードを互いに異なるものとしている。
【0068】
車載機20と携帯機22との通信は、車両制御としての車両ドア施解錠制御やエンジン始動許可制御を行うために実行されるので、その通信に用いる第1の識別コードには高いセキュリティ性(秘匿性)が要求される。この点、本実施例のシステムの如く、車載機20が携帯機22と通信を行う際に用いる第1の識別コードと、車載機20がインフラ装置50と通信を行う際に用いる第2の識別コードとが全く異なる構成においては、高いセキュリティ性が要求される第1の識別コードがインフラ装置50側に公開されることがないので、不意に車両ドアが解錠され或いはエンジンが始動される事態が防止され、車両に関し高いセキュリティ性が確保される。従って、本実施例のシステムによれば、携帯機22との通信により車室外照合および車室内照合を行う車載機20の通信機器を、車両のセキュリティ性を損なうことなくインフラ装置50との通信にも利用することが可能となっている。
【0069】
また、本実施例のシステムにおいて、車載機20の車載第2メモリ部36には、その車載機20と携帯機22との双方向通信により、車載第1メモリ部34に記憶されている識別コードに対応する携帯機22であるか否かに関係なく、車室内に存在するすべての携帯機22の第2の識別コードが格納される。すなわち、車載第1メモリ部34に予め記憶されている識別コードに対応しない携帯機22の第2の識別コードが格納可能である。そして、車載第2メモリ部36に記憶された第2の識別コードは、車載機20がインフラ装置50と通信を行う際にインフラレスポンス信号としてインフラ装置50に送信され、インフラ装置50の入退場制御に用いられる。
【0070】
かかる構成においては、インフラ装置50の入退場制御が、車両の如何に関係なく、入退場する車両の乗員が携帯する携帯機22の有する第2の識別コードに従って行われる。このため、例えば車両乗員が、インフラ装置50が設置された契約駐車場に車両を入場させる際、そのインフラ装置50側に記憶された識別コードと同一の第2の識別コードを有する携帯機22を携帯していれば、その車両がその携帯機22とペアリングされている車載機20を搭載する車両でなくても、その車両は、インフラ装置50の設置された契約駐車場に入場することができる。
【0071】
この点、本実施例のシステムにおいては、インフラ装置50側のメモリ部に記憶されることにより対応契約駐車場への車両駐車が許可されている利用者が、自己の携帯機22を携帯しているにもかかわらず例えば他人から借りた車両を運転していることに起因してその契約駐車場を利用できなくなるという不都合を回避することができる。
【0072】
また、本実施例のシステムにおいて、車載機20は、所定のタイミングで携帯機22に対して第2の識別コードの送信を要求すると共に、携帯機22は、車載機20からのリクエスト信号に応答して携帯第2メモリ部に記憶されている第2の識別コードを含むレスポンス信号を車載機20へ向けて送信する。この場合には、かかるレスポンス信号に携帯第1メモリ部に記憶されている第1の識別コードは含まれず、携帯機22から車載機20へ第1の識別コードが送信されることはない。このため、車載機20と携帯機22とが対応しないペアリングである場合にも、その携帯機22からその対応しない車載機20へセキュリティ性が要求される第1の識別コードは送信されないので、車両ドア施解錠制御やエンジン始動許可制御に利用される第1の識別コードに関し高いセキュリティ性が確保されることとなる。
【0073】
尚、上記のシステムにおいては、車載機20が携帯機22に対して第2の識別コードの送信を要求するリクエスト信号を送信すると、車室内に存在するすべての携帯機22がそのリクエスト信号に応答して第2の識別コードを含むレスポンス信号を車載機20に向けて送信し、これにより、車載機20の車載第2メモリ部36に、車室内に存在するすべての携帯機22の第2の識別コードが格納されることとなるが、携帯機22に、車載機20からのリクエスト信号に対して第2の識別コードを含むレスポンス信号を送信しない機能を持たせることとしてもよい。具体的には、携帯機22に利用者が操作可能な第2の識別コードを含むレスポンス信号の送信を許可・禁止する切替スイッチを設け、その切替スイッチにより第2の識別コードを含むレスポンス信号の送信が許可されている場合には車載機20のリクエスト信号に応答してそのレスポンス信号を車載機20に向けて送信する一方、切替スイッチによりレスポンス信号の送信が禁止されている場合には車載機20のリクエスト信号を受信してもレスポンス信号の送信を行わない。
【0074】
かかる構成によれば、切替スイッチの操作に従って第2の識別コードを含むレスポンス信号を送信するか否かが設定されるため、携帯機22の利用者の意思に応じて携帯機22から車載機20への第2の識別コードの供給がなされ、不必要に携帯機22から車載機20へ第2の識別コードを含むレスポンス信号が送信されるのを防止することができる。また、かかる構成によれば、携帯機22による第2の識別コードを含むレスポンス信号の送信が車載機20からのリクエスト信号に応答して常に行われるものではないため、レスポンス信号の送信に起因する携帯機22における電力消費を軽減することができる。
【0075】
この場合、上記した切替スイッチを携帯機22に専用に設けることとしてもよいし、また、切替スイッチの機能を、携帯機22に手動式の車両ドア施解錠スイッチが設けられている場合にはそのスイッチを所定の順序或いは同時に操作することにより実現することとしてもよい。更に、携帯機22の表面には上記した切替スイッチを設けず、その携帯機22における切替スイッチの機能を、車両販売店等に設置された専用端末を用いて実現することとしてもよい。
【0076】
ところで、携帯機22から車載機20へ送られた第2の識別コードは車載第2メモリ部36に記憶されるが、その記憶がそのまま消去されずに維持されるものとすると、不都合が生ずる。すなわち、例えばある契約駐車場への車両駐車が許可されている利用者(A者)が、他人(B者)から借りた車両の車載機20と自己(A者)の携帯機22との双方向通信によりその車両の契約駐車場への進入を許可された後に、A者についての第2の識別コードがB者の所有する車両の車載機20に記憶された状態でその車両がA者からB者へ返却されるものとすると、その後、B者がその返却された車両を運転すれば、A者の携帯機22を携帯することなくA者に対して車両駐車が許可されている契約駐車場への進入を許可される事態が生じてしまう。
【0077】
そこで、本実施例においては、かかる不都合を解決すべく、車載機20の車載第2メモリ部36に記憶された第2の識別コードを所定のタイミングでその車載第2メモリ部36から消去することとしている。具体的には、かかる第2の識別コードの消去は、イグニションスイッチ38のオフ操作によりエンジンの駆動が停止された場合、又は、車両ドアが開閉されたことにより車両乗員が降車したと判断される場合に行われる。この場合には、車載機20の車載第2メモリ部36に第2の識別コードが記憶されている期間が、車両ドアが解錠されかつエンジンの始動が許可された後、そのエンジンの駆動が停止され又は車両ドアが開閉されるまでに制限される。
【0078】
このため、上記の例で言えば、A者がB者へ借りていた車両を返却した際に、エンジン停止又は降車によりA者についての第2の識別コードがB者の所有する車両の車載機20の車載第2メモリ部36から消去されるので、B者がその返却された車両を運転することによりA者の携帯機22を携帯することなくA者に対して車両駐車が許可されている契約駐車場への進入を許可される不都合の発生を防止することができる。また、車載機20の車載第2メモリ部36に一旦記憶された第2の識別コードがエンジン停止又は降車によりその車載第2メモリ部36から消去されるので、例えば有料駐車場や有料道路に進入した車両がパーキングエリア等で駐車された後に盗難された場合にも、その車両の有料駐車場又は有料道路からの退場を禁止することができる。
【0079】
また、この場合、車載機20の車載第2メモリ部36からの第2の識別コードの消去は、上記の如く、イグニションスイッチ38のオフ操作によりエンジンの駆動が停止された場合、又は、車両ドアが開閉されたことにより車両乗員が降車したと判断される場合に行われるので、その消去を実現するための専用のスイッチを設けることは不要である。このため、本実施例のシステムによれば、専用スイッチの設定によるコストの上昇を招くことはなく、また、第2の識別コードの消去し忘れを招くことはない。
【0080】
尚、上記のシステムにおいて、車載機20は、インフラ装置50からのインフラリクエスト信号に応答して第2の識別コードを含むインフラレスポンス信号を、4つの車外用送信アンテナ24-1〜24-4から送信することとしているが、この際、4つの車外用送信アンテナ24-1〜24-4の何れのアンテナ24からインフラレスポンス信号を送信するか否かを切り替えることができるように設定することとしてもよい。
【0081】
何れの車外用送信アンテナ24-1〜24-4からでもインフラレスポンス信号を送信することは可能であるが、すべての車外用送信アンテナ24-1〜24-4からインフラレスポンス信号を送信するものとすると、車外用送信アンテナ24-1〜24-4はそれぞれ図2に示す如き通信可能領域e1,e2,e3,e4を有しているため、その通信可能領域が比較的大きくなってしまう。これに対して、インフラレスポンス信号を送信する車外用送信アンテナ24を制限することとすれば、車載機20とインフラ装置50との通信可能領域が制限され、その領域の増大が防止される。また、通常、インフラ装置50は、入退場ゲートの運転席側に設置されていることが多いため、車両の運転席側の車外用送信アンテナ24のみ(更に、運転席側フロントの車外用送信アンテナ24のみでもよい)をインフラレスポンス信号を送信するためのアンテナとして設定することとしても、何ら通信不良等の不都合は生じない。
【0082】
従って、インフラレスポンス信号を送信する際に自動的に運転席側の車外用送信アンテナ24のみを用いる一方、他の車外用送信アンテナ24を用いないこととすれば、又は、車載機20に車両乗員の操作可能な切替スイッチを設け、この切替スイッチにより送信が許可されている車外用送信アンテナ24のみを用いる一方、切替スイッチにより送信が禁止されている車外用送信アンテナ24を用いないこととすれば、通信不良を招くことなく車載機20とインフラ装置50との通信可能領域を制限することができる。
【0083】
また、この場合、インフラ装置50が車載機20に対して送信するインフラリクエスト信号に、車載機20が何れの車外用送信アンテナ24-1〜24-4からインフラレスポンス信号を送信すべきかを指示するコマンドを含めることとし、車載機20がインフラ装置50からのインフラリクエスト信号に応答してインフラレスポンス信号を送信する際に、そのインフラリクエスト信号中の上記指示コマンドに従った車外用送信アンテナ24のみを用いることとし、他の車外用送信アンテナ24を用いないこととしてもよい。かかる構成においては、インフラ装置50側がインフラレスポンス信号を送信すべき車載機20の車外用送信アンテナ24を指定できるため、インフラ装置50の入退場ゲートに対する設置場所の制約を緩和させることができると共に、インフラレスポンス信号を送信するための車外用送信アンテナ24を切り替えるうえで車両乗員の操作を不要とすることができる。
【0084】
図5は、車載第2メモリ部36における第2の識別コードの記憶を制御すべく、本実施例の車載機20において車載ECU30が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図5に示すルーチンは、その処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図5に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0085】
ステップ100では、車両駐車時に車室外照合の完了により車両ドアが解錠され、かつ、車室内照合の完了によりステアリングロック解除およびエンジン始動のためのスタンバイモードが実現されたか否かが判別される。本ステップ100の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0086】
ステップ102では、車室内に存在する携帯機22に対して車内用送信アンテナ26から、携帯機22の携帯第2メモリ部に記憶されている第2の識別コードの送信を要求するリクエスト信号を送信する処理が実行される。本ステップ102の処理が実行されると、以後、そのリクエスト信号を受信した携帯機22は、携帯第2メモリ部に記憶されている第2の識別コードを該車載機20に向けて送信する処理を実行する。
【0087】
ステップ104では、携帯機22からの第2の識別コードを含むレスポンス信号を受信アンテナ28で受信したか否かが判別される。本ステップ104の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ106の処理が実行される。そして、ステップ106では、受信アンテナ28で受信したレスポンス信号に含まれる第2の識別コードを車載第2メモリ部36に記憶する処理が実行される。
【0088】
ステップ108では、イグニションスイッチ38の操作状態に基づいてエンジンの駆動が停止されたか否か、或いは、車両ドアが開閉されたか否かに基づいて車両乗員が降車したか否かが判別される。本ステップ108の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ110の処理が実行される。
【0089】
ステップ110では、上記ステップ106の処理に従って第2の識別コードが記憶された車載第2メモリ部36から該第2の識別コードを消去する処理が実行される。本ステップ110の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0090】
上記図5に示すルーチンによれば、車両駐車中に車両ドアが解錠されかつエンジンの始動が許可された後に、車載機20と携帯機22との双方向通信により、車載機20の車載第2メモリ部36に車室内に存在する携帯機22の第2の識別コードを記憶させることができると共に、その後、エンジン停止又は車両乗員の降車によりその車載第2メモリ部36から第2の識別コードを消去することができる。
【0091】
また、図6は、車載第2メモリ部36に第2の識別コードが記憶された後でインフラ装置50との通信を実現すべく、本実施例の車載機20において車載ECU30が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図6に示すルーチンは、その処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図6に示すルーチンが起動されると、まずステップ120の処理が実行される。
【0092】
ステップ120では、インフラ装置50の送信するインフラリクエスト信号を受信アンテナ28で受信したか否かが判別される。本ステップ120の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ122の処理が実行される。
【0093】
ステップ122では、上記図5に示すルーチンの処理により車載第2メモリ部36に記憶された第2の識別コードを含むインフラレスポンス信号を車外用送信アンテナ24から送信する処理が実行される。本ステップ122の処理が実行されると、以後、インフラ装置50においてその車載機20を搭載する車両の入退場の許可・禁止が判断されることとなる。本ステップ122の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0094】
上記図6に示すルーチンによれば、車載機20に、インフラ装置50からの要求に応じて、車載第2メモリ部36に記憶されている第2の識別コードを、携帯機22との通信にも用いている車外用送信アンテナ24から送信させることができる。
【0095】
図7は、契約駐車場への車両の入場を制御すべく、本実施例のインフラ装置50において制御部52が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図7に示すルーチンは、その処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図7に示すルーチンが起動されると、まずステップ150の処理が実行される。
【0096】
ステップ150では、車両検知センサ54を用いて入退場ゲートに接近する車両が存在するか否かが判別される。本ステップ150の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ152の処理が実行される。
【0097】
ステップ152では、車載機20の応答を要求するインフラリクエスト信号を送信アンテナ58から送信する処理が実行される。本ステップ152の処理が実行されると、以後、車載機20においてインフラレスポンス信号の送信処理が行われることとなる。
【0098】
ステップ154では、車載機20からの第2の識別コードを含むインフラレスポンス信号を受信アンテナ60で受信したか否かが判別される。本ステップ154の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ156の処理が実行される。
【0099】
ステップ156では、受信アンテナ60で受信したインフラレスポンス信号に含まれる第2の識別コードと同一の識別コードを自己のメモリ部に記憶しているか否かが判別される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ158の処理が実行される。一方、否定判定がなされた場合は、次にステップ160の処理が実行される。
【0100】
ステップ158では、契約駐車場の入場ゲートに接近した車両の該契約駐車場への入場を許可する処理が実行される。本ステップ158の処理が実行されると、以後、契約駐車場の入場ゲートに設けられたバーが上昇し、車両がその契約駐車場へ入場することが可能となる。また、ステップ160では、契約駐車場の入場ゲートに接近した車両の該契約駐車場への入場を禁止する処理が実行される。本ステップ160の処理が実行された場合は、契約駐車場の入場ゲートに設けられたバーが上昇せず、車両がその契約駐車場へ入場することは依然としてできない。
【0101】
上記ステップ158及び160の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。上記図7に示すルーチンによれば、車両に搭載された車載機20との通信により、契約駐車場への車両の入場を制御することができる。
【0102】
このように、本実施例のシステムにおいては、車載機20が、携帯機22との双方向通信に用いる車外用送信アンテナ24及び受信アンテナ28を用いてインフラ装置50と通信を行い、携帯機22との通信に用いる通信機器とインフラ装置50との通信に用いる通信機器とを兼用とするので、車載機器の簡素化が図られている。また、車載機20とインフラ装置50との通信には、車載機20と携帯機22との間の照合のために用いられる第1の識別コードとは異なる、第2の識別コードが用いられるので、第1の識別コードに関する高いセキュリティ性が確保されている。
【0103】
図8は、本実施例において車両に搭載される車載機20と、その車載機20と通信を行う空気圧検出器との位置関係を模式的に表した図を示す。また、図9は、本実施例の空気圧検出器の構成図を示す。一般に、車両には、図8に示す如く、車体に対して回転可能に支持され、エンジンの動力が伝達されることにより回転する4つのタイヤ70,72,74,76がローテーション可能に設けられている。
【0104】
車両右前に配置されたタイヤ70〜76は上記した車載機20の有する車両右前の車外用送信アンテナ24-1の通信可能領域e1に、車両左前に配置されたタイヤ70〜76は車両左前の車外用送信アンテナ24-2の通信可能領域e2に、車両右後に配置されたタイヤ70〜76は車両右後の車外用送信アンテナ24-3の通信可能領域e3に、車両左後に配置されたタイヤ70〜76は車両左後の車外用送信アンテナ24-4の通信可能領域e4に、それぞれ一対一で対応して配置されている。尚、図8においては、タイヤ70が車両右前に、タイヤ72が車両左前に、タイヤ74が車両右後に、タイヤ76が車両左後に、それぞれ配置された図を示している。
【0105】
本実施例のシステムは、各タイヤ70〜76にそれぞれ内蔵された空気圧検出器80を更に備えている。各空気圧検出器80は、タイヤ70〜76と一体に構成されており、タイヤローテーションが行われてもタイヤ70〜76と共にローテーションされる。各空気圧検出器80は、搭載されたタイヤ70〜76の空気圧に応じた信号を出力し、車載機20の車外用送信アンテナ24-1〜24-4との通信により遠隔的に車載機20にタイヤ空気圧を検出させる。
【0106】
すなわち、車載機20は、携帯機22との双方向通信に用いている通信機器を用いて、その通信に支障をきたさないタイミングで空気圧検出器90と通信を行うことにより、各タイヤ70〜76の空気圧を検出する。そして、その後は、例えば空気圧異常を判定し、車両乗員へ空気圧異常の警告を行う等の所定の処理を実行する。車載機20は、各タイヤ70〜76(すなわち、各空気圧検出器80)の車両に対する装着位置(車両右前,車両左前,車両右後,車両左後)情報を記憶するメモリ部(図示せず)を備えている。
【0107】
空気圧検出器80は、図9に示す如く、空気圧測定部82と、制御部84と、制御部84に送信部86を介して接続する送信アンテナ88と、制御部84にリクエスト受信部90を接続する受信アンテナ92と、自己に対応するタイヤ70〜76の識別コードが格納されているメモリ部94と、を備えている。空気圧測定部82は、タイヤ70〜76の空気圧を測定する。制御部84は、空気圧測定部82の測定信号を所定のテーブルに従って空気圧データに変換する等の処理を実行する。送信部86は、制御部84の変換した空気圧データを、携帯機22の送信部46と同様の周波数の信号に変調して送信アンテナ88から車載機20へ向けて送信する。送信アンテナ88は、例えば半径5m程度の通信可能領域を有している。受信部90は、受信アンテナ92に受信された車載機20からのリクエスト信号を解読した後に制御部84に供給する。
【0108】
次に、本実施例のシステムにおける車載機20と空気圧検出器80との動作について説明する。
【0109】
本実施例のシステムにおいて、車載機20は、上記の如く、車両駐車中に車両ドアが解錠されかつエンジンの始動が許可された後に、携帯機22との双方向通信により車載第2メモリ部36に車室内に存在する携帯機22の第2の識別コードを記憶する。かかる処理が行われると、以後、車載機20の通信機器は、車両ドアが開閉され、その施錠が行われるまで利用されない。一方、タイヤ70〜76の空気圧は車両走行中に検出することが重要であり、車両駐車中に検出する必要性に乏しい。
【0110】
そこで、本実施例のシステムにおいて、車載機20は、車両駐車中に車両ドアが解錠されかつエンジンの始動が許可された後、車載第2メモリ部36に第2の識別コードが記憶された後において、空気圧検出器80の測定結果の送信を要求する制御コードを含むリクエスト信号を暗号化し変調して車外用送信アンテナ24から送信する。この場合、各車外用送信アンテナ24によるリクエスト信号の送信は、混信を防止すべく、例えば車両右前→左前→右後→左後等の所定の順序で行われ、この際、各リクエスト信号には、メモリ部に記憶されているタイヤ装着位置に対応したタイヤ70〜76の識別コードが付加される。
【0111】
空気圧検出器80は、車載機20からの空気圧検出器80の測定結果の送信を要求するリクエスト信号を受信アンテナ92で受信した場合、その信号を解読した後に、まず、そのリクエスト信号に含まれる識別コードがメモリ部94に記憶している自己に対応するタイヤ70〜76の識別コードに一致するか否かを判別する。そして、その判別結果として両識別コードが一致する場合には、空気圧測定部82で測定した結果を空気圧データに変換して送信アンテナ88から送信する。一方、両識別コードが一致しない場合には、空気圧データの送信を行わない。
【0112】
車載機20は、リクエスト信号を送信した後に空気圧検出器80からの空気圧データを受信アンテナ28で受信した場合、その空気圧データに基づいて、そのリクエスト信号により空気圧の測定結果を要求したタイヤ70〜76の空気圧を検出する。車載機20は、一のタイヤ70〜76の空気圧を検出すると、次の空気圧検出器80の測定結果の送信を要求するリクエスト信号を送信することにより、その空気圧検出器80に対応するタイヤ70〜76の空気圧を検出し、以後同様の処理を行うことにより車両が有するタイヤ70〜76すべての空気圧の検出処理を実行する。
【0113】
図10は、タイヤ70〜76の、ローテーションが行われる前後における装着位置を模式的に表した図を示す。例えば、タイヤ70〜76の実際の装着位置が、図10(A)に示す如く、識別コード(00)のタイヤ70が車両右前に、識別コード(01)のタイヤ72が車両左前に、識別コード(10)のタイヤ74が車両右後に、また、識別コード(11)のタイヤ76が車両左後に、それぞれ配置されるように設定されており、かつ、車載機20に記憶されているタイヤ70〜76の装着位置も同様に図10(A)に示す如く設定されている場合においては、車載機24は、まず、車両右前の車外用送信アンテナ24-1から識別コード(00)を付加したリクエスト信号を送信する。
【0114】
車外用送信アンテナ24-1の通信可能領域e1に存在するタイヤ70の空気圧検出器80は、そのリクエスト信号を受信すると、まず、そのリクエスト信号に含まれる識別コードがメモリ部94に記憶している自己に対応するタイヤ70の識別コード(00)に一致するか否かを判別する。この場合には、リクエスト信号に識別コード(00)が含まれているので、タイヤ70の空気圧検出器80は、両識別コードが一致すると判断し、空気圧データを車載機20へ向けて送信する。車載機20は、識別コード(00)を付加したリクエスト信号を送信した後に空気圧検出器80からの空気圧データを受信すると、そのデータに基づいてタイヤ70の空気圧を検出する。以下、同様に、車載機20は、順に識別コード(01),識別コード(10),識別コード(11)を付加したリクエスト信号を送信することによりタイヤ72,74,76の空気圧を検出する。
【0115】
また、タイヤローテーションが行われることによりタイヤ70〜76の実際の装着位置が図10(A)に示す状態から図10(B)に示す状態へ変化する一方、車載機20に記憶されているタイヤ70〜76の装着位置が図10(A)に示す状態に維持されている場合においては、車載機20が車両右前の車外用送信アンテナ24-1から識別コード(00)を付加したリクエスト信号を送信しても、車外用送信アンテナ24-1の通信可能領域e1に存在するタイヤ76の空気圧検出器80がリクエスト信号の識別コード(00)が自己の有する識別コード(11)に一致しないと判断することにより空気圧データを送信しないので、車載機20が車両右前のタイヤ76の空気圧を検出することができない。このように、タイヤ70〜76の装着位置について実際のものと車載機20に記憶されているものとが互い異なると、タイヤ空気圧が検出されないこととなる。
【0116】
そこで、車載機20は、リクエスト信号を車外用送信アンテナ24から送信した後、例えば所定時間内に空気圧検出器80からの空気圧データを受信したか否かを判別する。そして、その空気圧データを受信しない場合には、タイヤローテーションが行われたと判断し、その車外用送信アンテナ24から送信するリクエスト信号に含ませる識別コードを変更し、かかるリクエスト信号をその車外用送信アンテナ24から送信する。かかる処理は、空気圧検出器80からの空気圧データを受信するまで識別コードを変更して行われる。この際、識別コードの変更は、例えばタイヤ70→タイヤ72→タイヤ74→タイヤ76→タイヤ70のサイクルに従って行われるものとすればよい。
【0117】
図10に示す如きタイヤローテーションが行われた場合には、車載機20は、車両右前の車外用送信アンテナ24-1から識別コード(11)を付加したリクエスト信号を送信すれば、その後、車両右前のタイヤ76の空気圧検出器80から空気圧データを受信し、タイヤ76の空気圧を検出できる。また、車両左前の車外用送信アンテナ24-2から識別コード(10)を付加したリクエスト信号を送信すればタイヤ74の空気圧を、車両右後の車外用送信アンテナ24-3から識別コード(01)を付加したリクエスト信号を送信すればタイヤ72の空気圧を、車両左後の車外用送信アンテナ24-4から識別コード(00)を付加したリクエスト信号を送信すればタイヤ70の空気圧を、それぞれ検出できる。
【0118】
車載機20は、メモリ部に記憶されているタイヤ装着位置とタイヤ70〜76の識別コードとの対応関係が実際のものと異なっていた状況下、送信するリクエスト信号に含ませる識別コードの変更によりタイヤ70〜76の空気圧を検出することができた場合、メモリ部に記憶されているタイヤ装着位置とタイヤ70〜76の識別コードとの対応関係を変更する。そして、その後の空気圧検出においては変更後の対応関係を用いて処理を実行する。
【0119】
このように、本実施例のシステムにおいては、車載機20と各タイヤ70〜76に内蔵された空気圧検出器80との通信により、車載機20が、空気圧検出器80で測定したタイヤ70〜76の空気圧をそれぞれ検出することができる。この際、空気圧検出器80は、車載機20が車外用送信アンテナ24から送信したリクエスト信号を受信した場合に、そのリクエスト信号に応答して、自己に対応するタイヤ70〜76の空気圧データを車載機20に向けて送信する。車載機20におけるリクエスト信号の送信は、タイマを用いて所定時間間隔で行われるものではなく、車両駐車中に車載機20と携帯機22との通信により車両ドアが解錠されかつエンジンの始動が許可された後、車載第2メモリ部36に第2の識別コードが記憶された後に行われるものである。
【0120】
従って、本実施例において、空気圧検出器80による空気圧データの送信は、タイヤ70〜76の空気圧を検出する必要性に乏しい車両駐車中において常に行われるものではなく、車載機20の要求に従ったエンジン始動後に行われることとなる。すなわち、空気圧検出器80が空気圧データを送信する時期は車載機20の要求時に制限され、その送信が不必要に行われることはない。このため、本実施例のシステムによれば、空気圧検出器80における電力が不要に消費されるのを回避することができ、その電力消費の軽減を図ることが可能となっている。
【0121】
また、本実施例のシステムにおいては、車載機20が空気圧検出器80で測定したタイヤ70〜76の空気圧を検出するうえで必要な、空気圧検出器80と通信を行う受信アンテナ28及び車外用送信アンテナ24が、携帯機22との通信を行う際に用いる受信アンテナ28及び車外用送信アンテナ24と同一である。すなわち、車載機20が、携帯機22との通信に用いる通信機器と、各空気圧検出器80との通信に用いる通信機器とを兼用している。このため、本実施例の車載機20の構成によれば、両通信機器を別個独立に設ける構成と比較して、通信機器が削減されるので、車載機器の構成の簡素化が図られており、その結果として、車載機20の省スペース化及びローコスト化が図られている。
【0122】
従って、本実施例のシステムによれば、携帯機22との通信により車室外照合を行う車載機20の通信機器を用いて、空気圧検出器80によるタイヤ70〜76の空気圧を遠隔的に検出するシステムが構築されることにより、車載機20の通信機器の簡素化を図りつつ空気圧検出器80における電力消費の軽減を図ることが可能となっている。
【0123】
また、本実施例のシステムにおいて、各タイヤ70〜76の空気圧の検出は、タイヤ装着位置ごとにタイヤ70〜76の識別コードを特定して行われる。具体的には、空気圧を検出すべきタイヤ装着位置ごとに、車載機20がタイヤ70〜76の識別コードを含むリクエスト信号をそのタイヤ装着位置に対応する車外用送信アンテナ24から送信し、空気圧検出器80がそのリクエスト信号に含まれる識別コードを有することにより空気圧データを送信した場合に実現される。各車外用送信アンテナ24-1〜24-4の通信可能領域e1〜e4は、車両右前,車両左前、車両右後,車両左後のタイヤ装着位置と一対一で対応するので、各車外用送信アンテナ24-1〜24-4からのリクエスト信号に応答して空気圧データを送信できる空気圧検出器80は唯一つに限定される。
【0124】
従って、本実施例のシステムによれば、車載機20の車外用送信アンテナ24の通信可能領域とタイヤ装着位置との関係から、車載機20においてタイヤ70〜76の空気圧が検出される際にそのタイヤ70〜76の車両に対する装着位置を正確に特定することができ、装着位置ごとのタイヤ空気圧を検出することが可能となっている。このため、空気圧異常が生じた場合にも、その異常が生じたタイヤ装着位置が正確に特定されることとなる。
【0125】
尚、本実施例のシステムにおいて、車載機20は、空気圧検出器80の測定結果の送信を要求する際、その測定すべきタイヤ70〜76の識別コードを付してリクエスト信号を送信する。また、空気圧検出器80は、受信したリクエスト信号の識別コードが自己に対応するタイヤ70〜76の識別コードに一致した場合に空気圧データを送信する。このため、例え本実施例のシステムを搭載する車両2台が互いに隣接した場合において、一方の車両の車載機20の車外用送信アンテナ24の通信可能領域に他方の車両の何れかのタイヤ70〜76が位置するものとしても、その領域における自車のタイヤ70〜76の識別コードと他車のタイヤ70〜76の識別コードとが一致する可能性は低いため、一方の車両の車載機20から送信されたリクエスト信号に応答して他の車両のタイヤ70〜76に内蔵された空気圧検出器80から空気圧データが送信される可能性は低い。従って、本実施例のシステムによれば、タイヤ空気圧の検出を信頼性よく行うことが可能となっている。
【0126】
また、本実施例のシステムにおいては、タイヤローテーションが行われたことに起因して、車載機20がリクエスト信号の送信に対して空気圧検出器80が空気圧データを送信しなかったためにタイヤ空気圧を検出できなかった場合にも、その後、車載機20が識別コードを順次変更してリクエスト信号を送信するので、その空気圧検出器80に空気圧データを送信させることができ、これにより、装着位置ごとのタイヤ空気圧を検出することができる。この場合には、車載機20のメモリ部に記憶されているタイヤ装着位置とタイヤ70〜76の識別コードとの対応関係が更新される。
【0127】
従って、本実施例によれば、タイヤローテーションが行われても、車載機20がタイヤ70〜76の空気圧を装着位置を正確に特定しつつ検出することができると共に、タイヤ装着位置とタイヤ70〜76の識別コードとの対応関係を更新した後、タイヤ70〜76の空気圧の検出処理を行う際にはその検出を速やかに行うことが可能となっている。
【0128】
また、本実施例のシステムにおいて、各タイヤ70〜76の空気圧の検出は、タイヤ装着位置ごとに行われる。すなわち、一のタイヤ装着位置のタイヤ70〜76の空気圧検出が行われた後、次のタイヤ装着位置のタイヤ70〜76の空気圧検出が行われ、以後同様の処理が行われる。この場合、タイヤ70〜76に内蔵された各空気圧検出器80はそれぞれ、異なる時刻に空気圧データを送信する。このため、本実施例のシステムによれば、車載機20に、空気圧検出器80の送信する各空気圧データのすべてを受信する受信アンテナ28を複数設けることは不要である。車載機20は、唯一つ設けられた単一の受信アンテナ28を有する。従って、本実施例のシステムにおいては、受信アンテナ28の増大が抑制されており、こにより、車載機20の通信機器の簡素化が図られている。
【0129】
尚、上記の実施例においては、車外用送信アンテナ24及び受信アンテナ28が特許請求の範囲に記載した「送受信アンテナ」に、車載第1メモリ部34が特許請求の範囲に記載した「第1の記憶手段」に、インフラ装置50が特許請求の範囲に記載した「車外送受信機」に、車載第2メモリ部36が特許請求の範囲に記載した「第2の記憶手段」に、携帯機22に設けられた切替スイッチが特許請求の範囲に記載した「送信切替手段」に、タイヤ70〜76が特許請求の範囲に記載した「車両タイヤ」に、空気圧検出器80が特許請求の範囲に記載した「検出器」に、それぞれ相当している。
【0130】
また、上記の実施例においては、車載機20の車載ECU30が、携帯機22との双方向通信により車両ドアの施解錠制御及びエンジンの始動許可制御を行うことにより特許請求の範囲に記載した「第1の処理実行手段」が、インフラ装置50側からの要求に応じて該インフラ装置50へ車載第2メモリ部36に記憶されている第2の識別コードを送信することにより特許請求の範囲に記載した「第2の処理実行手段」が、上記図5に示すルーチン中ステップ110の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「コード消去手段」が、インフラレスポンス信号を送信する車外用送信アンテナ24を切り替えることにより特許請求の範囲に記載した「アンテナ切替手段」が、それぞれ実現されている。
【0131】
ところで、上記の実施例においては、携帯機22との通信を行う際に用いられる車載機20の通信機器(車外用送信アンテナ24,車内用送信アンテナ26,受信アンテナ28)が、▲1▼インフラ装置50との通信、及び、▲2▼空気圧検出器80との通信の双方に用いられるが、本発明はこれに限定されるものではなく、▲1▼及び▲2▼の何れか一方にのみ用いられるものとすればよい。
【0132】
また、上記の実施例においては、車載機20の車外用送信アンテナ24及び車内用送信アンテナ26、インフラ装置50の送信アンテナ58、並びに空気圧検出器80の送信アンテナ88がそれぞれ周波数134kHz又は300MHzの信号を送信することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以外の周波数を用いて信号を送信することとしてもよい。
【0133】
更に、上記の実施例においては、車載機20が、空気圧検出器80の測定結果の送信を要求する際、その測定すべきタイヤ70〜76の識別コードを付してリクエスト信号を送信し、また、空気圧検出器80が、受信したリクエスト信号の識別コードが自己に対応するタイヤ70〜76の識別コードに一致した場合に空気圧データを送信することによりタイヤ空気圧が検出されるが、車載機20が、空気圧検出器80の測定結果の送信を要求する際、各車外用送信アンテナ24から車外用送信アンテナ24-1〜24-4ごとに付されたアンテナ識別コードを付してリクエスト信号を送信し、空気圧検出器80が単にそのリクエスト信号に応答して空気圧データを送信することによりタイヤ空気圧を検出することとしてもよい。この場合においても、車載機20の車外用送信アンテナ24の通信可能領域とタイヤ装着位置とが一対一で対応すれば、一の車外用送信アンテナ24からのリクエスト信号の送信に対して一の空気圧検出器80から空気圧データが送信されるので、各タイヤ70〜76の空気圧をタイヤ装着位置を特定して検出することが可能となる。
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、車載機器の構成の簡素化を図るうえで有効な、携帯機との通信に用いる送受信アンテナとインフラ装置との通信に用いる送受信アンテナとの兼用を、携帯機との通信に関するセキュリティ性を損なうことなく実現することができる。
【0134】
請求項2、3、及び9記載の発明によれば、車載機とインフラ装置との間で携帯機の有する第2の識別コードに応じた通信を行わせることができる。
【0135】
請求項4記載の発明によれば、車載機の有する第2の記憶手段に第2の記憶コードが記憶されている期間を制限することができる。
【0136】
請求項5及び11記載の発明によれば、車両乗員の操作を伴うことなく第2の記憶手段に記憶されている第2の記憶コードをインフラ装置に向けて送信することができる。
【0137】
請求項6乃至8記載の発明によれば、車載機とインフラ装置との間の通信を車両周囲のある限定された領域に制限することができ、また、その通信を必要最小限の電力で効果的に行うことができる。
【0138】
請求項10記載の発明によれば、不必要に携帯機から車載機へ第2の識別コードが送信されるのを防止することができ、また、携帯機における電力消費の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車載機と携帯機とを備える車両制御システムの構成図である。
【図2】本実施例の車載機が備える送信アンテナの通信可能領域を模式的に表した図である。
【図3】本実施例の車載機と通信を行う車外送受信機の構成図である。
【図4】本実施例の車載機と車外送受信機との通信を行う状況を模式的に表した図である。
【図5】本実施例の車載機において、第2の記憶手段における第2の識別コードの記憶を制御すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図6】本実施例の車載機において、第2の記憶手段に第2の識別コードが記憶された後で車外送受信機との通信を実現すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】本実施例の車外送受信機において、契約駐車場への車両の入場を制御すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図8】本実施例の車両制御システムにおける車載機と空気圧検出器との位置関係を模式的に表した図である。
【図9】本実施例の車載機と通信を行う空気圧検出器の構成図である。
【図10】車両タイヤの、ローテーションが行われる前後における装着位置を模式的に表した図である。
【符号の説明】
20 車載機
22 携帯機
24 車外用送信アンテナ
26 車内用送信アンテナ
28 受信アンテナ
30 車両用電子制御ユニット(車載ECU)
34 車載第1メモリ部
36 車載第2メモリ部
50 インフラ装置
70〜76 車両タイヤ
80 空気圧検出器
Claims (11)
- 少なくとも携帯機の送信する対応車両に関するID識別コードである第1の識別コードを受信し得る送受信アンテナと、自車両に関するID識別コードである第1の記憶コードを記憶する第1の記憶手段と、前記送受信アンテナに受信された前記第1の識別コードと前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の記憶コードとの照合結果に応じて所定の処理を実行する第1の処理実行手段と、ゲートでの車両の入場又は退場を許可・禁止する制御を行うインフラ装置との通信を前記送受信アンテナを用いて行う第2の処理実行手段と、を備える車両に搭載された車載機の制御装置であって、
前記第1の記憶コードとは異なる、予め入場又は退場を許可する車両乗員に関する第2の記憶コードを記憶する第2の記憶手段を備え、
前記第2の処理実行手段は、前記インフラ装置との通信を行う際に識別コードとして前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の記憶コードを用いることを特徴とする車載機の制御装置。 - 前記第2の記憶手段は、前記携帯機の送信する前記第1の識別コードとは異なる該携帯機の所有者に関する第2の識別コードが前記送受信アンテナに受信された場合に、該第2の識別コードを前記第2の記憶コードとして記憶することを特徴とする請求項1記載の車載機の制御装置。
- 前記第2の記憶手段は、前記送受信アンテナに受信される、予め車載機に登録されていない携帯機の送信する前記第2の識別コードを前記第2の記憶コードとして記憶可能であることを特徴とする請求項2記載の車載機の制御装置。
- 車両のエンジンが停止した場合又は携帯機の所有者が車両から降車した場合に、前記第2の記憶コードが記憶されている前記第2の記憶手段から該第2の記憶コードを消去するコード消去手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の車載機の制御装置。
- 前記第2の処理実行手段は、前記インフラ装置からの要求に応答して前記第2の記憶コードを送信することを特徴とする請求項1記載の車載機の制御装置。
- 前記送受信アンテナが、車両に複数搭載されていると共に、
車載機が前記インフラ装置との通信を行うべき前記送受信アンテナを切り替えるアンテナ切替手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車載機の制御装置。 - 前記アンテナ切替手段は、車両と前記インフラ装置との位置関係に従って前記送受信アンテナの切り替えを行うことを特徴とする請求項6記載の車載機の制御装置。
- 前記アンテナ切替手段は、前記インフラ装置からの要求に従って前記送受信アンテナの切り替えを行うことを特徴とする請求項6記載の車載機の制御装置。
- 対応車両に関するID識別コードである第1の識別コードを有する携帯機と、少なくとも携帯機の送信する前記第1の識別コードを受信し得る送受信アンテナ、自車両に関するID識別コードである第1の記憶コードを記憶する第1の記憶手段、前記送受信アンテナに受信された前記第1の識別コードと前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の記憶コードとの照合結果に応じて所定の処理を実行する第1の処理実行手段、及び、ゲートでの車両の入場又は退場を許可・禁止する制御を行うインフラ装置との通信を前記送受信アンテナを用いて行う第2の処理実行手段を備える車両に搭載された車載機と、を備える車両制御システムであって、
前記携帯機は、前記第1の処理実行手段に前記所定の処理を実行させるための前記第1の識別コードとは異なる、所有者に関する第2の識別コードを更に有し、
前記車載機は、前記携帯機の送信する前記第2の識別コードが前記送受信アンテナに受信された場合に、該第2の識別コードを予め入場又は退場を許可する車両乗員に関する第2の記憶コードとして記憶する第2の記憶手段を更に有すると共に、
前記第2の処理実行手段は、前記インフラ装置との通信を行う際に識別コードとして前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の記憶コードを用いることを特徴とする車両制御システム。 - 前記携帯機は、前記第2の識別コードを送信するか否かを切り替える送信切替手段を備え、該送信切替手段の状態に応じて前記第2の識別コードを送信することを特徴とする請求項9記載の車両制御システム。
- 請求項9記載の車両制御システムの車載機とインフラ装置との間の通信を行う車両用通信システムであって、
前記インフラ装置は、所定の場合に前記車載機に前記第2の記憶コードの送信を要求すると共に、
前記車載機の第2の処理実行手段は、前記インフラ装置からの要求に応答して前記第2の記憶コードを送信することを特徴とする車両用通信システム。
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