JP3946246B2 - 殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)及び界面活性剤を含有する医薬組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本出願は、1993年2月2日出願の、米国特許出願第08/012,360号の、一部継続出願である。
【0002】
【従来の技術】
本発明は、一般には医薬組成物に関し、さらに詳細には、非経口用薬剤として用いるための、改良されたタンパク質及びポリペプチド医薬に関する。遺伝子工学技術の開発における近年の進歩により、多岐にわたる、生物学的に活性を有するポリペプチドを、薬剤として用いるために充分大量に入手することが可能となってきた。しかしながら、ポリペプチドは、種々の化学的手段及び、加熱または凍結に起因する変性を含む物理的手段によって、また、極端なpHに曝すことまたは他の化学的分解によって、特定の形態化(formation)を受けやすく、そして生物学的活性を喪失しやすい。
【0003】
特定の形態化及び生物学的活性の喪失は、また、物理的振動ならびに、溶液中及び貯蔵バイアル瓶内における液−気境界面でのポリペプチド分子の相互作用の結果惹起こされることもありうる。ポリペプチド分子は、高次構造が破壊され(unfolding)大気に疎水性基を出し、水相に親水性基を浸漬させて、気−液境界面に吸着すると考えられる。界面において一旦そのような配置となると、ポリペプチド分子は凝集、粒子形成及び沈殿をなしやすくなる。また、気−液及び固−液境界面に吸着したポリペプチド分子には、輸送やその他の行程中の振動により引き起こされるような、境界面の圧縮−伸張の際に、さらなるコンホメーション変化が惹起こされることもありうる。このような振動の結果、タンパク質が絡み合い、凝集し、粒子を形成しそして究極的には他の吸着されたタンパク質とともに沈殿することとなりうる。
【0004】
界面における変性に起因する粒子形成は、貯蔵バイアル瓶の寸法を適切に選択することによって、及びそれらバイアル瓶内の空気の容量(頭部空間)を最小とすることによって、幾分かは制御することができる。このことに関連し、部分的に充填した容器の場合に揺動により誘導される沈殿について最悪の事例が示されるのである。
【0005】
粒子形成は、溶液−気境界面での表面張力を低減するために、タンパク質を含有する組成物中に界面活性剤を組み込むことによって制御することも可能である。界面活性剤または乳化剤による医薬品の古典的な安定化法で、界面活性剤分子内に親水性及び疎水性の両方の性質を包含する分子群の両親媒性の性質に焦点が向けられてきている。かくして、先行技術により、相溶剤(compatibilizer)として適切な界面活性剤を選択することにより、水中油型または油中水型などの、混和しない分子の安定な溶液を作製できることが教示されている。1つの例としては、ポロキサマー188(PLURONIC F−68、BASF Wyandotte社、Parsippany、N.J.)を用いたダイズ油の安定な乳化が挙げられる。他の例としては、脂溶性ビタミンA、E及びKを、経口及び経管経路による投与用の水溶液中に乳化するための、ポリソルベート80(TWEEN 80、ICI Americans社、Wilmington、DE)の使用である。Kranzら、「Sugar Alcohols-XXVIII、Toxicologic,Pharmacodynamic and Clinical Observations on TWEEN 80,」、Bull.of the School of Med.,U.of MD.、36巻、48頁(1951)による研究は、USP/NF要件が米国Pharmacopeia XXIIに確立されている薬剤成分として、ポリソルベート80が掲載されることへと導く基盤となる研究となるものであった。
【0006】
本発明にとって興味深いのは、Levineら、J.Parenteral Sci.Technol.、45巻、3号、160〜165頁(1991)に記載の、抗体をベースとした産物の製剤の安定化のためにポリソルベート80を使用することに関する研究である。この研究では、安定化に必要な界面活性剤の量は、表面張力を減じるために必要な理論的最低値を越えることが開示された。この研究ではさらに、理論的最低値を越える過剰の界面活性剤が必要であることは、(1)無作意の振動の際に揺動する境界面上で完全な保護層を維持するのに必要な濃度、及び(2)緩くタンパク質と会合する界面活性剤及び容器壁につく界面活性剤、に寄与する可能性があることが示された。
【0007】
ヒト体内への注射用の非経口用組成物に組み込まれうる界面活性剤のタイプ及び特定の範疇は、取締要件のために限定される。歴史的に使用され、米国Pharmacopoeia XXIIに掲げられて一般に認可されている界面活性剤には、ポロキサマー及びポリソルベートポリマーが包含される。しかしながら、これらのいずれも単独で0.1%以下の濃度で用いた場合には、医薬組成物を完全に安定化するに至らないかもしれない。界面活性剤の濃度を上昇させると、毒性作用の危険性の増大、溶血の早期襲来、及び、両方とも血液補体活性化に関与する好中球及び血小板において観察される変化、が問われるかもしれない。認可された非経口用溶液中のポロキサマー188に対する最高安全濃度は、それが血液置換剤として限定した投与量用いる場合であって、血流中で少なくとも10倍希釈される場合、2.7%である。同様に、ポリソルベート80は、20年にわたって非経口用溶液で認可されているのであるが、100 mL以上の溶液量中、0.1%を越える濃度で用いられることはめったにない。Krantzら(前出)は、0.1%のポリソルベート濃度で、イヌにおいて90分で溶血が襲来することを認めている。1%を越える濃度でのポリソルベート80の使用が、新生児死に関係している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、当該技術分野において、安全であると考えられていて、販売用として取締当局により認可された非経口剤中に包含される成分のみを含む、医薬組成物で、向上したタンパク質安定性を提供する必要性がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(発明の要旨)
本発明は、ポリペプチドの医薬組成物に関し、ポロキサマー(poloxamer)界面活性剤及びポロキサマー界面活性剤とポリソルベート界面活性剤との配合物によって、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)、BPIの生物学的に活性を有する断片、BPIの生物学的に活性を有する類似体、及びBPIの生物学的に活性を有する変異体(組み換え法または組み換えによらない方法のいずれかにより生産されたもの)の、水溶液中での可溶性/安定性が増大せしめられるという発見に関するものである。本発明は特に、BPIの生物学的に活性を有するアミノ末端断片またはその類似体及び変異体である、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)の可溶化/安定化を提供する。rBPI23と称したものまたはBPIのおよそ最初の193からおよそ最初の199までのアミノ末端アミノ酸残基を含むいずれかのアミノ末端断片などの、BPIのアミノ末端断片は、水溶性溶液中で安定性を特に喪失しやすいと考えられている。
【0010】
本発明は殊に、特定の2つのタイプの界面活性剤を配合することにより、いずれかの界面活性剤単独の場合に比して、医薬組成物におけるタンパク質の安定性の驚くばかりの向上が提供されるという発見に関するものである。特に、ポロキサマー(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体)界面活性剤とポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)界面活性剤との配合物を含む医薬組成物により、タンパク質医薬剤の安定性ならびに凝集、粒子形成及び沈殿への抵抗性が改良されることが見出されている。これら2つのタイプの界面活性剤の配合により、いずれかの界面活性剤単独の場合に比して、改良された安定性ならびに、界面における変性、凝集、粒子形成及び沈殿への改良された抵抗性が提供される。
【0011】
ポロキサマー界面活性剤成分は、好ましくは、約0.01重量%〜約1重量%の濃度で存在し、0.1重量%〜0.2重量%の濃度が、2 mg/mL以下のタンパク質を含むタンパク質溶液を安定化するためには好ましい。ポリソルベート界面活性剤成分は、好ましくは、約0.0005重量%〜約1重量%の濃度で存在し、0.002重量%の濃度が好ましい。最も好ましいのは、0.1重量%〜0.2重量%のポロキサマー188及び0.002重量%のポリソルベート80を含む配合である。この配合は、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)などの、分解に対して極めて感受性の高いタンパク質の粒子形成を防ぐのに、特に有用であるが、他のポリペプチド医薬の安定性を促進するうえでも有用である。ポロキサマー及びポリソルベート界面活性剤の配合物は、それだけかまたは追加の界面活性剤と組み合わせて用いられてもよいことが、企図される。さらに、本発明は、単一のポロキサマー界面活性剤を単一のポリソルベート界面活性剤と配合することに限定せず、1または複数のポロキサマー界面活性剤を1または複数のポリソルベート界面活性剤と配合することが包含されうる。
【0012】
本発明のさらなる特徴は、BPIタンパク質、またはBPIタンパク質の生物学的に活性を有する断片、類似体、または変異体(組み換え法または組み換えによらない方法のいずれかにより生産されたもの)の水溶液を含む組成物の可溶化/安定化のために、ポロキサマー界面活性剤が特に有用であるという発見に関する。本発明は、このようなポリペプチドをポロキサマー界面活性剤に接触せしめることによりポリペプチドを可溶化/安定化する方法を提供する。本発明の理論によって縛られることなしに、ポロキサマー界面活性剤が、水溶液の表面張力を低下させることを包含する機構によってではなく、高温にて、高次構造が破壊したBPIタンパク質分子及び部分的に高次構造が破壊したBPIタンパク質分子を安定化することならびにこれらの分子の沈殿を妨げることによって、BPIタンパク質産物を安定化すると考えられる。
【0013】
好ましいポロキサマー界面活性剤は、約14よりも大であるHLB値、及び室温にて、0.1%の濃度の水溶液で測定した場合、10〜70 mN/m の間の表面張力であることによりその特徴が表される。より好ましいのは、約25〜35の間のHLB値を有し、室温にて、0.1%の濃度の水溶液で測定した場合、30〜52 mN/m の間の表面張力を有する、ポロキサマー界面活性剤である。最も好ましいのは、PLURONIC F−68(BASF Wyanddotte、Parsippany、N.J.)として市販されているポロキサマー188であり、これは、50 mN/mの表面張力により及び29のHLB値により、その特徴が表される。
【0014】
好ましいポリソルベート界面活性剤は、室温にて、0.1%の濃度の水溶液で測定した場合、好ましくは10〜70 mN/m の間の表面張力を有する。さらに好ましくは、ポリソルベート界面活性剤は、約15の親水性/新油性平衡(HLB)値により及び室温にて、0.1%濃度の水溶液で測定した場合、40〜50 mN/m の間の表面張力であることにより、その特徴が表される。最も好ましいのは、ポリソルベート80(ソルビタン モノ−9−オクタデカノエート)であり、これはTWEEN 80(ICI Americans社、Wilmington、Del.)として市販されている。
【0015】
(詳細な説明)
本発明は、ポリペプチド医薬の安定性を維持し、そのような生物学的に活性を有するポリペプチドの界面における変性を妨げるための、改良された方法及び材料を提供する。特に、本発明は、2つの特定のタイプの界面活性剤分子の配合によって、ポリペプチド医薬の界面における変性からの安定化を、共同的に改良することが提供されるという発見に関する。本発明はまた、ポロキサマー界面活性剤が、BPI関連タンパク質の可溶化/安定化において独自の特性を有するという発見に関するものである。本発明の特定の実施態様は、特に変性及び粒子形成しやすい、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)ならびにその生物学的に活性を有する断片及び/または類似体もしくは異変体の安定化に関するものであるが、本発明の用途はあらゆるタンパク質及びポリペプチド医薬に一般的に拡大されるものである。本発明を用いると有用なBPIならびにその活性を有する断片及び類似体には、米国特許第5,198,541号明細書に記載のような、組み換えにより生産されたタンパク質が包含される。1992年5月19日出願の米国特許出願第07/885,911号の一部継続出願である、1993年5月19日出願の、共有である、Theofanらの同時係属出願、米国特許出願第08/064,693号明細書は、アミノ末端で、BPIタンパク質またはその生物学的に活性を有する断片を含み、BPIタンパク質の生物学的活性と同様の活性を保持している、BPIタンパク質の変異体である、BPI−イムノグロブリン融合タンパク質を述べている。特に好ましいBPI材料には、「安定な殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)産物及びそれを含有する組成物(Stable Bactericidal/Permeability−Increasing Protein Products and Pharmaceutical Compositions Containing the Same)」という発明の名称である、1993年2月2日出願の、共有である、Theofanらの同時係属出願、米国特許出願第08/013,801号明細書の方法に従って生産された組み換えにより生産したポリペプチドが包含される。好ましいBPI断片は、Grayら、J.Biol.Chem.、264巻、9505〜9509頁(1989)に記載の成熟ヒトBPI分子で、185位の残基がGrayにより特定されたリジンではなくグルタミン酸であることを除いては、前記BPI分子のアミノ末端アミノ酸残基のおよそ1〜199位またはおよそ1〜193位により、その特徴が表される。BPIのアミノ酸の1〜199位をコードするDNAの組み換え発現産物は、rBPI23と称されている。BPIのアミノ酸の1〜193位をコードするDNAの組み換え発現産物は、rBPI(1−193)と称されている。好ましいBPI断片類似体は、185位の残基がリジンではなくグルタミン酸であり、132位のシステインがアラニンなどのシステインではない残基で置換されていることを除いては、Grayに記載されている、最初の193アミノ酸残基を含むものである。このようなタンパク質は、rBPI21ΔcysまたはrBPI(1−193)ala132と称される。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
本実施例において、種々の界面活性剤系の試験を行って、ポリペプチド医薬(rBPI23)の界面における安定化に対する有用性を確定した。rBPI23は、クエン酸緩衝性生理食塩水(0.02 Mクエン酸、0.15 M NaCl、pH 5.0)中に、1mg/mLの濃度で供した。次いで、種々の界面活性剤を、これら界面活性剤の安定化剤としての有用性を確定するために、この調製物に添加した。
【0017】
この試験では、成熟ヒトBPI分子の最初の199アミノ酸のおよそ1位からおよそ199位によりその特徴が表され、1993年2月2日出願の、Theofanらの米国特許出願第08/013,801号明細書の方法に従って生産された、rBPI23[BR−1]を、6 mLの密封した滅菌成形ガラスバイアル瓶(総取容量8.4 mL、Wheaton)中、所望の製剤化用緩衝液の溶液とし、5 mLを手作業で充填した。被検バイアル瓶は、平床(flat bed)振盪機(S/PローターV)上に水平に置き、テープで振盪機に固定した。次いでバイアル瓶を、室温にて150rpmで振動させた。
【0018】
0時間、2〜4時間、及び18時間で、21ゲージの針を取り付けた1 mLのシリンジを用いて、バイオセイフティーキャビネット内で150μlの試料を採取した。開始時、工程中、及び最終時点の、可溶性rBPI23濃度を、イオン交換HPLC分析により定量し、溶液の濁度の目視による観察結果も記録した。結果を表1に示すが、ここで、容認しうる安定性は、振動試験後の目視による観察によって確定した。
【0019】
単一の界面活性剤を含むタンパク質調製物の試験によると、オクトキシノール(octoxynol)−9(TRITON X−100、Rohm & Haas)、ローレス(laureth)−4(BRIJ 30、ICI Americans)、ポロキサマー403(PLURONIC P123、BASF Wyandotte)及びテロメレ(telomere)Bモノエーテルとポリエチレングリコール(ZONYL FSO−100、E.I.DuPont de Nemours)を使用した場合に、良好な結果が示された。これらの界面活性剤は表面張力を低いレベルに下げることができるものの、毒性作用が疑われるため及び生物学的適合性が未知であるために、認可されている非経口医薬には包含されていない。
【0020】
表1に示す別の界面活性剤試験により、35 mN/m を下回る表面張力を生み出す界面活性剤は、0.1%の界面活性剤濃度でrBPIを安定化することができることが示される。この実施例では、ポリソルベート80(TWEEN 80)及びポロキサマー188(PLURONIC F−68)のいずれもが、用いた振動試験の条件下で、単独ではタンパク質調製物を安定化することができなかったことがさらに示される。しかしながら、ポリソルベート80を入れると、追加の可溶化剤の助けなしには容易に水に溶けないBRIJ 30の濁った溶液を透明にする作用があった。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
(実施例2)
本実施例においては、rBPI23調製物を安定化すべく、単独で及び組み合わせて種々の界面活性剤を用いて、実施例1の方法に従いさらなる比較を実施した。結果を以下の表2に示すが、ここでは、振動試験の後に、目視による観察で容認しうる安定性を確定した。その結果、特に実験52〜58の結果から、ポロキサマー188及びポリソルベート80の配合は、試験の条件下で、いずれの界面活性剤とも単独ではそれに匹敵するほどに安定化することができない濃度で、rBPI23組成物を安定化するのに、予期せざるほど有用であることが示されている。実験により、その2つの界面活性剤の濃度を様々に組み合わせると、共同(synergistic)作用を呈することが示されるが、1 mg/mL濃度のrBPI23に特に好ましい配合は、クエン酸緩衝性生理食塩水(0.02 Mクエン酸、0.15 M NaCl、pH 5.0)中で0.1重量%ポロキサマー188及び0.001重量%ポリソルベート80を有するものであることが示される。0.001%を下回る濃度でポリソルベート80を用いた結果、18時間の振動の後すぐに濁りが生じたが、イオン交換HPLC MA7Cカラム(Bio−Rad、Hercules、CA)により定量したタンパク質の減少は、ごくわずかであった。それにかかわらず、濁りは外見上容認されえず、安定性の低減を示唆するものである。0.005%以上の濃度でポリソルベート80を用いて試験をすると、すべて18時間の振動後まてすぐれた安定性が得られ、HPLCで測定するとタンパク質喪失の兆候もほとんどない。それでも、ポリソルベート80をこのように高濃度用いると、4℃及び大気室温またはそれを上回るストレス温度で長期間貯蔵する間に、安定性が低下するかもしれない。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】
【0030】
【表10】
【0031】
【表11】
【0032】
【表12】
(実施例3)
本実施例では、Pieroniら、Proc.Soc.Exp.Biol.& Med.133巻、790頁(1970)に従うアクチノマイシン−D感作マウスモデルにおける、本発明の好ましい製剤を用いて製剤化した場合と、製剤化しない場合で、rBPI23の効果を比較するために研究を行った。本実施例においては、静脈注射によってICRマウスにアクチノマイシン−D(800μg/kg)を投与した。その後即座に、成熟ヒトBPI分子の最初の199アミノ酸の、およそ1位からおよそ199位によりその特徴が表され、1993年2月2日出願のTheofanらの米国特許出願第08/013,801号明細書の方法に従って生産された、rBPI23[BR−1]の、種々の投与量のうちいずれかの量を、クエン酸緩衝性生理食塩水(0.2 Mクエン酸、0.15 M NaCl、pH 5.0)中、1 mg/mLの濃度にて、それぞれ15匹のマウスの群に各々注射した。マウスへの注射は、0.03、0.1、1.0及び3.0 mg/kgの投与量で行った。コントロールとして、何匹かのマウスに、ポロキサマー及びポリソルベート界面活性剤を加えて、または加えないで製剤化用緩衝液を与えた。7日間にわたって死亡数を記録した。
【0033】
結果を図1及び2に示す。図1には、緩衝液群及び3.0mg/kgのrBPI23処置群における、各研究日数での生残マウス数を示す。緩衝液群(ポロキサマー及びポリソルベート界面活性剤を加えたもの、または加えないもの)では双方とも、死亡率は全体を通すと80%であった。対照的に、賦形剤存在下でのrBPI23では、緩衝液または賦形剤を加えないrBPI23のいずれよりも、格段に効能が示された。図2には、7日目の異なる投与量群についてのデータ(最終的な生残数)を要約する。0.1mg/kgの投与量レベルに始まり、好ましい界面活性剤を含む製剤に製剤化されたrBPI23では、添加した賦形剤を加えなかったrBPI23の場合よりもLPSの致死作用に対する防御能は有意に高かった(p<0.05またはそれを凌ぐ)。
【0034】
(実施例4)
本実施例では、本発明の好ましい界面活性剤製剤を加えた場合、または加えない場合の、種々のrBPI含有医薬組成物の濁度を調べる実験を行った。ここで濁度とは、医薬組成物で高次構造が破壊される(すなわち、タンパク質の第3次構造を喪失する)こと及び/または粒子形成(個々のタンパク質間で相互作用してより大きな(> 10μm)粒子を形成する)することとなる傾向性を言及するものである。試験を行った医薬組成物は、クエン酸緩衝液(20 mMクエン酸ナトリウム/150 mM 塩化ナトリウム、pH 5.0)中または0.1%ポロキサマー188及び0.002%ポリソルベート80を含有するクエン酸緩衝液中のいずれかに、rBPI(1−199)ala132、rBPI(1−193)ala132、または、1993年2月2日出願の、共有であり同時係属出願である米国特許出願第08/013,801号明細書に従って生産された、種々のrBPI23試料をいずれかを、含有するものであった。
【0035】
試料を分析して、温度を高めつつ且つpH 7.0にて、全時間にわたり、濁度に対する抵抗性を調べた。分析前にすべての試料を、pH 7.0の50 mMリン酸カリウム溶液で0.1 mg/mLの濃度に希釈した。再循環水浴につないだ温度制御キュベットホルダーを取り付けた、Shimazu UV−160 UV−Vis分光光度計用の石英のキュベットに試料を入れて、濁度を測定した。キュベットホルダーを57℃に平衡化したうえで、280 nmにおける吸光度を測定して、試料が正しい濃度に希釈されているか否かを確認した。これに続いて、1時間のあいだ、2分ごとに350 nmにおける試料の吸光度を測定し、全時間にわたる吸光度の変化を調べた。
【0036】
結果を図3に表すが、ここで、濁度の変化の割合がより低いと(すなわち、全時間にわたる吸光度の増大の割合がより低いと)、粒子形成に対しての安定性の増大を示唆することが示される。図3に示すように、界面活性剤の好ましい配合物を添加することで、試験を行った組成物すべての安定性(粒子形成に対する抵抗性)が増大せしめられる結果となった。さらに、rBPI(1−199)ala132及びrBPI(1−193)ala132は、野生型の組成物[rBPI23]に比較して、大幅に改良された粒子形成に対する抵抗性を呈した。
【0037】
(実施例5)
本実施例では、Kruss Digital Tensiometer K10ST Users Manual、Chapter 4: Measuring with the Plate に述べられた手法に従って、ポリソルベート及びポロキサマー界面活性剤またはそれら界面活性剤の配合物の、BPIタンパク質産物rBPI21Δcysの溶液中での表面張力を測定した。表面張力の減少は、界面活性剤の界面活性の増大を示唆するものであり、これが、界面活性剤がタンパク質を安定化する機構であると考えられている。これらの手法により、ポロキサマー界面活性剤が、前記とは異なり、予期せざる機構によって、有利な結果を提供することが確証された。
【0038】
詳細には、非製剤化rBPI21Δcys(ロット30216)の2 mg/mL溶液を、20 mMクエン酸ナトリウム/150 mM 塩化ナトリウム、pH5.0を用いて希釈して1 mg/mL溶液とした。この溶液15 mLを、ミニ撹拌子を入れた50 mLのガラスビーカーに入れた。
【0039】
界面活性剤ポロキサマー188、ポリソルベート80、または両者を配合した溶液を、上限0.10%まで、増量しながら添加した。それぞれの表面張力を測定する前に、プラチナプレートを、ガスバーナーの還元帯(青色炎)の上でプレートが正しく赤変し始めるまで、加熱した。プラチナプレートは、裏返しながら約10〜15秒間加熱して、次いで、装置の中に戻して吊した。界面活性剤添加溶液はそれぞれ、磁力撹拌器を用いて穏やかに混合し、その溶液を、4.6℃に平衡化したサーモスタット容器上に2分間置いた。表面張力の値は、5分後に読み取った。
【0040】
本実験の最初の第1部では、緩衝液中、界面活性剤単独の場合の界面活性を評価した。クエン酸生理食塩水緩衝液(20 mM クエン酸ナトリウム、150 mM 塩化ナトリウム、pH 5.0)をベースラインに用い、界面活性剤を増量しながら添加した。図4は界面活性剤濃度に対する表面張力の依存関係のプロットであり、それに対応するデータを表3に表す。白抜きの四角形は、ポロキサマー188の濃度を変動させた場合のクエン酸生理食塩水緩衝液についての結果を表し、一方黒塗りの円形は、ポリソルベート80の濃度を変動させた場合の同様の緩衝液についての結果を表す。クエン酸生理食塩水緩衝溶液単独では、水に類似して、4.6℃にて約75 mN/mの表面張力を有していた。界面活性剤の濃度を増大させるにつれ、緩衝溶液の表面張力は低減していった。0.10%のポロキサマー188を用いると、溶液の表面張力は55 mN/mであった。他方、0.10%のポリソルベート80を用いると、溶液の表面張力は45 mN/mとなった。表面張力の低下は、界面活性剤の界面活性の増大を示唆する。すなわち、表面張力が低下するほど、界面活性は増大する。この結果から、ポロキサマー188よりもポリソルベート80は、より界面活性が強いことが示唆される。
【0041】
実験の第2部では、界面活性剤の存在下でのrBPI21Δcysの界面活性を評価した。pH 5.0のクエン酸生理食塩水緩衝液中、1 mg/mLで、rBPI21Δcysは界面活性を有し、その表面張力は4.6℃にて約54 mN/mであった。0.0005%までポリソルベート80(PS80)を単独で添加しても、いずれのrBPI21Δcys溶液の表面張力も変化しなかった(図4、黒塗りの三角形)。ポリソルベート80の濃度が0.0005%を越えると、rBPI21Δcysの表面張力は、PS80単独の(BPIを含まない)緩衝液の場合に追随し、すなわち、ポリソルベート80の濃度が徐々に増大するにつれて溶液の表面張力は低下する。PS80単独の緩衝液については、PS80濃度を0.0005%から高めた場合に、54 mN/mの表面張力に達した。これらの結果により、PS80濃度が0.0005%を下回る場合、溶液の界面活性はrBPI21Δcysが支配することが示唆される。他方、PS80濃度が0.0005%を上回ると、溶液の界面活性はポリソルベート80により調節を受ける。rBPI21Δcysに、0.10%までポロキサマー188(F68)を単独で添加しても、rBPI21Δcys溶液の界面活性は有意に変化しなかった(図4、白抜きの三角形)。
【0042】
【表13】
【0043】
【表14】
(実施例6)
分別熱量走査測定(DSC)によりタンパク質試料を分析して、タンパク質の高次構造破壊(すなわち変性)を調べた。DSC分析用の出発材料は、表面張力測定において用いた材料と同様であった。ポロキサマー188、ポリソルベート80または両者の配合物の、界面活性剤濃度を変動させて、一連のrBPI21Δcys溶液を調製し、緩衝液(20 mMクエン酸ナトリウム、150 mM 塩化ナトリウム、pH 5.0)で希釈して、rBPI21Δcysの最終濃度を1 mg/mLとした。DSCに対するブランクとして利用するため、rBPI21Δcys溶液の場合と同じ濃度の界面活性剤を用いて、一連の緩衝溶液も調製した。各溶液は濾過し、2 mLの滅菌プラスチックバイアル瓶の中に入れた。この試料はDSC分析に付すまで、4℃の冷却箱に詰めておいた。
【0044】
大気温から約90℃まで、毎分1℃の割合で徐々に溶液の温度を高めるにつれて、rBPI21Δcysの挙動を評価した。温度が高まるにつれ、2つのイベントが起こる。第1のイベントは高次構造破壊反応であり、この反応は吸熱性であって、走査線中、上向きのピークによって表される。第2のイベントは沈殿であり、これは発熱性であって、走査線中、下向きのピークによって表される。図5、6及び8〜10に表す走査線において、データの分析を容易にするために、各走査線を並置している(offset)。界面活性剤を含有しないrBPI21Δcys溶液においては(図5、走査線1)、65℃におけるタンパク質の高次構造破壊に続き、その直後に第2のイベントであるタンパク質の沈殿が66〜67℃で生じている。
0.001%〜0.01%の範囲の低い濃度でポロキサマー188(PLURONIC(登録商標)F68)を用いると、高次構造破壊及び沈殿のイベントは、界面活性剤を含まないrBPI21Δcys溶液の場合に類似しており(図5、走査線2〜5)、すなわち、rBPI21Δcysで高次構造が破壊されると直ちに沈殿が生じる。ポロキサマー188を0.05%を越える濃度で用いると、やはり65℃にてrBPI21Δcysの高次構造破壊は起こるが、85℃の温度に達するまで沈殿は生じない(図5、走査線6)。図6では、ポロキサマー188濃度が0.01%〜0.05%の間では、高次構造が破壊したBPIの沈殿が徐々に遅延するよう移行していく。これらの結果より、ポロキサマー188が0.01%より高濃度である場合、高次構造が破壊したrBPI21Δcysは安定化されえ、沈殿の発生は遅延することが示唆される。図7に、界面活性剤(ポロキサマー188)濃度に対する変性及び沈殿温度の、依存関係のプロットを示す ポロキサマー188の作用は、rBPI21Δcysが沈殿するのをより高温にまで遅延させることであり、Tm(変性温度)及びΔH(変性のエネルギー)は変化しなかったので、rBPI21Δcysの本来の構造を安定化することではないようである。
1%までの濃度でポリソルベート80を用いて製剤化したrBPI21Δcysを、同様に分析した。等温曲線は、界面活性剤を加えないrBPI21Δcys溶液のものと類似していた(図8:走査線1及び8〜13、図9:走査線11、12)。ポリソルベート80は高温で溶液中のrBPI21Δcysを維持しなかった。従って、高次構造が破壊したrBPI21Δcysの安定化は、ポロキサマー188において独自のものであった。ポロキサマー188及びポリソルベート80を配合して用いた、2つの製剤、すなわち、0.1%F68/0.001%PS80及び0.1%F68/0.002%PS80は、0.05%及び0.1%PLURONIC F68を含有するrBPI21Δcysの場合と同様の走査線プロファイルを示し、65℃で高次構造が破壊し、85℃で沈殿した(図8:走査線14、15)。
rBPI21Δcysの崩壊の挙動(melting behavior)を調べることに加えて、高次構造破壊が可逆的なプロセスであるか否かを調べるために、0.05%及び0.10%のポロキサマー188を含有するrBPI21Δcys製剤を用いて再走査を行った。rBPI21Δcys溶液の温度は、まず、75℃(変性/高次構造破壊後であるが沈殿前の温度)に上げ、その後、走査を繰り返すために冷却した。図10に、rBPI21Δcysにポロキサマー188を添加することによって高次構造破壊が可逆的とはならないことが示される。プロファイルA5,1及びA6,1は、75℃までの走査を示し、一方プロファイルA5,2及びA6,2は75℃から系を冷却した後繰り返して行った走査を示す。高次構造破壊が可逆的なプロセスであれば、6及び7の走査プロファイルが得られるはずである。
前記の実験結果により、ポロキサマー界面活性剤単独で、溶液中のBPI関連ポリペプチドを安定化すること及び、水溶液の表面張力の調節に関わるものではないと考えられる機構により沈殿の発生を遅延させることができるということが、立証される。ポリソルベート80などの他の界面活性剤は沈殿の現象に影響を及ぼさず、水溶液の表面張力の調節に関わるのであるから、前記したポロキサマーの特性はポロキサマー独自のものである。
【0045】
(実施例7)
輸送の際のrBPI21Δcysの沈殿の程度を、水平振盪機の速度を調整することにより、実験室でシミュレートした。陸上輸送を5サイクル行う間に、非製剤化(界面活性剤を含まない)rBPI21Δcysの約70%が沈殿した。その後も、平床振盪機の速度(rpm)を変えることで振動試験を継続し、その結果、振動試験に付された非製剤化rBPI21Δcysの70〜90%が沈殿した。4℃にて18時間、110 rpm以下で平床振盪機上で非製剤化産物を振動させた場合、rBPI21Δcysは沈殿しなかった。140 rpmでの振動で(実施例1及び2における150 rpmでの振動よりむしろ)、陸上輸送を5サイクル行う間に起きる揺れ(agitation)に最も近い状態がシミュレートされる。バイアル瓶内での液体フローの動力学における変化が、140 rpmと150 rpmとでは実質的に異なる。種々の濃度で界面活性剤を配合して含有する組成物を、140 rpmの振動条件を用いてスクリーニングした。そこで得られた結果を表4に示す。沈殿からの保護のために至適な界面活性剤濃度は、0.2%ポロキサマー188に加えて0.002%ポリソルベート80、及び0.15%ポロキサマー188に加えて0.005%ポリソルベート80であることが確定された。
【0046】
【表15】
【0047】
【表16】
前記データに基づけば、4℃にて貯蔵される、2 mg/mLのrBPI21Δcys用の好ましい製剤は、5 mMクエン酸、150 mM NaCl、pH5.0、0.2%ポロキサマー188及び0.002%ポリソルベート80を含有するものであろう。4℃にて貯蔵される、2 mg/mlのrBPI21Δcys用の、それに代わる製剤は、5 mMクエン酸、150 mM NaCl、pH5.0、0.15%ポロキサマー188及び0.005%ポリソルベート80を含有するものであろう。
【0048】
要約すると、凝集/沈殿はタンパク質の不安定性の主たる原因の1つであって、気−液境界面にあるタンパク質で高次構造が破壊し、疎水性ドメインを曝す際に生じうるものである。保護されないままであれば、タンパク質は、曝された疎水性ドメインの相互作用を介して自己会合し、その結果凝集及び/または沈殿が生じる。本発明の界面活性剤及び界面活性剤の配合物を用いれば、タンパク質は2つの経路で安定化されうる。第1に、気−液境界面で曝された疎水性領域が、ポロキサマー界面活性剤により防護(shield)される。第2に、溶液の界面活性を通例のように調節することを介して、ポリソルベート界面活性剤により付加的な安定化が提供されうる。
【0049】
当業者であれば、前記した発明に数多くの修飾や変更を想到することが予期される。従って、本発明には、添付の特許請求の範囲に表した限定のみ、課されるべきであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、アクチノマイシン−D感作マウスモデルの、経時的な生残の結果を示すグラフである。
【図2】 図2は、アクチノマイシン−Dマウスモデルにおける、BPI投与量に従う生残の結果を示すグラフである。
【図3】 図3は、本発明の好ましい界面活性剤を用いてまたは用いないで、種々のBPIタンパク質の濁度を測定した結果を示すグラフである。
【図4】 図4は、ポリソルベート80(PS80)及びポロキサマー188(F68)の界面活性剤濃度を変動させて、rBPI21Δcys溶液の表面張力を測定した結果を示すグラフである。
【図5】 図5は、種々の濃度の界面活性剤ポロキサマー188(F68)を用いた、rBPI21Δcysの分別熱量走査測定(differential scanning calorimetry)の結果を表す、一連のグラフである。
【図6】 図6は、種々の濃度のポロキサマー188(F68)を用いた、rBPI21Δcysの分別熱量走査測定の結果を表す、別の一連のグラフである。
【図7】 図7は、界面活性剤ポロキサマー188(F68)の濃度を変動させた場合の、rBPI21Δcysの変性及び沈殿温度のプロットである。
【図8】 図8は、種々の濃度のポリソルベート80(PS80)単独または、0.1重量%のポロキサマー188(F68)を配合して用いた、rBPI21Δcysの分別熱量走査測定の結果を表す、一連のグラフである。
【図9】 図9は、2の異なる濃度で界面活性剤ポリソルベート80(PS80)を用いた、rBPI21Δcysの分別熱量走査測定の結果を表すグラフの組である。
【図10】 図10は、rBPI21Δcys及びポロキサマー188(F68)の溶液を、変性/高次構造破壊の温度より高いが、沈殿温度よりは低い温度にまで加熱し、次いで走査を反復するために冷却した後の、分別熱量走査測定の結果を表すグラフの組である。
Claims (12)
- ポリソルベート界面活性剤及びポロキサマー界面活性剤を配合して、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)またはその生物学的に活性を有する断片あるいは1または数個のアミノ酸の欠失、置換、および/または付加を有するそれらの活性な変異体を含む医薬組成物。
- 前記ポロキサマー界面活性剤が、約14よりも大であるHLB値、及び室温にて、0.1%の濃度で測定した場合に10〜70mN/m の間の表面張力を有することによりその特徴が表される、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ポロキサマー界面活性剤がポロキサマー188である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ポリソルベート界面活性剤が、約10よりも大であるHLB値、及び室温にて、0.1%の濃度で測定した場合に10〜70mN/m の間の表面張力を有することによりその特徴が表される、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ポリソルベート界面活性剤がポリソルベート80である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ポロキサマー界面活性剤が、約0.01重量%〜約1重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ポリソルベート界面活性剤が、約0.0005重量%〜約1重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
- ポリソルベート界面活性剤及びポロキサマー界面活性剤を配合して、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)の生物学的に活性を有するアミノ末端断片あるいは1または数個のアミノ酸の欠失、置換、および/または付加を有するその活性な変異体を含む医薬組成物。
- ポロキサマー界面活性剤を配合して、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)またはその生物学的に活性を有する断片あるいは1または数個のアミノ酸の欠失、置換、および/または付加を有するそれらの活性な変異体を含む医薬組成物。
- 前記ポロキサマー界面活性剤が、約14よりも大であるHLB値、及び室温にて、0.1%の濃度で測定した場合に10〜17mN/m の間の表面張力を有することによりその特徴が表される、請求項9に記載の医薬組成物。
- 前記ポロキサマー界面活性剤がポロキサマー188である、請求項9に記載の医薬組成物。
- ポロキサマー界面活性剤を配合して、殺菌性/浸透性増大タンパク質(Bactericidal/Permeability Increasing protein:BPI)の生物学的に活性を有するアミノ末端断片あるいは1または数個のアミノ酸の欠失、置換、および/または付加を有するその活性な変異体を含む医薬組成物。
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