JP3946139B2 - タンパク質の精製および回収の方法 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、生化学工学の分野に関する。より詳細には、本発明は、改善された生化学的回収プロセスに関し、このプロセスにおいて、組換えインターフェロン−βはリフォールディングされ、そして実質的に純粋なモノマー形態で回収され得る。この組成物は、薬学的処方物において使用され得る。
【0002】
(発明の背景)
天然に存在するインターフェロンは、ウイルス、二本鎖RNA、他のポリヌクレオチド、抗原、およびマイトジェンによる誘導により、種々の細胞により産生される種特異的なタンパク質である。インターフェロンは、抗ウイルス活性、抗増殖活性、免疫調節活性、および抗細胞活性を含む多くの生物学的活性を示す。これらの活性の調査により、少なくとも3つの異なる型のヒトインターフェロンが同定および特徴付けられ、これらは異なる構造遺伝子によりコードされる異なるタンパク質であることが報告された。インターフェロン(しばしば、糖タンパク質である)は当初、それらの細胞供給源に基づき分類され、その後アルファ、ベータ(「β」)、およびガンマとして再分類された。
【0003】
インターフェロン−β(「IFN−β」)は、繊維芽細胞および上皮細胞により産生される。ネイティブのインターフェロン−βは、ポリリボイノシン酸およびポリリボシチジル酸によりヒト繊維芽細胞培養物を超誘導(superinducing)し、それによって産生されたインターフェロンを、クロマトグラフィー技術および電気泳動技術により単離および精製することにより生成された。この方法でインターフェロンを精製するための費用および困難さは、広範な臨床試験およびインターフェロンの治療的価値の評価を妨げている。天然の供給源に由来するインターフェロンの単離は比較的困難であり、高価なままである。
【0004】
より最近、組換えDNA(「rDNA」)技術を用いて、種々のヒトインターフェロン遺伝子がクローニングされ、そしてE.coliにおいて発現された(Nagolaら(1980)Nature 284:316;Goeddelら(1980)Nature 287:411;Yelvertonら(1981)Nucleic Acids Res.9:731;Streuliら(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2848)。ネイティブのインターフェロン−β様の特性を示すタンパク質またはポリペプチドもまた、rDAN技術を用いて、ウイルスにより誘導されたヒト細胞からポリAリッチ12SメッセンジャーRNAを抽出し、テンプレートとしてこのmRNAを使用して二本鎖cDNAを合成し、適切なクローニングベクターにこのcDNAを導入し、適切な微生物をこのベクターにより形質転換し、微生物を収集し、そしてこの微生物からインターフェロン−βを抽出することにより生成され得る。例えば、欧州特許出願番号28033(1981年5月6日公開);同32134(1981年7月15日公開);および同34307(1981年8月26日公開)を参照のこと。これらは、rDNA技術を用いてインターフェロン−βを生成する種々の方法を記載している。組換えDNAクローンから発現されたタンパク質またはポリペプチドは、精製され、試験され、そしてネイティブのインターフェロンのそれらと類似の特性を示すことが見出された。従って、細菌により産生されたインターフェロンは、抗ウイルス剤および抗腫瘍剤としての潜在的な治療用途を有する。このような細菌発酵によるインターフェロンの産生により、比較的低コストで大量のインターフェロンが得られ、それによってインターフェロンが、多くの用途(例えば、臨床研究)により、広範に利用可能になる。
【0005】
臨床研究に使用するインターフェロン−βは、比較的高い純度を有さなければならず、毒性の宿主細胞構成要素、細胞片、ならびに抽出および精製工程の間に誘導される他の外来性化学物質で実質的に汚染されていてはならない。IFN−βを調製、回収、および精製するためのいくつかの方法が、現在利用可能である。
【0006】
米国特許第4,462,940号および同第5,702,699号に開示されるIFN−βの精製および回収方法ならびに同様の方法により、強力な可溶化剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(「SDS」))の非存在下で凝集体を形成する性質を有する純粋な形態のIFN−βが生成される。さらに、このような方法は、(1)タンパク質を、そのタンパク質の生物学的特性に悪影響を及ぼし得る高pH条件に曝し、そして(2)精製の際にタンパク質を可溶化するために使用された量のSDSが残留する組成物を生じる。
【0007】
従って、IFN−βが高アルカリに供されず、その処方物がSDSを含まないかまたは実質的に含まず、そしてこのタンパク質が非経口投与に適したpHにおいて可溶性である、改善された回収および精製プロセスに対する必要性が存在する。比較的高い純度を有し、そして精製および回収プロセスの間に容易にリフォールディングするIFN−βの薬学的に受容可能なサンプルを提供することが、本発明の目的である。
【0008】
(発明の要旨)
IFN−βの薬学的処方物の調製において有用な改善された方法が提供される。本方法により、IFN−βを含む、モノマーの、液体薬学的組成物が提供される。本方法は、回収プロセスの間にタンパク質のリフォールディングを増強する条件を含む。
【0009】
前述および他の目的を達成するために、そして本明細書中で具体化され広範に記載される本発明の目的に従って、本発明は、IFN−βの精製および回収のための改善された方法を提供する。1つの実施形態において、この改善された方法は、IFN−βを含む溶液を調製する工程、この溶液から実質的に精製されたIFN−βのプールを単離する工程、アルコールを用いてこのプールから精製されたIFN−βを沈殿させる工程、および沈殿させたIFN−βをグアニジン塩酸塩に溶解し、再溶解された変性IFN−βを含む溶液を形成する工程、を包含する。次いで、再溶解された変性IFN−βを含むこの溶液は、適切な第1緩衝液に希釈され、再溶解された再生IFN−βを含む溶液が得られる。次いで、得られた溶液は、薬学目的に適した緩衝液にダイアフィルトレーションおよび透析される。この最後の工程により、残留グアニジン塩酸塩が除去され、非経口投与に適した実質的にモノマーのIFN−βを含む薬学的処方物が得られる。
【0010】
別の実施形態において、改善されたIFN−βの精製および回収方法は、実質的に精製されたIFN−βのサンプルを獲得する工程、およびこのサンプルをグアニジン塩酸塩と混合し、可溶化した変性IFN−βを含む溶液を形成する工程を包含する。次いで、可溶化した変性IFN−βを含むこの溶液は、適切な第1緩衝液に希釈され、可溶化された再生IFN−βを含む溶液が獲得される。次いで、得られた可溶化された再生IFN−β溶液は、薬学目的に適した緩衝液中にダイアフィルトレーションまたは透析される。上記のように、この最後の工程により、残留グアニジン塩酸塩が除去され、非経口投与のために適切な実質的にモノマーのIFN−βを含む薬学的処方物が獲得される。
【0011】
本発明の別の局面は、微生物産生されたIFN−βの回収のための改善されたプロセスに関する。本発明の方法を用いて、SDSを含まないか実質的に含まない(1mgのIFN−βあたり10μg SDS未満)IFN−βの薬学的処方物が調製され得る。本発明の別の局面は、本発明の方法が用いられる場合、ヒト血清アルブミン(HSA)のような基質が、IFN−βの安定な調製のために必要とされないことである。次いで、実質的にモノマー形態のIFN−βは、薬学的処方物において使用するために水性緩衝液中に希釈され得る。従って、本方法は、本発明の薬学的組成物の調製における用途を見出す。
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明は、実質的にモノマー形態のIFN−βを調製する新規の方法に関する。「実質的にモノマー」とは、調製物および組成物中に存在するIFN−βの大部分(重量)が凝集しておらずモノマーであることを意味する。「凝集」とは、可溶性を維持し得るか、または溶液から沈殿し得る非共有結合性マルチマーを形成するポリペプチド分子間の、物理的相互作用を意味する。実質的にモノマーの組成物または処方物においてモノマーであるIFN−βの割合(重量)は、51%またはそれ以上で変化し得る。本発明の方法は、従来の安定化剤HSAを使用せずに生成され、そして安定化剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含まないかまたは実質的に含まない(すなわち、1mgのIFN−βあたり10μg未満のSDSを含む)、実質的にモノマーのIFN−βを含む組成物の調製を提供する。従って、実質的にモノマーのIFN−βを含むこれらの組成物は、薬学的調製物または治療的調製物における使用に適している。モノマー形態のIFN−βポリペプチドは可溶性を維持し、それ故、本発明の薬学的組成物中に「溶解されている」と言われる。従って、本発明は、HSAを含まず、SDSを含まない、少なくとも約51%のIFN−βが、その凝集形態と反対の、モノマー形態のIFN−βを含む薬学的組成物を提供する。好ましくは、少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、より好ましくは少なくとも約90%またはそれ以上のIFN−βがモノマー形態である。
【0013】
1つの実施形態において、実質的にモノマーのIFN−βを含む組成物は、溶液から実質的に精製されたIFN−βを沈殿させ、グアニジン塩酸塩(HCl)への溶解によりこの沈殿物を再懸濁し、濾過により任意の残留SDSを除去し(最初のIFN−βサンプルがSDSを含む場合)、次いで得られたグアニジンHCl−IFN−β溶液を適切な緩衝溶液で希釈することによりIFN−βを再生することにより調製される。「実質的に精製された」とは、出発物質中のIFN−βが、通常付随する成分またはその天然に存在する環境(すなわち、組換え生成されたIFN−βの場合、ネイティブの細胞または宿主細胞)において見出されるタンパク質と相互作用する成分を、実質的または本質的に含まないことを意味する。細胞性物質を実質的に含まないIFN−βポリペプチドとして、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、または約1%未満(乾燥重量)の混入タンパク質を有するタンパク質の調製物が挙げられる。IFN−βポリペプチドまたは生物学的に活性なその改変体が組換え生成される場合、好ましい培養培地は、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、または約1%未満(乾燥重量)の化学前駆体または目的のタンパク質ではない化学物質を示す。従って、本発明の方法において使用するために「実質的に精製された」IFN−βは、SDS/PAGE分析により決定される場合、少なくとも約70%の純度レベル、好ましくは少なくとも約75%、80%、85%の純度レベル、より好ましくは少なくとも約90%またはそれ以上の純度レベルを有すると言われる。
【0014】
別の実施形態において、実質的にモノマーのIFN−βを含む組成物は、上記の沈殿工程を行わずに調製される。この様式において、実質的に精製されたIFN−βを含むサンプルは、グアニジンHClと混合され、可溶化された変性IFN−βを含む溶液が獲得され;次いで、IFN−βは、得られたグアニジンHCl−IFN−β溶液を、適切な緩衝液で希釈することにより再生される。これらの調製工程の副産物は、実質的にモノマーのIFN−βを含む組成物、およびIFN−β応答性疾患に対するIFN−β治療に有用な、実質的にモノマーのIFN−βを含む、注入可能な処方物を調製ための本発明の方法の基礎である。
【0015】
用語「IFN−ベータ」または「IFN−β」は、本明細書中で使用される場合、IFN−βまたはその改変体をいい、時々、IFN−β様ポリペプチドをいう。従って、例えば、ヒトIFN−β改変体(天然に存在する改変体(例えば、IFN−β遺伝子座で生じる対立遺伝子改変体)であっても、組換え生成された改変体であっても)は、ネイティブの成熟ヒトIFN−β配列と同一であるか、類似するか、または実質的に類似するアミノ酸配列を有する。それらの活性を保持するIFN−βのフラグメントまたはIFN−βの短縮形態もまた、用語「IFN−β」または「IFN−ベータ」に包含される。これらのIFN−βの生物学的に活性なフラグメントまたは短縮形態は、当該分野で周知の組換えDNA技術を用いて、全長IFN−βアミノ酸配列からアミノ酸配列を除去することにより生成される。IFN−βポリペプチドは、グリコシル化(IFN−β−1a)であっても非グリコシル化(IFN−β−1b)であってもよく、グリコシル化IFN−βおよび非グリコシル化IFN−βの両方が、同質の特定の活性を有し、従って、グリコシル部分は、IFN−βの生物学的活性に関与および寄与しないことが文献に報告されている。
【0016】
本明細書中に含まれるIFN−β改変体として、生物学的活性に必須ではない1つ以上のシステイン残基が意図的に欠失されているか、または他のアミノ酸で置換されて、分子内架橋または不正確な分子間ジスルフィド結合形成の部位が消去された、ネイティブの成熟IFN−β配列のムテインが挙げられる(例えば、本明細書中に参考として援用される、米国特許第5,814,485号を参照のこと)。このタイプのIFN−β改変体として、ネイティブの成熟アミノ酸配列のアミノ酸17に見出されるシステインの代わりにグリシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、セリン、スレオニン、またはメチオニンを含む改変体が挙げられる。セリンおよびスレオニンは、システインとの化学的な類似性に起因して、より好ましい置換基である。セリン置換が最も好ましい。例えば、ネイティブの成熟配列のアミノ酸17に見出されるシステインがセリンで置換されたIFN−β改変体(米国特許第5,814,485号)を参照のこと。システイン17はまた、当該分野で周知の方法を用いて欠失され得(例えば、本明細書中で参考として援用される、米国特許第4,518,584号を参照のこと)、ネイティブの成熟IFN−βよりも1アミノ酸短い成熟IFN−βムテインを生じる。例として、米国特許第4,530,787号;同第4,572,798号;および同第4,588,585号もまた参照のこと。従って、例えば、それらの薬学的有用性を改善する1つ以上の変異を有するIFN−β改変体がまた、本発明に包含される。
【0017】
当業者は、IFN−βをコードするヌクレオチド配列への変異によりさらなる変更が導入され得、それによって、インターフェロンの生物学的活性を変更することなく、IFN−βアミノ酸配列が変更されることを理解している。従って、ネイティブのIFN−βのアミノ酸配列と異なる配列を有するIFN−β改変体をコードする単離された核酸分子は、ネイティブのIFN−βをコードする対応するヌクレオチド配列に1つ以上のヌクレオチド置換、付加、または欠失を導入することにより作製され得、その結果、1つ以上のアミノ酸置換、付加、または欠失が、コードされるIFN−βに導入される。変異は、標準的な技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)により導入され得る。このようなIFN−β改変体もまた、本発明に包含される。
【0018】
例えば、保存的アミノ酸置換は、1つ以上の予測される、好ましくは非必須アミノ酸残基で作製され得る。「非必須」アミノ酸残基は、その生物学的活性を変更することなく、IFN−βの野生型配列から変更され得る残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は、生物学的活性のために必要とされる。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似する側鎖を有するアミノ酸残基で置換される置換をいう。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で規定されている。これらのファミリーとして、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非電荷極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。このような置換は、保存されたアミノ酸残基または保存されたモチーフ内に存在するアミノ酸残基に対してなされない。
【0019】
あるいは、改変体IFN−βヌクレオチド配列は、IFN−βコード配列の全てまたは一部に沿って無作為に変異を導入すること(例えば、飽和変異誘発)により作製され得、そして得られた変異は、活性を保持する変異を同定するために、IFN−βの生物学的活性についてスクリーニングされ得る。変異誘発後、コードされるタンパク質は、組換え発現され得、そしてタンパク質の活性は、本明細書中に記載される標準的なアッセイ技術を用いて決定され得る。
【0020】
IFN−βの生物学的に活性な改変体は、一般的に、参照IFN−β分子のアミノ酸配列(例えば、比較のための基礎として使用される、ネイティブのヒトIFN−β)に対して少なくとも80%、より好ましくは約90〜95%またはそれ以上、そして最も好ましくは、約99%のアミノ酸配列同一性を有する。「配列同一性」は、改変体の特定の連続するアミノ酸配列のセグメントを整列させ、そして参照分子のアミノ酸配列と比較する場合、同一のアミノ酸残基が、改変体ポリペプチドおよび参照として使用されるポリペプチド分子内で見出されることを意味する。
【0021】
配列同一性を決定するための2つの配列の最適なアラインメントの目的のために、改変体のアミノ酸配列の連続するセグメントは、さらなるアミノ酸残基を有し得るか、または参照分子のアミノ酸配列に対してアミノ酸残基が欠失され得る。参照アミノ酸配列との比較のために使用される連続するセグメントは、少なくとも20の連続するアミノ酸残基を含む。改変体のアミノ酸配列中にギャップを含むことに関連する配列同一性の増加に対する修正は、ギャップペナルティーを割り当てることにより成され得る。配列アラインメントの方法は、当該分野で周知である。
【0022】
従って、任意の2配列間の%同一性の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成され得る。配列の比較のために利用される、1つの好ましい、非限定的な数学的アルゴリズムの例は、MyersおよびMiller(1988)Comput.Appl.Biosci.4:11−7のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)において利用され、これは、GCGアルゴリズムソフトウェアパッケージの一部分である。アミノ酸配列を含む場合、PAM120重量残留テーブル、12のギャップ長ペナルティーおよび4のギャップペナルティーが、ALIGNプログラムで使用され得る。2つの配列を比較するのに用いるための、別の好ましい、非限定的な数学的アルゴリズムの例は、KarlinおよびAltschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877のアルゴリズム、KarlinおよびAltschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci USA 90:5873−5877のように改変されたアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−410のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれる。BLASTアミノ酸配列検索は、目的のポリペプチドに類似するアミノ酸配列を獲得するために、XBLASTプログラム(スコア=50、ワード長=3)を用いて実行され得る。比較の目的のためのgapped整列を得るために、gapped BLASTが、Altschulら(1997)Nucleic Acids Res.25:3389−3402に記載されるように利用され得る。あるいは、PSI−BLASTは、分子間の距離的関係を検出する統合検索を実施するために使用され得る。Altschulら(1997)前出を参考のこと。BLAST、gapped BLAST、またはPSI−BLASTプログラムを使用する場合、デフォルトパラメータが使用され得る。ncbi.nlm.nih.govのウェブサイトを参照のこと。ALIGNプログラム(Dayhoff(1978)、Atlas of Protein Sequence and Structure 5:補遺3(National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.)およびWisconsin Sequence Analysis Package,Version 8(Genetics Computer Group,Madison,Wisconsinから入手可能)のプログラム(例えば、GAPプログラム、ここで、プログラムのデフォルトパラメータが利用される)もまた参照のこと。
【0023】
アミノ酸配列同一性の割合を考慮する場合、いくつかのアミノ酸残基位置が、タンパク質機能の特性に影響しない保存的アミノ酸置換の結果として異なり得る。これらの例において、%配列同一性は、保存的に置換されたアミノ酸における類似性を考慮して上方に調節され得る。このような調節は、当該分野で周知である。例えば、MyersおよびMiller(1988)Comput.Appl.Biosci.4:11−17を参照のこと。
【0024】
本発明に含まれるIFN−βの生物学的に活性な改変体は、IFN−β活性(特にIFN−βレセプターに結合する能力)を保持すべきである。IFN−β改変体の生物学的活性は、当該分野で公知の任意の方法によって測定され得る。このようなアッセイの例は、Fellousら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci USA 79:3082−3086;Czernieckiら(1984)J.Virol.49(2):490−496;Markら(1984)Proc.Natl Acad.Sci.USA 81:5662−5666;Brancaら(1981)Nature 277:221−223;Williamsら(1979)Nature 282:582−586;Herbermanら(1979)Nature 277:221−223;およびAndersonら(1982)J.Biol.Chem.257(19):11301−11304に見い出され得る。
【0025】
本発明に含まれるIFN−βポリペプチドおよびIFN−β改変体ポリペプチドの非限定的な例は、Nagataら(1980)Nature 284:316−320;Goeddelら(1980)Nature 287:411−416;Yelvertonら(1981)Nucleic Acids Res.9:731−741;Streuliら(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2848−2852;EP028033B1、およびEP109748B1に記載される。米国特許第4,518,584号;同第4,569,908号;同第4,588,585号;同第4,738,844号;同第4,753,795号;同第4,769,233号;同第4,793,995号;同第4,914,033号;同第4,959,314号;同第5,545,723号;および同第5,814,485号もまた、参照のこと。これらの開示は、本明細書中に参考として援用される。これらの引用はまた、生物学的活性を失うことなしに変更され得るIFN−βポリペプチドの残基および領域に関するガイダンスを提供する。
【0026】
「組換え生成されたIFN−β」とは、組換えDNA技術によって調製された、ネイティブなIFN−βに匹敵し得る生物学的活性を有するIFN−βを意図する。IFN−βは、IFN−βポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現ベクターで形質転換した宿主細胞を培養することによって、生成され得る。この宿主細胞は、ヌクレオチド配列を転写し得、そして所望のタンパク質を生成し得、そして原核生物(例えば、E.coli)または真核生物(例えば、酵母、昆虫、または哺乳動物の細胞)であり得る細胞である。IFN−βの組換え生成の例は、以下において与えられる:Manteiら(1982)Nature 297:128;Ohnoら(1982)Nucleic Acids Res.10:967;Smithら(1983)Mol.Cell.Biol.3:2156ならびに米国特許第4,462,940号、同第5,702,699号および同第5,814,485号;参考として本明細書中に援用される。米国特許第5,795,779号もまた参照のこと、ここで、IFN−β−1aは、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞において組換え的に生成される;本明細書中に参考として援用される。ヒトインターフェロン遺伝子は、組換えDNA(「rDNA」)技術を用いてクローン化され、E.coliにおいて発現された(Nagolaら(1980)Nature 284:316;Goeddelら(1980)Nature 287:411;Yelvertonら(1981)Nuc.Acid.Res.9:731;Streuliら(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:2848)。あるいは、IFN−βは、当該分野で公知の方法に従って、目的のIFN−βタンパク質を発現するように遺伝子操作されたトランスジェニック動物またはトランスジェニック植物によって生成され得る。
【0027】
ネイティブなインターフェロン−β様の性質を示すタンパク質またはポリペプチドはまた、rDNA技術を用いて、ウイルス的に誘導されたヒトの細胞からポリAリッチ12SメッセンジャーRNAを抽出する工程、鋳型としてこのmRNAを用いて二本鎖cDNAを合成する工程、適切なクローニングベクター中にこのcDNAを導入する工程、適切な微生物をこのベクターで形質転換する工程、その微生物を収集する工程およびその微生物からインターフェロン−βを抽出する工程によって、生成され得る。例えば、欧州特許出願第28033号(1981年5月6日に公開);同第32134号(1981年7月15日公開);および同第34307号(1981年8月26日公開)を参照のこと、これらは、rDNA技術を使用するIFN−β生成のための種々の方法を記載する。
【0028】
あるいは、IFN−βは、ペプチド分野の当業者に公知の、いくつかの技術のいずれかによって化学的に合成され得る。例えば、以下を参照のこと:Liら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:2216−2220、StewardおよびYoung(1984)Solid Phase Peptide Synthesis(Pierce Chemical Company、Rockford、Illinois)、ならびにBaraneyおよびMerrifield(1980)The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology、GrossおよびMeinhofer編、第2巻(Academic Press、New York、1980)3−254頁、固相ペプチド合成技術を議論している;ならびにBodansky(1984)Principles of Peptide Synthesis(Springer−Verlag、Berlin)ならびにGrossおよびMeinhofer編、(1980)The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology、第1巻(Academic Press、New York)、伝統的な溶液合成を議論している。IFN−βはまた、同時複数ペプチド合成方法によって化学的に調製され得る。例えば、Houghten(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131−5135;および米国特許第4,631,211号を参照のこと。
【0029】
本明細書中に開示される実質的にモノマーのIFN−βを含む組成物の調製は、好ましくは、本発明の2つの改善された精製方法のうちの1つに従って実行される。これらの精製方法のうちの第1の方法は、以下の3つの基本的な工程を包含する:(1)実質的に精製されたIFN−βを含む溶液からのIFN−βの沈殿;(2)IFN−βの再可溶化を達成するための、グアニジン塩酸塩(HCl)中でのIFN−β沈殿物の溶解;および(3)好ましくは、受容可能な緩衝液を用いる希釈または透析を介する、IFN−βの再生。この精製方法は、可溶性の、安定な、そして実質的にモノマーの形態であるIFN−βを生成する。得られた組成物は、薬学的に受容可能な緩衝液を含むこの組成物の、さらなる濾過または透析によって、薬学的組成物として処方され得る。この最終工程は、残留グアニジンHClを、再生したIFN−βを含む溶液から除去し、非経口投与のために受容可能なpHを有する処方物を提供する。
【0030】
本発明のこの精製方法を用いて、IFN−βの沈殿は、実質的に精製されたIFN−βを、溶液から沈殿する工程によって最初に調製される。沈殿は、IFN−βの溶解性を減少させることによって達成される。IFN−β溶解性の減少およびIFN−βの沈殿は、アルコール(例えば、エタノールような脂肪族アルコール)の使用によって達成され得る。いくつかのタンパク質について、沈殿は、不可逆的な変性および/または凝集反応(タンパク質の不活性化を導く)の結果として生じるが、本発明の沈殿したIFN−βの場合、この沈殿反応は可逆的である。従って、この精製方法の引き続く工程において回収される可溶性IFN−βは、生物学的活性を保持する。
【0031】
次いで、得られた沈殿物はグアニジンHCl中に可溶化され、再可溶化した変性IFN−βおよびグアニジンHClを含む溶液を得る。実質的に精製されたIFN−βが、可溶化剤としてのSDSの使用を含む、最初の精製工程を用いて得られた場合には、このSDSは、グアニジンHClを用いた可溶化後に沈殿物として保持される。この沈殿したSDSは、当該分野に公知の、標準的な濾過技術を用いる濾過によって、好ましくは、この改善した精製方法の、引き続く工程を実施する前に除去される。IFN−β沈殿物と混合されるべきグアニジンHClの量は、得られたグアニジンHCl−IFN−β溶液において沈殿したIFN−βを可溶化するのに十分な量(すなわち、この得られたグアニジンHCl−IFN−β溶液中、約6M〜約10MのグアニジンHClであり、好ましくは、約6〜約9M、より好ましくは約6M〜約8MのグアニジンHCl)である。可溶化によって、この溶液中のIFN−βはまた変性している。このタンパク質の再生は、緩衝溶液を用いたグアニジンHCl−IFN−β溶液の希釈によって達成され、これにより、再可溶化した再生IFN−βおよび残留グアニジン塩酸塩を含む溶液が得られる。この得られた溶液中のIFN−βは、実質的にモノマー(すなわち、例えば、サイジングHPLCによって決定されるように、少なくとも約51%がそのモノマー形態で存在し、好ましくは、少なくとも約70%、75%、80%、85%、より好ましくは、少なくとも約90%またはそれ以上がそのモノマー形態で存在する)である。
【0032】
再可溶化工程および再生工程の間に、グアニジンHClは、IFN−βの溶解性を高める可溶化剤として役立つ。IFN−βの「溶解性を高める」とは、同じ成分であるが、グアニジンHClを欠く溶液中に、同じpHで溶解され得るIFN−βの量と比較した場合、グアニジンHClの存在下で、約pH3.0〜約pH9.0で溶液中に溶解され得るIFN−βの量を増加させることを意図する。IFN−βの溶解性を高めるグアニジンHClの能力は、当該分野で周知の方法(本明細書中に開示される方法を含む)を用いて決定され得る。
【0033】
任意の適切な緩衝液は、本発明のこの精製方法の希釈工程において使用され得、IFN−βの再生を達成する。この工程において使用するための適切な緩衝液としては、以下に開示される緩衝液が挙げられる:例えば、酢酸、クエン酸、リン酸およびトリスHCl(この選択は、希釈工程の後に得られる溶液の所望されるpHに依存する)。精製方法が沈殿工程を含む場合、好ましくは、希釈工程のために使用される緩衝液は、約4.0〜約8.0(約4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5および8.0を含む)のpH、より好ましくは、約5.0〜約7.0のpHを有する。この希釈工程の後に、好ましくは、再可溶化した再生IFN−β溶液に残存する残留グアニジンHClの量は、約1.6M以下、より好ましくは約0.8M以下である。
【0034】
得られた再可溶化した再生IFN−β溶液は、実質的にモノマー形態のIFN−βを含む(すなわち、約51%よりも多くがモノマーである)。加えて、再可溶化した再生IFN−β溶液は、残留量のグアニジンHClを含む。この組成物は、非経口的投与のために適切である、薬学的処方物の調製のために利用され得る。この様式において、残留グアニジンHCl可溶性増強剤は、薬学的に受容可能な緩衝液を用いる、この溶液の透析またはダイアフィルトレーションによって、再可溶化した再生IFN−β溶液から除去され得る。「残留グアニジンHClを除去する」とは、この精製方法の工程を用いて調製される、実質的にモノマーのIFN−βを含む薬学的処方物が、10mM以下、好ましくは5mM以下の濃度でグアニジンHClを含むことを意図する。IFN−βが可溶化され、実質的にモノマー形態のままである限り、任意の薬学的に受容可能な緩衝液が、薬学的処方物を作製するために使用され得る。1つの実施形態において、薬学的に受容可能な緩衝液は、薬学的に受容可能な緩衝液中のアルギニンまたは塩化ナトリウム非存在下で、得られた収率と比較して、モノマー形態のIFN−βの収率を高めるのに十分な量で、アルギニンまたは塩化ナトリウムを含む。アルギニンについて、収率を高めるのに十分な量は、約0.2M〜約1.0M、好ましくは、約0.4M〜約0.8M(約0.4M、0.5M、0.6M、0.7Mおよび0.8Mを含む)である。1つの実施形態において、薬学的に受容可能な緩衝液中に存在するアルギニンの量は、約0.5Mである。塩化ナトリウムについて、収率を高めるのに十分な量は、約0.2M〜約1.2M、好ましくは、約0.2M〜約1.0M、より好ましくは、約0.5M〜約1.0Mである。1つの実施形態において、薬学的に受容可能な緩衝液中に存在する塩化ナトリウムの量は、約1.0Mである。
【0035】
実質的にモノマーのIFN−βを含む組成物を調製するための第2の精製方法は、第1の方法に類似するが、沈殿工程なしで、この組成物を調製する手段を提供する。この第2の方法は、以下の2つの工程を包含する:(1)可溶化した変性IFN−βを含む溶液を得るために、グアニジン塩酸塩(HCl)を用いて実質的に精製されたIFN−βを含むサンプルを混合する工程;および(2)好ましくは、受容可能な緩衝液を用いる希釈によってIFN−βを再生する工程。グアニジンHClは、上記のように溶解性増強剤として役立ち、第1の精製方法について上に記載したのと類似の量で使用される。このように、第1の工程後、可溶化した変性IFN−βを含む溶液中のグアニジンHClの量は、約6M〜約10MのグアニジンHCl、好ましくは約6M〜約9M、より好ましくは約6M〜約8MのグアニジンHClである。上記のように、最初の実質的に精製されたIFN−βがSDSを含む場合、この工程においてSDSは沈殿し、当該分野で公知の標準的な濾過技術を用いて、溶液から濾過され得る。
【0036】
第1の精製方法のように、このグアニジンHCl−IFN−β溶液中のIFN−βは、変性される。変性は、約3.0〜約5.0、好ましくは約3.0〜約4.0、より好ましくは約3.0の範囲のpHを有する受容可能な緩衝液を用いる希釈によって達成される。IFN−βの再生を達成するための希釈工程のために適切な緩衝液としては、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびコハク酸、酢酸、リン酸、蟻酸およびクエン酸ならびにそれらの任意の塩が挙げられる。この希釈工程の後に、好ましくは、可溶化した再生IFN−β溶液中に保持される、残留グアニジンHClの量は、約1.6M以下、好ましくは約0.8M以下、より好ましくは約0.1M以下である。再生後、得られた組成物は、実質的にモノマーのIFN−βを含む(すなわち、例えば、サイジングHPLCを用いて、好ましくは分析用超遠心分離を用いて決定されるように、少なくとも51%、好ましくは少なくとも70%がそのモノマー形態で存在する)(例えば、LiuおよびShire(1999)J.Pharm.Sci.88:1237−1241を参照のこと、参考として本明細書中に援用される)。この再生IFN−β溶液中の残留グアニジンHClは、実質的にモノマーのIFN−βを含む薬学的処方物を調製するために、第1の精製方法に記載するのと類似の様式で除去され得る。IFN−βが可溶化されたままで、実質的にそのモノマー形態で存在する限り、任意の薬学的に受容可能な緩衝液が、本明細書中の他に記載されるように利用され得る。1つの実施形態において、薬学的に受容可能な緩衝液は、グリシン、アスパラギン酸およびコハク酸ナトリウムからなる群より選択され、好ましくはグリシンであり、その結果、薬学的処方物は、約3.0〜約5.0、好ましくは、約3.0〜約4.0、最も好ましくは約3.0MのpHを有する。
【0037】
このように、本発明の精製方法によって提供される実質的にモノマー形態のIFN−βは、本発明に開示されるような、いくつかの用途を有する。例えば、この形態のIFN−βは、本明細書中に記載されるような、非経口的投与に適切な薬学的組成物を処方する工程において、直接的に使用され得る。残留グアニジンHClを除去するための、薬学的に受容可能な緩衝液の選択を伴うダイアフィルトレーションまたは透析工程の後、得られた薬物的組成物は、薬学的組成物中に安定剤を含めることによって、変性および生物学的活性の喪失に対して安定化され得る。この安定剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:タンパク質または炭水化物、好ましくは、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、デキストロース、スクロースおよびトレハロースまたはそれらの混合物からなる群より選択される。本発明のさらなる局面において、ダイアフィルトレーション(または透析)および安定化工程から得られたIFN−β調製物は、治療的および臨床的適用のための不活性な、非毒性の、生理学的に適合性のキャリア媒体中で、凍結乾燥および再構築され得る。
【0038】
本発明の薬学的組成物は、既知の濃度の実質的にモノマー形態のIFN−βのを用いて処方され、その結果、特定用量の投与が、治療を受ける特定のIFN−β反応性の状態に関して、所望の治療応答を促進する。「所望の治療応答」とは、状態の改善または状態に関連する症状の改善が意図される。
【0039】
IFN−βを含む薬学的組成物は、IFN−β応答性状態の処置を指向する治療において有用である。「治療」とは、IFN−β治療によって増強される現在の正常な状態の処置、IFN−βに応答する異常な状態の治療的処置、およびIFN−βを用いる処置を含む予防的(preventiveまたはprophylactic)手順を意図し、異常な状態の発生の重症度を予防するかまたは低減する。「IFN−β応答性状態」とは、IFN−βに対して陽性か、または陰性のいずれかで応答する任意の状態を意図する。このようなIFN−β応答性状態は、正常な状態であり得る。例えば、哺乳動物は、免疫応答の応答性および/または能力を増強するために、IFN−β治療を受け得る。このような治療は、ウイルス感染(例えば、デング熱ウイルスまたはシンドビスウイルス)の重症性に対する予防または調節を提供するための処置を含む。対照的に、IFN−β応答性状態は、悪性黒色腫のような異常な状態であり得る。このような異常な状態は、慢性であり得、そして多かれ少なかれ連続的に生じるか、あるいはこのような異常な状態は急性であり得る。このIFN−β応答性状態は、慢性または急性の両方として特徴付けられる可能性のあり得る状態(例えば、緩和された再発性多発性硬化症)であり得る。任意のIFN−β応答性疾患は、本発明のIFN−β薬学的組成物の投与から恩恵を受け得る。IFN−βに対して応答性の状態はまた、免疫学的障害(例えば、免疫欠損(疾患または感染の結果としての、免疫耐性の減少を含む))、あるいは環境または他の影響(例えば、化学療法または毒性化学物質への他の曝露)から生じる免疫応答の損傷を含み得る。
【0040】
以下の実施例は、説明の目的で提供され、限定を目的としていない。
【0041】
(実験)
(実施例1:IFN−βの調製)
これらの実験における使用のためのIFN−βを、米国特許第4,462,940号および/または同第4,816,400号に示される、精製の最初のいくつかの工程に本質的に記載されるとおり、E.coliにおいて生成した。すなわち、形質転換された細菌を使用して、IFN−βを生成し;この宿主細胞を濃縮して、その細胞壁を破壊した。次いで、IFN−βを、精製IFN−βプールの調製後に、本発明の方法に従って調製した。
【0042】
基本的な手順は、以下の通りである:
1.エタノールを使用する、精製IFN−βプールからのIFN−βの沈殿。6部の精製IFN−βプールを、4部のエタノールに対して使用する。この工程により、遠心分離され得るペレットとして、インターフェロンの80%以上多くを得る。
【0043】
2.次いで、このペレットを、8MのグアニジンHCl中に溶解させ、約10mg/mlのタンパク質溶液にする。この可溶化は迅速である;存在する少量のSDSは可溶化されず、濾過によって除去される。
【0044】
3.次いで、得られたグアニジンHCl溶液を、10mMの緩衝液中に希釈させる。
【0045】
(実施例2:グアニジン塩酸塩工程についての希釈パラメータ)
最初の実験を実行し、グアニジン塩酸塩希釈工程についての最適な希釈パラメータを決定した。相対的収率を測定する小規模実験を、表1に概説されるように実行した;最良の結果を、約4.0を超えるpHおよび希釈後の0.8Mを下回るグアニジン塩酸塩で得た。インターフェロン−βモノマーの濃度を、400mMグリシンpH3.0緩衝液を用いるサイジングHPLCを使用して決定した。表2の結果および図1の代表的なクロマトグラムのセットにより、非共有結合マルチマーは、より低いpHで得られたが、モノマーのインターフェロン−βは、5.0以上のpHで得られたことが示される。
【0046】
(表1:HPLCによって概算される、グアニジンHCl(8M)IFN(約10mg/ml)の希釈後の相対的収率)
【0047】
【表1】
【0048】
(表2:HPLCによって決定される、グアニジンHCl(8M)IFN(約10mg/ml)の希釈後の凝集体の割合)
【0049】
【表2】
【0050】
(実施例3:グアニジン希釈工程の収率)
このプロセスを、スケールアップして、グアニジン希釈工程の収率を評価した。表3の結果は、41%〜57%の収率が、約0.15mg/mlの最終タンパク質濃度で、pH6〜8での40倍希釈で得られ得ることを示す。試験されたサンプル中のSDS濃度は、1mgのIFN当たり、10μg未満であった。
【0051】
(表3:8MグアニジンHCl(40倍希釈)からの再折り畳み回収)
【0052】
【表3】
【0053】
(実施例4:希釈後に存在するグアニジンHClの、透析による除去)
透析を使用して、希釈後に存在する残留グアニジンHClを除去した。pH5で、最高の収率83%を、さらなるNaClの存在なしに得た;そしてpH7.0で、最高の収率70%を、図2に示されるように、1000mMのNaClの存在下で得た。全ての場合に、透析後に沈殿物が存在したが、可溶性画分は、サイジングHPLCを使用して評価されるように、モノマーであった。
【0054】
(実施例5:グアニジン塩酸塩変性IFN−β物質に対する攪拌の効果)
10mMホスフェート(pH7.0)および100mMのNaClを含有する緩衝液中の少量のIFN−βを、反転(end−over−end)シェーカー上のチューブに配置した。約3時間後、約50%のIFN−β物質が沈殿した。このことは、安定化が、適切な界面活性剤(例えば、Tween 80)によって増強されることを示唆する。Tween 80の添加は、インターフェロンを安定化し、それによって、透析工程からの収率を増加させる。しかし、Tween 80はまた、図3に示されるように、濃度依存的な様式で、凝集を誘導し得る。これらの凝集物は可溶性である。他の界面活性剤は、より最適に実行し得る。
【0055】
(実施例6:要因計画アプローチを使用することによる、タンパク質再生および処方の最適化)
一連の実験を評価して、(1)8Mグアニジン塩酸塩中のIFN−βの変性;(2)緩衝液での迅速な希釈によるIFN−βの再折り畳み;および(3)アルギニンの存在下または非存在下で、残留グアニジン塩酸塩を除去して、最終処方物を得るための透析、の間の、IFN−βの回収を概算した。処方物の組成および工程1〜3の条件を、要因計画された実験の半分を使用することによって、最適化した。使用された要因は、タンパク質濃度、グアニジン塩酸塩濃度、pH、温度、およびアルギニン濃度であった。
【0056】
pH、IFN−β濃度、希釈後のグアニジン塩酸塩濃度およびアルギニン濃度が、重要なモデル項目であることが見出された。このモデルの最高の寄与は、IFN−β濃度およびアルギニン濃度から得られた。アルギニンとpHとの間の相互作用は、重要な役割を果たした。最も良好な結果は、最終緩衝液中の、アルギニンを含有する10mM NaPO4緩衝液(pH7.0)で得られた。工程1〜2の総収率は、80〜100%までであり、工程3の収率は、70〜80%であった。
【0057】
(実施例7:エタノール沈殿を使用しない、SDSの除去およびIFN−βの処方)
精製したIFN−β−1b(0.4%SDS、50mM酢酸緩衝液(pH5.5)中1.91mg/mlの1L)を、5℃で保存した。保存中、存在するSDSのいくらかが沈殿した。この物質250ml(477.5mg)を、229gのグアニジン塩酸塩(6M、総量400ml)と混合し、磁性スターラーバーを使用して、室温で15分間攪拌した。次いで、6Mのグアニジン塩酸塩/タンパク質溶液を、Sartobran(登録商標)P Capsule(0.45μmの孔サイズ)を使用して濾過し、沈殿したSDSを除去した。280nmのUVによって決定されるように、タンパク質濃度は、1.02mg/mlであった。タンパク質の収率は、406mgまたは85%であった。
【0058】
400mlのグアニジン塩酸塩処理した物質を、2つのPellicon(登録商標)XL Biomax(登録商標)0.1cm2 10kD ポリスルホン膜(Millipore,Inc.)を有するMillipre(登録商標)Labscale(登録商標)TFFダイアフィルトレーションシステム(Millipore,Inc.)を利用して濃縮した。濃縮工程後の容積は、37mlであり、381mgまたは93%の濃縮後収率について、10.3mg/mlのタンパク質濃度であった。
【0059】
注入ピペットを使用して、10ml(103mg)の濃縮グアニジン塩酸塩/タンパク質溶液を、590mlの5mMグリシン(pH3.2)溶液に、徐々に添加した。緩衝液を、磁気スターラーバーを使用して迅速に攪拌し;タンパク質溶液をボルテックスに直接添加した。6Mグアニジン塩酸塩/タンパク質溶液の60倍希釈によって、0.1Mグアニジン塩酸塩/タンパク質溶液を、0.17mg/mlで得た。この600mlを、2つのPellicon(登録商標)II 10kD、0.1m2 ポリスルホン膜を備える、500mlスケールのダイアフィルトレーションユニットに移した。この溶液を、最初に約400mlに濃縮して、タンパク質濃度を0.23mg/mlにし、続いて、pH3.2にて5mMグリシンの9容積の変化(3.6L)に対してダイアフィルトレーションした。最終ダイアフィルトレーション(402ml)を、0.23mg/mlの最終タンパク質濃度で280nmのUVによって測定し、ダイアフィルトレーション工程について92.46mgまたは90%の収率であり、そして精製プロセスについて72%の可溶性タンパク質の全収率であった。
【0060】
本明細書中で言及される全ての刊行物および特許出願は、本発明に関連する当業者のレベルを示す。本明細書中の全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が、参考として具体的かつ個々に援用されると示された場合と同じ程度にまで参考として援用される。明細書文書中の小見出しは、文書の概観を容易にするために単に含まれ、いかなるようにも、本文書の内容に対する限定であるとは解釈されない。
【0061】
上述の発明を、例示および例として、理解の明確さの目的のためにいくらか詳細に記載してきたが、特定の変化および改変が、本発明の範囲内で実行され得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、種々の緩衝液へのグアニジン塩酸塩の可溶化工程からのIFN−βの希釈後に収集された、サイジングHPLCクロマトグラフィーのデータを示す。
【図2】 図2は、0.4MグアニジンHCl、10mM NaPO4、pH7.0緩衝液からのIFN−βの回収に対する塩およびpHの効果を示す。
【図3】 図3は、本発明の方法に従って調製された、再生されたIFN−βの凝集に対するTween80の効果を示す。
Claims (14)
- インターフェロン−β(IFN−β)の注射可能な処方物を調製するための方法であって、該方法は、以下:
a)IFN−βを含有する第一の溶液を調製し、該溶液から精製されたIFN−βのプールを単離し、そしてアルコールを使用して該プールから該IFN−βを沈殿させて沈殿物を形成する工程;
b)該沈殿物をグアニジン塩酸塩(HCl)中に溶解させて、再可溶化変性IFN−βとグアニジンHClとを含有する第二の溶液を形成する工程;
c)該第二の溶液を、第一の緩衝液中に希釈して、再可溶化変性IFN−βと残留グアニジンHClとを含有する第三の溶液を得る工程;ならびに
d)薬学的に受容可能な第二の緩衝液への、該第三の溶液のダイアフィルトレーションまたは透析によって、該第三の溶液から残留グアニジンHClを除去する工程、
を包含し、それによって、該IFN−βの注射可能な処方物を調製する、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、前記第二の緩衝液が、アルギニンまたは塩化ナトリウムを含有する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記第一の緩衝液が、約5.0〜約8.0のpHを有し、そして前記残留グアニジンHClが、1.6M以下の濃度で前記第三の溶液中に存在する、方法。
- インターフェロン−β(IFN−β)の注射可能な処方物を調製するための方法であって、該方法は、
グアニジン塩酸塩(HCl)を用いてIFN−βを変性する工程、
その後の、第一の緩衝液への希釈により該IFN−βを再生して、残留グアニジンHClを含有する再生IFN−β溶液を得る工程、および
薬学的に受容可能な第二の緩衝液への、該再生IFN−β溶液のダイアフィルトレーションまたは透析によって、該再生IFN−β溶液から残留グアニジンHClを除去する工程を包含し、それによって、該IFN−βの注射可能な処方物を調製する、
方法。 - 請求項4に記載の方法であって、前記第一の緩衝液が、約3.0〜約5.0のpHを有し、そして前記残留グアニジンHClが、1.6M以下の濃度で前記再生IFN−β溶液中に存在する、方法。
- 請求項5に記載の方法であって、前記第一の緩衝液が、約3.0〜約4.0のpHを有し、そして前記残留グアニジンHClが、0.2M以下の濃度で前記再生IFN−β溶液中に存在する、方法。
- 請求項6に記載の方法であって、前記第一の緩衝液が、約3.0のpHを有し、そして前記残留グアニジンHClが、0.1M以下の濃度で前記再生IFN−β溶液中に存在する、方法。
- 実質的にモノマーのインターフェロン−β(IFN−β)を含有する組成物を調製するための方法であって、該方法は、以下:
a)実質的に精製されたIFN−βの沈殿物を調製する工程;
b)該沈殿物をグアニジン塩酸塩(HCl)中に溶解させて、再可溶化変性IFN−βを含有する第一の溶液を得る工程;および
c)緩衝溶液を用いた該第一の溶液の希釈によって、該IFN−βを再生する工程、
を包含する、方法。 - 請求項8に記載の方法であって、前記緩衝溶液が、約5.0〜約8.0のpHを有する、方法
- インターフェロン−β(IFN−β)の注射可能な処方物を調製するための方法であって、該方法は、以下:
a)実質的に精製されたIFN−βを含有するサンプルを得る工程;
b)該サンプルをグアニジン塩酸塩(HCl)と混合して、可溶化変性IFN−βを含有する第一の溶液を得る工程;
c)該第一の溶液を第一の緩衝液中に希釈し、可溶化変性IFN−βと残留グアニジンHClとを含有する第二の溶液を得る工程;および
d)薬学的に受容可能な第二の緩衝液への、該第二の溶液のダイアフィルトレーションまたは透析によって、該第二の溶液から残留グアニジンHClを除去する工程、
を包含し、それによって、該IFN−βの注射可能な処方物を調製する、方法。 - 請求項10に記載の方法であって、前記第一の緩衝液が、約3.0〜約5.0のpHを有し、そして前記残留グアニジンHClが、1.6M以下の濃度で前記第二の溶液中に存在する、方法。
- 請求項11に記載の方法であって、前記第一の緩衝液が、約3.0〜約4.0のpHを有し、そして前記残留グアニジンHClが、0.2M以下の濃度で前記第二の溶液中に存在する、方法。
- 請求項12に記載の方法であって、前記第一の緩衝液が、約3.0のpHを有し、そして前記残留グアニジンHClが、0.1M以下の濃度で前記変性IFN−β溶液中に存在する、方法。
- 実質的にモノマーのインターフェロン−β(IFN−β)を含有する組成物を調製するための方法であって、該方法は、以下:
a)実質的に精製されたIFN−βを含有するサンプルを調製する工程;
b)該サンプルをグアニジン塩酸塩(HCl)と混合して、可溶化変性IFN−βを含有する第一の溶液を得る工程;および
c)該第一の溶液を、緩衝溶液によって希釈することによって、該IFN−βを再生する工程、
を包含し、該緩衝溶液は、約3.0〜約5.0のpHを有する、方法。
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