JP3922070B2 - 分散制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
共通の多重伝送路に接続されたマルチタスキング動作が可能な複数個のノードにて分散して実行される複数のタスクが、互いにメッセージを通信し合うことにより協調動作して分散制御を実行する分散制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車内LAN等の処理速度や処理時間保証に対する要求条件の厳しい分野において、共通の多重伝送路に接続された複数のノードに分散制御を実行させる分散制御システムを構成する場合、各ノードにマルチタスキング動作をさせるためのリアルタイムオペレーティングシステム(以下「リアルタイムOS」という)や、ノード間の通信をリアルタイムで行うための通信方式であるCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance )が利用されている。
【0003】
このうちリアルタイムOSは、各タスクに対して予め優先度を設定し、その優先度の高いタスクからノードでの実行権(CPUでの実行権)が割り当てられるようスケジューリングを行うものである。また、CSMA/CAは、通信に用いる各メッセージに対して予め優先度に相当するIDを設定し、複数のノードが同時にメッセージを送信した時は、最も優先度の高いIDを持つメッセージが伝送路上で破壊されることなく生き残るように調停を行う通信方式であり、優先度の高いメッセージから送信されるように通信制御を行うものである。
【0004】
このように、リアルタイムOS、CSMA/CAを組み合わせた方法では、処理時間の厳しいタスクやメッセージほど、高い優先度を割り当てることで、システム全体としてのリアルタイム性が向上する。
また、上述の方法以外に、各ノードにて分散して実行される分散制御が、要求されたデッドラインの条件を満たすように、すべてのノードにおける個々のタスクの起動時刻、及び各ノード間のメッセージの通信時刻を予め設定し、その設定に従って動作させる、いわゆるタイムトリガー方式を用いた分散制御システムも知られている。
【0005】
このタイムトリガー方式については、例えば以下の文献で紹介されている。
S.Poledna, et.al.,"OSEKtime: A Dependable Real-Time Fault-Tolerant Operating System and Communication layer as an Enabling Technology for By-Wire Applications", SAE2000-01-1051
Thomas Fuehrer,"The Steer-By-Wire Prototype Implementation:Realizing Time Triggered System Design, FailSilence Behavior and Active Replication withFault-Tolerance Support", SAE1999-01-0400
この方式を用いた分散制御システムでは、ノード内でのタスクの競合、ノード間の通信の競合が排除され、システムの不確定動作がなくなるため処理時間の保証が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リアルタイムOSとCMSA/CAとを用いた前者の分散制御システムは、CPUの能力範囲内で優先度の高いタスクからできる限りの処理を実行するベストエフォート型の動作をするものであるため、各タスクの処理やメッセージの通信が規定時間内に終了するか否かの保証はできない。
【0007】
このため、分散制御が、要求されたデッドラインの条件を満たすことを保証するには、実際にシステムを動作させて実証しなければならない。そして、その性能を保証することができない場合には、タスクやメッセージの優先度、CPUの動作周波数、通信の転送レート等の変更が必要となる。
【0008】
しかし、タスクやメッセージの優先度の変更が、全体の制御にどのような影響を与えるかを明確に規定することは困難であり、結局、トライアンドエラーでの優先度の変更等を行わなければならないため、開発工数の増大を招くという問題があった。
【0009】
また、タスクやメッセージの優先度が最適化されていない状態では、要求されたデッドラインの条件を満たそうとすると、CPUの動作周波数や伝送路上の通信レートが必要以上に高速なものに設定されることになるため、製造コストも増大するという問題もあった。
【0010】
一方、タイムトリガー方式を用いた後者の分散制御システムでは、各ノード上で動作するタスクの起動時刻、ノード間の通信時刻をすべて設計者(ユーザ)が決定しなくてはならず、システム上で並列動作する複数の分散制御が要求する応答時間、制御周期等をすべて満たそうとすると、その設計には膨大な時間を要するため開発工数の増大を招くという問題があった。
【0011】
また、タイムトリガー方式では、ある非同期のイベントをトリガーとして開始する分散制御に対しても、常にそのイベントが発生するものとして固定的にタスクの起動時刻、通信時刻をスケジューリングしなければならない。このため、ノード上のCPUの処理や伝送路上での通信に過大なオーバヘッドが必要となり、CPUや伝送路の使用効率が低下するだけでなく、非同期イベントが入力されても、予めスケジューリングされた時刻まで待たなければ、そのイベントに対する処理を開始することができないため、そのような非同期イベントに対する処理のリアルタイム性の保証が難しくなるという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するために、分散制御システムの設計者に過大な負担を強いることなく、分散制御が要求する応答時間やデッドラインの条件を保証できる分散制御方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1記載の分散制御方法では、CSMA/CA方式を適用したフレームによりメッセージを伝送する共通の多重伝送路に接続されたマルチタスキング動作が可能な複数のノードにて分散して実行される複数のタスクが、互いにメッセージを通信し合うことで協調して時系列に動作することにより分散制御を行う。
また、各ノードにおいて、実行可能なタスクのそれぞれについて、タスクがその一部を分担する分散制御についての予測終了時間と、その分散制御についてのデッドラインとの差分を表す余裕時間を設定し、その余裕時間の小さいタスクから優先的に実行権を割り当てると共に、送信可能なメッセージのそれぞれについて、メッセージが属する分散制御についての余裕時間(以下「メッセージについての余裕時間」という)に基づき、その余裕時間の小さいものから優先的にメッセージの送信権を割り当てるようにされている。
【0014】
つまり、低優先度に設定されたタスクやメッセージが常に後回しにされてしまう従来装置とは異なり、全ての分散制御がデッドラインの条件を満たすように、タスクやメッセージの優先度が常に変化する。
従って、各タスクの処理時刻やメッセージの送信時刻を予め決定しておかなくても、デッドラインの条件を満たすような順番で効率よく処理や送信が実行されることになる。このため、実際に動作させた結果、デッドラインの条件を満たすことができない場合には、そのデッドラインからの遅れ分だけCPUの処理速度やメッセージの伝送速度を高速化しさえすればよく、分散制御システムの開発工数を大幅に削減できる。
【0015】
また、請求項1記載の分散制御方法では、メッセージを送信する際には、そのメッセージについての余裕時間を表す時間情報を、フレームのうち伝送路上での調停制御のために用いられる領域に挿入してメッセージと共に送信し、また、タスクの起動時にはそのタスクについての余裕時間として、分散制御の最初に起動される先頭タスクの場合は、予め用意された余裕時間の初期値を設定し、メッセージの受信により起動される非先頭タスクの場合は、そのメッセージに挿入された時間情報に基づく値を設定するようにされている。
【0016】
つまり、余裕時間が小さいほど、伝送路上での優先度が高くなるように時間情報をコード化すれば、伝送路上でも、余裕時間の小さいメッセージが優先的に伝送されることになり、分散制御システムのリアルタイム性をより向上させることができる。
【0017】
なお、時間情報としては、余裕時間をそのまま使用してもよいし、余裕時間を表すビットデータの一部のビット(例えば上位の数ビット)のみを使用してもよい。また、その余裕時間を表すデータを、例えばログスケールで変換する等した値を用いてもよい。
【0025】
ところで、余裕時間は、タスクの実行状態に応じて更新するだけでなく、メッセージの処理状態に応じて更新する必要がある。
【0026】
例えば、複数のメッセージの送信が要求された場合、通信権を持つ唯一のメッセージについては、その余裕時間を保持し、ノード内で他のノードへの通信権の取得待ちの状態にある他のメッセージについては、請求項2記載のように、その余裕時間を、通信権を取得するまでの間、時間の経過と共に減少させればよい。
【0027】
また、通信権を取得したメッセージについては、請求項3記載のように、ノード内で他のノードへの通信件を獲得したメッセージについて、次の送信機会で共通伝送路での調停に勝ち、他のノードがメッセージを受信できたと仮定した時の通信終了までに要する予測通信時間が、そのメッセージについて予め設定された最悪通信時間に満たない時は、そのメッセージについての余裕時間を、最悪通信時間と予測通信時間との差分だけ増加させ、逆に、予測通信時間が最悪通信時間を越えている時は、そのメッセージについての余裕時間を、その差分だけ減少させればよい。
【0028】
なお、実際の通信時間ではなく、予測通信時間を用いているのは、後述するように、メッセージと共にその余裕時間を送信する場合、送信終了後に余裕時間を更新しても、その更新した余裕時間をメッセージと共に送信することができないからである。
【0033】
次に、請求項4記載の分散制御装置では、CSMA/CA方式を適用したフレームによりメッセージを伝送するマルチタスキング動作をする各タスクが、共通の多重伝送路に接続された他の装置上で動作する他のタスクと、互いにメッセージを通信し合うことにより協調動作して分散制御を実行する。
そして、起動時設定手段が、分散制御にて最初に実行される先頭タスクの起動時には、予め用意された余裕時間の初期値を、そのタスクについての余裕時間として設定し、一方、メッセージ送受信手段にてメッセージが受信されることよる非先頭タスクの起動時には、そのメッセージと共に受信した時間情報に基づく値を、そのタスクについての余裕時間として設定する。
【0034】
そして、タスクスケジューリング手段は、このようにして起動され実行可能となったタスクを、各タスクに設定された余裕時間に基づいて、その余裕時間の小さいタスクから優先的に実行権を割り当てる。なお、余裕時間は、第1更新手段により、タスクスケジューリング手段による各タスクの実行状態に応じて逐次更新される。
【0035】
また、メッセージ送受信手段は、タスクが生成するメッセージについての余裕時間を、フレームのうち伝送路上での調停制御のために用いられる領域に挿入してメッセージと共に多重伝送路を介して送信し、他の装置からのメッセージを受信した時には、該メッセージに対応するタスクの起動を前記タスクスケジューリング手段に要求する。
そして、メッセージを多重伝送路を介して受信した他の装置が、同様の処理を繰り返すことにより分散制御が実現する。
【0036】
また、メッセージスケジューリング手段が、メッセージについての余裕時間に基づいて、その余裕時間の小さいものから優先的に、メッセージ送受信手段でのメッセージの送信権を割り当てる。なお、余裕時間は、第2更新手段により、メッセージ送受信手段による各メッセージの送信の実行状態に応じて逐次更新される。
【0038】
即ち、請求項4記載の分散制御装置は、請求項1〜3記載の分散制御方法を実現するものであり、これと同様の効果を得ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は、分散制御システムを構成する分散制御装置としてのノードの内部構成を表すブロック図である。
【0040】
図1に示すように、本実施形態の分散制御システムは、ネットワークNTを介して接続された複数のノードNDi(図中では一つのみ示す)により構成され、各ノードNDiは互いに連係して複数の分散制御を並列に実行するようにされている。
【0041】
ここで分散制御とは、複数のノードNDiにて分散して実行される複数のタスクが、互いにメッセージを通信し合うことで協調して時系列で動作することにより実現される一連の制御のことを意味する。つまり、時系列上で隣り合うタスクが互いに異なるノードに配置されている場合には、タスク間でメッセージの通信が行われることになる。
【0042】
そして、各ノードNDiは、いずれも同様の構成をしており、タスクの集合であるタスク群12を管理するタスク制御部14と、タスク群12を構成する各タスクが生成したメッセージの集合であるメッセージ群13を管理する通信制御部15と、各分散制御に対応してタスクやメッセージについて設定される余裕時間(後述する)を逐次更新する第1及び第2更新手段としての余裕時間更新部16とを備えている。
【0043】
このうち、通信制御部15は、各タスクが生成したメッセージをネットワークNTを介して送受信するメッセージ送受信手段としてのメッセージ送受信部20と、余裕時間更新部16が更新する余裕時間に基づいて、余裕時間の小さいものに対して優先的に、メッセージ送受信部20でのメッセージの送信権を与えるメッセージスケジューリング手段としてのメッセージスケジューリング部19とを備えている。
【0044】
つまり、メッセージスケジューリング部19では、例えば図15(a)に示すように、余裕時間が120msのメッセージA、余裕時間が180msのメッセージB、余裕時間が100msのメッセージCが存在する場合、送信待ちメッセージの待ち行列上に、メッセージC、メッセージA、メッセージBの順番にメッセージを整列し、先頭のメッセージCの送信をメッセージ送受信部20に実施させる。
【0045】
その後、余裕時間更新部16により各メッセージの余裕時間が更新され、その結果、メッセージCよりメッセージAの方が余裕時間が小さくなった場合、メッセージ送受信部20においてメッセージCが調停負けにより未だ送信されていない場合は、メッセージCより先にメッセージAの送信をメッセージ送受信部20に実施させる。
【0046】
ここで、図2は、メッセージ送受信部20が、ネットワークNTを介して送受信するフレームの構成を示す説明図である。なお、このフレームは、CSMA/CA方式の通信制御を行うためのものであり、伝送路上での調停制御に使用するID領域以外は、周知の構成であるため、このID領域についてのみ説明する。即ち、メッセージ送受信部20が送受信するフレームのID領域は、前半部分と後半部分とに分割されており、前半部分に余裕時間に応じた時間情報が挿入され、後半部分にメッセージを識別するための認識用IDが挿入されている。
【0047】
つまり、メッセージ送受信部20が生成するフレームには、タスクが生成したメッセージと共に、そのメッセージが属する分散制御についての余裕時間を表す時間情報が挿入されることになる。そして、複数のノードNDiから同時にフレームが送信された時には、時間情報(余裕時間)として挿入された値が最も小さいフレームが伝送路上で破壊されることなく生き残って送信権を取得することになり、送信権を取得できなかった他のフレームは、次の送信機会(送信中のフレームの送信終了タイミング)を待つことになる。
【0048】
次に、タスク制御部14は、図1に示すように、タスクの起動時に、そのタスクに対して、そのタスクがその一部を分担する分散制御についての余裕時間を設定する余裕時間初期設定部17と、いわゆるリアルタイムOSからなり、各タスクに付与された優先度に従って、順次各タスクに実行権を与えるタスクスケジューリング部18とを備えている。
【0049】
なお、タスクスケジューリング部18では、優先度として余裕時間を用いており、この余裕時間の小さいタスクほど、優先的に実行権が与えられる。
例えば、図15(b)に示すように、余裕時間が100msのタスクA、余裕時間が50msのタスクB、余裕時間が80msのタスクCが同時に起動している場合、タスクスケジューリング部18は、実行待ちタスクの待ち行列上に、タスクB、タスクC、タスクAの順番にタスクを整列し、先頭のタスクBの処理をCPU上で実行する。そして、余裕時間更新部16により余裕時間が更新され、その結果、タスクBよりタスクCの方が余裕時間が小さくなった場合には、タスクBの実行を中断し、タスクCの実行を開始させる。
【0050】
また、余裕時間初期設定部17は、管理するタスクの中に、分散制御において最初に実行される(時系列の先頭に位置する)タスクである先頭タスクがある場合に、その先頭タスクが属する分散制御についての余裕時間の初期値を記憶している。そして、タスクの起動要求が発生すると、そのタスクの余裕時間として、そのタスクが先頭タスクである場合には、予め記憶されている余裕時間の初期値を設定し、一方、そのタスクがメッセージの受信に基づく非先頭タスクである場合には、受信したメッセージに示された時間情報に基づく値を設定する。
【0051】
ここで図3は、余裕時間の初期値の求め方を示す説明図である。ここでは、図3(a)に示すように、ノードND1がタスクa〜c、ノードND2がタスクd〜e、ノードND3がタスクg〜iをそれぞれ実行し、このうちノードND1のタスクa、ノードND2のタスクd、ノードND3のタスクgが、タスクaを先頭タスクとして、タスクd,タスクgの順に処理を実行することで分散制御を行うものとする。
【0052】
この場合、各タスクa,d,gは、それぞれが異なるノードND1〜ND3に配置されているため、図3(b)に示すように、タスクaとタスクdの処理間ではメッセージ1の通信が、タスクdとタスクgの処理間ではメッセージ2の通信が生じる。また、この分散制御では、タスクaの処理開始を基点とした制御周期Tcyにより求まるデッドラインが存在し、時系列の末尾にあるタスクgの処理が、このデッドラインより前に終了しなければならないものとする。
【0053】
ここで、各タスクa,d,gの最悪実行時間(WCET:Worst Case Execution Time )を、それぞれWCET#a,WCET#d,WCET#gとし、各メッセージ1,2の最悪実行時間をWCET#1,WCET#2とすると、この分散制御に費やす時間(予測終了時間)Tspは以下の(1)式で求まる。
【0054】
Tsp = WCET#a + WCET#d + WCET#g + WCET#1 + WCET#2 (1)
即ち、分散制御に含まれるすべての処理のWCETを加算したものが、その分散制御の予測終了時間Tspである。そして、この予測終了時間Tspを制御周期Tcyから減じたものが、余裕時間の初期値M0(=Tcy−Tsp)となり、先頭タスクaが配置されるノードND1の余裕時間初期設定部17に記憶される。
【0055】
なお、余裕時間初期設定部17がタスクの起動(休止状態→起動状態)時に設定した余裕時間は、余裕時間更新部16にて逐次更新され、そのタスクが終了(起動状態→休止状態)すると、そのタスクについての余裕時間は、そのタスクにより生成されたメッセージが引き継ぐようにされている。
【0056】
次に、余裕時間更新部16が実行する処理を図4に示すフローチャートに沿って説明する。なお、この処理は、余裕時間として管理する最小時間に等しい一定時間毎に周期的に起動される。
本処理が起動すると、まず、タスク制御部14が管理するタスク群の中に、起動状態(実行待ち、又は実行中)にあり且つ余裕時間の更新を行っていないタスクがあるか否かを判断し(S110)、未更新のタスクがあれば、そのタスクの状態を確認し(S120)、確認した状態に応じて余裕時間の更新を行う(S130)。
【0057】
そして、更新の結果、余裕時間が予め設定されたしきい値(実行中止判定値)より大きいか否かを判断し(S140)、実行中止判定値より大きければそのままS110に戻る。一方、余裕時間が実行中止判定値以下であれば、起動状態(実行待ち又は実行中)にあるそのタスクを休止状態に遷移させ(S150)、タスクの終了をタスクスケジューリング部18に通知した後(S160)、S110に戻る。
【0058】
先のS110にて、起動状態にある全てのタスクについて余裕時間の更新が終了するか、或いは起動状態のタスクがなく、未更新のタスクがないと判定された場合には、通信制御部15が管理するメッセージ群の中に、余裕時間の更新を行っていないメッセージがあるか否かを判断し(S170)、未更新のメッセージがあれば、そのメッセージの状態を確認し(S180)、確認した状態に応じて余裕時間の更新を行う(S190)。
【0059】
そして、更新の結果、余裕時間が予め設定されたしきい値(送信中止判定値)より大きいか否かを判断し(S200)、送信中止判定値より大きければ、そのままS170に戻る。一方、余裕時間が送信中止判定値以下であれば、送信中又は送信待ちの状態にあるそのメッセージを破棄し(S210)、メッセージの破棄をメッセージスケジューリング部19に通知した後(S220)、S170に戻る。
【0060】
また、先のS170にて、全てのメッセージについて余裕時間の更新が終了するか、或いは送信すべきメッセージがなく、未更新のメッセージがないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
なお、実行中止判定値及び送信中止判定値は、例えば各タスクで一律にゼロに設定し、余裕時間がなくなった時点で、タスクの実行やメッセージの送信を中止するように設定すればよい。また、以後のタスクの実行やメッセージの送信がWCETより早く終了し、余裕時間がゼロ以上に復帰する可能性がある場合には、その範囲内で、実行中止判定値及び中止判定値を、ゼロ以下の値に設定してもよい。
【0061】
ここで、図5は、S130及びS190にて実行する余裕時間の更新方法の詳細を示す一覧表であり、監視対象がタスクの場合(S130)、及び監視対象がメッセージの場合(S190)のいずれも、タスク及びメッセージの状態により余裕時間の更新は四つのケースに分類される。
【0062】
なお、タスクスケジューリング部18は、実行権を取得し実行中の状態にあるタスクについて、実行権取得後の経過時間(以下「処理実行時間」という)を計測するタイマーと、起動したが実行権が得られず実行待ちの状態にあるタスクのそれぞれについて、起動後の経過時間(以下「処理待機時間」という)を計測するタイマーとを備えているものとする。
【0063】
また同様に、メッセージスケジューリング部19も、送信権を取得し送信中の状態にあるメッセージについて、送信権取得後の経過時間(以下「送信実行時間」という)を計測するタイマーと、メッセージが生成されたが送信権が得られず送信待ちの状態にあるメッセージのそれぞれについて、メッセージ生成後の経過時間(以下「送信待機時間」という)を計測するタイマーとを備えているものとする。
【0064】
まず、監視対象がタスクの場合(S130)の四つのケースについて説明する。
即ち、第1のケースは、タスクが実行待ちの状態にある場合であり、この場合は、時間の経過に従って処理待機時間の増分を余裕時間から減じる。
【0065】
第2のケースは、タスクが実行中の状態にあり、かつ、タスクの処理実行時間が余裕時間の初期値を求める際に用いたWCETに満たない場合であり、この場合は、余裕時間は更新せず、そのままの値を保持する。
第3のケースは、タスクが実行中の状態にあり、かつ、タスクの処理実行時間がWCETを超過した場合であり、この場合は、その超過時間分を余裕時間から減ずる。
【0066】
第4のケースは、実行中の状態にあったタスクがWCETより早く処理を終了した場合であり、この場合は、WCETと実行処理時間との差分を余裕時間に加算する。
以下では、これら各ケースについて、図6,7に示すグラフを用いて説明する。
【0067】
まず、タスクが起動された時には、余裕時間の初期値(以下では「起動時の余裕時間」という)M0が設定される。このとき、他に優先度の高い(余裕時間の少ない)タスクが存在し、更新対象のタスクが実行待ちの状態になると、第1のケースに相当し、図6に示すように、実行権を取得して処理を開始するまでの間は、その処理待機時間に比例して余裕時間が減少する。そして、タスクの処理待機時間が最終的にT0であった場合、実行権を取得して処理を開始した時の余裕時間(以下では「処理開始時の余裕時間」という)は、M1=M0−T0となる。但し、タスクが起動されたあと直ちに実行権を取得して処理を開始した場合には、処理待機時間はT0=0であるため、処理開始時の余裕時間はM1=M0となる。
【0068】
なお、処理開始後、WCETが経過するまでの間は第2のケースに相当し、余裕時間はM1のまま保持される。
その後、タスクの処理実行時間が、そのタスクのWCETより超過すると、第3のケースに相当し、図7(a)に示すように、余裕時間は、WCETを超過した後は、その超過時間に比例して減少し、タスクの処理実行時間が最終的にWCETよりT1だけ超過した場合、タスクが終了した時点での余裕時間(以下では「処理終了時の余裕時間」という)は、M2=M1−T1となる。
【0069】
一方、タスクが終了した時点で、その処理実行時間がWCETに満たない場合は、第4のケースに相当し、図7(b)に示すように、WCETよりT2だけ早くタスクが終了している時には、処理終了時の余裕時間はM2=M1+T2となる。
【0070】
なお、ここでは、第3のケースにおいて、タスクの実行中に、WCETからの超過分を余裕時間から逐次減じるようにされているが、タスクの実行が終了した時点で、これを余裕時間から一括して減じるようにしてもよい。
次に、監視対象がメッセージの場合(S190)の四つのケースについて説明する。
【0071】
即ち、第1のケースは、メッセージが送信待ち状態にある場合であり、この場合は、時間の経過に従って、送信待機時間の増分を余裕時間から減じる。
第2のケースは、メッセージが送信中の状態にあり、かつ、実際に送信が開始されている場合であり、この場合は、余裕時間を更新する必要がないため、余裕時間は更新は行わない。
【0072】
第3のケースは、メッセージが送信中の状態にあるが、実際には送信が開始されておらず、かつ、次の送信機会で送信に成功したとすると、メッセージの送信処理時間がWCETを超過する場合であり、この場合は、その超過時間分を余裕時間から減ずる。
【0073】
第4のケースは、メッセージが送信中の状態にあるが、実際には送信が開始されておらず、かつ、次の送信機会で送信に成功したとすると、メッセージの送信処理時間がWCETに満たない場合であり、この場合は、そのWCETと実行処理時間との差分を余裕時間に加算する。
【0074】
以下では、これら各ケースについて、図8,9に示すグラフを用いて説明する。
まず、メッセージの送信要求がされた時には、余裕時間(以下では「送信要求時の余裕時間」という)として、メッセージを生成したタスクの処理終了時の余裕時間M2が設定される。このとき、他に優先度の高い(余裕時間の少ない)メッセージが存在し、送信待ちの状態になると、第1のケースに相当し、図8に示すように、送信権を取得して送信を開始するまでの間は、その送信待機時間に比例して余裕時間が減少する。そして、メッセージの送信待機時間が最終的にT3であったとすると、送信権を取得して送信中の状態となった時の余裕時間(以下では「送信開始時の余裕時間」という)はM3=M2−T3となる。但し、メッセージの送信要求がされたあと直ちに送信権を取得して送信中の状態となった場合は、送信待機時間はT3=0であるため、送信開始時の余裕時間はM3=M2となる。
【0075】
このようにして、送信中の状態になり、しかも実際に送信が開始されると、第2のケースに相当し、余裕時間の更新は行われない。
一方、送信中の状態にあるが、第3のケースに相当する場合は、図9(a)に示すように、そのメッセージのWCETからの超過時間分がT4だとすると、余裕時間は、メッセージが次の送信機会で送信が成功したと仮定した時の送信終了時点での余裕時間(以下では「処理終了時の余裕時間」という)M4(=M3−T4)に更新される。
【0076】
また、送信中の状態にあるが、第4のケースに相当する場合は、図9(b)に示すように、そのメッセージのWCETと送信処理時間との差分がT5だとすると、余裕時間は、処理終了時の余裕時間M4(=M3+T5)に更新される。
このように構成された本実施形態の分散制御システムでは、各ノードNDiでは、余裕時間の少ないタスクが優先的に実行権を取得すると共に、余裕時間の少ないメッセージが優先的に送信権を取得する。そして、伝送路上では、余裕時間の少ないメッセージを載せたフレームほど優先的に伝送されることになる。
【0077】
ここで、本実施形態の分散制御システムにおける各ノードのタスク制御及び通信制御の動作例を、図10に示すタイミング図に沿って説明する。
まず、システム構成として、図3(a)に示すように、ノードND1がタスクa,b,c、ノードND2がタスクd,e,f、ノードND3がタスクg,h,iをそれぞれ実行し、しかも、これら各ノードND1〜ND3において、タスクa(ノードND1)→タスクd(ノードND2)→タスクg(ノードND3)の順に実行される分散制御1と、タスクe(ノードND2)→タスクh(ノードND2)→タスクc(ノードND1)の順に実行される分散制御2とを並列に実行する場合を仮定する。但し、ここでは理解を容易にするため、全てのタスク及び全てのメッセージが、いずれも余裕時間の初期値の算出に用いたWCET通りの時間で処理されるものとする。
【0078】
図10に示すように、まず、時刻T1にて、分散制御1の開始が要求されると、ノードND1上でタスクaの処理が開始される。
このタスクaの処理が、時刻T2にて終了すると、タスクaにより生成されたメッセージ1の送信が開始される。この間(T1〜T2)、タスクaは、実行待ち状態となることなく処理が実行されたため、分散制御1の余裕時間に増減はない。
【0079】
メッセージ1はノードND2にて受信され、時刻T3にて、そのメッセージ1の通信が終了すると、ノードND2は、メッセージ1が属する分散制御1に対応したタスクdの処理を起動する。この間(T2〜T3)、メッセージ1は送信待ち状態となることなく送信が実行されたため、分散制御1の余裕時間に増減はない。
【0080】
その後、時刻T4にて、ノードND2上で分散制御2の開始が要求されると、タスクeの処理が起動される。このとき、分散制御1の余裕時間と分散制御2の余裕時間とを比較すると、分散制御2の余裕時間の方が少ないため、実行中のタスクd(分散制御1)は中断され実行待ち状態となり、代わりにタスクe(分散制御2)の実行を開始する。
【0081】
このタスクeの処理が、時刻T5にて終了すると、タスクeにより生成されたメッセージ2の送信が開始されると共に、中断していたタスクdの処理が再開される。この間(T4〜T5)、タスクeは、実行待ち状態になることなく処理が実行されたため、分散制御2の余裕時間に増減はなく、一方、実行待ち状態であったタスクdは処理を中断していたため、分散制御1の余裕時間は、その中断時間分(T5−T4)だけ減少する。
【0082】
再開されたタスクdの処理が、時刻T6にて終了すると、タスクdにより生成されたメッセージ3の送信が要求される。このとき、より余裕時間の少ない分散制御2に属するメッセージ2の送信中であるため、メッセージ3は送信待ち状態となる。
【0083】
その後、時刻T7にて、メッセージ2の通信が終了すると、これを受信したノードND3は、メッセージ2が属する分散制御2に対応したタスクhの処理を開始し、一方、ノードND2では、送信待ち状態にあったメッセージ3の送信を開始する。この間(T5〜T7)、メッセージ2は送信待ち状態となることなく送信が実行されたため、分散制御2の余裕時間に増減はない。一方、メッセージ3は、タスクdの処理終了(T6)からメッセージ2の通信終了(T7)までの間、送信待ち状態となったため、分散制御1の余裕時間は、その待ち時間分(T7−T6)だけ減少する。
【0084】
そして、時刻T8にて、メッセージ3の通信が終了すると、これを受信したノードND3は、メッセージ3が属する分散制御1に対応したタスクgの処理を起動する。この時、より余裕時間が少ない分散制御2に属するタスクhの処理が既に実行中であるため、タスクgは実行待ち状態となる。
【0085】
その後、時刻T9にて、タスクhの処理が終了すると、タスクhにより生成されたメッセージ4の送信が開始されると共に、実行待ち状態にあったタスクgの処理が開始される。この間(T7〜T9)、タスクhは実行待ち状態になることなく処理が実行されたため、分散制御2の余裕時間に増減はなく、一方、タスクgは、メッセージ3の通信終了(T8)からタスクhの処理終了(T9)までの間、実行待ち状態となったため、分散制御1の余裕時間は、その待ち時間分(T9−T8)だけ減少する。
【0086】
時刻T10にて、メッセージ4の通信が終了すると、これを受信したノードND1は、メッセージ4が属する分散制御2に対応したタスクcの処理を開始し、このタスクcの処理が時刻T12にて終了することにより、分散制御2についての一連の処理が終了する。この間(T9〜T12)、メッセージ4及びタスクcは、いずれも通信待ち状態や実行待ち状態になることなく処理されるため、分散制御2の余裕時間に増減はなく、結局、分散制御2は、デッドラインの条件を満たした時間内で処理される。
【0087】
また、タスクgの処理が時刻T11にて終了することにより、分散制御1についての一連の処理が終了する。この間(T9〜T1)、実行待ち状態になることなく処理されるため、分散制御1の余裕時間に増減はなく、結局、分散制御1は、(T5−T4)+(T7−T6)+(T9−T8)だけ、余裕時間が減少するが、デッドラインの条件を満たした時間内で処理される。
【0088】
以上説明したように、本実施形態の分散制御システムでは、システム上で実行される分散制御のそれぞれについて、その分散制御の実行に必要なタスクの処理時間、及びメッセージの送信時間のWCETを全て加算してなる予測終了時間Tspと、その分散制御についてのデッドラインまでの時間Tcyとの差分を表す余裕時間を設定し、その余裕時間の少ないタスクやメッセージから優先的に処理や送信を実行するようにされている。
【0089】
つまり、低優先度に設定されたタスクが常に後回しにされてしまう従来装置とは異なり、全ての分散制御がデッドラインの条件を満たすように、タスクやメッセージの優先度が常に変化する。
従って、各タスクの処理時刻やメッセージの送信時刻を予め決定しておかなくても、デッドラインの条件を満たすような順番で効率よくタスクの処理やメッセージの送信を実行させることができる。
【0090】
その結果、システムを実際に動作させた結果、デッドラインの条件を満たすことができない場合には、タスクやメッセージの優先度を考慮した設計変更を行う必要がなく、そのデッドラインからの遅れ分だけCPUの処理速度やメッセージの伝送速度を高速化しさえすればよいため、分散制御システムの開発工数を大幅に削減できる。
【0091】
また、本実施形態では、余裕時間が予め設定された実行中止判定値や送信中止判定値以下である時は、これに対応するタスクの実行やメッセージの送信を中止することで、その分散制御を中止するようにされている。
従って、デッドラインの条件を満たすことができないことが明らかな分散制御が継続して実行されることにより、他の分散制御の余裕時間が削られ、これら他の分散制御にも悪影響を与えてしまうことを確実に防止できる。
【0092】
また、本実施形態では、余裕時間に対応した時間情報を、メッセージと共にフレームに挿入し、しかも、その時間情報を調停の際に優先度を決める情報として用いており、伝送路上でも、余裕時間の少ない分散制御についてのメッセージが優先的に送信されるため、余裕時間の少ない分散制御が、途中でデッドラインの条件を満たすことができずに、中止されてしまう可能性を大幅に削減することができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
【0093】
本実施形態では、実行するタスクの構成、及び余裕時間更新部16が実行する処理の一部が第1実施形態とは異なるだけであるため、この相異する部分を中心に説明する。
即ち、本実施形態においては、タスク制御部14が管理するタスクとして、通常時に実行する通常タスクの他、通常タスクのそれぞれに対して、その通常タスクの処理を一部省略したり、その処理をより簡易なものに置き換えることにより、通常タスクより実行時間が短くなるように構成された簡易タスクが用意されている。
【0094】
そして、余裕時間更新部16では、第1実施形態にて説明した図4のS140にて、余裕時間が実行中止判定値より大きいと判定された場合に、その余裕時間が、予め設定されたタスク切替判定値以下であり、且つそのタスクが実行待ち状態である場合に、そのタスクが通常タスクであれば、これを簡易タスクに切り替えるように構成されている。
【0095】
これと同様に、図4のS200にて、余裕時間が送信中止判定値より大きいと判定された場合に、その余裕時間が、予め設定されたメッセージ切替判定値以下であり、且つそのメッセージが実際に送信が行われていない場合に、そのメッセージが通常メッセージであれば、これを簡易メッセージに切り替えるように構成されている。
【0096】
なお、簡易メッセージとは、メッセージに含ませるべき情報の一部を省略したものであり、この簡易メッセージを受けたタスクは、省略された情報については、デフォルト値、前回の処理で使用した値、或いはその値からの推定値などを用いて処理を実行するように構成されている。
【0097】
ここで、本実施形態の分散制御システムにおける各ノードのタスク制御及び通信制御の動作例を、図12に示すタイミング図に沿って説明する。
但し、そのシステム構成は、図11に示すように、図3(a)に示したものとほぼ同様であるが、ノードND2が実行するタスクeについては、これと対になる簡易タスクe’が用意されていると共に、簡易メッセージも用意されている。そして、各ノードND1〜ND3において、タスクa(ノードND1)→タスクd(ノードND2)の順に実行される分散制御1と、タスクe(ノードND2)→タスクi(ノードND3)の順に実行される分散制御2とを並列に実行する場合を仮定する。
【0098】
また、ここでは理解を容易にするため、全てのタスク及びメッセージが、いずれも余裕時間の初期値の算出に用いたWCET通りの時間で処理されるものとする。また、タスク切替判定値及びメッセージ切替判定値はゼロに設定され、実行中止判定値及び送信中止判定値は、それ以後の処理が、全て簡易タスク及び簡易メッセージにて実行されたとして、余裕時間ゼロに復帰できる下限値に設定されているものとする。更に、タスクiには、簡易タスクが用意されていないため、その実行中止判定値はゼロに設定されているものとする。
【0099】
図12に示すように、時刻T1から時刻T3までは、第1実施形態において図10を用いて説明した場合と全く同様であるため、その説明を省略する。
そして、時刻T3にて、タスクdの処理が開始された後、時刻T4にて、ノードND2に対する外部からの割込が発生すると、タスクdの処理は中断され実行待ち状態となり、割込処理が開始される。
【0100】
更に、この割込処理の実行中の時刻T5に、分散制御2の開始が要求されると、タスクeが起動される。しかし、割り込み処理が実行されているため、タスクeも実行待ち状態となる。
その後、時刻T6にて割込処理が終了すると、実行待ち状態にあるタスクのうち、より余裕時間の少ない分散制御2に属するタスクが選択され、そのタスクの処理が開始される。この間(T4〜T6)、分散制御2のタスクは、その起動(T5)から割込処理の終了(T6)まで、実行待ち状態となり処理を中断していたため、分散制御2の余裕時間は、その中断時間分(T6−T5)だけ減少する。これにより、分散制御2の余裕時間は、タスク切替判定値より小さくなっているため、分散制御2では、通常タスクeに代えて、簡易タスクe’が実行される。
【0101】
この簡易タスクe’の処理が、時刻T7にて終了すると、タスクe’はタスクeのWCETより短い時間で処理が終了するため、分散制御2の余裕時間は、その差分だけ増加する。しかし、その余裕時間は、メッセージ切替判定値以下であるため、通常のメッセージ2に代えて簡易メッセージ2’の送信が開始される。
【0102】
これと共に、中断していたタスクdの処理が再開される。この間(T4〜T7)、タスクdは、実行待ち状態となり処理を中断していたため、分散制御1の余裕時間は、その中断時間分(T7−T4)だけ減少する。
その後、再開されたタスクdの処理が、時刻T8にて終了することにより、分散制御1についての一連の処理が終了する。この間(T7〜T8)、タスクdは、実行待ち状態になることなく処理されるため、分散制御1の余裕時間に増減はなく、結局、分散制御1は、(T7−T4)だけ、余裕時間が減少するが、デッドラインの条件を満たした時間内で処理される。
【0103】
また、メッセージ2’がノードND3で受信され、時刻T9にて、その通信が終了すると、メッセージ2’は通常のメッセージ2のWCETより短い時間で通信が終了するため、分散制御の余裕時間は、その差分だけ増加する。これにより、その余裕時間が、実行中止判定値より大きいため、タスクiの処理が開始される。
【0104】
このタスクiの処理が時刻T10にて終了することにより、分散制御2についての一連の処理が終了する。この間(T9〜T10)、タスクiは実行待ち状態になることなく処理されるため、分散制御2の余裕時間に増減はない。つまり、分散制御2は、一旦、余裕時間ゼロを下回ったにも関わらず、簡易タスク,簡易メッセージを使用することにより、最終的には、デッドラインの条件を満たした時間内で処理される。
【0105】
以上説明したように、本実施形態の分散制御システムによれば、システム上で実行される分散制御のそれぞれについて、余裕時間を設定し、その余裕時間の少ないタスクやメッセージから優先的に処理や送信を実行し、余裕時間が実効中止判定値や送信中止判定値以下である時は、これに対応するタスクの実行やメッセージの送信を中止するようにされているため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
しかも本実施形態では、余裕時間が、タスク切替判定値やメッセージ切替判定値以下である時は、これに対応するタスクやメッセージを、実行時間や通信時間の短い簡易タスクや簡易メッセージに切り替えるようにされている。
従って、余裕時間から、デッドラインの条件を満たすことが困難であることが予測される場合でも、その時点で、簡易タスクや簡易メッセージに切り替えることにより、通常のタスクやメッセージで処理を行った場合との時間差分だけ、余裕時間を余分に確保することが可能となり、分散制御が、実行の途中で中止される可能性を大幅に低減することができる。
【0107】
換言すれば、常に各分散制御のデッドラインに対する余裕時間を知ることができるため、デッドライン違反を予測し、デッドライン違反に基づくQoS(Quality of Service)制御が可能となり、故障、ソフトウェアのバグ等に対するシステムのフォールトトレランス性を向上させることができる。また、従来のデッドラインを考慮しないリアルタイムOS,CSMA/CAを利用した分散制御システムと比較して、システム負荷がより高い場合でも、デッドラインの保証が可能となる。
【0108】
ここで、図13は、リアルタイムOSとCSMA/CAとを用いた従来の分散制御システムと、第1実施形態に示した分散制御システムとで、シミュレーションにより処理能力を比較した結果を表すグラフである。
なお、シミュレーションにおいては、図14(a)に示すように、6つのノードから構成されるシステムを仮定し、12の分散制御を、図14(b)に示す条件(タスク数,メッセージ数,制御周期)で並列に実行させた。
【0109】
図13では、横軸が各ノードのCPUの動作周波数(すべてのノードのCPUが同一周波数で動作することとする)、縦軸がメッセージを送信する際の通信レートである。そして、デッドラインを保証できる範囲を、本発明を適用した分散制御システムについては平行斜線のハッチングで示し、従来の分散制御システムについてはクロス斜線のハッチングで示した。
【0110】
このシミュレーションにより、本発明を適用した分散制御システムでは、従来システムと比較して、より低いCPU動作周波数、および通信レートでデッドラインを保証することが可能であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の分散制御システムを構成するノードの内部構成を示すブロック図である。
【図2】 ネットワーク上で伝送されるフレームの構成を示す説明図である。
【図3】 余裕時間の算出方法を示す説明図である。
【図4】 余裕時間更新部が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】 余裕時間の更新方法の詳細を示す一覧表である。
【図6】 タスクが実行待ち状態の時における余裕時間の更新方法を示す説明図である。
【図7】 タスクの実行時間がWCETより長い時及び短い時における余裕時間の更新方法を示す説明図である。
【図8】 メッセージが送信待ち状態の時における余裕時間の更新方法を示す説明図である。
【図9】 メッセージの通信時間がWCETより長い時及び短い時における余裕時間の更新方法を示す説明図である。
【図10】 第1実施形態の分散制御システムの動作例を示すタイミング図である。
【図11】 第2実施形態の分散制御システムの動作例を示すタイミング図である。
【図12】 図11に示す動作の前提となるシステム構成を示す説明図である。
【図13】 従来システムとの効果の差を比較するために行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図14】 シミュレーションの条件を示す図表である。
【図15】 メッセージスケジューリング、及びタスクスケジューリングの具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
12…タスク群 13…メッセージ群 14…タスク制御部
15…通信制御部 16…余裕時間更新部 17…余裕時間初期設定部
18…タスクスケジューリング部 19…メッセージスケジューリング部
20…メッセージ送受信部 NDi…ノード NT…ネットワーク
Claims (4)
- CSMA/CA方式を適用したフレームによりメッセージを伝送する共通の多重伝送路に接続されたマルチタスキング動作が可能な複数のノードにて分散して実行される複数のタスクが、互いにメッセージを通信し合うことで協調して時系列に動作することにより分散制御を行う分散制御方法において、
各ノードでは、実行可能なタスクのそれぞれについて、該タスクがその一部を分担する前記分散制御についての予測終了時間と該分散制御についてのデッドラインとの差分を表す余裕時間を設定し、その余裕時間の小さいタスクから優先的に実行権を割り当てると共に、送信可能なメッセージのそれぞれについて、該メッセージが属する前記分散制御についての前記余裕時間に基づき、該余裕時間の小さいものから優先的にメッセージの送信権を割り当て、
前記メッセージを送信する際には、該メッセージについての前記余裕時間を表す時間情報を、前記フレームのうち前記伝送路上での調停制御のために用いられる領域に挿入して前記メッセージと共に送信し、
前記タスクの起動時には該タスクについての前記余裕時間として、前記分散制御の最初に起動される先頭タスクの場合は、予め用意された前記余裕時間の初期値を設定し、前記メッセージの受信により起動される非先頭タスクの場合は、該メッセージに挿入された前記時間情報に基づく値を設定することを特徴とする分散制御方法。 - ノード内で他のノードへの通信権の取得待ちの状態にあるメッセージについての前記余裕時間を、前記通信権を取得するまでの間、時間の経過と共に減少させることを特徴とする請求項1記載の分散制御方法。
- ノード内で他のノードへの通信権を獲得したメッセージについて、次の送信機会で前記共通伝送路での調停に勝ち、前記他のノードがメッセージを受信できたと仮定した時の通信終了までに要する予測通信時間が、該メッセージについて予め設定された最悪通信時間に満たない時は、該メッセージについての前記余裕時間を、前記最悪通信時間と前記予測通信時間との差分だけ増加させ、前記予測通信時間が前記最悪通信時間を越えている時は、該メッセージについての前記余裕時間を、前記差分だけ減少させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の分散制御方法。
- CSMA/CA方式を適用したフレームによりメッセージを伝送するマルチタスキング動作をする各タスクが、共通の多重伝送路に接続された他の装置上で動作する他のタスクと、互いにメッセージを通信し合うことにより協調動作して分散制御を実行する分散制御装置であって、
前記タスクがその一部を分担する前記分散制御についての予測終了時間と該分散制御についてのデッドラインとの差分を表す余裕時間に基づいて、実行可能なタスクのうち、その余裕時間の小さいタスクから優先的に実行権を割り当てるタスクスケジューリング手段と、
前記タスクが生成するメッセージについての前記余裕時間を表す時間情報を、前記フレームのうち前記伝送路上での調停制御のために用いられる領域に挿入して前記メッセージと共に前記多重伝送路を介して送信し、他の装置からのメッセージを受信した時には、該メッセージに対応するタスクの起動を前記タスクスケジューリング手段に要求するメッセージ送受信手段と、
前記メッセージについての前記余裕時間に基づいて、その余裕時間の小さいものから優先的に、前記メッセージ送受信手段でのメッセージの送信権を割り当てるメッセージスケジューリング手段と、
前記タスクスケジューリング手段によるタスクの起動時には該タスクについての前記余裕時間として、前記一連の分散制御にて最初に実行される先頭タスクの場合は、予め用意された前記余裕時間の初期値を設定し、他の装置からのメッセージの受信により起動される非先頭タスクの場合は、該メッセージに挿入された前記時間情報に基づく値を設定する起動時設定手段と、
該起動時設定手段が設定した前記余裕時間を、前記タスクスケジューリング手段による各タスクの実行状態に応じて逐次更新する第1更新手段と、
前記起動時設定手段が設定した前記余裕時間を、前記メッセージ送受信手段による各メッセージの送信の実行状態に応じて逐次更新する第2更新手段と、
を備えることを特徴とする分散制御装置。
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