JP3932027B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や各種産業機械の変速機として利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図4および図5に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62-71465号公報に開示されているように、入力軸1と同心に第1のディスクである入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、第2のディスクである出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持されている。
【0003】
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
【0004】
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15,15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図4および図5の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図4および図5の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15,15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
【0005】
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、1対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図4に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
【0007】
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図5に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
【0008】
更に、図6および図7は、従来から知られているトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2および出力側ディスク4はそれぞれ、円管状の入力軸18の周囲に、ニードル軸受19,19を介して、回転自在および軸方向に変位自在に支持されている。また、ローディングカム式の押圧装置12を構成するためのカム板13は、入力軸18の端部(図6の左端部)の外周面にスプライン係合され、鍔部20によって入力側ディスク2から離れる方向への移動が阻止されている。また、出力側ディスク4には出力歯車21がキー22,22により結合されており、これら出力側ディスク4と出力歯車21とが同期して回転するようになっている。
【0009】
図4および図5の構成と同様に、トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸18に対し捻れの位置にある枢軸(傾転軸)5,5を中心として揺動する一対のトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6は、図7(図7には一方のトラニオンのみが図示されている。したがって、図7では、図示しないトラニオンに付随する構成要素も図示されていない)に示されるように、支持板部7の長手方向(図7の左右方向)の両端部に、この支持板部7の内側面側(図7の下側)に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有している。そして、この折れ曲がり壁部8,8によって、トラニオン6には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部8,8の外側面(支持板部7と反対側の面)には、各枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
【0010】
支持板部7の中央部には円孔10が形成され、この円孔10には変位軸9の基端部9aが支持されている。そして、各枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させることにより、これら各トラニオン6,6の中央部に支持された変位軸9の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン6,6の内側面から突出する変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持されている。なお、各変位軸9,9の基端部9aと先端部9bは、互いに偏心している。
【0011】
図7に示されるように、一対のトラニオン6,6の両端部はそれぞれ、一対の支持板23,23に対して揺動自在および軸方向(図6の表裏方向、図7の左右方向)に変位自在に支持されている。そして、前述したように、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の中央部に形成された円孔10には、基端部9aと先端部9bとが互いに平行で且つ偏心した変位軸9の基端部9aが、回転自在に支持されている。また、各支持板部7の内側面から突出する各変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されている。
【0012】
なお、一対のトラニオン6,6毎に設けられた一対の変位軸9,9は、入力軸18に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸9,9の先端部9bが基端部9aに対して偏心している方向は、入力側および出力側の両ディスク2,4の回転方向に対して同方向(図7で左右逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸18の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸18の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸18の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
【0013】
また、各パワーローラ11,11の外側面と各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
【0014】
また、スラストニードル軸受25は、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、各パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11および外輪28が各変位軸9の基端部9aを中心として揺動変位することを許容する。
【0015】
更に、各トラニオン6,6の一端部(図7の右端部)にはそれぞれ駆動ロッド29が設けられており、各駆動ロッド29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)30が固設されている。そして、これら各駆動ピストン30はそれぞれ、駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。
【0016】
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸18の回転は、押圧装置12を介して、入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車21より取り出される。
【0017】
入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の図示しない下側のパワーローラ11が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ11が同図の左側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6,6が、支持板23,23に枢支された枢軸5,5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
【0018】
その結果、前述の図4および図5に示したように、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,4aとの当接位置が変化し、入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸18と出力歯車21との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11及びこれら各パワーローラ11に付属の外輪28が、各変位軸9の基端部9aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面との間には、各スラストニードル軸受25が存在するため、前記回動は円滑に行なれる。したがって、前述のように各変位軸9,9の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、トロイダル型無段変速機においては、トラニオン6の枢軸5の一端から延びる駆動ロッド(以下、トラニオン軸という。)29に固設された油圧ピストン30に圧力差を与えることにより、トラニオン6を傾転軸方向に沿って移動させることができる。この場合、油圧ピストン30は、各トラニオン6に設けられているが、ただ1つのトラニオン6の傾転角(枢軸5を中心とする揺動の角度)によって油圧が制御されるのが一般的である(例えば、特開平2−163567号公報参照)。
【0020】
また、油圧ピストン30は、前述したように、これをトラニオン軸29が貫通するようにトラニオン軸29に外嵌される。そのため、トラニオン6およびトラニオン軸29は、互いに別々に加工された後、ピンで結合される。
【0021】
しかしながら、このように、トラニオン6とトラニオン軸29とを別々に加工してピン結合すると、加工工程が増加してしまい(したがって、製造コストが高くなり)、また、トラニオン6およびトラニオン軸29の組み付け精度が低下してしまうといった問題が生じる。そのため、トラニオン6とトラニオン軸29とを一体で成形することも考えられる。
【0022】
ところで、トラニオン6とトラニオン軸29とを一体成形する場合には、スラストニードル軸受25、スラスト玉軸受24等への潤滑油路をどのように設けるかが問題となる。特にパワーローラ11を支持するスラスト玉軸受(軸受)24は、大きな荷重を受けて高速で回転しているため、発熱量が大きい。したがって、スラスト玉軸受24には十分に潤滑油を供給する必要がある。
【0023】
トラニオン6とトラニオン軸29とを一体成形した場合における一般的な潤滑油路の形成形態は、図7に示されるように、トラニオン軸29の端部にドリル加工を施して、トラニオン軸29内にその軸方向に沿って内径の小さい長い油穴40を形成し、更に、トラニオン軸29の前記加工端部にプラグ44を圧入して油路を確保するといった形態が一般的である。この場合、油穴40から流れる油は、トラニオン6の枢軸(傾転軸)5に形成された油穴45を通ってトラニオン6の背面側へと流れ込む。なお、図7中、42は油穴45に圧入されたプラグである。
【0024】
しかしながら、このような潤滑油路の形成形態においては、1つの問題が生じる。すなわち、トラニオン6は、強度確保のため、全体がHRC30を超える硬さを有しているが、この硬度は、必然的にトラニオン6と一体のトラニオン軸29にも要求される。つまり、前述した潤滑油路の形成形態では、HRC30を超える硬度のトラニオン軸29に穴径の小さい長いドリル加工を施す必要があり、結果として、加工低下に繋がってしまう。せっかくトラニオン6とトラニオン軸29とを一体として加工数を削減できても、ドリル加工の複雑さによってコスト低下を十分に図れないといった新たな問題が生じる。
【0025】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、トラニオンとトラニオン軸とを精度良く形成できるとともに、トラニオン軸における潤滑油路を簡単に形成でき、トラニオンおよびトラニオン軸の加工工程を削減して製造コストを低減できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンを構成する支持板部の中央部に、この支持板部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容する軸受とを備え、前記支持板部の長手方向の両端部には、前記パワーローラを収容するポケット部を形成するように前記支持板部の内側面側に折れ曲がる一対の折れ曲がり壁部が形成され、これらの各折れ曲がり壁部の外側面に前記各枢軸が互いに同心的に設けられ、一方の枢軸にはトラニオン軸が一体成形され、このトラニオン軸には、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に沿って移動させる油圧ピストンが外嵌されて成るトロイダル型無段変速機において、前記トラニオン軸の外周面には切り欠きが前記トラニオンの前記支持板部の内側面側と同じ側において前記枢軸の外周に配置される傾転軸受の一部に達するように設けられ、この切り欠きは、前記油圧ピストンとの間で、前記軸受に供給される潤滑油のための油路を形成することを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、軸受に供給される潤滑油のための油路を油圧ピストンとの間で形成する切り欠きがトラニオン軸の外周面に設けられている。したがって、トラニオン軸における潤滑油路を簡単に形成でき、従来のように穴径の小さい長い油路をトラニオン軸にドリル加工しなくて済む。また、プラグの圧入工程も省略できる。その結果、製造コストを低減できる。また、トラニオン軸の高い強度を維持しつつ、トラニオン軸の軸径を細くすることも可能である。トラニオン軸を細くできるため、ピストンの外周を広げることなく、受圧面積を大きくすることができる。そのため、制御圧を小さくすることが可能となり、ポンプの損失を小さくすることができる。また、トラニオンとトラニオン軸とを一体成形しているため、トラニオンとトラニオン軸とを精度良く形成でき、加工工程を削減できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、トロイダル型無段変速機のトラニオンおよびトラニオン軸の形成形態並びにトラニオン軸における油路の形成形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図4〜図7と同一の符号を付してその詳細な説明を省略することにする。
【0029】
図1および図2は本発明の一実施形態を示している。図示のように、本実施形態のトロイダル型無段変速機を構成するトラニオン6は、前述した従来構造の場合と同様に、支持板部7の長手方向(図1の左右方向)の両端部に、支持板部7の内側面側(図1の上側)に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有している。そして、各折れ曲がり壁部8,8の外側面には、枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
【0030】
また、本実施形態においては、トラニオン6とトラニオン軸29とが一体成形されており、油圧ピストン30が嵌合するトラニオン軸29の外周面部位に、潤滑油路の一部を形成する平面状の第1の切り欠き52が形成されている(図2参照)。この場合、第1の切り欠き52は、一方で、傾転軸受56が装着されるトラニオン6の枢軸(傾転軸)5の部位に形成された深い溝状の第2の切り欠き54を介して、枢軸5に形成された油穴45に連通するとともに、他方で、潤滑油が供給される潤滑油供給路50に連通している。なお、図中、62はトラニオン6の枢軸5に当接するワイヤプーリ、60は油圧ピストン30の端部とワイヤプーリ62との間に配置されたプレートである。
【0031】
以上の構成によれば、潤滑油供給路50から第1の切り欠き52に流れ込んだ潤滑油は、第1の切り欠き52と油圧ピストン30との間の隙間を油路としてトラニオン軸29の軸方向に沿って流れ、第2の切り欠き54を介して枢軸5に形成された油穴45に流れ込み、トラニオン6の背面側へ達する(その後、スラストニードル軸受25、スラスト玉軸受(軸受)24等へと達する)。
【0032】
なお、本実施形態において、油圧ピストン30は、ネジにより締め込まれ、プレート60がワイヤプーリ62を押し、ワイヤプーリ62がトラニオン6を押すことができる。この場合、ワイヤプーリ62と傾転軸受56との間には必ず隙間が存在する。パワーローラ11へ十分に潤滑するためには、この隙間を小さく抑える必要がある。その隙間は1mm以下であることが望ましい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態では、スラスト玉軸受24等に供給される潤滑油のための油路を油圧ピストン30との間で形成する切り欠き52がトラニオン軸29の外周面に設けられている。したがって、トラニオン軸29における潤滑油路を簡単に形成でき、従来のように穴径の小さい長い油路をトラニオン軸29にドリル加工しなくて済む。また、プラグの圧入工程も省略できる。その結果、製造コストを低減できる。また、トラニオン軸29の高い強度を維持しつつ、トラニオン軸29の軸径を細くすることも可能である。また、トラニオン6とトラニオン軸29とを一体成形しているため、トラニオン6とトラニオン軸29とを精度良く形成でき、加工工程を削減できる。
【0034】
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、本発明は、トラニオンとトラニオン軸とを一体にしたもの全てに適用することができ、トラニオンの形状等に規制を受けないものである。具体的には、図3に示されるように、パワーローラ11が位置するトラニオン6の内側面側(ポケット部P側)に、トラニオン6の内側面側が凹面となる方向に弾性変形することを規制する連結部材70が設けられているものに対して本発明を適用することもできる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトロイダル型無段変速機によれば、トラニオンとトラニオン軸とを精度良く形成できるとともに、トラニオン軸における潤滑油路を簡単に形成でき、トラニオンおよびトラニオン軸の加工工程を削減して製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図である。
【図2】(a)は、図1のトラニオンおよびトラニオン軸の下面図、(図1のA方向矢視図)(b)は、図1のトラニオンおよびトラニオン軸の上面図(図1のB方向矢視図)である。
【図3】図1の変形例に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図である。
【図4】従来から知られているの基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。
【図5】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。
【図6】従来の具体的構造の一例を示す断面図である。
【図7】図6のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 支持板部
8 折れ曲がり壁部
9 変位軸
9a 基端部
9b 先端部
10 円孔
11 パワーローラ
11a 周面
24 スラスト玉軸受(軸受)
29 トラニオン軸
30 油圧ピストン
52 切り欠き
Claims (1)
- 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンを構成する支持板部の中央部に、この支持板部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容する軸受とを備え、前記支持板部の長手方向の両端部には、前記パワーローラを収容するポケット部を形成するように前記支持板部の内側面側に折れ曲がる一対の折れ曲がり壁部が形成され、これらの各折れ曲がり壁部の外側面に前記各枢軸が互いに同心的に設けられ、一方の枢軸にはトラニオン軸が一体成形され、このトラニオン軸には、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に沿って移動させる油圧ピストンが外嵌されて成るトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオン軸の外周面には切り欠きが前記トラニオンの前記支持板部の内側面側と同じ側において前記枢軸の外周に配置される傾転軸受の一部に達するように設けられ、この切り欠きは、前記油圧ピストンとの間で、前記軸受に供給される潤滑油のための油路を形成することを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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