JP3911881B2 - 駆動装置の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンから出力された動力の変動を、動力伝達経路において吸収することの可能な駆動装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用の駆動装置においては、エンジンを駆動させる燃料の節約と、エンジンの回転による騒音の低減と、燃料の燃焼により発生する排気ガスの低減とが要望されている。この要望に対処するため、エンジンおよび電動機を搭載したハイブリッド車が提案されている。このハイブリッド車においては、車両の走行状態に基づいてエンジンまたは電動機を制御して、車両を走行させるように構成されている。
【0003】
上記のハイブリッド車においては、電動機に電流を供給するためのバッテリが搭載されている。このため、バッテリの充電量が低下した場合には、充電をおこなう必要がある。しかしながら、車両とは別に独立して設置されている充電システムによりバッテリの充電をおこなうのでは、充電作業自体が面倒である。また、充電システムの存在しない場所においては、バッテリの充電をおこなうことができないという不都合がある。
【0004】
そこで、上記電動機として、発電機能をも兼備したモータ・ジェネレータが使用されている。このモータ・ジェネレータを使用すれば、エンジンの動力、または減速時に車輪から入力される動力により、モータ・ジェネレータを発電機として機能させることが可能である。そして、発生した電気エネルギをバッテリに充電しておけば、前述した不都合を解消できる。
【0005】
一方、エンジンと変速機との間の動力伝達経路に、流体式動力伝達装置を配置することがある。この流体式動力伝達装置の機能により、エンジンの動力変動(言い換えれば振動)が変速機に伝達されることを抑制することができる。この流体式動力伝達装置は、エンジンの出力軸に接続された第1回転部材と、変速機の入力軸に接続された第2回転部材とを備えている。また、流体式動力伝達装置のケーシングの内部には、作動流体が封入されている。そして、第1回転部材の回転が流体を介して第2回転部材に伝達される。この流体式動力伝動装置においては、動力の伝達時に第1回転部材と第2回転部材とが流体によって相対回転する。このため、エンジンの動力変動が生じた場合でも、エンジンの動力変動が変速機に伝達されにくいという利点がある。
【0006】
このように、エンジンの動力伝達経路に、モータ・ジェネレータおよび流体式動力伝達装置が設けられている制御装置の一例が、特開平8−168104号公報に記載されている。この公報に記載された制御装置は、エンジンの出力軸にモータ・ジェネレータが設けられている。また、エンジンの出力軸は、トルクコンバータを介して変速機に連結されている。このトルクコンバータは、流体式動力伝達装置であり、回転部材同士を機械的に接続する直結クラッチが設けられている。上記モータ・ジェネレータは、エンジンとトルクコンバータとの間に配置されている。また、モータ・ジェネレータには、インバータを介してバッテリが接続されている。
【0007】
この公報に記載された制御装置によれば、モータ・ジェネレータを発電機または電動機として機能させることにより、エンジンの回転変動(言い換えれば脈動)を打ち消すことが可能である。このため、低車速域においても直結クラッチを係合させることができ、燃費の向上およびドライバビリティの向上を図ることができる。また、バッテリの端子間電圧が低下したり、インバータやモータ・ジェネレータに何らかの故障が生じるなどの理由により、モータ・ジェネレータによる脈動制御が不可能であることが検知された場合は、直結クラッチを係合させる車速を高車速側にシフトさせる制御がおこなわれる。つまり、低車速であり、かつ、脈動制御が不可能な状況下においては、直結クラッチの係合が回避される。したがって、ドライバビリティの悪化を防止することができるとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、モータ・ジェネレータが故障している場合には、エンジントルクの変動を打ち消すように、モータ・ジェネレータの機能を制御することは不可能である。ここで、単にモータ・ジェネレータを駆動させるための電力が低下したような場合は、モータ・ジェネレータのトルクを抑制してエンジントルク変動の一部を打ち消す制御をおこなうことも可能である。
【0009】
しかし、上記公報には、このような事態に対応する制御内容は、何も記載されていない。よって、このような事態が生じた場合は、一律ロックアップクラッチをオフ(解放)する制御をおこなうことになってしまい、燃費を向上させることができなくなる可能性があった。
【0010】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、エンジンから出力された動力の変動を、回転機により全て打ち消すことができない場合にも、可及的に燃費を向上させることの可能な駆動力の制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、車両に設けられたエンジンの動力伝達経路に、機械エネルギを電気エネルギに変換する機能、または電気エネルギを機械エネルギに変換する機能の少なくとも一方の機能を有する回転機と、流体により動力の伝達をおこなう複数の回転部材を有する流体式動力伝達装置と、前記回転部材同士を機械的に接続するために係合されるクラッチ機構とが設けられており、前記エンジンから出力される動力の変動を前記回転機の機能により打ち消すことの可能な駆動装置の制御装置において、前記車両でこもり音が発生する領域か否かを判定するこもり音判定手段と、前記こもり音が発生する領域で前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御をおこなう第1の制振制御手段と、前記回転機により打ち消された前記エンジンの動力変動の残留値に基づいて前記クラッチ機構を制御することにより、伝達される動力に対応する前記回転部材同士の相対回転数を設定するクラッチ制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明によれば、車両でこもり音が発生する領域と判定された場合は、回転機によりこもり音を打ち消す制振制御がおこなわれる。そして、回転機により打ち消されたエンジンの動力変動の残留値に基づいてクラッチ機構を制御することにより、伝達される動力に対応する回転部材同士の相対回転数が制御される。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記クラッチ制御手段には、前記エンジンの動力変動の残留値が大きいほど、前記回転部材同士の相対回転数を大きく設定する機能が含まれていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項2の発明によれば、請求項1の作用に加えて、エンジンの動力変動の残留値が大きいほど、伝達される動力に対応する回転部材同士の相対回転数が大きく設定される。
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記こもり音が発生する領域で前記回転機に供給する電力の充電量を判定する充電量判定手段が設けられており、前記クラッチ制御手段は、前記電力の充電量が所定値未満と判断され、かつ、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御がおこなわれた後に、前記エンジンの動力変動の残留値に基づいて前記クラッチ機構を完全解放またはスリップさせる手段を含み、前記電力の充電量が所定値以上と判断された場合は、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御をおこない、かつ、前記クラッチ機構を完全係合させる第2の制振制御手段を、更に有していることを特徴とするものである。この請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、前記こもり音が発生する領域で前記回転機に供給する電力の充電量が判定される。そして、前記電力の充電量が所定値未満と判断され、かつ、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御がおこなわれた後に、前記エンジンの動力変動の残留値に基づいて前記クラッチ機構が完全解放またはスリップされる。これに対して、前記電力の充電量が所定値以上と判断された場合は、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御をおこない、かつ、前記クラッチ機構を完全係合させる制御がおこなわれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図を参照してより具体的に説明する。図2は、この発明を適用したハイブリッド車の構成を示すブロック図である。車両の第1の動力源であるエンジン1としては、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはガスタービンエンジンまたはジェットエンジン等の内燃機関が用いられる。この実施例のエンジン1は、燃料噴射装置および吸排気装置ならびに点火装置等を備えた公知の構造のものである。
【0016】
また、エンジン1の吸気管には電子スロットルバルブ1Bが設けられており、電子スロットルバルブ1Bの開度が電気的に制御されるように構成されている。エンジン1の動力伝達経路、つまりトルク伝達経路には、トルクコンバータ2およびモータ・ジェネレータ3ならびに歯車変速機構4が直列に配置されている。車両の第2の動力源であるモータ・ジェネレータ3は、例えば交流同期型のものが適用される。なお、エンジン1とトルクコンバータ2との間にモータ・ジェネレータ3が配置され、モータ・ジェネレータ3と歯車変速機構4との間にトルクコンバータ2が配置されている。
【0017】
このモータ・ジェネレータ3は、永久磁石(図示せず)を有する回転子(図示せず)と、コイル(図示せず)が巻き付けられた固定子(図示せず)とを備えている。そして、コイルの3相巻き線に3相交流電流を流すと回転磁界が発生し、この回転磁界を回転子の回転位置および回転速度に合わせて制御することにより、回転子に配置された永久磁石が回転磁界により動作してトルクが発生する。発生するトルクは電流の大きさにほぼ比例し、回転数は交流電流の周波数により制御される。
【0018】
一方、モータ・ジェネレータ3には、図6に示すようにインバータ40を介してバッテリ41が接続され、モータ・ジェネレータ3およびインバータ40ならびにバッテリ41を制御するコントローラ42が設けられている。前記インバータ40は、バッテリ41の直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジェネレータ3に供給する一方、モータ・ジェネレータ3で発電された3相交流電流を直流電流に変換してバッテリ41に供給する3相ブリッジ回路(図示せず)を備えている。
【0019】
この3相ブリッジ回路は、例えば6個のパワートランジスタ(図示せず)を電気的に接続して構成され、これらのパワートランジスタのオン・オフを切り換えることにより、モータ・ジェネレータ3とバッテリ41との間の電流の向きを切り換える。このようにして、3相交流電流と直流電流との相互の変換と、モータ・ジェネレータ3に印可される3相交流電流の周波数の調整と、モータ・ジェネレータ3に印可される3相交流電流の大きさの調整と、回生制動トルクの大きさの調整とがおこなわれる。
【0020】
そして、モータ・ジェネレータ3を電動機として機能させる場合は、バッテリ41からの直流電圧を交流電圧に変換してモータ・ジェネレータ3に供給する。また、モータ・ジェネレータ3を発電機として機能させる場合は、回転子の回転により発生した誘導電圧をインバータ40により直流電圧に変換してバッテリ41に充電する。
【0021】
そして、コントローラ42は、バッテリ41からモータ・ジェネレータ3に供給される電流値、またはモータ・ジェネレータ3により発電される電流値を検出または制御する機能を備えている。また、コントローラ42は、モータ・ジェネレータ3の回転数を制御する機能と、バッテリ41の充電状態(SOC:state of charge)を検出および制御する機能とを備えている。なお、バッテリ41には補機41Aが接続されており、バッテリ41から供給される電流により補機41Aが作動するように構成されている。補機41Aとしては、エアコンプレッサ、照明装置、デフォッガ等が例示される。
【0022】
図3は、トルクコンバータ2および歯車変速機構4の構成を示すスケルトン図である。このトルクコンバータ2および歯車変速機構4が内蔵されたケーシング(図示せず)の内部には、作動流体としてのオートマチック・トランスミッション・フルード(図示せず)が封入されている。
【0023】
トルクコンバータ2は流体式トルク伝達装置の一種であり、このトルクコンバータ2は、トルク増幅機能を備えている。このトルクコンバータ2は、駆動側回転部材の動力(つまりトルク)を、流体により従動側回転部材に伝達するものである。このトルクコンバータ2は、ポンプインペラ7に一体化させたフロントカバー8と、タービンランナ9を一体に取付けたハブ10と、ロックアップクラッチ11とを有している。ロックアップクラッチ11とポンプインペラ7およびタービンランナ9とは相互に並列に配置されている。ロックアップクラッチ11は係合・解放可能に構成されており、ロックアップクラッチ11が解放されている場合は、ポンプインペラ7とタービンランナ9との間で、流体よりトルクの伝達がおこなわれる。また、ロックアップクラッチ11が係合された場合は、フロントカバー8とハブ10とが機械的に接続される。
【0024】
フロントカバー8はクランクシャフト12に連結されている。また、ポンプインペラ7およびタービンランナ9の内周側には、ステータ13が設けられている。このステータ13は、ポンプインペラ7からタービンランナ9に伝達されるトルクを増幅するためのものである。さらに、ハブ10には入力軸14が接続されている。したがって、エンジン1のクランクシャフト12からトルクが出力されると、このトルクが作動流体またはロックアップクラッチ11を介して入力軸14に伝達される。これとは逆に、入力軸14のトルクを、作動流体またはロックアップクラッチ11を介してエンジン1に伝達することも可能である。
【0025】
前記歯車変速機構4は、副変速部15および主変速部16から構成されている。副変速部15は、オーバドライブ用の遊星歯車機構17を備えており、遊星歯車機構17はキャリヤ18を有し、キャリヤ18に入力軸14が連結されている。この遊星歯車機構17を構成するキャリヤ18とサンギヤ19との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラッチF0 は、サンギヤ19がキャリヤ18に対して相対的に正回転、つまり、入力軸14の回転方向に回転した場合に係合するようになっている。そして、副変速部15の出力要素であるリングギヤ20が、主変速部16の入力要素である中間軸21に接続されている。また、サンギヤ19の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
【0026】
したがって、副変速部15は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合することにより、遊星歯車機構17の全体が一体となって回転する。このため、中間軸21が入力軸14と同速度で回転し、低速段となる。また、ブレーキB0 を係合させてサンギヤ19の回転を止めた状態では、リングギヤ20が入力軸14に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0027】
他方、主変速部16は、三組の遊星歯車機構22,23,24を備えており、三組の遊星歯車機構22,23,24を構成する回転要素が、以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構22のサンギヤ25と、第2遊星歯車機構23のサンギヤ26とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊星歯車機構22のリングギヤ27と、第2遊星歯車機構23のキャリヤ29と、第3遊星歯車機構24のキャリヤ31とが連結されている。さらに、キャリヤ31に出力軸32が連結されている。そして、車輪32Aがトルク伝達装置(図示せず)を介して車輪32Aに接続されている。さらにまた、第2遊星歯車機構23のリングギヤ33が、第3遊星歯車機構24のサンギヤ34に連結されている。
【0028】
この主変速部16の歯車列においては、後進側の1つの変速段と、前進側の4つの変速段とを設定することができる。このような変速段を設定するための摩擦係合装置、つまりクラッチおよびブレーキが、以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、リングギヤ33およびサンギヤ34と、中間軸21との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互いに連結されたサンギヤ25およびサンギヤ26と、中間軸21との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0029】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構22のサンギヤ25、および第2遊星歯車機構23のサンギヤ26の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ25,26とケーシング35との間には、第1一方向クラッチF1 と、多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF1 はサンギヤ25,26が逆回転、つまり入力軸14の回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合するようになっている。
【0030】
第1遊星歯車機構22のキャリヤ37とケーシング35との間に、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構24はリングギヤ38を備えており、リングギヤ38の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と、第2一方向クラッチF2 とが設けられている。
【0031】
第4ブレーキB4 および第2一方向クラッチF2 は、ケーシング35とリングギヤ38との間に相互に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ38が逆回転しようとする際に係合するように構成されている。さらに、歯車変速機構4の入力回転数を検出する入力回転数センサ(タービン回転数センサ)4Aと、歯車変速機構4の出力軸32の回転数を検出する出力回転数センサ(車速センサ)4Bとが設けられている。
【0032】
上記のように構成された歯車変速機構4においては、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図4の動作図表に示すように係合・解放することにより、前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図4において○印は摩擦係合装置が係合することを示し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置が係合することを示し、△印は摩擦係合装置が係合・解放のいずれでもよいこと、言い換えれば、摩擦係合装置が係合されてもトルクの伝達には無関係であることを示し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを示している。
【0033】
また、この実施例では、シフトレバー4Cのマニュアル操作により、図5に示すようなシフトレバーポジションを設定することが可能である。すなわち、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、L(ロー)ポジションの各ポジションを選択可能になっている。
【0034】
また、図2に示された油圧制御装置39により、歯車変速機構4の変速段の切り換え制御と、ロックアップクラッチ11の係合・解放の切り換え制御と、ロックアップクラッチ11に所定量の滑りを与えるスリップ制御と、油圧回路のライン圧の制御と、摩擦係合装置の係合圧の制御とがおこなわれる。この油圧制御装置39は電気的に制御されるもので、歯車変速機構4の変速を実行するための第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S3 と、エンジンブレーキ状態を制御するための第4ソレノイドバルブS4 とを備えている。
【0035】
さらに、油圧制御装置39は、油圧回路のライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLTと、歯車変速機構4の変速過渡時におけるアキュームレータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLNと、ロックアップクラッチ11や所定の摩擦係合装置に作用する油圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUとを備えている。このように、歯車変速機構4および油圧制御装置39により、いわゆる有段式の自動変速機が構成されている。
【0036】
図7は、図2および図6に示されたシステムの制御回路を示すブロック図である。電子制御装置(ECU)58は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入力・出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0037】
この電子制御装置58には、エンジン回転数センサ59の信号、エンジン水温センサ60の信号、吸入空気温度センサ76の信号、イグニッションスイッチ61の信号、バッテリ41の充電状態(言い換えれば電圧)およびモータ・ジェネレータ3の電流値を示すコントローラ42の信号、モータ・ジェネレータ3のコイルの温度を検出する温度センサ42Aの信号、エアコンスイッチ62の信号、車速センサ4Bの信号、オートマチック・トランスミッション・フルードの温度を検出する油温センサ63の信号、シフトレバー4Cの操作位置を検出するシフトポジションセンサ64の信号等が入力されている。
【0038】
また、電子制御装置58には、運転者の停車意図を検出するパーキングブレーキスイッチ65の信号、運転者の減速意図または制動意図を検出するフットブレーキスイッチ66の信号、排気管(図示せず)の途中に設けられた触媒温度センサ67の信号、アクセルペダル1Aの踏み込み量を示すアクセル開度センサ68の信号、エンジン1の電子スロットルバルブ1Bの開度を示すスロットル開度センサ69の信号、タービン回転数センサ4Aの信号、モータ・ジェネレータ3の回転数センサ(レゾルバ)70の信号、吸入空気量を検出するエアフロメータ71の信号等が入力されている。
【0039】
この電子制御装置58からは、エンジン1の点火装置72を制御する信号、エンジン1の燃料噴射装置73を制御する信号、コントローラ42を介してモータ・ジェネレータ3を制御する信号、油圧制御装置39を制御する信号、エンジン1の運転状態を示すインジケータ74への表示信号、電子スロットルバルブ1Bの開度を制御するアクチュエータ75への制御信号などが出力されている。
【0040】
このようにして、電子制御装置58に入力される各種の信号に基づいて、エンジン1の動作およびモータ・ジェネレータ3の動作ならびに歯車変速機構4の動作が制御される。より具体的には、エンジン1の始動・停止、エンジン回転数、エンジントルクの制御は、シフトポジションセンサ64の信号、イグニッションスイッチ61の信号、アクセル開度センサ68の信号、バッテリ41の充電状態を示す信号、自動変速機の変速比、油温センサ63Aの信号などに基づいておこなわれる。
【0041】
ここで、エンジン回転数またはエンジントルクは、電子スロットルバルブ1Bの開度による吸入空気量の制御と、点火装置72による点火時期制御と、燃料噴射装置73による燃料噴射量制御とにより増減することが可能である。また、バッテリ41の充電状態に基づいて、モータ・ジェネレータ3の発電機能が制御される。さらに、車両に必要なパワーに基づいて、モータ・ジェネレータ3を電動機として機能させる制御がおこなわれる。
【0042】
つぎに、電子制御装置58による歯車変速機構4および油圧制御装置39の制御内容を具体的に説明する。電子制御装置58には、歯車変速機構4の変速比を制御する変速線図(変速マップ)が記憶されている。この変速線図には、車両の走行状態、例えばアクセル開度と車速とをパラメータとして、所定の変速段から他の変速段に変速(アップシフトまたはダウンシフト)するための変速点が設定されている。
【0043】
そして、この変速線図に基づいて変速判断がおこなわれ、この変速判断が成立した場合は、電子制御装置58から制御信号が出力され、この制御信号が油圧制御装置39に入力される。その結果、所定のソレノイドバルブが動作し、所定の摩擦係合装置の係合・解放がおこなわれて変速が実行される。そして、変速を実行する摩擦係合装置の係合・解放のタイミング、および摩擦係合装置に作用する油圧が、エンジントルクに基づいて制御される。
【0044】
ここで、上記ハイブリッド車の制御内容を簡単に説明する。イグニッションスイッチ61がスタート位置に操作されると、モータ・ジェネレータ3のトルクがエンジン1に伝達され、かつ、燃料噴射装置73による燃料噴射制御がおこなわれ、エンジン1が始動する。そして、エンジン水温が所定値になり、かつ、バッテリ41の充電が不要な場合は、所定時間後にエンジン1が自動的に停止される。
【0045】
そして、アクセルペダル1Aが踏み込まれると、モータ・ジェネレータ3のトルクがトルクコンバータ2を介して歯車変速機構4に伝達されるとともに、このトルクが車輪32Aに伝達されて車両が発進する。車両の発進時および低速走行時のように、エンジン効率が低下する領域においては、燃料噴射装置73による燃料噴射をおこなわず、モータ・ジェネレータ3の出力のみにより車両が走行する。また通常走行時には、自動的にエンジン1が始動され、エンジン出力により車両が走行する。高負荷走行時には、エンジン1の出力およびモータ・ジェネレータ3の出力により車両が走行する。
【0046】
車両の走行に必要なパワーは、アクセル開度および車速に基づいて演算される。そして、予め電子制御装置58に記憶されている最適燃費線に基づいてエンジン回転数が演算される。さらに、電子スロットルバルブ1Bの開度制御をおこなうとともに、歯車変速機構4の変速比に基づいてモータ・ジェネレータ3の回転数を求め、エンジン回転数を制御する。これと同時に、必要な駆動力に対して、モータ・ジェネレータ3が分担するトルクが演算される。また、エンジン1のトルク変動が、クランクシャフト12の回転速度の時間変化に基づいて演算されている。そして、エンジン1のトルク変動とは正反対(つまり、逆位相)のトルクを発生するようにモータ・ジェネレータ3の機能が制御され、入力軸14に入力されるトルクの変動を吸収(言い換えれば抑制)している。
【0047】
車両の減速時または制動時には、車輪32Aから入力されたトルクが歯車変速機構4およびトルクコンバータ2を介してモータ・ジェネレータ3に伝達される。この場合は、モータ・ジェネレータ3が発電機として機能し、回収した電気エネルギをバッテリ41に充電する。また、バッテリ41は、充電量(言い換えれば電圧)が所定の範囲になるように制御されており、充電量が少なくなった場合は、エンジン出力を増大させ、その一部をモータ・ジェネレータ3に伝達して発電させる。なお、車両の停車時には自動的にエンジン1が停止される。
【0048】
ここで、ロックアップクラッチ11の制御について説明する。ロックアップクラッチ11は、通常は、アクセル開度、車速、シフトポジション、変速段(つまり、変速比)などに基づいて制御されている。このため、電子制御装置58には、アクセル開度および車速をパラメータとするロックアップクラッチ制御マップが記憶されている。このロックアップクラッチ制御マップにより、ロックアップクラッチ11の完全係合領域と、スリップ領域と、完全解放領域とが設定されている。ロックアップクラッチ11がスリップ制御された場合は、エンジン1のトルクまたは車輪32Aから入力される運動エネルギ(トルク)により、ポンプインペラ7とタービンランナ9との相対回転が可能になる。
【0049】
ロックアップクラッチ11の係合が可能になる状態としては、Dポジションで第5速が設定されている場合、または4ポジションで第4速が設定されている場合が例示される。また、ロックアップクラッチ11のスリップ制御が可能になる状態としては、Dポジションで第4速または第5速が設定されている場合、または4ポジションで第4速が設定されている場合が例示される。さらに、この実施例においては、こもり音の発生する状態にある場合は、前述したロックアップクラッチ制御マップ以外の条件に基づいて、ロックアップクラッチ11に作用する油圧(係合圧)を制御することが可能である。
【0050】
ここで、この実施例の構成と、この発明との対応関係を説明する。すなわちモータ・ジェネレータ3がこの発明の回転機に相当し、トルクコンバータ2がこの発明の流体式動力伝達装置に相当し、ポンプインペラ7およびタービンランナ9が、この発明の回転部材に相当する。また、ロックアップクラッチ11がこの発明のクラッチ機構に相当し、クランクシャフト12、入力軸14、歯車変速機構4、出力軸32などの動力伝達装置により、この発明の動力伝達経路が形成されている。
【0051】
つぎに、こもり音発生領域におけるロックアップクラッチ11の制御例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、図7に示された各種のセンサやスイッチの信号が電子制御装置58に入力され、電子制御装置58によりこれらの信号が処理される(ステップ100)。ついで、車両の室内におけるこもり音の発生状態が判定される(ステップ101)。この実施形態においては、エンジン1の運転状態、例えば、車速およびスロットル開度からこもり音の発生状態が間接的に判断される。一般に、エンジン1の爆発振動は、トルクコンバータ2、入力軸14、歯車変速機構4、出力軸32などの動力伝達装置に伝達される。このため動力伝達経路が、エンジン1の振動とほぼ等しい固有振動数であった場合に共振現象が生じる。
【0052】
このように、強制源となるエンジン1の振動周波数と、振動の伝達系となる装置の固有振動数とが一致したときに、こもり音のレベルが高くなる。そして、エンジン1の燃焼状態が不安定になる各種の条件下、具体的には、低速・中速領域、所定のアクセル開度(または電子スロットル開度)、所定のエンジン回転数の状態では、こもり音が発生しやすくなる。そこで、これらの条件に基づいて、こもり音が発生するか否かを間接的に判定することが可能である。
【0053】
そして、ステップ101において、こもり音が発生しない情況であると判定された場合は、そのままリターンされ、通常のロックアップクラッチ制御マップ(図示せず)により、ロックアップクラッチ11が制御される。このロックアップクラッチ制御マップには、車速およびアクセル開度に基づいて、ロックアップクラッチ11を完全係合する領域と、スリップ制御する領域と、完全解放する領域とが設定されている。
【0054】
一方、ステップ101で肯定判断された場合は、モータ・ジェネレータ3の制御機能がフェールしているか否かが判断される(ステップ102)。ステップ102の判断基準には、インバータ40またはモータ・ジェネレータ3のフェール状態、あるいはモータ・ジェネレータ3のコイルの温度などが含まれる。
【0055】
ステップ102で肯定判断された場合は、エンジン1のトルク変動(言い換えれば振動)を、モータ・ジェネレータ3の機能により吸収(言い換えれば制振動)することが不可能であるため、ロックアップクラッチ11を完全解放(オフ)させる制御をおこない(ステップ103)、リターンされる。
【0056】
ところで、ステップ102で否定判断された場合は、エンジン1のトルク変動をモータ・ジェネレータ3の機能により打ち消す(吸収もしくは緩和)することが可能である。そこで、エンジン1のトルク変動を、モータ・ジェネレータ3の機能により、どの程度打ち消すことが可能であるか否かが判断される(ステップ104)。このステップ104の判断基準としては、バッテリ41の充電量SOCが例示される。すなわち、バッテリ41の充電量SOCに基づいてモータ・ジェネレータ3の発電機としての機能、または電動機としての機能を判断することが可能である。なお、所定値Low%は、予め電子制御装置58に記憶されている。また、この所定値Low%は、エンジントルクの変動量に応じて変更することも可能である。そして、バッテリ41の充電量SOCの判断結果に基づいて、エンジントルクの変動量をモータ・ジェネレータ3の機能により打ち消した場合の残留値(残留変動量)が推定される。
【0057】
ステップ104でバッテリ41の充電量SOCが所定値Low%以上あると判断された場合は、エンジントルクの変動を、モータ・ジェネレータ3の機能により全て打ち消すことが可能であると推定される。図8は、エンジントルクと時間との対応関係を示す線図である。図8に示すように、エンジントルクは、実線のように、所定の振幅で所定のトルク変動量を示す正弦波として表れる。そして、バッテリ41の充電量SOCに基づいて、モータ・ジェネレータ3の機能によりエンジンのトルク変動量を打ち消した場合の残留量が推定される。図8には、モータ・ジェネレータ3により、エンジントルクの変動の一部を打ち消した場合の特性が、破線で示されている。
【0058】
図9は、モータ・ジェネレータ3の機能によりエンジンのトルク変動量を打ち消した場合の残留量と、ロックアップクラッチ11の係合圧の制御内容との関係を示す線図である。そして、バッテリ41の充電量SOCが所定値Low%以上あると判断された場合は、モータ・ジェネレータ3により、このエンジントルクの変動を打ち消す制振制御がおこなわれる(ステップ105)。その結果、残留変動量が図9に示すように、「零」になるように制御される。つまり、こもり音の発生レベルが低くなる。ついで、ロックアップクラッチ11を完全係合(オン)状態に制御し(ステップ106)、リターンされる。このようにして、こもり音の発生が抑制され、かつ、ロックアップクラッチ11の完全係合(オン)により動力損失が抑制され、燃費が向上する。
【0059】
一方、ステップ104で否定判断された場合は、エンジントルクの変動を、残りの電力でモータ・ジェネレータ3により全て打ち消すことが不可能であることになる。そこで、モータ・ジェネレータ3によりエンジントルクの変動を一部打ち消す制御(MG制振制御)がおこなわれる(ステップ107)。ついで、エンジントルクの変動をモータ・ジェネレータ3により打ち消した後におけるエンジントルクの残留変動量が、所定値ΔTT1以上であるか否かが判断される(ステップ108)。この所定値ΔTT1は、予め電子制御装置58に記憶されている。ステップ108で肯定判断された場合は、エンジントルクの残留変動量が比較的多い(大きい)ため、ステップ103に進みこもり音の発生を抑制する。
【0060】
一方、ステップ108で否定判断された場合は、エンジントルクの残留変動量が比較的少ない(小さい)ため、ロックアップクラッチ11をスリップ制御して(ステップ109)リターンする。このようにして、エンジントルク残留変動量によるこもり音が抑制され、かつ、ロックアップクラッチ11のスリップ制御により動力伝達効率の低下が抑制されて燃費が可及的に向上する。ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。ステップ101が、この発明のこもり音判定手段に相当し、ステップ104が、この発明の充電量判断手段に相当し、ステップ107が、この発明の第1の制振制御手段に相当し、ステップ105およびステップ106が、この発明の第2の制振制御手段に相当し、ステップ103、ステップ108、ステップ109がこの発明のクラッチ制御手段に相当する。
【0061】
以上のように、図1の制御例によれば、モータ・ジェネレータ3によりエンジントルクの変動を打ち消した後の残留変動量を推定し、その推定結果に基づいて、ロックアップクラッチ11の係合圧を制御して、伝達される動力に対応するポンプインペラ7とタービンランナ9との相対回転数を制御している。つまり、トルクコンバータ2の動力伝達効率が制御されている。
【0062】
したがって、モータ・ジェネレータ3によるエンジントルクの変動の打ち消し機能に応じて、伝達される動力に対応するポンプインペラ7とタービンランナ9との相対回転数、つまり動力伝達効率を制御することができ、燃費が向上する。また、モータ・ジェネレータ3の機能によるエンジン1の動力変動打ち消し後の残留変動量が大きいほど、ポンプインペラ7とタービンランナ9との相対回転数が大きくなりやすいように、ロックアップクラッチ11の係合圧が設定される。したがって、モータ・ジェネレータ3の機能によるエンジントルクの変動の打ち消し機能が低下した場合は、タービンランナ7とポンプインペラ9との相対回転数を大きく設定することにより、このエンジントルクの変動をトルクコンバータ2により吸収もしくは緩和することができる。
【0063】
なお、図1の制御例においては、モータ・ジェネレータ3によるエンジントルク変動の打ち消し後における残留変動量に基づいて、ロックアップクラッチ11の状態を強制的に制御しているが、図10に示すようなロックアップクラッチ制御マップ、および図11に示す図表に基づいて、ロックアップクラッチ11の係合圧を制御することも可能である。
【0064】
すなわち、図10においては、車速と、こもり音の発生状態を左右するアクセル開度とをパラメータとするロックアップクラッチ制御マップに、領域A1,〜D1が設定されている。そして、各領域におけるロックアップクラッチ11の制御内容が、モータ・ジェネレータ3によるエンジントルクの変動打ち消し後における変動量残留値と所定値ΔTT1との関係に基づいて、それぞれ図11のように設定されている。なお、図11の図表においては、モータ・ジェネレータ3の機能がフェールしている場合も、残留変動量が所定値ΔTT1以上である場合と同様にロックアップクラッチ11を制御している。図10のロックアップクラッチ制御マップおよび図11の図表に基づいて、ロックアップクラッチ11の状態を制御した場合においても、前述と同様の作用効果を得られる。なお、この発明の流体式動力伝達装置には、トルク増幅機能のないフルードカップリングも含まれる。
【0065】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、車両でこもり音が発生する領域と判定された場合は、回転機によりエンジンの動力変動を打ち消す制振制御がおこなわれるとともに、回転機により打ち消されたエンジンの動力変動の残留値に基づいてクラッチ機構を制御することにより、伝達される動力に対応する回転部材同士の相対回転数が設定される。したがって、回転機の機能制御によるエンジンの動力変動の打ち消し機能に応じて、回転部材同士の動力伝達効率を制御することができ、燃費が向上するとともに、こもり音の発生を抑制できる。
【0066】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、エンジンの動力変動の残留値が大きいほど、伝達される動力に対応する回転部材同士の相対回転数が大きく設定される。したがって、回転機の機能制御によるエンジントルクの変動の打ち消し機能が低下した場合は、伝達される動力に対応して回転部材同士の相対回転数を大きく設定することにより、このエンジンの動力変動を流体式動力伝達装置により吸収もしくは緩和することができる。さらに、請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、前記こもり音が発生する領域で前記回転機に供給する電力の充電量を判定できる。また、前記電力の充電量が所定値未満と判断され、かつ、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御がおこなわれた後に、前記エンジンの動力変動の残留値に基づいて前記クラッチ機構が完全解放またはスリップされる。これに対して、前記電力の充電量が所定値以上と判断された場合は、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御をおこない、かつ、前記クラッチ機構を完全係合させる制御がおこなわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明が適用されたハイブリッド車のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示された歯車変速機構およびトルクコンバータの構成を示すスケルトン図である。
【図4】 図3に示された歯車変速機構で各変速段を設定するための摩擦係合装置の作動状態を示す図表である。
【図5】 図2に示された歯車変速機構を手動操作するシフトレバーのシフトポジションを示す説明図である。
【図6】 図2に示されたモータ・ジェネレータと、他のハード構成との関係を示すブロック図である。
【図7】 この発明が適用されたハイブリッド車の制御系統を示すブロック図である。
【図8】 この発明で用いられるロックアップクラッチ制御マップの一例を示す図である。
【図9】 この発明において、エンジントルクの経時的な変化を示す線図である。
【図10】 この発明の他の制御内容を示すロックアップクラッチの制御マップである。
【図11】 図11のロックアップクラッチ制御マップの各領域の制御内容を示す図表である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…トルクコンバータ、 3…モータ・ジェネレータ、 4…歯車変速機構、 7…ポンプインペラ、 8…フロントカバー、 9…タービンランナ、 10…ハブ、 11…ロックアップクラッチ、 12…クランクシャフト、 14…入力軸、 32…出力軸、 58…電子制御装置。
Claims (3)
- 車両に設けられたエンジンの動力伝達経路に、機械エネルギを電気エネルギに変換する機能、または電気エネルギを機械エネルギに変換する機能の少なくとも一方の機能を有する回転機と、流体により動力の伝達をおこなう複数の回転部材を有する流体式動力伝達装置と、前記回転部材同士を機械的に接続するために係合されるクラッチ機構とが設けられており、前記エンジンから出力される動力の変動を前記回転機の機能により打ち消すことの可能な駆動装置の制御装置において、
前記車両でこもり音が発生する領域か否かを判定するこもり音判定手段と、
前記こもり音が発生する領域で前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御をおこなう第1の制振制御手段と、
前記回転機により打ち消された前記エンジンの動力変動の残留値に基づいて前記クラッチ機構を制御することにより、伝達される動力に対応する前記回転部材同士の相対回転数を設定するクラッチ制御手段と
を備えていることを特徴とする駆動装置の制御装置。 - 前記クラッチ制御手段には、前記エンジンの動力変動の残留値が大きいほど、前記回転部材同士の相対回転数を大きく設定する機能が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置の制御装置。
- 前記こもり音が発生する領域で前記回転機に供給する電力の充電量を判定する充電量判定手段が設けられており、
前記クラッチ制御手段は、前記電力の充電量が所定値未満と判断され、かつ、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御がおこなわれた後に、前記エンジンの動力変動の残留値に基づいて前記クラッチ機構を完全解放またはスリップさせる手段を含み、
前記電力の充電量が所定値以上と判断された場合は、前記回転機により前記こもり音を打ち消す制振制御をおこない、かつ、前記クラッチ機構を完全係合させる第2の制振制御手段を、更に有していることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置の制御装置。
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