JP3947049B2 - 成形体用ブロック共重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックと主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックからなる特定のブロック構造を有するブロック共重合体を含有する成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子鎖の両端にガラス転移点(Tg)が室温よりも高い重合体ブロック(拘束相)を有し、その間にTgが室温よりも低い重合体ブロック(ゴム相)を配したブロック共重合体は熱可塑性エラストマーとして広く知られている。熱可塑性エラストマーのうちでも、スチレン−共役ジエンブロック共重合体およびその水素添加物であるスチレン系熱可塑性エラストマーは、成形材料、粘接着剤、樹脂の改質等の多くの用途に用いられ、極めて有用な素材の一つとして注目されている。
【0003】
近年の工業技術の進歩に伴い、熱可塑性エラストマーを高温で使用する要求が市場で高まる傾向にあり、高温特性に優れた熱可塑性エラストマーの開発が強く望まれている。高温特性が特に要求されるのは、自動車部品、電気・電子部品、フィルム・シート、医療材料等の成形体用途分野であり、求められる高温特性とは、具体的には、耐熱特性、高温時における引張り強度、引張り伸び等の機械的特性、加硫ゴムにより近い圧縮永久歪みや動的ヒステリシスなどである。
しかしながら、スチレン系熱可塑性エラストマーは拘束相であるスチレン重合体ブロックのTgが約100℃であり、この温度を超える高温条件下ではエラストマーとしての性能が著しく低下するという問題があった。
【0004】
また、スチレン系熱可塑性エラストマーにポリα−メチルスチレン樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテルなどを配合することにより、その耐熱性を改良する試みが報告されているが、その改良の程度は市場の要求を十分満たすには至っていない。
【0005】
上記方法とは別の方法として、スチレン−共役ジエンブロック共重合体におけるスチレン重合体ブロックの代わりにTgの高いα−メチルスチレン重合体ブロックを導入することにより、その高温特性を高めようとする試みが知られている。この方法によるα−メチルスチレン−共役ジエンブロック共重合体の製造方法には、(1)共役ジエン重合後にα−メチルスチレンを重合させる方法(Macromolecules,(1969),2(5),453−458)、(2)α−メチルスチレンを重合後に共役ジエンを重合させる方法(Kautsch.Gummi,Kunstst.,(1984),37(5),377−379;Polym.Bull.,(1984),12,71−77)および(3)炭化水素溶媒中、重合温度60℃でα−メチルスチレン、共役ジエン、α−メチルスチレンを逐次重合させる方法(特開昭61−281163号公報)の三通りの方法が知られている。
【0006】
上記(1)の方法では、ジアニオン系開始剤を用いてイソプレンを重合させた後、−78℃の温度条件下極性溶媒(テトラヒドロフラン)中でα−メチルスチレンを逐次重合させることによりα−メチルスチレン−イソプレンブロック共重合体を合成している。この方法の重合条件では、得られるブロック共重合体のゴム相である共役ジエンブロック中の1,4−結合量が低下し、その結果該ブロックのTgが高くなりエラストマーとしての性能に劣り好ましいとは言い難い。
【0007】
また、上記(2)の方法では、溶媒を使用しないでα−メチルスチレンを重合させた後、1,3−ブタジエンを重合し、テトラクロロシランまたはジクロロジフェニルシランのカップリング剤により重合を停止させることでα−メチルスチレン−1,3−ブタジエンブロック共重合体を得ている。この方法では、α−メチルスチレンの重合反応が無溶媒下で行われるために、重合転化率を上げると反応溶液の粘度が高まって攪拌が困難となるうえに、α−メチルスチレン重合体ブロックの分子量を制御することが困難である。このため、α−メチルスチレンの重合転化率が低い時点で共役ジエンを添加し、重合させる必要があるが、共役ジエンの重合時に大量に残存しているα−メチルスチレンがゴム相である共役ジエン中に共重合されてしまい、得られるブロック共重合体中のゴム相のTgおよび弾性率が高くなりエラストマーとしての性能に劣り好ましくない。
【0008】
さらに、上記(3)の方法では、炭化水素系溶媒中重合温度60℃での製法が例示されているが、α−メチルスチレンの天井温度(重合反応が平衡状態に達して実質的に重合反応が進行しなくなるときの温度)が61℃であること、炭化水素溶媒中60℃での重合活性種であるα−メチルスチリルアニオンの半減期は数分と非常に不安定であることから、目的とするブロック共重合体が得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、本発明の目的は、α−メチルスチレンを高い重合転化率で重合させることによって、α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなる高温特性に優れたブロック共重合体を含有する成形体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に関して鋭意検討した結果、上記課題は、主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックと主として共役ジエン単位からなる重合体ブロックからなる特定のブロック構造を含有するブロック共重合体により解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、下記ブロックA、ブロックB1およびブロックB2からなるブロック構造A−B1−B2を少なくとも一つ有し、ブロックB1およびブロックB2を構成する共役ジエン単位由来の炭素−炭素不飽和二重結合の少なくとも一部が水素添加されていてもよい、数平均分子量11500〜2000000のブロック共重合体を含有する成形体であって、
該ブロックAが主としてα−メチルスチレン単位からなり、数平均分子量が1000〜300000である重合体ブロックを示し、
該ブロックB1が主として共役ジエン単位からなり、数平均分子量が500〜10000であってかつその1,4−結合量が30%未満である重合体ブロックを示し、および
該ブロックB2が主として共役ジエン単位からなり、数平均分子量が10000〜400000であってかつその1,4−結合量が30%以上(但し、1,2−ビニル結合量が30%重量未満を除く)である重合体ブロックを示す、前記成形体に関する。
また、本発明は、ブロックB1およびブロックB2を構成する共役ジエン単位が、1,3−ブタジエン単位および/またはイソプレン単位である上記の成形体、およびブロックB1およびブロックB2を構成する共役ジエン単位が、共に1,3−ブタジエン単位である上記の成形体に関する。さらに、本発明は、ブロックB1およびブロックB2中の共役ジエン単位に由来する炭素−炭素不飽和二重結合の少なくとも一部が水素添加されている上記成形体に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いるブロック共重合体おけるブロックAは、α−メチルスチレン単位を主体とする。該ブロックA中のα−メチルスチレン単位は得られるブロック共重合体の高温時での機械的特性改善のためには、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさら好ましい。
【0013】
また、本発明の成形体に用いるブロック共重合体のブロックAは、本発明の趣旨を損なわない範囲内で他の単量体単位を共重合成分として含有していてもよく、該共重合成分を構成する単量体としては、一般的にアニオン重合可能な単量体であれば限定されないが、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ジフェニルエチレン等のビニル芳香族化合物、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエンが好ましいものとして挙げられる。特に好適には、スチレン、p−メチルスチレン、1,3−ブタジエン、イソプレンである。ブロックAに他の単量体成分を共重合により導入する場合の形態としては、ランダム状でもテーパード状でも良い。
【0014】
本発明に用いるブロック共重合体におけるブロックAのポリスチレン換算の数平均分子量は、1000〜300000であり、好ましくは3000〜100000の範囲である。分子量が1000未満の場合には、得られるブロック共重合体の高温時における機械的特性の改良効果が十分でなく、一方分子量が300000を超える場合には、得られるブロック共重合体の加工性が不十分なものとなりいずれも好ましくない。
【0015】
次に、本発明に用いるブロック共重合体におけるブロックB1は、共役ジエン単位を主体とする。ブロックB1中の共役ジエン単位は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさら好ましい。該ブロックB1を構成する共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエンが挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、特に1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエンは、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0016】
上記ブロックB1は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、共役ジエン以外の他のアニオン重合性の単量体成分を共重合により導入してもよい。その際に共重合の形態としては、ランダム状でもテーパード状でもよい。
【0017】
また、ブロックB1のポリスチレン換算の数平均分子量は、500〜10000であり、好ましくは1000〜7000の範囲である。分子量が500未満の場合には、得られるブロック共重合体の高温時の機械的特性の改良効果が十分でなく、一方分子量が10000を超える場合には、得られるブロック共重合体のゴム的特性が十分でなく好ましくない
【0018】
さらに、ブロックB1を構成する共役ジエン単位の1,4−結合量は30%未満であることが重要である。1,4−結合量が30%を超える場合には、該ブロックB1の耐熱劣化性が十分でなくなる場合があり好ましくない。
【0019】
そして、本発明に用いるブロック共重合体におけるブロックB2は、B1と同様に共役ジエン単位を主体とする。ブロックB2中の共役ジエン単位は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさら好ましい。該ブロックB2を構成する共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエンが挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、特に1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエンは、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0020】
ブロックB2は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、共役ジエン以外の他のアニオン重合性の単量体成分を共重合により導入してもよい。その際の共重合の形態としては、ランダム状でもテーパード状でもよい。
【0021】
また、ブロックB2のポリスチレン換算の数平均分子量は、10000〜400000であり、好ましくは15000〜200000の範囲である。分子量が10000未満の場合、得られるブロック共重合体のゴム的性質が十分でなく、一方分子量が400000を超える場合、得られるブロック共重合体の加工性の改善が十分でなくなり好ましくない。
【0022】
さらに、ブロックB2を構成する共役ジエン単位の1,4−結合量は30%以上であることが重要であり、好ましくは35%〜95%、より好ましくは40%〜80%である。1,4−結合量が30%未満の場合には、共役ジエンからなるゴム部のガラス転移温度(Tg)が高くなり、得られるブロック共重合体のゴム的性質が低下し好ましくない。
【0023】
本発明の成形体に用いるブロック共重合体の構造は、直鎖状、分岐状等に限定はされないが、A−B1−B2構造を少なくとも一つ有するブロック共重合体が好ましく、例えば、A−B1−B2−B2−B1−A型共重合体、A−B1−B2−B2−B1−A型共重合体とA−B1−B2型共重合体の混合物、(A−B1−B2)nX型共重合体(Xはカップリング剤残基を表す、nは2以上の整数を示す)等が挙げられる。
【0024】
また、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、他の単量体成分からなるブロックCを共重合させてもよい。本発明の成形体に用いるブロック共重合体の数平均分子量(ポリスチレン換算)としては、用途等に合わせて適宜調製可能であるが、加工性などの点から、11500〜2000000の範囲であることが必要であり、15000〜1000000の範囲であることが好ましく、40000〜1000000の範囲であることがより好ましい。
【0025】
さらに、本発明の成形体に用いるブロック共重合体は、耐熱劣化性、耐候性の向上などの観点から水素添加されていることが好ましい。水素添加の割合は、特に限定されるものではないが、少なくともブロック共重合体中の共役ジエン由来の全炭素−炭素不飽和二重結合の30%以上が水素添加されていればよく、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上水素添加したものが好ましい。
【0026】
本発明の成形体に用いるブロック共重合体は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中に、または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を含有してもよい。
【0027】
本発明の成形体に用いるブロック共重合体を製造する方法としては、上記構成のブロック共重合体が得られる方法であれば制限されないが、アニオン重合により合成が可能であり、例えば下記方法が示される。
(1)非極性溶媒中有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30℃〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、次いで得られた重合体ブロックAにリビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル等量の共役ジエンを重合させて重合体ブロックB1を形成後、30℃を超える温度で更に共役ジエンを重合させて重合体ブロックB2を形成せしめたのち、必要により多官能性カップリング剤を反応させ水素添加することを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
(2)非極性溶媒中有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30℃〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、次いで得られた重合体ブロックAにリビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル等量の共役ジエンを重合させて重合体ブロックB1を形成後、30℃を超える温度で更に共役ジエンを重合させて重合体ブロックB2を形成せしめたのち、得られるリビングポリマーにα−メチルスチレン以外のアニオン重合性モノマーを重合させ、必要により水素添加することを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
【0028】
以下、上記方法についてより具体的に説明する。
上記の方法において重合開始剤として用いられる有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のモノリチウム化合物、およびテトラエチレンジリチウム等のジリチウム化合物を挙げることができ、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0029】
α−メチルスチレンの重合時に使用される溶媒は非極性溶媒であり、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0030】
α−メチルスチレンの重合時に使用される極性化合物とは、アニオン種と反応する官能基(水酸基、カルボニル基など)を有しない、分子内に酸素原子、窒素原子等の複素原子を有する化合物であり、例えばジエチルエーテル、モノグライム、テトラメチルエチレンジアミン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0031】
極性化合物は反応系中における濃度が0.1〜10質量%の範囲にあることが重要である。好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。反応系中における極性化合物の濃度が0.1質量%未満であると、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させることが困難となり、一方、極性化合物の濃度が10質量%を超えると、この後で共役ジエンを重合させる際に、共役ジエン重合体ブロック部の1,4−結合量を制御するのが困難になる。
【0032】
α−メチルスチレンは反応系中における濃度が5〜50質量%の範囲にあることが重要である。好ましくは25〜40質量%の範囲である。反応系中におけるα−メチルスチレンの濃度が5質量%未満であると、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させることが困難になる。また、α−メチルスチレンの濃度が50質量%を超えると、α−メチルスチレンの重合後期において反応溶液が高粘度化し、攪拌が困難になる。
【0033】
なお、上記重合転化率とは、未重合のα−メチルスチレンが重合によりブロック共重合体へと転化された割合を意味し、本発明においてその程度は70%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
【0034】
α−メチルスチレンの重合時の温度条件は、α−メチルスチレンの天井温度(重合反応が平衡状態に達して実質的に進行しなくなるときの温度)、α−メチルスチレンの重合速度、リビング性などの点から−30℃〜30℃の範囲内であることが重要である。より好ましくは−20℃〜10℃、さらに好ましくは−15〜0℃である。重合温度が30℃を超えると、α−メチルスチレンを高い転化率で重合させることが困難になり、さらに生成するリビングポリマーが失活する割合が大きくなるため、得られるブロック共重合体中にホモポリα−メチルスチレンが混入し、物性が損なわれる。また、重合温度が−30℃に満たないと、α−メチルスチレンの重合後期において反応溶液が高粘度化し、攪拌が困難になるうえに、低温状態を維持するのに必要な費用がかさみ、経済的に不利になる。
【0035】
上記方法においては、α−メチルスチレン重合体ブロックの特性が損なわれない限り、α−メチルスチレンの重合時に他の芳香族ビニル化合物を共存させ、これをα−メチルスチレンと共重合させてもよい。他の芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。他の芳香族ビニル化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0036】
有機リチウムを開始剤に用いたα−メチルスチレンの重合によりリビングポリα−メチルスチリルリチウムが生成するので、次いでこのものに共役ジエンを重合させる。
共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられ、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。この中でも好ましい共役ジエンの例は1,3−ブタジエンまたはイソプレンであり、これらは混合して用いてもよい。
【0037】
共役ジエンは反応系に分割して添加することにより重合に供され、低温で少量の共役ジエンを重合させた後、次に高められた温度でさらに共役ジエンを重合させる。共役ジエンを反応系に添加する方法としては、特に制限はなく、リビングポリα−メチルスチリルリチウム溶液に直接添加しても、あるいは溶媒で希釈して添加してもよい。共役ジエンを溶媒に希釈して添加する方法としては、共役ジエンを加えた後溶媒で希釈するか、または共役ジエンと溶媒を同時に投入するか、あるいは溶媒で希釈した後に共役ジエンを加えてもよい。好適には、リビングポリα−メチルスチリルリチウムに対して1〜100モル等量、好ましくは5〜50モル等量に相当する量の共役ジエンを添加してリビング活性末端を変種した後、溶媒で希釈し、続いて残りの共役ジエンを投入し、30℃を越える温度、好ましくは40〜80℃の温度範囲で重合反応を行う方法が推奨される。
【0038】
ここで希釈に用いることができる溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘキサン、 n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック重合体は、耐熱性および耐候性が良好なものとなる点から、そのブロック共重合体における炭素−炭素不飽和二重結合の一部または全部が水素添加されていることが好ましい。
【0039】
リビングポリα−メチルスチリルリチウムに共役ジエンを共重合させて得られるα−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに、例えば、多官能性カップリング剤を反応させることにより、ヘキサブロックまたはラジアルテレブロック型のブロック共重合体を製造することができる。この場合のブロック共重合体は、多官能性カップリング剤の使用量を調製することにより得られる、カップリング体とカップリングに関与しないブロック共重合体を任意の割合で含む混合物であってもよい。多官能性カップリング剤としては、安息香酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸フェニル、ピバリン酸エチル、α,α'−ジクロロ−o−キシレン、α,α'−ジクロロ−m−キシレン、α,α'−ジクロロ−p−キシレン、ビス(クロロメチル)エーテル、ジブロモメタン、ジヨードメタン、フタル酸ジメチル、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0040】
α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック共重合体のリビングポリマーに多官能性カップリング剤を反応させることにより得られるブロック共重合体を水素添加(水添)する場合には、必要に応じてアルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加してカップリング反応を停止させたのち、公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水添することにより、水添されたブロック共重合体とすることができる。
【0041】
また、α−メチルスチレン重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからなるブロック重合体を水素添加する場合には、リビングポリα−メチルスチリルリチウムに共役ジエンを重合させた後、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合反応を停止させ、公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水添して、水添されたブロック共重合体とすることができる。
【0042】
水添反応は、アルキルアルミニウム化合物とコバルト、ニッケルなどからなるチーグラー触媒等の水添触媒の存在下に、反応温度20〜100℃、水素圧力0.1〜10MPaの条件下で行うことができる。
未水添のブロック共重合体は共役ジエン単位由来の不飽和二重結合の90%以上が飽和されるまで水添されることが望ましく、これによりブロック共重合体の耐候性を高めることができる。水添されたブロック共重合体における共役ジエン単位由来の不飽和二重結合の水添率は、ヨウ素価滴定法、赤外分光スペクトル測定、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRスペクトル)測定等の分析手段を用いて算出することができる。
【0043】
本発明の成形体に用いるブロック共重合体には、その使用目的に応じて、例えば酸化防止剤、軟化剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料、無機充填剤などの種々の添加剤を添加することができる。
【0044】
本発明の成形体に用いるブロック共重合体は、耐熱特性、高温時における引張り強度、引張り伸び等の機械的特性、加硫ゴムにより近い圧縮永久歪みや動的ヒステリシス等の緩和特性を活かして、ブロック共重合体単独や、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などとの組成物、複合材とすることで、成形品、フィルム・シート、ホース・チューブ、繊維等の各種成形体を得ることができ、自動車、電気・電子、医療、建材、日用品・雑貨等の様々な用途分野で広く使用することができる。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および具体例において用いた薬品は入手し得る限り最高の純度のものを用いた。
また、本実施例で用いた一般の溶剤は十分に、脱気・乾燥したものを用いた。
【0046】
実施例および比較例において得られたポリマーの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により測定したポリスチレン換算の値である。また、ブロック共重合体の組成、ミクロ構造の解析は、核磁気共鳴スペクトル測定(1H−NMR)で行った。さらに、α−メチルスチレンの重合転化率は、ガスクロマトグラフ測定により残存α−メチルスチレン単量体を定量することで求めた。
【0047】
また、実施例および比較例において、各種の評価に採用した試験法は以下のとおりである。
(1)高温側tanδ(Tα)
レオロジー社製広域動的粘弾性測定装置DVE−V4FTレオスペクトラーを用い、引張りモード(11Hz)、昇温速度3℃/分の条件で測定したtanδの高温側のピーク温度を読み取った。
(2)硬度(JIS A)
得られたブロック共重合体を用いて圧縮成形によりシートを製造した後、JIS−K6301に従って25℃にて測定した。
(3)メルトフローレート(MFR)
得られたブロック共重合体を用いて、JIS−K7210に従って230℃、10kg荷重下で測定した。
(4)破断強度
得られたブロック共重合体を用いて圧縮成形によりシートを製造した後、JIS−K6301に従って25℃および80℃にて測定した。
(5)破断伸度
得られたブロック共重合体を用いて圧縮成形によりシートを製造した後、JIS−K6301に従って25℃および80℃にて測定した。
(6)圧縮永久歪み
得られたブロック共重合体を用いて圧縮成形によりシートを製造した後、JIS−K6301に従って80℃、圧縮変形量25%の条件下に22時間放置した時の圧縮変形歪みを測定した。
【0048】
〈実施例1〉
ポリマー1の製造
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン152g、シクロヘキサン221g、メチルシクロヘキサン38.5gおよびテトラヒドロフラン9.59gを投入した。
(2)続いてsec−ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液4.0mlを投入し、−10℃で5時間重合反応を行った。重合開始5時間後のポリα−メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPC法により測定したところ、ポリスチレン換算で30100であり、α−メチルスチレンの重合転化率は92%であった。
(3)次に、ブタジエン13gを加え30分間攪拌しブロックB1の重合を行った後、10℃まで昇温しシクロヘキサン109.1gを加えた。この時点でのα−メチルスチレンの重合添加率は92%であり、ポリブタジエンブロック(B1)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、5800であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は17%であった。
(4)続いて反応溶液317gを抜き取り、さらにシクロヘキサン524.3gを加えた。
(5)次に1,3−ブタジエン97.5gを加え、60℃で2時間重合反応を行った。この時点のサンプリングで得られたポリマー(構造:A−B1−B2)のポリブタジエンブロック(B2)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、98100であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は54%であった。
(6)続いてα,α'−ジクロロ−p−キシレンの0.50Mトルエン溶液1.7mlを加え60℃にて1時間攪拌し、カップリングされたα−メチルスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。この時のカップリング効率をカップリング体と未反応体のGPCにおけるUV(254nm)吸収の面積比から算出すると86%であった。また、α−メチルスチレン重合体ブロックの失活率は2.7%であった。1H-NMR解析の結果、α−メチルスチレン重合体ブロック含有量は33%であり、ブタジエン重合体ブロック全体(すなわち、ブロックB1およびブロックB2)の1,4−結合量が52%であった。
【0049】
(7)オクチル酸ニッケル1.4ミリモルとトリイソブチルアルミニウム4.9ミリモルのトルエン溶液を室温下に反応させることにより水添触媒を得、これを水素雰囲気下において上記(6)の溶液に添加し、0.9MPaの水素ガス圧において室温から反応を開始し、1時間かけて50℃まで加温した後、7時間水素添加反応を行った。
(8)クエン酸4.7g、30%過酸化水素水2.8gを蒸留水100mlに溶解したものを上記(7)の反応系内に投入し、50℃にて2時間攪拌後、攪拌を止め室温にて放置した。
(9)水相を抜き取り、残った有機相を蒸留水にて3回分液洗浄した後、有機相をアセトン中に注いでポリマーを再沈させた。
(10)得られた再沈物をメタノールにて十分に洗浄したのち、0.1phr相当の酸化防止剤を添加し、60℃で真空乾燥した。
(11)このようにしてα−メチルスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物(ポリマー1)を得た。得られたポリマー1をGPC測定した結果、主成分は次に示す分子量を有するブロック共重合体であり、GPCにおけるUV(254nm)吸収の面積比から算出したところ、カップリング体は全体の84%含まれることが判明した。
Mt(平均分子量のピークトップ)=268000
Mn(数平均分子量)=263000
Mw(重量平均分子量)=270100
Mw/Mn=1.03
また、ポリマー1の1H-NMR測定により、ブロックB1およびブロックB2由来のブタジエン部分の水素添加率は99%であることが判明した。
【0050】
〈実施例2〉
ポリマー2の製造
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン132g、メチルシクロヘキサン23.1gおよびテトラヒドロフラン3.11gを投入した。
(2)続いてsec−ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液2.6mlを投入し、−10℃で3時間重合反応を行った。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPC法により測定したところ、ポリスチレン換算で20400であり、α−メチルスチレンの重合転化率は73%であった。
(3)次に、ブタジエン10.5gを加え30分間攪拌しブロックB1の重合を行った後、10℃まで昇温しシクロヘキサン109gを加えた。この時点でのα−メチルスチレンの重合添加率は73%であり、ポリブタジエンブロック(B1)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、9400であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は25%であった。
(4)続いて反応溶液にシクロヘキサン268gを加えて希釈した後、重合液235gを抜き取り、さらにシクロヘキサン319gを加え希釈した。
(5)次に1,3−ブタジエン26.0gを加え、40℃で2時間重合反応を行った。
(6)さらに1,3−ブタジエン22.1gを加え、40℃で2時間重合反応を行った。この時点のサンプリングで得られたポリマー(構造:A−B1−B2)のポリブタジエンブロック(B2)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、58700であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は48%であった。
(7)続いて安息香酸フェニルの0.50Mトルエン溶液1.7mlを加え40℃にて1時間攪拌し、カップリングされたα−メチルスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。この時のカップリング効率をカップリング体と未反応体のGPCにおけるUV吸収の面積比から算出すると95%であった。また、α−メチルスチレン重合体ブロックの失活率は2.3%であった。1H-NMR解析の結果、α−メチルスチレン重合体ブロック含有量は33%であり、ブタジエン重合体ブロック全体(すなわち、ブロックB1およびブロックB2)の1,4−結合量が45%であった。
【0051】
(8)オクチル酸ニッケル2.7ミリモルとトリイソブチルアルミニウム9.5ミリモルのトルエン溶液を室温下で反応させることにより水添触媒を得、これを水素雰囲気下において上記(7)の溶液中に添加し、0.9MPaの水素ガス圧において室温から反応を開始し、10分間で60℃まで加温した後、7時間水素添加反応を行った。
(9)クエン酸8.9g、30%過酸化水素水5.3gを蒸留水100mlに溶解したものを上記(8)の反応系内に投入し、50℃にて2時間攪拌後、攪拌を止め室温にて放置した。
(10)水相を抜き取り、残った有機相を蒸留水にて3回分液洗浄した後、有機相をメタノール/アセトン=1/1の混合溶媒中に注いでポリマーを再沈させた。
(11)得られた再沈物をメタノールにて十分に洗浄したのち、0.1phr相当の酸化防止剤を添加し、60℃で真空乾燥した。
(12)このようにしてα−メチルスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物(ポリマー2)を得た。得られたポリマー2をGPC測定した結果、主成分は次に示す分子量を有するブロック共重合体であり、GPCにおけるUV(254nm)吸収の面積比から算出したところ、カップリング体は全体の93%含まれることが判明した。
Mt(平均分子量のピークトップ)=177000
Mn(数平均分子量)=173000
Mw(重量平均分子量)=175000
Mw/Mn=1.01
また、ポリマー2の1H-NMR測定により、ブロックB1およびブロックB2由来のブタジエン部分の水素添加率は99%であることが判明した。
【0052】
〈実施例3〉
ポリマー3の製造
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン132g、ヘキサン23.1gおよびテトラヒドロフラン3.11gを投入した。
(2)続いてsec−ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液9.1mlを投入し、−10℃で3時間重合反応を行った。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPC法により測定したところ、ポリスチレン換算で6400であり、α−メチルスチレンの重合転化率は91%であった。
(3)次に、ブタジエン19.5gを加え30分間攪拌しブロックB1の重合を行った後、10℃まで昇温しシクロヘキサン308gを加えた。この時点でのα−メチルスチレンの重合添加率は91%であり、ポリブタジエンブロック(B1)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、3700であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は13%であった。
(4)重合液356gを抜き取り、さらにシクロヘキサン268gを加え希釈した。
(5)次に1,3−ブタジエン32.5gを加え、40℃で2時間重合反応を行った。
(6)さらに1,3−ブタジエン29.3gを加え、40℃で2時間重合反応を行った。この時点のサンプリングで得られたポリマー(構造:A−B1−B2)のポリブタジエンブロック(B2)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、27050であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は52%であった。
(7)続いて安息香酸フェニルの0.50Mトルエン溶液4.1mlを加え40℃にて1時間攪拌し、カップリングされたα−メチルスチレン−ブタジエンブロック共重合体を得た。この時のカップリング効率をカップリング体と未反応体のGPCにおけるUV吸収の面積比から算出すると94%であった。また、α−メチルスチレン重合体ブロックの失活率は1%以下であった。また、1H-NMR解析の結果、α−メチルスチレン重合体ブロック含有量は33%であり、ブタジエン重合体ブロック全体(すなわち、ブロックB1およびブロックB2)の1,4−結合量が47%であった。
【0053】
(8)オクチル酸ニッケル2.7ミリモルとトリイソブチルアルミニウム9.5ミリモルのトルエン溶液を室温下で反応させることにより水添触媒を得、これを水素雰囲気下において上記(7)の溶液中に添加し、0.9MPaの水素ガス圧において室温から反応を開始し、10分間で60℃まで加温した後、7時間水素添加反応を行った。
(9)クエン酸8.9g、30%過酸化水素水5.3gを蒸留水100mlに溶解したものを上記(8)の反応系内に投入し、50℃にて2時間攪拌後、攪拌を止め室温にて放置した。
(10)水相を抜き取り、残った有機相を蒸留水にて3回分液洗浄した後、有機相をメタノール/アセトン=1/1の混合溶媒中に注いでポリマーを再沈させた。
(11)得られた再沈物をメタノールにて十分に洗浄したのち、0.1phr相当の酸化防止剤を添加し、60℃で真空乾燥した。
(12)このようにしてα−メチルスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物(ポリマー3)を得た。得られたポリマー2をGPC測定した結果、主成分は次に示す分子量を有するブロック共重合体であり、GPCにおけるUV(254nm)吸収の面積比から算出したところ、カップリング体は全体の94%含まれることが判明した。
Mt(平均分子量のピークトップ)=74300
Mn(数平均分子量)=72200
Mw(重量平均分子量)=73900
Mw/Mn=1.01
また、ポリマー3の1H-NMR測定により、ブロックB1およびブロックB2由来のブタジエン部分の水素添加率は99%であることが判明した。
ポリマー3について、高温側tan−δ(Tα)、硬度(JIS A)、メルトフローレート、破断強度、破断伸度および圧縮永久歪みを測定した。
その結果を表1に示す。
また、ポリマー3の粘弾性挙動を図1に示す。なお、粘弾性の測定はレオロジー社製広域動的粘弾性測定装置DVE−V4FTレオスペクトラーを用い、引張りモード(11Hz)、昇温速度3℃/分の条件で測定したものである。
【0054】
〈実施例4〉
ポリマー4の製造
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン132.4g、メチルシクロヘキサン23.1gおよびテトラヒドロフラン5.8gを投入した。
(2)続いてsec-ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液2.8mlを投入し、−10℃で3時間重合反応を行った。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレン(ブロックA)の数平均分子量をGPC法により測定したところ、ポリスチレン換算で28500であり、α−メチルスチレンの重合転化率は95%であった。
(3)次に、1,3−ブタジエン6.5gを加え、1時間攪拌しブロックB1の重合を行った後に10℃まで昇温しシクロヘキサン156gを加え、重合溶液300mlを抜いた。さらにシクロヘキサン156gを加えた。この時点でのα−メチルスチレンの重合添加率は95%であり、ポリブタジエンブロック(B1)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、7000であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は9%であった。
(4)重合溶液200mlを抜き取り、さらにシクロヘキサン428gを加えた。
(5)続いて1,3−ブタジエン58.5gを加え、45℃で3時間重合反応を行った。この時点のサンプリングで得られたポリマー(構造:A−B1−B2)のポリブタジエンブロック(B2)の数平均分子量(GPC測定、ポリスチレン換算)は、180500であり、1H−NMR測定から求めた1,4−結合量は60%であった。
(6)次にスチレン13.6gを加え、45℃で2時間重合反応を行った後、メタノールを添加して重合反応を停止し、α−メチルスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を得た。GPCにおけるUV吸収の面積比から算出すると、α−メチルスチレン重合体ブロックの失活率は2.7%であった。1H-NMR測定の結果、このもののα−メチルスチレン重合体ブロックとスチレン重合体ブロックの含有量は合わせて31%であり、ブタジエン重合体ブロック全体(すなわち、ブロックB1およびブロックB2)の1,4−結合量が58%であった。
【0055】
(7)オクチル酸ニッケル2.7ミリモルとトリイソブチルアルミニウム9.5ミリモルのトルエン溶液を室温下で反応させることにより水添触媒を得、これを水素雰囲気下において上記(6)の溶液中に添加し、0.9MPaの水素ガス圧において室温から反応を開始し、10分間で60℃まで加温した後、6時間水素添加反応を行った。
(8)クエン酸8.9g、30%過酸化水素水5.3gを蒸留水100mlに溶解したものを上記(7)の反応系内に投入し、50℃にて2時間攪拌後、攪拌を止め室温にて放置した。
(9)水相を抜き取り、残った有機相を蒸留水にて3回分液洗浄した後、有機相をメタノール/アセトン=1/1の混合溶媒中に注いでポリマーを再沈させた。(10)得られた再沈物をメタノールにて十分に洗浄したのち、0.1phr相当の酸化防止剤を添加し、60℃で真空乾燥した。
(11)このようにしてα−メチルスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物(ポリマー4)を得た。得られたポリマー4をGPCによって分析した結果、分子量は以下に示すとおりであった。
Mt(平均分子量のピークトップ)=263000
Mn(数平均分子量)=258000
Mw(重量平均分子量)=265000
Mw/Mn=1.03
また、ポリマー4を1H-NMRにて分析した結果、ブロックB1およびブロックB2由来のブタジエン部分の水素添加率は97%であることが判明した。
【0056】
〈比較例1〉
重合温度を35℃に変更したほかは実施例4と同様にしてα−メチルスチレンの重合を行った。
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン132.4g、メチルシクロヘキサン23.1gおよびテトラヒドロフラン5.8gを投入した。
(2)続いてsec-ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液2.8mlを投入し、35℃で3時間重合反応を行った。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレンの数平均分子量をGPC法により測定したところ、ポリスチレン換算で1100であり、α−メチルスチレンの重合転化率は5%と極めて低かった。また、重合時間を24時間としても重合転化率を高めることはできなかった。
【0057】
〈比較例2〉
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン161.3gを投入した。
(2)続いてsec-ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液2.8mlを投入し、60℃で1時間重合反応を行った。重合開始1時間後のポリα−メチルスチレンの数平均分子量をGPC法により測定したところ、ポリスチレン換算で800であり、α−メチルスチレンの重合転化率は3%と極めて低かった。また、重合時間を24時間としても重合転化率を高めることはできなかった。
【0058】
〈比較例3〉
テトラヒドロフランの添加量を少なくしたほかは実施例4と同様にしてα−メチルスチレンの重合を行った。
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン90.9g、シクロヘキサン132.4g、メチルシクロヘキサン23.1gおよびテトラヒドロフラン0.2gを投入した。
(2)続いてsec-ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液2.8mlを投入し、−10℃で3時間重合反応を行った。重合開始3時間後のα−メチルスチレンの重合転化率は2%と極めて低く、ポリα−メチルスチレンは得られなかった。
【0059】
〈比較例4〉
α−メチルスチレンの濃度を下げたほかは実施例4と同様にしてα−メチルスチレンの重合を行った。
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン9.1g、シクロヘキサン156.0g、メチルシクロヘキサン27.2gおよびテトラヒドロフラン6.8gを投入した。
(2)続いてsec-ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液0.3mlを投入し、−10℃で3時間重合反応を行った。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレンの数平均分子量をGPC法により測定したところ、ポリスチレン換算で7200であり、α−メチルスチレンの重合転化率は24%と低かった。
【0060】
〈比較例5〉
物性の比較の対象として、スチレンーブタジエンースチレントリブロック共重合体の水添物を製造した。
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、スチレン23.2g、シクロヘキサン640.0gを投入した。
(2)続いてsec-ブチルリチウムの1.3M シクロヘキサン溶液2.3mlを投入し、40℃で2時間重合反応を行った。
(3)次に、テトラヒドロフラン1.6g及び1,3−ブタジエン113.6gを加え、60℃で2時間攪拌した。
(4)次にスチレン23.2gを加え、45℃で2時間重合反応を行った後、メタノールを添加して重合反応を停止し、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体を得た。1H-NMR測定の結果、スチレン重合体ブロックの含有量は29%であり、ブタジエン重合体ブロックの1,4−結合量は60%であることが判明した。
【0061】
(7)オクチル酸ニッケル1.5ミリモルとトリイソブチルアルミニウム5.3ミリモルのトルエン溶液を室温下で反応させることにより水添触媒を得、これおを水素雰囲気下において上記(6)の溶液中に添加し、0.9MPaの水素ガス圧において室温から反応を開始し、10分間で60℃まで加温した後、6時間水素添加反応を行った。
(8)クエン酸5.0g、30%過酸化水素水3.0gを蒸留水100mlに溶解したものを上記(7)の反応系内に投入し、50℃にて2時間攪拌後、攪拌を止め室温にて放置した。
(9)水相を抜き取り、残った有機相を蒸留水にて3回分液洗浄した後、有機相をメタノール/アセトン=1/1の混合溶媒中に注いでポリマーを再沈させた。(10)得られた再沈物をメタノールにて十分に洗浄したのち、0.1phr相当の酸化防止剤を添加し、60℃で真空乾燥した。
(11)このようにしてスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物(ポリマー5)を得た。得られたポリマー5をGPCによって分析した結果、分子量は以下に示すとおりであった。
Mt(平均分子量のピークトップ)=126000
Mn(数平均分子量)=80700
Mw(重量平均分子量)=847000
Mw/Mn=1.05
また、ポリマー5を1H-NMRにて分析した結果、ブタジエン重合体ブロック部の水素添加率は98%であることが判明した。
ポリマー5について、高温側tan−δ(Tα)、硬度(JIS A)、メルトフローレート、破断強度、破断伸度および圧縮永久歪みを測定した。
その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
また、ポリマー5の粘弾性挙動を図1に示す。なお、粘弾性の測定はポリマー3の場合と同様に、レオロジー社製広域動的粘弾性測定装置DVE−V4FTレオスペクトラーを用い、引張りモード(11Hz)、昇温速度3℃/分の条件で測定した。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、主としてα−メチルスチレン単位からなる重合体ブロックと特定の構造を有する主として共役ジエン単位からなる異なる重合体ブロックを共重合することにより、優れた高温特性とゴム的性質を兼ね備えたブロック共重合体を含有する成形体を提供することが可能となった。本発明の成形体は、ブロック共重合体の耐熱特性、高温時における引張り強度、引張り伸び等の機械的特性、加硫ゴムにより近い圧縮永久歪みや動的ヒステリシス等の緩和特性を活かして、ブロック共重合体単独や、これと熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などとの組成物、複合材とすることで、成形品、フィルム・シート、ホース・チューブ、繊維等の各種成形体とすることができ、自動車、電気・電子、医療、建材、日用品・雑貨等の様々な用途分野で広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られるポリマー3および比較例5で得られるポリマー5についての粘弾性挙動を示す図である。
Claims (4)
- ブロックA、ブロックB1およびブロックB2からなるブロック構造A−B1−B2を少なくとも一つ有し、ブロックB1およびブロックB2を構成する共役ジエン単位由来の炭素−炭素不飽和二重結合の少なくとも一部が水素添加されていてもよい、数平均分子量11500〜2000000のブロック共重合体を含有する成形体であって、
該ブロックAが主としてα−メチルスチレン単位からなり、数平均分子量が1000〜300000である重合体ブロックを示し、
該ブロックB1が主として共役ジエン単位からなり、数平均分子量が500〜10000であって、かつその1,4−結合量が30%未満である重合体ブロックを示し、および
該ブロックB2が主として共役ジエン単位からなり、数平均分子量が10000〜400000であって、かつその1,4−結合量が30%以上(但し、1,2−ビニル結合量が30%重量未満を除く)である重合体ブロックを示す、前記成形体。 - ブロックB1およびブロックB2を構成する共役ジエン単位が、1,3−ブタジエン単位および/またはイソプレン単位である請求項1記載の成形体。
- ブロックB1およびブロックB2を構成する共役ジエン単位が、共に1,3−ブタジエン単位である請求項1記載の成形体。
- ブロックB1およびブロックB2中の共役ジエン単位に由来する炭素−炭素不飽和二重結合の少なくとも一部が水素添加されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形体。
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