JP3947830B2 - 偏平状熱交換管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーエアコン用コンデンサ、カーエアコン用エバポレータ、ルームエアコン用コンデンサ、自動車用オイルクーラ、産業機械用オイルクーラ等の熱交換器に用いられる偏平状熱交換管を製造する方法に関する。
【0002】
この明細書において、図1および図5の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。但し、図13に関する説明については、同図の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近時、たとえばカーエアコン用コンデンサとして、図13に示すように、互いに間隔をおいて左右に平行に配置された一対のヘッダ(31)(32)と、両端がそれぞれ両ヘッダ(31)(32)に接続された並列状の偏平状冷媒流通管(33)(熱交換管)と、隣り合う冷媒流通管(33)の間の通風間隙に配置されるとともに、両冷媒流通管(33)にろう付されたコルレゲート・フィン(34)と、左のヘッダ(31)の周壁上端部に接続された入口管(35)と、右ヘッダ(32)の周壁下端部に接続された出口管(36)と、左ヘッダ(31)の中程より上方位置の内部に設けられた左仕切板(37)と、右ヘッダ(32)の中程より下方位置の内部に設けられた右仕切板(38)とを備えており、入口管(35)と左仕切板(37)間の冷媒流通管(33)の本数、左仕切板(37)と右仕切板(38)間の冷媒流通管(33)の本数、右仕切板(38)と出口管(36)間の冷媒流通管(33)の本数がそれぞれ上から順次減少されて通路群を構成しており、入口管(35)から流入した気相の冷媒が、出口管(36)より液相となって流出するまでに、コンデンサ内を各通路群単位に蛇行状に流れるようになされているいわゆるマルレチフロー型と称されるコンデンサ(特公平3−45300号公報参照)が、従来のサーペンタイン型コンデンサに代わり高性能化、低圧力損失化および超コンパクト化を実現しうるものとして広く使用されてきている。
【0004】
上記コンデンサに用いられる偏平状冷媒流通管は、その内部に高圧ガス冷媒が導入されるため、耐圧性が要求される。この要求にこたえるとともに熱交換効率を高めるために、冷媒流通管には、平らな上下壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびた補強壁を備えたアルミニウム中空押出形材よりなるものが用いられていた。ところで、熱交換効率の向上およびコンデンサのコンパクト化の関係上、偏平状冷媒流通管は薄肉で、かつ高さはできるだけ低い方が望ましい。しかしながら、押出形材製の場合、押出技術上の制約から管高さを低くしかつ薄肉化するには限界があった。
【0005】
そこで、この間題を解決するために、本出願人は、先に、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる連通孔が長さ方向に間隔をおいて複数あけられている偏平状熱交換管であって、板材を圧延することにより形成され、かつ下壁形成部、下壁形成部に上方隆起状に一体成形された左右の両側壁形成部、および下壁形成部に上方隆起状に一体成形されかつ上縁に長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成されている補強壁形成部からなる板状下構成部材と、下面にろう材層を有するブレージングシートからなりかつ下構成部材の両側壁形成部にまたがる上壁形成部を有する板状上構成部材とをろう付することにより製造された偏平状熱交換管を提案した(特開平6−281373号公報参照)。
【0006】
ところが、上記下構成部材は圧延により形成されているので、図14に示すように、下構成部材(40)の補強壁形成部(41)における隣り合う切欠き(42)間の部分(43A)(43B)(43C)の上縁の高さ位置が同一にはならずに異なっていることがあり、その結果上記全ての部分(43A)(43B)(43C)のうち一部の部分(43A)の上縁だけが上構成部材(50)の上壁形成部(51)に接触し、他の部分(43B)(43C)ではその上縁と上壁形成部(51)との間に僅かの隙間が存在することになる。したがって、ろう付時に上記全ての部分(43A)(43B)(43C)のうちその上縁と上壁形成部(51)との間に隙間が存在する部分(43B)(43C)は上構成部材(50)の上壁形成部(51)とろう付されず、上構成部材(50)と下構成部材(40)の補強壁形成部(41)とのろう付強度が不足して要求される耐圧性を満たすことができないという問題がある。
【0007】
そこで、このような間題を解決するために、上構成部材下面のろう材層の厚さを厚くすることが考えられるが、この場合ろう付時にろう材が垂れ、その結果流体通路の横断面積が減少して通路抵抗が大きくなったり、ひどい場合には流体通路が閉鎖されたりするおそれがある。しかも、切欠き、すなわち補強壁に形成される連通孔が閉鎖されたりするおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、上記間題を解決した偏平状熱交換管の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる連通孔が長さ方向に間隔をおいて複数あけられている偏平状熱交換管を、下壁形成部、下壁形成部に上方隆起状に一体成形された左右の両側壁形成部、および下壁形成部に上方隆起状に一体成形されかつ上縁に長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成されている補強壁形成部からなる板状下構成部材と、下面にろう材層を有するブレージングシートからなりかつ下構成部材の両側壁形成部にまたがる上壁形成部を有する板状上構成部材とをろう付することにより製造するにあたり、
上構成部材の上壁形成部下面における各補強壁形成部の上端両隅と対応する部分に、長さ方向に伸びかつ先端部が横断面円弧状となされている一対の凸条を形成しておき、上下両構成部材を上下から力を加えた状態で仮止めした後、両構成部材をろう付することを特徴とするものである。
【0010】
これによれば、上下両構成部材の仮止め時に、上記凸条が補強壁形成部における隣り合う切欠き間の部分に接触することになる。すなわち、上記全ての部分の上縁の高さ位置が種々異なり、これにより上構成部材の上壁形成部下面との間に隙間が存在する部分があったとしても、このような隙間の間隔が凸条の突出高さと等しいか、あるいはこれよりも小さければ、この部分は上構成部材の上壁形成部下面に形成せられた先端部が横断面円弧状となされている一対の凸条に接触し、両凸条にろう付される。したがって、従来の場合に比べて、上下両構成部材どうしのろう付強度が増大する。この発明の偏平状熱交換管の製造方法によれば、上下両構成部材の仮止め時に、上記一対の凸条が補強壁形成部における隣り合う切欠き間の部分に接触することになる。すなわち、上記全ての部分の上縁の高さ位置が種々異なり、これにより上構成部材の上壁形成部下面との間に隙間が存在する部分があったとしても、このような隙間の間隔が凸条の突出高さと等しいか、あるいはこれよりも小さければ、この部分は上構成部材の上壁形成部下面の凸条に接触し、一対の凸条にろう付される。したがって、従来の場合に比べて、上下両構成部材どうしのろう付強度が増大する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の偏平状熱交換管の製造方法において、凸条の突出高さが、10〜200μmであることを特徴とするものである。
【0012】
ここに凸条の突出高さを10〜200μmに限定したのは、補強壁形成部における隣り合う切欠き間の部分の上縁の高さ位置が種々異なることに起因して上構成部材の上壁形成部下面との間に存在する隙間の大きさが10μmよりも小さくなることはなく、10μmよりも低いと、両構成部材の仮止めのさいにも下構成部材の補強壁形成部の上端が凸条に接触しないことがあり、200μmよりも高いと、両構成部材の仮止めが不可能になるおそれがあるからである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1記載の偏平状熱交換管の製造方法において、補強壁形成部の上端両隅および凸条の先端部が、ともに横断面円弧状となされており、両構成部材を仮止めするさいに、各凸条の先端部の斜め横部分が、補強壁形成部の片隅に当たるように、各凸条が位置せしめられていることを特徴とするものである。
【0014】
これにより、両構成部材を上下から力を加えた状態で仮止めしたさい、補強壁形成部の上端部による一対の凸条間の押し広げおよび同上端部両隅の変形の少なくともいずれか一方の現象が生じるため、補強壁形成部と凸条との接触面積が大きくなり、ろう付けが良好となる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の偏平状熱交換管の製造方法において、上構成部材の上壁形成部の左右両側縁部に、下構成部材の両側壁形成部の高さよりも垂下長さが大きくかつ両側壁形成部の外側に重なる垂下壁を一体に形成しておき、垂下壁の下端部を左右方向内方に折曲げて下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に係合させることにより、上下両構成部材を仮止めすることを特徴とするものである。
【0016】
これにより、上下両構成部材を仮止めするための治具等を必要としないし、また、製造された偏平状熱交換管では、左右両側壁が2重構造となるので、この部分の耐圧性が向上する。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4記載の偏平状熱交換管の製造方法において、下壁形成部下面の左右両側縁部に外上向き傾斜面を形成しておき、垂下壁の下端部を外上向き傾斜面に折曲げて重ね、下壁形成部と面一となすことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下の説明において、「アルミニウム」という語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0019】
図1および図2はこの実施形態で製造される偏平状熱交換管を示す。
【0020】
図1および図2において、偏平状熱交換管(A)は、平らな上下壁(1)(2)と、上下壁(1)(2)の左右両側縁にまたがる2重構造の左右両側壁(3)(4)と、左右両側壁(3)(4)間において上下壁(1)(2)にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁(5)とを備え、内部に並列状の流体通路(6)を有するものであり、下壁(2)、左右両側壁(3)(4)および補強壁(5)を構成する坂状アルミニウム製下構成部材(10)と、上壁(1)および左右両側壁(3)(4)を構成する板状アルミニウム製上構成部材(20)とにより形成されたものである。
【0021】
上壁(1)の内面に、長さ方向にのびかつ先端部が横断面円弧状となされている凸条(7)が下方隆起状に一体に形成されている。下壁(2)内面における隣接する補強壁(5)どうしの間の部分には、それぞれ伝熱面積を増大させる目的で、長さ方向に間隔をおいて複数の凸条(8)が上方隆起状に一体に形成されている。補強壁(5)は、下壁(2)に一体に形成された補強壁形成部(11)が上壁(1)内面に接合されて形成されたものである。補強壁(5)の管幅方向におけるピッチは、4mm以下にするのが好ましく、補強壁(5)の高さは、2mm以下にするのが好ましい。また、補強壁(5)には、並列状の流体通路(6)どうしを通じさせる複数の連通孔(9)があけられている。連通孔(9)は、平面から見て千鳥配置となっている。連通孔(9)があけられていると、並列状の流体通路(6)をそれぞれ流通する流体は、連通孔(9)を通じて偏平状熱交換管(A)の幅方向に流れ、すべての流体通路(6)に行き渡って混合され、流体通路(6)間で流体に温度差が生じることはなくなる。したがって、熱交換効率が向上する。各補強壁(5)におけるすべての連通孔(9)の占める割合である開口率は、10〜40%、特に10〜30%の範囲内であることが好ましく、20%程度であることが望ましい。この場合に、連通孔(9)を形成することによる熱交換効率向上効果が顕著なものとなる。連通孔(9)は、補強壁形成部(11)の上縁に所定間隔おきに形成された切欠き(12)が、上壁(1)によりその開放部が塞がれることによって形成されたものである。この場合、複数の補強壁(5)にあけられた連通孔(9)が平面から見て千鳥配置となっているので、偏平状熱交換管(A)の幅方向において、両構成部材(10)(20)どうしの接合部が存在することになり、十分な接合強度が確保される。
【0022】
偏平状熱交換管(A)は、次のようにして製造される。
【0023】
まず、図3および図4に示すような板状アルミニウム製下構成部材(10)と、同じく板状アルミニウム製上構成部材(20)とを圧延により得る。
【0024】
下構成部材(10)は、平らな下壁形成部(13)と、下壁形成部(13)の両側縁に立ち上がり状に一体に形成された両側壁形成部(14)と、下壁形成部(13)の両側壁形成部(14)間に立ち上がり状にかつ相互に所定間隔をおいて一体に形成された長さ方向にのびる複数の補強壁形成部(11)とよりなり、補強壁形成部(11)の上縁にその長さ方向に所定間隔をおいて台形状の切欠き(12)が、平面から見て千鳥配置となるように形成されている。下構成部材(10)の下壁形成部(13)下面における左右両側縁部に、左右方向外方に向かって上方に傾斜した外上向き傾斜面(15)が形成されている。また、下構成部材(10)の両側壁形成部(14)の高さは補強壁形成部(11)と等しくなっている。さらに、下壁形成部(13)の上面に凸条(8)がー体に形成されている。下構成部材(10)は、外面、すなわち下壁形成部(13)の下面および両側壁形成部(14)の外面にろう材層(図示略)を有するアルミニウムブレージングシートからなる。
【0025】
上構成部材(20)は、平らな上壁形成部(21)と、上壁形成部(21)の両側縁に垂下状に一体に形成されかつ下構成部材(10)の両側壁形成部(14)の外側に重なる両垂下壁(22)とよりなる。上構成部材(20)の上壁形成部(21)の幅は下構成部材(10)の幅よりも若干広く、下構成部材(10)に被せられるようになっている。上構成部材(20)の上壁形成部(21)下面には、長さ方向に伸びかつ先端部が横断面円弧状となされている複数の凸条(23)が左右方向に間隔をおきかつ左右両端の所定幅部分を除いて全幅にわたって下方隆起状に一体に形成されている。そして、下構成部材(10)の各補強壁形成部(11)の上端両隅と対応する部分に1対の凸条(23)が存在するようになされている。上壁形成部(21)の下面における補強壁形成部対応部分以外の部分の凸条(23)は伝熱面積増大用凸条となる。上構成部材(20)の両垂下壁(22)の垂下長さは下構成部材(10)の両側壁形成部(14)の高さよりも若干大きくなっている。上構成部材(20)は、両面、すなわち上壁形成部(21)の上下両面、および両垂下壁(22)の内外両面にろう材層(24)を有するアルミニウムブレージングシートからなる。凸条(23)は、上構成部材(20)の圧延時に同時に形成されるので、図8に示すように、凸条(23)部分でのろう材層(24)の厚さは、その他の部分よりも厚くなる。
【0026】
ついで、上下構成部材(20)(10)に脱脂処理を施した後、これらにろう付用フラックスを塗布する。
【0027】
ついで、図4および図5に示すように、上構成部材(20)を下構成部材(10)に嵌め被せた後、上構成部材(20)の両垂下壁(22)における下構成部材(10)の両側壁形成部(14)よりも下方に突出した部分を内方に折り曲げて下構成部材(10)の傾斜面(15)に密着させ、両構成部材(20)(10)を上下から力を加えた状態で仮止めする。このとき、図6〜図8に示すように、補強壁形成部(11)における隣り合う切欠き(12)間の部分(16)の上縁の高さ位置が種々異なることに起因して上構成部材(20)の上壁形成部(21)下面との間に隙間が存在していたとしても、各部分(16)の上縁は上壁形成部(21)下面の一対の凸条(23)に密に接触する。上記隙間の大きさが凸条(23)の突出高さよりも小さい場合には、凸条(23)は変形する。また、上壁形成部(21)も若干変形する。
【0028】
ついで、両構成部材(20)(10)を仮止めしたものをろう付温度に加熱する。すると、下構成部材(10)の両側壁形成部(14)上端が上構成部材(20)の上壁形成部(21)下面の左右両端部にろう付されるとともに下構成部材(10)の補強壁形成部(11)の上端両隅が一対の凸条(23)にろう付される。凸条(23)部分でのろう材層(24)の厚さは、その他の部分よりも厚くなっているので、ろう付時には、溶融したろう材はこの部分に引き寄せられ易くなり、補強壁形成部(11)の上面と2つの凸条(23)との間の隙間も塞がれる。さらに、上構成部材(20)の両垂下壁(22)および下構成部材(10)の両側壁形成部(14)どうしがろう付されるとともに上構成部材(20)の垂下壁(22)下端の折り曲げられた部分が下構成部材(20)の傾斜面(15)に重ね継手でろう付され、下壁形成部(13)と面一となされる。こうして、偏平状熱交換管(A)が製造される。
【0029】
上記実施形態においては、凸条(23)は上壁形成部(21)下面のほぼ全幅にわたって形成されているが、これに限るものではなく、補強壁形成部(11)の上端両隅と対応する部分だけに形成されていてもよい。とくに、図9および図11に示されているように、補強壁形成部(27)の上端両隅(28)および凸条(29)の先端部が、ともに横断面円弧状となされており、凸条(29)が各補強壁形成部(27)の上端両隅(28)と対応する部分に一対存在するとともに、両構成部材(10)(20)を仮止めするさいに、各凸条(29)の先端部の斜め横部分が、補強壁形成部(27)の片隅に当たるように、各凸条(29)が位置せしめられていることが好ましい。図11における一対の凸条(29)どうしの間隔(L2)は、図9における一対の凸条(29)どうしの間隔(L1)より若干大きいので、両構成部材(10)(20)を組合わせた状態で、前者における補強壁形成部(27)の上縁と上壁形成部(21)との間隔(l2)は、後者における補強壁形成部(27)の上縁と上壁形成部(21)との間隔(l1)よりも小さくなる。両構成部材(10)(20)を上下から力を加えた状態で仮止めしたさい、上記間隔(l1)(l2)は縮められ、凸条(29)および補強壁形成部(27)の上端両隅(28)はいずれも変形するが、両間隔(l1)(l2)は異なるため、上記変形態様が異なり、図9の凸条(29)および補強壁形成部(27)の上端両隅(28)は、図10に示すような変形凸条(29A)および変形上端両隅(28A)となり、図11の凸条(29)および補強壁形成部(27)の上端両隅(28)は、図12に示すような変形凸条(29B)および変形上端両隅(28B)となり、一対の変形凸条(29B)と変形両隅(28B)の接触面積は、図10の変形凸条(29A)と変形上端両隅(28A)の接触面積より大きい。
【0030】
【発明の効果】
本発明の偏平状熱交換管の製造方法によれば、上述のように、上構成部材と下構成部材とのろう付は強固なものとなり、充分な耐圧性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法で製造された扁平状熱交換管の横断面図である。
【図2】 図1の部分拡大図である。
【図3】 上構成部材と下構成部材との組み合わせ方法を示す部分斜視図である。
【図4】 上構成部材と下構成部材とを組み合わせた状態を示す横断面図である。
【図5】 上構成部材と下構成部材とを仮止めした状態を示す横断面図である。
【図6】 図5の部分拡大図である。
【図7】 図6のVII一VII線断面図である。
【図8】 図6の部分拡大図である。
【図9】 上構成部材の上壁形成部の凸条が、補強壁形成部対応部分に特定配置で一対存在している1例を示すもので、下構成部材と上構成部材とを組合わせた状態における部分拡大断面図である。
【図10】 図9の組合わせ物の仮止め後の拡大断面図である。
【図11】 上構成部材の上壁形成部のろう付け強度増大用凸条が、補強壁形成部対応部分に特定配置で一対存在している他の例を示すもので、下構成部材と上構成部材とを組合わせた状態における部分拡大断面図である。
【図12】 図11の組合せ物の仮止め後の拡大断面図である。
【図13】 偏平状冷媒流通管(熱交換管)が使用されたコンデンサの正面図である。
【図14】 従来の方法で上下両構成部材を仮止めした状態を示す図7相当の図である。
【符号の説明】
(1) 上壁
(2) 下壁
(3) 左側壁
(4) 右側壁
(5) 補強壁
(6) 、 流体通路
(9) 連通孔
(10) 下構成部材
(11)(27) 補強壁形成部
(12) 切欠き
(13) 下壁形成部
(14) 両側壁形成部
(15) 外上向き傾斜面
(20) 上構成部材
(21) 上壁形成部
(22) 垂下壁
(23)(29) 凸条
(24) ろう材層
(28) 補強壁形成部の上端両隅
(A) 偏平状熱交換管
Claims (5)
- 上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる連通孔が長さ方向に間隔をおいて複数あけられている偏平状熱交換管を、下壁形成部、下壁形成部に上方隆起状に一体成形された左右の両側壁形成部、および下壁形成部に上方隆起状に一体成形されかつ上縁に長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成されている補強壁形成部からなる板状下構成部材と、下面にろう材層を有するブレージングシートからなりかつ下構成部材の両側壁形成部にまたがる上壁形成部を有する板状上構成部材とをろう付することにより製造するにあたり、
上構成部材の上壁形成部下面における各補強壁形成部の上端両隅と対応する部分に、長さ方向に伸びかつ先端部が横断面円弧状となされている一対の凸条を形成しておき、上下両構成部材を上下から力を加えた状態で仮止めした後、両構成部材をろう付することを特徴とする偏平状熱交換管の製造方法。 - 凸条の突出高さが、10〜200μmであることを特徴とする請求項1記載の扁平状熱交換管の製造方法。
- 補強壁形成部の上端両隅および凸条の先端部が、ともに横断面円弧状となされており、両構成部材を仮止めするさいに、各凸条の先端部の斜め横部分が、補強壁形成部の片隅に当たるように、各凸条が位置せしめられていることを特徴とする請求項1記載の偏平状熱交換管の製造方法。
- 上構成部材の上壁形成部の左右両側縁部に、下構成部材の両側壁形成部の高さよりも垂下長さが大きくかつ両側壁形成部の外側に重なる垂下壁を一体に形成しておき、垂下壁の下端部を左右方向内方に折曲げて下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に係合させることにより、上下両構成部材を仮止めすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の偏平状熱交換管の製造方法。
- 下壁形成部下面の左右両側縁部に外上向き傾斜面を形成しておき、垂下壁の下端部を外上向き傾斜面に折曲げて重ね、下壁形成部と面一となすことを特徴とする請求項4記載の扁平状熱交換管の製造方法。
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