JP3897616B2 - ディスク記録媒体処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、音響機器、映像機器、情報機器、通信機器、計測機器等において用いられ、CDやDVD等のディスクに対して記録、再生等の処理を行うディスク記録媒体処理装置の技術分野に属し、特に、複数のディスクをセットできるようにしながら、しかも、コンパクトに形成できるディスク記録媒体処理装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、音響機器においては、多数の曲が記録されているCDを用いたディスク記録再生装置が、従来から種々多数開発されている。従来のこのようなディスク記録再生装置の1つとして、トレイ方式のディスク記録再生装置がある。このトレイ方式のディスク記録再生装置は、CD保持搬送用のトレイが装置本体外部に進出し、進出したトレイにCDを載せ、その後トレイが装置本体内のトラバースユニットのピックアップ位置に搬送するようになっている。その場合、このトレイを複数段重ねて複数のCDに対応できるようにしたトレイ方式のディスク記録再生装置も多数開発されている。
【0003】
また、他の従来のディスク記録再生装置として、スロットイン方式のディスク記録再生装置がある。このスロットイン方式のディスク記録再生装置は、装置本体にスロットからなるCD挿入取出口が設けられており、このCD挿入取出口にCDを挿入することで、CDが装置本体内に引き込まれてトラバースユニットのピックアップ位置にセットされるようになっている。その場合、複数のCDを1つのCD挿入取出口から順次挿入して装置本体内にストアし、ユーザが希望設定したCDがCDチェンジ機構でトラバースユニットのピックアップ位置にセットされるようになっているスロットイン方式のディスク記録再生装置や、トラバースユニットをコンパクトにしたスロットイン方式のディスク記録再生装置なども開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来のトレイ方式のディスク記録再生装置では、トレイを複数段重ねて複数のCDに対応できるようにした場合、個々のトレイにかなりの厚みがあるため、複数段重ねると装置全体が大型になってしまうという問題がある。また、このトレイ方式のディスク記録再生装置では、ディスク保持においてディスクを垂直姿勢で保持することが難しく、特に8cmのディスクの垂直姿勢ができなかった。ポータブルのスロットイン方式に用いられているようなコンパクトなトラバースユニットを用いることができなく、必然的に装置が大型になるのを余儀なくされ、その分、大きな設置スペースが必要となっている。
また、トレイが装置本体の前面に進出してくるため、設置スペースやデザイン等の制約が多いという問題がある。
【0005】
一方、スロットイン方式のディスク記録再生装置では、トレイ方式のようなトレイが装置本体の前面に進出してくることによる前述の制約はないが、複数のCDを1つのCD挿入取出口から順次挿入して装置本体内にストアした場合、1つのCDについて記録あるいは再生が行われているときに、ストアされている他のCDを装置本体から取り出したり、ストアされている他のCDを別の新しいCDを入れ換えるためには装置が大がかりで大きくなってしまう問題がある。
【0006】
また、このスロットイン方式のディスク記録再生装置では、例えば8cmのディスクを垂直姿勢に保持することができないこと等から、装置を設置することができなく、装置の設置姿勢の自由度が制限されるという問題もある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数のディスクをストアすることができるようにしつつ、任意のディスクを他のディスクの状態にかかわらず、自由に挿入取出ができ、しかも、よりコンパクトに形成することのできるディスク記録媒体処理装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、設置姿勢を水平、鉛直および傾斜のいずれにも自由に設定できるディスク記録媒体処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、装置本体と、前記装置本体に設けられ、ディスクを挿入、取り出しするためのスロット状のディスク挿入取出口と、前記装置本体内に前記ディスク挿入取出口に対応して設けられかつ前記ディスク挿入取出口を通して挿入されたディスクを保持搬送するディスク保持搬送手段と、前記装置本体内に前記ディスク挿入取出口に対応して設けられ、前記ディスク挿入取出口から挿入されたディスクを前記装置本体内の前記ディスク保持搬送手段に引き込むとともに、前記装置本体内の前記ディスク保持搬送手段に保持されたディスクを前記ディスク挿入取出口から前記装置本体外に排出するディスク引込排出手段とを少なくとも備え、前記ディスク引込排出手段が、それぞれ回動可能に設けられ、前記ディスクの前記装置本体内への移動および前記ディスクの前記装置本体外への移動に伴って前記ディスクを介して互いに逆方向に回動して開閉する一対の駆動側アームと従動側アームとを備えているとともに、前記駆動側アームに回動可能に設けられた、前記ディスクの外周エッジ部が当接可能な駆動ローラと、前記従動側アームに回動可能に設けられた、前記ディスクの外周エッジ部が当接可能な従動ローラとを有し、前記駆動ローラが、駆動手段からの回転駆動力が動力伝達機構を介して伝達されるローラであるとともに、前記従動ローラは、前記駆動手段からの回転駆動力が伝達されないローラであり、前記従動側アームに、歯車が前記従動ローラと一体回転可能に設けられているとともに、前記装置本体に、前記従動側アームの前記歯車が噛合する円弧状歯車が設けられており、前記従動側アームの前記歯車が、前記駆動側アームと前記従動側アームとが開閉するとき、前記従動側アームの回動により前記従動ローラを前記駆動ローラの回転方向とは逆方向に回転するように前記円弧状歯車に噛合していることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記ディスク保持搬送手段に、前記ディスクを前記ディスク保持搬送手段の正規位置にチャッキングするチャッキング手段が設けられていることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記装置本体が、前記ディスクをストア可能なストア位置とトラバースユニットにより前記ディスクに対して処理するピックアップ位置とが設定されており、前記ディスク保持搬送手段が前記装置本体に設けられたトラックに、前記ストア位置と前記ピックアップ位置との間で移動可能であるとともにこれらのストア位置およびピックアップ位置に設定可能に設けられており、前記ディスク保持搬送手段が前記ピックアップ位置に来たとき、前記チャッキング手段によるディスクのチャッキングを解除するとともに前記ディスクを前記トラバースユニットにクランプし、前記ディスク保持搬送手段が前記ピックアップ位置から移動するとき、前記トラバースユニットに対するディスクのクランプを解除するとともに前記チャッキング手段に前記ディスクの前記ディスク保持搬送手段へのチャッキングを行わせるディスククランプ手段が設けられていることを特徴としている。
【0010】
更に、請求項4の発明は、前記トラックが前記装置本体に複数段設けられているとともに、前記ディスク保持搬送手段が前記複数段のトラック毎にそれぞれ設けられており、前記トラバースユニットが前記トラック毎の前記ディスク保持搬送手段に応じて初期高さ位置が設定されており、前記トラバースユニットの初期高さ位置とこの初期高さ位置に対応した前記ディスク保持搬送手段の駆動系とを組合、制御して設定するディスクチェンジ装置を備えていることを特徴としている。
【0011】
更に、請求項5の発明は、前記装置本体に、ラック部材がそれぞれの前記ディスク保持搬送手段毎に対応するディスク保持搬送手段とともに移動可能に設けられており、前記ディスク保持搬送手段を移動するディスク保持搬送手段駆動用駆動手段の駆動力をそれぞれの前記ラック部材に選択的に切替伝達する動力伝達切替機構が設けられており、前記動力伝達切替機構が、前記ディスク保持搬送手段駆動用駆動手段の駆動力が伝達されかつ前記ラック部材のいずれか1つに選択的に噛合可能に移動するギヤと、前記ギヤを移動してこのギヤを前記ラック部材のいずれか1つに選択的に噛合制御する制御レバーと、前記制御レバーに設けられてこの制御レバーによる前記ギヤの移動時に前記ギヤを弾性的に移動する弾性部材とを備えていることを特徴としている。
【0012】
更に、請求項6の発明は、前記ディスク保持搬送手段に、前記ディスク保持搬送手段のディスクを前記ディスク引込排出手段の方へ押し出すディスク押出手段を備えていることを特徴としている。
【0013】
更に、請求項7の発明は、前記ディスク押出手段が、前記ディスクの外周面に当接してするこのディスクを押圧する回動自在なローラを備えていることを特徴としている。
【0014】
更に、請求項8の発明は、前記装置本体に、前記ディスクをストア可能なストア位置とトラバースユニットにより前記ディスクに対して処理するピックアップ位置とが設定されており、前記ディスク挿入取出口と前記ストア位置との間のディスク引込排出方向と、前記ストア位置とピックアップ位置との間のディスク搬送方向とが所定角方向に設定されていることを特徴としている。
【0015】
更に、請求項9の発明は、前記ディスク挿入取出口にそれぞれ、ディスクの状態に応じて開閉制御されるシャッタが設けられており、これらのシャッタが対応するディスク保持搬送手段にディスクが保持されているときは対応するディスク挿入取出口を閉じるようになっていることを特徴としている。
【0016】
更に、請求項10の発明は、前記シャッタが、対応するディスク保持搬送手段にディスクが保持されていないときにも、対応するディスク挿入取出口を閉じるようになっているとともに、操作キーの操作によってディスク挿入取出口を開くようになっていることを特徴としている。
【0017】
【作用】
このような構成をした本発明のディスク記録媒体処理装置においては、ディスクが装置本体内へ進入すると、駆動側アームの駆動ローラおよび従動側アームの従動ローラにディスクの外周エッジ部が当接する。すると、駆動ローラが駆動手段から回転駆動力によりディスク引込み方向に回転しているので、ディスクを引き込もうとする。このため、引き込まれるディスクにより駆動側アームと従動側アームとが互いに反対方向に回動して開く。このとき、従動側アームの回動に伴い、従動側アームの歯車が円弧状歯車によって回転するので、従動ローラが駆動ローラと逆方向に、つまり駆動ローラと同様にディスクを引き込む方向に回転する。このようにして、ディスクが駆動ローラと従動ローラとによってほとんど回転することなく、装置本体内に引き込まれる。
また、逆に装置本体内のディスク保持搬送手段に保持されたディスクが排出方向に移動すると、駆動ローラが駆動手段から回転駆動力によりディスク排出方向に回転しているので、駆動側アーム、駆動ローラ、従動側アーム、および従動ローラのディスク引き込み時の作動と逆の作動により、ディスクがディスク挿入取出口から装置本体外に排出される。
【0018】
このようにして、一対の駆動ローラおよび従動ローラによりディスクの外周エッジ部が挟持されてディスクの引込排出が行われる。このディスクの外周エッジ部は非記録部であるので、駆動ローラおよび従動ローラによるディスク外周エッジ部の当接により、ディスクの記録部が影響されることはない。特に、駆動ローラが駆動手段からの回転駆動力で回転駆動されるとともに、駆動手段からの回転駆動力が伝達されない従動ローラが従動側アームの回動で駆動ローラの回転方向とは逆方向の回転駆動されることにより、ディスクはほとんど回転することなくスムーズにかつユーザが違和感を抱くことなく挿入、排出されるようになる。
【0019】
特に、請求項2および3の発明では、チャッキング手段により、ディスクがディスク保持搬送手段に確実にチャッキングされるようになる。したがって、ディスク記録媒体処理装置が水平状態に設置可能であることはもちろん、鉛直状態にもあるいは傾斜状態にも設置可能となる。
【0020】
また、請求項3の発明では、ディスククランプ手段により、ピックアップ位置でのディスク保持搬送手段に対するディスクのチャッキングおよびアンチャッキングと、トラバースユニットに対するディスクのクランプおよびアンクランプとが自動的にかつ確実に行われるようになる。
【0021】
更に、請求項4の発明では、ディスクチェンジ装置によりトラバースユニットの初期高さ位置の設定に関連して組合制御することにより、設定される初期高さ位置に対応したディスク保持搬送手段の駆動系が設定されるようになっているので、トラバースユニットの設定された初期高さ位置に対応するディスク保持搬送手段がピックアップ位置に移動するようになる。したがって、移動してくるディスク保持搬送手段およびその上のディスクがいずれもトラバースユニットに干渉することがなく、所望のディスクが確実にピックアップ位置に設定されるようになる。
【0022】
更に、請求項5の発明では、ディスク保持搬送手段駆動用駆動手段の駆動力が伝達されて回転するギヤが制御レバーにより移動される時に、弾性部材を介して弾性的に移動されるようになる。したがって、各ディスク保持搬送手段のラック部材間での噛合切替時に、ラック部材の歯とギヤの歯とが当接して直接噛合しない場合が生じても、ギヤに対する弾性部材による弾性付勢力とギヤの回転とにより、ラックの歯とギヤの歯とが自然と噛合するようになる。これにより、動力伝達切替機構によるラック部材間でのギヤの切替が確実に行われるようになる。
【0023】
更に、請求項6および7の発明では、ディスク保持搬送手段に保持されているディスクが、ディスク保持搬送手段に設けられたディスク押出手段によりディスク引込排出手段の方へ押し出されるとともに、このディスク引込排出手段により、このディスクが装置本体外に自動的に排出されるようになる。
【0024】
更に、請求項7の発明では、回動自在なローラによりディスクの外周面が押圧されることで、ディスクが押圧されるようになる。これにより、滑らかなディスクの押圧が行われるとともに、ディスク押出手段の負荷が軽減され、更に、ディスクの大きさに関わらず、大きさの異なるディスクに対して柔軟に対応することが可能となる。
【0027】
更に、請求項8の発明では、ディスク引込排出方向とディスク搬送方向とが異なることで、ディスク搬送方向に対するディスク引込排出方向の設定自由度を高くなるとともに、デザインも向上するようになる。
【0028】
更に、請求項9の発明では、ディスク保持搬送手段にディスクが保持されているときは、対応するディスク挿入取出口がシャッタで閉じられるように、シャッタがディスクの状態に応じて開閉制御されるので、ディスクの誤挿入が防止されるようになる。
【0029】
更に、請求項10の発明では、ディスク保持搬送手段にディスクが保持されていないときは、対応するディスク挿入取出口がシャッタで閉じられるので、ディスクが挿入されない不使用時にゴミやチリ等の異物がディスク挿入取出口から装置本体内に侵入することが防止される。そして、ディスクを挿入するときは、操作キーの操作によってディスク挿入取出口が開かれるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係るディスク記録媒体処理装置(記録再生)装置の実施の形態の一例を構成要素の一部を削除して示す斜視図、図2はこの例のディスク記録媒体処理装置の構成要素の更に一部を削除して示す、図1と同様の斜視図、図3(a)ないし(d)はこの例のディスク記録媒体処理装置のディスク出入れ部側から見た正面図、図4はこの例のディスク記録媒体処理装置におけるディスク出入れ部およびディスク保持部の分解斜視図である。
【0031】
図1に示すように、この例のディスク記録媒体処理装置1は、大きく分けて、矩形状の装置本体2の一端側に設けられたディスク出入れ部3と、装置本体2内でのこのディスク出入れ部3に隣接して設けられたディスク保持部4と、装置本体2内でのこのディスク保持部4に隣接して設けられたディスクピックアップ部5とからなっている。図2に示すように、このディスク記録媒体処理装置1は上下2段の第1および第2トラック6,7備えており、これらの第1および第2トラック6,7は、それぞれ第1および第2のCD8,9(図4には第1のCD8のみ図示、第2のCD9は後述する図15および図17に図示)に対応するようになっている。
【0032】
なお、第1および第2のCD8,9は、いずれも図には直径12cmのCDが示されているが、8cmのCDにも対応するようになっている。また、ディスク記録媒体処理装置1のトラックは、上下2段に限定されることはなく、上下3段を始め、上下複数段設けることができ、その段数と同数のCDに対応可能にすることもできる。しかし、説明の便宜上、以下の説明においては、上下2段のトラックが設けられるものとして説明する。
【0033】
図3(a)に示すようにディスク出入れ部3は、装置本体2に取り付けられ、かつ上下2段のスロット状の第1および第2CD挿入取出口10,11を有するディスク出入れカバー12を備えており、図1、図3(b)および図4に示すように、このディスク出入れカバー12の内側で各CD挿入取出口10,11に対応して第1および第2シャッタ13,14がいずれも対応する第1および第2CD挿入取出口10,11を開閉可能に設けられている。これらの第1および第2シャッタ13,14は、それぞれ第1および第2スプリング15,16により、常時第1および第2CD挿入取出口10,11を閉じる方向に付勢されている。
【0034】
これらの第1および第2シャッタ13,14の内側でそれぞれこれらの第1および第2シャッタ13,14に隣接して第1および第2ローラ17,18が回転可能に配置されている。その場合、第1および第2ローラ17,18の回転軸部に、それぞれ第1および第2シャッタ13,14が回転可能に設けられている。
これらの第1および第2ローラ17,18は、いずれも、図4において中央部を除く左右両側部分がゴムローラ17a,17b;18a,18bで構成されている。その場合に、各ゴムローラ17a,17b;18a,18bの外周面は、いずれも、それらの径が第1および第2ローラ17,18の中央に向かって連続して小径となるような傾斜面に形成されている。
【0035】
第1および第2ローラ17,18は、それぞれ、それらの両端部が樹脂製の第1および第2ローラ保持部材19,20に回転可能に保持されている。第1および第2ローラ保持部材19,20の各ゴムローラ17a,17b;18a,18bにそれぞれ対向するガイド面19a,19b;20a,20bは、いずれも、それらの高さが第1および第2ローラ保持部材19,20の中央に向かって連続して高くなるように、つまり各ゴムローラ17a,17b;18a,18bの外周面と対向するガイド面19a,19b;20a,20bとの間の間隔が、第1および第2ローラ保持部材19,20の中央に向かって連続して大きくなるような傾斜面に形成されている。そして、第1および第2のCD8,9が、それぞれ第1および第2CD挿入取出口10,11から挿入されると、第1のCD8の外周エッジ部がゴムローラ17a,17bの外周面と樹脂製のガイド面19a,19bとの間に挟持され、また第2のCD9の外周エッジ部がゴムローラ18a,18bの外周面とガイド面20a,20bとの間に挟持され、第1および第2ローラ17,18の回転によりディスク記録媒体処理装置1内に進入するようになっている。ゴムローラの外周面とガイド面との間に挟持されるCD8,9の外周エッジ部はそれぞれ非記録部となっている。
【0036】
これらのゴムローラ17a,17b;18a,18bおよびガイド面19a,19b;20a,20bにより、本発明のディスク引込排出手段が構成されている。その場合、ゴムローラ17a,17b;18a,18bおよびガイド面19a,19b;20a,20bの各傾斜面により、第1および第2のCD8,9が第1および第2CD挿入取出口10,11の中心から偏心して挿入されても、これらの第1および第2のCD8,9は自動的に第1および第2CD挿入取出口10,11の中心にほぼ設定されるようになる。なお、回転式のローラに代えて、回転式アーム、スライド式のスライダ等を用いることもできる。
【0037】
第1トラック6には、第1のCD8を保持しかつ搬送する第1CD保持搬送部材21(本発明のディスク保持搬送手段に相当)がディスク保持部4のストア位置A(後述する図17に図示)とピックアップ部5のピックアップ位置B(同図17に図示)との間で装置本体2の長手方向に沿ってガイドレール等の従来公知の適宜の手段でガイドされて移動可能に設けられている。その場合ディスク記録媒体処理装置1が、図3(a)に示す水平状態に設置される場合はもちろん、図3(c)に示すように第1および第2CD挿入取出口10,11が上下方向になるように設置された場合および図3(d)に示すように第1および第2CD挿入取出口10,11が傾斜して(第1CD挿入取出口10が第2CD挿入取出口11より上になるように)設置された場合にも、更には図3(e)に示すように第1および第2CD挿入取出口10,11が上下のいずれの方向に設置された場合にも第1CD保持搬送部材21がガイドレール等に確実にガイドされて移動可能となるようにされている。
【0038】
この第1CD保持搬送部材21は、第1CD挿入取出口10側の端と反対側の端に大きな切り欠き22が形成されており、この切り欠き22の形状は、ディスクピックアップ部5のトラーバースユニット23のターンテーブル24が第1CD保持搬送部材21のCD保持中心位置に進入できるような形状にされている。
【0039】
図5(a)に示すように、第1CD保持搬送部材21の上面には、2対のガイドレール25a,25b;26a,26bが設けられている。外側の一対のガイドレール25a,25bは12cmの第1のCD8の外周縁をガイドするようになっているとともに、一側のガイドレール25aの先端部(トラバースユニット23側の端部)が円弧状の12cmのCDのCD位置決め部25a′とされている。
【0040】
また、内側の一対のガイドレール26a,26bは8cmの第1のCD8の外周縁をガイドするようになっているとともに、一側のガイドレール26aの先端部(トラバースユニット23側の端部)が円弧状の8cmのCDのCD位置決め部26a′とされている。その場合、内側の一対のガイドレール26a,26bの高さは、後述する図18(a)に示すように12cmの第1のCD8が第1ローラ17によって送られてきて、図18(b)に示す途中位置の状態を経て、図18(c)に示すように第1のCD8の外周縁が位置決め部25a′に当接するまでの間、第1のCD8の下面が第1CD保持搬送部材21に接触しないような高さに設定されている。
【0041】
図18(c)に示す12cmの第1のCD8の外周縁がCD位置決め部25a′に当接した状態では、この12cmの第1のCD8は正規位置に設定されるようになっている。このとき、12cmの第1のCD8の中心孔8aは切り欠き22内に位置するようになる。また、図示しないが8cmの第1のCD8の外周縁がCD位置決め部26a′に当接した状態では、この8cmの第1のCD8も正規位置に設定されるようになっている。このとき、12cmの第1のCD8の場合と同様に第1のCD8の中心孔8aは切り欠き22内に位置するようになる。
【0042】
図5(a)において、第1CD保持搬送部材21の床面の高さは、内側の一対のガイドレール26a,26bに挟まれた領域の床面21aの高さが、一側のガイドレール25a,26aに挟まれた領域の床面21bの高さおよび他側のガイドレール25b,26bに挟まれた領域の床面21cの高さより低く設定されている。なお、両床面21b,21cの各高さは互いに同じ高さに設定されている。したがって、正規位置にある8cmの第1のCD8は正規位置にある12cmの第1のCD8より低い位置に設定されるようになる。
【0043】
更に、第1CD保持搬送部材21には、円弧状の第1および第2ガイド孔27,28が穿設されているとともに、第1および第2ガイド縁29,30が設けられている。これらの第1および第2ガイド孔27,28と第1および第2ガイド縁29,30とにより、それぞれ、第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34がガイドされるようになっている。図5(b)に示すように、第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34は、第1CD保持搬送部材21の下面側に配設された三角形状の第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38の1つの角部に支持されている。そして、図6(a)および(b)に示すように第1チャッキングピン31は第1ガイド孔27を貫通して第1CD保持搬送部材21の上面側に延設されているとともに、同様に第2チャッキングピン32が第2ガイド孔28を貫通して第1CD保持搬送部材21の上面側に延設されている。また、第3および第4チャッキングピン33,34がそれぞれ第1ガイド縁29,30の側を通って第1CD保持搬送部材21の上面側に延設されている。
【0044】
第1チャッキングピン31は第1のCD8の縁を挟持する挟持面が截頭円錐台形状に形成されており、その場合、図6(a)に示すように12cmの第1のCD8の縁8aを挟持する截頭円錐台形状の挟持面31aの上下方向軸に対する傾斜角が、図6(b)に示すように8cmの第1のCD8の縁8aを挟持する截頭円錐台形状の挟持面31bの上下方向軸に対する傾斜角より大きく設定されている。これにより、8cmの第1のCD8より重い12cmの第1のCD8に対する第1CD保持搬送部材21に押し付ける挟持力が8cmの第1のCD8に対する挟持力より大きくなるように設定されている。これにより、重い12cmの第1のCD8もより効果的に挟持されるようになっている。第2ないし第4チャッキングピン32,33,34の形状も、第1チャッキングピン31とほぼ同じに形成されている。
【0045】
このように第1のCD8の縁8aを第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34で第1CD保持搬送部材21との間に挟持することにより、ディスク記録媒体処理装置1が図3(a)に示す水平状態、図3(c)に示す第1および第2CD挿入取出口10,11の上下方向状態、および図3(d)に示す第1および第2CD挿入取出口10,11の傾斜状態に設置されても、12cmおよび8cmの第1のディスク8のいずれもが確実に第1CD保持搬送部材21に保持されるようになる。
【0046】
なお、第1および第4チャッキングピン31,32,33,34の形状は、前述のように截頭円錐台形状に代えて、図6(c)および(d)に示すように大中小の異なる径の段付の円柱形状に形成することもできる。図6(c)に示す例は上側の段部31cと中径の外周面とで12cmの第1のCD8の縁8aが保持され、また、図6(d)に示す例は下側の段部31dと小径の外周面とで8cmの第1のCD8の縁8aが保持されるようになっている。また、第1および第4チャッキングピン31,32,33,34の形状は、図6(e)および(f)に示すように傾斜角が1つの截頭円錐台形状に形成することもできる。このように第1および第4チャッキングピン31,32,33,34を形成することで、12cmおよび8cmの各ディスク8の上下方向の移動をそれぞれ段部31c,31dで制限することが可能となる。この8cmのディスク8の上下方向の移動を制限することで、8cmのディスク8をガイドするガイドレール26aの高さを低くしても、8cmのディスクがガイドレール26a,26bを乗り越えることが阻止されて確実にガイドされるようになる。そして、ガイドレール26a,26bの高さを低くできることから、装置本体2の厚みをより小さくすることができ、装置がコンパクトになる。図6(e)に示す例はチャッキングピンの傾斜面で12cmの第1のCD8の縁8aが挟持され、また、図6(f)に示す例は同じ傾斜面で8cmの第1のCD8の縁8aが挟持されるようになっている。
【0047】
更に、図6(g)に示すように、第1および第4チャッキングピン31,32,33,34の形状は、図6(c)および(d)に示す12cmのディスクに対応する段部31cを設けないで図6(a)に示す傾斜した挟持面31aと同様に形成することもできる。このように形成することで、前述と同様に8cmのディスク8の上下方向の移動を段部31dで制限することが可能となる。更に、図6(h)に示すように第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34の形状は、図6(g)に示す8cmのディスクに対応する部分も傾斜した挟持面31bと同様に形成することもできる。
【0048】
なお、チャッキングピンは4個以外に3個設けることもできる。その場合には、第1および第2チャッキングピン31,32を設けるとともに、第3および第4チャッキングピン33,34のいずれかを設けるようにする。
また、第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38の1つの角部に支持されている第1および第4チャッキングピン31,32,33,34にかえて、第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38の1つの角部に、図示しないが第1および第4チャッキングローラをそれぞれ回転自在に設けることもできる。このようにすれば、各CD8,9のチャッキング動作時に第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38が回動しても、各チャッキングローラはそれぞれ第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38に対して相対回動するので、各チャッキングローラと第1および第2CD8,9の外周縁との間で摺擦が生じることはない。したがって、各チャッキングローラは第1および第2CD8,9を滑らかにチャッキングすることができるとともに、第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38の負荷を軽減できる。また、各チャッキングローラが回動自在であることから、CDの大きさ、つまりディスクの大きさに関わらず、柔軟に対応することができる。
【0049】
第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38は、それぞれ、それらの他の1つの角部で回転軸39,40,41,42により第1CD保持搬送部材21に回転可能に取り付けられている。その場合、これらの回転軸39,40,41,42はそれぞれ対応する第1および第2ガイド孔27,28と第1および第2ガイド縁29,30との各円弧の中心位置に設けられている。また、第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38の残りの角部には、それぞれカムピン43,44,45および被押圧ピン46が突設されている。なお、これらのカムピン43,44,45および被押圧ピン46は回転可能に支持するようにしてもよい。また、第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38の形状およびこれに支持される各部材はこれに限定されるものではない。
【0050】
そして、各回転軸39,40,41,42には、対応するカムピン43,44,45および被押圧ピン46を、それぞれ、第1および第2チャッキングピン31,32がそれぞれ第1および第2ガイド孔27,28の内側端の方向つまり第1のCD8の通路を閉じる方向に移動し、また第3および第4チャッキングピン33,34がそれぞれ第1および第2ガイド縁29,30の内側端の方向つまり第1のCD8の通路を閉じる方向に移動するように常時付勢するスプリング47,48,49,50が設けられている。その場合、2つのスプリング47,48のばね力が他の2つのスプリング49,50のばね力より若干大きく設定されている。したがって、後述するように12cmあるいは8cmの第1のCD8がそれぞれ位置決め部25a′,26′に当接した正規位置に設定された状態では、2つのスプリング47,48のばね力で第1のCD8は位置決め部25a′,26′に当接した状態に付勢されて維持され、正規位置が保持されるようになっている。
【0051】
更に、図5(b)に示すように第1CD保持搬送部材21の下面側には、円弧状の第1チャッキング制御部材51が、第1のCD8が前述の正規位置に設定されたときの第1のCD8の中心を回転中心として第1CD保持搬送部材21に対して相対回転可能に設けられている。この第1チャッキング制御部材51には、第1ないし第3ピン支持板35,36,37にそれぞれ対応して3つのカム孔52,53,54が穿設されているとともに、第4ピン支持板38の被押圧ピン46に対応してピン押圧部55が設けられている。
【0052】
更に、図5(b)に示すように第1CD保持搬送部材21の下面側には、円弧状の第1チャッキング制御部材51が、第1のCD8が前述の正規位置に設定されたときの第1のCD8の中心を回転中心として第1CD保持搬送部材21に対して相対回転可能に設けられている。なお、第1チャッキング制御部材51は第1のCD8の中心を回転中心にする必要はない。この第1チャッキング制御部材51には、第1ないし第3ピン支持板35,36,37にそれぞれ対応して3つのカム孔52,53,54が穿設されているとともに、第4ピン支持板38の被押圧ピン46に対応してこのピン46を押圧するカム部55が設けられている。なお、第1ないし第3ピン支持板35,36,37に1つのカム孔で対応することもできる。
【0053】
そして、これらのカム孔52,53,54を形成する第1チャッキング制御部材51の縁に、それぞれ対応するカムピン43,44,45が当接されている。その場合、カムピン43,44,45がそれぞれ当接するカム孔52,53,54の縁はカム面を構成しており、これらのカム面によりカムピン43,44,45がガイドされるようになっている。したがって、第1チャッキング制御部材51が回転して、カム孔52,53,54のカム面がカムピン43,44,45をガイドすることで、第1ないし第3ピン支持板35,36,37が回転制御される、つまり第1ないし第3チャッキングピン31,32,33がそれぞれ対応する回転軸39,40,41を中心に回転制御されるようになる。また、図5(b)において第4ピン支持板38が回転軸42を中心に反時計方向に回転しかつ第1チャッキング制御部材51が反時計方向に回転すると、第1チャッキング制御部材51の押圧部55が被押圧ピン46に当接するとともにこの被押圧ピン46を右方に押圧することにより、第4ピン支持板38が回転軸42を中心に反時計方向に更に若干回転するようになっている。
【0054】
更に、第1チャッキング制御部材51はスプリング56のばね力で図5(b)において常時時計方向に付勢されており、この第1チャッキング制御部材51に他の外力が加えられないときは、図5(a)および(b)に示す状態、つまり第1および第2チャッキングピン31,32がそれぞれ第1および第2ガイド孔27,28の内側端に位置するとともに第3および第4チャッキングピン33,34がそれぞれ第1および第2ガイド縁29,30の内側端にほぼ位置して、第1のCD8の通路を最も閉じた位置に設定されるようになっている。なお、スプリング56に代えてスプリング47,48,49,50の力を利用することもできる。その場合はスプリング56は不要となり、部品点数を削減でき、コストを低減できる。
【0055】
また、第1チャッキング制御部材51は後述するように第1ラックスライダ79により力が加えられて、図5(b)において反時計方向にスプリング56のばね力に抗して回転すると、各カムピン43,44,45がガイドされるので、第1ないし第3ピン支持板35,36,37がそれぞれ回転し、第1ないし第3チャッキングピン31,32,33がそれぞれ対応する第1および第2ガイド孔27,28の外側端、第1ガイド縁29の外側端の方へ向かって、つまり第1のCD8の通路を開く方向にこれらの第1および第2ガイド孔27,28、第1ガイド縁29にガイドされて移動するようになっている。
なお、第1チャッキング制御部材51はこのような回転式に代えて、スライド式のスライダを用いることもできる。
【0056】
図7(a)および(b)に示すように、第1CD保持搬送部材21の、CD位置決め部25a′,26a′が設けられる側と反対側の長手方向縁部には、CD押出機構57が設けられている。このCD押出機構57は、第1CD保持搬送部材21に一端が回転可能に設けられ、他端にCDを押圧するCD押圧部58aを有し、更に作動ピン58bを有する押出アーム58と、装置本体2の長手方向に移動可能に設けられ、被押圧ピン59aおよび移動方向と直交する方向(図において上下方向)に長く延びる長孔からなる押圧部59bを有する押出アーム作動部材59と、この押出アーム作動部材59を図において常時右方へ付勢するスプリング60とを備えている。なお、この長孔は、直交する方向に限定されることはなく、押出アーム作動部材59が作動したとき方向に、作動ピン58bが押出アーム58を図7(b)においてα方向に回動させるように移動させる形状であれば、例えば鈍角に曲げられた孔、円弧状の湾曲形状の孔、カム溝等のどのような形状にも設けることができる。
【0057】
押出アーム58の作動ピン58bは押圧部59bの長孔に嵌入されている。そして、後述するように第1ラックスライダ79により被押圧ピン59aに図において左方へ力が加えられて押出アーム作動部材59がスプリング60のばね力に抗して左方へ移動し、押圧部59bが作動ピン58bを左方へ押圧することで、図7(b)に示すように押出アーム58が矢印αで示す時計方向に回転し、そのCD押圧部58aが12cmの第1のCD8の外周縁に当接してこれを挟み込みかつこの第1のCD8を左方へ、つまり第1CD挿入取出口10の方へ押し出すようになっている。その場合、押出アーム58が位置する側と反対側の第1のCD8の外周縁がガイドレール25aによってガイドされるので、第1のCD8は、スムーズに第1CD挿入取出口10の方へ移動するようになっている。
【0058】
なお、8cmの第1のCD8の場合も同様であり、この8cmの第1のCD8の場合には、押出アーム58が位置する側と反対側の第1のCD8の外周縁がガイドレール26aによってガイドされるようになる。この8cmの第1のCD8では、押出アーム58のCD押圧部58aが第1のCD8の外周縁に当接する位置がより第1CD保持搬送部材21の幅方向の中心により近い位置になるので、CD押圧部58aによる第1のCD8の押圧力の幅方向の成分が小さくなることから、12cmのCDより更にスムーズに第1CD挿入取出口10の方へ移動するようになる。
また、押出アーム58および押出アーム作動部材59は装置本体2に設けることもできる。
更に、押出アーム58はこのような回転式に代えて、スライド式のスライダを用いることもできる。
【0059】
なお、8cmの第1のCD8の場合も同様であり、この8cmの第1のCD8の場合には、押出アーム58が位置する側と反対側の第1のCD8の外周縁がガイドレール26aによってガイドされるようになる。この8cmの第1のCD8では、押出アーム58のCD押圧部58aが第1のCD8の外周縁に当接する位置がより第1CD保持搬送部材21の幅方向の中心により近い位置になるので、CD押圧部58aによる第1のCD8の押圧力の幅方向の成分が小さくなることから、12cmのCDより更にスムーズに第1CD挿入取出口10の方へ移動するようになる。
また、押出アーム58,58′および押出アーム作動部材59,59′は装置本体2に設けることもできる。
【0060】
更に、図26(a)ないし(c)に示すように、押出アーム58,58′のCD押圧部58a,58a′に、作動ピン58b,58b′として回転自在の円柱状のローラ58b,58b′を設け、図26(c)に示すようにこれらのローラ58b,58b′の外周面にそれぞれ第1および第2CD8,9の外周縁を当接させて、第1および第2CD8,9を押し出すようにすることもできる。このようにすれば、各CD8,9の押出し時に押出アーム58,58′が回動しても、各ローラ58b,58b′は押出アーム58,58′に対して相対回動するので、ローラ58b,58b′の外周面と第1および第2CD8,9の外周縁との間で摺擦が生じることはない。したがって、第1および第2CD8,9を滑らかに押し出すことができるとともに、押出アーム58,58′の負荷を軽減できる。また、ローラ58b,58b′が回動自在であることから、CDの大きさ、つまりディスクの大きさに関わらず、柔軟に対応することができる。
【0061】
また、ローラ58b,58b′の形状は種々変更可能である。例えば、図26(d)に示すようにローラ58b,58b′の両端部に比較的低い高さのフランジ58b1,58b1′;58b2,58b2′を設けることもできるし、また、図26(e)に示すようにローラ58b,58b′の両端部に比較的高い高さのフランジ58b1,58b1′;58b2,58b2′を設けることもできる。その場合、図に示すようにこれらのフランジ58b1,58b1′;58b2,58b2′の相対向する面をテーパ面に形成することもできる。もちろん、ローラ58b,58b′はディスクの外周縁に当接可能であれば、他のどのような形状に形成することもできる。
更に、これらの押出アーム58,58′はこのような回転式に代えて、スライド式のスライダを用いることもできる。
【0062】
更に図5(a)および図19(後述)に示すように、第1CD保持搬送部材21の、押出アーム58が設けられる側の側縁には、それぞれ、回動レバー74,74′の一端が軸74a,74a′により回転可能に取り付けられている。これらの回動レバー74,74′の他端には、ピン状のカムフォロワ75,75′が設けられている。
【0063】
第2トラック7にも、第1トラック6の第1CD保持搬送部材21とまったく同じ第2CD保持搬送部材21′が設けられているとともに、第1トラック6の対応するものとまったく同じ、第1ないし第4チャッキングピン31′,32′,33′,34′、第1チャッキング制御部材51′、およびCD押出機構57が設けられている。以下、第2トラック7の構成要素の一部には対応する、第1トラック6の構成要素の符号に「′」を付すことで、詳細な説明は省略する。ただし、「25a′」および「26a′」は除くとともに、図面に記載されていないものもあり、その場合は対応する第1トラック6の構成要素と同じである。
【0064】
第1および第2CD挿入取出口10,11からそれぞれ挿入されて来るCD8,9およびストア位置Aにある第1および第2CD保持搬送部材21,21′上にあるCDを検知するCD検知手段が設けられており、このCD検知手段は適宜数のCD検出用フォトセンサ(不図示)からなっている。図4に示すように、このCD検出用フォトセンサは、第1ローラ保持部材19の上に設けられたセンサ支持板61に支持され、第1のCD8の検知のための所定数の発光素子および受光素子のいずれか一方と、第2ローラ保持部材20の上に設けられたセンサ支持板62に支持され、第1のCD8の検知のための所定数の発光素子および受光素子のいずれか他方と、第2ローラ保持部材20の上に設けられたセンサ支持板63に支持され、第2のCD9の検知のための所定数の発光素子および受光素子のいずれか一方と、装置本体2に支持され、第2のCD9の検知のための所定数の発光素子および受光素子のいずれか他方と、センサ支持板61に支持され、第1および第2のCD8,9の検知のための1つの発光素子および受光素子のいずれか一方と、装置本体2に支持され、第1および第2のCD8,9の検知のための1つの発光素子および受光素子のいずれか他方とからなっている。第1および第2ローラ保持部材19,20には、それぞれ、これらの発光素子から発光される光が透過可能な透過孔が適宜穿設されている。
【0065】
図8に示すように、ディスクピックアップ部5のトラバースユニット23は、ターンテーブル24を有するピックアップ本体64と、このピックアップ本体64を支持する支持板65と、装置本体2に取り付けられ、この支持板65の回転軸65aを回転可能に支持するトラバースユニットベース66と、トラバースユニットベース66に回転可能に設けられ、第1チャッキング制御部材51を回転制御するリンク部材67と、トラバースユニットベース66に回転可能に設けられ、支持板65を回転制御するクランプアーム68と、装置本体2に長手方向に移動可能に設けられ、リンク部材67およびクランプアーム68をそれぞれ回転制御するクランプスライダ69と、トラバースユニットベース66に回転可能に設けられたリンクアーム70と、このリンクアーム70にその上下両方向に突設されたピン71と、ターンテーブル24上のCDをターンテーブル24の反対側から回転可能に押さえる押さえ部材72と、この押さえ部材72を支持する押さえ部材支持部材73と、トラバースユニットベース66に取り付けられたクランプスライダ69の位置を検知するクランプ検知スイッチ123とからなっている。
【0066】
リンク部材67は、その一端67aがクランプスライダ69の図示しない係合部に係合しており、クランプスライダ69が図8において右方へ移動したときは反時計方向に回転し、またクランプスライダ69が図8において左方へ移動したときは時計方向に回転するようになっている。また、リンク部材67の他端には、図5(b)に示す第1チャッキング制御部材51の被押圧部51aを図5(b)において右方へ押圧可能な押圧部67bが設けられている。そして、リンク部材67が図8において反時計方向に回転して、押圧部67bが第1チャッキング制御部材51の被押圧部51aを図5(b)において右方へ押圧することで、第1チャッキング制御部材51を図5(b)において反時計方向に、つまり第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34がCD8,9のチャッキングを解除する方向に回転するようになっている。
【0067】
クランプアーム68の一端にはピン状のカムフォロワ68aが設けられているとともに、クランプアーム68の他端部68bは支持板65の回転軸65aと反対側に設けられた連結軸65bに回転可能に連結されている。したがって、クランプアーム68が図8において時計方向に回転したときは、支持板65がその回転軸65aを中心に時計方向に回転するので、ターンテーブル24が図8において上方へ移動して、ターンテーブル24上にセットされたCD(図8には不図示)を押さえ部材72との間にクランプされるようになる。また、クランプアーム68が反時計方向に回転したときは、支持板65の回転軸65aを中心に反時計方向に回転するので、ターンテーブル24が図8において下方へ移動して、ターンテーブル24上にセットされたCD(図8には不図示)は押さえ部材72から離間し、アンクランプ(クランプ解除)されるようになる。
【0068】
図20に示すようにクランプスライダ69にはカム孔69aが穿設されており、このカム孔69aにクランプアーム68のカムフォロワ68aが嵌入されている。カム孔69aは図おいて上下の水平部69a1,69a2およびこれらの水平部69a1,69a2を連続して接続する、傾斜の異なる2つの傾斜部69a3,69a4から構成されている。これらの傾斜部69a3,69a4は、リンクアーム70の回転制御によって第1ラックスライダ79がスライドするように設けられている。
【0069】
そして、クランプスライダ69が図8において左方へ移動して、図20に示すようにカムフォロワ68aがカム孔69aの上方の水平部69a1に設定されると、クランプアーム68が反時計方向に回転し、ターンテーブル24上のCDがアンクランプされる。また、クランプスライダ69が図8において右方へ移動して、図22に示すようにカムフォロワ68aがカム孔69aの下方の水平部69a2に設定されると、クランプアーム68が時計方向に回転し、ターンテーブル24上のCDが押さえ部材72との間でクランプされる。
【0070】
その場合、カムフォロワ68aが傾斜部69a3,69a4によって制御されることで、リンクアーム70の回転によるCD8のチャッキング制御およびアンチャッキング制御(チャッキング解除制御)およびクランプアーム68の回転によるCD8のクランプ制御およびアンクランプ制御のタイミングが制御されるようになっている。
【0071】
第1および第2CD保持搬送部材21,21′のいずれかがピックアップ位置Bに設定された状態で、クランプスライダ69が図8において右方へ移動することで、そのCD保持搬送部材(21,21′)上のCDをターンテーブル24と押さえ部材72との間でクランプした後、CDをアンチャッキングするようになっている。また、クランプスライダ69が図8において左方へ移動することで、CDをCD保持搬送部材(21,21′)上に載置しかつ第1チャッキング制御部材51の被押圧部51aが戻ることによってチャッキングした後、ターンテーブル24と押さえ部材72との間でクランプされているCDをアンクランプするようになっている。こうして、クランプスライダ69はCDクランプ−チャッキング制御手段を構成しており、装置本体2をどのような姿勢に設置しても、ターンテーブル24とCD保持搬送部材(21,21′)との間におけるCDの移動を確実にして脱落を防止して、ターンテーブル24へのCDのセットおよびCD保持搬送部材(21,21′)上へのCDの保持を確実にしている。
【0072】
更に、クランプスライダ69にはその移動方向と直交する方向に延びる長孔からなるガイド孔69bが穿設されている。このガイド孔69bには、リンクアーム70の下方に突出するピン71が嵌入されており、リンクアーム70が図8において反時計方向に回転すると、クランプスライダ69は図8において右方へ移動し、また、リンクアーム70が図8において時計方向に回転すると、クランプスライダ69は図8において左方へ移動するようになっている。その場合、リンクアーム70は図示しないスプリングのばね力によるトグル機構により、その中立位置よりどちらかの方向に回転すると、その方向の所定位置でロックされるようになっている。なお、ガイド孔69bはリンクアーム70の回転により、前述のようにクランプスライダ69を移動できるものであれば、直交方向に限定することなく、どのようにも設けることができる。
【0073】
次に、第1CD保持搬送部材21およびトラバースユニット23を移動する駆動系について説明する。
図1に示すように、装置本体2には、第1および第2CD保持搬送部材21,21′に移動を制御する長いカム部材76が装置本体2の長手方向に沿って取り付けられている。図9に示すように、このカム部材76には、第1および第2トラック6,7に対応してそれぞれ長手方向に延びるカム孔77,78が穿設されている。これらのカム孔77,78には、それぞれ、第1および第2CD保持搬送部材21,21′の各側縁にそれぞれ取り付けられた回動レバー74,74′のカムフォロワ75,75′(図9には不図示)が貫通している。そして、カム孔77,78はいずれも図9において左端、つまり第1および第2CD挿入取出口10,11側の端がカムフォロワ75,75′を下方に移動させるカム面77a,78aがそれぞれ形成されている。また、カム孔77,78はいずれも図9において右端、つまりトラバースユニット23側の端がカムフォロワ75,75′を上方に移動させるカム面77b,78bがそれぞれ形成されている。更に、左右両端のカム面77a,77b;78a,78bの間のカム孔77,78の各中央部77c,78cは、それぞれカムフォロワ75,75′を上下方向中間位置に設定するようになっている。
【0074】
カム部材76の第1トラック6用のガイドレール77cには、図10(a)および(b)に示すような第1ラックスライダ79が長手方向に移動可能に設けられている。この第1ラックスライダ79には長手方向に延びる第1ラック80が設けられているとともに、この第1ラック80に隣接して後述する位置検知スイッチをオン、オフする一対の位置検知スイッチ操作用突起81,82が立設されている。なお、位置検知スイッチおよび突起81,82は任意に変更することができる。その場合、突起81,82は凹部に形成することもできる。また、第1ラックスライダ79には、上側長手方向孔83aと下側長手方向孔83bとこれらの上、下側長手方向孔83a,83bを連結する垂直方向孔83cとからなる段付きガイド孔83が穿設されている。このガイド孔83には、カム孔77を貫通した第1CD保持搬送部材21の側縁に取り付けられた回動レバー74のカムフォロワ75が嵌入されている。
【0075】
そして、カムフォロワ75がカム孔77の中央部77cに位置しているときは、図10(b)に示すように垂直方向孔83cに位置しており(図21に示す75αの位置)、この状態では、回動レバー74は図21に示す水平位置74αとなり、かつカムフォロワ75が図21に示す位置75αになり、第1ラックスライダ79がカム部材76の長手方向に移動するとき、第1CD保持搬送部材21が装置本体2の長手方向に沿って第1ラックスライダ79とともに移動可能となっている。また、カムフォロワ75がカム孔77の左端のカム面77aに位置しているときは、図10(b)に示す長手方向孔83bに位置しており、この状態では、回動レバー74は図21において時計方向に回転した位置74βとなり、かつカムフォロワ75が図21に示す位置75βになり、第1ラックスライダ79が図10において左方、つまり第1CD挿入取出口10の方向に移動しても、第1CD保持搬送部材21は同方向には移動しない。更に、カムフォロワ75がカム孔77の右端のカム面77bに位置しているときは、図10(b)に示す上側長手方向孔83aに位置しており、この状態では、回動レバー74は図21において反時計方向に回転した位置74γとなり、かつカムフォロワ75が図21に示す位置75γになり、第1ラックスライダ79が図10において右方、つまりトラバースユニット23の方向に移動しても、第1CD保持搬送部材21は同方向には移動しないようになっている。
【0076】
図10(a)に示すように、第1ラックスライダ79の左端部(第1CD挿入取出口側端部)には突起84が形成されており、この突起84の左側の角が面取りされて傾斜面84aに形成されている。
また、第1ラックスライダ79の中央部分には、押圧部材85が第1ラックスライダ79の長手方向と直交する方向に突出して形成されており、この押圧部材85にはカム溝86が形成されている。このカム溝86は、第1ラックスライダ79の長手方向と直交する方向に延び、かつ先端が開口したU字状に形成されているとともに、先端開口部に傾斜したガイド面86aが形成されている。
【0077】
押圧部材85のカム溝86と反対側の端85aは、図5(b)に示す第1チャッキング制御部材51の被押圧ピン51bを図5(b)において右方へ押圧可能となっている。その場合、押圧部材85の端85aがこの被押圧ピン51bを図5(b)において右方へ押圧することで、第1チャッキング制御部材51を図5(b)において反時計方向に、つまり第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34がCD8,9のアンチャッキングする方向に回転するようになっている。
【0078】
図11(a)に示すように第1ラックスライダ79がトラバースユニット21の方へ(図において右方へ)移動してくると、図11(b)に示すようにリンクアーム70のピン71にカム溝86のガイド面86aが当接する。更に、第1ラックスライダ79が図において右方へ移動すると、ガイド面86aがピン71を押圧するので、ピン71はリンクアーム70とともにこのリンクアーム70の回転軸を中心に図において反時計方向に回転する。すると、ピン71がリンクアーム70の回転軸を中心として円弧運動により、次第にカム溝86のU字状部分に進入するようになり、図11(c)に示すようにリンクアーム70が前述のようにトグル機構で反対側の所定位置に設定されて停止したときには、ピン71がカム溝86のU字状部分にほとんど進入した状態となる。この状態では、ピン71と押圧部材85とは、押圧部材85つまり第1ラックスライダ79の長手方向の両方向に移動に対して互いに係合するようになる。
【0079】
図11(c)に示す状態から、逆に第1ラックスライダ79が第1CD挿入取出口10の方(図において左方)へ移動すると、押圧部材85によってピン71が左方へ押圧されるので、リンクアーム70が図において時計方向に回転し、最終的には図11(a)に示すようにリンクアーム70が元の位置に設定されて停止するとともに、ピン71がカム溝86から離脱してピン71と押圧部材85とが完全に係合解除する。
【0080】
更に、図10(a)に示すように第1ラックスライダ79の図において左端には、突起84と反対側に突出する突起79aが設けられている。図12に示すように、この突起79aは第1シャッタ13に設けられた被押圧部材13aの傾斜面13bに当接可能となっている。そして、第1ラックスライダ79が第1CD挿入取出口10の方へ移動してきて、突起79aが被押圧部材13aの傾斜面13bに当接し、更に第1ラックスライダ79が同方向へ移動して突起79aが被押圧部材13aを押圧することで、第1シャッタ13が図12において反時計方向に回転し、第1CD挿入取出口10を開くようになっている。
【0081】
図1に示すように、装置本体2にはラック駆動ギヤ部材87が上下方向に所定量移動可能にかつ回転可能に設けられている。このラック駆動ギヤ部材87にはギヤ87aが設けられており、このギヤ87aは第1および第2ラック80,80′の歯にそれぞれ選択的に噛合可能となっている。その場合、ギヤ87aは常時第1および第2ラック80,80′のいずれかに噛合した状態に設定される。なお、ラック駆動ギヤ部材87には、第1および第2ラック80,80′対応して2つのギヤ87aを設け、第1および第2ラック80,80′のいずれかに対応するギヤ87aを選択的に噛合するようにすることもできる。
【0082】
図13に示すように、更に装置本体2にはトラバースユニット23の初期高さ位置を制御する高さ位置制御部材88が装置本体2の長手方向に移動可能に設けられている。この高さ位置制御部材88は、図13において左側のカムフォロワ88aと右側のコ字状部材88bとからなっている。カムフォロワ88aには高さ位置制御部材88に移動方向と直交する方向に延びる細長いカム孔88cが穿設されている。
【0083】
また、コ字状部材88bの長手方向に延びる部分には、図2に示すように長手方向に延びるカム孔88dが穿設されている。このカム孔88dは、上下2段の長手方向孔とこれらを接続する傾斜孔とから構成されている。なお、コ字状部材88bの他の長手方向に延びる部分にも同じカム孔88dが穿設されている。また、カム孔88dの長手方向孔はトラック数つまりディスク保持搬送部材を3以上の複数設けた場合は、その数と同じ上下段数に設定される。
【0084】
このカム孔88dには、トラバースユニットベース66に設けられた左右4個のカムピン66a,66b,66c(カムピン66b,66cは図8に図示;残りの1つのカムピンは不図示)が嵌入されている。したがって、高さ位置制御部材88が装置本体2の長手方向に移動することで、カムピン66a,66b,66cが上下移動する。これにより、トラバースユニット23は、第1トラックにおける第1のCD8がピックアップ位置に移動する際、ターンテーブル24と干渉しない高さ位置の第1初期高さ位置、および第2トラックにおける第2のCD9がピックアップ位置に移動する際、ターンテーブル24と干渉しない高さ位置の第2初期高さ位置にそれぞれ選択的に設定されるようになっている。
【0085】
更に、装置本体2には、カム部材89が装置本体2の床に垂直に延びる回転軸を中心に回転可能に設けられている。図14(a)および(b)に示すように、カム部材89は円柱状本体を有し、この円柱状本体の上面にカムピン89aが立設されている。このカムピン89aは高さ位置制御部材88のカム孔88cに摺動可能に嵌入されている。そして、カム部材89が時計方向あるいは反時計方向に回転してカムピン89aが高さ位置制御部材88を装置本体2の長手方向左右に移動させることで、トラバースユニット23が、前述の第1または第2初期高さ位置にそれぞれ選択的に設定される。
【0086】
また、カム部材89の円柱状本体の外周面には環状のカム89bが設けられている。更に、図14(b)に示すように、カム部材89の円柱状本体の下面には円環櫛歯状の多数の歯からなるカム位置検出部89cが設けられている。図示しないが、カム位置検出部89の歯を検出するカム位置検出用フォトセンサが設けられており、カム位置検出用フォトセンサの発光器および受光器の一方がカム位置検出部89の内側に設けられるとともに、発光器および受光器の他方がカム位置検出部89の外側に設けられる。そして、発光器から発せられた光がカム位置検出部89の歯に照射されてその光を受光器で検出することで、カム部材89の回転位置が検出されるようになっている。なお、カム位置検出は、このようなフォトセンサによる光学検出以外にメカニカルスイッチなどで構成することもできる。
更に、カム部材89の円柱状本体の外周面には、カム89bとカム位置検出部89cとの間にギヤ89dが設けられている。
【0087】
図13に示すように、装置本体2には、ラック駆動ギヤ部材87の高さ位置を制御する高さ制御レバー90が設けられている。この高さ制御レバー90は、中間位置で装置本体2の長手方向と直交する方向に延びる回転軸90aを中心に回転可能とされている。高さ制御レバー90の一端部90bにはスプリング等からなる弾性部材120の一端部が取り付けられており、弾性部材120の他端部は図23(a)および(b)に示すように後述するラック駆動ギヤ部材87のギヤ104を弾性的にかつギヤ104が回転可能に挟持している。そして、高さ制御レバー90が回転することで、この弾性部材120を介してラック駆動ギヤ部材87が上下動するようになっている。
【0088】
その場合、弾性部材120の弾性で、ラック駆動ギヤ部材87のギヤ87aが第1ラック80と第2ラック80′との間で切替噛合される際に衝撃が緩和されて、樹脂製の高さ制御レバー90、カム部材89,およびラック駆動ギヤ部材87の破損が防止されるようになっている。
【0089】
また、第1ラック80と第2ラック80′との間でのギヤ87aの切替時に、第1および第2ラック80,80′の歯とギヤ87aの歯とが当接して直接噛合しない場合が生じても、ギヤ87aが回転することと弾性部材120の付勢力とにより、第1および第2ラック80,80′の歯とギヤ87aの歯とが自然とかつ確実に噛合するようになる。
ギヤ87aを有するラック駆動ギヤ部材87、高さ制御レバー90、および弾性部材120により本発明の動力伝達切替機構が構成されている。
【0090】
高さ制御レバー90の他端部90cは、カム部材89のカム89bによって制御されるカムフォロワとなっている。したがって、カム部材89が回転することで、カム89bにより、高さ制御レバー90が回転軸90aを中心に回転して、ラック駆動ギヤ部材87のギヤ87aが第1および第2ラック80,80′の歯のいずれかに選択的に噛合するようになっている。その場合、ギヤ87aが第1ラック80の歯に噛合するカム部材89の回転位置とトラバースユニット23の第1初期高さ位置に設定されるカム部材89の回転位置とが同じに設定され、また、ギヤ87aが第2ラック80′の歯に噛合するカム部材89の回転位置とトラバースユニット23の第2初期高さ位置に設定されるカム部材89の回転位置とが同じに設定されるようになっている。つまり、トラバースユニット23の初期高さ位置の設定に連動して、設定される初期高さ位置に対応した第1および第2CD保持搬送部材21,21′の駆動系が設定されるようになっている。
【0091】
このようにして、高さ位置制御部材88,カム部材89および高さ制御レバー90により、第1および第2トラック6,7を切換選択して第1および第2CD保持搬送部材21,21′の移動を切換制御するディスクチェンジ装置が構成されている。
なお、トラバースユニット23の初期高さ位置の設定のためのカムと、ラック第1および第2トラック6,7に対する駆動ギヤ部材87の切換設定のためのカムとが1つのカム部材89に一体に設けられているが、これらのカムは別体に設けることもできる。
【0092】
装置本体2の床には、第2CD保持搬送部材21′との間に、図示しない第1モータ(本発明の駆動手段に相当)および第2モータ(本発明のディスク保持搬送手段駆動用駆動手段に相当)が設置されている。図13に示すように、第1モータの回転軸に第1モータプーリ91が取り付けられているとともに、装置本体2に第1モータプーリ91より大径の中間プーリ92が回転可能に設けられており、更にこれらの第1モータプーリ91と中間プーリ92との間に無端ベルト93が掛け渡されている。したがって、第1モータの回転が減速されて第1モータプーリ91から中間プーリ92に伝達されるようになる。
【0093】
また、動力伝達切換アーム94がその中間位置で中間プーリ92の回転軸92aと同軸にかつこの回転軸92aを中心に中間プーリ92と相対回転可能に設けられている。動力伝達切換アーム94の一端側にはギヤ95が回転可能に設けられている。その場合、ギヤ95は回転する際に動力伝達切換アーム94に対して小さな所定の摩擦力(回転負荷)が作用されるようになっている(例えば、ギヤ95の回転軸とこれを回転可能に支持する動力伝達切換アーム94の軸受け部との間に摩擦力が作用されている)。このギヤ95には、中間プーリ92の回転が、この中間プーリ92と一体回転するギヤ(不図示;図13において動力伝達切換アーム94の下側)を介して減速されて伝達されるようになっている。なお、この摩擦力は中間プーリ92と動力伝達切換アーム94との間に作用するようにすることもできる。
【0094】
更に、装置本体2には中間ギヤ96が回転可能に設けられており、この中間ギヤ96の回転は、図示しないが適宜の周知の歯車減速機構、例えばウォームギヤ機構等により、第1および第2ローラ17,18にそれぞれそれらと同軸にかつそれらと一体回転可能に設けたそれぞれのギヤ(不図示)に減速されて伝達されるようになっている。その場合、図2および図13に示すようにウォーム121が、第1および第2ローラ17,18のウォームホイール124,125(図4に図示)にそれぞれ常時噛合されている。
【0095】
そして、図13に示す状態で第1および第2ローラ17,18が第1および第2のCD8,9をディスク記録媒体処理装置1内に引き出す方向に回転するように、第1モータが回転すると、第1モータの回転は、第1モータプーリ91、無端ベルト93、中間プーリ92等を介してギヤ95に伝達される。しかし、このとき、ギヤ95と動力伝達切換アーム94との間に前述のように所定の摩擦力が作用するため、ギヤ95は回転しなく、動力伝達切換アーム94が回転軸92aを中心に図13において反時計方向に回転するようになっている。この動力伝達切換アーム94の反時計方向の回転でギヤ95が中間ギヤ96に噛合すると、動力伝達切換アーム94がそれ以上反時計方向に回転しないので、ギヤ95が回転(自転)するようになり、このギヤ95の回転が中間ギヤ96に伝達されることで第1モータの回転が第1および第2ローラ17,18に減速されて伝達されるようになる。
すなわち、第1モータプーリ91、無端ベルト93、中間プーリ92、ギヤ95および中間ギヤ96により、第1および第2ローラに対する第1モータの駆動系が構成されている。
【0096】
また、図13に示す状態で逆に第1および第2ローラ17,18が第1および第2のCD8,9をディスク記録媒体処理装置1から引き込む方向に回転するように、第1モータが回転すると、同様にしてギヤ95と動力伝達切換アーム94との間に所定の摩擦力が作用するため、動力伝達切換アーム94が回転軸92aを中心に図13において時計方向に回転するようになっている。この動力伝達切換アーム94の時計方向の回転でギヤ95がカム部材89のギヤ89dに常時噛合しているギヤ126に噛合すると、動力伝達切換アーム94がそれ以上時計方向に回転しないので、中間ギヤ96が回転(自転)するようになり、このギヤ95の回転がギヤ89dに伝達されることで、第1モータの回転がカム部材89に減速されて伝達されるようになる。
すなわち、第1モータプーリ91、無端ベルト93、中間プーリ92、ギヤ95およびカム部材89のギヤ89dにより、カム部材89に対する第1モータの駆動系が構成されている。
【0097】
更に、装置本体2には、動力切換アームロックスライダ105が装置本体2の長手方向と直交する方向に移動可能に設けられている。この動力切換アームロックスライダ105の動力伝達切換アーム94側の端部には、凸形状の孔106が穿設されている。この凸形状の孔106には、図13において動力伝達切換アーム94の下面に立設されたロックピン107が進入している。凸形状の孔106の凹み(不図示)にはカム面が形成されており、動力伝達切換アーム94がギヤ95をローラ側の中間ギヤ96に噛合させていない状態(つまり、ギヤ95がカム部材のギヤ89dに常時噛合しているギヤ126に噛合しているか、あるいはギヤ95が中間ギヤ96およびギヤ126のいずれにも噛合していない状態)では、動力切換アームロックスライダ105が図13において下方に移動したとき、このカム面でロックピン107をガイドすることで、ロックピン107が凸形状の孔106の凹みに進入する方向に回転するようになっている。これにより、ギヤ95が中間ギヤ96に噛合する方向に回転し、ギヤ95が中間ギヤ96に噛合したとき、ロックピン107が孔106の凹みへの進入が終了して動力切換アームロックスライダ105がロック位置になると、動力伝達切換アーム94の回転がロックされ、ギヤ95と中間ギヤ96との噛合状態が保持されるようになっている。なお、ギヤ95が中間ギヤ96に既に噛合しているときは、ロックピン107が凸形状の孔106の凹みに直接進入し、その噛合状態が保持されるようになる。
更に、動力切換アームロックスライダ105はスプリング113のばね力で動力伝達切換アーム94のロック解除位置の方向に常時付勢されている。
【0098】
また、動力切換アームロックスライダ105の孔106と反対側の端部は、装置本体2の側壁と床との間の間隙を移動可能に貫通した後、上方に折曲して被押圧部108が形成されている。そして、第1ラックスライダ79が第1CD挿入取出口10の方へ移動してきて、突起84の傾斜面84aが被押圧部108に当接し、更に第1ラックスライダ79が同方向へ移動して突起84が被押圧部108を押圧することで、動力切換アームロックスライダ105がロック位置に移動するようになっている。第1ラックスライダ79がこの位置からトラバースユニット23の方へ移動して、突起84が被押圧部108から離間すると、動力切換アームロックスライダ105はスプリング113のばね力でロック解除位置へ移動するようになっている。
【0099】
カム部材76の第2トラック7用のガイドレール78cには第1トラック用の前述の第1ラックスライダ79とが実質的に同じ第2ラックスライダ79′が長手方向に移動可能に設けられている。第2ラックスライダ79′については第1ラックスライダ79と同じ構成要素に同じ符号に「′」を付すことで、詳細な説明は省略する。この第2ラックスライダ79′の段付きガイド孔83′には、第2CD保持搬送部材21′に回動可能に取り付けられたカムフォロワ75′(図5に示すカムフォロワ75に対応する)が嵌入されており、第1トラックの場合と同じ作動が行われるようになっている。また、第2ラックスライダ79′の押圧部材85′のカム溝86′内に、第1ラックスライダ79のカム溝86内に進入するピン71の個所とリンクアーム70との間のピン71の個所が進入するようになる。
【0100】
更に、図12に示すように、第2ラックスライダ79′の突起79a′は第2シャッタ14に設けられた被押圧部材14aの傾斜面に当接しかつ押圧することで、第2シャッタ14が同様に回転して、第2CD挿入取出口11を開くようになっている。なお、図12には、第1シャッタ13が第1CD挿入取出口10を閉じた状態が示され、また第2シャッタ14が第2CD挿入取出口11を開いた状態が示されている。
【0101】
更に、図15に示すように、第2ラックスライダ79′の突起84′の傾斜面84a′が動力切換アームロックスライダ105の被押圧部108に当接し、この被押圧部108を押圧することで、動力切換アームロックスライダ105が同様にしてロック位置に移動するようになっている。第2ラックスライダ79′がロック位置からトラバースユニット23の方へ移動して、突起84′が被押圧部108から離間すると、動力切換アームロックスライダ105はスプリング113のばね力でロック解除位置へ移動するようになっている。なお、図15には、第1ラックスライダ79の突起84が被押圧部108から離間しているが、第2ラックスライダ79′の突起84′が被押圧部108を押圧して動力切換アームロックスライダ105をロック位置に保持している状態が示されている。
【0102】
一方、第2モータの回転軸に第2モータプーリ97が取り付けられているとともに、装置本体2に第2モータプーリ97より大径の中間プーリ98が回転可能に設けられており、更にこれらの第2モータプーリ97と中間プーリ98との間に無端ベルト99が掛け渡されている。したがって、第2モータの回転が減速されて第2モータプーリ97から中間プーリ98に伝達されるようになる。この中間プーリ98の回転は、ギヤ100,101,102,103等の歯車減速機構により、ラック駆動ギヤ部材87のギヤ104に減速されて伝達されるようになっている。その場合、ラック駆動ギヤ部材87のギヤ104は、ラック駆動ギヤ部材87が上下動しても歯車減速機構の最終のギヤ103に常時噛合するようになっている。したがって、第2モータの回転が常時ラック駆動ギヤ部材87に伝達可能となっている。
このようにして、第2モータプーリ97、中間プーリ98、無端ベルト99、およびギヤ100,101,102,103等の歯車減速機構により、ラック駆動ギヤ部材87への第2モータの駆動系が構成されている。
【0103】
図16に示すように、装置本体2には第1トラック用の2個の位置検知スイッチ109,110と、第2トラック用の2個の位置検知スイッチ111,112とが設けられている。第1トラック用の位置検知スイッチ109,110は、第1ラックスライダ79の位置検知スイッチ操作用突起81,82によって、オン、オフされるようになっている。これらの位置検知スイッチ操作用突起81,82のオン、オフの組み合わせで、第1ラックスライダ79の位置が、ストア位置、中間位置、イジェクト位置、およびその他の適宜の位置が検出可能にしている。同様に、第2トラック用の位置検知スイッチ111,112は、第2ラックスライダ79′の位置検知スイッチ操作用突起81′,82′によって、オン、オフされるようになっている。これらの位置検知スイッチ操作用突起81′,82′のオン、オフの組み合わせで、第2ラックスライダ79の位置が、ストア位置、イジェクト位置、中間位置、およびその他の適宜の位置が検出可能にしている。なお、位置検知スイッチ操作用突起81,82;81′,82′は、それぞれ、一体にして1つの突起で形成することもできる。また、この場合は2つのスイッチを使用しているが、1つの突起の形状によって1個のスイッチで済ませることができる。
【0104】
これらの位置検知スイッチによる第1および第2ラックスライダ79,79′の正確な位置検出で、第1および第2ラックスライダ79,79′の正確な位置制御ができるばかりでなく、第1および第2シャッタ13,14の開閉制御、CD8,9のチャッキングおよびアンチャッキング制御、第1および第2のCD8,9のクランプおよびアンクランプ制御、第1および第2のCD8,9の引込みおよび排出のための第1および第2ローラ17,18の回転制御をより正確に制御されるようになるので、ディスク記録媒体処理装置1に対する第1および第2のCD8,9の引込み、セットおよび排出がより確実に行われるようになる。
【0105】
こうして、図17に示すように第1および第2のCD8,9は、ディスク記録媒体処理装置1内に設定されたストア位置Aとピックアップ位置Bとのいずれかにより正確にセットされるようになる。第1および第2のCD8,9のストア位置Aは、これらの第1および第2のCD8,9がこのストア位置Aに停止された第1および第2CD保持搬送部材21,21′の正規位置にチャッキングされた位置であり、第1および第2のCD8,9は第1および第2CD保持搬送部材21,21′に保持された状態でディスク記録媒体処理装置1内にストアされるようになる。
【0106】
次に、このように構成されたこの例のディスク記録媒体処理装置1の作動について説明する。
第1および第2CD保持搬送部材21,21′のいずれにも第1および第2のCD8,9が保持されていなく、かつ電源が入っていない場合には、第1および第2CD保持搬送部材21,21′がいずれも各ストア位置Aに設定されている。
【0107】
また、第1および第2ラックスライダ79,79′がいずれも初期位置に設定されているとともに、第1および第2モータがいずれも停止した状態になっている。第1および第2ラックスライダ79,79′の初期位置は、それらの各突起84,84′によって、動力切換アームロックスライダ105が動力伝達切換アーム94を回転可能にするロック解除位置となるような所定位置(例えば、第1および第2CD保持搬送部材21,21′の位置するストア位置Aに対応する位置等)に設定されている。
更に、第1および第2シャッタ13,14がいずれも第1および第2CD挿入取出口10,11を閉じており、異物の装置本体内2への侵入が防止されている。
【0108】
更に、第1および第2ラックスライダ79,79′の押圧部材85,85′の端85a,85a′がそれぞれ第1および第2チャッキング制御部材51,51′の被押圧ピン51b,51b′を押圧していないので、第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34;31′,32′,33′,34′がいずれも図5(a)に示す閉じた位置に設定されている。
【0109】
ディスク記録媒体処理装置1のこの非作動状態で、ユーザーがまずメインスイッチを入れると、カム部材89のカム位置検出部89cがカム位置検出用フォトセンサで検出され、そのカム位置検出信号がマイコンに入力される。このカム位置検出信号に基づいてマイコンにより、ラック駆動ギヤ部材87のギヤ87aが現在第1および第2ラック80,80′のいずれの歯に噛合しているかが判断されるとともに、トラバースユニット23の初期高さ位置が現在第1および第2トラック6,7側のいずれのトラック側に対応した初期高さ位置となっているかが判断される。
【0110】
次に、ユーザーが閉じている第1および第2CD挿入取出口10,11のうち、例えば第1CD挿入取出口10に例えば12cmの第1のCD8を挿入するため、第1シャッタ13を開くように操作キーをオンする。すると、マイコンはラック駆動ギヤ部材87が第1ラック80に噛合しかつトラバースユニット23の初期高さ位置が第1トラック側の初期高さ位置に対応していると判断していると、第2モータを駆動して第1ラックスライダ79を第1CD挿入取出口10の方へ移動する。すると、第1ラックスライダ79の突起84が動力切換アームロックスライダ105の被押圧部108を押圧するので、前述のように動力切換アームロックスライダ105がロック位置に移動する。これにより、ギヤ95が中間ギヤ96に噛合し、第1モータの回転が第1ローラ17に伝達可能な状態となる。
また、第1ラックスライダ79の第1CD挿入取出口10の方への移動で、第1シャッタ13の被押圧部材13aが第1ラックスライダ79の突起79aに押されて第1シャッタ13が回転し、第1CD挿入取出口10が開く。
【0111】
また、第1ラックスライダ79の移動により、押圧部材85の端85aが第1チャッキング制御部材51の被押圧ピン51bを押すので、第1チャッキング制御部材51が回転する。これにより、チャッキングアーム35,36,37,38が回転し、第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34が図18(a)のCD待機位置となる。
【0112】
そして、第1のCD8を第1CD挿入取出口10に挿入すると、CD検知センサが第1のCD8を検出し、第1のモータが回転する。すると、この第1モータの回転が第1ローラ17に伝達されてこの第1ローラ17が回転するので、第1のCD8は装置本体2内に引き込まれ、図17において右方つまりストア位置Aにある第1CD保持搬送部材21上の正規位置の方へ移動する。
【0113】
すると、第1のCD8の縁8aが、図18(a)に示すように待機位置にある第1および第2チャッキングピン31,32に当接する。更に第1のCD8が引き込まれると、第1および第2チャッキングピン31,32は第1のCD8の縁8aをチャッキングしながら、図18(b)に示す最大開いた状態になる。更に第1のCD8が引き込まれると、第1および第2チャッキングピン31,32は内側に移動してそれらの間隔が狭まる。
【0114】
第1のCD8がある程度引き込まれて所定位置に来ると、このCD位置をCD検知フォトセンサによって検知され、そのCD位置検知信号がマイコンに入力されて、マイコンは第2モータを回転駆動する。この第2モータの回転が減速されてラック駆動ギヤ部材87に伝達され、更にこのラック駆動ギヤ部材87のギヤ87aから第1ラック80に伝達される。これにより、第1ラックスライダ79がピックアップ位置Bの方へ若干量(予め設定された所定量)移動する。第1ラックスライダ79が若干量移動したことが、位置検知スイッチ109,110の1つで検知され、その位置検知信号がマイコンに入力されると、マイコンは第2モータを停止する。
【0115】
この第1ラックスライダ79の若干の移動で、第1ラックスライダ79の突起84が動力切換アームロックスライダ105の被押圧部108から離間するので、動力切換アームロックスライダ105がスプリング113のばね力でロック解除位置に設定され、動力伝達切換アーム94がロック解除されて回転自由になる。このとき、第1モータは依然として同方向に回転し続けているので、動力伝達切換アーム94は第1モータの動力伝達系を第1ローラ17に連結させた状態に保持され、第1ローラ17は依然として同方向に回転し、第1のCD8の第1CD保持搬送部材21上の正規位置への移動が継続して行われている。
【0116】
第1のCD8が更に第1CD保持搬送部材21上の正規位置の方へ移動すると、第1のCD8の先端部の外周縁が第3および第4チャッキングピン33,34にも当接し、それ以後、第1および第2チャッキングピン31,32がCD外周縁に当接しながら閉じる方向に移動するとともに、第3および第4チャッキングピン33,34が当接したCD外周縁によって押し開かれながら移動する。
【0117】
図18(c)に示すように、第1のCD8がガイドレール25aの位置決め部25a′に当接し、第1CD保持搬送部材21上の正規位置に達すると、このときの第1のCD8が位置検出用フォトセンサで検知され、そのCD位置検出信号がマイコンに入力されるので、マイコンは第1モータを停止する。こうして、第1のCD8が第1CD保持搬送部材21上の正規位置にセットされ、第1のCD8はストア位置Aに設定される。このように第1のCD8が正規位置にセットされた状態では、第1のCD8の外周縁部が第1および第2チャッキングピン31,32と位置決め部25a′との間に、それぞれのスプリング47,48のばね力で保持されるようになる。このとき、第3および第4チャッキングピン33,34によっても、第1のCD8の外周縁8aは保持されている。
また、この状態では第1ラックスライダ79の突起79aが第1シャッタ13の被押圧部材13aから離れて、第1シャッタ13が第1スプリング15の付勢力でにより回転し、第1CD挿入取出口10が閉じている。
【0118】
また、操作キーをオンしたとき、マイコンはラック駆動ギヤ部材87のギヤ87aが第2ラック80′に噛合しかつトラバースユニット23の初期高さ位置が第2トラック側の初期高さ位置に対応していると判断していると、マイコンは動力伝達切換アーム94がカム部材89の方へ回転するように第1モータを駆動する。
【0119】
動力伝達切換アーム94のギヤ95がカム部材89のギヤ89dに常時噛合しているギヤ126に噛合すると、動力伝達切換アーム94はそれ以上回転しなく、ギヤ95が第1モータの回転より減速されて回転する。すると、ギヤ95の回転により、カム部材89が回転して、ディスクチェンジ装置が作動する。このディスクチェンジ装置の作動で、ラック駆動ギヤ部材87のギヤ87aが第1ラック80に噛合しかつトラバースユニット23の初期高さ位置が第1トラック側に対応する位置に切換設定される。
【0120】
ラック駆動ギヤ部材87のギヤ87aが第1ラック80に噛合しかつトラバースユニット23の初期高さ位置が第1トラック側の初期高さ位置に対応すると、カム位置検知フォトセンサがこのときのカム部材89の回転位置を検出してその位置検出信号をマイコンに入力する。この位置検出信号に基づいて、マイコンは第1モータを停止するとともに、第2モータを第1ラックスライダ79が初期位置から第1CD挿入取出口10の方へ移動する方向に回転駆動する。
【0121】
以後、前述と同様にして、図18(c)に示すように、第1のCD8が第1CD保持搬送部材21上の正規位置にセットされ、第1および第2チャッキングピン31,32で第1のCD8の外周縁部が保持されるようになる。
【0122】
次に、ユーザーが第2のCD9を第2CD挿入取出口11から挿入するために第2トラック7側の操作キーをオンすると、前述の第1トラック6側と同様にして、第2のCD9がストア位置Aにある第2CD保持搬送部材21′の正規位置にセットされる。これにより、第2のCD9がストア位置Aに設定される。
【0123】
一方、ユーザーが第1および第2CD挿入取出口10,11のうち、先に第2CD挿入取出口11に第2のCD9を挿入し、その後、第1CD挿入取出口10に第1のCD8を挿入した場合も、前述の場合と同様である(なお、前述の作動の説明中、それぞれ対応する第1トラック側構成部材と第2トラック側構成部材とを入れ換える)。
また、ユーザーが第1および第2CD挿入取出口10,11のいずれか一方のみにCDを挿入する場合があり、その場合は、他方のCD挿入取出口へのCDの挿入による作動が行われないことは言うまでもない。
【0124】
次に、このように第1および第2のCD8,9がそれぞれ第1および第2CD保持搬送部材21,21′上の各正規位置にセットされた状態で、ユーザーは、装置本体2に設けられた図示しない操作部の操作キーを操作して、第1および第2のCD8,9内に記録された所定数の曲の中から、希望する曲を希望数だけ聞く順序にしたがって選択、設定する。選択された曲および設定されたそれらの曲の聞く順序はマイコンに入力される。
【0125】
すると、マイコンは、現在のトラーバースユニット23の初期高さ位置およびラック駆動ギヤ部材87が最初に聞く曲(以下、第1曲という)が記録されているCDに対応するトラック側に一致しているかどうかを判断する。これらの両者が第1曲側CDに対応するトラック側に一致していると判断した場合は、マイコンは第2モータをこのトラック側のラックスライダ(以下、第1曲側ラックスライダ79,79′という)(79,79′;以下、2つの符号でいずれか一方が関係するがどちらか決定されない場合は両方の符号をカッコを付して記載する。他も同様である)がピックアップ位置Bの方へ移動する方向に回転駆動する。また、これらの両者が第1曲側CDに対応するトラック側に一致していないと判断した場合は、マイコンは第1モータを駆動して前述と同様にディスクチェンジ装置を作動し、これらの両者が第1曲側CDに対応するトラック側に一致させた後、第2モータが同様に回転駆動する。これにより、第1曲側ラックスライダ()79,79′)がピックアップ位置Bの方へ移動するとともに、第1曲側のCD保持搬送部材(21,21′)がストア位置Aからピックアップ位置Bの方へ移動する。
【0126】
第1曲側CD保持搬送部材(21,21′)がピックアップ位置Bになると、第1曲側CD保持搬送部材(21,21′)は第1曲側ラックスライダ(79,79′)から離れて停止する。このように、第1曲側CD保持搬送部材(21,21′)がピックアップ位置Bに停止した状態では、第1曲側CDの中心がトラバースユニット23のターンテーブル24の中心と完全にまたはほぼ一致している。しかし、第1曲側ラックおよび第1曲側ラックスライダ(79,79′)は依然として図1において右方へ移動する。すると、第1曲側ラックスライダ(79,79′)のカム溝(86,86′)がリンクアーム70のピン71に係合し、第1曲側ラックスライダ(79,79′)の更なる右方への移動により、リンクアーム70が回転するとともに、クランプスライダ69が右方へ移動する。このクランプスライダ69の右方への移動で、リンク部材67が図8において反時計方向に回転し、またクランプアーム68が時計方向に回転する。
【0127】
すると、クランプアーム68の回転によってトラバースユニット23のターンテーブル4が上方へ回転して、第1曲側CDの中心孔にターンテーブル24の中心突起が嵌入し、第1曲側CDがターンテーブル24にその磁力で吸着されるとともに押さえ部材72との間でクランプされる。次いで、リンク部材67の回転によって、前述のようにこのリンク部材67がチャッキング制御部材(51,51′)を回転させるので、アンチャッキング動作が行われ、各チャッキングピンによる第1曲側CDの保持が解除される。これにより、第1曲側CDは確実に演奏可能状態となる。
【0128】
第1曲側ラックスライダ(79,79′)の更なる右方への移動により、リンク部材67が更に回転し、前述のようにトグル機構により所定位置に設定される。
この第1曲側ラックスライダ(79,79′)の移動により、クランプスライダ69を介して位置検知スイッチ123がオンして、このときの第1曲側ラックスライダ(79,79′)の位置が検出され、その検出信号がマイコンに入力される。これにより、マイコンは第2モータの駆動を停止する。このとき、リンクアーム70のピン71が第1曲側ラックスライダ(79,79′)のカム溝86,86′に嵌入、係合する。
次いで、従来と同様に、マイコンは選択された第1曲を第1曲側CD(8,9)から選定して、この第1曲の再生(演奏)が行われる。
【0129】
一方、ユーザーが操作キーにより希望する曲およびそれらの演奏順序を設定したとき、マイコンは、現在のトラーバースユニット23の初期高さ位置およびラック駆動ギヤ部材87が第1曲側CD(8,9)に対応するトラック側に一致していないと判断した場合は、マイコンにより、前述と同様にしてトラーバースユニット23の初期高さ位置およびラック駆動ギヤ部材87が第1曲側CD(8,9)に対応するトラック側に一致される。以後、前述と同様にして第1曲側CD(8,9)がピックアップ位置Bに設定される。
【0130】
第1曲の再生が終了すると、次の第2曲が同じCD(8,9)にある場合は、従来と同様にこの第1曲側CD(8,9)がそのままトラバースユニット23にクランプされ、第2曲が再生される。第1曲の再生が終了した後、次の第2曲がもう1つの第2曲側CD(8,9)にある場合は、マイコンは、第2モータを逆方向に回転する。これにより、第1曲側CD(8,9)がストア位置Aからピックアップ位置Bへ移動してクランプされた場合とまったく逆の作動が行われ、第1曲側CD(8,9)が第1曲側CD保持搬送部材(21,21′)にチャッキングされた後にトラバースユニット23からアンクランプされ、その後、第1曲側CD(8,9)をチャッキングした第1曲側CD保持搬送部材(21,21′)がストア位置Aに戻る。次いで、マイコンは前述と同様に第1モータを駆動してディスクチェンジ装置を作動し、トラーバースユニット23の初期高さ位置およびラック駆動ギヤ部材87が第2曲側CD(8,9)に対応するトラック側に一致される。以後、前述と同様にして第2曲側CD(8,9)がピックアップ位置Bに設定される。以下、同様の作動が行われる。
【0131】
ストア位置AにあるCD保持搬送部材(21,21′)にチャッキングされているCD(8,9)をディスク記録媒体処理装置1内にストアしたままで、ディスク記録媒体処理装置1の作動を終了する場合は、ユーザーは単にメインスイッチをオフにする。
【0132】
また、ストア位置AにあるCD保持搬送部材(21,21′)にチャッキングされているCD(8,9)を取り出す場合は、ユーザーは操作キーのうち、取り出そうとするCD(8,9)に対応するイジェクトキーを操作する。すると、マイコンは、現在のトラーバースユニット23の初期高さ位置およびラック駆動ギヤ部材87が取り出されるCD(8,9)に対応するトラック側に一致しているかどうかを判断し、一致している場合はそのままで、一致していないと判断した場合は、前述と同様にディスクチェンジ装置を作動してこれらを一致させる。その後、マイコンは第2モータを、取り出されるCD(8,9)に対応するラックスライダ(79,79′)がCD挿入取出口(10,11)の方へ移動するように回転駆動する。
【0133】
すると、このラックスライダ(79,79′)が移動するが、このとき、CD保持搬送部材(21,21′)のカムフォロワ(75,75′)が垂直方向孔(83c,83c′)から下側長手方向孔(83b,83b′)に位置するので、CD保持搬送部材(21,21′)は移動しなく、ラックスライダ(79,79′)のみが移動する。ラックスライダ(79,79′)が移動すると、そのラックスライダ(79,79′)の押圧部材85の端85aが、まず押出アーム作動部材(59,59′)の被押圧ピン(59a,59a′)に当接しこれを押圧する。すると、押出アーム作動部材(59,59′)がラックスライダ(79,79′)とともに移動するので、押出アーム(58,58′)が図7(b)に矢印で示すα方向に回動する。
【0134】
押出アーム(58,58′)のCD押圧部(58a,58a′)がCD(8,9)の外周縁に当接するのと相前後して、ラックスライダ(79,79′)の押圧部材85の端85aがチャッキング制御部材(51,51′)の被押圧ピン(51b,51b′)に当接しこれを押圧する。すると、押出アーム(58,58′)がα方向に回動しつつ、チャッキング制御部材(51,51′)がアンチャッキング方向に回転する。そして、押出アーム(58,58′)のCD押圧部(58a,58a′)がCD(8,9)の外周縁に当接してこの外周縁を挟み込むとともに押圧するので、CD(8,9)がCD挿入取出口(10,11)の方へ移動する。このとき、第1および第2チャッキングピン(31,32;31′,32′)がCD(8,9)の外周縁を保持しながら、CD(8,9)の移動で開いていく。したがって、この状態ではCD(8,9)は第1および第2チャッキングピン(31,32;31′,32′)とCD押圧部(58a,58a′)とで保持されているので傾斜することなく確実に押し出されていく。
【0135】
CD(8,9)の外周縁がローラ(17,18)とガイド面(19a,19b;20a,20b)との間に挟み込まれる。このとき、イジェクト操作キーの操作で、第1モータがCD引出方向に回転しているので、CD(8,9)がローラ(17,18)とガイド面(19a,19b;20a,20b)との間に容易に挟み込まれるとともに装置本体2の外部に引き出される。このとき、第2モータは停止する。CD(8,9)が所定量装置本体2の外部に引き出されると、CD検出フォトセンサで検知され、マイコンは第1モータを停止する。更に、第2モータが逆方向に回転駆動され、第1および第2ラックスライダ(79,79′)が初期位置の方へ移動され、この初期位置で停止する。
このようにCD(8,9)が引き出された状態では、ユーザーはCD(8,9)をCD挿入取出口から簡単に取り出すことができる。
【0136】
更に、一方のCDの再生中に、他方のCDを取出たい場合は、ユーザーはそのCDのイジェクトキーを操作する。すると、マイコンは前述のようにディスクチェンジ装置を作動して、トラーバースユニット23の初期高さ位置をそのままで変えずにトラックのみを変えるようにカム部材89のカムを構成することによってラック駆動ギヤ部材87を取り出されるCD(8,9)に対応するトラック側に一致させた後、同様にしてCD(8,9)が引き出される。同様に、一方のCDの再生中に、他のCDを対応するCD保持搬送部材に保持させるために他方のCD挿入取出口に他のCDを挿入すると、前述と同様にして他のCDが対応するCD保持搬送部材に保持される。こうして、一方のCDの再生中にも他方のCDの挿入および取出が行われるようになる。
また、8cmのCDについても同様である。
【0137】
なお、最初の曲目を選定した場合は、CDはストア位置Aを通ってピックアップ位置Bに設定される。その場合、このCDの軌道と軌道が異なる場合は、ディスクチェンジ装置によりディスクチェンジが行われることは言うまでもない。
【0138】
このように、この例のディスク記録媒体装置1によれば、2つの第1および第2CD挿入取出口10,11にそれぞれ対応して設けられた第1および第2CD保持搬送部材21,21′により、装置本体2内のストア位置Aとピックアップ位置Bとの間で第1および第2のCD8,9を保持搬送可能にしているので、2枚の第1および第2のCD8,9を装置本体2内にストアすることができるとともに、第1および第2CD保持搬送部材21,21′を個別に移動制御できるようになる。これにより、所望のCDを他のCD保持搬送手段の状態あるいは他のCD保持搬送手段のCDの状態にかかわらず、自由に挿入しまた取り出すことができる。
【0139】
しかも、第1および第2CD保持搬送部材21,21′がピックアップ位置Bに選択的に移動させるようにしているので、コンパクトなトラバースユニットを用いることができるようになる。これにより、ディスク記録媒体処理装置1をよりコンパクトに形成できるようになる。したがって、ディスク記録媒体処理装置1の設置スペースを削減できるとともに、コストを低減できる。
【0140】
また、第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34;31′,32′,33′,34′によって構成されるチャッキング手段により、それぞれ第1および第2のCD8,9を第1および第2CD保持搬送部材21,21′に確実にチャッキングしているので、ディスク記録媒体処理装置1を水平状態に設置可能であることはもちろん、鉛直状態にもあるいは傾斜状態にも設置可能となる。したがって、更にディスク記録媒体処理装置の設置自由度を大きくできる。
【0141】
更に、リンク部材67、クランプアーム68、クランプスライダ69、リンクアーム70、ピン71、およびカム溝86によって構成されるディスククランプ手段により、ピックアップ位置Bでの第1および第2CD保持搬送部材21,21′に対する第1および第2のCD8,9のチャッキングおよびアンチャッキングと、トラバースユニット23に対する第1および第2CD8,9のクランプおよびアンクランプとを自動的にかつ確実に行うことができるようになる。
【0142】
更に、ディスクチェンジ装置によりトラバースユニット23の初期高さ設置位置の設定に連動して、設定される初期高さ位置に対応した第1および第2CD保持搬送部材21,21′の駆動系(第2モータの駆動系)を設定するようにしているので、トラバースユニット23の設定された初期高さ位置に対応する第1および第2CD保持搬送部材21,21′をピックアップ位置Bに移動させることができる。したがって、移動してくる第1および第2CD保持搬送部材21,21′およびその上の第1および第2のCD8,9をいずれもトラバースユニット23に干渉させずに、所望のCDを確実にピックアップ位置Bに設定できるようになる。
【0143】
更に、ストア位置Aにある第1および第2CD保持搬送部材21,21′にそれぞれ保持されている第1および第2のCD8,9をCD押出機構57により第1および第2ローラ17,18の方へ押し出すとともに、これらの第1および第2ローラ17,18により、第1および第2のCD8,9を装置本体2外に排出するようにしているので、装置本体2内のCDを自動的にかつ確実に排出できるようになる。
【0144】
更に、第1および第2CD保持搬送部材21,21′にそれぞれ第1および第2のCD8,9が保持されているときは、対応するCD挿入取出口(10,11)をシャッタ(13,14)で閉じるようにしているので、CD(8,9)がそのCD挿入取出口(10,11)からすでに挿入されることを認識できるとともに、CD(8,9)の誤挿入を防止できるようになる。
【0145】
図24は、本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第2例を示す斜視図、図25はCDの挿入を説明し、(a)は第1のCD8の挿入開始状態を示す図(なお、この図では第2のCD9が正規位置に既に挿入された状態が示されている)、(b)はこの第1のCD8の挿入途中の状態を示す図、(c)はこの第1のCD8が正規位置に挿入された状態を示す図である。なお、前述の第1例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0146】
前述の第1例では、ディスク出入れ部3、ディスク保持部4、およびディスクピックアップ部5が1直線状に配置され、CDの引込排出方向とディスク保持部4のストア位置Aおよびピックアップ部5のピックアップ位置B間のCD搬送方向とが同一方向となっているが、図24に示すようにこの第2例のディスク記録媒体処理装置1では、ディスク出入れ部3、ディスク保持部4、およびディスクピックアップ部5は、ディスク出入れ部3およびディスク保持部4間の方向とディスク保持部4およびディスクピックアップ部5間の方向とが直角方向に配置され、CDの引込排出方向とディスク保持部4のストア位置Aおよびピックアップ部5のピックアップ位置B間のCD搬送方向とが直角方向となっている。
【0147】
すなわち、矩形状の装置本体2の長辺の一端側にディスク出入れ部3が設けられている。このディスク出入れ部3には、図24には図示しないが前述の第1例と同様に、上下2段のスロット状の第1および第2CD挿入取出口10,11を有するディスク出入れカバー12、第1および第2シャッタ13,14、第1および第2スプリング15,16、第1および第2ローラ17,18、第1および第2ローラ保持部材19,20がそれぞれ前述の第1例に対して、図24においてウォーム121を中心に時計方向に90°回転しかつ左右反転した状態で設けられている。
【0148】
したがって、第1および第2ローラ17,18に第1モータの駆動力を伝達するウォーム121が前述の第1例と同じ位置に設けられている。これにより、第1モータおよびこの第1モータの駆動力の第1および第2ローラ17,18への動力伝達系は前述の第1例と変更する必要がなく、まったく同じに設定されている。
【0149】
第1および第2CD保持搬送部材21,21′は装置本体2に90°回転することなく前述の第1例と同様に移動可能に設けられているとともに、第1および第2チャッキング制御部材51′もこれらの第1および第2CD保持搬送部材21,21′に前述の第1例と同様に相対回動可能に設けられる。また、設けられる第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34;31′,32′,33′,34′も第1および第2CD保持搬送部材21,21′に前述の第1例と同様に設けられる。その場合、前述の第1例では第1および第2のCD8,9がそれぞれ第1および第2CD挿入取出口10,11から挿入され、第1および第2ローラ17,18で引き込まれたとき、最初、第1および第2チャッキングピン31,32;31′,32′に当接するようになっているが、この第2例では、第1および第2のCD8,9はそれぞれ第1および第3チャッキングピン31,33;31′,33′に同時に当接するようにされている。
【0150】
更に、第1および第2CD保持搬送部材21,21′に設けられる挿入されるディスクをガイドする2対のガイドレール25a,25b;26a,26bも、図示しないがディスクの引込排出方向に対応して設けられている。
【0151】
更に、押出アーム58,58′および押出アーム作動部材59,59′も前述と同様に第1および第2CD保持搬送部材21,21′にそれぞれ回動可能におよび移動可能に設けられる。更に、第1ローラ保持部材19に支持され、第1のCD8の検知のための所定数の発光素子および受光素子のいずれか一方を支持するセンサ支持板61、第1のCD8の検知のための所定数の発光素子および受光素子のいずれか他方を支持する第2ローラ保持部材20、および第2のCD9の検知のための所定数の発光素子および受光素子のいずれか一方を支持するセンサ支持板63も、それぞれ、前述の第1例に対して90°回転しかつ左右反転し第1および第2CD挿入取出口10,11に対応して設けられている。
この第2例のディスク記録媒体処理装置1の他の構成は前述の第1例と同じである。
【0152】
このように構成されたこの第2例のディスク記録媒体処理装置1においては、図25(a)に示すように第1CD8を第1CD挿入取出口10から図において下方に向かって装置本体2内に挿入すると、第1ローラ17により引き込まれる。図25(b)に示すように第1CD8が次第に装置本体内に進入する。このとき、引き込まれてきた第1および第2CD8,9は、最初第1および第3チャッキングピン31,33;31′,33′に当接し、次いで第2および第4チャッキングピン32,34;32′,34′に当接してチャッキングされる。こうして、図25(c)に示すように第1および第2CD保持搬送部材21,21′の正規位置に装着されることで、ストア位置Aに設定される。第2CD9の場合も同様であり、また、CDを排出する場合は挿入方向と逆方向に作動する。
【0153】
そして、第1および第2CD8,9のストア位置Aとピックアップ位置Bとの間の搬送は前述の第1例と同じであるが、このとき、第1および第2CD8,9の第1および第2CD挿入取出口10,11とストア位置Aとの間のCD引込排出方向と、第1および第2CD8,9のストア位置Aとピックアップ位置Bとの間のCD搬送方向とは直角方向(L型方向)となる。
この第2例のディスク記録媒体処理装置1の他の作動は前述の第1例と同じである。
【0154】
また、前述の第1および第2例では、CD引込排出方向とCD搬送方向とが同一方向または直角方向となっているが、本発明はこれに限定されることなく、CD引込排出方向とCD搬送方向とは任意の所定角(90°を含む)方向に設定することもできる。しかし、CD引込排出方向とCD搬送方向とを同一方向かあるいは直角方向に設定することが最も望ましい。
この第2例のディスク記録媒体処理装置1によれば、このようにCD引込排出方向とCD搬送方向とを同一または異ならせることで、CD搬送方向に対するCD引込排出方向の設定自由度を高くできるとともに、デザインも向上させることができる。
【0155】
図27は、本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第3例のディスク記録媒体処理装置における駆動系を示す平面図、図28はこの第3例の左側面図、図29はディスクを引き込むローラ・アームを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は裏面図である。なお、前述の第1および第2例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0156】
前述の第1例のディスク記録媒体処理装置1では、細長い軸状の第1および第2ローラ17,18をディスク(第1および第2CD8,9等)の上面に軽く押し付けかつ回転させることでディスクの出入れを行っているが、図27に示すようにこの第3例のディスク記録媒体処理装置1では、細長い軸状のローラ17,18を用いず、装置本体2に回動自在に設けられたローラ・アーム式ディスク引込排出手段130によりディスクの出入れを行っている。
【0157】
すなわち、図27および図28に示すようにローラ・アーム式ディスク引込排出手段130は一対の駆動側アーム131と従動側アーム132とを備えている。駆動側アーム131は装置本体2の一側(図27において上側)に回動可能に設けられ、図29に示すようにこの駆動側アーム131の回動軸131aには駆動ギヤ133が同軸にかつ回転可能に設けられている。また、駆動側アーム131の先端部にはディスク出し入れ駆動ローラ134が回転可能に支持されている。ディスク出し入れ駆動ローラ134にはローラ駆動ギヤ135がこのローラ134と同軸にかつローラ134と一体回転可能に設けられている。更に、駆動側アーム131には、駆動ギヤ133から動力をローラ駆動ギヤ135に減速して伝達する歯車動力伝達機構136が設けられている。
【0158】
更に、駆動ギヤ133には、中間プーリ92から動力が図示しない歯車動力伝達機構を介して伝達されるようになっている。したがって、ディスク出し入れ駆動ローラ134は第1モータの駆動力により回転するようになっている。
このディスク出し入れ駆動ローラ134には、図29(b)に示すように第1CD8(図に二点鎖線で示す)の外周の上下エッジ部が当接する第1溝137と第2CD9(図に二点鎖線で示す)の外周の上下エッジ部が当接する第2溝138とが設けられている。これらの第1および第2溝137,138は、それぞれディスク(第1および第2CD8,9等)の外周の上下エッジ部を挟持(チャッキング)しながら、ディスク出し入れ駆動ローラ134が回動することで、ディスクを出し入れするようになっている。その場合、第1および第2溝137,138により挟持されるディスクの外周の上下エッジ部は非記録部であり、ディスクの記録部はこれらの第1および第2溝137,138の挟持に影響されない。
【0159】
更に、駆動側アーム131は装置本体2に設けた円弧状ガイド孔139にガイドされて図27に実線で示す初期位置から二点鎖線で示す最も上方に回動した位置との間で回動可能となっている。また、駆動側アーム131はその先端に設けたスプリング受け140と装置本体2に設けたスプリング受け141との間に縮設されたスプリング142によって常時図27において反時計方向に付勢されている。したがって、ディスクの出し入れを行わないときは、駆動側アーム131は実線で示す初期位置に設定されている。
【0160】
一方、従動側アーム132は装置本体2の他側(図27において下側)に設けられ、駆動側アーム131と同様に装置本体2に設けられた図示しない円弧状ガイド孔にガイドされて図27に実線で示す位置から二点鎖線で示す最も下方に回動した位置との間で回動可能となっている。
【0161】
図28(a)および(b)に示すように、この従動側アーム132の先端部には、ディスク出し入れ従動ローラ143が回動自在に設けられている。このディスク出し入れ従動ローラ143には、ディスク出し入れ駆動ローラ134の第1溝137および第2溝138と同様の第1CD8の外周の上下エッジ部が当接する第1溝144と第2CD9の外周の上下エッジ部が当接する第2溝145とが設けられている。従動ローラ143の下端部には、ギヤ172がこの従動ローラ143と一体回転可能に設けられている。図28(a)に示すように、このギヤ172は、装置本体2に設けられた円弧状のリングギヤ173に噛合している。これにより、CDが挿入あるいは排出される際に両アーム131,132が開閉するとき、従動ローラ143はディスク出し入れ駆動ローラ134の回転方向とは逆方向の回転駆動力が付与されるようになっている。
【0162】
そして、これらの第1および第2溝144,145によってもディスク(第1および第2CD8,9等)の外周の上下エッジ部が挟持されながら、ディスク出し入れ駆動ローラ143が回動することで、ディスクを出し入れされようになるが、その場合、第1および第2溝144,145により挟持されるディスクの外周の上下エッジ部は非記録部であり、ディスクの記録部はこれらの第1および第2溝144,145の挟持に影響されない。
【0163】
また、従動側アーム132はその先端に設けたスプリング受け146と装置本体2に設けたスプリング受け147との間に縮設されたスプリング148によって常時図27において時計方向に付勢されている。したがって、ディスクの出し入れを行わないときは、従動側アーム132は実線で示す初期位置に設定されている。
【0164】
このように構成された第3例のディスク記録媒体処理装置1におけるローラ・アーム式ディスク引込排出手段130においては、ディスクが挿入されていないディスク記録媒体処理装置1の非作動状態では駆動側アーム131および従動側アーム132がともに図27に実線で示す初期位置にある。ディスクを挿入するために前述のように図示しない操作キーが押されると、第1モータが回転する。この第1モータの回転は前述のように無端ベルト93を介して中間プーリ車92に伝達され、更に歯車動力伝達機構136および駆動ギヤ135を介して駆動ローラ134に伝達されて、この駆動ローラ134が回転する図29(a)において反時計方向に回動する。
【0165】
この状態で、例えば第1CD挿入取出口10から第1CD8を挿入すると、第1CD8の挿入先端側の外周縁が駆動ローラ134の第1溝137および従動ローラ143の第1溝144に若干進入する。これにより、第1CD8の外周の上下エッジ部がこれらの第1溝137および第1溝144によって挟持される。
【0166】
第1CD8の装置本体2内への進入に伴い、駆動側アーム131が図28(a)において時計方向に、また従動側アーム132が図28(a)において反時計方向に回動してこれら一対のアーム131,132は互いに開き、駆動ローラ134と従動ローラ143との間隔が進入する第1CD8の外周に対応して次第に広げられる。このとき、アーム132の反時計方向の回転に伴い、ギヤ172が時計方向に回転するので、従動ローラ143が同方向、つまり、駆動ローラ134と逆方向に回転する。このようにして、第1CD8が駆動ローラ134と従動ローラ143とによってほとんど回転することなく、装置本体2内に引き込まれる。
【0167】
駆動ローラ134と従動ローラ143との間隔は第1CD8の最大幅(直径)に対応して最大に開いた後、第1CD8の幅が次第に縮小することから駆動側アーム131および従動側アーム132が逆に回動するので、次第に小さくなる。そして、この第1CD8は前述の各例と同様にストア位置Aにある第1CD保持搬送部材21の正規位置に第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34の保持されながらセットされる。また、駆動側アーム131および従動側アーム132は図27に実線で示す初期位置に設定される。
【0168】
なお、一対のアーム131,132が最大に開いた後、前述のように閉じる方向に戻るように回転する。このとき、アーム132の時計方向の回転により、従動ローラ143が駆動ローラ143と同方向に回転しがちとなるが、このときには、第1CD8はほとんど正規位置に到達しているので、ユーザはほとんど違和感を抱くことはない。
【0169】
また、ストア位置Aにある第1CD保持搬送部材21の正規位置にセットされている第1CD8を取り出すために、操作キーを操作すると、第1モータ2が挿入時と逆方向に回動するとともに、前述の各例と同様に押出アーム58によりこの第1CD8が第1CD挿入取出口10の方へ押し出される。すると、第1CD8の押出側の先端外周の上下エッジ部がこれらの第1溝137および第1溝144によって挟持され、駆動ローラ134の回動により第1CD8が回転しながら、第1CD挿入取出口10の方へ移動する。以下、前述の挿入の場合と逆に作動することで、第1CD8の一部が第1CD挿入取出口10から装置本体2の外部に飛び出し、飛び出したこの第1CD8を引き抜くことで、第1CD8が装置本体2から取り出される。
第2CD挿入取出口11からの第2CD9の出し入れの作動も同様である。
【0170】
更に、前述の第1および第2例ではCDの挿入を検出するCD検出用フォトセンサが設けられているが、この第3例のディスク記録媒体処理装置1ではこのCD検出用フォトセンサに代えてメカニカルスイッチが設けられている。
【0171】
すなわち、図30(a)および(b)に示すように、カム部材76およびラックスライダ79が設けられる装置本体2の側壁と反対側の側壁2a(図27にも示す)には、第1および第2トラック6,7にそれぞれ第1および第2CD検出用メカニカルスイッチ149,150が設けられている。また、図31に示すように、第1および第2CD検出用メカニカルスイッチ149,150のスイッチアクチュエータ{図30(a)に第1CD検出用メカニカルスイッチ149のスイッチアクチュエータ149aのみ図示}を作動するための第1および第2スイッチスライダ151,152がそれぞれ側壁2aの突設された第1および第2ガイド部材153,154にガイドされて側壁2aの長手方向に移動可能に設けられている。その場合、第1および第2スイッチスライダ151,152は、図31に実線で示す、第1および第2CD検出用メカニカルスイッチ149,150のスイッチオフ位置(第1スイッチスライダ151は不図示)と、図31に二点鎖線で示す、第1および第2CD検出用メカニカルスイッチ149,150のスイッチオン位置との間で移動するようにされている。
【0172】
これらの第1および第2スイッチスライダ151,152は、それぞれ側壁2aの固定されたスプリング受け(図28に第1トラック6側のスプリング受け155のみ図示)との間に縮設されたスプリング(図28に第1トラック6側のスプリング156のみ図示)により、常時スイッチオフ位置に付勢されている。したがって、CDが挿入されないときには第1および第2スイッチスライダ151,152はスイッチオフ位置に設定されている。
【0173】
更に、図32(a)に示すように、第1CD保持搬送部材21の裏面(図25において裏側の面)には、回動軸を中心とする円の円弧からなる外周面を有するほぼ扇形状のカム部材157が回動可能に設けられている。このカム部材157には、第1スイッチスライダ151の被押圧部151a(図31に図示)を押圧する押圧部157aが設けられている。このカム部材157は、図示しない歯車機構で第3チャッキングピン33を支持する第3ピン支持板37の回動と同期(連動)して回動するようになっている。
【0174】
したがって、第1CD8が挿入されない状態では、カム部材157は図32(a)に示す位置にあり、この状態では、カム部材157の押圧部157aがスイッチオフ位置にある第1スイッチスライダ151の被押圧部151aに当接した状態となっている。そして、前述の第1および第2例と同様に第1CD8が挿入されて第1CD保持搬送部材21上に進入し、第3チャッキングピン33を押圧することで第3ピン支持板37が回動すると、この第3ピン支持板37の回動に連動してカム部材157が図32(a)において時計方向に回動する。
【0175】
すると、カム部材157の押圧部157aが第1スイッチスライダ151の被押圧部151aを押圧するので、スイッチオフ位置にある第1スイッチスライダ151がスイッチオン位置の方へ移動する。第1スイッチスライダ151がスイッチオン位置に移動すると、第1メカニカルスイッチ149がオンし、この第1メカニカルスイッチ149のオン信号がマイコンに供給され、マイコンは第1CD8が挿入されたことを検出する。
【0176】
また、第1スイッチスライダ151がスイッチオン位置になった後、第1CD8が更に第1CD保持搬送部材21の正規位置に移動することで第3ピン支持板37が更に回動してカム部材157も更に回動するため、カム部材157の押圧部157aが第1スイッチスライダ151の被押圧部151aから外れる。すると、被押圧部151aがカム部材157の円弧状外周面に当接するため、カム部材157は空回りをし、第1スイッチスライダ151の移動がスイッチオン位置で停止する。第1CD8が第1CD保持搬送部材21の正規位置になると、第3ピン支持板37の回動が停止するので、カム部材157は図32(b)に二点鎖線で示す最大に回動した位置に停止する。
【0177】
第1CD8が第1CD保持搬送部材21の正規位置から引出方向に移動すると、第3ピン支持板37が前述の第1CD8の挿入方向移動の場合と逆方向に回動するので、カム部材157も前述と逆方向に回動する。被押圧部151aがカム部材157の円弧状外周面に当接している間はカム部材157は空回りをし、第1スイッチスライダ151が移動しない。カム部材157の押圧部157aが被押圧部151aに位置すると、被押圧部151aはカム部材157の円弧状外周面から外れて押圧部157aに当接する。カム部材157が更に逆方向に回動すると、第1スイッチスライダ151はスプリング156の付勢力で、被押圧部151aと押圧部157aとの当接を保持しながらスイッチオフ位置の方へ移動し、最終的にスイッチオフ位置となる。第1スイッチスライダ151のスイッチオン位置からスイッチオフ位置の方への移動で第1メカニカルスイッチ149がオフとなり、そのオフ信号でマイコンは第1CD8が引き出されたことを検出する。
【0178】
第2メカニカルスイッチ150をオン・オフする第2スイッチスライダ152の移動を制御するために第2CD保持搬送部材21′にも、図示しないが、第1CD保持搬送部材21に設けたカム部材157と同じに形成されかつ第2スイッチスライダ152の被押圧部152aを押圧するカム部材が設けられている。
このように、フォトセンサに代えてメカニカルスイッチを用いることで、コスト低減を効果的に図ることができる。
【0179】
更に、図32(a)に示すように、第1CD保持搬送部材21には、第1および第2チャッキングピン31,32を同期させるチャッキングピン同期制御部材158が第1CD保持搬送部材21に形成されたガイドレール159にガイドされて第1CD保持搬送部材21の長手方向{図32(a)において左右方向}に移動可能に設けられている。このチャッキングピン同期制御部材158はコ字状に形成され、図32(a)において下部と上部とにそれぞれ第1および第2同期溝160,161が第1CD保持搬送部材21の長手方向と直交する方向に延びて形成されている。
【0180】
一方、第1および第2チャッキングピン31,32をそれぞれ支持する第1および第2ピン支持板35,36には、それぞれ、第1および第2同期ピン162,163が設けられており、これらの第1および第2同期ピン162,163はそれぞれ第1および第2同期溝160,161に摺動自在に嵌入されている。
【0181】
そして、第1CD8が第1CD挿入取出口10から偏心して挿入されると、第1CD8は第1および第2チャッキングピン31,32のうち、偏心側のチャッキングピン(仮に、説明の便宜上第1チャッキングピン31とする)に先に当接する。第1CD8の更なる進入により、第1チャッキングピン31を支持する第1ピン支持板35が回動するので、第1ピン支持板35の第1同期ピン162がチャッキングピン同期制御部材158を押圧する。
【0182】
これにより、チャッキングピン同期制御部材158は、図32(b)に二点鎖線で示すように左方へ移動する。すると、チャッキングピン同期制御部材158は、第2ピン支持板36の第2同期ピン163を押圧するので、この第2同期ピン163を介して第2ピン支持板36も第1ピン支持板35の回動に同期して回動する。したがって、第1および第2チャッキングピン31,32も同期して移動するので、第1CD8が次第に第2チャッキングピン32側に移動してその偏心が小さくなり、最終的には偏心が解消されて第1CD8はセンタリングされる。
【0183】
第2CD保持搬送部材21にも、第1CD保持搬送部材21に設けられたチャッキングピン同期制御部材158と同じチャッキングピン同期制御部材、第1CD保持搬送部材21に形成されたガイドレール159と同じガイドレール、第1および第2同期ピン162,163と同じ第1および第2同期ピン、および第1および第2同期溝160,161と同じ第1および第2同期溝が設けられて、第2CD9のセンタリングがされるようになっている。
【0184】
更に、前述の第1例では、カム部材89の回転位置を検出するためにカム位置検出用フォトセンサが設けられているが、この第3例のディスク記録媒体処理装置1では、前述の第1例の変形例としてメカニカルスイッチを用いることができると簡単に述べたようにこのカム位置検出用フォトセンサに代えてメカニカルスイッチが設けられている。
【0185】
すなわち、図27に示すように装置本体2に4つの第3ないし第6メカニカルスイッチ164,165,166,167が直列状に設けられている。これらの第3ないし第6メカニカルスイッチ164,165,166,167は、そのオン・オフが高さ位置制御部材88のカムフォロワ88aによって制御されるようになっている。
【0186】
その場合、高さ位置制御部材88が図27に実線で示す最右側位置(第1位置)にあるときは、カムフォロワ88aが第3メカニカルスイッチ164のみに当接していて、第3メカニカルスイッチ164のみがオンに設定される。また、高さ位置制御部材88が図27において左方へ移動(スライド)し、カムフォロワ88aが第3および第4メカニカルスイッチ164,165の2つに当接した位置(第2位置)では、第3および第4メカニカルスイッチ164,165がともにオンに設定される。高さ位置制御部材88が更に左方へ移動し、カムフォロワ88aが第3ないし第5メカニカルスイッチ164,165,166の3つに当接した位置(第3位置)は、第3ないし第5メカニカルスイッチ164,165,166のいずれもがオンに設定される。そして、高さ位置制御部材88が図27に二点差線で示す最左側位置に移動し、カムフォロワ88aが第3ないし第6メカニカルスイッチ164,165,166,167の4つに当接した位置(第4位置)は、第3ないし第6メカニカルスイッチ164,165,166,167のすべてがオンに設定される。そして、高さ位置制御部材88の4つの位置が検出されるようになっている。
【0187】
その場合、高さ位置制御部材88の移動位置(スライド位置)はカム部材89の回転位置と直接関係するので、このように高さ位置制御部材88の移動位置を検出することでカム部材89の回転位置が検出できるようになる。高さ位置制御部材88の4つの移動位置に対応するカム部材89の4つの回転位置は、それぞれ高さ位置制御部材88の第1位置では、第2ディスクプレイ−第1ディスクチェンジ位置(第2CD9のプレイ中に第1CD8をチェンジする位置)、高さ位置制御部材88の第2位置では、第2ディスクプレイ−ストップ位置(第2CD9のプレイしてストレートに終わる。第1CD8のチェンジは関係ない)、高さ位置制御部材88の第3位置では、第1ディスクプレイ−ストップ位置(第1CD8のプレイしてストレートに終わる。第2CD9のチェンジは関係ない)、高さ位置制御部材88の第4位置では第1ディスクプレイ−第2ディスクチェンジ位置(第1CD8のプレイ中に第2CD9をチェンジする位置)である。これらの位置に関係付けて、図14に示すカム89の回転位置が設定されている。
このように、フォトセンサに代えてメカニカルスイッチを用いることで、コスト低減を更に効果的に図ることができる。
【0188】
更に、第3例のディスク記録媒体処理装置1では、図30(a)に示すように側壁2aに、ブレーキ部材168が設けられている。このブレーキ部材168は板ばねからなるアーム部168aとその先端に側方視三角形状のブレーキ部168bとから構成されている。また、図33に示すように図27に示すように高さ位置制御部材88のコ字状部材88bの上面に傾斜面を有するブレーキカム面169が形成されている。これらのブレーキ部材168とブレーキカム面169とで、ブレーキ手段が構成されている。
【0189】
このブレーキ手段は、次のように作用する。すなわち、トラバースユニット23が高さの高い位置から低い位置に移るとき、トラバースユニット23にかかる重力の影響でトラバースユニットベース66のカム孔88dの位置によって急激に下降しようとする。すると、トラバースユニット23のカムフォロワピン66a〜66cとカム孔88dとの作用によりトラバースユニットベース66が急激に移動するとともに、これに連動する高さ位置制御部材88も図33において右方へ急激に移動しようとする。そこで、ブレーキ部168bがブレーキカム面169上を摺擦する、つまり、急激に移動しようとする高さ位置制御部材88にブレーキ手段でブレーキをかけることにより、高さ位置制御部材88およびクランプスライダ69の急激な移動を抑制して、トラバースユニット23が急激に落下するのを防止している。
【0190】
更に、前述の第1例では、ピックアップ位置Bでのディスクのチャッキング・アンチャッキングの作動制御がリンク部材67によって第1および第2チャッキング制御部材51,51′を直接回転制御することにより行っているが、この第3例のディスク記録媒体処理装置1では、リンク部材67によって第1および第2チャッキング制御部材51,51′を直接回転制御しない。
【0191】
第3例のディスク記録媒体処理装置1においては、図34に示すようにトラバースユニットベース66に第1例と同様にリンク部材67が回動軸67dを中心に回動可能に設けられているとともに、第1および第2チャッキング制御部材51,51′を回転制御するチャッキング制御部材作動スライダ170が実線で示すチャッキング位置と点線で示すアンチャッキング位置との間で長手方向(図34において左右方向)に移動可能に設けられている。そして、リンク部材67の一端67aがチャッキング制御部材作動スライダ170の被押圧部170aに常時当接されるようになっている。また、リンク部材67の他端部に作動ピン67cが設けられている。
【0192】
したがって、リンク部材67が図34において時計方向に回動すると、その一端67aが被押圧部170aを押圧することで、チャッキング制御部材作動スライダ170が左方に移動する。このチャッキング制御部材作動スライダ170が左方に移動すると、その作動部170bが第1または第2チャッキング制御部材51,51′の被押圧ピン51b,51b′を第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34がディスクの保持を解放する方向に回転する。そして、図34においてチャッキング制御部材作動スライダ170が点線の位置に来たとき、第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34がディスクの保持(チャッキング)を解除するアンチャッキング位置となる。
【0193】
リンク部材67を回動制御するためのU字状の作動溝171がクランプスライダ69に設けられている。クランプスライダ69の非作動位置では、この作動溝171の作動壁171aと作動ピン67cとの間に、所定の間隔αが設定されている。この間隔αをカム孔69aとカムフォロワ68aの位置関係を考慮して適宜設定することで、アンチャッキングとクランプとのタイミングを所望のタイミングに容易に調整することができるようになっている。
【0194】
いま、クランプスライダ69の非作動位置にあるとすると、図34(b)に実線で示すように、作動壁171aと作動ピン67cとの間に所定の間隔αが設定されているとともに、チャッキング制御部材作動スライダ170がチャッキング位置にある。また、前述の第1例と同様にカムフォロワ68aがカム孔69aの上の水平部69a1にあり、アンクランプ位置となっている。
【0195】
この状態で、クランプスライダ69が矢印で示すように図34において右方へ間隔α移動すると、作動壁171aと作動ピン67cが当接する。更に、クランプスライダ69が右方へ移動すると、リンク部材67が時計方向に回動し、チャッキング制御部材作動スライダ170がクランプスライダ69と逆の左方に移動する。これにより、チャッキング制御部材作動スライダ170の作動部170bが第1または第2チャッキング制御部材51,51′の被押圧ピン51b,51b′をアンチャッキング方向に回動する。そして、クランプスライダ69がβだけ右方へ移動すると、チャッキング制御部材作動スライダ170が点線で示すアンチャッキング位置となるとともに、。また、前述の第1例と同様にカムフォロワ87aがカム孔69aの下の水平部69a2にあり、点線で示すクランプ位置となる。
【0196】
図34に点線で示すアンチャッキング・クランプ状態から、クランプスライダ69が矢印と逆方向に移動すると、第1または第2チャッキング制御部材51,51′がチャッキング方向に戻るので、チャッキング制御部材作動スライダ170もチャッキング位置の方へ戻るとともに、リンク部材67も反時計方向に回動し実線で示す初期状態に戻る。一方、前述の第1例と同様にカムフォロワ87aが実線で示すカム孔69aの上の水平部69a1に戻り、アンクランプ位置となる。
【0197】
このようにして、長手方向に直線的に移動するチャッキング制御部材作動スライダ170により、第1または第2チャッキング制御部材51,51′を制御することにより、チャッキング・アンチャッキングとクランプ・アンクランプとを安定して確実に制御することができる。
【0198】
なお、この第3例のディスク記録媒体処理装置1におけるローラ・アーム式ディスク引込排出手段130に代えて、第1例のようなローラ17,18によるディスク引込排出手段を用いることもできる。また、第3例のディスク記録媒体処理装置1は第2例のようなディスクの引込排出方向とディスクの搬送方向とを直角にすることもできる。
【0199】
また、この第3例のローラ・アーム式ディスク引込排出手段130は、ストア位置Aが設けられなく、ディスクがディスク挿入取出口から挿入すると直接ピックアップ位置Bにセットされるような従来一般的なディスク記録媒体処理装置にも適用できる。
この第3例のディスク記録媒体処理装置1の他の構成および他の作用効果は、第1例のディスク記録媒体処理装置1と実質的に同じである。
【0200】
図36は、本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第4例における第1CD保持搬送部材を示す、図5(b)と同様の図である。
図36に示すように、この第4例のディスク記録媒体処理装置でも、前述の各例と同様に第1ないし第4ピン支持板35,36,37,38に、それぞれ、第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34が設けられている。その場合、前述の図6に示す第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34では、12cmのCD8と8cmのCD8とを、それぞれ、異なる高さ位置でチャッキングしているが、この第4例では、12cmのCD8と8cmのCD8とを、ともに、同じ高さ位置(同一水平面)でチャッキングするようにしている。
【0201】
すなわち、図37(b)に示すように例えば第3チャッキングピン33は、CD8の縁を挟持可能な挟持面を有する截頭円錐台形状に形成された上下のフランジ33a,33bと、CD8の外周面が当接可能な円柱状部33cとからなる。その場合、円柱状部33cの上下方向の幅)はCD8の厚みとほぼ同じに設定されており、12cmのCD8と8cmのCD8とが、ともに、同じ高さ位置(同一水平面)で第3チャッキングピン33にチャッキングされるようになっている。他の第1、第2、第4チャッキングピン31,32,34も、図示しないがまったく同じ形状に形成されている。
【0202】
このように、12cmのCD8と8cmのCD8とを、ともに、同じ高さ位置(同一水平面)でチャッキングすることで、両CDを第1CD保持搬送部材21に同一面で保持することが可能となる。これにより、第1CD保持搬送部材21の12cmのCD8と8cmのCD8との各保持面の段差がなくなって第1CD保持搬送部材21の厚みをより薄くすることができ、その結果、ディスク記録媒体処理装置自体の厚みを薄くすることができる。特に、CD保持搬送部材をより多く重ねて設ける場合には、ディスク記録媒体処理装置自体の厚みをより効果的に薄くすることができる。
【0203】
一方、この第4例の押圧アーム58のCD押圧部58a,58a′に設けられたローラ58bも、このような第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34と同様に12cmのCD8と8cmのCD8とを、ともに、同じ高さ位置(同一水平面)で押し出すようにしている。
【0204】
すなわち、図37(c)に示すようにローラ58bは、CD8の縁が当接可能な当接面を有する截頭円錐台形状に形成された上下のフランジ58b1,58b2と、CD8の外周面が当接可能な円柱状部58b3とからなる。その場合、円柱状部58b3の上下方向の幅はCD8の厚みとほぼ同じに設定されており、12cmのCD8と8cmのCD8とが、ともに、同じ高さ位置(同一水平面)でローラ58に当接するようになっている。
【0205】
また、前述の図32に示す第3例では、チャッキングピン同期制御部材158により第1および第2チャッキングピン31,32を同期させているが、図36に示すように、この第4例のディスク記録媒体処理装置では、第3例のチャッキングピン同期制御部材158は設けられていなく、代わりに、第1チャッキング制御部材51に形成されたカム孔52と第1ピン支持板35に突設されたカムピン43との組合せ、および第1チャッキング制御部材51に形成されたカム孔53と第2ピン支持板36に突設されたカムピン44との組合せにより、第1および第2チャッキングピン31,32を同期させて作動するようにしている。
【0206】
更に、この第4例では、第1チャッキング制御部材51に形成されたカム孔54と第3ピン支持板37に設けられたレバー37a(図37(a)および(b)に明確に示されている)との組合せ、および第1チャッキング制御部材51に形成されたピン押圧部55であるカム孔55と第4ピン支持板38に突設されたカムピン46との組合せにより、第3および第4チャッキングピン33,34を第1および第2チャッキングピン31,32と同期させて作動するようにしている。その場合、詳細には、第3ピン支持板37のレバー37aがカム孔54の凹溝54aに、この凹溝54aの側壁との間に所定の間隙をもって遊嵌されていて、CD8が挿入されて第1および第2チャッキングピン31,32が拡開されて第1チャッキング制御部材51が図36において反時計回りに若干回動した後に、凹溝54aの側壁がレバー37aに当接することで、第3チャッキングピン33を第1および第2チャッキングピン31,32と同期させて作動するようにしている。
【0207】
更に、第4例のディスク記録媒体処理装置では、第3例における、第1スイッチスライダ151の被押圧部151aを押圧するカム部材157が設けられていなく、代わりに、第3ピン支持板37にピン37bが突設されており、このピン37bが第1スイッチスライダ151の被押圧部151aを押圧するようにされている。その場合、第3ピン支持板37が所定量回動し、ピン37bが第1スイッチスライダ151を所定量移動して第1メカニカルスイッチ149をオンした後は、レバー37aが凹溝54aから脱出して第3ピン支持板37がそれ以上回動により、前述の第3例と同様に第1スイッチスライダ151が所定量以上移動しないようにされている。この第1メカニカルスイッチ149のオン信号で、前述の第3例と同様に第1CD8が挿入されたことが検出される。
【0208】
更に、CD8が正規位置にセットされた状態では、前述の各例と同様に第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34がCD8の外周縁を保持してチャッキングするようになる。このときの第1ないし第4チャッキングピン31,32,33,34の位置は、それぞれ、図36に示すように12cmのCD8では位置31(a),32(a),33(a),34(a)になり、8cmのCD8では位置31(b),32(b),33(b),34(b)になる。このとき、第4ピン支持板38のカムピン46と凹溝55aとの協働により、図36において、第4ピン支持板38がCD8の正規位置に対応する位置からそれ以上反時計回りに回動しないようにされている。これにより、第4チャッキングピン34は、CD8が正規位置を越えて挿入されることを阻止することで、このCD8を正規位置に位置決めする機能を果たすようになっている。したがって、この第4例では前述の各例におけるCD位置決め部25a′,26a′が省略されている。
この第4例の他の構成、他の作用効果は、実質的に第3例と同じである。
【0209】
図38は、図36に示す第1CD保持搬送部材の変形例を示す、図36と同様の図である。なお、図38は図36と上下が逆になっている。
前述の各例では、第1および第2ピン支持板35,36が回動することで、第1および第2チャッキングピン31,32が円弧状に移動するようになっているが、この変形例では、図38に示すように第1および第2ピン支持板35,36が直線的にスライドするように第1CD保持搬送部材21に設けられることで、第1および第2チャッキングピン31,32が直線状に移動するようにされている。
なお、第3および第4ピン支持板37,38も同様に直線的にスライドするように第1CD保持搬送部材21に設けて、第3および第4チャッキングピン33,34が直線状に移動するようにできることは言うまでもない。
【0210】
図39は、本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第5例におけるディスク出入れカバーを示し、(a)はその部分斜視図、(b)は第1CD保持搬送部材の本体から外した状態で示す斜視図、(c)は(a)におけるXXXIXCから見た部分拡大図である。
【0211】
前述の各例では、ディスク出入れ部3においては、図1、図3(b)および図4に示すように、このディスク出入れカバー12の内側で各CD挿入取出口10,11に対応して第1および第2シャッタ13,14を設けているが、この第5例のディスク記録媒体処理装置では、シャッタをディスク出入れカバー12の外側に設けている。
【0212】
すなわち、図39(a)および(b)に示すように第1ないし第3シャッタ13,14,106がディスク出入れカバー12に、このディスク出入れカバーの外側に回動して対応するCD挿入取出口を開閉するように設けられている。なお、図示例ではCD挿入取出口が3つ設けられる例を示しており、その場合、第1および第3シャッタ13,106が閉じ、かつ第2シャッタ14が開いた状態を示している。これらの第1ないし第3シャッタ13,14,106は通常時は閉じている。
【0213】
このように構成されることで、この第5例のディスク記録媒体処理装置によれば、ユーザーがこのディスク記録媒体処理装置のディスプレイで第2CD挿入取出口11からCDが挿入されていないことを知ると、この第2CD挿入取出口11に対応する操作キーを押す。すると、図39(a)ないし(c)に示すように、第2シャッタ14が外側に開くので第2CD挿入取出口11の位置がわかり、ユーザーは開かれた第2シャッタ14に沿ってCDを挿入することで、CDは第2シャッタ14に案内されて第2CD挿入取出口11から簡単に挿入されるようになる。特に、例えばディスク記録媒体処理装置をCD挿入取出口が上方に向くようにして壁に掛けた状態で使用する場合、CD挿入取出口が見え難くても、シャッタが外側に開くことでCD挿入取出口の位置を簡単に知ることができ、かつCDを簡単に挿入することができるようになる。
【0214】
なお、本発明は前述の例に限定されることはなく、種々の設計変更が可能である。例えば、前述の例ではCD挿入取出口およびトラックを2つまたは3つ設けるものとしているが、これらを4つ以上の複数設けることもできる。その場合は、対応する各部材をその数に合わせて形成すればよい。
【0215】
また、本発明は、音楽のCDのための音響装置としてのディスク記録再生装置以外の、記録および再生の少なくとも1つのためのDVD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW等のディスクを用いる他のディスク処理装置にも適用することができる。
【0216】
更に、前述の例では、装置本体2内にディスクをストアするストア位置Aとディスクに対して記録および再生の少なくとも1つを行うピックアップ位置Bとが異なる位置に設定されているが、本発明のチャッキング手段は、例えば図35に示すようなピックアップ位置B(ピックアップ位置Bで1枚のディスクがストア可能であることは言うまでもない)のみが設定されている従来周知のディスク処理装置、すなわち、ディスク挿入取出口10からディスクを挿入すると、ディスクが直ぐにピックアップ位置Bとなるディスク処理装置にも適用できる。
【0217】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のディスク記録媒体処理装置によれば、駆動側アームの駆動ローラが駆動手段からの回転駆動力で回転駆動されるとともに、従動側のアームの、駆動手段からの回転駆動力が伝達されない従動ローラが、従動側のアームの回動で駆動ローラの回転方向とは逆方向の回転駆動されるので、ディスクをほとんど回転させることなくスムーズにかつユーザが違和感を抱くことなく挿入、排出することができるようになる。
【0218】
また、一対の回動可能な駆動ローラおよび従動ローラにより非記録部であるディスクの外周エッジ部を挟持してディスクの引込排出を行うので、駆動ローラおよび従動ローラのディスク外周エッジ部の当接によるディスクの記録部への影響を防止できる。
【0219】
特に、請求項2および3の発明によれば、チャッキング手段により、ディスクをディスク保持搬送手段に確実にチャッキングしているので、ディスク記録媒体処理装置を水平状態に設置可能であることはもちろん、鉛直状態にもあるいは傾斜状態にも設置可能となる。したがって、更にディスク記録媒体処理装置の設置自由度を大きくできる。
【0220】
また、請求項3の発明によれば、ディスククランプ手段により、ピックアップ位置でのディスク保持搬送手段に対するディスクのチャッキングおよびアンチャッキングと、トラバースユニットに対するディスクのクランプおよびアンクランプとを自動的にかつ確実に行うことができるようになる。
【0221】
更に、請求項4の発明によれば、トラバースユニットの初期高さ位置を複数段の各トラック毎のディスク保持搬送手段に応じて設定し、ディスクチェンジ装置によりトラバースユニットの初期高さ位置の設定に連動して、設定される初期高さ位置に対応したディスク保持搬送手段の駆動系を設定されるようにしているので、トラバースユニットの設定された初期高さ位置に対応するディスク保持搬送手段をピックアップ位置に移動させることができる。したがって、移動してくるディスク保持搬送手段およびその上のディスクをいずれもトラバースユニットに干渉させずに、所望のディスクを確実にピックアップ位置に設定できるようになる。
【0222】
更に、請求項5の発明によれば、ディスク保持搬送手段駆動用駆動手段の駆動力が伝達されて回転するギヤが制御レバーにより移動される時に、このギヤを、弾性部材を介して弾性的に移動させることができる。したがって、ギヤを各ディスク保持搬送手段のラック部材間で噛合切替する時に、ラック部材の歯とギヤの歯とが当接して直接噛合しない場合が生じても、ギヤに対する弾性部材による弾性付勢力とギヤの回転とにより、ラックの歯とギヤの歯とを自然と噛合させることができる。これにより、動力伝達切替機構によるラック部材間でのギヤの切替を確実に行うことができる。
【0223】
更に、請求項6および7の発明によれば、ディスク保持搬送手段に保持されているディスクをディスク押出手段によりディスク引込排出手段の方へ押し出すことができるとともに、更にこのディスク引込排出手段により、このディスクを装置本体外に自動的に排出することができる。
特に、請求項7の発明によれば、回動自在なローラによりディスクの外周面が押圧されることで、ディスクが押し圧されるようになる。これにより、滑らかなディスクの押圧が行われるとともに、ディスク押出手段の負荷が軽減され、更に、ディスクの大きさに関わらず、大きさの異なるディスクに対して柔軟に対応することが可能となる。
【0227】
更に、請求項8の発明によれば、ディスク引込排出方向とディスク搬送方向とを異ならせているので、ディスク搬送方向に対するディスク引込排出方向の設定自由度を高くできるとともに、デザインを向上することができる。
【0228】
更に、請求項9の発明によれば、ディスク保持搬送手段にディスクが保持されているときは、対応するディスク挿入取出口をシャッタで閉じるようにしているので、ディスクがそのディスク挿入取出口からすでに挿入されることを認識できるとともに、ディスクの誤挿入を防止できるようになる。
【0229】
更に、請求項10の発明によれば、ディスク保持搬送手段にディスクが保持されていないときは、対応するディスク挿入取出口をシャッタで閉じるようにしているので、ディスクが挿入されない不使用時にゴミやチリ等の異物がディスク挿入取出口から装置本体内に侵入することを防止できる。そして、ディスクを挿入するときは、操作キーの操作によってディスク挿入取出口を開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク記録媒体処理装置(記録再生)装置の実施の形態の一例を構成要素の一部を削除して示す斜視図である。
【図2】 この例のディスク記録媒体処理装置の構成要素の更に一部を削除して示す、図1と同様の斜視図である。
【図3】 この例のディスク記録媒体処理装置のディスク出入れ部側から見て示す、(a)は正面図、(b)はカバーを除いた正面図、(c)はディスク記録媒体処理装置を鉛直方向に立てて設置させた状態を示す正面図、(d)はディスク記録媒体処理装置を傾斜して設置させた状態を示す正面図である。
【図4】 この例のディスク記録媒体処理装置におけるディスク出入れ部およびディスク保持部の分解斜視図である。
【図5】 この例のディスク記録媒体処理装置におけるCD保持搬送部材を示し、(a)はその平面図、(b)はその下面図である。
【図6】 チャッキングピンによるCDのチャッキング状態を説明し、(a)は12cmのCDのチャッキング状態を示す図、(b)は8cmのCDのチャッキング状態を示す図、(c)は変形例のチャッキングピンによる12cmのCDのチャッキング状態を示す図、(d)は(c)に示す例のチャッキングピンによる8cmのCDのチャッキング状態を示す図、(e)は他の変形例のチャッキングピンによる12cmのCDのチャッキング状態を示す図、(f)は(e)に示す例のチャッキングピンによる8cmのCDのチャッキング状態を示す図、(g),(h)はそれぞれ更に他の変形例のチャッキングピンによる8cmのCDのチャッキング状態を示す図である。
【図7】 この例のディスク記録媒体処理装置におけるCD保持搬送部材に設けられたCD押出機構を示し、(a)はその平面図、(b)はその下面図である。
【図8】 この例のディスク記録媒体処理装置におけるトラバースユニットの分解斜視図である。
【図9】 この例のディスク記録媒体処理装置におけるラックスライダとCD保持搬送部材とを制御するカム部材を示す図である。
【図10】この例のディスク記録媒体処理装置におけるラックスライダを示し、(a)はその平面図、(b)は正面図である。
【図11】この例のディスク記録媒体処理装置におけるトラバースユニットへのCDのクランプ、アンクランプを制御するとともに、ピックアップ位置でのチャッキング部材によるCDのチャッキング、アンチャッキングを制御するためのリンクアームとカム溝との関係を示し、(a)はリンクアームとカム溝との非係合状態を示す図、(b)はリンクアームとカム溝との係合過程を示す図、(c)はリンクアームとカム溝との非係合状態を示す図である。
【図12】この例のディスク記録媒体処理装置におけるシャッタを部分的に示す斜視図である。
【図13】この例のディスク記録媒体処理装置における駆動系を示す平面図である。
【図14】この例のディスク記録媒体処理装置におけるトラバースユニットおよびラック駆動ギヤを第1および第2トラックに選択的に設定するカム部材を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図15】この例のディスク記録媒体処理装置における動力切換アームロックスライダの作動を説明する部分平面図である。
【図16】この例のディスク記録媒体処理装置におけるラックスライダの位置を検出するスイッチを示す図である。
【図17】この例のディスク記録媒体処理装置に設定されているストア位置とピックアップ位置とを示す図である。
【図18】(a)ないし(c)はチャッキング手段によるCDのチャッキングを説明する図である。
【図19】この例のディスク記録媒体処理装置における回動レバーを示す斜視図である。
【図20】この例のディスク記録媒体処理装置におけるクランプスライダの一作動状態を示す図である。
【図21】この例のディスク記録媒体処理装置におけるクランプスライダの他の作動状態を示す図である。
【図22】この例のディスク記録媒体処理装置における回動レバーの作動を説明する図である。
【図23】この例のディスク記録媒体処理装置におけるラック駆動ギヤ部材を作動させる弾性部材を示す図である。
【図24】本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第2例を示す斜視図である。
【図25】この第2例のCDの挿入を説明し、(a)は第1のCDの挿入開始状態を示す図、(b)はこの第1のCDの挿入途中の状態を示す図、(c)はこの第1のCDが正規位置に挿入された状態を示す図である。
【図26】押出アームの先端に設けたローラを説明し、(a)は部分平面図、(b)は部分正面図、(c)は右側面図である。
【図27】本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第3例のディスク記録媒体処理装置における駆動系を示す平面図である。
【図28】この第3例の左側面図である。
【図29】この第3例のディスクを引き込むローラ・アームを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は裏面図である。
【図30】この第3例の装置本体のラックスライダが設けられる側壁と反対側の側壁を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるB方向から見た図である。
【図31】この第3例の部分斜視図である。
【図32】この第3例のCD保持搬送部材の裏面を示し、(a)は裏面図、(b)は作動説明図である。
【図33】この第3例のブレーキ手段を説明する図である。
【図34】(a)はこの第3例のクランプスライダの斜視図、(b)はクランプスライダによるチャッキング・アンチャッキングのタイミング、およびクランプスライダによるクランプ・アンクランプのタイミングを説明する図である。
【図35】本発明の変形例を示す図である。
【図36】本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第4例における第1CD保持搬送部材を示す、図5(b)と同様の図である。
【図37】この第4例に用いられる一部の構成要素を示し、(a)は第3ピン支持板を示す斜視図、(b)はこの第3ピン支持板を示す正面図、(c)は押出アームを示す正面図である。
【図38】図36に示す第1CD保持搬送部材の変形例を示す、図36と同様の図である。
【図39】本発明に係るディスク記録媒体処理装置の実施の形態の第5例におけるディスク出入れカバーを示し、(a)はその部分斜視図、(b)は第1CD保持搬送部材の本体から外した状態で示す斜視図、(c)は(a)におけるXXXIXCから見た部分拡大図である。
【符号の説明】
1…ディスク記録媒体処理装置、2…装置本体、3…ディスク出入れ部、4…ディスク保持部、5…ディスクピックアップ部、6…第1トラック、7…第2トラック、8…第1のCD、9…第2のCD、10…第1CD挿入取出口、11…第2CD挿入取出口1、13…第1シャッタ、14…第2シャッタ、17…第1ローラ、18…第2ローラ、21…第1CD保持搬送部材、23…トラバースユニット、25a,25b;26a,26b…ガイドレール、25a′,26a′…CD位置決め部、31…第1チャッキングピン、32…第2チャッキングピン、33…第3チャッキングピン,34…第4チャッキングピン、35…第1ピン支持板、36…第2ピン支持板、37…第3ピン支持板、38…第4ピン支持板、51…チャッキング制御部材、57…CD押出機構、58…押出アーム、58a…CD押圧部、58b…作動ピン(ローラ)、59…押出アーム作動部材、67…リンク部材、68…クランプアーム、69…クランプスライダ、70…リンクアーム、71…ピン、79…第1ラックスライダ、80…第1ラック、87…ラック駆動ギヤ部材、88…初期高さ位置制御部材、89…カム部材、93…動力伝達切換アーム、105…動力切換アームロックスライダ、109,110,111,112…位置検知スイッチ、A…ストア位置、B…ピックアップ位置、130…ローラ・アーム式ディスク引込排出手段、131…駆動側アーム、132…従動側アーム、133…駆動ギヤ、134…ディスク出し入れ駆動ローラ、135…ローラ駆動ギヤ、136…歯車動力伝達機構、137…第1溝、138…第2溝、143…ディスク出し入れ従動ローラ、144…第1溝、145…第2溝、149…第1CD検出用メカニカルスイッチ、150…第2CD検出用メカニカルスイッチ、151…第1スイッチスライダ、151a…被押圧部、152…第2スイッチスライダ、157…カム部材、157a…押圧部、158…チャッキングピン同期制御部材、160…第1同期溝、161…第2同期溝、162…第1同期ピン、163…第2同期ピン、164…第3メカニカルスイッチ、165…第4メカニカルスイッチ、166…第5メカニカルスイッチ、167…第6メカニカルスイッチ、168…ブレーキ部材、168a…アーム部、168b…ブレーキ部、169…ブレーキカム面、170…チャッキング制御部材作動スライダ、171…作動溝、172…ギヤ、173…リングギヤ
Claims (10)
- 装置本体と、前記装置本体に設けられ、ディスクを挿入、取り出しするためのスロット状のディスク挿入取出口と、前記装置本体内に前記ディスク挿入取出口に対応して設けられかつ前記ディスク挿入取出口を通して挿入されたディスクを保持搬送するディスク保持搬送手段と、前記装置本体内に前記ディスク挿入取出口に対応して設けられ、前記ディスク挿入取出口から挿入されたディスクを前記装置本体内の前記ディスク保持搬送手段に引き込むとともに、前記装置本体内の前記ディスク保持搬送手段に保持されたディスクを前記ディスク挿入取出口から前記装置本体外に排出するディスク引込排出手段とを少なくとも備え、
前記ディスク引込排出手段は、それぞれ回動可能に設けられ、前記ディスクの前記装置本体内への移動および前記ディスクの前記装置本体外への移動に伴って前記ディスクを介して互いに逆方向に回動して開閉する一対の駆動側アームと従動側アームとを備えているとともに、前記駆動側アームに回動可能に設けられた、前記ディスクの外周エッジ部が当接可能な駆動ローラと、前記従動側アームに回動可能に設けられた、前記ディスクの外周エッジ部が当接可能な従動ローラとを有し、
前記駆動ローラは、駆動手段からの回転駆動力が動力伝達機構を介して伝達されるローラであるとともに、前記従動ローラは、前記駆動手段からの回転駆動力が伝達されないローラであり、
前記従動側アームに、歯車が前記従動ローラと一体回転可能に設けられているとともに、前記装置本体に、前記従動側アームの前記歯車が噛合する円弧状歯車が設けられており、
前記従動側アームの前記歯車は、前記駆動側アームと前記従動側アームとが開閉するとき、前記従動側アームの回動により前記従動ローラを前記駆動ローラの回転方向とは逆方向に回転するように前記円弧状歯車に噛合していることを特徴とするディスク記録媒体処理装置。 - 前記ディスク保持搬送手段に、前記ディスクを前記ディスク保持搬送手段の正規位置にチャッキングするチャッキング手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のディスク記録媒体処理装置。
- 前記装置本体は、前記ディスクをストア可能なストア位置とトラバースユニットにより前記ディスクに対して処理するピックアップ位置とが設定されており、
前記ディスク保持搬送手段は前記装置本体に設けられたトラックに、前記ストア位置と前記ピックアップ位置との間で移動可能であるとともにこれらのストア位置およびピックアップ位置に設定可能に設けられており、
前記ディスク保持搬送手段が前記ピックアップ位置に来たとき、前記チャッキング手段によるディスクのチャッキングを解除するとともに前記ディスクを前記トラバースユニットにクランプし、前記ディスク保持搬送手段が前記ピックアップ位置から移動するとき、前記トラバースユニットに対するディスクのクランプを解除するとともに前記チャッキング手段に前記ディスクの前記ディスク保持搬送手段へのチャッキングを行わせるディスククランプ手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載のディスク記録媒体処理装置。 - 前記トラックは前記装置本体に複数段設けられているとともに、前記ディスク保持搬送手段が前記複数段のトラック毎にそれぞれ設けられており、
前記トラバースユニットが前記トラック毎の前記ディスク保持搬送手段に応じて初期高さ位置が設定されており、前記トラバースユニットの初期高さ位置とこの初期高さ位置に対応した前記ディスク保持搬送手段の駆動系とを組合、制御して設定するディスクチェンジ装置を備えていることを特徴とする請求項3記載のディスク記録媒体処理装置。 - 前記装置本体に、ラック部材がそれぞれの前記ディスク保持搬送手段毎に対応するディスク保持搬送手段とともに移動可能に設けられており、
前記ディスク保持搬送手段を移動するディスク保持搬送手段駆動用駆動手段の駆動力をそれぞれの前記ラック部材に選択的に切替伝達する動力伝達切替機構が設けられており、
前記動力伝達切替機構は、前記ディスク保持搬送手段駆動用駆動手段の駆動力が伝達されかつ前記ラック部材のいずれか1つに選択的に噛合可能に移動するギヤと、前記ギヤを移動してこのギヤを前記ラック部材のいずれか1つに選択的に噛合制御する制御レバーと、前記制御レバーに設けられてこの制御レバーによる前記ギヤの移動時に前記ギヤを弾性的に移動する弾性部材とを備えていることを特徴とする請求項4記載のディスク記録媒体処理装置。 - 前記ディスク保持搬送手段に、前記ディスク保持搬送手段のディスクを前記ディスク引込排出手段の方へ押し出すディスク押出手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載のディスク記録媒体処理装置。
- 前記ディスク押出手段は、前記ディスクの外周面に当接してするこのディスクを押圧する回動自在なローラを備えていることを特徴とする請求項6記載のディスク記録媒体処理装置。
- 前記装置本体に、前記ディスクをストア可能なストア位置とトラバースユニットにより前記ディスクに対して処理するピックアップ位置とが設定されており、前記ディスク挿入取出口と前記ストア位置との間のディスク引込排出方向と、前記ストア位置とピックアップ位置との間のディスク搬送方向とが所定角方向に設定されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1記載のディスク記録媒体処理装置。
- 前記ディスク挿入取出口にそれぞれ、ディスクの状態に応じて開閉制御されるシャッタが設けられており、これらのシャッタは対応するディスク保持搬送手段にディスクが保持されているときは対応するディスク挿入取出口を閉じるようになっていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1記載のディスク記録媒体処理装置。
- 前記シャッタは、対応するディスク保持搬送手段にディスクが保持されていないときにも、対応するディスク挿入取出口を閉じるようになっているとともに、操作キーの操作によってディスク挿入取出口を開くようになっていることを特徴とする請求項9記載のディスク記録媒体処理装置。
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