JP3944282B2 - 電動車両の操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動車椅子等の電動車両においてそのハンドル部に取り付けられ、モータを駆動するための電気信号を発生させる操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の操作装置の従来例として、例えば特開平8−47114号公報に掲載された電動車椅子の操作装置について説明する。
図12は当該操作装置の部分のみを示す断面図である。図において、介護者が車両を手押しするためのパイプ状のハンドル155は、図の左方に位置する電動車椅子の背パイプ(図示せず)の上端部に接続されている。筒状の固定軸132は、その先端132aがハンドル155の内部に挿入され、ねじ156によりハンドル155に固定されている。
固定軸132の後端(図の右端)には円筒状のばね収納部137が螺着されている。この固定軸132及びばね収納部137の外周側に、円筒状の握り部131aと、その後端に螺着される蓋部材131bとからなる有底円筒状の可動グリップ131が鋼球139を介して軸方向に摺動自在に設けられている。可動グリップ131は、ストッパ138により、固定軸132に設けられた長溝157の範囲内で移動可能(図の2点鎖線で示す部分)となっている。
【0003】
一方、固定軸132の内部にはポテンショメータ(位置検出部)133が配置され、ねじ込み可能な押さえリング150で固定軸132に保持されている。可動グリップ131の蓋部材131bの中央部には、軸方向に延びるばね押しピストン135が止めねじ190で固定されて突設されている。ばね押しピストン135の先端は、接続ワイヤ142及び取付金具141を介して、前記ポテンショメータ133の検知片158と一体的に接続されている。
ばね収納部137の内部には、固定軸132とばね押しピストン135との間に介装された圧縮ばね134と、ばね押しピストン135に摺動自在に嵌入されたばね押さえリング136a、136bとが収納されており、これらの部材により力/位置変換手段が構成されている。
【0004】
可動グリップ131が操作されない中立位置においては、圧縮ばね134は、図示のようにその両端をばね押さえリング136a、136bを介してばね収納部137の止め部137a、137b及びばね押しピストン135の段部135a、135bで止められて保持されている。すなわち、ばね収納部137の両止め部137a、137b間のピッチと、ばね押しピストン135の両段部135a、135bのピッチとを一致させており、これにより可動グリップ131は圧縮ばね134のばね力に基づき、所定位置に規制される。
【0005】
次に、車両を推進するため可動グリップ131が押し操作されると(点線矢印方向)、圧縮ばね134は、その前端がばね収納部137の前端側の止め部137aでばね押さえリング136aを介して止められる。一方、圧縮ばね134の後端は、ばね押さえリング136bを介してばね押しピストン135の後端側の段部135bで押し込まれる。そして、この押し込み量はポテンショメータ133の検知片158に伝達され、当該ポテンショメータ133がその押し込み量に応じた電気信号を出力する。
また、車両を後退させるために引き操作されると(実線矢印方向)、圧縮ばね134は後端がばね収納部137の後端側の止め部137bでばね押さえリング136bを介して止められる。また、前端はばね押さえリング136aを介してばね押しピストン135の先端側の段部135aで押し込まれる。そして、この押し込み量はポテンショメータ133の検知片158に伝達され、当該ポテンショメータ133がその押し込み量に応じた電気信号を出力する。
【0006】
そして、図13の実線に示されるように、上記ポテンショメータ133から出力される電気信号Vと可動グリップ131の操作力fとの関係は、図示のE線のように、圧縮ばね134の特性に応じた線形の特性となる。すなわち、可動グリップ131の操作力は、圧縮ばね134の予圧に基づく不感帯159を経て、電気信号Vに変換される。ここで、+の電気信号は押し操作を、−の電気信号は引き操作を表す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の操作装置によれば、図12に示すように組み立てた状態では、特性が図13のE線のようにならず、点線(a)や(b)のように、上又は下にずれることがある。
このような現象が生じる理由を図12により説明する。図12の操作装置を組み立てる際には、ポテンショメータ133とばね押しピストン135とを取付金具141で接続したものを、固定軸132の中に挿入し、ポテンショメータ133を押さえリング150で固定する。次に、ばね押しピストン135の周囲に押さえリング136a、圧縮ばね134、及び、押さえリング136bを組み込み、ばね収納部137を固定軸132にねじ込んで一体にする。次に、固定軸132に可動グリップ131をはめ込み、可動グリップ131の先端の蓋部材131bとばね押しピストン135とを止めねじ190で連結して組立を終了する。
このような組立に際して、各部品の単体精度の誤差の累積や組立誤差の累積等によって、可動グリップ131の中立位置におけるポテンショメータ133の位置ずれが生じ、このずれによって、図13の点線(a)や(b)のように特性が本来のE線からずれる場合がある。
【0008】
このようなずれを防止するためには、操作装置を構成する部品の単品精度を厳密に維持するとともに、細心の注意を払って操作装置を組み立てる必要がある。しかし、単品精度や組立精度などを高いレベルに維持することは困難であり、図13のように特性曲線がずれることは事実上避けられなかった。
そこで、操作装置を車椅子に取り付け、操作装置と車椅子の制御部とを接続した後、ポテンショメータ133の出力を取り扱う制御部において、点線(a)や(b)のような特性を所定量(=VM)だけシフトさせて、不感帯159の電気信号がゼロになるように電気的に調整することで単品精度や組立精度の不十分さを補償する処理が行われていた。
しかしながら、このような電気的調整工程は、操作装置を車椅子に取り付けて電気的に接続した後に行われるため、面倒であった。
【0009】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、単品精度や組立精度を特に高いレベルに維持することを必要とせず、かつ、電動車両として組み立てた後の電気的調整工程が不要な電動車両の操作装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電動の駆動装置 (102) が搭載され、車体フレーム (101) に取り付けられたハンドル部を操作者が歩行しつつ手押しすることにより当該駆動装置 (102) が駆動輪 (103) を駆動する電動車両における当該ハンドル部に設けられ、当該駆動装置(102)を制御する電気信号を発生させる電動車両の操作装置であって、車両を押し引きする方向を長手方向として設けられ、前記操作者の押し引き操作により、車体及び前記ハンドル部の基体となるシャフト (6,7,51,60)に対して相対的に前後に移動可能に設けられた可動グリップ(2)と、前記可動グリップ(2)内に収納され当該可動グリップ(2)と連結されたばね押しピストン(19)及びこれに係合するばね(22,22A,22B)を有し、前記可動グリップ(2)を押し引きする操作者の操作力が作用していないときの当該可動グリップ(2)の中立位置から、操作者により付与された操作力に応じて、前記ばね押しピストン(19)が前記ばね(22,22A,22B)に弾性変位を生じさせながら、前記可動グリップ(2)を前後方向へ移動させる弾性変位手段(3,3A,3B)と、前記可動グリップ(2)と連結され、前記可動グリップ(2)の変位を検出し、検出した変位に応じた電気信号を出力する位置検出部(4)と、前記ばね押しピストン(19)の操作者側端部に形成されたねじ部(19n,32)と、前記可動グリップ(2)の操作者側端部に固設され、前記ねじ部(19n,32)を螺合させるナット部(31)と、前記ねじ部(19n,32)の回転を規制する回り止め部(33)とを有し、前記ねじ部(19n,32)の回転により、前記押し引きの方向において前記ばね押しピストン(19)に対する前記可動グリップ(2)の相対的な位置を変更させる相対位置変更手段(5)とを備えたものである(請求項1)。
上記のように構成された操作装置においては、相対位置変更手段(5)を操作することにより、ばね押しピストン(19)に対する可動グリップ(2)の相対的な位置が変更される。従って、操作装置の組み込み後に相対位置変更手段を操作して、位置検出部(4)に所定の出力が得られるような位置関係を構築することができる。この結果、必要とする操作装置の出力特性を得ることができる。
【0011】
また、相対位置変更手段(5)による位置調整を、可動グリップ(2)の操作者側から行うことができる。
【0012】
また、ナット部(31)に螺合したねじ部(19n,32)を回転させることにより、位置調整を行い、所望の位置で回り止め部(33)により回り止めをすれば、その位置に確実に固定することができる。
【0013】
また、上記操作装置(請求項1)において、可動グリップ (2) を押す操作力が付与されたときはナット部 (31) を車体側の固定部材 (60) に当接させることにより、また、可動グリップを引く操作力が付与されたときはばね押しピストン (19) のストッパ部 (19s) を車体側の固定部材 (21,60) に当接させることにより、可動グリップ(2)の進退ストロークを規制する手段を構成してもよい(請求項2)。
この場合、いわゆるキー溝とキー部材からなる同様の規制手段を設ける必要がない。
【0014】
また、上記操作装置(請求項1)において、可動グリップ(2)の前端部と車体フレーム(101)との接続部に可撓性部材(63)を被着してもよい(請求項3)。
この場合、接続部の防水性が確保される。また、当該可撓性部材(63)は可動グリップ(2)の移動に伴って伸縮するものであるため、可動グリップ(2)との接続が可能になっている。言い換えれば、可動部材である可動グリップ(2)との干渉を避けるべく、可動グリップとの間を空けておく必要がない。
【0015】
また、上記操作装置(請求項1)において、ハンドル部は電動車両の背パイプ(8)に接続されたシャフト(60)を基体として構成され、当該シャフト(60)は前記背パイプ(8)との接続側端部に中空状部(60d)を有しており、位置検出部(4)のリード線(38)は前記中空状部(60d)から前記背パイプ(8)の内部を通過して設けられているものであってもよい(請求項4)。
この場合、リード線(38)が外部に露出せず、シャフト(60)と背パイプ(8)とによって保持され、かつ、保護される。
【0016】
また、上記操作装置(請求項3)において、リード線(38)は背パイプ(8)に設けられた孔(8a)から外部に導出され、導出される手前のリード線(38)に、前記孔(8a)の縁辺部に係止されるストッパ部材(64)が固着されているものであってもよい(請求項5)。
この場合、リード線(38)に対して外部に引き出す方向に力が加えられたとき、ストッパ部材(64)が孔(8a)の縁辺部に係止されてリード線(38)の抜け防止の作用をする。
【0017】
また、上記操作装置(請求項1)において、可動グリップ(2)にブレーキレバー(65)を取り付けてもよい(請求項6)。
この場合、ブレーキレバー(65)は可動グリップ(2)と一体に移動する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
《実施形態1》
図1は、本発明の第1の実施形態による電動車両の操作装置を示す断面図である。また、図2は当該操作装置の調整状態を示す図である。当該電動車両の操作装置は、人力により車両を推進するためのハンドル部に設けられるものである。
図1において、操作装置1は、可動グリップ2と、弾性変位手段3と、位置検出部4と、相対位置変更手段5と、第1シャフト6と、第2シャフト7とを主要部分として構成されている。
可動グリップ2は、筒体11の外周にゴムライニング等の握り部12を被覆形成したものである。この可動グリップ2の内周には第1シャフト6に対する第1ブッシュ13と、第2シャフト7に対する第2ブッシュ14がそれぞれ嵌入され、可動グリップ2は第1シャフト6及び第2シャフト7の中心軸に沿って摺動しながら移動可能になっている。
【0019】
弾性変位手段3は、ねじ部15で一本のシャフトを構成する第1シャフト6及び第2シャフト7の内部に組み込まれている。この組み込みのために、第1シャフト6の小径摺動孔16と、第2シャフト7の大径ばね収納孔17と、第2シャフト7の小径摺動孔18とが中心軸に沿って連続して形成されている。これらの孔16、17、18に組み込まれる弾性変位手段3は、駆動軸としてのばね押しピストン19と、第1押さえリング20と、第2押さえリング21と、圧縮ばね22とから構成されている。
【0020】
ばね押しピストン19は、第1シャフト6の小径摺動孔16で摺動する大径軸19aと、第2シャフト7の小径摺動孔18で摺動する大径軸19bと、大径軸19aと大径軸19bとの間の小径軸19cとからなっている。この小径軸19cの両端の第1押さえリング20と第2押さえリング21を介して、圧縮ばね22が所定の予荷重(ばね付勢力)を受けた状態で装着されている。第1押さえリング20は、大径軸19aと小径軸19cとの間の段部に当たると同時に、小径摺動孔16と大径ばね収納孔17との間の段部にも当たる。同様に、第2押さえリング21は、大径部19bと小径部19cとの間の段部に当たると同時に、小径摺動孔18と大径ばね収納孔17の間の段部にも当たる。
【0021】
従って、ばね押しピストン19が矢印a方向に移動した場合、第1押さえリング20は移動せず、第2押さえリング21が移動して、圧縮ばね22がさらに圧縮される。ばね押しピストン19が矢印b方向に移動した場合、第2押さえリング21は移動せず、第1押さえリング20が移動して、圧縮ばね22がさらに圧縮される。このように、弾性変位手段3は、a方向又はb方向の力に応じた圧縮ばね22の変位により、力を位置の変化に変換する。この弾性変位手段3の大径軸19bの先端(図面右方)は、可動グリップ2の先端(図面右方)に連結(「第1連結」とする。)され、可動グリップ2に作用する力が、弾性変位手段3で可動グリップ2の軸方向の移動変位に変換される。
【0022】
位置検出部4は、その本体23に可動検出片24を突設したポテンショメータである。本体24は第1シャフト6の中抜き空洞部25に固設され、可動検出片24は可動グリップ2の後端(図面左方)に止めリング26を介して連結(「第2連結」とする。)されている。
【0023】
弾性変位手段3と可動グリップ2の第1連結部分には、前記位置検出部4と弾性変位手段3との相対的な位置関係を変更する相対位置変更手段5が設けられている。この相対位置変更手段5は、可動グリップ2の筒体11の先端にねじ込みで固定されたキャップナット31と、弾性変位手段3の大径軸19bの先端のねじ部32と、ロックナット33とからなるものである。キャップナット31とねじ部32とは互いに螺合され、ねじ部32の先端のマイナス形の溝34にドライバーを当ててねじ部32を回転させると、ばね押しピストン19の全体が回転しながら矢印a方向又は矢印b方向に移動する構造になっている。このように、相対位置変更手段5に対する操作は可動グリップ2の先端の外部からできるようになっている。また、キャップナット31とロックナット33の外周にも握り部12が延在しており、ロックナット33はエンドキャップとしての機能も有する。
【0024】
前述した構造の操作装置1は、第1シャフト6の斜め上向きの差し込み孔35に、車体フレームの背パイプ8又はその延長部分が差し込まれた状態で、ピン36により固定される。こうして、操作装置1は車両の進退方向に沿って押し引き移動可能に取り付けられる。なお、二つ割りカバー37は、位置検出部4を含む第1シャフト6の終端側を覆っている。位置検出器4のリード線38は、背パイプ8に沿って下方に抜き出される。第1シャフト6の側面に突設されたピン39は筒体11の長孔40に係合して、可動グリップ2の移動量を制限するとともに、軸周りに回転することを防止している。
【0025】
次に、上述した構造の操作装置1の組立調整の手順を図2により説明する。第1シャフト6と第2シャフト7の内部に、弾性変位手段3を組み込み、第1シャフト6の中抜き空洞部25に位置検出部4を取り付ける。そして、第1シャフト6と第2シャフト7の外周に可動グリップ2を差し込み、可動グリップ2の側に固設されたキャップナット31と弾性変位手段3の側のねじ部32とを螺合して第1連結し、可動グリップ2の後端と位置検出部4の可動検出片24とを止めリング26で第2連結する。そして、ねじ部32にロックナット33をねじ込み(ねじ孔33aに工具を差し込んでねじ込む。)、ねじ部32をダブルナット方式で固定する。そして、ロックナット33のねじ孔33aに止めねじ33bをねじ込んで、ねじ部32の固定を確実にする。
【0026】
さらに、可動グリップ2に押し引きが作用していない中立位置で、位置検出部4の出力をゼロにする調整について説明する。
第1シャフト6及び第2シャフト7内の弾性変位手段3の組み込みにおける各部材の長さ誤差、可動グリップ2の長さ誤差などにより、所定の組立を行っても、可動グリップ2の中立位置で位置検出部4の出力がゼロになるとは限らない。そこで、位置検出部4のリード線38に出力検出器9を接続し、まず位置検出部4の出力のずれを確認する。そして、ロックナット33の止めねじ33bを外して、ロックナット33を弛め(図示のように外さなくても単に弛めるだけでもよい。)、ねじ部32のマイナス形の溝34にドライバー10を当てて、ねじ部32を回転させる。ドライバー10を右に回すと、キャップナット31すなわち可動グリップ2が矢印b方向に移動し、位置検出部4の可動検出片24が矢印b方向に移動する。逆に、ドライバー10を左に回すと、位置検出部4の可動検出片24が矢印a方向に移動する。
【0027】
このようにして、弾性変位手段3に対する位置検出部4の相対的な位置関係が修正され、可動グリップ2の中立位置で出力検出器9の出力がゼロになる操作装置1の組立状態が確定できる。その後、ロックナット33をねじ部32に螺合し、止めねじ33bでロックナット33とキャップナット31とねじ部32とを一体に固定して、ねじ部32の回転を防止する。なお、このような調整を終えた操作装置1は、図1に示すように背パイプ8に取り付けられ、カバー37が被せられる。
【0028】
次に、可動グリップ2の、中立位置からの押し引き状態を図3により説明する。図3の(a)は引き状態を示し、(b)は押し状態を示す。(a)に示すように、可動グリップ2が圧縮ばね22のばね付勢力を越えて引かれると、第2押さえリング21は第2シャフト7の後端側の段部で止まったままであるが、第1押さえリング20はばね押しピストン19の段部に押されて移動し、圧縮ばね22がさらに圧縮される。一方、(b)に示すように、可動グリップ2が圧縮ばね22のばね付勢力を越えて押されると、第1押さえリング20は第1シャフト6と第2シャフト7との間の段部で止まったままであるが、第2押さえリング21はばね押しピストン19の先端側の段部に押されて移動し、圧縮ばね22がさらに圧縮される。
このようにして、押し引きの操作力の程度に応じて可動グリップ2が移動し、その移動量に応じた電気信号が位置検出部4から出力される。そして、図13のE線の如き、操作力−電気信号特性を得ることができる。なお、前述の調整により、弾性変位手段3と位置検出部4の相対的な位置関係が修正されているため、位置検出器4の出力に対して電気的修正を施す必要はない。
【0029】
《実施形態2》
図4は、第2の実施形態による電動車両の操作装置1Aを示す断面図である。弾性変位手段3Aの構成が図1における同部3と異なるだけで、他の構造は第1の実施形態と同様である。
図4において、シャフト51にキャップ55で仕切られた大径ばね収納孔52が形成され、この大径ばね収納孔52内に第1圧縮ばね53と第2圧縮ばね54とが収納されている。また、第1圧縮ばね53と第2圧縮ばね54とで挟まれたフランジ56を終端に有するばね押しピストン57がキャップ55を貫いて存在し、ばね押しピストン57の先端部分がねじ部32となっている。このように、可動グリップ2の長さに余裕があると、一個の圧縮ばねを押し引きに兼用するタイプではなく、別個に押し用の圧縮ばね53と引き用の圧縮ばね54に区分して設けることもできる。
【0030】
《実施形態3》
図5は、第3の実施形態による電動車両の操作装置1Bを示す断面図である。図において、操作装置1Bは、可動グリップ2と、弾性変位手段3Bと、位置検出部4と、相対位置変更手段5と、シャフト60とを主要部分として構成されている。
可動グリップ2は、金属部材からなる筒体11の外周に、例えばPVCからなる握り部12を被着してなるものである。図6の(a)は、この筒体11の単体形状を示す断面図であり、同図の(b)は(a)に示す筒体11を左端側から見た側面図、また(c)は、(a)に示す筒体11の左端部の平面図である。図において、筒体11の左端部には、端面から軸方向に一対の溝11aが形成されているとともに、上部側の1箇所にも同方向に溝11bが設けられている。また、同左端部の外周には、径方向外方にやや盛り上がった突起部11cが形成され、その中央部に周溝11dが形成されている。一方、筒体11の右端内周側は雌ねじ部11fとなっている。
【0031】
図7の(a)はシャフト60の単体形状を示す平面図であり、同図の(b)はシャフト60の断面図である。当該シャフト60は、例えばロストワックス法による鋳造部材である。図において、シャフト60の右半部内周には、シャフト60の中心軸方向に所定の内径で、ばね収納孔60aが形成されている。ばね収納孔60aの右端部には周溝60bが設けられている。シャフト60の水平部分の左端側には中抜き空洞部60cが形成されている。また、シャフト60の左端側には、下方に屈曲形成された中空状部60dが設けられている。
(a)に示すようにシャフト60の両側面には突起部60eが形成され、これらの突起部60eは、可動グリップ2を構成する筒体11の溝11a(図6)に嵌合することにより、シャフト60と筒体11とが相互に固定され、筒体11の軸周りの回転が防止される。
【0032】
図5に戻り、筒体11の内周側には、シャフト60との摺接を円滑にするためのブッシュ13及び14が嵌入され、可動グリップ2はシャフト60の中心軸方向、すなわち電動車両の進退方向に移動(摺動)可能になっている。
筒体11の右端内周部11fにはキャップナット31が螺着されている。図7の(a)はキャップナット31の断面図、(b)は側面図である。筒体11の右端内周部11fと螺合しているのは雄ねじ部31aである。また、キャップナット31の中心軸部分には、雌ねじ部31bが設けられている。
【0033】
図5において、弾性変位手段3Bは、シャフト60の内部に組み込まれたばね押しピストン19と、押さえリング21及びCリング61と、圧縮ばね22A及び22Bとから構成されている。ばね押しピストン19は、ピストンロッド19r、このピストンロッド19rの左端に形成されたピストン部19p、及び、ピストンロッド19rの途中に形成されたストッパ部19sから構成され、ピストンロッド19rの右端には雄ねじ部19nが形成されている。なお、ばね押しピストン19は、これに係合する圧縮ばね22A及び22Bを駆動する駆動軸としての役割を有している。
【0034】
上記圧縮ばね22Aは、シャフト60とピストン部19pとによって両端を保持され、所定の予荷重(ばね付勢力)を与えられた状態で装着されている。また、圧縮ばね22Bは、ピストン部19pと押さえリング21とによって両端を保持され、所定の予荷重を与えられた状態で装着されている。なお、押さえリング21は、シャフト60の周溝60b(図7)に装着されたCリング61によって移動を規制されている。
【0035】
従って、ばね押しピストン19が矢印a方向に移動した場合には、ピストン部19pによって圧縮ばね22Aが圧縮される。反対に、ばね押しピストン19が矢印b方向に移動した場合には、ピストン部19pによって圧縮ばね22Bが圧縮される。
ばね押しピストン19のねじ部19nは前述のキャップナット31の雌ねじ部31bと螺合している。また、回り止め用のロックナット33により、キャップナット31とピストンロッド19rとが所定の螺合位置からずれないように固定されている。このようにして、ピストンロッド19rの右端部は、キャップナット31を介して筒体11と連結されている。この連結を便宜上、「第1連結」とする。
この結果、可動グリップ2には、ピストン部19pを介して圧縮ばね22A及び22Bによる弾性力が双方向(矢印a及びbの方向)に付与されている。従って、可動グリップ2に押し引きの力を付与しない自由な状態において、ピストン部19pは、拮抗する一対の圧縮ばね22A及び22Bの中立位置に導かれる。従って、ピストン部19pと連結された筒体11は、中立位置にあるピストン部19pに対応した所定の位置に保たれる。
【0036】
一方、位置検出部4は、その本体23に可動検出片24を突設したポテンショメータであって、シャフト60の中抜き空洞部25に本体24が固設され、筒体11の左端部に設けられた溝11b(図6)に可動検出片24が挿入されている。そして、止めリング26が筒体11の周溝11d(図6)に装着されることにより、位置検出部4の可動検出片24と筒体11との連結がなされている。この連結を便宜上、「第2連結」とする。
【0037】
弾性変位手段3Bと可動グリップ2との第1連結部分は、ピストンロッド19rに対する筒体11の相対的な位置関係、または弾性変位手段3Bと位置検出部4との相対的な位置関係を変更し得る相対位置変更手段5を構成している。この相対位置変更手段5は、キャップナット31と、ピストンロッド19rの雄ねじ部19nと、ロックナット33とからなっている。キャップナット31と雄ねじ部19nとは互いに螺合され、雄ねじ部19nの先端のマイナス形の溝19mにドライバーを当てて、雄ねじ部19nを回転させると、ばね押しピストン19の全体が回転しながらキャップナット31に対して矢印a方向又は矢印b方向に移動する構造になっている。なお、キャップナット31とロックナット33との外周にも握り部12が延在しており、握り部12は相対位置変更手段5の部分のエンドキャップとしての機能も有する。
【0038】
上記のような構造の操作装置1は、シャフト60の端部に形成された中空状部60dが背パイプ8にリベット62で固定される。可撓性を有する材料からなるブーツ63は、リベット62及び背パイプ8の上部から筒体11の端部外周までを被覆するように取り付けられる。このブーツ63により接続部の防水性が確保される。また、ブーツ63は可動グリップ2の移動に伴って伸縮するものであるが故に、可動グリップ2との接続が可能になっている。言い換えれば、可動部材である可動グリップ2との干渉を避けるべく、可動グリップ2との間を空けておく必要がない。従って、可動グリップ2の把持長を十分に確保しつつ、操作装置1Bの全長を小さくすることができる。
【0039】
位置検出器4のリード線38は、背パイプ8の内部に配線され、背パイプ8の所定位置に設けられた孔8aから外部に導出される。外部に導出される手前の部分のリード線38にはストッパ部材(例えばインシュロック)64が固着されている。ストッパ部材64は、リード線38に対して背パイプ8の外へ引き出す方向の力が加えられた場合に、孔8aの縁辺部に当接して係止され、リード線38がそれ以上抜け出るのを防止する。従って、リード線38と位置検出器4との接続部分に過度の力がかかるのを防止することができる。
なお、ブレーキ操作を行うためのブレーキレバー65は、可動グリップ2の下部に固定されている。これにより、可動グリップ2の移動に伴ってブレーキレバー65も移動するため、両者の相対的位置関係は不変である。従って、ブレーキの操作性が常に一定である。
【0040】
次に、上記操作装置1の組立調整の手順を説明する。
シャフト60の内部に、弾性変位手段3Bを組み込み、シャフト60の中抜き空洞部60cに位置検出部4を取り付ける。そして、シャフト60の外周に筒体11を差し込み、筒体11の雌ねじ部11f及びピストンロッド19rの雄ねじ部11nにキャップナット31を螺合させる第1連結を行う。筒体11の左端側の溝11b(図6)には位置検出部4の可動検出片24が挿入されているので、この可動検出片24とともに筒体11の周溝11d(図6)に止めリング26を装着して第2連結する。
【0041】
次に、ばね押しピストン19に押し引きが作用していない中立位置で、位置検出部4の出力をゼロにする調整を行う。
まず、位置検出部4のリード線38に、第1の実施形態で説明した出力検出器9(図2)を接続し、位置検出部4の出力のずれを確認する。そして、ばね押しピストン19の溝19mにドライバー(図示省略)を当てて、雄ねじ部19nを回す。ドライバーを右に回すと、キャップナット31すなわち可動グリップ2が矢印b方向に移動し、位置検出部4の可動検出片24が同方向に移動する。逆に、ドライバーを左に回すと、位置検出部4の可動検出片24が矢印a方向に移動する。このようにして、弾性変位手段3Bと、可動グリップ2及び位置検出部4(可動検出片24)との相対的な位置関係が修正される。これにより、ばね押しピストン19が中立位置で、かつ、そのとき位置検出部4の出力がゼロになる操作装置1の組立状態を確定できる。その組立状態において、ロックナット33を雄ねじ部19nに螺合緊締し、緩み止めを塗布して当該組立状態を固定的なものとする。その後、握り部12を筒体11の外周に被着して操作装置の組立調整が完了する。
【0042】
次に、可動グリップ2の中立位置からの押し引き状態について説明する。
図5において、中立位置から可動グリップ2が右方向へ引かれると、ピストン部19pが右方向へ移動し、圧縮ばね22Bはさらに圧縮される。また、このとき圧縮ばね22Aは圧縮荷重が減殺されて伸長する。なお、ばね押しピストン19のストッパ部19sが押さえリング21に当接した位置が、可動グリップ2の引き方向への移動限界となる。逆に、中立位置から可動グリップ2が左方向へ押されると、ピストン部19pは左方向へ移動し、圧縮ばね22Aがさらに圧縮され、圧縮ばね22Bは伸長する。なお、キャップナット31がシャフト60の端部に当接した位置が、可動グリップ2の押し方向への移動限界となる。このようにして可動グリップ2の進退ストロークを規制する構成は、第1の実施形態の如き長孔40とピン39(共に図1)とによる規制構成に比べて、ピン39の損傷や脱落、又は長孔40の変形等により規制動作不良を生じるという、一般にありがちな事態を排除することができる。また、部品点数及び組立工数を低減することができる。
【0043】
可動グリップ2の操作力と押し引き動作のストロークとは所定の比例関係にある。図9はこの所定の比例関係を示すグラフであり、(a)はストロークに対する操作力の関係を、(b)は逆に、操作力に対するストロークの関係を、それぞれ示している。操作力が所定の値Fs に満たない場合にも相応のストロークが生じ、それに応じた電気信号が位置検出部4から出力されるが、通常、このようなストローク範囲Sを不感帯として取り扱う。すなわち、電動機の制御(詳細は後述する。)を行わず、人力のみによる推進を行う。
このようにして、押し引きの操作力の程度に応じて可動グリップ2が移動し、その移動量に応じた電気信号が位置検出部4から出力される。なお、前述の調整により、弾性変位手段3Bと位置検出部4との相対的な位置関係が修正されているため、位置検出器4の出力に対して電気的修正を施す必要はない。
【0044】
以下、上記第3の実施形態による操作装置1Bを搭載した電動車椅子の構造について参考のため説明する。
図10は当該電動車椅子100の側面図である。図において、車体フレーム101を構成するパイプ状部材のうちの左右一対の背パイプ8の上端にそれぞれ操作装置1Bが取り付けられている。駆動装置102は、その筐体が車体フレーム101の一部として設けられており、駆動輪103を駆動する。キャスタ104は車体フレーム101の前方下部に取り付けられている。制御装置105は、車体フレーム101の両側面の、アームレスト106の下方に取り付けられている。操作装置1Bから導出されたリード線38は、上記制御装置105に接続されている。
【0045】
図11は上記電動車椅子における電気系統の接続図である。左右一対の操作装置1B(便宜上、左を1L、右を1Rとする。他の要素についても同様に、符号にL又はRを付記して表す。)はそれぞれ制御装置105L及び105Rと接続されている。制御装置105Lはドライブ部112Lを内蔵し、バッテリ107L及び駆動装置102Lと接続されている。一方、制御装置105Rはドライブ部112R、制御部113及び電源回路114を内蔵し、さらに必要に応じて設定部115を内蔵している。また、制御装置105Rは、駆動装置102R及びバッテリ107Rと接続されている。スイッチ109及び表示灯110は、制御装置105Rのケース表面部に設けられている。左右の制御装置105L及び105Rは、ケーブル116により互いに接続されている。バッテリ107L及び107Rの充電は、右側の制御装置105Rに充電器108を接続することにより行われる。
【0046】
操作装置1L及び1Rからの出力は制御部113に入力され、必要な演算処理が施される。制御部113は、ドライブ部112L及び112Rに駆動信号を与え、これらの駆動信号に応じた電力が、左右のバッテリ107L及び107Rからそれぞれの駆動装置102L及び102Rに供給される。
操作装置1L又は1Rからの出力が前述の不感帯にあるときは、対応する駆動装置102L又は102Rに電力は供給されない。従って、電動車椅子は操作者の力のみで推進される。そして、出力が不感帯を超えると、制御装置105L又は105Rを介して対応する駆動装置102L又は102Rが駆動される。例えば、電動車椅子が坂道を登るときは、操作者が操作装置1L及び1Rを押す力が大きくなって不感帯を越え、押す力に応じた電気信号が操作装置1L及び1Rから出力される。制御装置105Rの制御部113は、その出力に応じて駆動装置102L及び102Rを駆動する。この結果、操作者の操作力の一部を駆動装置102L及び102Rが負担するので、操作者は楽に電動車椅子を登坂させることができる。逆に、電動車椅子が坂道を下るときは操作者が操作装置1L及び1Rを引く力が大きくなって不感帯を越え、引く力に応じた電気信号が操作装置1L及び1Rから出力される。制御装置105Rの制御部113は、その出力に応じて駆動装置102L及び102Rを発電機として使用する。この結果、操作者の操作力の一部を、駆動装置102L及び102Rのブレーキ力が負担するので、操作者は小さな力で安全に電動車椅子を降坂させることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の電動車両の操作装置によれば、相対位置変更手段を操作することにより、ばね押しピストン (19)に対する可動グリップ(2)の相対的な位置が変更されるので、操作装置の組み込み後に相対位置変更手段(5)を操作して、位置検出部(4) に所定の出力が得られるような位置関係を構築することができる。この結果、単品精度や組立精度が高いレベルでなくても、必要とする操作装置の出力特性を容易に得ることができる。しかも、電気的接続を終えた後の電気的調整工程を要しないので、生産性に優れる。
【0048】
また、相対位置変更手段(5)による位置調整を、可動グリップ(2)の操作者側から行うことができるので、位置調整作業がし易い。
【0049】
また、ナット部(31)に螺合したねじ部(19n,32)を回転させることにより、容易に位置調整を行うことができ、所望の位置で回り止め部(33)により回り止めをすれば、その位置に確実に固定することができる。
【0050】
請求項4の電動車両の操作装置によれば、いわゆるキー溝とキー部材からなる同様の規制手段を設ける必要がないので、キー部材の損傷や脱落等により規制動作不良を生じるという、ありがちな事態を排除することができる。また、部品点数及び組立工数を低減することができる。
【0051】
請求項3の電動車両の操作装置によれば、接続部の防水性が可撓性部材(63)により確保される。また、当該可撓性部材(63)は可動グリップ(2)の移動に伴って伸縮するものであるため、可動グリップ(2)との接続が可能になっている。言い換えれば、可動部材である可動グリップ(2)との干渉を避けるべく、可動グリップ(2)との間を空けておく必要がない。従って、可動グリップ(2)の把持長を十分に確保しつつ、操作装置の全長を小さくすることができる。
【0052】
請求項4の電動車両の操作装置によれば、リード線(38)が外部に露出せず、シャフト(60)と背パイプ(8)とによって保持され、かつ、保護されるので、リード線(38)の固定作業が不要になるとともに、外部からの力によるリード線(38)の断線を防止することができる。
【0053】
請求項5の電動車両の操作装置によれば、リード線(38)に対して外部に引き出す方向に力が加えられたときストッパ部材(64)が孔(8a)の縁辺部に係止されるので、リード線(38)の抜け防止となるとともに、リード線(38)と位置検出部(4)との接続部における断線も防止できる。
【0054】
請求項6の電動車両の操作装置によれば、ブレーキレバー(65)は可動グリップ(2)と一体に移動するので、ブレーキレバー(65)の操作性が常に一定である。従って、可動グリップ(2)の引き操作時にもブレーキレバー(65)を操作し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による電動車両の操作装置を示す断面図である。
【図2】同操作装置における位置調整の状態を示す図である。
【図3】同操作装置における押し引き操作状態を示す断面図であり、(a)は引き状態、(b)は押し状態を示す。
【図4】本発明の第2の実施形態による電動車両の操作装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による電動車両の操作装置を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態における筒体の構造を示す図である。
【図7】第3の実施形態におけるシャフトの構造を示す図である。
【図8】第3の実施形態におけるキャップナットの構造を示す図である。
【図9】第3の実施形態における操作力とストロークとの関係を示すグラフである。
【図10】第3の実施形態による操作装置を搭載した電動車椅子の側面図である。
【図11】同電動車椅子の電気系統の接続図である。
【図12】従来の電動車両の操作装置を示す断面図である。
【図13】従来の操作装置における操作力と電気信号との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1A,1B 操作装置
2 可動グリップ
3,3A,3B 弾性変位手段
4 位置検出部
5 相対位置変更手段
8 背パイプ
11 筒体
12 握り部
19 ばね押しピストン(駆動軸)
19s ストッパ部
19n ねじ部
19m 溝
19p ピストン部
19r ピストンロッド
22,22A,22B 圧縮ばね
24 可動検出片
31 キャップナット
32 ねじ部
33 ロックナット
60 シャフト
63 ブーツ
100 電動車椅子
Claims (6)
- 電動の駆動装置 (102) が搭載され、車体フレーム (101) に取り付けられたハンドル部を操作者が歩行しつつ手押しすることにより当該駆動装置 (102) が駆動輪 (103) を駆動する電動車両における当該ハンドル部に設けられ、当該駆動装置(102)を制御する電気信号を発生させる電動車両の操作装置であって、
車両を押し引きする方向を長手方向として設けられ、前記操作者の押し引き操作により、車体及び前記ハンドル部の基体となるシャフト (6,7,51,60)に対して相対的に前後に移動可能に設けられた可動グリップ(2)と、
前記可動グリップ(2)内に収納され当該可動グリップ(2)と連結されたばね押しピストン(19)及びこれに係合するばね(22,22A,22B)を有し、前記可動グリップ(2)を押し引きする操作者の操作力が作用していないときの当該可動グリップ(2)の中立位置から、操作者により付与された操作力に応じて、前記ばね押しピストン(19)が前記ばね(22,22A,22B)に弾性変位を生じさせながら、前記可動グリップ(2)を前後方向へ移動させる弾性変位手段(3,3A,3B)と、
前記可動グリップ(2)と連結され、前記可動グリップ(2)の変位を検出し、検出した変位に応じた電気信号を出力する位置検出部(4)と、
前記ばね押しピストン(19)の操作者側端部に形成されたねじ部(19n,32)と、前記可動グリップ(2)の操作者側端部に固設され、前記ねじ部(19n,32)を螺合させるナット部(31)と、前記ねじ部(19n,32)の回転を規制する回り止め部(33)とを有し、前記ねじ部(19n,32)の回転により、前記押し引きの方向において前記ばね押しピストン(19)に対する前記可動グリップ(2)の相対的な位置を変更させる相対位置変更手段(5)と
を備えたことを特徴とする電動車両の操作装置。 - 前記可動グリップ (2) を押す操作力が付与されたときは前記ナット部 (31) を車体側の固定部材 (60) に当接させることにより、また、前記可動グリップを引く操作力が付与されたときは前記ばね押しピストン (19) のストッパ部 (19s) を車体側の固定部材 (21,60) に当接させることにより、前記可動グリップ (2) の進退ストロークを規制する手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の電動車両の操作装置。
- 前記可動グリップ(2)の前端部と前記車体フレーム(101)との接続部に可撓性部材(63)を被着したことを特徴とする請求項1記載の電動車両の操作装置。
- 前記ハンドル部は電動車両の背パイプ (8) に接続されたシャフト (60) を基体として構成され、当該シャフト (60) は前記背パイプ (8) との接続側端部に中空状部 (60d) を有しており、前記位置検出部 (4) のリード線 (38) は前記中空状部 (60d) から前記背パイプ (8) の内部を通過して設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動車両の操作装置。
- 前記リード線 (38) は前記背パイプ (8) に設けられた孔 (8a) から外部に導出され、導出される手前のリード線 (38) に、前記孔 (8a) の縁辺部に係止されるストッパ部材 (64) が固着されていることを特徴とする請求項4記載の電動車両の操作装置。
- 前記可動グリップ (2) にブレーキレバー (65) が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の電動車両の操作装置。
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