JPH0526885B2 - - Google Patents
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- JPH0526885B2 JPH0526885B2 JP17353289A JP17353289A JPH0526885B2 JP H0526885 B2 JPH0526885 B2 JP H0526885B2 JP 17353289 A JP17353289 A JP 17353289A JP 17353289 A JP17353289 A JP 17353289A JP H0526885 B2 JPH0526885 B2 JP H0526885B2
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- water level
- gate
- upstream
- arm
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は排水路、分水路等から分水するために
設置する堰上げゲートにおいて、常時において
は、流水を堰上げ、洪水時においては、ゲートを
全開状態にして放流することを自動的に行なえる
洪水に対応する自動堰上げゲートに関する。
設置する堰上げゲートにおいて、常時において
は、流水を堰上げ、洪水時においては、ゲートを
全開状態にして放流することを自動的に行なえる
洪水に対応する自動堰上げゲートに関する。
(従来技術)
河川に敷設されるゲートにはテンターゲート等
がある。第6図に示すゲートは、水路1の上方に
回動自在に支持された水平な主軸2に一対のアー
ム3が固着され、その上流端に主軸を中心とする
円弧状の扉体4が固着され、アーム3の下流端近
くにカウンターウエイト5が吊着されている。こ
の場合、ゲートの可動部の重心を低くして扉体4
の動きを小さくしている。また、河川の横方に延
びた主軸2の端部に上流側に向かつてフロートア
ーム6が固着されている。このフロートアーム6
は主軸2の上流側に設けたフロート室7に浮かべ
たフロート8を懸垂棒9を介して連結されてい
る。また、フロート室7は越流堰10を介して扉
体4の上流水路に連通され、さらに、フロート室
は7は小径の流出口11を介して扉体4の下流水
路に連通されている。
がある。第6図に示すゲートは、水路1の上方に
回動自在に支持された水平な主軸2に一対のアー
ム3が固着され、その上流端に主軸を中心とする
円弧状の扉体4が固着され、アーム3の下流端近
くにカウンターウエイト5が吊着されている。こ
の場合、ゲートの可動部の重心を低くして扉体4
の動きを小さくしている。また、河川の横方に延
びた主軸2の端部に上流側に向かつてフロートア
ーム6が固着されている。このフロートアーム6
は主軸2の上流側に設けたフロート室7に浮かべ
たフロート8を懸垂棒9を介して連結されてい
る。また、フロート室7は越流堰10を介して扉
体4の上流水路に連通され、さらに、フロート室
は7は小径の流出口11を介して扉体4の下流水
路に連通されている。
なお、ゲートを複数設置する場合に水利慣行上
の制約によつて、極めて接近して設置され、上流
のゲートの上下流の水位差が全閉状態において
も、数cmしかない場合がある。このような場合に
は、ゲートの開閉に伴うフロート8の昇降の度合
を数cm以内に抑える必要があり、そのために、フ
ロートアーム6の長さはアーム3の上流側の長さ
に比べて十分に小さくされている。また、越流堰
10の堰頂の高さは上流の堰上げるべき水位より
も僅かに低くされており、越流水深を小さくする
のでこの越流断面積は、流出口11の断面積に比
べて十分に大きくするため、越流堰10の堰長は
十分に大きくされている。
の制約によつて、極めて接近して設置され、上流
のゲートの上下流の水位差が全閉状態において
も、数cmしかない場合がある。このような場合に
は、ゲートの開閉に伴うフロート8の昇降の度合
を数cm以内に抑える必要があり、そのために、フ
ロートアーム6の長さはアーム3の上流側の長さ
に比べて十分に小さくされている。また、越流堰
10の堰頂の高さは上流の堰上げるべき水位より
も僅かに低くされており、越流水深を小さくする
のでこの越流断面積は、流出口11の断面積に比
べて十分に大きくするため、越流堰10の堰長は
十分に大きくされている。
また、図示を略すがアーム3の下流側の下方
に、ストツパーが設けられ、ゲートが全開状態に
なる場合アーム3がこれに接触してアーム3の姿
勢が一定に保持されるよう構成されている。
に、ストツパーが設けられ、ゲートが全開状態に
なる場合アーム3がこれに接触してアーム3の姿
勢が一定に保持されるよう構成されている。
次に作用について説明する。
扉体4の上流水位が、越流堰10の堰頂よりも
僅かに高くなれば、越流が起きフロート室7内の
水位は上流水位と殆ど等しい高さになつてフロー
ト8を上昇させ、フロートアーム6の動作に連係
してアーム3が回動し扉体4が開方向に動きゲー
トが開状態になる。その結果、ゲートを通過する
水流が多くなり上流水位の上昇が抑制される。そ
して、上流水位が低下して越流堰10の堰頂に近
ずくと越流量が少なくなるので、フロート室7内
の水は流出口11から排出される水量のほうが多
く、フロート室7内の水位は下流水位と殆ど等し
い高さになり、フロート8が下降することにより
扉体4が閉方向に動きゲートが閉じられる。次に
また上流の水が扉体4で堰上げられて水位が上昇
するので、上記した操作を繰替えし行ないゲート
の上流の水位がほぼ一定に保持されるものであ
る。
僅かに高くなれば、越流が起きフロート室7内の
水位は上流水位と殆ど等しい高さになつてフロー
ト8を上昇させ、フロートアーム6の動作に連係
してアーム3が回動し扉体4が開方向に動きゲー
トが開状態になる。その結果、ゲートを通過する
水流が多くなり上流水位の上昇が抑制される。そ
して、上流水位が低下して越流堰10の堰頂に近
ずくと越流量が少なくなるので、フロート室7内
の水は流出口11から排出される水量のほうが多
く、フロート室7内の水位は下流水位と殆ど等し
い高さになり、フロート8が下降することにより
扉体4が閉方向に動きゲートが閉じられる。次に
また上流の水が扉体4で堰上げられて水位が上昇
するので、上記した操作を繰替えし行ないゲート
の上流の水位がほぼ一定に保持されるものであ
る。
また、前述したようにフロートアーム6の長さ
が十分に小さいので、扉体4の動きが不足して上
流水位が大きく狂うことはない。また、洪水時に
おいても、ある程度の高さまでは水位の上昇につ
れて逐次、扉体4が開方向に作動し、洪水位があ
る程度の高さに達すれば、扉体4の全部が水面上
に移動して洪水の疎通が図られる。
が十分に小さいので、扉体4の動きが不足して上
流水位が大きく狂うことはない。また、洪水時に
おいても、ある程度の高さまでは水位の上昇につ
れて逐次、扉体4が開方向に作動し、洪水位があ
る程度の高さに達すれば、扉体4の全部が水面上
に移動して洪水の疎通が図られる。
(発明が解決しようとする課題)
従来技術の第1の問題点は、非常に大きなフロ
ート8の平面積が必要となることである。すなわ
ち、フロート8の昇降運動の進行に伴つてフロー
ト8に働く作用力が減少し、また、上記の通り、
フロートアーム6の長さを著しく小さくしてフロ
ート8の運動距離範囲を短くする必要があるので
主軸2に働くトルクはなおさら小さくなり、した
がつて非常に大きなフロート8が必要であつた。
ート8の平面積が必要となることである。すなわ
ち、フロート8の昇降運動の進行に伴つてフロー
ト8に働く作用力が減少し、また、上記の通り、
フロートアーム6の長さを著しく小さくしてフロ
ート8の運動距離範囲を短くする必要があるので
主軸2に働くトルクはなおさら小さくなり、した
がつて非常に大きなフロート8が必要であつた。
また、第2の問題点は、洪水になつて、堰上げ
る必要がなくなつても、扉体4の一部が水中に没
していて流水の流通を阻害することであつた。
る必要がなくなつても、扉体4の一部が水中に没
していて流水の流通を阻害することであつた。
本発明は常時には堰上げ作動を行ない、洪水時
には堰上げを止め全開状態に調節できる洪水に対
応する自動堰上げゲートを提供することを目的と
する。
には堰上げを止め全開状態に調節できる洪水に対
応する自動堰上げゲートを提供することを目的と
する。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために、本発明の構成は、
水路を横断する主軸に、アームを上下流方向に向
けて回動自在に設け、該アームの上流端に水路を
堰上げするための扉体を設け、前記水路に沿つ
て、前記主軸の上流側にフロート室を設け、前記
扉体の上流側水路と下流側水路とを前記フロート
室を介して連通させ、 前記フロート室に室壁との隙間を小さくしてフ
ロートを配し、該フロートを懸垂するフロートア
ームを、フロートの上限位置と下限位置との中間
位置のときにほぼ水平になるように前記アームと
連動させて主軸に取付け、前記フロートは下部に
密閉部、上部に導水部を形成し、該導水部に前記
扉体の下流側水路と通じる導水装置を設け、 前記主軸より下流側に延びた前記アームに、前
記アームの軸線より上方に位置してカウンタウエ
イトを取付け、該カウンタウエイトの重さは、前
記扉体により、下流水位が計画水位の場合に上流
水位が上限水位まで堰上げられた状態において、
フロート室内の水位がその中間の高さのときに可
動部全体が均衡する重量にしたことを特徴とす
る。
水路を横断する主軸に、アームを上下流方向に向
けて回動自在に設け、該アームの上流端に水路を
堰上げするための扉体を設け、前記水路に沿つ
て、前記主軸の上流側にフロート室を設け、前記
扉体の上流側水路と下流側水路とを前記フロート
室を介して連通させ、 前記フロート室に室壁との隙間を小さくしてフ
ロートを配し、該フロートを懸垂するフロートア
ームを、フロートの上限位置と下限位置との中間
位置のときにほぼ水平になるように前記アームと
連動させて主軸に取付け、前記フロートは下部に
密閉部、上部に導水部を形成し、該導水部に前記
扉体の下流側水路と通じる導水装置を設け、 前記主軸より下流側に延びた前記アームに、前
記アームの軸線より上方に位置してカウンタウエ
イトを取付け、該カウンタウエイトの重さは、前
記扉体により、下流水位が計画水位の場合に上流
水位が上限水位まで堰上げられた状態において、
フロート室内の水位がその中間の高さのときに可
動部全体が均衡する重量にしたことを特徴とす
る。
(作用)
本発明は以上のように構成するものであるの
で、フロートの昇降に伴つて導水部に扉体の下流
の水が排出、導水されるのでフロートに働く作用
力が弱くなることはなく、ひいてはフロートの昇
降の度合を小さくする必要がないので、フロート
アームの長さを大きくしてフロートを非常に小さ
くすることができる。
で、フロートの昇降に伴つて導水部に扉体の下流
の水が排出、導水されるのでフロートに働く作用
力が弱くなることはなく、ひいてはフロートの昇
降の度合を小さくする必要がないので、フロート
アームの長さを大きくしてフロートを非常に小さ
くすることができる。
また、堰上げる必要がある場合、特に全閉に近
い状態においては、水圧によるゲートの抵抗が大
きくなるので、大きな作動力を要するが、可動部
全体の重心位置が主軸の上流側にあり、全閉に近
くなるほど偏心力によつて大きな閉方向の作動力
が得られ、しかもまた、上下流の水位差が大きく
なるので開方向の作動力も得られる。
い状態においては、水圧によるゲートの抵抗が大
きくなるので、大きな作動力を要するが、可動部
全体の重心位置が主軸の上流側にあり、全閉に近
くなるほど偏心力によつて大きな閉方向の作動力
が得られ、しかもまた、上下流の水位差が大きく
なるので開方向の作動力も得られる。
さらに、水路が増水し洪水位になると、フロー
トは上限位置に近づき可動部全体の重心位置が主
軸の下流側にくるので、自重の偏心力によつてゲ
ートが開いて扉体は水面上に位置される。その
後、洪水が去つて堰上げを要するようになればフ
ロートの自重によつて自動的に扉体が引き下げら
れて堰上げが再開される。
トは上限位置に近づき可動部全体の重心位置が主
軸の下流側にくるので、自重の偏心力によつてゲ
ートが開いて扉体は水面上に位置される。その
後、洪水が去つて堰上げを要するようになればフ
ロートの自重によつて自動的に扉体が引き下げら
れて堰上げが再開される。
(実施例)
本発明の実施例を第1図ないし第5図に基いて
説明する。
説明する。
第1図および第2図に示すとおり、ゲート12
はおよそ、水路13の上部に回動自在に支持され
た主軸14に固着された一対のアーム15と、ア
ーム15の上流端に取付けられ、主軸14を中心
とする円弧状の扉体16と、アーム15を作動す
るためのフロート17とからなつている。
はおよそ、水路13の上部に回動自在に支持され
た主軸14に固着された一対のアーム15と、ア
ーム15の上流端に取付けられ、主軸14を中心
とする円弧状の扉体16と、アーム15を作動す
るためのフロート17とからなつている。
フロート17は、主軸14の上流側に設けたフ
ロート室18に、室壁との隙間を小さくして配設
されており、フロート室18は、フロート室18
の下部に連通する通水管19と接続された越流堰
20を介して静水室21と連通し、静水室21は
流通口21aを介して扉体16の上流水路と連通
している。さらに、フロート室18には扉体16
の下流水路に連通する小径の流出口22が穿設さ
れている。また、後述するフロートアーム23が
フロート17の上部に設けられた懸垂棒24と連
結し、主軸14の端部に固着されている。
ロート室18に、室壁との隙間を小さくして配設
されており、フロート室18は、フロート室18
の下部に連通する通水管19と接続された越流堰
20を介して静水室21と連通し、静水室21は
流通口21aを介して扉体16の上流水路と連通
している。さらに、フロート室18には扉体16
の下流水路に連通する小径の流出口22が穿設さ
れている。また、後述するフロートアーム23が
フロート17の上部に設けられた懸垂棒24と連
結し、主軸14の端部に固着されている。
また、アーム15の下流端近くに支持材25を
介してカウンタウエイト26が装着され、カウン
タウエイト26のウエイトの重さまたはその水平
方向の位置は、下流水位が計画水位の場合に上流
水位が上限水位まで堰上げられた状態において、
フロート室18内の水位が計画水位と上限水位の
中間の高さの時にゲート12の可動部全体が均衡
するように定められている。また、上記の状態に
おいて鉛直方向の位置が調節自在になるよう構成
され、カウンタウエイト26の高さは上記の状態
とゲート12の全閉状態の間の全ての状態におい
て作動力が全体的に開方向と閉方向のいずれの方
向にも偏らないよう適当に定められている。な
お、全開状態において、可動部が定位置で静止す
るようにストツパ27がアーム15の下流側に設
けられている。
介してカウンタウエイト26が装着され、カウン
タウエイト26のウエイトの重さまたはその水平
方向の位置は、下流水位が計画水位の場合に上流
水位が上限水位まで堰上げられた状態において、
フロート室18内の水位が計画水位と上限水位の
中間の高さの時にゲート12の可動部全体が均衡
するように定められている。また、上記の状態に
おいて鉛直方向の位置が調節自在になるよう構成
され、カウンタウエイト26の高さは上記の状態
とゲート12の全閉状態の間の全ての状態におい
て作動力が全体的に開方向と閉方向のいずれの方
向にも偏らないよう適当に定められている。な
お、全開状態において、可動部が定位置で静止す
るようにストツパ27がアーム15の下流側に設
けられている。
フロートアーム23はフロート17の上限位置
と下限位置との中間位置のときにほぼ水平になる
ように主軸に固着され、フロートアーム23の角
度は全閉状態における俯角と全開状態における仰
角が等しくなりゲート12の開閉に伴うフロート
17の昇降による移動量がもつとも少なくなるよ
うにされている。フロートアーム23の長さは後
に説明する堰上げ再開水位が十分に高くなるよう
短くされているが通常はアーム15の上流側の長
さの約半分程度とされており、従来技術に比べる
と約2.5倍程度で非常に長くすることができる。
と下限位置との中間位置のときにほぼ水平になる
ように主軸に固着され、フロートアーム23の角
度は全閉状態における俯角と全開状態における仰
角が等しくなりゲート12の開閉に伴うフロート
17の昇降による移動量がもつとも少なくなるよ
うにされている。フロートアーム23の長さは後
に説明する堰上げ再開水位が十分に高くなるよう
短くされているが通常はアーム15の上流側の長
さの約半分程度とされており、従来技術に比べる
と約2.5倍程度で非常に長くすることができる。
フロート17の下部は密閉部17aが形成さ
れ、その上部の導水部17bの部分は後述の導水
装置28を介してゲート12の下流水路に連通さ
れ、その上端には小径の通気口17cが穿たれて
大気と連通されている。フロート17の平面積は
全てのゲート開角度の場合に十分な作動力が得ら
れ、また後に詳述するように全閉に近い状態にお
いてゲート12の動きが十分に小さくなるよう大
きくされていることは勿論であるが、上流水位と
計画水位との許容誤差が極力小さく定められてい
るので、事実上は、下流水位が下限水位で、上流
水位が計画水位の状態にあるゲート12が、フロ
ート室18内の水位が上限水位になればゲート1
2が開き、下限水位になればゲート12が閉じる
という条件によつて決定されている。
れ、その上部の導水部17bの部分は後述の導水
装置28を介してゲート12の下流水路に連通さ
れ、その上端には小径の通気口17cが穿たれて
大気と連通されている。フロート17の平面積は
全てのゲート開角度の場合に十分な作動力が得ら
れ、また後に詳述するように全閉に近い状態にお
いてゲート12の動きが十分に小さくなるよう大
きくされていることは勿論であるが、上流水位と
計画水位との許容誤差が極力小さく定められてい
るので、事実上は、下流水位が下限水位で、上流
水位が計画水位の状態にあるゲート12が、フロ
ート室18内の水位が上限水位になればゲート1
2が開き、下限水位になればゲート12が閉じる
という条件によつて決定されている。
また、密閉部17aの高さはその下端が常に水
中にあるように十分に大きくされ、また密閉部1
7aの上端の高さは洪水時に開いた場合に扉体1
6の下端の高さが所定の高さになるように適当に
定められているが、複数のゲート12,……が設
置される場合には最上流のゲート12が上記のと
おりにされ、下流のものほど数cmずつ順に低くさ
れている。
中にあるように十分に大きくされ、また密閉部1
7aの上端の高さは洪水時に開いた場合に扉体1
6の下端の高さが所定の高さになるように適当に
定められているが、複数のゲート12,……が設
置される場合には最上流のゲート12が上記のと
おりにされ、下流のものほど数cmずつ順に低くさ
れている。
導水装置28は、その一端が導水部17bの下
端に開口され密閉部17a内を鉛直に貫通し、途
中、フロート室18内において数個の屈曲自在な
継手を頂点として上下方向にジグザグに走行した
あとに直角に方向を変えてフロート室18と水路
13との壁を貫通し、他端はゲート12の下流水
路内に開口され、その断面はゲート12が適当な
速度で開閉するよう適宜にされている。
端に開口され密閉部17a内を鉛直に貫通し、途
中、フロート室18内において数個の屈曲自在な
継手を頂点として上下方向にジグザグに走行した
あとに直角に方向を変えてフロート室18と水路
13との壁を貫通し、他端はゲート12の下流水
路内に開口され、その断面はゲート12が適当な
速度で開閉するよう適宜にされている。
なお、通水管19の大きさは流量が急激に増加
した場合にも、ゲート12が十分に追随して、迅
速に開き得るよう十分に大きくされ、越流堰20
の堰頂の高さは計画水位よりも僅かに低くされ、
その堰長は長く形成され越流水深が小さくなるよ
うにされている。
した場合にも、ゲート12が十分に追随して、迅
速に開き得るよう十分に大きくされ、越流堰20
の堰頂の高さは計画水位よりも僅かに低くされ、
その堰長は長く形成され越流水深が小さくなるよ
うにされている。
次に、構成についての補足説明を行ないなが
ら、作用について説明する。
ら、作用について説明する。
第5図において、横軸は、全閉状態を基準にし
たゲート開度、縦軸は、下流水位、上流水位、そ
の他の高さを示す。
たゲート開度、縦軸は、下流水位、上流水位、そ
の他の高さを示す。
横軸のそれぞれの、Iは全閉状態、は上流水
位が計画水位よりも高くなり始める状態、は下
流水位が計画水位となつた状態、はゲート12
の可動部全体の重心位置が主軸の直上に来て、上
流水位がほゞ最高となつた状態、Vは堰上げを停
止してこれから扉体16が空中に飛び出し始める
状態、および、は扉体16の下端が十分に高く
持ち上げられてゲート12が全開している状態を
示す。
位が計画水位よりも高くなり始める状態、は下
流水位が計画水位となつた状態、はゲート12
の可動部全体の重心位置が主軸の直上に来て、上
流水位がほゞ最高となつた状態、Vは堰上げを停
止してこれから扉体16が空中に飛び出し始める
状態、および、は扉体16の下端が十分に高く
持ち上げられてゲート12が全開している状態を
示す。
第3図はゲート12の全閉状態Iを示し、扉体
16は流水を遮断している。ゲート12の可動部
全体の重心は上流側に寄り、偏心力Gが主軸14
の上流側にかかる。
16は流水を遮断している。ゲート12の可動部
全体の重心は上流側に寄り、偏心力Gが主軸14
の上流側にかかる。
第4図はゲート12の全開状態を示し、扉体
16は完全に水面から離れ、偏心力Gが主軸14
の下流側にかかり、アーム15はストツパ27に
係止されている。
16は完全に水面から離れ、偏心力Gが主軸14
の下流側にかかり、アーム15はストツパ27に
係止されている。
次に、状態Iと状態の間の作用について説明
する。まず、計画水位の上方に許容誤差2Δhを
実用上支障のない限度内において上限水位を定
める。次に、曲線(下限水位)は、この状態に
おいては、それぞれのゲート12の開角度の場合
に、上流水位が、計画水位の高さになるよう
な、下流水位とゲート開角度の関係を示す。後の
説明で理解されるように、上流水位は計画水位
よりも、ゲート12が開く際は、僅かに高くなる
ので、実際の下流水位は、曲線(下限水位)よ
り僅かに高く、ゲート12が閉じる際には、下流
水位は曲線(下限水位)より僅かに低いが、曲
線(下限水位)は概念を示した。また、曲線
はそれぞれの開角度における可動部全体の重心・
偏心の作用を、ゲート12を閉じようとする方向
を正として、フロート17の内外水位差に換算し
て水平線を横軸にして示したものであり、また
曲線は、これと曲線を横軸にして示したもの
である。したがつて、曲線は、それぞれの開角
度においてゲート12の可動部全体が均衡する、
フロート室18内の水位を示すものであるが、水
理学上の原理によつて、フロート室18と下流水
位の水位差は、越流水深の三乗に比例して大きく
変化するので、上流水位が計画水位よりも僅か
に高くなればゲート12が開き、また、僅かに高
くなればゲート12が閉じ、上流水位がほゞ、計
画水位に等しく復元すれば、ゲート12は静止
する。
する。まず、計画水位の上方に許容誤差2Δhを
実用上支障のない限度内において上限水位を定
める。次に、曲線(下限水位)は、この状態に
おいては、それぞれのゲート12の開角度の場合
に、上流水位が、計画水位の高さになるよう
な、下流水位とゲート開角度の関係を示す。後の
説明で理解されるように、上流水位は計画水位
よりも、ゲート12が開く際は、僅かに高くなる
ので、実際の下流水位は、曲線(下限水位)よ
り僅かに高く、ゲート12が閉じる際には、下流
水位は曲線(下限水位)より僅かに低いが、曲
線(下限水位)は概念を示した。また、曲線
はそれぞれの開角度における可動部全体の重心・
偏心の作用を、ゲート12を閉じようとする方向
を正として、フロート17の内外水位差に換算し
て水平線を横軸にして示したものであり、また
曲線は、これと曲線を横軸にして示したもの
である。したがつて、曲線は、それぞれの開角
度においてゲート12の可動部全体が均衡する、
フロート室18内の水位を示すものであるが、水
理学上の原理によつて、フロート室18と下流水
位の水位差は、越流水深の三乗に比例して大きく
変化するので、上流水位が計画水位よりも僅か
に高くなればゲート12が開き、また、僅かに高
くなればゲート12が閉じ、上流水位がほゞ、計
画水位に等しく復元すれば、ゲート12は静止
する。
次に、状態と状態の間の状態の作用につい
て説明する。状態の状態よりも開くと、曲線
の高さが、高くなるので、上流水位が計画水位
よりも高くないとゲート12が開かず、したがつ
て増水時における上流水位は、曲線のとおりに
なるが、減水時における上流水位は、上記と同じ
く、ほゞ計画水位に等しいが、いずれにしても、
上流水位は、計画流量以下の場合には、ほゞ、計
画水位と上限水位の間に保たれる。また、状
態においては、利用し得る上下流水位差が小さ
いので、曲線の高さを正確に調整する必要があ
るが、カウンタウエイト26の重さ、または水平
方向の位置によつて幾らでも正確に調整する事が
出来、また、全閉に近い付近の作用を考慮してカ
ウンタウエイト26の高さを調節しても、状態
においては、何等、変化がないので簡単に調節し
得る。
て説明する。状態の状態よりも開くと、曲線
の高さが、高くなるので、上流水位が計画水位
よりも高くないとゲート12が開かず、したがつ
て増水時における上流水位は、曲線のとおりに
なるが、減水時における上流水位は、上記と同じ
く、ほゞ計画水位に等しいが、いずれにしても、
上流水位は、計画流量以下の場合には、ほゞ、計
画水位と上限水位の間に保たれる。また、状
態においては、利用し得る上下流水位差が小さ
いので、曲線の高さを正確に調整する必要があ
るが、カウンタウエイト26の重さ、または水平
方向の位置によつて幾らでも正確に調整する事が
出来、また、全閉に近い付近の作用を考慮してカ
ウンタウエイト26の高さを調節しても、状態
においては、何等、変化がないので簡単に調節し
得る。
次に状態から状態までの作用を一括して説
明する。洪水になつて、ゲート12が一旦、この
状態まで開くと曲線と曲線の高低差が小さく
なるので、増水途中において、減水し上流水位が
計画水位以下に低下しても、後述の堰上げ閉開
水位まで水路の水位が低下するまでの間は導水
部17bとフロート室18内の水位が、平行して
低下するだけでゲート12は閉じられない。しか
し、この状態においては、流量は、計画用水流量
を越えていて、洪水になつており、一旦、洪水に
なれば、洪水が去つて暫くの間は、用水は不必要
であるので、一向に差支えない。したがつて、次
は、洪水によつてゲート12が開く作用の説明に
進む。この状態においては、下流水位と、ゲート
12の開角度の関係は、試算によつて求められ
る。すなわち、或る下流水位の場合に開角度を仮
定し、曲線の大きさだけその水位上にとつて曲
線を求め、一方、上流水位である曲線の高さ
をゲート12の抵抗を求め、曲線と曲線の高
低差がゲート12の抵抗に応じた高さになる開角
度がその下流水位の場合の開角度である。状態
は、可動部全体の重心位置が、主軸14の真上に
来て、偏心力Gの作用が消失した状態であるが、
ほゞ、この付近において、上流水位を示す曲線
は最高となつて計画洪水位が求められる。その
後、流量が増加するにつれて、上流水位は徐々に
低下し、上下流の水位差も少なくなるが、状態V
になれば、曲線の高さが上流水位よりもΔh7だ
け低くなつて、上下流の水位と扉体16の下端は
高さが等しくなり(位置)、ゲート12は導水
部17b内の水を排出しながら開き続け、全開状
態となる。ところで、上記のとおり、洪水にな
つて開く途中において、最高水位は計画水位
よりも数cm高くなるが、水路の設計上も洪水時に
おいては、通常よりも10〜20cm水位が高くなる事
も予定されて築造されているので一向に支障も来
さない。
明する。洪水になつて、ゲート12が一旦、この
状態まで開くと曲線と曲線の高低差が小さく
なるので、増水途中において、減水し上流水位が
計画水位以下に低下しても、後述の堰上げ閉開
水位まで水路の水位が低下するまでの間は導水
部17bとフロート室18内の水位が、平行して
低下するだけでゲート12は閉じられない。しか
し、この状態においては、流量は、計画用水流量
を越えていて、洪水になつており、一旦、洪水に
なれば、洪水が去つて暫くの間は、用水は不必要
であるので、一向に差支えない。したがつて、次
は、洪水によつてゲート12が開く作用の説明に
進む。この状態においては、下流水位と、ゲート
12の開角度の関係は、試算によつて求められ
る。すなわち、或る下流水位の場合に開角度を仮
定し、曲線の大きさだけその水位上にとつて曲
線を求め、一方、上流水位である曲線の高さ
をゲート12の抵抗を求め、曲線と曲線の高
低差がゲート12の抵抗に応じた高さになる開角
度がその下流水位の場合の開角度である。状態
は、可動部全体の重心位置が、主軸14の真上に
来て、偏心力Gの作用が消失した状態であるが、
ほゞ、この付近において、上流水位を示す曲線
は最高となつて計画洪水位が求められる。その
後、流量が増加するにつれて、上流水位は徐々に
低下し、上下流の水位差も少なくなるが、状態V
になれば、曲線の高さが上流水位よりもΔh7だ
け低くなつて、上下流の水位と扉体16の下端は
高さが等しくなり(位置)、ゲート12は導水
部17b内の水を排出しながら開き続け、全開状
態となる。ところで、上記のとおり、洪水にな
つて開く途中において、最高水位は計画水位
よりも数cm高くなるが、水路の設計上も洪水時に
おいては、通常よりも10〜20cm水位が高くなる事
も予定されて築造されているので一向に支障も来
さない。
次に全開状態について説明する。状態Vと状
態を比較すると、ゲート12を開く方向の偏心
力Gがh0だけ増加しており、一方、ゲート12の
抵抗は変りがないので、状態においては密閉部
17aはh0の高さだけ空中に露出しており、その
上端は高さ位置となつており、力学的には、開
こうとする作動力と開くまいとする抵抗が釣合つ
ている状態である。
態を比較すると、ゲート12を開く方向の偏心
力Gがh0だけ増加しており、一方、ゲート12の
抵抗は変りがないので、状態においては密閉部
17aはh0の高さだけ空中に露出しており、その
上端は高さ位置となつており、力学的には、開
こうとする作動力と開くまいとする抵抗が釣合つ
ている状態である。
次に、洪水が去つて、ゲート12が閉じて、堰
上げを再開する作用について説明する。上記の位
置よりも、水位がΔh7だけ低下すれば、先ず、
ゲート12の作動力と抵抗の両方が消失し、さら
にΔh7だけ低下すればゲート12は閉じ始める。
その時のフロート17の吃水線の軌跡は曲線で
示されるものとする。ゲート12が閉じるに従つ
て、ゲート12を閉じる方向の力が図の曲線と
水平線の高低差だけ増加するので、この値を曲
線を横軸にして描いた曲線がゲート12が閉
じる際の水位と開角度を示す曲線で、より水位が
図の堰上げ再開水位まで低下すれば、一気にゲ
ート12が閉じて堰上げが再開され、上流水位が
ほゞ計画水位に等しく維持されるようになる。
ゲート12が閉じる際の密閉部17aの上端の軌
跡を曲線で示す。
上げを再開する作用について説明する。上記の位
置よりも、水位がΔh7だけ低下すれば、先ず、
ゲート12の作動力と抵抗の両方が消失し、さら
にΔh7だけ低下すればゲート12は閉じ始める。
その時のフロート17の吃水線の軌跡は曲線で
示されるものとする。ゲート12が閉じるに従つ
て、ゲート12を閉じる方向の力が図の曲線と
水平線の高低差だけ増加するので、この値を曲
線を横軸にして描いた曲線がゲート12が閉
じる際の水位と開角度を示す曲線で、より水位が
図の堰上げ再開水位まで低下すれば、一気にゲ
ート12が閉じて堰上げが再開され、上流水位が
ほゞ計画水位に等しく維持されるようになる。
ゲート12が閉じる際の密閉部17aの上端の軌
跡を曲線で示す。
以上、説明したとおり、先ず、従来技術の第二
の問題点が解決された。次は、第一の問題点の解
決に関する作用について説明する。先ず、フロー
ト17の大きさであるが、従来技術においては、
フロート8全体が密閉されていたので、ゲート4
の開閉に伴うフロート8の昇降によつて、フロー
ト8に働く作動力が減少していた事は、説明を要
しないところであるが、或る事例について、フロ
ートアーム6の長さを種々変えたとしても、フロ
ート8平面積が小さくなるよう計算した場合、ゲ
ート4が停止する直前においてフロート8に働く
作動力は上下流の水位差の5%しかなく、また、
フロートアーム6の長さもゲート半径の20%に過
ぎなかつた。したがつて、非常に大きなフロート
8を要していた訳であるが、本発明においては、
上記のとおり導水部17b内に水が導入されてい
るので、フロート室18内の水位が変らない限
り、幾らフロート17が昇降しても、フロート1
7に働く作動力は減少せず、したがつて、ほゞ上
下流水位差の50%を開閉でき、フロート17に働
く作動力自体が約10倍になり、また同様に、フロ
ートアーム23の長さも制約を受けず、従来の技
術の約2.5倍に大きくできるのでフロート17の
平面積はほぼ25分の1に小さくできる。
の問題点が解決された。次は、第一の問題点の解
決に関する作用について説明する。先ず、フロー
ト17の大きさであるが、従来技術においては、
フロート8全体が密閉されていたので、ゲート4
の開閉に伴うフロート8の昇降によつて、フロー
ト8に働く作動力が減少していた事は、説明を要
しないところであるが、或る事例について、フロ
ートアーム6の長さを種々変えたとしても、フロ
ート8平面積が小さくなるよう計算した場合、ゲ
ート4が停止する直前においてフロート8に働く
作動力は上下流の水位差の5%しかなく、また、
フロートアーム6の長さもゲート半径の20%に過
ぎなかつた。したがつて、非常に大きなフロート
8を要していた訳であるが、本発明においては、
上記のとおり導水部17b内に水が導入されてい
るので、フロート室18内の水位が変らない限
り、幾らフロート17が昇降しても、フロート1
7に働く作動力は減少せず、したがつて、ほゞ上
下流水位差の50%を開閉でき、フロート17に働
く作動力自体が約10倍になり、また同様に、フロ
ートアーム23の長さも制約を受けず、従来の技
術の約2.5倍に大きくできるのでフロート17の
平面積はほぼ25分の1に小さくできる。
次に扉体16の一回当りの動きを、一定以下に
抑えるために必要なフロート17の大きさの問題
について説明する。まず、ゲート12が全閉に近
い状態においては、扉体16の下端と水路面の間
の隙間は極めて小さく、下方を通過する水流の速
度が極めて大きいので、扉体16が僅かに動いた
だけで流量の変化、とくに、その変化率は大きく
なり、したがつて、扉体16の動きを小さくしな
ければならない。ところが、実施例のゲート12
はフロート17を駆動手段としているので、扉体
16が動き始める時点においては、その抵抗が静
摩擦抵抗であるので、フロート17に非常に大き
な作動力が生じてから扉体16は動き出すが、一
旦動き出して静止するまでは扉体16の抵抗が動
摩擦抵抗に変つて抵抗力を半減しているので、フ
ロート17が大きく動いて、これに働く作動力が
半減するまで扉体16は止まらない。
抑えるために必要なフロート17の大きさの問題
について説明する。まず、ゲート12が全閉に近
い状態においては、扉体16の下端と水路面の間
の隙間は極めて小さく、下方を通過する水流の速
度が極めて大きいので、扉体16が僅かに動いた
だけで流量の変化、とくに、その変化率は大きく
なり、したがつて、扉体16の動きを小さくしな
ければならない。ところが、実施例のゲート12
はフロート17を駆動手段としているので、扉体
16が動き始める時点においては、その抵抗が静
摩擦抵抗であるので、フロート17に非常に大き
な作動力が生じてから扉体16は動き出すが、一
旦動き出して静止するまでは扉体16の抵抗が動
摩擦抵抗に変つて抵抗力を半減しているので、フ
ロート17が大きく動いて、これに働く作動力が
半減するまで扉体16は止まらない。
したがつて、本発明においては、上記のとお
り、フロートアーム23の角度を工夫して、フロ
ート17とフロート室18の間の隙間が極力小さ
くされており、その結果、フロート17が極めて
僅かに動いただけでフロート室18内の水面が、
フロート17の運動方向の逆の方向に変動して、
フロート17に働いていた作動力が消失し、遂に
は、制止力が働いて扉体16は僅かに動いただけ
で停止させられる。また、扉体16にかかる力は
フロートアーム23の長さの二乗とフロート17
の平面積に反比例する。したがつて、扉体16の
一回当りの動きの大きさの条件から、フロート1
7平面積が決定される場合には、フロートアーム
23の長さは従来技術の約2.5倍とされているの
で、フロート17平面積は従来技術の2.52分の
一、すなわち、約6分の1に小さくできる。よつ
て従来技術の第一の問題点も解消される。
り、フロートアーム23の角度を工夫して、フロ
ート17とフロート室18の間の隙間が極力小さ
くされており、その結果、フロート17が極めて
僅かに動いただけでフロート室18内の水面が、
フロート17の運動方向の逆の方向に変動して、
フロート17に働いていた作動力が消失し、遂に
は、制止力が働いて扉体16は僅かに動いただけ
で停止させられる。また、扉体16にかかる力は
フロートアーム23の長さの二乗とフロート17
の平面積に反比例する。したがつて、扉体16の
一回当りの動きの大きさの条件から、フロート1
7平面積が決定される場合には、フロートアーム
23の長さは従来技術の約2.5倍とされているの
で、フロート17平面積は従来技術の2.52分の
一、すなわち、約6分の1に小さくできる。よつ
て従来技術の第一の問題点も解消される。
次は応用例について説明する。本発明において
は、洪水時にゲートが全開状態になるようにする
ことが目的の一つであり、上記の実施例において
は、平坦な水路13を前提にして説明を進めて来
たが、いわゆる落差工と称される、水路13に段
差のある箇所に設置されるゲート12は、水理学
上の低下背水を防止する目的で設置されるもので
あり、このような場合においては、洪水時にゲー
ト12を全開すると下流で溢水を起すので、ゲー
ト12を全開する訳には行かない。また、そのよ
うな場合には、第5図の状態とおなじように、
段差分だけ上下流の水位差が大きくなつているの
で、曲線もより水平に近い形状が必要となる
が、そのような場合には、主軸14から可動部全
体の重心を見た仰角を小さくすれば、ゲート12
が洪水時に全開することはなくまた、曲線を水
平に近い状態にし得る。すなわち、本発明におい
て対称とされているのは上記のような場合を含む
ものであつて、必ずしも実施例に示した構成に細
部に亘つて限定される訳ではない。
は、洪水時にゲートが全開状態になるようにする
ことが目的の一つであり、上記の実施例において
は、平坦な水路13を前提にして説明を進めて来
たが、いわゆる落差工と称される、水路13に段
差のある箇所に設置されるゲート12は、水理学
上の低下背水を防止する目的で設置されるもので
あり、このような場合においては、洪水時にゲー
ト12を全開すると下流で溢水を起すので、ゲー
ト12を全開する訳には行かない。また、そのよ
うな場合には、第5図の状態とおなじように、
段差分だけ上下流の水位差が大きくなつているの
で、曲線もより水平に近い形状が必要となる
が、そのような場合には、主軸14から可動部全
体の重心を見た仰角を小さくすれば、ゲート12
が洪水時に全開することはなくまた、曲線を水
平に近い状態にし得る。すなわち、本発明におい
て対称とされているのは上記のような場合を含む
ものであつて、必ずしも実施例に示した構成に細
部に亘つて限定される訳ではない。
次に用途の問題について説明する。
水利慣行上の制約によつて、分水位置の間隔が
狭くゲート12を接近して設置する場合、上流の
ゲート12の上下流の水位差が全閉状態において
も、数cmしかない場合がある。このような場合に
は上下流の水位差が小さいので、ゲート12の下
方を通過する流速も小さい。したがつて、フロー
ト17の大きさは専ら作動力の面から決定される
ことになるが、実施例では、フロート17の作動
トルクは20数倍になるので、極めて経済的であり
用途が拡大される。なお、このような場合にも曲
線は水平に近くする必要があるが、曲線自体が
水平に近いので曲線は実施例と相似形で構わず、
したがつて主軸14から見た可動部全体の重心位
置の方角は実施例のままであり、両者間の距離が
小さくなるだけである。
狭くゲート12を接近して設置する場合、上流の
ゲート12の上下流の水位差が全閉状態において
も、数cmしかない場合がある。このような場合に
は上下流の水位差が小さいので、ゲート12の下
方を通過する流速も小さい。したがつて、フロー
ト17の大きさは専ら作動力の面から決定される
ことになるが、実施例では、フロート17の作動
トルクは20数倍になるので、極めて経済的であり
用途が拡大される。なお、このような場合にも曲
線は水平に近くする必要があるが、曲線自体が
水平に近いので曲線は実施例と相似形で構わず、
したがつて主軸14から見た可動部全体の重心位
置の方角は実施例のままであり、両者間の距離が
小さくなるだけである。
次にフロート17とフロート室18の間の隙間
を小さくしたことの意義について補足説明する。
上記のとおり本発明においては可動部全体の重心
を主軸14よりも高くすることを1つの手段とし
ており、このため、フロート室18の隙間を小さ
くすることによつて、扉体16の動きが小さくな
り、このため、重心を高くしてフロート17の作
動力の援助を行なつている。
を小さくしたことの意義について補足説明する。
上記のとおり本発明においては可動部全体の重心
を主軸14よりも高くすることを1つの手段とし
ており、このため、フロート室18の隙間を小さ
くすることによつて、扉体16の動きが小さくな
り、このため、重心を高くしてフロート17の作
動力の援助を行なつている。
(発明の効果)
本発明は以上のように構成したものであるか
ら、フロートへの作動力が変化しないのでフロー
トアームを長尺にでき主軸を動かすトルクが大き
くなるので、フロートを小さくすることができ経
済的である。また、従来技術よりもフロートの昇
降時の移動距離の調整、設置位置等の組立時の煩
雑さがない。さらに、ゲートが全開状態になれ
ば、カウンタウエイトによる偏心力の作用によつ
て扉体が水面から完全に出て洪水時の流水の妨げ
をなくすことができ、洪水時の対応が良くなつ
た。そして、洪水が去つて堰上げを要する事態に
なれば、フロートの自重で扉体が下降して、自ら
堰上げを再開することができる。
ら、フロートへの作動力が変化しないのでフロー
トアームを長尺にでき主軸を動かすトルクが大き
くなるので、フロートを小さくすることができ経
済的である。また、従来技術よりもフロートの昇
降時の移動距離の調整、設置位置等の組立時の煩
雑さがない。さらに、ゲートが全開状態になれ
ば、カウンタウエイトによる偏心力の作用によつ
て扉体が水面から完全に出て洪水時の流水の妨げ
をなくすことができ、洪水時の対応が良くなつ
た。そして、洪水が去つて堰上げを要する事態に
なれば、フロートの自重で扉体が下降して、自ら
堰上げを再開することができる。
第1図は本発明による実施例の洪水に対応する
自動堰上げゲートの側断面図、第2図は第1図の
平面図、第3図は実施例におけるゲートの全閉状
態の側断面図、第4図は実施例におけるゲートの
全開状態の側断面図、第5図は実施例におけるゲ
ートの開度状態および水位を示す線図、第6図は
従来の堰上げゲートの側断面図である。 13……水路、14……主軸、15……アー
ム、16……扉体、17……フロート、17a…
…密閉部、17b……導水部、18……フロート
室、23……フロートアーム、26……カウンタ
ウエイト、28……導水装置、……計画水位、
……上限水位。
自動堰上げゲートの側断面図、第2図は第1図の
平面図、第3図は実施例におけるゲートの全閉状
態の側断面図、第4図は実施例におけるゲートの
全開状態の側断面図、第5図は実施例におけるゲ
ートの開度状態および水位を示す線図、第6図は
従来の堰上げゲートの側断面図である。 13……水路、14……主軸、15……アー
ム、16……扉体、17……フロート、17a…
…密閉部、17b……導水部、18……フロート
室、23……フロートアーム、26……カウンタ
ウエイト、28……導水装置、……計画水位、
……上限水位。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 水路を横断する主軸に、アームを上下流方向
に向けて回動自在に設け、該アームの上流端に水
路を堰上げするための扉体を設け、前記水路に沿
つて、前記主軸の上流側にフロート室を設け、前
記扉体の上流側水路と下流側水路とを前記フロー
ト室を介して連通させ、 前記フロート室に室壁との隙間を小さくしてフ
ロートを配し、該フロートを懸垂するフロートア
ームを、フロートが上限位置と下限位置との中間
位置のときにほぼ水平になるように前記アームと
連動させて主軸に取付け、前記フロートは下部に
密閉部、上部に導水部を形成し、該導水部に前記
扉体の下流側水路と通じる導水装置を設け、 前記主軸より下流側に延びた前記アームに、前
記アームの軸線より上方に位置してカウンタウエ
イトを取付け、該カウンタウエイトの重さは、前
記扉体により、下流水位が計画水位の場合に上流
水位が上限水位まで堰上げられた状態において、
フロート室内の水位がその中間の高さのときに可
動部全体が均衡する重量にしたことを特徴とする
洪水に対応する自動堰上げゲート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17353289A JPH0339513A (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 洪水に対応する自動堰上げゲート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17353289A JPH0339513A (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 洪水に対応する自動堰上げゲート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0339513A JPH0339513A (ja) | 1991-02-20 |
JPH0526885B2 true JPH0526885B2 (ja) | 1993-04-19 |
Family
ID=15962280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17353289A Granted JPH0339513A (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 洪水に対応する自動堰上げゲート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0339513A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2982972C (en) | 2001-07-09 | 2019-01-29 | Henry K. Obermeyer | Water control gate and actuator therefore |
JP5661390B2 (ja) * | 2010-09-13 | 2015-01-28 | 丸島産業株式会社 | 可動式ゲート装置 |
JP5611806B2 (ja) * | 2010-12-24 | 2014-10-22 | 有限会社ミューロン | ゲートの軸受け構造 |
CN109056665B (zh) * | 2018-08-21 | 2021-03-02 | 扬州市慧宇科技有限公司 | 一种人字门液压启闭机 |
-
1989
- 1989-07-05 JP JP17353289A patent/JPH0339513A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0339513A (ja) | 1991-02-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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