JP3935350B2 - 距離制御方法およびそれを用いた走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カンチレバーなどの機械共振部をもつプローブをその共振周波数で振動させ、そのプローブと試料とが近接した際に生じる力をその力がもたらす共振周波数の変化量を検出することにより試料表面の物理量を観察する走査形プローブ顕微鏡観察装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、探針と試料とを接近させ、その時に生じる物理現象(トンネル現象、原子間力等)を利用して、物質表面及び表面近傍の電子構造を直接観察できる走査型プローブ顕微鏡(以下SPMと略す)が開発され、単結晶、非晶質を問わず様々な物理量の実空間像を高い分解能で測定できるようになっている。
【0003】
中でも走査型原子間力顕微鏡(以下AFMと呼ぶ)はプローブ先端の原子と試料上の原子との間の微弱な作用力(原子間力:Atomic Force)を検出して試料表面の凹凸を測定するために、プローブや試料に導電性や磁性等の特殊な性質を必要とせず、絶縁物とりわけ最近では有機物等の形状の測定等に効力を発揮している。また、AFMには大きく分けて、原子間力が斥力の状態で用いるものと引力の状態で用いるものと2種類があり、前者をコンタクトモードAFM、後者をノンコンタクトモードAFMと言うことがある。
【0004】
コンタクトモードAFMは測定対象とプローブ先端との斥力を測定する。この場合の斥力はプローブと測定対象表面との距離変化に対して非常に大きく変化し、したがってその力を受けるプローブの撓みの変化量が大きく感度が大きいために測定システムへの負荷が小さくて済む。しかしながら、プローブと測定表面は非常に接近しており、その力は測定表面やプローブに時として弾性変形以上の影響を与え、試料やプローブ先端に損傷を与えることがある。前述の有機物、とりわけ生体物質など柔らかい試料の測定に対してはその影響が大きく、プローブが測定対象物を変形したり破壊したりするために精度良い観察ができない。
【0005】
一方、ノンコンタクトモードAFMはプローブ先端と測定対象表面との間の原子間引力を測定するが、その引力は、プローブ先端と測定対象表面との距離がコンタクトモードより大きい状態から働くために、プローブ先端と測定対象表面の両方に対する影響が非常に小さい。したがって、コンタクトモードAFMは上記のコンタクトモードAFMの欠点を持たないため、柔らかい試料の測定には有用である。
【0006】
しかしながら、ノンコンタクトモードの欠点として、力の変化がプローブ先端と試料表面との間の距離変化に対してあまり敏感でないことが挙げられる。そのために一般的にはカンチレバー状のプローブを共振周波数で微小振動させ、微小引力がプローブ先端と試料表面の間に働いた場合の共振状態の変化、たとえば振幅、周波数、位相などの変化をモニタすることにより間接的に測定する。
【0007】
中でも高感度で測定するために、カンチレバー状のプローブを共振周波数で励振し、その共振周波数の変化や位相変化を検出する方法が採られる。実際には、オートゲインコントローラを用いたアンプ等により共振周波数の変化に加振周波数を追従させることにより絶えず共振周波数でプローブを加振する自励発振系を用いる方法が一般的に行なわれている。
【0008】
また、以上述べたような構成の場合には、試料表面の物理情報は共振周波数や位相の変化として得られる。すなわち、物理情報の検出には周波数変調(FM)信号を検出する系が必要である。ラジオなどのFM検波に於いては従来からいろいろな方法が採られており、そのすべてについてノンコンタクトモードAFMの周波数検出に使用できると考えられるが、主な方法としては位相同期ループ(以下PLLと呼ぶ)によるものが採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、周波数検出によるノンコンタクトモードAFMは周波数の変化を検出することによりAFM信号とする。この周波数変化を検出する場合には、基本周波数が安定であることにより高精度に検出できる。そのためプローブとして用いているカンチレバーの共振周波数で振動させることが一般的である。また、高速に検出する際にはこの基本周波数が大きいことが必要である。すなわち、使用するプローブはなるべく共振周波数の高いプローブを用いる。AFMに用いるカンチレバー状のプローブの一般的な共振周波数は数100Hzから数100kHz程度である。
【0010】
一方プローブの周波数変化は、例えば300kHz程度の共振周波数を持つプローブを用いた場合には〜100Hz程度の大きさであり、また測定分解能としては少なくとも0.1Hz程度が必要とされるため、基本周波数に比べて非常に小さい。
【0011】
例えば従来は、位相同期ループ(PLL)による周波数検出方法を用いていたが、それによると、内部に使用されている電圧制御発振器の周波数安定度、すなわちその発振器に入力される制御信号のS/Nなどの影響が無視できず、安定した高感度の周波数測定が出来なかった。すなわち特開2001−33465号公報に開示されている様に水晶発振子などを用いた安定性の比較的高い発振器を用いた場合でも、発振源は安定であるがこれを電圧制御発振器として用いているため、制御電圧のノイズが、観察信号ばかりでなくフィードバック系にも混入することになる。このノイズを抑えるためには制御信号帯域を落とす必要があるが、実際は、PLLの位相同期ループがフィードバック系(プローブ先端と試料表面との間の距離制御)に内包されるため2重フィードバックのように構成され、全体の測定速度を上げようとした場合、2つのフィードバック系の帯域が接近し、干渉を起こし、制御が不安定になってしまう問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決する為、以下の手段を用いて、従来からのPLL回路を用いることなく高感度・高精度な周波数測定が可能なノンコンタクトモードAFMを構築する、カンチレバー形状を持つAFMプローブ、測定試料をAFMプローブに対向して保持するための試料保持手段、該レバープローブを該測定試料表面に平行に相対走査するための2次元走査手段、該レバープローブと該測定試料表面との距離を変位させる距離変位手段、該レバープローブに振動を加えるための加振手段、該レバープローブの先端変位を検出する変位検出手段、加算周波数信号生成手段、該加算周波数信号生成手段からの加算周波数信号の周波数を該変位検出手段から出力される変位信号の周波数に加算する周波数加算手段、該周波数加算手段からの信号を濾波する第1のフィルタ手段、一定周波数の参照信号を発生させる参照信号発生手段、該参照信号発生手段からの参照信号と該第1のフィルタ手段からの出力信号の位相差を検出する位相比較手段、該位相比較手段からの信号を濾波、積分する第2のフィルタ手段、該第2のフィルタ手段からの信号を受け取って該距離変位手段を駆動させるための制御量を算出する制御量算出手段と駆動用アンプ手段。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
XYZステージ123は、プローブ101の先端と試料102表面との距離を設定し、かつプローブ101を試料102表面に平行に相対的に2次元走査させる。この際、プローブ101と試料102表面との距離が所定の距離の時にプローブ101先端と試料102表面との間に物理的な力が生じ、カンチレバー形状のプローブ101は撓みを生じる。この撓みは、レーザー104から照射されるレーザー光線のプローブ101の先端に当たり生じる反射光の角度を変える。この角度の変化は4分割フォトダイオード105により検出される。すなわちプローブ101先端と試料102表面との間に働く力の大きさがプローブ101の撓み量として検出され、その撓み量は角度の変化に変換され、さらに角度の変化は4分割フォトダイオード上のレーザースポットの位置を変化させ、その位置の変化は電流出力となって次段のプリアンプ106に入力される。プリアンプ106では電流値を電圧に変換し4分割フォトダイオード105の各フォトダイオードからの出力を演算し、AFM信号(レバー撓み量)を生成する。生成されたAFM信号はオートゲインコントロールアンプ107に入力され一定の振幅に整形される。
【0015】
一定振幅にされたAFM信号は位相シフタ108及びミキサ110に出力される。
【0016】
位相シフタ108に入力された既定振幅の信号は位相の調整が加えられドライバアンプ109を通ってピエゾ加振器103に印加される。この加振器103上にはプローブ101が設置されているため加振器103によりプローブ101は加振される。初期状態ではプローブ101は熱振動などにより共振点に於いて微小に振動を行なっているが、それを104〜106のAFM信号検出系により検出するため、位相シフタ108を調整することによってこのフィードバック系は自励発振を始める。
【0017】
さて、一方ミキサ110に入力されたAFM信号は水晶発振子1(114)を持つ局部発振器1(113)から発振された既定周波数の信号とミキシング(掛け算)されて出力される。その後バンドパスフィルタ111によって所定帯域の信号のみを抽出し、次段の位相比較器112に送る。
【0018】
位相比較器112は、局部発振器1から発振された信号の周波数が加算されたAFM信号と水晶発振子2(116)を備えた局部発振器2(115)から出力される参照信号との位相を比較して、位相差を示す信号を出力する。その位相差信号は次段のフィルタ118に送られる。フィルタ118は位相差信号を濾波積分し、生成された信号を次段の制御量算出119へ送る。制御量算出119では位相補正やゲインの調整などを行ないステージ123のZ方向駆動アンプ121へZ方向駆動信号を送り、プローブ101と試料102表面の距離を変化させる。
【0019】
従来からのノンコンタクトモードAFMのFM信号検出系としてはPLL(位相同期ループ)を用いることが多い。これは図2(b)に示したような構成である。まず周波数を求めたい検出信号が位相比較器201bに入力される。位相比較器201bは電圧制御発振器203bから出力されてくる参照信号と入力信号との位相差を検出し出力する。その位相差信号はフィルタを通って電圧制御発振器203bの入力となる。すなわち、入力信号と参照信号との位相差がずれた場合には電圧制御発振器にずれ量に相当する制御電圧が送られ、参照信号の周波数を上昇あるいは下降させる。このフィードバックにより電圧制御発振器403の周波数および位相が入力信号とぴたりと合うように制御される。AFM信号に相当する出力信号は電圧制御発振器403の制御電圧である。
【0020】
もし図1に示すブロック図に図2(b)に示す位相同期ループを当てはめるとしたら、位相比較器112からの位相差信号から局部発振器2(115)の発振周波数をコントロールする必要がある。しかしながら、このような制御を行なうと位相同期ループに伴う時定数(周波数がロックするまでの時間)により検出速度が低下する。この時定数は図2(b)にしめすフィルタの値により決まるが、電圧制御発振器403の出力周波数変動のノイズを小さくするためにはフィルタの時定数を大きくしなければならないため、検出速度の向上とノイズ低減は相反するものとなっている。また、プローブ101と試料102表面の距離制御ループに位相同期ループが内包され2重ループが形成されるため、制御速度を上げようとするとおのおののループの帯域を厳格に設定する必要があり現実的でないばかりか、相互の帯域の干渉によりフィードバック系そのものが不安定になる。
【0021】
そこで本発明に於いては、制御ループと位相同期ループとを同じループで実現する構成とした。すなわち、図1の点線により囲まれたところを電圧制御発振器(VCO)として用いることで2つのループを一致させる。
【0022】
位相比較器112は図3(a)に示す2つの信号(上:測定信号、下:参照信号)の位相差を検出する。この場合バンドパスフィルタ111を通ってきた測定信号と局部発振器2(115)から送られてくる参照信号は位相比較器112内で2値化され図3(a)に示すような矩形波列となる。位相比較器112は2信号の立ち上がり部を検出し、図3(b)に示すような位相差を表わすパルス幅をもった信号を算出する。この信号は図4に示す位相比較器出力部から出力される信号で、図3(b)波線部分は図4の位相比較器出力部の制御信号A,Bにより、両MOSトランジスタがOFF状態、すなわち高インピーダンス状態になっていることを示す。したがって、図3(b)の上向きの矩形波は図4の上側のMOSトランジスタがON、下側がOFFの状態を示し、図3(b)の下向きの矩形波はその逆の関係となっている。このような出力を持つ位相比較器はたとえば74シリーズの4046に代表されるPLLデバイスなどに実装されている。
【0023】
次にこの位相差信号は位相比較器112から次段のフィルタ118に送られる。このフィルタ118は通常PLLに用いられるフィルタが望ましい。例えば図4に示したラグリードタイプのフィルタで位相を補正できるものも有用である。また、この代わりに電流を積分する積分器を用いることも可能である。フィルタ118からの出力は図3(c)の様になる。
【0024】
以上のフィルタ117を通ってきた位相差信号は、実際には局部発振器2(115)の発振する基準信号とAFMによる出力信号(実際にはプローブの共振周波数を局部発振器1(113)の周波数でオフセットさせたもの)との周波数差を示している。すなわち図2(a)に示す様に、全体としては位相同期ループを構成しているが、電圧制御発振器(VCO)203aとして図1の波線枠内を対応させることにより、図1の系全体が図2(a)に示す位相同期ループを構成していることがわかる。したがって、プローブの共振周波数がプローブと試料表面間距離により変動することを利用し、周波数を距離で制御できる発振器として用い、この周波数を局部発振器による基準周波数に一致させるように制御する様に動作する。これによりプローブと試料表面の距離は両者間に生じる力が一定になるように制御され、その制御信号をデータ処理117によりモニタすることでAFM測定が可能となる。
【0025】
実際のAFM測定に於いては試料表面の一定領域の凹凸などの物理量を測定するため、ステージ123はXY走査制御120により生成される駆動信号をドライブアンプ122を介して受け取ることで試料102面に平行な方向にプローブと試料を相対的に走査できるように構成されている。
【0026】
最後にデータ処理117の具体的な処理の例としては、フィルタ118から出力される周波数差信号と制御量算出119の出力する制御量を取り込みと保存、またそれらを用いたAFM像としての視覚化や、画像処理等による分析などである。
【0027】
上記の構成および各部の動作により、ノンコンタクトAFMが実現される。
【0028】
上記の態様に基づいて構成された装置によって具体的にノンコンタクトAFM測定を行なった。
【0029】
プローブとして、長さ125μm、幅25μm、厚さ5μmのSi製のカンチレバーを用いた。このプローブの共振周波数はフリーで振動させた場合fR〜321kHzであった。加振器103は単層のピエゾ素子を用いた、オートゲインコントロールアンプの出力振幅はAFMの変位が5nmになるように調整した。
【0030】
また、局部発振器1は水晶発振子を用いたもので中心周波数としてfOCS1〜4.7MHzのものを用いた。局部発振器2は同じく水晶発振子を用いているが、外部の素子によりある程度周波数を変化させられる構成になっている。一定周波数で良いため、たとえば水晶発振子によるVCOを用いたとしても、制御電圧に信号成分を重畳させる必要がないのでノイズには強く構成できる。本実施例ではVCOを用いた。発振周波数は中心で5.0MHz程度とした。十分プローブと試料が離れた状態では、ミキサからの出力は局部発振器1の周波数とプローブの共振周波数の和と差の両方が現われるが、本実施例に於いてはバンドパスフィルタにより和の周波数を用いた。すなわちfOCS1+fRである。
【0031】
局部発振器2から出力する基準信号の周波数は
fOCS2〜fOSC1+fR+周波数シフト量
に設定する。これによってAFMの距離制御系はプローブの共振周波数がfOCS2になるように制御される。すなわち、プローブと試料表面の距離は、加えた周波数シフト量に相当する力が両者の間に働くように制御される。
【0032】
以上のセッティングによって測定試料としてHOPG(高配向性グラファイト)を観察したところ、ノイズの少ない安定したAFM像が原子レベルの分解能で得られた。また、測定帯域としては従来のPLLを用いたものよりも高速となりステージに用いられているZアクチュエータ(本実施例では円筒ピエゾ)の機械共振である20kHz弱の速度が得られた。
【0033】
【発明の効果】
以上のように従来型の位相同期ループを用いない周波数測定系を構成しているため、高速なノンコンタクトAFMの観察測定が可能となる。VCO等の発振器の周波数をフィードバックによりコントロールする必要が無くなったため、出力周波数のゆらぎの少ない発振器を用いることによりノイズの非常に少ないAFM測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノンコンタクトAFMの構成を示すブロック図。
【図2】本発明のノンコンタクトAFMで用いた帰還動作について説明する図。
【図3】周波数差の検出過程を示す信号波形。
【図4】位相同期ループにおける位相検出器の出力と次段のフィルタの関係を示した回路図。
【符号の説明】
101 AFMプローブ
102 測定試料
103 加振器
104 レーザ
105 4分割フォトダイオードセンサ
109 加振器駆動用アンプ
121、122 XYZステージ駆動用アンプ
Claims (4)
- プローブを該プローブの持つ機械共振の共振周波数で振動させながら測定試料に近づけるとき、該プローブと該測定試料との間に生じる力により起こる前記共振周波数の変化を利用し、該測定試料の微細な凹凸を観察する走査型プローブ顕微鏡であって、
カンチレバー形状を持つプローブ、
測定試料を該プローブに対向して保持するための試料保持機構、
該プローブを該測定試料表面に平行に相対走査するための2次元走査機構、
該プローブに振動を加えるための加振機構、
該プローブの先端変位を検出する変位検出機構、
加算周波数信号生成機構、
該加算周波数信号生成機構からの加算周波数信号の周波数を該変位検出機構から出力される変位信号の周波数に加算する周波数加算機構、
該周波数加算機構からの信号を濾波する第1のフィルタ、
一定周波数の参照信号を発生させる参照信号発生機構、
該参照信号発生機構からの参照信号と該第1のフィルタからの出力信号の位相差を検出する位相比較機構、
該位相比較機構からの信号を濾波、積分する第2のフィルタ、ならびに
該第2のフィルタからの信号を受け取って該距離変位機構を駆動させるための制御量を算出する制御量算出機構と駆動用アンプ
を有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 - 前記参照信号発生機構は水晶発振子を有しており、該水晶発振子の生ずる周波数を用いて参照信号を発生することを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記加算周波数信号発生機構は水晶発振子を有しており、該水晶発振子の生ずる周波数を用いて加算周波数信号を発生することを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- プローブを該プローブの持つ機械共振の共振周波数で振動させながら測定試料に近づけるとき、該プローブと該測定試料との間に生じる力により起こる前記共振周波数の変化を利用し、該測定試料の微細な凹凸を観察する走査型プローブ顕微鏡におけるプローブと試料表面間距離制御方法であって、
プローブを測定試料表面に平行に2次元に相対走査するためのステップ、
該プローブの共振周波数で加振するためのステップ、
該プローブの先端変位を検出するステップ、
前記先端変位を検出するステップにより検出された検出信号に一定周波数の信号を加算するステップ、
一定周波数が加算された検出信号を濾波するステップ、
濾波された信号と一定周波数の参照信号との位相差を比較し、位相差に応じた信号を出力するステップ、
該位相差に応じた信号を濾波、積分するステップ、ならびに
該濾波、積分された信号に応じて該プローブと該測定試料表面の距離を変位させるステップ
を有することを特徴とする距離制御方法。
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