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JP3916787B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法 Download PDF

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアセタール共重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、トリオキサンを主モノマーとし、環状エーテルまたは環状ホルマールをコモノマーとして共重合し、ポリアセタール共重合体を連続的に製造するための改善された共重合法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアセタール共重合体は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、且つ、その加工が容易であることにより代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品、その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。ポリアセタール共重合体の工業的な製造方法は、主モノマーとしてトリオキサンを、コモノマーとして2つ以上の隣接炭素原子を有する環状エーテルまたは環状ホルマールを、重合開始剤としての三フッ化ホウ素、または三フッ化ホウ素とエーテル類との配位化合物を、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイプの連続混合機等の連続反応装置に供給し、連続的に共重合反応させるのが一般的である。
【0003】
しかし、三フッ化ホウ素系化合物のような一般に使用される重合開始剤は、比較的多量に(例えば、モノマー1kg当たり3×10-4mol以上)添加する必要がある。そのために、共重合体に残留した重合開始剤による共重合体の分解が避けられず、得られる共重合体の重合度に限界があり、また、かなりの量の不安定末端部が存在して煩雑な安定化工程を必要とする等の問題点が存在した。
【0004】
このような問題点を解決するために、ヘテロポリ酸またはその酸性塩を重合開始剤として使用する方法(特公平7−35704号公報)、さらには、重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩を、コモノマー成分である少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテルまたは環状ホルマールの一部または全部に、予め混合しておき、その混合液をトリオキサンに添加して重合する方法(特開平9−87348号公報)等に示されるように、重合開始剤濃度を低減し、生成共重合体の不安定末端部の減少を図ることが提案されている。
さらに、トリオキサン、コモノマーおよび重合開始剤としてのヘテロポリ酸またはその酸性塩を、あらかじめ液相状態を保ちつつ十分に混合した後に、その混合液を連続重合装置に供給して共重合反応を行うことで、重合開始剤濃度を大幅に低減させることが可能になり、これにより生成共重合体の不安定末端をさらに減少を図ることが、本発明者等によって特願平10−121834号として提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリアセタール共重合体からホルムアルデヒドの放出量、特に成形時の溶融したポリアセタール共重合体からのホルムアルデヒドの放出量を低減したポリアセタール共重合体の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、溶融したポリアセタール共重合体からのホルムアルデヒドの放出量を低減させるべく鋭意研究した結果、重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩の溶媒として、特定の有機溶剤を用いて重合を行うと、得られるポリアセタール共重合体からのホルムアルデヒドの放出量を低減させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明はヘテロポリ酸またはその酸性塩を重合開始剤として、主モノマーのトリオキサンと、少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテルまたは環状ホルマールのコモノマーとを共重合して、ポリアセタール共重合体を連続的に製造するにあたり、重合開始剤の溶媒として、溶媒1リットル当たり5×10-4mol以上の該重合開始剤を溶解することができ、かつ、活性水素を持たない有機溶媒であるギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン又はこれらの混合溶媒を用い、溶媒1リットル当たり5×10 -4 mol以上の該重合開始剤を溶解した重合開始剤溶液を使用することを特徴とするポリアセタール共重合体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の特徴は、重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩の溶媒として、開始剤の良溶媒であり、且つ活性水素を持たない有機溶媒を用いることである。重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩は固体である。重合を行うためにこれを重合機に供給するには、固体のままで供給するよりも、適当な溶媒に溶かして溶液として重合機に供給する方が容易であり、また、供給量をより正確に制御できる。
【0009】
重合開始剤の溶媒は活性水素を持たないことが必要である。活性水素とは酸素、窒素、硫黄といった極性原子に結合した水素原子のことで、炭素原子に結合した水素原子より反応性が高い。具体的には、−OH、−COOH、−CONH−、−SH、−NH2基等の原子団に含まれるている水素原子である。本発明者等の検討によれば、例えばアルコール等の活性水素を有する溶媒を使用すると、活性水素がポリアセタール共重合体の不安定な末端を生成し、その結果、ポリアセタール共重合体からのホルムアルデヒドの放出量を増加させてしまう。
さらに、活性水素を有しない溶媒でも重合開始剤の溶解度が低くなると、一般に重合するために必要な開始剤溶液の供給量が多くなり、溶媒中の不純物の影響等で、生成するポリアセタール共重合体の不安定部分が増加したり、除去しなければならない溶媒量が増加する。その結果、溶融したポリアセタールからのホルムアルデヒドの放出量が増加したり、コストの増加を招く。従って、使用する溶媒は、使用する重合開始剤の使用時の溶解度が溶媒1リットル当たり5×10-4mol以上であることが必要であり、好ましくは1×10-3mol以上、さらに好ましくは3×10-3mol以上である。
【0010】
重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩の溶解度が溶媒1リットル当たり5×10-4mol以上であり、かつ、活性水素を持たない溶媒として用いることのできる溶媒としては、この条件を満たす溶媒であればいずれでもよいが、エステル類、またはケトン類から選ばれた少なくとも1種の溶媒を用いることが好ましい。例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低分子量カルボン酸と、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−ブタノール、1−ヘキサノールと云った低分子量のアルコールが縮合して得られるエステル類やアセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン等の低分子量のケトン類が挙げられる。溶媒の分子量が大きくなるほどヘテロポリ酸の溶解度は小さくなる傾向があり、溶媒の沸点も高くなり生成するポリアセタール共重合体から除去することが困難になるので、溶媒は低分子量のものが好ましい。使用する溶媒の分子量は150以下が好ましく、さらには120以下が好ましい。さらに、工業的な入手のし易さなどを勘案すると、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、又はこれらの混合溶媒等を本発明の重合開始剤の好適な溶媒として挙げることができる。
【0011】
本発明で用いるヘテロポリ酸は、異種の酸素酸が脱水縮合して生成するポリ酸の総称であり、中心に特定の異種元素が存在し、酸素原子を共有して縮合酸基が縮合してできる単核または複核の錯イオンを有している。このような異核縮合酸は一般には下記一般式(1)で表すことができる。
m[M1 x・M2 yz]・nH2O (1)
(但し、M1は、P、B、Si、Ge、Sn、As、Sb、V、Mn、Re、Cu、Ni、Ti、Co、Fe、Cr、ThおよびCeより選ばれた少なくとも1種の元素から成る中心元素を示す。M2は、W、Mo、VおよびNbより選ばれた少なくとも1種の配位元素からを示す。また、xは1〜10、yは6〜40、zはl0〜100、mは1以上、nは0〜50の各整数を表す。)
【0012】
本発明の重合開始剤として、特に有効なヘテロポリ酸は、上記の組成式中の中心元素(M1)が、P及びSiから選ばれた少なくとも1種の元素から構成され、また、配位元素(M2)が、W、MoおよびVより選ばれた少なくとも1種の元素(特に好ましくはWまたはMo)から構成される場合である。更に(1)式におけるHmが各種金属などに一部置き換わった形の酸性塩も本発明の開始剤に用いることができる。
【0013】
これらヘテロポリ酸の具体例としては、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングステンバナジン酸などが挙げられる。中でも好ましいのは、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、またはそれらの酸性塩より選ばれた一種または二種以上の混合物である。
【0014】
このようなヘテロポリ酸またはその酸性塩の使用量は、その種類によっても異なり、また適当に変えて重合反応を調節することができるが、本発明の方法では、おおよそ重合されるべきモノマー1kg当たり、好ましくは1.0×10-8〜2.0×10-5mo1の範囲であり、さらに好ましくは1.0×10-7〜1.0×10-5molである。このように少量の開始剤でも、共重合が可能なことは、開始剤による重合体の主鎖分解、解重合等の好ましくない反応を僅少に留めるのに効果的であり、又経済的にも有利である。
【0015】
次に、本発明で使用するコモノマー成分である環状エーテルまたは環状ホルマールとは、下記一般式(2)で表される少なくとも1つの炭素間結合を有する環状化合物である。
【0016】
【化1】
Figure 0003916787
【0017】
[式中、R1、R2、R3またはR4は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲンで置換された炭素数1〜5のアルキル基を意味し、これらは同一または異なっていてもよい。また、R5は、不存在または、(アルキル基若しくハロゲン化アルキル基で置換されていてもよい)メチレン基、オキシメチレン基(この場合pは1〜3の整数を表す)、-(CH2)qOCH2-、もしくは、-(OCH2CH2)qOCH2-で示される2価の基(この場合pは1を表し、qは1〜4の整数を表す)であってもよい。]
【0018】
かかる環状エーテルまたは環状ホルマールの代表的な例としては、例えば、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキセパン、エチレンオキサイド、プロピレンオキシド等が挙げられる。中でも1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール等が好ましい例である。
【0019】
本発明にコモノマーとして用いる環状エーテルまたは環状ホルマールの量は、トリオキサンに対して0.1〜20モル%、好ましくは、0.2〜10モル%である。0.1モル%未満では、不安定末端部が増加して安定性が悪くなり、また20モル%を超えて過大になると生成共重合体が軟質となり、融点の低下を生じて好ましくない。
【0020】
重合方法は特に限定されるものではない。例えば、重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩と前述の条件を満たす溶媒を用いた重合開始剤溶液と、主モノマーであるトリオキサンおよびコモノマーとを、あらかじめ液相状態で十分に混合した後、重合装置に供給し重合反応を行う方法、または前記重合開始剤溶液と、主モノマーであるトリオキサンおよびコモノマーの混合溶液とを、それぞれ別々に配管を通して合流させた後、連続式重合装置に供給する方法、あるいは、重合開始剤溶液、主モノマー及びコモノマーをそれぞれ別々に配管を通して重合装置に供給する方法などがある。工業的に広く用いられているポリアセタール共重合体の連続重合装置としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混合機、2軸パドルタイプの連続混合機などを挙げることができる。このようにしてホルムアルデヒド放出量のより少ないポリアセタール共重合体を有利に得ることができる。
【0021】
本発明のポリアセタール共重合体の製造方法においては、また、必要に応じ、公知の連鎖移動剤を適当量添加して、生成共重合体の重合度を、適宜任意の値に調節することができる。連鎖移動剤としては、例えば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテルの如き、低分子量の線状アセタール等が挙げられる。
本発明のポリアセタール共重合体の製造方法においては、更に、必要に応じて、公知の分岐・架橋構造を形成しうる成分を添加することもできる。分岐・架橋構造を形成しうる成分としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0022】
重合を終了した反応系は、必要に応じて、未反応モノマーの回収、生成共重合体の粉砕を行った後、重合開始剤の失活を行う。
重合開始剤の失活は、従来公知のいずれの方法でもよい。例えば、アンモニアあるいはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ヒンダードアミン等のアミン類、あるいはアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩(例えば脂肪酸塩)その他公知の重合失活剤、もしくはこれらの失活剤を含む溶液を、共重合体に添加・撹拌して失活処理する方法、多量の失活剤溶液に、共重合体を浸して失活処理する方法、アンモニアや低分子量アミンの如き塩基性ガスを、共重合体に接触させて失活処理する方法などが挙げられる。
【0023】
このようにして得られた重合体は、必要に応じて、更に安定化処理に供される。安定化処理は、加熱溶融処理、或いは不溶性または可溶性の液体媒体中で加熱し、不安定部分を選択的に分解して除去することにより達成される。特に本発明の重合は、従来法に比べて、重合終了段階での不安定部分が少ないので、安定化は極めて簡略化することが可能となった。最終製品は一般に所定の安定剤の存在下で溶融押出し、ペレット化することによって得る。本発明の方法によれば、最終製品としても安定性が高く、ホルムアルデヒド放出量の少ないポリアセタール共重合体を得ることができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の%は特に記載がない限り重量%を表す。また、実施例中に示される用語及び測定法は、次の通りである。
ホルムアルデヒド放出量の測定方法:
試料を200℃に保ったシリンダーに充填して溶融させた後、溶融物をシリンダーから密閉容器内に押出した。この密閉容器に窒素ガスを流し、出てきた窒素ガスに含まれるホルムアルデヒドを水に溶かして捕集し、水中のホルムアルデヒド濃度を測定することで、溶融物から放出されたホルムアルデヒドの重量を求めた。この値を溶融物の重量で除してホルムアルデヒド放出量(単位:ppm)とした。
【0025】
(実施例1〜18)
表1に示すような活性水素を持たない溶媒1リットルに、所定量のヘテロポリ酸(重合開始剤)を溶かして重合開始剤溶液を調製した。主モノマーであるトリオキサンにコモノマーとして1,3−ジオキソラン、連鎖移動剤としてメチラールを添加したモノマー液をコモノマーの濃度が全モノマー1kg当たり0.48mol、連鎖移動剤の濃度が全モノマー1kg当たり0.014molになるように調製した。この重合開始剤溶液およびモノマー液を送液するそれぞれの配管を合流させ、スタティックミキサーに通して混合した後、直ちに重合反応装置に供給して重合した。なお、重合開始剤の濃度が全モノマー1kg当たり6.0×10-7molになるように送液量を調整した。
重合反応装置としては、内径80mmの二つの円が一部重なった断面を有し、有効長1.3mの外側に熱媒を通すジャケット付きのバレルとその内部に攪拌、推進用の多数のパドルを付した2本の回転軸を長手方向に設けた連続式混合反応機を使用した。ジャケットに80℃の熱媒を通し、2本の回転軸を150rpmの一定速度で回転させた。
【0026】
重合反応装置より出てきた共重合体を集め、これにアンモニアを0.2体積%含有する窒素ガスを30分間通気して重合反応の失活を行った。失活後の共重合体樹脂に安定剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.5%およびメラミン0.2%を添加し、混合した後、ベント付押出機を用いてシリンダー温度210℃、ベント部の真空度が−70cmHg(ゲージ圧)で溶融混練して、ペレットにした。このペレットを乾燥した後、ホルムアルデヒド放出量を測定した。結果を表1に示した。表1に示されるように、ホルムアルデヒド放出量の少ないポリアセタール共重合体を得ることができた。
【0027】
【表1】
Figure 0003916787
【0028】
(比較例1〜4)
重合開始剤の溶媒にアルコール類や水のような活性水素を有する溶媒を用いた以外は実施例と全く同様に実験した。結果を表2に示した。得られたポリアセタール共重合体のホルムアルデヒド放出量は実施例に比べて多くなった。
【0029】
(比較例5および6)
活性水素を持たない溶媒であるジ−n−ブチルエーテル(分子量130)およびジエチルエーテル(分子量74)のそれぞれ1リットルにリンタングステン酸5.0×10-4mol溶解させようとしたが全量は溶けなかった。5.0×10-5molでは全量溶解したので、これを重合開始剤溶液とした以外は、実施例と全く同様に実験した。結果を表2に示した。得られたポリアセタール共重合体のホルムアルデヒド放出量は実施例に比べて多くなった。
【0030】
【表2】
Figure 0003916787
【0031】
【発明の効果】
明細書の記述および実施例から明らかなように、重合開始剤の溶媒に開始剤の溶解度が高く、かつ活性水素を持たない有機溶媒を用いることで、ホルムアルデヒド放出量の少ない、高品質のポリアセタール共重合体を得ることができる。

Claims (3)

  1. ヘテロポリ酸またはその酸性塩を重合開始剤として、主モノマーのトリオキサンと、少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテルまたは環状ホルマールのコモノマーとを共重合して、ポリアセタール共重合体を連続的に製造するにあたり、重合開始剤の溶媒として、溶媒1リットル当たり5×10-4mol以上の該重合開始剤を溶解することができ、かつ、活性水素を持たない有機溶媒であるギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン又はこれらの混合溶媒を用い、溶媒1リットル当たり5×10 -4 mol以上の該重合開始剤を溶解した重合開始剤溶液を使用することを特徴とするポリアセタール共重合体の製造方法。
  2. 重合開始剤が、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、またはそれらの酸性塩より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  3. コモノマーが、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、エチレンオキシドから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
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