JP3909895B2 - 引戸用電気錠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は引戸用電気錠に関する。本発明は、例えば特別養護老人ホームや病院などの引戸用電気錠に適する。
【0002】
【従来の技術】
特別養護老人ホームや病院では、天気の良い日などには、「風を入れたい」という理由で引戸を多少開くような場合がある。このような場合、管理上の観点から、引戸の全閉時はもちろん、所望の通風空間を設定した半開状態(ここでは一般に人の通過が不可能な空間状態:例えば12cmを意味する。)に於いても確実に引戸を施錠状態にする必要がある。
【0003】
そこで、現在、引戸の全閉時並びに半開時に確実に施錠することができる引戸用電気錠の出現が要望されている。
【0004】
ところで、一般に引戸の全閉時信号や半開時施錠用信号を取り出す場合、例えば磁気感応スイッチ、光センサー等掲げることができるが、戸枠の錠ケースに内装された信号検出手段(特に磁気感応スイッチや光センサー)とラッチ係合部材(デッドボルト)との関係で有効かつ確実な信号(誤動作しない信号)を取り出すのが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の要望点や磁気感応スイッチなどの信号検出手段に於ける確実な信号の取出し困難性に鑑み、第1の目的は半開状態に於ける施錠用信号を確実に取り出すことができることである。第2の目的は引戸を所要量開けると、引戸を半開状態で施錠できることである。第3の目的はトリガーがラッチと共にスムースに作動することができることである。第4の目的は錠ケースのコンパクト化の要望を満たすことができることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の引戸用電気錠は、引戸1の開放側端部に取り付けられた半開用デッドボルト3A及びこの半開用デッドボルト3Aに対して所要間隔を有して位置する全閉用デッドボルト3Bと、これらのデッドボルト3A、3Bに係脱するラッチ50を含む施解錠機構Xを内蔵し、かつ、戸枠側に設けられた錠ケース7とから成る引戸用電気錠であり、前記施解錠機構Xは、駆動源30の作動杆31の伸縮動により回動するように錠ケース7に軸支された回動ロック部材35と、この回動ロック部材35にロックされるように錠ケース7に回転及び上下動可能に軸支され、かつ、ラッチ用復帰バネ79で常時突出方向に付勢された前記ラッチ50と、このラッチと一緒に移動することができるように該ラッチに軸支され、かつ、従動体用復帰バネ78のバネのバネ力により所定量回転してそのまま所定位置に停止すると共に、検出手段80用の突起部76を有する従動体70とを備え、前記検出手段80は、引戸が開放方向Aに移動すると、ラッチ50と共に錠ケース7内に後退動する従動体70の回転動を利用し、駆動源30用の検出信号を拾うことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態を、引戸1の上端部或いは上框2に設けた支持箱4に取付けられた複数個のデッドボルト3A、3Bと、これらのデッドボルト3A、3Bに対してそれぞれ係脱〜係合する1個のラッチ50並びにこのラッチ50に組合わせられた従動体(トリガー)70を含む電気錠の施解錠機構Xを内蔵し、かつ、望ましくは戸枠の上枠5内に設けられた錠ケース7との関係で説明する。
【0008】
まず複数個のデッドボルト3A、3Bについて説明する。デッドボルト3A、3Bは、図1又は図3で示すように引戸1のデッドボルト用支持箱4に所要間隔を有して固定されている。ここで「所要間隔」とは、通風空間用の半開状態を形成するためのあいだを意味する。なお、デッドボルト3A、3Bの幅は同一であるが、同一の直線ライン上には位置していない(互い違い)。
【0009】
図1を基準にすると、左右のデッドボルト3A、3Bは、横方向に横設された長箱状の支持箱4に下端部3aが上下方向にスライド可能に内装され、一方、支持箱から突出する上端部3bが後述する駆動体としてのラッチ50に係合する。そして、左右のデッドボルト3A、3Bは、支持箱4に対し、固定具6を介してそれぞれ突出量を任意に調整することができる。
【0010】
デッドボルト3A(3B)の突出量の調整手段の一例について図3を参照に説明する。8は支持箱4の左右の部位にそれぞれ縦方向に形成された調整長孔、9はデッドボルト3A(3B)に形成され、かつ、前記調整長孔8と符合するボルト6a用メネジ貫通孔、6bは座金、6cはボルト6aに螺着するナットである。
【0011】
ところで、本実施例では支持箱4の所定位置に合計2個のデッドボルト3A、3Bがそれぞれ設けられているが、引戸の開放側端部に位置するデッドボルト3Aは、引戸1を半開状態にした時に施解錠機構Xのラッチ50に係止ロックされる係合片であり、一方、引戸の開放側端部寄りの部位に位置するデッドボルト3Bは、引戸1を全閉状態にした時に前記ラッチ50に係止ロックされる係合片である。
【0012】
次に施解錠機構Xを内蔵する錠ケース7について説明する。錠ケース7は長箱状に形成され、上述したように戸枠の上枠5内に横設されている。ここで図2を基準にすると、7aは前壁、7bは後壁、7cは左側壁、7dは右側壁、7eは上壁、7fは底壁である。
【0013】
図1又は図2で示すように前壁7a及び後壁7bには、それぞれ対向する複数個の案内部としての垂直ガイド長孔11、12や軸孔13、14、15が適宜に形成されている。
【0014】
しかして、11は錠ケース7の右側壁7d寄りの部位に形成された弧状部を有する第1垂直ガイド長孔で、この第1垂直ガイド長孔11にはラッチ50を案内するガイド部材としての横軸16が横架されている。
【0015】
また12は第1垂直ガイド長孔11に対して形成され、かつ、錠ケース7の略中央部に位置する第2垂直ガイト長孔で、この第2垂直ガイド長孔12には横軸16と相俟ってラッチ50を上下方向に案内するラッチ突起軸60が係合する。
【0016】
また13は錠ケース7の中央部寄りの部位に形成された第1軸孔で、この第1軸孔13には後述する回動ロック部材を枢支する軸(突起軸又は横軸)17が取付けられる。また14は錠ケース7の略中央部に位置する第2軸孔で、この第2軸孔14にはトリガーバネ用軸18が取付けられる。また15は錠ケース7の右端部に位置する第3軸孔で、この第3軸孔15にはラッチバネ用軸19が取付けられる。
【0017】
さらに、錠ケース7の底壁7fには、錠ケース7の一部を形成する長板状の取付け板20が固定的に設けられ、この取付け板20には固着具21を介してフロント板22が一体的に取付けられている。フロント板22及び取付け板20の両端部は錠ケース7の左右の側壁7c、7dからそれぞれ突出しいる。そして、各板20、22の右端部よりの部位には、前記垂直ガイド長孔11、12のそれぞれ位置を考慮してラッチ用貫通孔23が形成されている。
【0018】
次に施解錠機構Xを構成する各部材について説明する。この施解錠機構Xは、本発明の主要部として回転及び上下方向に移動可能な駆動体(ラッチ)50と、この駆動体と共に錠ケース7内に後退動する従動体(トリガ)70と、この従動体の回転動を利用し、本実施例ではソレノイドに素早く通電させるための検出信号を拾う検出手段(スイッチ)80などを有している。
【0019】
そこで、まず30は駆動源の一例としてのソレノイドである。このソレノイド30は錠ケース7内に横設され、かつ、図示しない接続コードを介し、複数個のスイッチング回路を制御する制御装置に接続している。31はソレノイド30の作動杆で、この作動杆31は水平方向に伸縮動するが、本実施例では通電時に伸張し、一方、非通電時には収縮する。しかして、図4で示すように作動杆31の突出先端部にはやや大径の駆動部32が設けられ、この駆動部32の中央部には駆動ピン33が作動杆と交差する水平方向に突出している。
【0020】
次に35は作動杆31の伸縮動により回動するように錠ケース7に軸17を介して軸支された回動ロック部材である。回動ロック部材35は、前記駆動ピン33を介し、通電時に作動杆31が伸張するとラッチ50の回転を阻止するロック方向に、一方、非通電時に作動杆31が収縮するとラッチ50の回転を許容するロック解除の方向にそれぞれ回転する。
【0021】
この回動ロック部材35は、図4を基準にすると、基本的には前後一対の対向軸受板36と、これらの対向軸受板36を作動杆31の下方の位置で連結する垂直連結板37とから成る。そして、前記対向軸受板36の上端部は作動杆31の駆動部32と外嵌合するように上方に延び、かつ、駆動ピン33と係合するU字状切欠部38を有する。また対向軸受板36の一方の左下端部には突起部39が形成され、この突起部39は底壁7fに設けられた施解錠信号検出手段(スイッチ)81とプッシュ的に接触可能である。さらに、対向軸受板36の下端部寄りの右側にはやや幅広のロックアーム部41が突出し、このロックアーム部41にはラッチの後退側垂直面と当接する水平ローラ42が設けられている。なお、43は軸17に設けられた軸筒であり、また44は回動ロック部材35内に位置するように該軸筒43に巻装された回動ロック部材用バネ44である。回動ロック部材35はこのバネ44により常時ロック解除の方向(反時計方向)に付勢されている。
【0022】
次に錠ケース7のラッチ用貫通孔23から進退動可能に突出するラッチ50について説明する。本実施例に於いては、ラッチ50は従動体(トリガ)70との関係では支軸59を介して従動体70を錠ケース7内に持ち上げ(後退させ)たり、錠ケース7内から元の位置へと復帰(突出)させたりするので、その意味では駆動体としの機能を発揮する。また引戸1の係合部材(デッドボルト)との関係ではストッパーとしの機能を発揮する。
【0023】
そこで、このラッチ50を図5に基づいて説明する。51は錠ケース7から突出する垂直係止面である。この垂直係止面51は引戸1を半開〜全開方向へ開くと、デッドボルト3B、3Aの一側面に係脱〜係合する。
【0024】
52は垂直係止面51の下端縁から後方へ連設するテーパー状摺接面である。このテーパー状摺接面52は引戸1を全開〜半開位置から全閉位置へと閉じると、デッドボルト3A、3Bの他側面に係脱する。
【0025】
53はテーパー状摺接面52にやや弧状に連設すると共に、ラッチ用貫通孔22に遊嵌合する後方連設部である。54はこの後方連設部53と錠ケース7内に常時位置する上壁55にそれぞれ連設する突起部で、この突起部54には固定軸筒56を介して横軸16が設けられている。
【0026】
57は全体としてピストル形状に形成された前後の側壁で、この前後の側壁57には錠ケース7の第2垂直ガイド長孔12と係合する一対の突起軸60が形成されている。また本実施例では一方側壁57の略中間部(突起軸60と横軸16とに間)に、従動体70を枢支する支軸59が突設されている。
【0027】
61は前記上壁55の先端部に突起状に形成され、かつ、回動ロック部材35の水平ローラ42と当接する後退側垂直面61aを有する当接部である。
【0028】
次に全閉用デッドボルト3Bが半開方向へ水平動するとラッチ50と共に移動(本実施例ではやや回転しながら上下動)し、かつ、トリガーバネのバネ力により所定量回転したまま所定位置に保持され、一方、全閉用デッドボルト3Bが全閉方向へ水平動すると再びラッチ50と共に移動し、かつ、トリガーバネのバネ力により元の位置に復帰する従動体(トリガー)70について説明する。
【0029】
この従動体70は、図6、図7で示すように、望ましくは一部に切欠部や検出手段用突起部を有する外周円形〜多角形の板状体が用いられる。
【0030】
しかして、71はラッチ50の支軸59が嵌挿する中心孔で、この中心孔71を介して従動体70はラッチ50に回動可能に装着されている。72はこの中心孔71から左下半径方向へ広がるように一部切欠された切欠部で、この切欠部72はラッチ50の垂直係止面51と全閉用デッドボルト3Bとの係合関係を考慮し、本実施例では山形状に切欠されている。そこで、従動体70を山形状切欠部72との関係で親指〜人差し指の形態に例えると、73はラッチ50の前の側壁57の一部に対向する親指部であり、一方、74は引戸の半開時錠ケース7から突出する反面、引戸の全閉の際には全閉用デッドボルト3Bの上端面と一旦摺接する人差し指部である。
【0031】
75は、図6を基準にすると板状従動体70の前壁面70aの上部に設けられた突出ピンで、一方、76は板状従動体70の後壁面70bの上部に設けられた検出手段用突起部である。前記突出ピン75は検出手段用突起部76よりも右側に位置し、トリガーバネ78と相俟って従動体70を左右いずれかの方向に回転させる役割を果たす。また前記検出手段用突起部76は、トリガー70が一方向へ回転した際にラッチ50の上壁55と当接し、トリガー70がフリーにならないように所定位置に保持する役割を果たす。
【0032】
次に78は軸18に巻装され、かつ、一端部78a側が従動体70の突出ピン75に圧接係合する従動体用付勢バネである。一方、79は軸19に巻装され、かつ、ラッチ50の固定軸筒56に圧接するラッチ用復帰バネである。
【0033】
次にソレノイドに素早く通電させるための検出信号を拾う検出手段(スイッチ部材)80について説明する。この検出手段80は錠ケース7に内装され、従動体70に対して設けられている。本実施例では、図1、図2、図8(引戸全閉時施錠)及び図9(引戸全閉時解錠)で示すように、引戸1が全閉状態の時、その可動接片80aが検出手段用突起部76に押圧され、ソレノイド30に対して通電スイッチOFFであり、一方、引戸1の移動を介して全閉用デッドボルト3Bが半開方向へ水平動することにより従動体70がラッチ50と共に移動し(図10は、説明の便宜上、引戸の半開状態への移行時を意味し、駆動源30用の電気信号を検出する検出手段80用従動体70の突起部76が可動接片80aから離れていく状態を示す)、そして、図11で示すように、その可動接片80aが検出手段用突起部76から離れるや否や、ソレノイド30に対して通電スイッチONと成る。なお、81は施解錠機構Xの施解状態又は解錠状態の信号を検出するための検出手段で、この検出手段81で検出された信号は、図示しない制御装置に送られる。
【0034】
上記構成に於いて、まず図8は、引戸1が全閉状態で、かつ、ソレノイド30が通電状態の説明図(引戸全閉時施錠)である。この場合ソレノイド30の作動杆31は伸張し、回動ロック部材35の水平ローラ42はラッチ50の後退側垂直面61aに当接している。したがって、ラッチ50は反時計方向に回転することができず、そのため全閉用デッドボルト3Bはラッチ50に阻止されている。
【0035】
次に図9は、引戸1が全閉状態で、かつ、ソレノイド30が非通電状態の説明図である(引戸全閉時解錠)。この場合ソレノイド30の作動杆31は収縮し、回動ロック部材35は反時計方向に回転する。これにより回動ロック部材35の水平ローラ42はラッチ50の後退側垂直面61aから離れる。検出手段81は、ソレノイド30の非通電状態を検出し、この状態の検出信号を図示しない制御装置に送る。したがって、ラッチ50は反時計方向に回転することができ、そのため全閉用デッドボルト3Bは移動可能になる。
【0036】
次に図10は、引戸1を開放方向Aへと多少開いた初期時の場合に於いて、ソレノイド30が直ちに通電状態になり得る場合の説明図である(引戸の半開状態への移行時)。
【0037】
この場合ラッチ50は全閉用デッドボルト3Bの移動により、ラッチ用復帰バネ79のバネ力に抗して突起軸60を支点に反時計方向へ回転する。そうすると、従動体70はラッチ50に支軸59を介して一体的に連結されているので、ラッチ50の軌跡に基づいて錠ケース7内に回転後退する。この場合従動体70の突出ピン75は付勢バネ78の一端部78aをそのバネ力に抗して押し上げ、従動体70の中心孔71よりも左側へと移行しようとする。この突出ピン75の移行時に従動体70の突起部76も検出手段80の可動接片80aから離れようとする。
【0038】
次に図11は、引戸1を開放方向Aへとさらに開き、全閉用デッドボルト3Bがラッチ50の下方を通過中で、かつ、ソレノイド30が通電状態になった場合を示す。引戸1を開放方向Aへとさらに開くと、前述したように突出ピン75はトリガーバネ78のバネ力に抗して従動体70の中心孔71よりも左側へと移行し、図11で示すように、従動体70の突起部76は検出手段80の可動接片80aから離れる。しかして、検出手段80は前記突起部76が可動接片80aから離れるや否や「スイッチON」となることから、ソレノイド30が通電状態になる。
【0039】
次に図12は、引戸1が開放方向Aへ移動中にソレノイド30の作動杆31が伸張しつつある場合を示す(引戸の半開状態への移行時)。
【0040】
次に図13は、図12に於いて、引戸1を開放方向へさらに開き、全閉用デッドボルト3Bがラッチ50の下方を通過した場合を示す。
【0041】
この場合ラッチ50はラッチ用復帰バネ79のバネ力により回転して直ぐ元の位置に復帰する(錠ケース7から突出する)。この時従動体70は突出ピン75の位置が左側に移行しているため、付勢バネ78のバネ力により支軸59を支点に反時計方向へ回転し、そのまま付勢バネ78により押さえ付けられ、かつ、突起部76がラッチ50の上壁55と当接するため、所定位置に回転停止する。したがって、検出手段80は「スイッチON」のままである。
【0042】
しかして、回動ロック部材35は作動杆31の伸張により、バネ44にバネ力に抗して時計方向に回転し、ラッチ50の回転を確実に阻止する。
【0043】
次に図14は、引戸1を半開状態にし、半開用デッドボルト3Aがラッチ50に係止ロックされた場合の説明図(引戸半開時施錠)である。この場合半開用デッドボルト3Aは、全閉用デッドボルト3Bに対して互い違いに位置しているので、従動体70の人差し指部74が錠ケース7から突出していても邪魔にならない。
【0044】
次に図15は、引戸1を半開状態から全閉方向Bへ移動させ、全閉用デッドボルト3Bによりラッチ50が錠ケース7内へと後退した場合の説明図である。この場合全閉用デッドボルト3Bがラッチ50のテーパー状摺接面52に摺接すると、ラッチ50はラッチ用復帰バネ79のバネ力に抗し、かつ、横軸16、突起軸60を介し、第1垂直ガイド長孔11及び第2垂直長孔12に案内されながら錠ケース7内へと水平後退する。したがって、従動体70もラッチ50と共に錠ケース7内へと水平後退する。
【0045】
しかして、図16で示すように全閉用デッドボルト3Bがラッチ50及び従動体70の下方を通過する際、従動体70はその人差し指部74が全閉用デッドボルト3Bの上端面と摺接する一方、その後ラッチ50が錠ケース7から突出するのに追従し、かつ、トリガーバネ78のバネ力により支軸59を支点に時計方向に回転する。その結果、従動体の突出ピン75は元の位置へと戻ると共に、その突起部76が検出手段80の可動接片80aを押圧し、検出手段80は「スイッチOFF」と成る。したがって、ソレノイド30は一旦非通電状態になるが、この時図示しない並列回路を有する施解錠制御装置は、検出手段80の「スイッチOFF」の信号に基づき、ソレノイド30を通電状態にする。そして、前述した図8で示すように全閉状態になると、ラッチ50はラッチ用復帰バネ79のバネ力により錠ケース7から突出し、全閉用デッドボルト3Bを係止する。
【0046】
【実施例】
まず本発明の実施例に於いては、検出手段80、81の一例としては、マイクロスイッチが使用される。また錠ケース7のラッチ50を上下方向に案内する案内部は垂直ガイド溝であっても良い。また従動体70は、本実施例では支軸59を支点に略60度回転する。またデッドボルト3A、3Bは同一の直線ライン上には位置していないが、仮にデッドボルト3A、3Bは同一の直線ライン上に位置させる場合には、半開用デッドボルト3Aの幅は従動体と衝突しないように全閉用デッドボルト3Bのそれよりも狭いことが必要である。
【0047】
さらに、トリガー70の人指し指部74の長さは親指部73と略同等であるが、例えば引戸1の全閉時の際に人指し指部74がデッドボルト3Bの上端部に係合するように親指部73よりも多少長く設定しても良い。
【0048】
次に本発明の実施例に於いては半開用デッドボルト3A及び全閉用デッドボルト3Bは、横方向に横設された長箱状の支持箱4に固定具6を介してそれぞれ突出量を任意に調整することができるように固定されているが、図17及び図18で示すように支持箱4Aに一体に形成しても良い。
【0049】
すなわち、90Aは上端開口91の支持箱4Aの内壁4aに突出形成され、かつ、引戸1Aの開放側端部に位置する半開用デッドボルトである。一方、90Bは半開用デッドボルト90Aに対して支持箱4Aの内壁4aに突出形成された全閉用デッドボルトである。この全閉用デッドボルト90Bと前記半開用デッドボルト90Aの間には半開状態を形成するための所要間隔が設けられている。
【0050】
しかして、前記構成に於いては、半開用デッドボルト90A及び全閉用デッドボルト90Bは駆動体としてのラッチ50Aに係脱する。また従動体としてのトリガー70Aは、引戸1Aが全閉状態になると、全閉用デッドボルト90Bの上端面と圧接する。また半開用デッドボルト90Aの幅aは、引戸1Aの半開状態の時に半開用デッドボルト90Aが従動体70Aと当接しないように全閉用デッドボルト90Bの幅bよりも狭く設定されている。
【0051】
なお、92は引戸1を全開させる場合が有り得ることを考慮し、支持箱4Aの上端部などに形成された従動体用案内切欠部である。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙するような効果がある。
(1)引戸用電気錠に於いて、引戸の半開状態に於ける施錠用信号を確実に取り出すことができる。
(2)引戸を半開状態で施錠できる。すなわち、ラッチと一緒に移動することができるように該ラッチに軸支され、かつ、全閉用デッドボルト3B(90B)が引戸を開く初期の段階で開放方向Aに移動すると、例えば駆動源30を制御するための電気信号を検出する検出手段80から直ちに離れ、かつ、従動体用復帰バネのバネ力により一方向へ所定量回転してそのまま所定位置に停止する従動体70(70A)を備えているので、引戸を開けると、駆動源を通電状態にすることができる。したがって、必ずラッチに半開用デッドボルト3A(90A)が係止ロックされる。
(3)トリガーがラッチと共にスムースに作動する。
(4)検出手段並びにラッチやトリガー等を錠ケースに配設しても、錠ケースのコンパクト化の要望を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図16は本発明の実施の形態を説明するための第1実施例に基づく各説明図。図17及び図18は第1実施例の要部の変形例を示す各説明図である。
【図1】引戸の全閉状態に於いて、正面から見た場合の概略説明図。
【図2】錠ケース内の施解錠機構を構成する各部材の配置を示す概略説明図。
【図3】支持箱側の部材(主にデッドボルト)を示す斜視からの説明図。
【図4】駆動源、回動ロック部材等を示す斜視からの説明図。
【図5】駆動体(ラッチ)と従動体(トリガー)との関係を示す斜視からの説明図。
【図6】従動体を示す斜視図。
【図7】従動体と他の部材との関係を示す概略説明図。
【図8】引戸が全閉状態で、かつ、駆動源が通電状態の説明図(引戸全閉時施錠)。
【図9】図8に於いて、駆動源が非通電状態の説明図(引戸全閉時解錠)。
【図10】図9に於いて、引戸を開放方向Aへと多少開いた場合に於いて、駆動体と従動体の動きを示す説明図(引戸の半開状態への移行時)。
【図11】図10に於いて、全閉用デッドボルトがラッチの下方を通過中に駆動源が通電状態になった場合の説明図。
【図12】図11に於いて、引戸が開放方向Aへ移動中に駆動源の作動杆が伸張しつつある場合を示す説明図(引戸の半開状態への移行時)。
【図13】図12に於いて、引戸を開放方向へさらに開き、全閉用デッドボルトがラッチの下方を通過した場合を示す説明図。
【図14】引戸を半開状態にし、半開用デッドボルトがラッチに係止ロックされた場合の説明図(引戸半開時施錠)。
【図15】引戸を半開状態から全閉方向Bへ移動させ、全閉用デッドボルトによりラッチが錠ケース内へと後退した場合の説明図。
【図16】図15に於いて、全閉用デッドボルトがラッチ及び従動体の下方を通過し、ラッチに係止された説明図。
【図17】第1実施例の変形例を示す説明図。
【図18】第1実施例の要部の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
1…引戸、2…上框、3A、90A…半開用デッドボルト、3B、90B…全閉用デッドボルト、4、4A…支持箱、5…上枠、6…固定具、7…錠ケース、11、12…垂直ガイド長孔、13、14、15…軸孔、16…横軸、17、18、19…軸、59…支軸、60…突起軸、20…取付け板、21…固着具、22…フロント板、X…施解錠機構、30…駆動源、31…作動杆、33…駆動ピン、35…回動ロック部材、36…対向軸受板、37…垂直連結板、38…切欠部、39…突起部、41…ロックアーム部、42…水平ローラ、43…軸筒、50、50A…ラッチ、51…垂直係止面、52…摺接面、54…突起部、55…上壁、56…固定軸筒、57…前後の側壁、61…当接部、70、70A…従動体、71…中心孔、72…切欠部、73…親指部、74…人差し指部、75…突出ピン、78…付勢バネ、79…復帰バネ、80…検出手段、81…施解錠信号検出手段。A…開放方向、B…全閉方向。
Claims (7)
- 引戸1の開放側端部に取り付けられた半開用デッドボルト3A及びこの半開用デッドボルト3Aに対して所要間隔を有して位置する全閉用デッドボルト3Bと、これらのデッドボルト3A、3Bに係脱するラッチ50を含む施解錠機構Xを内蔵し、かつ、戸枠側に設けられた錠ケース7とから成る引戸用電気錠であり、前記施解錠機構Xは、駆動源30の作動杆31の伸縮動により回動するように錠ケース7に軸支された回動ロック部材35と、この回動ロック部材35にロックされるように錠ケース7に回転及び上下動可能に軸支され、かつ、ラッチ用復帰バネ79で常時突出方向に付勢された前記ラッチ50と、このラッチと一緒に移動することができるように該ラッチに軸支され、かつ、従動体用復帰バネ78のバネのバネ力により所定量回転してそのまま所定位置に停止すると共に、検出手段80用の突起部76を有する従動体70とを備え、前記検出手段80は、引戸が開放方向Aに移動すると、ラッチ50と共に錠ケース7内に後退動する従動体70の回転動を利用し、駆動源30用の検出信号を拾うこと特徴とする引戸用電気錠。
- 請求項1に於いて、検出手段80は、全閉用デッドボルト3Bがラッチ50に係止されている時は、従動体70の検出手段用突起部76が検出手段80に接触して「スイッチOFF」となり、一方、全閉用デッドボルト3Bが半開方向へ水平動することにより従動体70がラッチ50と共に移動し、前記検出手段用突起部76が検出手段80から離れると駆動源30に対して「スイッチON」と成るスイッチ部材であることを特徴とする引戸用電気錠。
- 請求項1に於いて、従動体70は、支軸59を介してラッチ50
の一側壁57に軸支された円形乃至多角形の板状体であり、この板状体は半径方向の一部に親指部73と人差し指部74とを形成する切欠部72を有することを特徴とする引戸用電気錠。 - 請求項1に於いて、従動体70は、支軸59を介してラッチ50
の一側壁57に軸支された板状体であり、この板状体の常時錠ケース7内に位置する適宜部位には、検出手段用突起部76が設けられていることを特徴とする引戸用電気錠。 - 請求項1に於いて、従動体70には従動体用復帰バネ78に常時圧接する突出ピン75が設けられていることを特徴とする引戸用電気錠。
- 請求項1に於いて、半開用デッドボルト3A及び全閉用デッドボルト3Bは、横方向に横設された長箱状の支持箱4に固定具6を介してそれぞれ突出量を任意に調整することができるように固定され、支持箱から突出する上端部3bがラッチ50に係合することを特徴とする引戸用電気錠。
- 請求項6に於いて、支持箱4Aの内壁4aに半開用デッドボルト90A及び全閉用デッドボルト90Bが所要間隔を有して一体に形成されていることを特徴とする引戸用電気錠。
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