JP3929171B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシステムカメラ、特に一眼レフカメラの交換レンズの鏡筒に関し、さらに詳しくは手動距離環調整が可能なクラッチ作動機構を備えたAF一眼レフカメラのレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】
AF一眼レフにおいて、ボデー内モータ式及びレンズ内モータ式AF専用交換レンズの手動距離環調整機構では手動によるクラッチ機構を設置し、駆動モータの連動系と手動連動系を切り換える方法が一般的である。しかし使用時において、切り換え操作の煩わしさや、撮影のタイミングなどから問題があった。また、駆動モータが超音波モータの場合、連動系が結合したまま無理矢理、手で距離環を回した場合、手動力がモータ側に逆伝達し、超音波モータの圧接状態を保っているローターとステータが摺動し、特性を損ねる危険性があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの操作性の不満や危険性を除くには、モータ駆動時には正規にモータ駆動力が距離調整環に伝動し、モータによる距離調整が可能であるにもかかわらず、距離調整環を手動調整した場合、手動側からの動力がモータ側に伝わらない構造の動力伝達機構が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するため、モータから減速機構を通して駆動する距離調整筒とこれと連動する手動調整筒を持つ一般鏡筒において、モータ駆動時以外はモータから距離調整筒までの駆動連結機構の一部が常時分断していて、手動切り替え操作無しに距離調整筒の手動調整ができ、自動焦点調整時のモータの動力が加わった時、初動作の一定回転をクラッチの連結作動に用い、連結後は一般の距離調整筒の調整作動が可能で、モータ停止は停止位置から一定の反転作動によりクラッチの解放動作を行う回転プログラムに従って作動せしめることにより解決を図った。
【0005】
【発明の実施の形態】
モータから距離調整筒までの駆動連結機構部分を分断し、設置せるクラッチの結断部分は常時、解放状態に付勢している結合係止部材と結合ラチェットで構成し、モータの回転始動作と停止直前回転動作でクラッチの結合、解放動作を行わせしめることにより通常の自動焦点調整不作動時は動力伝達系を遮断し、モータからの回転動力が得られた時のみ、距離調整筒の駆動伝達が可能となる機構を設置した。
【0006】
【実施例】
以下、図面等を参照して本発明の最も良好な実施形態を説明する。
【0007】
図1は本発明のクラッチ作動機構の概略斜視図であり、図2は本発明のクラッチ機構を搭載する鏡筒断面図で、レンズ内モータ式の実施例を示している。図3は本発明のクラッチ機構の動作説明図で、図4は本発明の鏡筒を作動させるための回路ブロック図である。図5は自動焦点調整時における作動プログラムのフローチャートを示している。図において同じ部材は同じ符号で示す。
【0008】
図2の鏡筒断面図において、光軸L0を中心に前部レンズ群L1と後部レンズ群L2が有り、レンズ群L2に対して前部レンズ群L1を直進移動せしめることにより、焦点調整が可能なレンズ鏡筒の例を示している。前部レンズ群L1は保持枠1に、後部レンズ群L2は保持枠2で保持されていて、前部レンズ群L1の保持枠1が固定されている距離調整筒5のヘリコイド部5aと移動筒4のヘリコイド部4aが噛み合っていて、固定筒3に対して移動筒4と距離調整筒5は一体で直進移動出来るようになっている。また、距離調整筒5の上に手動調整筒6があり、内側直進キー溝6aに距離調整筒5のキー5bがはまっているため、手動調整筒6の回転を距離調整筒5に伝えることができ、移動筒4と距離調整筒5の相対角度の変化により、移動筒4に対する距離調整筒5および、保持枠1の前部レンズ群L1の直進位置が変化し、本鏡筒の焦点調整が可能となっている。
【0009】
一方、モータ12からの動力はモータ軸12aがクラッチ機構11に結合し、クラッチ機構11の内部で入力と出力が連結している場合、クラッチ機構のクラッチ軸10に在るクラッチピニオン9aから減速歯車列9b、9c、9dを通し、その出力ピニオン9eに伝え、噛み合っている手動調整筒6の内歯歯車6bによって手動調整筒6と距離調整筒5を一体で回動せしめるため、移動筒4とのヘリコイドによって距離調整筒5が移動筒4に対して直進移動し、前部レンズ群L1が後部レンズ群L2との間隔を変えることにより自動焦点調整動作を可能にしている。
【0010】
従来の構造ではモータ軸12aとクラッチ軸10は結合されていて、モータ動力は手動調整筒6を調整回動することは可能であるものの、そのままで手動調整するにはモータ12にまで遡って回転せしめることになり、手動調整筒6の操作が非常に重く、またモータが超音波モータの場合はステータに対して圧接構造のローターを不用意に回転させることになり、ローターとステータのバランスを崩し、特性を損なう懼れがあった。一般の機構では手動調整時にはモータから手動調整筒までの伝動機構の中間に連結を遮断する手動クラッチを設置し、このクラッチで連結を遮断してから手動で距離調整すると言う二段操作によって、これを避けていた。しかし、これは操作上煩わしかったことは前記で述べた通りである。
【0011】
本発明では図2のようにモータ12と伝達機構であるクラッチピニオン9a、減速歯車列9b、9c、9d、出力ピニオン9eの間に自動的に動作するクラッチ機構11を設け、距離の手動調整時にいちいち連結遮断の切り替え操作を必要としない方法で解決を図ったもので以下クラッチ機構11の構造と動作について詳述する。
【0012】
図1はこのクラッチ機構11の概略斜視図でモータ軸12aにはモータピニオン13があり、本クラッチ機構の動力の入力側であり、中心を貫通するクラッチ軸10に固設するクラッチピニオン9aが出力側となる。モータピニオン13が噛み合っているフリクション歯車32はクラッチ軸10を中心にモータ伝動歯車14の軸受け部に嵌入し、ストッパーリング34の間に在るフリクションバネ33によってモータ伝動歯車14面に強く押接せしめ、モータ伝動歯車に対して摩擦による保持力を発生させている。この一体構造のフリクション歯車32を含むモータ伝動歯車14ユニットはクラッチ軸10に対して自由回転可能な状態で嵌通している。モータ伝動歯車14には作動ピン15が上向きに植設されていて、同軸上に重ねて設置している中立円盤16の長穴16aに貫通している。
【0013】
中立円盤16上には左右対称の係止レバー(左)17と係止レバー(右)20が係止レバー軸23を中心にクラッチ軸10に固定されているラチェット25を挟んで左右に配設し、係止レバー軸23にあるバネ24は係止レバー(左)17のバネ掛けピン(左)18と(右)21に掛け、ストッパーピン(左)19とストッパーピン(右)22に当てる位置に広げた状態に付勢し、左右の係止レバーの爪部17a、20aがラチェット25に対して係合しない状態に保っている。左右係止レバーの先端部17bと20bはモータ伝動歯車14の作動ピン15を左右から挟み込むようにしてある。
【0014】
モータ伝動歯車14には図1に示すように作動ピン15の動き及び回転を計測するために、増速歯車27とこれに連なる増速ピニオン28及びこれに固定されているスリット円盤30とこのスリット30aの通過数を読み取るホトインターラプタ31で構成するエンコーダを接続している。モータ伝動歯車14の回転に連動する中立円盤16の縁には中立円盤16の左右回動に対してクラッチが有効に作動させるため制動板26を接触せしめ、若干の制動作用を与えている。
【0015】
次にクラッチ機構の動作を図3によって詳しく説明すると、自動焦点動作時のモータによる焦点調整の場合、調整作動のためのモータ回転は左右どちらかの回転であるが、どちらの回転でも対応していなければならないことから右回転の場合と左回転の場合を別々に説明することにする。図3(I)は本クラッチ機構の平面図でモータピニオン13からフリクション歯車32に伝えられ動力はモータ伝動歯車14と一体で回転するためフリクション歯車32は省略しモータピニオン13からモータ伝動歯車14に直接噛み合う図にしてある。また、出力側のクラッチピニオン9aは省略している。図3(II)はモータ左右回転始動時のクラッチ作動図で図3(III)はモータ回転継続で動力伝達状態の作動図、図3(IV)はモータ停止直前時の反転動作でクラッチを解放する作動図である。
【0016】
モータが作動してない状態では図3(I)に示すようにクラッチ軸10はモータ伝動歯車14に対して自由に回転できるし、中立円盤16もクラッチ軸10に対しては遊嵌状態で、クラッチ軸10に固定されているラチェット25に対して左右係止レバー17、20の爪部17a、20a共に僅少間隔をあけているためクラッチ軸10は何ら拘束されなく自由に回転できる状態にある。このため手動調整筒6に手動力が加わって、連動歯車列である出力ピニオン9e、減速歯車列9d、c、b、クラッチピニオン9aを経て逆方向のモータ側に伝えようとしても、クラッチピニオン9aからクラッチ軸10を空転させるだけでモータ側に伝わらないため手動での距離調整が自由で、軽快な操作が可能となる。
【0017】
次に自動焦点作動時のようにモータが回転する場合を考えてみると、図3のなかで表示している回転角αはクラッチ作動に要するモータの回転角で、βはモータからの連結歯車比で決まる中立円盤16上のクラッチの実作用角で、+記号は右回転角、−記号は左回転角を示す。図3(II)のAに示すようにスタート位置▲1▼からモータピニオン13が右回転し始めると、噛み合っているモータ伝動歯車14が左回転を始める。これに合わせてモータ伝動歯車14に植設されている作動ピン15も一緒に▲1▼から回転し、このピンの左側に在る係止レバー(右)20の先端部20bを押して中立円盤16も回転しようとするが、中立円盤16には制動板26が接触していて、制動が働くため中立円盤16は動き出さない。このためバネ24の付勢力に逆らって係止レバー(右)20は係止レバー軸23を中心に作動ピン15の左移動に従って倒れて行き、中心にあるラチェット25の歯に係止レバー(右)20の爪部20aが噛み合い、係止レバー(右)20がラチェット25と結合することになる。これは図に示すようにモータピニオン13がα角右回転した▲2▼の位置、すなわち作動ピン15がβ角左回転した▲2▼の位置で結合するようになっている。
【0018】
更に回転が継続されと図3(III)のAに示すようにモータ伝動歯車14の左回転で作動ピン15は係止レバー(右)20を押さえ、ラチェット25と結合した状態のまま中立円盤16の制動板26の制動に打ち勝って回転するため、ラチェット25と一体のクラッチ軸10のクラッチピニオン9aから減速歯車9b、c、d、出力ピニオン9eを通して手動調整筒6を回転駆動でき、距離調整筒5を移動して焦点調整が可能となる。
【0019】
次に本発明の特徴であるモータ停止モードについて説明すると、モータ駆動による焦点調整中、合焦点位置▲1▼に達し可動を停止したい場合、従来の駆動モードではモータを停止させれば良かったが本発明の機構ではモータ不作動時はクラッチは遮断状態にあることが必要であるため停止位置からクラッチ解放作動のα角反転動作を義務付けている。この停止作動モードを表した図が図3(IV)である。いま、モータが右回転駆動中、合焦点位置▲1▼に達したことにより、停止指令がでるとモータは▲1▼から▲2▼までのα角を反転(左回転)させる。これにより中立円盤16とラチェット25は▲1▼の位置に残したままモータ伝動歯車14の作動ピン15がβ角右回転するため、係止レバー(右)20はバネ24の復元力で中心から離れる方向に戻され、爪部20aがラチェットの噛咬を解き、クラッチの解放定位置に復帰してモータ回転を停止する。これにより図3(I)のクラッチ遮断の自由状態に復帰する。
【0020】
モータの左回転の場合も同様に図3(II)のBに示すようにモータ伝動歯車14の右回転始動に対して作動ピン15がβ角右回転移動する過程で係止レバー(左)17の爪部17aがラチェット25に噛み合いクラッチが結合して、そのままモータの左回転が継続されれば、図3(II)のBのように結合した状態のまま中立円盤16の制動板26の制動に打ち勝って回転し、モータ右回転の場合と同様にモータ12の左回転動力を手動調整筒6に伝えることができる。
【0021】
またモータ左回転駆動状態から停止位置▲1▼を得ようとした場合、これも前記説明のモータ右回転からの停止の場合と同様、モータは▲1▼から▲2▼のα角度反転(右回転)し、作動ピン15をβ角だけ左回転することにより係止レバー(左)17がラチェット25との結合を解き、クラッチ解除の図3(I)状態に復帰する。以上説明のようにモータの正転、逆転の通常のモータよる制御動作に対して、その都度クラッチが結合し、焦点調整駆動ができ、モータ停止時には上記クラッチ解除動作をしてからモータ停止をすると言うプログラムの停止モードを義務づけているため、手動調整筒6の手動による調整が容易に行えることが分かる。
【0022】
以上のようなモータの始動及び停止動作における回転プログラムによってクラッチや焦点駆動制御を行うためモータ回転の検出のためのエンコーダと制御回路が必要であるがこのエンコーダは図1のモータ伝動歯車14に連動する増速歯車27から増速ピニオン28のスリット円盤30の回転によりそのスリット30aをホトインターラプタ31で検出しパルス数に変換して制御信号に用いている。実際のAF一眼レフカメラと交換レンズを含めたAF制御システムの主要部は図4に示す構成になる。
【0023】
AF一眼レフカメラの測距システムでは交換レンズを透過してきた被写体光L0をカメラ本体のミラーボックス内で45°に設置されているメインミラー40に導き、ファインダー光と被写体の測距光に分割する。測距光はメインミラー40のほぼ中央の透過部分を通過して後方のサブミラー41で下方に導かれ、セパレターレンズ42を通してAFセンサー43で受け測距情報として処理される仕組みが一般的である。AFセンサー43で得られた測距情報は測距信号pとしてAF用CPU44に送られ演算処理され、メインCPU45との信号r、qの交信後、デフォーカス(焦点誤差)信号、或いは合焦信号の焦点の判定信号sをカメラ側の信号端子49bとレンズ側信号端子48bを通して、レンズ側のレンズCPU46に送られる。その信号sに基づいてレンズCPUでは焦点誤差の補正量をレンズの移動量に換算し、モータ回転指令信号vとしてドライバー47に送り、ドライバー47から発生する駆動信号wによってモータ12が回転し、レンズの距離調整筒を駆動して行く。このモータ回転に合わせて、前記のとおり、スリット円盤30が回転しそのスリットをフォトインターラプタ31で読み取りエンコーダ信号yとしてレンズCPUに送り、レンズの移動量を計測しながら合焦位置まで駆動していく。レンズ側は移動しながら、或いは移動した結果を信号uとしてレンズの信号端子48a、カメラ側信号端子49aを通してカメラ本体側におくり、測距を繰り返しながら最良焦点位置に近づけていくが、最終の合焦判定はカメラ本体からf信号としてレンズ側に伝え、レンズ駆動を停止して、初めて焦点調整が完了する。本発明では一般的な自動焦点制御においてもクラッチ作動を加味した作動プログラムが必要なのでこれを説明するフローチャートを図5に示す。
【0024】
ここでクラッチ作動のために必要なモータ回転角度αはエンコーダ(61)の信号yでmパルスに相当し、焦点誤差による移動補正量はnパルスとして説明をする。レンズ側は起動状態(50)から始めるが、まず最初は初めてレンズを被写体に向けて撮る場合を想定して説明を進める。被写体光をカメラ側のAFセンサーで受け測距演算した結果の焦点誤差量をデフォーカス信号sとしてレンズ側CPU46に送る。レンズCPU46では本レンズの鏡筒の繰り出し量に合わせた誤差量に基づく移動量を算出しエンコーダのパルス信号nが求められる(51)。次に(52)で回転方向を右か左かを判断する。右方向と判断した場合は次の(55)で右回転が初めての動作かどうかを判断する。これは後に説明するクラッチが結合状態か、解放状態なのかを判断するもので、今回は初めてのAF動作であるからYesで(56)に移る。(56)はこれも後に説明する合焦位置を通り過ぎてしまって戻らなければならないために右回転が必要なのかを判断する所で、ここはNoと判断し、(57)でモータが右回転し始める。これは動作説明図図3(II)Aに相当し、エンコーダ(61)の信号yを受けながらパルス数を計測し、(58)でクラッチ作動のmパルスが完了するまで回転を継続する。mパルスの計数を完了すると(59)でクラッチの結合が完成したとみなし、その時点から右回転駆動によるレンズ移動が始まると見て、改めてエンコーダ信号yを計測しレンズの移動量を制御することになる。
【0025】
右回転が継続する場合は図3(III)Aに当たり、図5の(64)に移ってから初めて一般のAF動作となる。(65)はレンズの距離調整可動範囲で焦点調整動作を行っているか又は、撮影者がレンズ移動を妨げていないかを判断する所で、或る規定の短い時間Δt内でエンコーダ信号が検出できれば距離調整筒5が移動可能なことを意味し、エンコーダ信号が無ければ、モータが回転してもモータ伝動歯車14に対してフリクション歯車32がスリップ回転し、距離調整筒5を移動できないことを意味している。これはレンズの可動範囲を超えるためにストッパーで移動を阻止されているか或いは何らかの形でレンズの移動が妨げられていると判断できる。いま、時間Δt内でエンコーダ信号yが得られるならば(66)でそのパルス数を計測し、デフォーカス量のパルス数nだけ移動したか否かを判断する。Noならば(64)に戻し右回転をnパルス計数完了するまで継続する。モータ回転で鏡筒5を移動中、図4の回路ブロック図で説明したようにレンズ側のCPUから移動信号uをカメラ側に送りAFセンサー43の信号pにより合焦状態をカメラ側のAFCPU44で確認できるような構成になっている。
【0026】
(66)でnパルス計数が完了するとカメラ側にu信号を送り合焦が得られているか否かを判断してもらい、レンズ側は(67)で合焦信号fによる合焦判定が得られたか否かを判断する。Yesの場合はこの時点でモータを停止させず、(68)、(69)でモータをmパルス反転(左回転)させる。これは図3(IV)の停止モードの説明で述べたようにクラッチ機構11の係止レバー(右)20をラチェット25から係止状態を解くに必要な作動角αを得るためのmパルス左回転作動を行い、(70)でクラッチ解放を完了したあと(71)でモータを停止させ、この一連動作を(76)で完了する。
【0027】
少し戻った判断位置(64)において、時間Δt内でエンコーダ信号yが得られない時は何らかの理由で、距離調整筒5を移動できない状態であるから(65)でNoで、作動フローは(68)に跳躍し、(68)と(69)でモータをmパルス反転作動させ、クラッチを(70)で解放させた後(71)でモータを停止させる。このように如何なる場合においてもモータを停止させる必要が生じた時はモータを反転させ、クラッチの結合を解いてから停止する作動プログラムを義務づけている。
【0028】
以上はモータの右回転動作について述べてきたがカメラ測の測距部(72)で得られた測距情報(73)はデフォーカス信号sが合焦作動のために距離調整筒5を逆の方向、すなわち左回転が必要の場合、(52)でNoであるから左回転動作のフローに移るが、以下の論理フローは右回転の場合の回転方向が反対になるだけの対称形で、(53)は右回転の(55)で、(54)は右回転の(56)に当たり、以下(75)も同じであるため省略する。
【0029】
次に、合焦判定(67)でNoの場合を考えてみると合焦信号fが得られなければレンズ側からu信号でカメラ側の測距作動(72)に戻し、再測距を要請するがその結果によるデフォーカス信号sをレンズ側に送り、もう一度フローの先頭から判断と作動の論理動作を繰り返すことになる。この場合距離調整筒5をnパルス移動した位置が最良焦点位置に対して足りないのか或いは行き過ぎているのかによって異なるクラッチ動作となるため、説明を二通りに分けて説明する。
【0030】
一つはモータを右回転して距離調整筒5をnパルス移動しても未だ最良焦点位置に達してない場合、(52)のモータの回転方向は同じ方向の右回転で良いからYesとなり、次の(55)では右回転が継続であるためNoの判断によりクラッチは結合したままで良いため、クラッチ作動を経ず(64)の距離調整筒5の移動を継続しながら、前述動作説明通りに作動を繰り返すことにより、最良焦点位置までの足りない分を移動補正する。
【0031】
次の一つは初回のAF動作で、(53)、(54)以下のフローに従ったモータの左回転駆動でnパルスだけ距離調整5を移動させた後、再測距の結果が最良焦点位置に対して行き過ぎた位置にあり、戻さなければならない場合、左回転から右回転に変換する必要がある。これは(52)でYesの結果、次の(55)では右回転は初めてなのでYes、(56)で戻り作動のための右回転であるためYesとなり、右回転側のクラッチ結合が必要となる。今まで左回転でクラッチ結合が行われていたため、(60)と(62)でエンコーダ信号yを計数しながらmパルス右回転で一旦クラッチを解き、更なるmパルス右回転により、初めて右回転移動のためのクラッチ結合が(63)で完了する。このように戻り作動のためのクラッチ作動は(62)に示すように2mパルス回転、すなわちモータを2α角回転させることによりクラッチの結合を切り換えることになる。初回右回転駆動で距離調整筒5を移動させ、次の動作で戻り補正駆動しなければならない場合も同様に、(52)の回転方向判断からフロー(53)、(54)の作動プログラムに進み、以下(75)で省略してあるが、(60)と(62)相当の対称位置で左回転駆動を可能とするため、2mパルス左回転しクラッチ結合の切り替え作動を行わせることは同様である。以上説明したように簡単な構造のクラッチ機構のモータ回転によるプログラム作動により個別構造のクラッチ機構を設けることなく、所望の駆動時以外の常時手動調整可能な鏡筒が提供できる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の構成によれば、AFレンズのマニュアル調整において特別な切り替え手段を設けずに常時手動調整が可能な安価で、品質の高いAFレンズ鏡筒が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のクラッチ機構の概略斜視図である。
【図2】実施例の鏡筒断面図である。
【図3】実施例のクラッチ機構の動作説明図である。
【図4】回路ブロック図である。
【図5】実施例における作動プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
1 前部レンズ群L1保持枠
2 後部レンズ群L2保持枠
3 固定筒
4 移動筒
5 距離調整筒
6 手動調整筒
10 クラッチ軸
11 クラッチ機構
12 モータ
13 モータピニオン
14 モータ伝動歯車
15 作動ピン
16 中立円盤
17 係止レバー(左)
18 バネ掛けピン(左)
19 ストッパーピン(左)
20 係止レバー(右)
21 バネ掛けピン(右)
22 ストッパーピン(右)
23 係止レバー軸
24 バネ
25 ラチェット
26 制動板
27 増速歯車
28 増速ピニオン
30 スリット円盤
31 フォトインターラプタ
32 フリクション歯車
33 フリクションバネ
34 ストッパーリング
40 メインミラー
41 サブミラー
42 セパレターレンズ
43 AFセンサー
44 AF CPU
45 メインCPU
46 レンズCPU
47 ドライバー
48a,b 信号端子
49a,b 信号端子
Claims (2)
- 自動焦点調整時に、フォーカス用移動レンズ群を移動させるモータの伝動歯車の回転角度を計測可能な位置にエンコーダを設置し、前記モータの駆動時に前記エンコーダにおいて前記モータの駆動に相当するパルス数を計測して焦点調整を行うレンズ鏡筒において、前記モータから距離調整筒までの動力伝達機構の中間に、予め設定したパルス数に相当する前記モータの初動回転量によって、前記モータの駆動力を前記距離調整筒へ伝動可能とし、モータ停止時には前記モータの停止位置からの停止直前の回転方向と逆回転方向への予め設定したパルス数に相当するモータの回転量によって、モータの駆動力の前記距離調整筒への伝動を解除するクラッチ機構を設置し、前記モータ作動時以外は常時、前記距離調整筒の手動による焦点調整が可能なことを特徴とするレンズ鏡筒。
- 自動焦点調整時に、フォーカス用移動レンズ群を移動させるモータの伝動歯車と、弱い制動を与え通常は中心の外側に向かって付勢された対称形の一対の係止レバーを備えた中立円盤を同軸にして重ね、それらの中心穴に距離調整筒側に繋がるピニオンとラチェットを固定した軸を遊嵌状態で貫通設置させる装置により、通常は前記モータの駆動力の伝達系は遮断状態にあり、前記モータから正又は逆回転のいずれかの動力が伝わった時、前記モータの伝動歯車の作用ピンによって、前記係止レバーの一つを中心に寄せ、前記ラチェットと噛合することにより前記モータの駆動力の伝動系を結合し、前記距離調整筒の前記モータによる駆動が可能となる機能を有するクラッチ機構を設置したことを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
Priority Applications (1)
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