JP3937219B2 - 下流水位制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水路に横断して設け、流水を規制する下流水位制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水路に設けるゲートの1つとして、図2および図3に示すテンダーゲート1は、フロート2の作動に連動して扉体3を昇降させるように組み付けられている。このテンダーゲート1は水路の側方に設けたピット4を介して扉体3の上流側流水を迂回させ、ピット4に形成したフロート室5のフロート2を均衡させて扉体3の位置を決めている。フロート室5には、設定した水位以上の上流側の水が流入しフロート2を浮かせる。
したがって、上流水位の変動によってフロート室5への流入量が変化してフロート2が上昇または下降し、フロート2に連動する扉体3の昇降により上流水位をほぼ一定に維持する。また、上流水位が設定水位以下になるとフロート室5に水が供給されなくなるので、フロート2が下がり扉体3が水路を閉鎖する。
【0003】
また、図4に示すゲート1は水路を横断する主軸6に、上下流方向に延びるアーム7を介して扉体3とカウンタウエイト8が振り分けられている。主軸6は水路側方に設けたピット4にまで延設され、上流側に突出したガイドアーム9が設けられている。ガイドアーム9はフロート2の上面に固着した垂直アーム10と連結されており、扉体3とフロート2の作動方向は同じにされている。
ピット4は図中左側から順に静水池11、フロート室5、遊水池12に仕切られている。また、静水池11および遊水池12の水路に臨む側壁には流入口13、流出口14が形成され、それぞれ扉体3に対して上流側の水路と下流側の水路とに連通されている。
【0004】
フロート室5に収容されたフロート2は、上部が導水室2aとなっており、下部に密閉室2bを備え、上面に通気装置としての孔が明けられている。フロート2の導水室2aの接続部はフロート2の下面に設けられ、ここに可撓性の連通管15の一端が取付けられている。連通管15の他端は遊水池12内において水路の河床より下位置で上方に向けて開口している。
【0005】
遊水池12には水位検知フロート16が収容され、フロート室5から突出した排水口17を開閉するための弁体18が連結されており、排水口17には僅かに切り欠き19を形成して、弁体18が閉じても排水口17から僅かに流出される構造になっている。
【0006】
主軸6には大ギヤ20が装着され小ギヤ21と連結されている。小ギヤ21には突起22が固定され、突起22はスプリング23を介して水位検知フロート16と連結され、水位検知フロート16は浮力とばね力とが均衡した状態において静止されている。また、静水池11には上方開口の注水口24と補水口25が設けられ、それぞれフロート室5に連通されている。また、注水口24と補水口25の開口上端は調整可能にされ、調整箇所は吊り下げられて前述した小ギヤ21に固定された突起22と結ばれている。
【0007】
一般に、水路の水を使用する下流域では、下流側ゲート及びその直前に分水工を設ける。したがって、以上のように構成したゲート1の下流域で水の使用量が増加した場合、当該ゲート1と下流側ゲートとの間の水路の水面が下がる。
当該ゲート1の下流水位が下がった場合、まず、水位検知フロート16が下降して排水口17が閉じられる。これにより、フロート室5の水位が上昇し、フロート2が上昇する。そして、扉体3が上昇して下流に供給する水量を増加させることとなる。なお、下流域での水の使用量が減少して下流水位が上昇した場合は水位検知フロート16が上昇して排水口17が開放され、この結果、扉体3が下降して下流への流水が減少する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水位検知フロート16が下降したときに、下流への流水の増加を行うが、下流側ゲートもしくは分水工との間の水面を直ちに設定水面になるようにゲート1を操作するとゲート1の開度が大きすぎることになり、バックウォ−タ(背水)等の影響を受ける。また、当該ゲート1と下流側ゲートとの関係から扉体3の開度に応じて排水口17の開放状態を調節している。
また、分水工の分水の便を有用にするために、当該ゲート1の上限水位が注水口24によって決定され、下限水位が補水口25によって決定される。
したがって、水位検知フロート16及びスプリング23の調節機構、及び、注水口24と補水口25の調整機構を装着するので、装置の組付け作業が煩雑である。また、調整作業に労力を要する。
【0009】
本発明は、簡易な構造で、設定された水位幅領域において安定に作動する下流水位制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1の発明は、水路を横断する主軸に扉体を、前記水路の側方に設けたフロート室内のフロートと昇降動作方向を同じに連動させて設け、前記フロート室の上流側に前記扉体の上流側の水路に連通させた静水池を設けると共に、前記フロート室の下流側に前記扉体の下流側の水路に連通させた遊水池を設け、前記フロート室と前記遊水池を排水口を介して連通した下流水位制御装置であって、前記静水池に、一端の開口を高さ調節可能に形成し他端をフロート室に開口した上限水位検知管を設け、前記静水池に前記上限水位検知管より低い位置に一端の開口を高さ調節可能に形成した下限水位検知管を設け、該下限水位検知管の下部を遊水池内に延長してから、その他端をフロート室に開口し、前記遊水池に下流水位を検知する検知フロートを配すると共に、該検知フロートの下部に弁体を一体に設け、前記下限水位検知管の遊水池に突出させた箇所内部に、前記弁体を前記検知フロートの設定水位以上において閉じるように設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
水路に設けたゲートには、水路を横断する主軸に扉体が設けられ、さらにカウンタウエイトが取付けられている。
図1(a)に示すように、水路側方のピット4には、主軸6に固定した扉体(図示略)と同方向に作動するフロート2がフロート室5に収納されている。図示は略すが、主軸6に備えられた主アームの上流側に扉体を設け、主軸6から上流側に突設したフロート用アーム26にフロート2を連結している。
【0012】
ピット4は下流水位を制御する構造になっており、フロート室5の上流側に前記扉体に対して上流側の水路に流入口13を介して連通させた静水池11を設けると共に、フロート室5の下流側に前記扉体に対して下流側の水路に流出口14を介して連通させた遊水池12を設け、水路底部より下方位置において排水口27を介してフロート室5と遊水池12を連通させている。また、フロート2内部は可撓性の連通管15によって、下流側の遊水池12と連通されている。
【0013】
静水池11にはその上端の開口部に高さ調節機構28aを備えた上限水位検知管28が設けられ、上限水位検知管28の下部は略水平に曲げられてフロート室5に開口されている。また、静水池11には上限水位検知管28より低い位置に、その上端の開口部に高さ調節機構29aを備えた下限水位検知管29が設けられている。また、上限水位検知管28および下限水位検知管29は上端周縁を越流して内部に水が入るようになっている。
【0014】
下限水位検知管29の下部は略水平に曲げられてフロート室5を貫通し、遊水池12中に突出した下限水位検知管29の下部は下方に曲げられた後Uターンさせて再びフロート室5内に戻し、その端部はフロート室5に開口されている。
【0015】
一方、遊水池12には下流水位を検知する検知フロート16が収納されている。検知フロート16の下部にはロッド30が取付けられ、ロッド30は下限水位検知管29の遊水池12に突出させた箇所の略垂直部31の内部に挿通され、ロッド30の下端に一体に設けた弁体32は略円錐台形状であり、略垂直部31に形成した弁座31aに下方から係合されるようになっている。なお、略垂直部31のロッド30の挿通する箇所にはパッキンが取付けられている。
図1(b)に示すように、検知フロート16が設定水位以上になって上昇した状態のとき、弁体32が弁座31aに係合して閉じるように設けられ、上流側の水がフロート室5に入らないようにされている。
【0016】
次に、このゲートの作用を説明する。
上流水位が下限水位より低い場合、下限水位検知管29からフロート室5への水の流入はなく、フロート室5の水は排水口27から下流側に流れ、フロート2は浮力が低下して下がり、ゲートは全閉状態になる。
【0017】
上流水位が下限水位と上限水位の間にある場合、ゲートは設定水位を維持するように作動する。
すなわち、ゲート下流側の水の使用量が増えて水位が設定水位以下になった場合、まず、下流水位の検知フロート16が降下する。そして、検知フロート16の下部の弁体32も略垂直部31の弁座31aから下方に離れて弁が開き、下限水位検知管29からフロート室5へ水が流入する。これにより、フロート2に浮力が発生して上昇し、ゲートが開く。この結果、ゲート下流側の水位が持ち上がって設定水位に戻る。
また、急激に水が下流に流れると直下流の水位が上がるので、フロート2が上昇してフロート室5への水の流入を停止させるように働く。
また、ゲート下流側の水位が設定水位以上になった場合、検知フロート16は上昇して弁が閉まり、下限水位検知管29からフロート室5への流入が塞がれ、フロート室5内の水位が下がることによりフロート2が降下して、ゲートが下降する。これによりゲート下流側の水位が下がって設定水位に戻る。
【0018】
次に、上流水位が上限水位より高い場合、上限水位検知管28からフロート室5へ水が多量に流入して、フロート2が上昇してゲートが開き、上流水位一定機能が働く。
【0019】
したがって、ゲート上流側の水位において上限水位と下限水位とを設定した場合、この間においては遅滞なく扉体が作動し、下流水位を一定に維持するようになる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上述べた通りであり、請求項1に記載の発明では、ゲート上流側の水位が上限水位と下限水位の間に位置する状態において、下流水位の検知フロートによりフロート室の水量を調節してフロートを作動させ、ゲート下流側の水位を一定に保つことができる。
また、扉体を急激に作動させ水量を調節すると検知フロートが昇降して抑制するので、下流側への流量調節は適度の速度で応答することができる。
また、ゲート上流側水位が下限水位以下のときは、ゲート上流側から下流側へ流下する流路がないので、ゲート上流側領域において貴重な水資源を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における下流水位制御装置の側断面(a)と要部断面(b)の模式図である。
【図2】従来のテンダーゲートの平面図である。
【図3】図2に示すテンダーゲートのピットの断面図である。
【図4】従来の他のゲートのピット周辺の断面図である。
【符号の説明】
2 フロート,3 扉体,5 フロート室,6 主軸,11 静水池,12 遊水池,16 検知フロート,26 フロート用アーム,27 排水口,28 上限水位検知管,29 下限水位検知管,31 箇所内部(略垂直部),32 弁体
Claims (1)
- 水路を横断する主軸に扉体を、前記水路の側方に設けたフロート室内のフロートと昇降動作方向を同じに連動させて設け、前記フロート室の上流側に前記扉体の上流側の水路に連通させた静水池を設けると共に、前記フロート室の下流側に前記扉体の下流側の水路に連通させた遊水池を設け、前記フロート室と前記遊水池を排水口を介して連通した下流水位制御装置であって、
前記静水池に、一端の開口を高さ調節可能に形成し他端をフロート室に開口した上限水位検知管を設け、
前記静水池に前記上限水位検知管より低い位置に一端の開口を高さ調節可能に形成した下限水位検知管を設け、該下限水位検知管の下部を遊水池内に延長してから、その他端をフロート室に開口し、
前記遊水池に下流水位を検知する検知フロートを配すると共に、該検知フロートの下部に弁体を一体に設け、前記下限水位検知管の遊水池に突出させた箇所内部に、前記弁体を前記検知フロートの設定水位以上において閉じるように設けたことを特徴とする下流水位制御装置。
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