JP3904101B2 - 光学装置及び電解液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学装置(例えば、数字若しくは文字表示又はX−Yマトリックス表示などを行うための表示装置や、可視光域(波長:400〜700nm)において光透過率又は光反射率の制御が可能なフィルタ)、及びこの装置に使用される電解液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレクトロクロミック材料(以下、EC材料と称することがある。)は、電圧駆動型の表示装置に用いられ、例えば時刻を表示するデジタル時計等に採用されている。
【0003】
エレクトロクロミック表示素子(以下、ECDと称することがある。)は、非発光型の表示装置であって、反射光や、透過光による表示であるために、長時間の観察によっても疲労感が少ないという利点を有すると共に、駆動電圧が比較的低く、消費電力が少ないなどの利点を有する。例えば、特開昭59−24879号公報に開示されているように、液体型ECDとして可逆的に着色、消色状態を形成する有機分子系のビオロゲン分子誘導体をEC材料に用いるものが知られている。
【0004】
精密光学機器の発展に伴って、これまでの可変NDフィルタに置きかわる微細かつ低消費電力型の光量調節デバイスが必要となっているが、上記の如きECD又はその周辺技術がそれに適応できるか否かの検討が必要となっている。
【0005】
しかしながら、ビオロゲン分子誘導体などのEC材料をECDに利用した場合、実際に必要とされる応答速度やそのときの遮蔽度に問題があり、実用化することは困難であった。
【0006】
そこで、ECDに置き換えて、金属塩の析出/溶解を利用した透過型又は反射型の調光素子に着目し、銀の析出/溶解を用いた電気化学的調光素子の開発が行われてきた。
【0007】
しかし、このような電気化学的調光素子においては、応答速度や光遮蔽度では目標どおりの値を得ることができるが、基板となる透明電極(即ち、作用電極)の劣化が生じ易く、デバイスとしての寿命が短命であった。
【0008】
特に、ITO(Indium Tin Oxide)電極に対し、銀の析出、溶解時に過電圧がかかることによって、電極が破損され易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、素子に必要な電解液について、その溶液が可視光域(400〜700nm)において吸収を持たず、かつ、着色時に可視光域においてほぼ均等な遮蔽が可能な銀錯塩を電気化学的調光素子材料として用い、電極への過電圧を低減して長寿命化を実現できる光学装置と、これに用いる電解液を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、非水系において銀錯塩から銀を電極上に析出させ、或いは電極上から溶解させる(以下、「析出、溶解」と記すことがある。)可逆な系を得ることによって、電気化学材料を用いた調光素子を構築し、低消費電力で駆動可能であって可視光領域での光透過率又は光反射率の制御ができ、分光特性も良好であり、電極の損傷を低減させた安定な光学装置及び電解液を見出し、本発明に到達したものである。
【0011】
即ち、本発明は、ハロゲン化銀(例えばAgF、AgCl、AgBr、AgI)の溶液が作用電極と対極との間に配され、これらの電極の駆動制御により銀の析出又は溶解を生じさせるように構成された光学装置、及びこれに用いる前記溶液からなる電解液において、
前記ハロゲン化銀の溶解のためにこのハロゲン化銀と同一又は異種のハロゲンを供給 可能な支持塩として、LiX、NaX及びKX(但し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭 素原子又はヨウ素原子である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の塩(以下、 本発明のアルカリ金属ハライドと称する。)が添加され、前記ハロゲン化銀が錯塩化さ れていると共に、
前記ハロゲン化銀を溶解させる溶媒として水又は非水溶媒が用いられ、この非水溶媒 が、ジメチルスルホキシドとアセトニトリルとの混合物、ジオキソラン、エチルアセテ ート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン及びγ−ブ チロラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1つからなり、
更に、銀の電気化学的析出又は溶解のために、チオ尿素、アリルチオ尿素、メルカプ トベンゾイミダゾール、クマリン、フタル酸、コハク酸、サリチル酸、グリコール酸、 酒石酸、シュウ酸及びグルコノラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1つが前記 溶液に添加されていることを特徴とする光学装置、及びこれに用いる前記溶液からなる電解液に係るものである。
【0012】
これまで、実用に近いレベルの電解液が得られても、上記したように、基板となる透明電極(即ち、作用電極)が駆動の繰り返しにより劣化するため、寿命が短命であった。本発明によれば、上記したLiX等の本発明のアルカリ金属ハライドを電解液に添加しているので、これまで銀塩溶解に用いてきた四級アンモニウム塩と比較して、銀の析出、溶解に関する過電圧を低減することができ、電極の長寿命化に寄与することができる。
【0013】
本発明者は、電解液材料において種々の銀錯塩を含む電解液の中に適当な添加剤を添加することによって、可逆性に富む系を得た。電解液としては、ハロゲン化銀にヨウ化銀、シュウ化銀、塩化銀を用いて検討を行ってきた。
【0014】
こうしたハロゲン化銀を溶解するためには、銀を錯塩化することが必要である。しかし、その支持塩(反応に直接関与せず、銀を溶かし込むために必要な塩)に関しては、これまで、有機溶媒に易溶な四級アンモニウム塩を用いたものが中心であった。電極を長寿命化するためには、低駆動電圧化が重要であることがわかったため、銀の析出、溶解時の過電圧を低減する電解液が望ましい。
【0015】
本発明によれば、添加剤として本発明のアルカリ金属ハライドを用いることによって、析出銀膜の溶解過電圧の低減により、電極(特にITO透明電極)の劣化を回避することができる。実際に、ITO電極を用いて寿命試験を試みたところ、従来の電解液(四級アンモニウム塩を含む系)を用いる場合よりもセル電圧を低減させることができた。
【0016】
このような効果を有効に発揮するには、上記アルカリ金属ハライドの添加量はハロゲン化銀の1/2倍濃度〜5倍濃度の割合で添加するのがよい。
【0017】
また、従来、銀錯塩からの銀の析出に関しては、めっき浴として用いるシアン系溶液がよく知られているが、シアン系溶液では、安全な作業環境の確保や、その廃液の処理の問題がある。そこで、本発明者は非シアン系の銀塩に着目し、その検討を行った。
【0018】
即ち、種々の銀錯塩の電解液の中から、還元剤を添加することにより、可逆性に富む系を得た。この系に使用した材料はRED(Reversible Electro Deposition)材料と称され、溶媒に溶解してRED液に調製された。
【0019】
RED液(電解液)はこれまで、ハロゲン化銀としてヨウ化銀、可逆性向上のための還元剤としてアスコルビン酸、非水溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた溶液について検討されてきた。但し、析出又は溶解の可逆性の高いDMSOなどの温度特性の悪い溶媒を用いた場合、デバイスの動作環境が限られ易いため、混合溶媒化することによって温度範囲を広げることができた。
【0020】
さらに、実用に近いレベルの電解液が得られても、駆動の繰り返しにより、基板となる透明電極が劣化するため、デバイス寿命が短命であった。そこで、本発明によって、寿命の重要な因子となる銀の析出、溶解の過電圧を低減することに加えて、更に長寿命化を図るように試みた。この場合、銀の析出側の過電圧が制御できない場合、異種金属、例えばハロゲン化銅等の銅塩と共析させたり、錯体の銀の配位子を混合化したりすることにより、析出銀膜の溶解過電圧を低減することができた。この場合、異種金属の含有量は塩の形で0.1〜100mmol/Lであるのがよい。
【0021】
このような異種金属を添加することによって、電析させた銀膜の溶解過電圧の低減が可能になり、その結果、透明電極の急激な劣化を回避することができた。ITO電極を用いて寿命試験を試みたところ、Cu塩を含まない系よりも長寿命化された。
【0022】
さらに、本発明の光学装置及び電解液は光学系に配されるために、電解液が可視光領域で吸収を持つこと(着色)は望ましくはない。通常、ハロゲン化銅を有機溶媒中に溶解させると、可視光領域に吸収を持つ。そこで、溶解した銅塩とトリエタノールアミンを代表とする透明化材料を用いて、溶媒中の銅の存在状態をCu2+→Cu+ となるように還元することにより、可視光領域の電解液の光吸収を回避することができた。
【0023】
即ち、ハロゲン化銅を溶媒に溶解する際、この溶液が着色される場合、トリエタノールアミン、イミノジ酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ガラクチトール、アスコルビン酸、トリメタノールアミンボレート、ジメチルアミンボラン、ジメチルチオホルムアミド、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラアゼチン酸、サリチル酸、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−アリル−2−チオ尿素、チオウラシル、ジメチルアミンボラン及びテトラブチルアンモニウムボレートからなる群より選ばれた少なくとも1つからなる透明化剤が添加されるのがよい。
【0024】
本発明において、ハロゲン化銀は電圧の印加によって次式に示すように酸化還元反応を行う。
(水素基準)
【化1】
【0025】
このように、本発明は、ハロゲン化銀からなる銀塩から銀を電極上に析出、溶解させ、着色、消色を行える可逆な系を用いることにより、低消費電力で非発光型の可視光域に好適な光学装置、例えば表示装置や光学フィルタを提供することができる。
【0026】
本発明の光学装置及び電解液において、上記の異種金属を溶液に溶解せしめる際、この溶液は着色されないことが望ましい。
【0027】
異種金属としては、銅が用いられ、これは塩化銅、臭化銅等のハロゲン化銅として溶液に含有されてよい。
【0028】
本発明の光学装置及び電解液では、少なくとも一方が銀の析出又は溶解用電極となる作用電極と対極との間に、これらの電極と接して、ハロゲン化銀を溶媒に溶解させた電解液が充填されて構成されることができる。
【0029】
そして、ハロゲン化銀を水又は非水溶媒に溶解させた溶液、特に非水系の溶液が配され、銀の析出又は溶解によって着色又は消色するように構成されるのが望ましい。
【0030】
この場合、臭化銀の濃度が0.03〜2.0mol/L、更には0.05〜2.0mol/LであるRED液が用いられることが望ましい。
【0031】
そして、銀の電気化学的析出又は溶解のために、光沢剤、錯化剤及び還元剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の添加剤が溶液に添加されている。
【0032】
即ち、チオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素、メルカプトベンゾイミダゾール、クマリン、フタル酸、コハク酸、サリチル酸、グリコール酸、酒石酸、シュウ酸及びD−グルコノ−1,5−ラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1つが添加剤として用いられる。
【0033】
本発明に使用できるRED液として、銀塩を溶解させると共に、還元剤と併用することによって可逆性に富む系とするのが望ましい。しかし、こうしたRED液として、これまで、還元剤にアスコルビン酸を用いる一方、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)からなる非水溶媒のみを用いることが検討されてきたが、このようなRED液はDMSO自体が18℃に凝固点をもつため、低温特性に問題があり、例えば寒冷地における使用時に凍結を生じ易い。そのため、使用できる溶媒に制限があった。
【0034】
そこで、本発明者は、特に非水系において銀錯塩から銀を透明電極上に析出、溶解させる可逆的な系において、低温特性の劣化を防止し、低温での使用に耐える凝固点の低い溶媒を用い、これに適応可能な還元剤の検討を行った。
【0035】
この結果から、これまで全く検討されていなかった凝固点の低い溶媒に適応できる還元剤として、上述した還元剤はいずれも、低温特性の向上のために凝固点の低い非水溶媒を用いても十分に使用可能であって、上述のアスコルビン酸よりもそうした溶媒に溶解し易いものである。即ち、DMSO系電解液よりも低温で凝固する電解液となるため、この電解液は寒冷地における使用においても凍結しない。この場合、還元剤は銀塩の1/150倍濃度〜1倍濃度の範囲で添加されるのが望ましい。
【0036】
また、凝固点の低い非水溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)とアセトニトリル(AN)との混合物、ジオキソラン(DOL)、エチルアセテート(EA)、テトラヒドロフラン(THF)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、ジメトキシエタン(DME)及びγ−ブチロラクトン(GBL)からなる群より選ばれた少なくとも1つからなる溶媒(非水溶媒)である。
【0037】
これらの非水溶媒のうち、DMSOに比べて凝固点が低いものを用いると、ハロゲン化銀を溶解して調製したRED液は低温特性に優れたものとなり、例えば寒冷地での使用に十分に耐えるものとなる。また、DMSOを用いても、これをアセトニトリル等と例えば1:1(容量比)で混合溶媒化することにより、低温での使用が可能となり、銀の析出、溶解の可逆性は高いが、温度特性に劣る溶媒を用いることができ、この結果、使用可能な添加剤の幅が広がった。また、低温で凝固しない電解液の開発により、本電解液は寒冷地における使用においても凍結しない。
【0038】
また、銀を析出又は溶解させる作用電極となる透明電極(特にITO電極:酸化インジウムにスズをドープして得られたもの。)を化学的又は物理的に修飾することによって、透明電極への銀の析出電位を下げ、銀の析出溶解を容易とし、透明電極や溶液自身が電気的に受ける損傷を軽減することができる。
【0039】
この場合の化学的修飾法として、スズ溶液及びパラジウム溶液の二液処理法によるパラジウム等によってITO電極の表面処理(化学メッキ)が行われるのがよい。即ち、パラジウムによるITO電極の表面活性化処理として、ITO単独基板上にパラジウム核を析出させることでITO電極表面上の活性を高めるものである。
【0040】
この場合、スズ溶液としては、塩化スズ(SnCl2 )0.10〜1.0gを0.010〜0.10%のHCl 1Lに溶解させたもの、パラジウム溶液としては、塩化パラジウム(PdCl2 )0.10〜1.0gを0.010〜0.10%のHCl 1Lに溶解させたものが使用可能である。
【0041】
また、物理的修飾法として、銀より貴な金属等をITO電極上へ蒸着する方法が採用可能である。
【0042】
本発明の光学装置及び電解液においては、消色状態のときに、溶液は可視光領域に吸収を持たないこと、また、着色、消色用基板電極(即ち、作用電極)は光学装置として動作させるために可視光領域に吸収のないITO電極を用いることが望ましい。
【0043】
そして、RED液を用いて着色、消色状態を繰り返すとき、デバイスが微小なために溶液系を攪拌することができない。そこで、銀の電気化学的析出溶解の定量化が容易な電流制御で駆動することがよい。
【0044】
このような電流制御による着色−消色の駆動法として、着色−消色速度(銀の析出、溶解速度)を上げるために、高電流値から低電流値へと矩形に変化する電流による駆動法を用いることがよい。或いは、銀の析出、溶解を繰り返すことによる基板の損傷を軽減させるために、低電流値から高電流値へと矩形に変化する電流による駆動法を用いることもよい。定電流駆動を用いる場合は、副反応物が生成する電位でリミッター等を用いて制御することが望ましい(系の電解質のバランス維持のため)。
【0045】
本発明は、数字又は文字表示、或いはX−Yマトリックス表示等を行える表示素子や、可視光域(波長:400〜700nm)において光透過率又は光反射率の制御が可能な光学フィルタ等の光学装置に広く適用可能である。
【0046】
本発明はまた、こうした光学装置に使用可能な電解液として、上記したハロゲン化銀及び支持塩等を溶媒に溶解させた溶液からなる電解液も提供するものである。
【0047】
この電解液は、ハロゲン化銀等の銀塩を水又は非水溶媒に望ましくは0.03〜2.0mol/Lの濃度で溶解させた溶液からなり、銀の析出又は溶解によって着色又は消色状態となるものであり、上記したと同様の本発明の支持塩や添加剤を添加し、場合によっては、光沢剤、錯化剤、還元剤、溶媒をそれぞれ所定量含有することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0049】
まず、図5及び図6について、本発明の実施例による表示素子(又は光学フィルタ)等の光学装置10の一例を概略的に示す。
【0050】
本例の光学装置10によれば、セルを構成する一対の透明基板(例えばガラス板)4と5が一定の間隔を置いて表示窓として配置され、各基板の内面には、少なくとも一方が着色用電極又は消色用電極となる作用電極(例えばITO電極)2及び3と対極6とが対向して設けられている。これらの作用電極は実際には、目的に応じたパターンに形成されているが、図面では概略的に示している。
【0051】
また、対極6は、基板4及び5の全周にスペーサを兼ねて設けられ、例えば銀板が使用される。なお、図示省略したが、参照電極としては例えば銀線が設けられている。
【0052】
そして、対向している作用電極2及び3と対極6との間には、これらの電極に接して、RED材料としてハロゲン化銀(錯塩)及びアルカリ金属ハライド等を非水溶媒に溶解させたRED液1が封入されている。対向している作用電極2及び3と対極6とのいずれか一方は陽極、他方は陰極とし、それらの間に所定時間だけ直流の駆動電圧を印加することによって、銀(錯)塩に
【化2】
なる酸化還元反応を陰極側において生じさせ、Ag析出物により透明→着色状態に移行させる。
【0053】
こうして電極上にAgを析出させることによって、作用電極が設けられた表示窓からはAg析出物による特定の色(例えば反射色)を観察でき、フィルタ材となる。そして、この着色によるフィルタ作用、即ち、可視光の透過率及び反射率(又は着色の濃淡)は電圧の大きさ又はその印加時間と共に変化し、これを制御することによって透過率又は反射率可変表示素子又はフィルタとして機能させることができる。
【0054】
この光学装置10は、作用電極2及び3をセル内のほぼ全面に有していてもよいが、実際には、例えば図7及び図8に示す如くに構成することができる。
【0055】
即ち、透明基板4及び5に設けられるITOの作用電極はそれぞれ、中心部2a、3aと、この周りに微小間隔を置いて同心円状に配されたリング状電極2b、3b、2c、3c、2d、3d、2e、3eとに分割されている。最外周の作用電極2e、3eの周囲には銀の対極6A、6Bが設けられている。
【0056】
これらの各電極2a、3a、2b、3b、2c、3c、2d、3d、2e、3e、6A、6Bはそれぞれ、各駆動電源8A、8B、8C、8D、8E、8Fにクロム細線等からなる配線9A、9B、9C、9D、9E、9Fによって接続されている。
【0057】
そして、透明基板4−5はスペーサ7(これは図6では対極6が兼ねている。)によって所定間隔に配置され、その間隔内にRED液1が封入されている。
【0058】
RED液1は、印加される電圧の大小に応じて酸化還元反応(即ち、濃度)が制御されるものであるから、上記した各分割電極2a及び3a、2b及び3b、2c及び3c、2d及び3d、2e及び3eと対極6A及び6Bとの間に印加される電圧(それぞれV1 、V2 、V3 、V4 、V5 とする。)によって、各分割電極の陰極上におけるRED液からの銀の析出量を変化させることができる(なお、対極6A及び6Bには電位補償用の電圧V6 が印加される)。
【0059】
従って、仮にすべての電圧を等しくすれば(V1 =V2 =V3 =V4 =V5 )、RED液1の全域に亘って一様に着色させることができ、かつ、電圧に応じて濃度の程度を一様に変化させることができる。
【0060】
また、各電極への印加電圧を異ならせ、例えばV1 <V2 <V3 <V4 <V5 とすれば、中心部から周辺へ行くに従って着色濃度が大となる(換言すれば透過率が小となる)。これは、テレビカメラ等のCCD(電荷結合素子)用の光学絞り等として有用であり、CCDの集積度の向上に十分に対応できるものである。印加電圧を上記とは逆の順にすれば、中心部から周辺にかけて透過率が大となる。
【0061】
このように、分割電極への印加電圧によって、様々なパターンで濃淡若しくは階調性を制御でき、光学フィルタとして有用となり、その使用状態の範囲が広くなる。
【0062】
以上に説明したように、本実施例によれば、従来のEC材料とは全く異なる着想に基いて、臭化銀からなるRED材料を光学機器の光量調節のためのフィルタ材として用い、作用電極と対極の駆動制御(特に印加電圧)によってRED材料の着色時の濃淡を変化させることができ、この特徴を利用し、表示素子又は光学フィルタに階調をつけることが可能となったのである。従って、RED材料の使用によって、微細で消費電力が少なくてすみ、光量調節デバイスとして、メカニカルに作動させていた従来の可変NDフィルタの能力以上のフィルタを提供することができる。
【0063】
次に、本実施例を具体例について更に詳しく説明する。以下の具体例では、図5及び図6に示した例のように構成された光学装置を用いた。
【0064】
例1(四級アンモニウム塩とハロゲン化リチウムの分極比較)
支持電解質(支持塩)として四級アンモニウム塩又はハロゲン化リチウムを用い、対応する電解液をそれぞれ作成し、定電流駆動での分極比較を行った。ここでは、直径7mmのITO電極を用い、反応面積を規制した。
【0065】
銀塩としてAgBr500mmol/L、四級アンモニウム塩としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド(Tetra-n-butyl ammonium Iodide)500mmol/LをDMSO中に溶解したものを電解液1とした。さらに、AgBr500mmol/L、LiBr500mmol/LをDMSO中に溶解したものを電解液2とした。
【0066】
各電解液を用いて、分極比較を行った。その結果を図1に示す。これによれば、本例による電解液2はセル電圧が電解液1よりも低くなることが分かる。
【0067】
例2(四級アンモニウム塩とハロゲン化ナトリウムの分極比較)
銀塩としてAgBr500mmol/L、四級アンモニウム塩としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド(Tetra-n-butyl ammonium Iodide)500mmol/LをDMSO中に溶解したものを電解液1とした。さらに、AgBr500mmol/L、NaBr500mmol/LをDMSO中に溶解したものを電解液3とした。
【0068】
各電解液を用いて、分極比較を行った。その結果を図2に示す。これによれば、本例による電解液3はセル電圧が電解液1よりも低くなることが分かる。
【0069】
例3(定電位法を用いた銀析出/溶解における透過率の変化)
例1の電解液2を用いて、定電位法による銀の析出/溶解を試み、そのときの透過率の変化を測定した。
【0070】
析出時の駆動電圧は銀に対して−2.5V、駆動時間は1.5secであった。これに対して、溶解時の駆動電圧はステップ状に駆動しており、銀に対して+4.5V、20msec→+1.6V、2sec→+3.5V、20msecであった。それぞれの透過率の変化を図3(析出時)、図4(溶解時)に示す。このときの透過率は、ITO電極の透過率を基準としている。
【0071】
この結果から、本電解液を用いた場合において、光量調節可能(透過率変化が可能)であるということがわかる。そして、この系における析出銀膜の分光特性は、可視光領域において一様の吸収を持ち、析出においても溶解においても同様に透過率が上下する様子がわかり、可視光領域において光遮蔽能を持っていることを示している。
【0072】
以上、本発明の実施例を説明したが、上述の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能である。
【0073】
例えば、上述したRED材料の種類やRED液成分、特にアルカリ金属ハライドからなる支持塩の種類、濃度等は種々変更してよい。
【0074】
また、ITO電極パターンを含む構造をはじめ、各構成部分の材質、更には駆動方法も上述したものに限定されることはない。例えば、図7に示した如き電極パターンをストライプ状、格子状等のように種々に変化させてもよいし、各分割電極毎に異なるRED液のセルを分割して並置することもできる。この場合、RED液と従来のEC液を組み合わすこともできる。
【0075】
また、本発明による光学装置は、公知の他のフィルタ材(例えば有機系のエレクトロクロミック材、液晶、エレクトロルミネッセンス材)と組み合わせる等も可能である。また、本発明による光学装置は、CCDの光学絞り用をはじめ、各種光学系、更には電子写真複写機や光通信機器等の光量調節用としても広く適用可能である。
【0076】
【発明の作用効果】
本発明は上述した如く、従来のEC材料とは全く異なる着想に基いて、ハロゲン化銀を特定の溶媒に溶解させかつ特定の還元剤を添加したRED液にLiX等の支持塩を添加し、対向する作用電極と対極の駆動制御(特に印加電圧)によって銀を電極上に析出、溶解させる可逆な系を形成している。従って、RED材料を用いて、低消費電力で非発光型の可視光域に好適な光学装置を提供することができると共に、電極への過電圧を低減して長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学装置の印加電圧による特性変化を比較して示すグラフである。
【図2】他の光学装置の印加電圧による特性変化を比較して示すグラフである。
【図3】本発明に基づく光学装置の着色時の印加電圧による透過率変化を示すスペクトル図である。
【図4】同光学装置の消色時の印加電圧による透過率変化を示すスペクトル図である。
【図5】光学装置の概略断面図である。
【図6】同光学装置の概念図である。
【図7】同光学装置の具体例のITO電極パターン図である。
【図8】同光学装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1…RED液(銀塩含有液)、
2、2a〜2e、3、3a〜3e…ITO電極
4、5…表示窓(透明基板)、6、6A、6B…対極、7…スペーサ、
8A〜8F…電源、10…光学装置
Claims (12)
- ハロゲン化銀の溶液が作用電極と対極との間に配され、これらの電極の駆動制御により銀の析出又は溶解を生じさせるように構成された光学装置において、
前記ハロゲン化銀の溶解のためにこのハロゲン化銀と同一又は異種のハロゲンを供給 可能な支持塩として、LiX、NaX及びKX(但し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭 素原子又はヨウ素原子である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の塩が添加さ れ、前記ハロゲン化銀が錯塩化されていると共に、
前記ハロゲン化銀を溶解させる溶媒として水又は非水溶媒が用いられ、この非水溶媒 が、ジメチルスルホキシドとアセトニトリルとの混合物、ジオキソラン、エチルアセテ ート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン及びγ−ブ チロラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1つからなり、
更に、銀の電気化学的析出又は溶解のために、チオ尿素、アリルチオ尿素、メルカプ トベンゾイミダゾール、クマリン、フタル酸、コハク酸、サリチル酸、グリコール酸、 酒石酸、シュウ酸及びグルコノラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1つが前記 溶液に添加されていることを特徴とする光学装置。 - 前記支持塩が前記ハロゲン化銀の1/2倍濃度〜5倍濃度の範囲で添加されている、請求項1に記載した光学装置。
- 少なくとも一方が銀の析出又は溶解用電極となる作用電極と対極との間に、これらの電極と接して、前記ハロゲン化銀を前記溶媒に溶解させた電解液が充填されている、請求項1に記載した光学装置。
- 前記溶液中の前記ハロゲン化銀の濃度が0.03〜2.0mol/Lである、請求項1に記載した光学装置。
- 銀を析出又は溶解させるための前記作用電極となる透明電極がインジウム−錫酸化物からなる、請求項3に記載した光学装置。
- 前記透明電極が化学的又は物理的に修飾されている、請求項5に記載した光学装置。
- 作用電極と対極との間に配され、これらの電極の駆動制御により銀の析出又は溶解を生じるハロゲン化銀の溶液からなる電解液において、
前記ハロゲン化銀の溶解のためにこのハロゲン化銀と同一又は異種のハロゲンを供給 可能な支持塩として、LiX、NaX及びKX(但し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭 素原子又はヨウ素原子である。)からなる群より選ばれた少なくとも1種の塩が添加さ れ、前記ハロゲン化銀が錯塩化されていると共に、
前記ハロゲン化銀を溶解させる溶媒として水又は非水溶媒が用いられ、この非水溶媒 が、ジメチルスルホキシドとアセトニトリルとの混合物、ジオキソラン、エチルアセテ ート、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン及びγ−ブ チロラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1つからなり、
更に、銀の電気化学的析出又は溶解のために、チオ尿素、アリルチオ尿素、メルカプ トベンゾイミダゾール、クマリン、フタル酸、コハク酸、サリチル酸、グリコール酸、 酒石酸、シュウ酸及びグルコノラクトンからなる群より選ばれた少なくとも1つが前記 溶液に添加されていることを特徴とする電解液。 - 前記支持塩が前記ハロゲン化銀の1/2倍濃度〜5倍濃度の範囲で添加されている、請求項7に記載した電解液。
- 少なくとも一方が銀の析出又は溶解用電極となる作用電極と対極との間に、これらの電極と接して、前記ハロゲン化銀を前記溶媒に溶解させた状態で充填される、請求項7に記載した電解液。
- 前記溶液中の前記ハロゲン化銀の濃度が0.03〜2.0mol/Lである、請求項7に記載した電解液。
- 銀を析出又は溶解させるための前記作用電極となる透明電極がインジウム−錫酸化物からなる、請求項9に記載した電解液。
- 前記透明電極が化学的又は物理的に修飾されている、請求項11に記載した電解液。
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