JP3921370B2 - 高周波フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波やミリ波の超高周波帯(概ね1〜100GHz)に使用される高周波フィルタを産業上の技術分野とし、特にフィルタ特性(伝送特性特に帯域特性)を電子的に制御するアクティブ的な高周波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)高周波フィルタは、各種の無線通信設備における送受信装置、光ファイバ高速伝送装置及びこれに関連する測定器等に、所望信号の注入/抽出や不要信号の抑制・除去等に、必須の機能素子として有用されている。例えば、特にマイクロ波帯以上の高周波フィルタは、一般に金属導波管や誘電体共振器で実現されているが、近年では、小型化を促進することからマイクロ波集積回路での構成も利用されつつある。しかし、これらの場合には、一般に、フィルタ特性は固定であって汎用性等に欠けることから、電子的に制御し得るものが学会レベルで散見・提案されている。
【0003】
(従来技術の一例)第8図はこの種の一従来例を説明する高周波フィルタの模式的な平面図である。
高周波フィルタは、例えば誘電体からなる基板1に形成した伝送路、ここではマイクロストリップラインによる共振器からの構成を基本とする。この例では、基板1の一主面に、金属導体からなる複数の信号線2(例えば3本)及び入出力線3、4を幅方向に配列する。但し、基板1の他主面には接地用の金属導体(接地導体とする、ここでは未図示)を有する。
【0004】
各信号線2はそれぞれ分割され「便宜的にこれらを分割線2(ab)とする」、両者間に電圧可変容量素子例えば可変容量ダイオード6が挿入して接続される。可変容量ダイオード6にはLPF(ローパスフィルタ)5を経て制御電圧が印加される。各信号線2(分割線2b)の一端は、所謂ビアホール(電極貫通孔)7等によって他主面の接地導体に接続する。なお、LPF5は高周波信号を阻止して制御電圧を通過する。
【0005】
このようなものでは、各マイクロストリップラインは、共振周波数の波長λに対して信号線2の長さを概ねλ/4とすることによって、それぞれ共振器を形成する。ここでは、マイクロストリップライン(信号線2)に可変容量ダイオード6を挿入し、制御電圧によって端子間容量が変化するので、共振周波数を可変できる。これにより、冒頭の誘電体共振器等に比較して小型化を促進するので、共振子自体として汎用性があって実用的なものになる。
【0006】
そして、この場合には、各マイクロストリップライン(複数の信号線2)を幅方向に配列して各共振器を多段接続しているので、各共振器の共振周波数を一致させることによって帯域特性の減衰傾度を高める。したがって、実際的な高周波フィルタとして適用できる。なお、個々の共振器自体に入出力線を設けることによってフィルタを構成するが、この場合には減衰傾度が緩やかになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の問題点)しかしながら、上記構成の高周波共振器では、マイクロストリップラインを形成する信号線2の他端は、穴あけ工程を要するビアホール7によって他主面の接地導体に接地する。また、高周波信号と制御電圧を分離するためにLPF5を必要とする。これらのことから、製作精度や生産性(量産性)及び小型化に問題があった。特に、ビアホール7の導体長(線路長)によるインダクタ成分が増加して高周波特性を劣化させたり、ビアホール7によってバラツキを生じたりするなどの問題があった。
【0008】
(発明の目的)本発明は、減衰傾度を高めるとともに、さらにフィルタ特性の電子的な制御(可変)を可能にして製作精度や生産性及び小型化に適した高周波フィルタを提供することを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、基板の一主面上に形成された金属導体によって構成される共平面構造の伝送路を用いて中心周波数に対する長さをλ/2とした共振器を備え、前記共振器を横断して前記共振器と電磁結合するとともに前記共振器の両端との間の長さによって、前記共振器の中心周波数よりも少なくとも高域側に減衰極となる共振点を形成する入出力用の信号線を前記基板の他主面に設けたことを基本的な解決手段とする。
【0010】
【作用】
本発明では、共平面構造とした伝送路からなる共振器を横断してこれと電磁結合する入出力線3、4を設けたので、共振器(伝送路)の両端と伝送路を横断する入出力線3、4の横断点で決定される共振(周波数)点を新たに生じる。そして、この共振点は、伝送路より短いので、伝送路(共振器)による共振周波数より高くなる。したがって、共振器の帯域特性の高域側に減衰極(ポール)を生じる。以下、本発明の実施例とともに作用を詳述する。
【0011】
【第1実施例、請求項5、6に相当】
第1図(ab)は本発明の第1実施例を説明する高周波共振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)はA−A断面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
高周波フィルタは、前述したように基板1に形成した伝送路からなる共振器を備えてなる。第1実施例では、共振器は共平面構造としたコプレーナラインの伝送路からなる。以降、この共振器を便宜的にCPW共振器とも呼ぶ。なお、共平面構造とは、伝送路が基板の一主面上に形成された金属導体によって構成されたものを指す(したがって、従来例のマイクロストリップラインは基板1の一主面に設けた信号線2以外に、他主面に接地導体を要するので共平面構造ではない)。
【0012】
コプレーナラインは、基板1の一主面に設けられた接地導体10Aの開口部9内に信号線2を形成してなる。そして、信号線2の長さは目的とする共振周波数の概ねλ/2とし、CPW共振器を形成する。ここでは、信号線2の両端が開口部9の両端(図での左右端)と離間し、電気的には開放端とする。なお、コプレーナラインは信号線2と接地導体10Aとの間で生ずる電界及びこれによる磁界によって、高周波が進行する不平衡型の伝送路である。
【0013】
信号線2と接地導体10Aとの間となる開口部9(CPW共振器)の左右端側では、可変容量ダイオード6を一主面上に配置して両端子を両者(信号線2と接地導体10)に例えば半田によって接続する。また、CPW共振器(信号線2)を二等分する中心線(中点)上に、可変容量ダイオード6に制御電圧を印加する供給線11の一端を接続する。また、接地導体10Aに供給線11と対をなす接地線12を接続する。
【0014】
基板1の他主面にはコプレーナラインを形成する信号線2の両端方向で、信号線2を横断する閉ループ及びこれから両端部に延出した入出力線3、4を形成する。ここでは、信号線2の一端部を入力線3が、他端部を出力線4が横断する。入出力線3、4は接地導体10Aとマイクロストリップラインを形成し、共振器としてのコプレーナラインと電磁結合によって電気的に接続する。
【0015】
このような構成であれば、基板1の他主面に設けた、CPW共振器(コプレーナライン)を横断する入出力線3、4との位置に基づく境界条件例えば入力線3と信号線4の他端部との間の長さによって、複数の新たな共振点(入出力共振点とする)を生じる。これらの入出力共振点はCPW共振器の伝送路より短いので、CPW共振器の共振周波数より高くなる。したがって、第2図に示したように、CPW共振器による帯域特性(同図の曲線イ)の高域側に減衰極Pを形成し(同曲線ロ)、減衰傾度を高める。
【0016】
また、CPW共振器の両端部(信号線2と接地導体10Aとの間)に可変容量ダイオード6を接続するので、制御電圧による容量値の変化によって共振周波数を可変できる。なお、この場合は、信号線2と接地導体10Aとの間に生ずる電界中に可変容量ダイオード6が配置されるので、信号線2の電気的な長さが等価的に変化したことになる。
【0017】
そして、この例ではコプレーナラインとして共平面構造とするので、可変容量ダイオード6の両端子を同一平面上に接続できて表面実装を採用できる。したがって、従来(ストリップラインの場合)のように、基板1への穴あけ工程を踏まえたビアホール7を形成する必要がない。これにより、ビアホール7に起因したインダクタ成分の影響を無視できるので、設計及び製造を容易にし、製作精度及び生産性を高められる。
【0018】
また、コプレーナラインの信号線2を二等分する中点に供給線11を接続して制御電圧を印加する。したがって、λ/2とした中点である電圧変位零点に供給電圧を印加するので、共振特性への影響を無視できる。これにより、従来での高周波信号と制御電圧を分離するLPFを不要にするので、小型化を促進する。
【0019】
【第2実施例】
第3図は本発明の第2実施例を説明する高周波フィルタの図で、同図(a)は平面図、同図(b)はA−A断面図である。なお、前実施例と同一部分の説明は省略又は簡略する。
前第1実施例では共平面構造の伝送路としてコプレーナラインを用いて共振器を形成したが、第2実施例ではスロットラインを適用した場合である。すなわち、第2実施例では、高周波フィルタとしての共振器を、基板1の一主面に開口部9を有する金属導体10を設けたスロットラインから形成する。この共振器を便宜的にSL共振器とも呼ぶ。なお、スロットラインは開口部9の両側での金属導体間で生ずる電界及びこれによる磁界によって、高周波が進行する平衡型の伝送路である。ここでは、SL共振器(開口部9)の左右端が閉じられているので、電気的には短絡端となる。
【0020】
開口部9における中央領域の一主面上にはアノード同士が接続した一対の可変容量ダイオード6を配置して、開口部両側の金属導体10に各カソードの両端子を半田によって接続する。また、スロットライン(開口部)を二等分する中点に、可変容量ダイオード6に制御電圧を印加する供給線11の一端を接続する。また、金属導体10に供給線11と対をなす前述した接地線(未図示)を接続する。なお、カソード同士を接続した構成でもよい。
【0021】
基板1の他主面にはSL共振器(開口部9)の両端方向で、上下端から開口部9を横断する入出力線3、4を形成する。入出力線3、4は金属導体10とマイクロストリップラインを形成し、SL共振器としてのスロットラインと電磁結合によって電気的に接続する。
【0022】
このような構成であれば、SL共振器(スロットライン)を横断する、基板1の他主面に設けた入出力線3、4の位置よる境界条件によって、第1実施例と同様にSL共振器による共振周波数よりも高い入出力共振点を生じる。したがって、この場合でも前第2図に示したように、SL共振器による帯域特性の高域側に減衰極Pを形成し、減衰傾度を高める。
【0023】
また、スロットラインの開口部両側の金属導体10を可変容量ダイオード6によって接続するので、前述のCPW共振器と同様に、制御電圧による容量値の変化によって共振周波数を可変できる。なお、この場合は、スロットラインの開口部両側の金属導体間に生ずる電界中に可変容量ダイオード6が配置されるので、開口部の電気的な長さが等価的に変化したことになる。
【0024】
そして、この例では共振器をスロットラインとして共平面構造とするので、前CPW共振器と同様に可変容量ダイオード6の両端子を同一平面上に接続できて表面実装を採用できる。したがって、第1実施例と同様に、基板1への穴あけ工程を不要にしてビアホール7に起因したインダクタ成分の影響を無視できるので、設計及び製造を容易にして製作精度及び生産性を高められる。
【0025】
また、スロットライン(開口部9)を二等分する中点に供給線11を接続して制御電圧を印加するので共振特性への影響を無視でき、従来での高周波信号と制御電圧を分離するLPFを不要にして小型化を促進する。
【0026】
【第3実施例】
第4図は本発明の第3実施例を説明する高周波フィルタの平面図である。なお、前各実施例と同一部分の説明は省略又は簡略する。
前各実施例では単一の共振器からフィルタを形成したが、第3実施例では複数の共振器(フィルタ)を多段接続した場合の例で、前第1実施例のCPW共振器を多段接続したものである。すなわち、第3実施例では基板1の一主面に二つの開口部9を延長方向(図では左右方向)に設けて各開口部9内に信号線2を形成し、CPW共振器を延長方向に複数個(ここでは2個)形成する。
【0027】
そして、前述同様に、各CPW共振器(開口部9)の左右端側にて、各信号線2と接地導体10との間に可変容量ダイオード6を接続する。ここでも、各CPW共振器(信号線2)を二等分する中点に制御電圧が印加される供給線11を接続する。そして、基板1の他主面における左右端側にて、各CPW共振器(信号線2)を横断する閉ループ及びこれから両端部に延出した入出力線3、4を形成する。中央領域には、各CPW共振器を横断する閉ループとした結合線13を形成する。結合線13は接地導体10とマイクロストリップラインを形成し、各CPW共振器と電磁結合して伝送路を形成する。
【0028】
このような構成であれば、CPW共振器(コプレーナライン)を横断する、基板1の他主面に設けた入出力線3、4及び結合線13によって、各CPW共振器による共振周波数よりも高い点に入出力共振点を生じて、各CPW共振器による帯域特性の高域側に減衰極Pを形成し、それぞれ減衰傾度を高める。そして、この場合は、CPW共振器(フィルタ)の多段結合とするので、各CPW共振器の共振周波数を一致させれば、さらに減衰傾度を高める。また、各CPW共振器の中心周波数をずらせば、広帯域のフィルタ特性を得ることもできる。
【0029】
そして、各前実施例と同様に可変容量ダイオード6に印加する制御電圧によって各CPW共振器の共振周波数を可変できて表面実装を採用できる。したがって、ビアホール形成時の穴あけ工程を不要にしてインダクタ成分の影響を無視できるので、製作精度及び生産性を高められる。また、CPW共振器を二等分する中点に供給線11を接続して制御電圧を印加するので、共振特性への影響を無視できてLPFを不要にして、小型化を促進する。
【0030】
【第4実施例】
第5図は本発明の第4実施例を説明する高周波フィルタの平面図で、前各実施例と同一部分の説明は省略又は簡略して説明する。
前第3実施例では多段接続フィルタを、第1実施例によるCPW共振器(フィルタ)を例としたが、第4実施例では第2実施例のSL共振器を適用した例である。すなわち、第4実施例では基板1の一主面に二個のSL共振器(開口部9)を上下にずらして一部を重畳して設ける。
【0031】
そして、前述同様に、各SL共振器の中央領域にて一対の可変容量ダイオード6を接続する。ここでも、各SL共振器を二等分する中点に制御電圧が印加される供給線11を接続する。そして、基板1の他主面における左右端側にて、各開口部9を横断する入出力線3、4を形成する。中央領域には、各開口部9を横断する結合線13を形成する。結合線は金属導体10とマイクロストリップラインを形成し、各SL共振器と電磁結合して伝送路を形成する。
【0032】
このような構成であれば、SL共振器(スロットライン)を横断する、基板1の他主面に設けた入出力線3、4及び結合線13によって、各CPW共振器による共振周波数よりも高い点に入出力共振点を生じて、各SL共振器による帯域特性の高域側に減衰極Pを形成し、それぞれ減衰傾度を高める。そして、この場合は、SL共振器(フィルタ)の多段結合とするので、各SL共振器の共振周波数を一致させれば、さらに減衰傾度を高める。また、各SL共振器の中心周波数をずらせば、広帯域のフィルタ特性を得ることができる。
【0033】
また、前述同様に、可変容量ダイオード6によって各SL共振器の共振周波数を可変できて表面実装を採用できる。したがって、前各実施例と同様に、穴あけ工程を不要にしてインダクタ成分の影響を無視でき、製作精度及び生産性を高められる。また、スロットラインを二等分する中点に制御電圧を印加するので、共振特性への影響を無視できてLPFを不要にして、小型化を促進する。
【0034】
【他の事項】
上記第1実施例ではCPW共振器の両端部を開放端としたが、一端部を開放端として他端部を短絡端とし、信号線をλ/4の長さにしたCPW共振器としてもよい(未図示)。この場合、両端部を開放端として信号線をλ/2にする場合に比較して、小型化をさらに促進する。但し、共振周波数を制御するための可変容量ダイオードの適用は困難なので、可変容量機能を有する集積回路を使用する。あるいは、短絡端は高容量のコンデンサを実装して高周波信号を実効的に短絡してその個所に制御電圧を印加する供給端子を接続することによって、高周波信号を劣化させることなく容量値を制御できる。
【0035】
上記第3実施例(第4図)では、閉ループの結合線13によって二個のCPW共振器を結合したが、例えば第6図に示したように、基板1の他主面に設けたマイクロストリップラインを形成するCPW共振器の中心線上に設けた信号線によって接続してもよい。この場合でも、入出力線3、4によって減衰極Pを形成できる。但し、結合線13を横断部を有するループ状とした方が減衰傾度は高まる。
【0036】
また、第4実施例(第5図)ではマイクロストリップラインとする結合線13によって2個のSL共振器を結合したが、例えば二個のSL共振器が重畳する部分の長さを概ねλ/4として、電磁結合してもよい(未図示)。
【0037】
上記各実施例ではフィルタ特性の高域側に減衰極Pを設けたが、例えば第2実施例ではSL共振器を横断するマイクロストリップラインとする入出力線路3、4によって高域側に減衰極Pを形成したが、この場合、飛び越し接続すれば低域側にも減衰極を形成できる。すなわち、第7図に示したように、基板1の一主面上に二個のSL共振器(便宜的に第1及び第2SL共振器とする)を上下に並べて配置し、さらにその中間にλ/4分が重畳する第3のSL共振器を配置する。そして、第1と第2のSL共振器の第3SL共振器と重畳する側の一端側に間隔dとした入出力線3、4を設ける。さらに、第1と第2共振器の他端側に、マイクロストリップライン(信号線)による結合線13設ける。
【0038】
このようにすれば、入出力線3、4の位置によって前述同様にフィルタ特性の高域側に減衰極Pが形成される。そして、ここでは結合線13を設けたので、その位置による境界条件によって新たな共振点を生ずる。これらよる共振点は、結合線13によってSL共振器の線路長よりも長くなるので、SL共振器の共振周波数よりも低い点にも発生する。したがって、フィルタ特性の低域側にも減衰極Pを生じる(未図示)。これにより、高域及び低域のいずれにも減衰極Pを生じて減衰傾度を高められる。
【0039】
また、上記各実施例では基板1は単に誘電体からなるとしたが、例えば磁性体や半導体であってもよい。また、入出力線3、4の間隔dは同一としたが異なったとしてもよい。この場合、二箇所に生ずる共振点を制御することによって減衰特性を可変できる。また、共振周波数を制御する電圧可変容量ダイオードは可変容量ダイオードとしたが、これに限らずインダクタを含めてリアクタンスが変化する可変リアクタンス素子であればよい。また、共振器が共平面構造であるために、表面実装構造の可変リアクタンス素子に限らず、ビームリード半導体素子やバンプ実装によるフリップチップIC等を高精度かつ効率的に実装可能である。
【0040】
本発明は、基板の一主面上に形成された金属導体によって構成される共平面構造の伝送路を用いて中心周波数に対する長さをλ/2とした共振器を備え、前記共振器を横断して前記共振器と電磁結合するとともに前記共振器の両端との間の長さによって、前記共振器の中心周波数よりも少なくとも高域側に減衰極となる共振点を形成する入出力用の信号線を前記基板の他主面に設けたので、減衰傾度を高めた高周波フィルタを提供でき、各実施例で示したように共平面平面構造として可変リアクタンス素子によって共振周波数を制御するので、フィルタ特性を電子的に制御可変するとともに製作精度や生産性及び小型化に適した高周波フィルタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を説明する高周波フィルタの図で、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の作用を説明するフィルタ特性図である。
【図3】本発明の第2実施例を説明する高周波フィルタの図で、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を説明する多段接続とした高周波フィルタの図で、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を説明する多段接続とした高周波フィルタの図で、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
【図6】本発明の第3実施例の他の例を説明する高周波フィルタの平面図である。
【図7】本発明の例えば第4実施例の他の例を説明する高周波フィルタの平面図である。
【図8】従来例を説明する高周波フィルタの平面図である。
【符号の説明】
1 基板、2 信号線、3、4 入出力線路、5 LPF、6 可変容量ダイオード、7 ビアホール、9 開口部、10 金属導体、11 供給線、12 接地線、13 結合線.
Claims (7)
- 基板の一主面上に形成された金属導体によって構成される共平面構造の伝送路を用いて中心周波数に対する長さをλ/2とした共振器を備え、前記共振器を横断して前記共振器と電磁結合するとともに前記共振器の両端との間の長さによって、前記共振器の中心周波数よりも少なくとも高域側に減衰極となる共振点を形成する入出力用の信号線を前記基板の他主面に設けたことを特徴とする高周波フィルタ。
- 前記共振器はスロットラインとした伝送路からなるスロットライン共振器である請求項1の高周波フィルタ。
- 前記スロットラインの開口部上に同極側を接続した一対の可変リアクタンス素子を配置して異極側を前記開口部両側の金属導体に接続し、前記一対の可変リアクタンス素子の接続点に制御電圧を印加してなる請求項2の高周波フィルタ。
- 前記スロットライン共振器を上下にずらすとともに一部を重畳させて延長方向に複数個形成し、前記複数のスロットライン共振器は互いに電磁結合されて多段型とした請求項3の高周波フィルタ。
- 前記共振器はコプレーナラインとした伝送路からなるコプレーナライン共振器である請求項1の高周波フィルタ。
- 前記コプレーナラインの開口部内に設けた信号線の両端と前記金属導体との間に可変リアクタンス素子を接続し、前記信号線の電気的な中点に制御電圧を印加してなる請求項5の高周波フィルタ。
- 前記コプレーナライン共振器を延長方向に複数個形成し、前記複数のコプレーナライン共振器を前記基板の他主面に設けた結合線によって電磁結合して多段型とした請求項3の高周波フィルタ。
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