JP3905378B2 - リチウム二次電池用正極活物質、およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池用の正極活物質、およびそれを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、リチウム二次電池は、電解液を含浸させたセパレータを正極と負極とで挟み込んでなる構造を有している。正極および負極は、それぞれ、活物質と結着剤とを少なくとも含むスラリーを、金属箔などの集電体上に塗工し、乾燥し、圧延を施して活物質層を設けて形成される。
【0003】
正極用のスラリーには、正極用の活物質(正極活物質)と集電体との導電性を向上させるべく、通常、カーボンなどの導電材が配合される。リチウム二次電池において、低温特性やサイクル特性の改善のためには、この正極活物質と導電材との密着性や活物質層中における導電材の分散状態の最適化が大きく影響する。
電池の高容量化および安全性向上の観点から、これまでにも種々の正極活物質が開発されてきたが、リチウム二次電池の普及に伴い、近時の電池の特性向上の要求は止まるところがなく、さらなる正極活物質の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、活物質層中における導電材の分散状態や導電材と活物質との密着状態を最適にし、結果としてサイクル特性や低温特性の改善されたリチウム二次電池を実現し得る新規な正極活物質を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)表面の炭素濃度が15at%以下であるリチウム二次電池用正極活物質。
(2)表面炭素中のCOO基の濃度が50at%以下である上記(1)に記載の正極活物質。
(3)上記(1)または(2)に記載の正極活物質を用いた正極を備えるものである、リチウム二次電池。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質は、表面の炭素濃度が15at%以下であることをその特徴とする。当該表面の炭素濃度は、正極活物質の表面を出入りするリチウムイオンの移動をより円滑にし得る観点からは、好ましくは12at%以下であり、より好ましくは10at%以下である。正極活物質の種類としては、上記表面の炭素濃度を有するものであれば特に制限はなく、リチウム二次電池用の正極活物質として周知のLi−遷移金属複合酸化物で実現される。
ここで、Li−遷移金属複合酸化物は、例えば下記の一般式(1)又は(2)で示されるものである。
LiAM1-XMeXO2 (1)
LiAM2-XMeXO4 (2)
式(1)において、Mは例えばCo、Ni、Mn、V、Geなどの遷移金属を示す。式(2)において、Mは例えばMn、Fe、Niなどの遷移金属を示す。式(1)及び(2)において、Meは、周期律表の3〜10族元素、例えばZr、V、Cr、Mo、Fe、Co、Mn、Niなど、または13〜15族元素、例えばB、Al、Ge、Pb、Sn、Sbなどを示す。但し、Meとしては、Mとして選択された元素と異なる元素を選択する。Meは二種以上の元素であっても良い。
【0007】
Aの値は、式(1)においては0.05〜1.5、好ましくは0.1〜1.1であり、式(2)においては0.05〜2.5、好ましくは0.5〜1.5である。Xの値は、式(1)及び(2)において、0または0.01〜0.5、好ましくは0.02〜0.2である。Meが二種以上の元素である場合、Xは二種以上の元素の合計量とする。
【0008】
式(1)、(2)で示されるLi−遷移金属複合酸化物の好ましい例を挙げると、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn(1-X)MgXO2、LiMn(1-X)AlXO2、LiMn(1-X)CoXO2、LiMn(1-X-Y)AlXCoYO2、LiMn2O4、LiMn(2-X)CoXO4、LiMn(2-X)CoXGeYO4、LiCo(1-X)NiXO2、LiNi(1-X)AlXO2、LiCo(1-X)MnXO2などである(なお上記の例示において、0.1≦X、Y≦0.1)。
中でも、優れた容量維持率(サイクル特性)が得られることから、LiCoO2が特に好ましい。
【0009】
上記のような表面の炭素濃度の正極活物質を用いて作製されたリチウム二次電池は、周波数応答解析装置を用いた交流インピーダンス法で測定された電極抵抗が非常に小さなものとなる。すなわち、表面炭素濃度が15at%以下のものは、15at%を超えるものに比して、通常、電極抵抗が1/10〜1/2程度になる。当該電極抵抗は正極と負極の集電体の間のインピーダンスであり、集電体間の電子の移動のし易さを表す指標である。充電過程では、活物質からのLiイオン脱離により電子が放出され、その電子が活物質から導電材を通じて集電体へ移動し、放電過程ではその逆の挙動を示す。したがって、電極抵抗には導電材の分散状態や活物質との密着状態が大きく影響するが、表面の炭素濃度が15at%を超えるような本発明に属さない正極活物質を用いたリチウム二次電池では、上記の如き小さな電極抵抗を達成することはできない。
今回本発明者らは、上述のように15at%以下の炭素濃度の表面を有する正極活物質を用いることで初めて、正極活質層内における導電材の分散状態や活物質との密着状態が向上され、従来よりも格段に電極抵抗の小さなリチウム二次電池を実現できることを知見したものである。このようなリチウム二次電池は、後述の実施例に示すように、低温特性やサイクル特性が従来よりも格段に向上される。
【0010】
該正極活物質の炭素濃度は、たとえばX線光電子分光法(XPS)により、以下のような手順にて測定できる。
超高真空中(10-8Pa以下)においた試料(正極活物質)の表面に、湾曲単結晶で分光した集束軟X線を照射し、表面から出た光電子をアナライザーで検出する。物質中の束縛電子の結合エネルギー値から元素情報が、また各ピークのエネルギーシフトから価数や結合状態に関する情報が得られ、ピーク面積を用いて、表面の炭素濃度を定量することができる。軟X線の励起源には、従来公知のMgKα、AlKαなどを使用すればよい。
なお本発明における正極活物質の表面炭素濃度は、その下限値に特に制限はないが、通常、0.1at%以上、さらには1at%以上である。
【0011】
従来公知の表面の炭素濃度が15at%を超える正極活物質(以下、説明の便宜上「高炭素濃度活物質」という)から、表面の炭素濃度を15at%以下に低減させて本発明の正極活物質を得る方法に特に制限はないが、たとえば以下の▲1▼、▲2▼の少なくともいずれかの方法が例示される。
【0012】
▲1▼イオンスパッタリング
不活性ガス中、500V〜5kVの加速電圧でイオンを加速させ、1分間〜5分間、試料(高炭素濃度活物質)の表面に衝突させて、本発明の正極活物質を得る方法である。この方法によれば、殆ど全てにおいて表面が清浄化された活物質を得ることができる利点がある。特に、高炭素濃度活物質表面の汚染分子の吸着エネルギーが、高炭素濃度活物質の原子間の結合エネルギーと同程度以上であるような場合には、該汚染分子を確実に除去できる方法として、有用である。
【0013】
不活性ガスとしては、他の物質との反応性がないHe、Ne、Ar、Kr、Xeなどを好適に使用できる。加速電圧は、500V以下であると、表面の不純物を弾き出すためのエネルギーに満たない虞があり、また5kVを超えると、高炭素濃度活物質の表面だけでなく高炭素濃度活物質中の原子も弾き出されてしまう虞があるため、上記範囲内に選ばれるのが好ましい。また上記イオンスパッタリング処理の時間が1分間未満であると、高炭素濃度活物質の表面の不純物を充分に除去できない虞があり、5分間を超えると、不純物を除去した後も活物質が次々に弾き出され、無駄が多くなってしまうため好ましくない。
【0014】
なおこのスパッタリング処理は、試料を載置した試料台を振動させながら行うのが好ましい。スパッタリングは、通常、一方向からのみ加速したイオンを衝突させるものであるため、このようにすることで、試料表面の全体にわたり略均一にスパッタリングを施し得るようになるためである。
【0015】
また、この▲1▼の処理と熱処理を組み合わせ、加熱しながらスパッタリング処理を行ってもよい。このような加熱しながらのスパッタリング処理を行うことで、高炭素濃度活物質表面の欠陥やトラップされた不活性ガスイオンなどを除去する効果がみられる。このような効果を有効に発現できる観点からは、加熱の温度は、200℃〜300℃の範囲内に選ばれるのが好ましい。
【0016】
▲2▼電子衝撃加熱
フィラメントを電子源とし、フィラメントより高い電位を試料(高炭素濃度活物質)に与えることで電子を試料に衝突させて、本発明の正極活物質を得る方法である。本法では、この電子の衝突により、電子の電場で加速されて得た運動エネルギーが熱に変換される。このような方法によれば、試料以外に高温になる部分が少ないので、ガス放出、表面拡散による試料の汚染が極めて少なく、また試料全体を均一な温度に保ちやすいという利点がある。
【0017】
当該方法において、フィラメント側に高電圧を印加するが、その条件は、電流が2mA〜40mA、電圧が0.5kV〜7kVであるのが好ましい。試料の温度は、この電流と電圧との積(電流×電圧)で決まり、20Wを超えると、活物質の構造が変化する虞があり、1W未満では充分な加熱が得られない虞がある。したがって、この条件の範囲で電流、電圧を設定することが好ましい。
【0018】
これらの処理に付す前の高炭素濃度活物質は、従来公知の正極活物質を作製する適宜の手法にて得ることができる。
【0019】
上記作製方法の好ましい一例としては、出発原料となるリチウム化合物とコバルト化合物とを、コバルトとリチウムとの原子比が1:1〜0.8:1となるように混合し、その混合物を温度700℃〜1200℃の大気雰囲気下で、3時間〜50時間加熱するなどして反応させ、さらに反応して出来たものを粉砕して粒状物とする方法が挙げられる。この粉砕して得られた粒状物より、目的に応じた粒径、比表面積などを勘案して適宜採取したものを高炭素濃度活物質とすればよい。
【0020】
上記の出発原料となるリチウム化合物としては、酸化リチウム、水酸化リチウム、ハロゲン化リチウム、硝酸リチウム、シュウ酸リチウム、炭酸リチウムなどや、これらの混合物が挙げられる。コバルト化合物としては、酸化コバルト、水酸化コバルト、ハロゲン化コバルト、硝酸コバルト、シュウ酸コバルト、炭酸コバルトなどや、これらの混合物が挙げられる。なお、LiACo(1-X)MeXO2で示されるLi−Co系複合酸化物を高炭素濃度活物質として作製する場合には、リチウム化合物とコバルト化合物との混合物に、置換元素の化合物を必要量添加すれば良い。
【0021】
また本発明の正極活物質においては、上述のように表面の炭素濃度が15at%以下であって、さらに表面炭素中のCOO基の濃度が50at%以下であるのが好ましい。上記濃度に現れる表面炭素としては、COO基、C−H基、C−O基、C=O基などがある。これらの中でも特に、炭酸ガスや炭酸塩に起因するCOO基は、他の炭素原子を含有する基と比較して特にカーボンとの密着性が悪く、正極活物質層中における導電材の分散状態や密着状態に特に影響を及ぼす。したがって上記の如き小さな電極抵抗を有するリチウム二次電池を確実に実現し、また高い容量維持率が得られる観点からは、上記COO基の濃度が50at%以下、さらには40at%以下、特には30at%以下であるのがよい。
【0022】
該正極活物質表面のCOO基濃度は、たとえば上記のX線光電子分光法による活物質表面の炭素濃度の測定において、C1sの狭域光電子スペクトルをピーク分離することによって、定量することができる。
なお、本発明の正極活物質における15at%以下の濃度の表面炭素中におけるCOO基の濃度の下限値に特に制限はないが、通常、1at%以上、さらには5at%以上である。
【0023】
本発明の正極活物質を用いたリチウム二次電池においては、高炭素濃度活物質を用いた以外は同様の構成のリチウム二次電池と比較して、格段に小さな電極抵抗を達成でき、低温特性およびサイクル特性が改善される。したがって、本発明の正極活物質を用いるならば、その他のリチウム二次電池の構成(正極における導電材、結着剤、集電体など、負極における活物質、結着剤、集電体など、電解液、セパレータ(固体電解質フィルムを含む)など)に特に制限はなく、従来公知の各種のものを好適に用いることができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1
重量換算でCo3O4100に対しLi 2 CO 342を混合し、約980℃の温度で約10時間焼成した。焼成により得られたLiCoO2の粉末を粉砕、分級し、平均粒径が約20μmの高炭素濃度活物質を得た。得られた高炭素濃度活物質を、Arイオンを用い3kVで3分間イオンスパッタリングを行い、表面の炭素濃度が5.0at%、表面炭素中のCOO基の濃度が12.7at%の正極活物質を作製した。なお、上記表面炭素濃度およびCOO基の濃度は、X線光電子分光法により測定した。
【0025】
比較例1
実施例1の高炭素濃度活物質をそのまま正極活物質とした。
該高炭素濃度活物質は、X線光電子分光法により測定した表面の炭素濃度が16.1at%、表面炭素中のCOO基の濃度が54at%であった。
【0026】
実施例2
Arイオンを用い500Vで5分間イオンスパッタリングを行った以外は、実施例1と同様にして、表面の炭素濃度が14.7at%、表面炭素中のCOO基の濃度が20.4at%の正極活物質を作製した。なお、上記表面炭素濃度およびCOO基の濃度は、X線光電子分光法により測定した。
【0027】
実施例3
Arイオンを用い3kVで1分間イオンスパッタリングを行った以外は、実施例1と同様にして、表面の炭素濃度が8.7at%、表面炭素中のCOO基の濃度が33.5at%の正極活物質を作製した。なお、上記表面炭素濃度およびCOO基の濃度は、X線光電子分光法により測定した。
【0028】
比較例2
Arイオンを用い300Vで3分間イオンスパッタリングを行った以外は、実施例1と同様にして、表面の炭素濃度が15.7at%、表面炭素中のCOO基の濃度が55.1at%の正極活物質を作製した。なお、上記表面炭素濃度およびCOO基の濃度は、X線光電子分光法により測定した。
【0029】
実施例4
Arイオンを用い2kVで3分間イオンスパッタリングを行った以外は、実施例1と同様にして、表面の炭素濃度が12.3at%、表面炭素中のCOO基の濃度が33.1at%の正極活物質を作製した。なお、上記表面炭素濃度およびCOO基の濃度は、X線光電子分光法により測定した。
【0030】
実施例5
Arイオンを用い3.5kVで5分間イオンスパッタリングを行った以外は、実施例1と同様にして、表面の炭素濃度が3.1at%、表面炭素中のCOO基の濃度が19.8at%の正極活物質を作製した。なお、上記表面炭素濃度およびCOO基の濃度は、X線光電子分光法により測定した。
【0031】
実施例6
Arイオンを用い5kVで1分間イオンスパッタリングを行った以外は、実施例1と同様にして、表面の炭素濃度が1.5at%、表面炭素中のCOO基の濃度が23.4at%の正極活物質を作製した。なお、上記表面炭素濃度およびCOO基の濃度は、X線光電子分光法により測定した。
【0032】
実験例1
実施例1〜6、比較例1、2で得られた各正極活物質を用い、重量換算で活物質を91、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを3、導電材としてメソカーボンマイクロビーズを5、ケッチェンブラックを1、および溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを44として、混合スラリーとした。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔の両面に塗布、乾燥、圧延して、正極活物質層を形成し、正極を作製した。
次に、重量換算でメソカーボンファイバーを95、ポリフッ化ビニリデンを5、N−メチル−2−ピロリドンを78として混合しスラリーとした。このスラリーを集電体として銅箔の両面に塗布、乾燥、圧延して、負極活物質層を形成し、負極を作製した。
エチレンカーボネート11体積%と、プロピレンカーボネート9体積%と、ジエチルカーボネート4体積%と、エチルメチルカーボネート29体積%と、ジメチルカーボネート47体積%との混合溶媒に、LiPF6を、その濃度が1.0モル/L(調製後の電解液に対し)となるように溶解させて電解液を調製した。
上記で作製した正極板(電極面積:55mm×575mm)と負極板(電極面積:57mm×620mm)とを、厚さ25μmのポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン三層構造を有する多孔質のセパレータを介して捲巻し、これを円筒型の電池缶(外径18mm、高さ650mm)に収容した。さらに、上記で得た電解液をセパレータに含浸させ、リチウム二次電池の各サンプルを作製した。
各サンプルについて電極抵抗を測定し、低温特性とサイクル特性の下記の通り試験を行った結果、以下のような結果が得られた。
【0033】
〔電極抵抗の測定〕
上記で作製した電池のサンプルを、20℃の環境で、定電流、一定電圧充電(1600mA、4.2V、2.5時間)後、周波数応答解析装置を用いた交流インピーダンス法(周波数10kHz〜0.01Hzの振幅10mVの交流を重畳)にて、各サンプルの電極抵抗を測定した。
結果を、表1に示す。
【0034】
〔低温特性〕
20℃の環境で、定電流−定電圧充電(1600mA、4.2V、2.5時間)の後、−20℃で定電流放電(1600mA、カットオフ2.5V)を行い、電圧変化を記録する。記録した電圧を縦軸に、放電開始時からの時間を横軸にしてグラフを作成したとき、放電開始後に見られる極小値を読み取り、落ち込み電圧とする。
結果を表1に示す。
【0035】
〔サイクル特性〕
20℃の環境で、定電流−定電圧充電(1600mA、4.2V、2.5時間)の後、30分の休止をはさんで定電流放電(1600mA、カットオフ3V)を行い、再び30分休止する。以上を1サイクルとして200サイクルを繰り返したとき、1サイクル目の容量に対する300サイクル目の容量(容量維持率)を測定した。
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、活物質層中における導電材の分散状態や導電材と活物質との密着状態を最適にし、結果としてサイクル特性や低温特性の改善されたリチウム二次電池を実現し得る新規な正極活物質を提供することができる。
Claims (2)
- 大気中でリチウム化合物とコバルト化合物の混合物を焼成し、粉砕して得た粒状物に、該粒状物の表面炭素濃度を低減する処理を施して、該粒状物の表面炭素濃度を15at%以下にすることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
- 粒状物の表面炭素濃度を低減する処理が、粒状物に不活性ガス中でイオンスパッタリングを施すか、及び/又は、フィラメントを電子源とする電子衝撃加熱を施す処理である、請求項1記載の方法。
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