JP3894338B2 - 還元性電解水及びその生成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水を電気分解して得られる還元性電解水、これを主成分とする飲料水、農業用肥料、点滴液その他の注射液、及びこれらの生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水を電気分解して得られるアルカリ性電解水を飲料水として用いると、胃腸内の異常醗酵や消化不良、下痢、胃酸過多などを抑制するという医療的効果があることが報告されている。これは、アルカリ性電解水に含まれるカルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム等のミネラル分が陽イオンとして存在することが主な原因であると考えられていた。
【0003】
そのため、かかる医療的効果を得るために用いられるアルカリ性電解水は、専ら含有金属イオンとpH値とによってのみ規定され、カルシウム等が添加された水をpHが9程度に達するまで電気分解を行うことにより生成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者らが探求したところ、生体内に生じた活性酸素が生体分子を酸化することにより当該生体分子が損傷を受け、これが病気の主な原因であることが判明した。
【0005】
そこで、かかる活性酸素は、水素との還元反応によって無毒の水に戻すことができることに着目し、この反応を促進できればより医療的効果の高い電解水を得られること見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
また、このような電解水は従来の方法では生成できなかったため、上記還元反応の速度に着目して鋭意研究を行った結果、ある種の還元剤と金属イオンとを添加することにより容易に生成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、還元性能に優れた無害な水とその生成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の還元性電解水は、pHが3〜7、酸化還元電位が−200mV以下、溶存酸素濃度が3ppm以下であることを特徴としている。
【0009】
生体は酸素を利用した代謝を行うことで生命を維持する結果、体内に活性酸素が生じるが、この活性酸素はきわめて酸化力が強く生体を構成している遺伝子や細胞を酸化する。これが病気の一原因と考えられるが、本発明の還元性電解水は、活性酸素の消去活性が著しく高く、生体内の活性酸素を受け取ることにより安定化を図ろうとする作用がある。
また本発明の還元性電解水は、その特性を長時間保持することができ保存性に優れている。すなわち、本発明の還元剤及び金属イオンを含む還元性電解水は、還元剤としてビタミンCを含んでいるので酸素環境に曝されたとしても、その還元力によって溶存酸素量を微量のまま長時間保持することができ、また金属イオンの働きによって低電位となった酸化還元電位をも低電位のまま長時間保持することができ、保存性に優れている。
【0010】
また、本発明の還元性電解水は、酸化還元電位が著しく低いにも拘わらずpHが3〜7と水素イオン濃度が大きいので、還元力が強く、生体内の活性酸素と反応しやすい特性がある。したがって、より好ましくは酸化還元電位が−500mV以下である。
【0011】
活性酸素O2 -は、下記反応式の如く還元されて水になる。
O2 -+(H++e-)→HO2 -
HO2 -+H+→H2O2
H2O2→2(・OH)
・OH+(H++e-)→H2O
【0012】
したがって、水素イオン濃度[H+]及び電子濃度[e-]の値がそれぞれ大きく、かつその積が大きいほど水H2Oが生成される方へ化学平衡が移動する。したがって、水素イオン濃度[H+]及び電子濃度[e-]の値が大きくかつその積が大きいほど、活性酸素が水に変化することとなる。
【0013】
本発明において、溶存酸素量は可能な限り0ppmに近いこと、及び酸化還元電位は可能な限り低いことが最も好ましい。上述した活性酸素による生体内の酸化作用の抑制力が最も期待できるからである。
【0014】
このような特性を有する本発明の還元性電解水は、特に飲料水や、アルコール飲料、清涼飲料、果実飲料、乳清飲料などの主成分、又は点滴液その他の注射液として用いて好ましい。生体内における酸素利用代謝の副産物である活性酸素量を減少させることができ、遺伝子や細胞の酸化が抑制できるという医療的効果が期待されるからである。
【0015】
また、本発明の還元性電解水は、飲料水や注射液以外にも、農薬や農業用肥料に用いて好ましい。従来の農業用肥料としては硝酸性窒素が用いられているため、農作物には多量の亜硝酸が含まれている。この亜硝酸の増加に反比例してビタミンCが減少するため還元性に乏しい農作物となる。また、体内に亜硝酸が取り込まれると、アミンと結合して有害な亜硝酸アミン(ニトロソアミン)が作られる。したがって、本発明の還元性電解水を農薬や農業用肥料として用いることにより還元性の低下及び有害物質の生成を防止することができる。
【0016】
本発明の還元性電解水は、還元剤(ビタミンC)及び金属イオンを含む水を電気分解したのち、さらに還元剤(ビタミンC)を添加することにより生成することができる。電気分解の前後で還元剤(ビタミンC)を添加することにより、生成された還元性電解水の酸化還元電位の値が長時間維持される。
【0017】
また、本発明の還元性電解水は、金属イオンを含む水を電気分解したのち、還元剤(ビタミンC)を添加することにより生成することができる。
【0018】
さらに、本発明の還元性電解水は、還元剤(ビタミンC)及び金属イオンを含む水を電気分解することにより生成することができる。
【0019】
また、本発明の還元性電解水は、還元剤及び金属イオンを含む水を電気分解してpHが9〜12、酸化還元電位が−600mV以下、溶存酸素量が3ppm以下のアルカリ性電解水を生成したのち、当該アルカリ性電解水に還元剤を添加することにより生成することができる。
【0020】
また本発明の還元性電解水は、還元剤及び金属イオンを含む水を電気分解してpHが9〜12、酸化還元電位が−600mV以下、溶存酸素量が3ppm以下のアルカリ性電解水を生成したのち、当該アルカリ性電解水をさらに電気分解することにより生成することができる。
【0021】
本発明の還元性電解水の生成方法で用いられる還元剤としては、γラクトン構造(カルボン酸と水酸基が分子内で脱水閉環した環状エステル)を有しかつOH基を含む混合物又は、酸素を含む5員環もしくは6員環を有しかつOH基を1以上有する糖類を挙げることができる。例えば、ビタミンC,グルコース,フルクトース,ラクトースなどの糖類、エリソルビン酸(イソアスコルビン酸)などを挙げることができる。
【0022】
また、本発明の還元性電解水の生成方法で用いられる金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、又はマグネシウムイオンなどを挙げることができる。
【0023】
このようにして生成される本発明の還元性電解水を長時間静置すると、酸化還元電位が−200mVから0mV程度に増加する場合もあるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムからなる群より選ばれる水溶液を添加すると、酸化還元電位が−200mV以下の還元性電解水に復活する。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本発明の実施例及び参考例で用いられる電解水生成装置を示す断面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施例及び参考例では、容積2リットル(縦100mm×横200mm×深さ100mm)の電解槽1の中央に隔膜4を配置して各電解室5,6の容積がそれぞれ1リットルとなるように区画し、また電極板2,3間距離Lが4mmとなるように両電極板2,3の主面を対向して配置した。電解槽1内に設けられる電極板2,3としては、チタン板に白金メッキを施した縦114mm×横74mmのものを用いた。
【0025】
(参考例1)
図1に示す電解水生成装置を用い、水道水2リットルに対しビタミンCを0.25g、塩化カルシウムを0.01g〜0.02gの割合で添加した水を電解槽1に満たし、両電極板2,3間に25Vの定電圧(最大電流値2.2A)を20分間印加し、電気分解を行った。生成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電位(ORP)、溶存酸素量(DO)をそれぞれ測定したところ、pH=10.69、ORP=−813mV、DO=1.47ppmであった。
【0026】
次に、この電解水2リットルに対しビタミンCを0.25g添加した還元性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0027】
なお、pH値の測定は(株)堀場製作所社製pH測定メータD−13及びpH測定センサ#6350−10D、酸化還元電位の測定は(株)堀場製作所社製ORP測定メータD−13及びORP測定センサ#6860−10C、溶存酸素量の測定は東亜電波工業(株)社製のDO測定メータDO14−P及びDO測定センサOE−2102をそれぞれ用いた。
【0028】
本参考例によれば、目的とするpH値を得ながら、ORP値及びDO値を小さくすることができる。また、用途に応じて水を生成する場合において、例えばpH=9〜12の水を1種類だけ生成しておけば、その後に特殊な装置を使用することなくビタミンCなどの還元剤を添加するだけで、目的とする還元性電解水を簡単に得ることができる。さらに、電解前後に還元剤をある比率で添加すると、生成後における還元剤のバランスが向上し、還元力が高まることになる。
【0029】
(参考例2)
参考例1と同じ電解水生成装置を用い、水道水2リットルに対し塩化カルシウムを0.01g〜0.02gの割合で添加した水を電解槽1に満たし、両電極板2,3間に25Vの定電圧(最大電流値2.2A)を20分間印加し、電気分解を行った。生成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定したところ、pH=10.29、ORP=−790mV、DO=1.00ppmであった。
【0030】
次に、この電解水2リットルに対しビタミンCを0.5g添加した還元性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0031】
本参考例によれば、目的とするpH値を得ながら、ORP値及びDO値を小さくすることができる。また、反応性の高い還元剤を使用する場合には還元力の経時劣化が問題となるが、本実施例では、塩化カルシウムなどの金属イオンを含む水を電解しておき、使用時に還元剤を添加して目的とする還元性電解水とすることができるので還元力の維持性に優れている。
【0032】
(実施例1)
図1に示す電解水生成装置を用い、水道水2リットルに対し塩化カルシウムを0.01g〜0.02gの割合で添加した水を電解槽1に満たし、両電極板2,3間に25Vの定電圧(最大電流値2.2A)を20分間印加し、電気分解を行った。生成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定したところ、pH=11.02、ORP=−840mV、DO=3.00ppmであった。
【0033】
次に、この電解水2リットルに対しビタミンCを0.5g添加したアルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定したところ、pH=10.05、ORP=−770mV、DO=3.00ppmであった。
【0034】
さらに、このアルカリ性電解水2リットルに対しビタミンCを0.5g添加した還元性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0035】
本実施例によれば、目的とするpH値を得ながら、ORP値及びDO値を小さくすることができる。また、反応性の高い還元剤を使用する場合には還元力の経時劣化が問題となるが、本実施例では、塩化カルシウムなどの金属イオンを含む水を電解しておき、使用時に還元剤を添加して目的とする還元性電解水とすることができるので還元力の維持性に優れている。
【0036】
(参考例3)
参考例1と同じ電解水生成装置を用い、水道水2リットルに対しビタミンCを1g、塩化カルシウムを0.01g〜0.02gの割合で添加した水を電解槽1に満たし、両電極板2,3間に25Vの定電圧(最大電流値2.2A)を20分間印加し、電気分解を行った。生成された還元性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0037】
本参考例によれば、最も簡単に還元性電解水を生成することができる。
【0038】
(実施例2)
実施例1と同じ電解水生成装置を用い、水道水2リットルに対しビタミンCを1g、塩化カルシウムを0.1gの割合で添加した水を電解槽1に満たし、両電極板2,3間に12Vの定電圧(最大電流値0.5A)を3時間印加し、電気分解を行った。生成された還元性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0039】
本実施例によれば、最も簡単に還元性電解水を生成することができる。
【0040】
(参考例4)
まず最初に図1に示す電解水生成装置を用い、水道水2リットルに対しビタミンCを0.5g、食塩を0.1gの割合で添加した水を電解槽1に満たし、40分間の電気分解を行った。生成されたアルカリ性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定したところ、pH=10.03、ORP=−850mV、DO=0.42ppmであった。
【0041】
次に、このアルカリ性電解水を図2に示す電解水生成装置を用いて、両電極板2,3間に6Vの定電圧を印加し、10分間の電気分解を行った。この電解水生成装置は、図2に示すように、容積2リットル(縦100mm×横200mm×深さ100mm)の電解槽1に、主面同士が対向して設けられた一対の電極板2,3が配置され、一方の電極板(ここでは陽極板)のみを囲繞するように袋状の隔膜4が設けられている。電極板2,3間距離Lは4mmとし、電解槽1内に設ける電極板2,3としては、チタン板に白金メッキを施した縦50mm×横6mmのものを用いた。生成された還元性電解水につき、pH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0042】
本参考例によれば、ORP値を小さく維持したままpH値を7程度まで下げることができるので、注射液などに適用することが可能となる。
【0043】
(比較例1)
参考例4の比較例として、図1に示す電解水生成装置で生成されたpH=10.03、ORP=−850mV、DO=0.42ppmのアルカリ性電解水を、同じ電解水生成装置を用いて電気分解した。生成された酸性側の電解水につきpH値、酸化還元電位、溶存酸素量をそれぞれ測定した。この結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
(実施例3)
次に、本発明の還元性電解水を用いて動物体内における活性酸素の消去活性を評価した。具体的には、pH=6.50、ORP=−550mV、溶存酸素量=1.0ppmの還元性電解水を用いて、これを健康な犬に24時間点滴し、点滴前後におけるその犬の血漿サンプルを抽出し、ESRでO2 -消去活性値を測定した。点滴前のO2 -消去活性値が7.8unit/ml、活性酸素量が89.20unit/ml、抗酸化酵素(SOD)の平均値が7.953であったのに対して、点滴後のO2 -消去活性値は15.2unit/mlまで増加し、活性酸素量は58.00unit/mlまで減少し、抗酸化酵素の平均値は14.627まで増加した。すなわち、本発明の還元性電解水を点滴液として用いることで、動物体内の活性酸素量を減少させることができることが確認された。
【0046】
(実施例4)
次に、本発明の還元性電解水の具体的な疾病に対する効果を確認するために動物実験を行った。
その第1の症例として、実施例3と同じ還元性電解水200mlをリンパ肉腫に感染した犬に点滴し、その状況を確認するために、リンパ肉腫の代表的特性である白血球(WBC)の量と血小板(PLT)の量を測定した。点滴前のリンパ肉腫に感染した犬の白血球の量は55800/μl、血小板の量が39000/μlであったのに対し、12時間の点滴の後、白血球の量は34500/μlまで減少し、血小板の量は106000/μlまで増加した。その犬は食欲が回復し、外観上も健康な犬と変わりなかった。この結果、本発明の還元性電解水を点滴液として用いることで、リンパ肉腫の疾病に効果が大きいことが確認された。
【0047】
(実施例5)
第2の症例として、実施例3と同じ還元性電解水720mlを急性肝不全に感染した犬に48時間点滴し、急性肝不全の代表的特性であるアルブミン(ALB)、アルカリホスファターゼ(ALP)、血液尿素窒素(BUN)、コレステロール(CHOL)、クレアチニン(CREA)、リン酸(PHOS)、総ビリルビン(T−Bil)、総タンパク(TP)、グロブリン(GLOB)の各量を測定した。この結果を表2に示す。全ての特性について、本発明の還元性電解水を点滴液として用いることで、急性心不全の疾病に効果が大きいことが確認された。
【0048】
【表2】
【0049】
(実施例6)
第3の症例として、実施例3と同じ還元性電解水720mlをステロイド性肝炎に感染した犬に72時間点滴し、ステロイド性肝炎の代表的特性であるアルカリホスファターゼ(ALP)の量を測定した。点滴前は、アルカリホスファターゼの量が2171unit/mlであったが、点滴8時間後には1293unit/ml、16時間後には912unit/ml、24時間後には739unit/ml、32時間後には621unit/mlと減少し、本発明の還元性電解水を点滴液として用いることで、ステロイド性肝の疾病に効果が大きいことが確認された。
【0050】
本発明の還元性電解水は、上述した実施例3〜6の点滴液以外にも、飲料用として用いても医療効果が大きいことが確認されている。その一例として、本発明の還元性電解水を500匹のマウスに500日間飲用させたところ、何ら有害な影響を与えず、有意に生存率が8倍程度まで増加した。また、T細胞の数が増加し、血清中の脂肪質過酸化水素化合物のレベルが低下し、さらに抗酸化作用を有する酵素(SOD)が増加した。
【0051】
(参考例5)
本発明の還元性電解水は長時間静置すると酸化還元電位が増加することが本発明者らによって確認されている。しかしながら、水酸化物イオンを含む水溶液を滴下すると、元の酸化還元電位まで復活することも確認されている。この本発明の還元性電解水の潜在的特性に関する実験を行った。
すなわち、上述した本発明の生成方法によって、pHが5.68、酸化還元電位が−530mVの還元性電解水を生成し、これを上端が開口した容器に入れて20時間室内に静置したところ、pHが6.40、酸化還元電位が0mVに変化した。
次いで、この電解水200mlに1N−NaOHを1〜200ml加え、pHと酸化還元電位の変化を測定した。同様の実験を2回繰り返した。この結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
(参考例6)
参考例5と同様に、静置することによりpHが6.40、酸化還元電位が0mVに変化した電解水200mlに1N−KOHを1〜200ml加え、pHと酸化還元電位の変化を測定した。同様の実験を2回繰り返した。この結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
(参考例7)
参考例5と同様に、静置することによりpHが6.40、酸化還元電位が0mVに変化した電解水200mlに1N−Ca(OH)2 を1〜7ml加え、pHと酸化還元電位の変化を測定した。この結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
(比較例2)
参考例5〜7の比較例として、pHが7.43、酸化還元電位が−180mVの電解水を20時間室内に静置したところ、pHはほとんど変化しなかったが、酸化還元電位が+250mVに変化した。
次いで、この電解水200mlに1N−NaOHを1〜200ml加え、pHと酸化還元電位の変化を測定した。この結果を表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】
表3〜6の結果から明らかなように、電解水を長時間静置すると、pHやORPなどの特性値が変化するが、本発明の還元性電解水は、潜在的に活性酸素の消去活性を備えており、たとえ見かけ上の特性値が変化したとしても、水酸化物イオンなどの添加によってこれを復活させることができることが確認された。
【0060】
なお、以上説明した実施例は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0061】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の還元性電解水は、溶存酸素量が著しく少ないため、生体内の活性酸素を受け取ることにより安定化を図ろうとする作用に加え、その特性を長時間保持することができ保存性に優れている。
【0062】
また、本発明の還元性電解水は、酸化還元電位が著しく低いにも拘わらずpHが3〜7と水素イオン濃度が大きいので、還元力が強く、生体内の活性酸素と反応しやすい特性があり、活性酸素量を減少させることができる。その結果、飲料水や注射液、点滴液として用いると遺伝子や細胞の酸化が抑制できるという医療的効果が期待できる。また、農薬や農業用肥料に用いると還元性の低下及び有害物質の生成を防止することができる。
【0063】
また、静置によって見かけのうえで特性値が変化しても、水酸化物イオンを添加することにより元の特性値に復活することができ、この点からも長期保存性に優れているといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いられる電解水生成装置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例で用いられる電解水生成装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1…電解槽
2,3…電極板
4…隔膜
Claims (11)
- pHが3〜7、酸化還元電位が−200mV以下、溶存酸素濃度が3ppm以下である還元性電解水を生成するための方法であって、
金属イオンを含む被電解水を電気分解して電解水を生成したのち、当該電解水にビタミンCを添加して前記還元性電解水を得ることを特徴とする還元性電解水の生成方法。 - pHが3〜7、酸化還元電位が−200mV以下、溶存酸素濃度が3ppm以下である還元性電解水を生成するための方法であって、
ビタミンC及び金属イオンを含む被電解水を電気分解して前記還元性電解水を得ることを特徴とする還元性電解水の生成方法。 - pHが3〜7、酸化還元電位が−200mV以下、溶存酸素濃度が3ppm以下である還元性電解水を生成するための方法であって、
ビタミンC及び金属イオンを含む被電解水を電気分解して電解水を生成したのち、当該電解水にビタミンCを添加して前記還元性電解水を得ることを特徴とする還元性電解水の生成方法。 - 前記金属イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、又はマグネシウムイオンの群から選ばれる1以上の物質である請求項1乃至3のいずれかに記載の還元性電解水の生成方法。
- ビタミンC及び金属イオンを含み、pHが3〜7、酸化還元電位が−200mV以下、溶存酸素濃度が3ppm以下であることを特徴とする還元性電解水。
- ビタミンC、及び、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、又はマグネシウムイオンの群から選ばれる1以上の金属イオンを含み、pHが3〜7、酸化還元電位が−200mV以下、溶存酸素濃度が3ppm以下であることを特徴とする還元性電解水。
- ビタミンC、及び、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、又はマグネシウムイオンの群から選ばれる1以上の金属イオンを含み、pHが3〜7、酸化還元電位が−500mV以下、溶存酸素濃度が3ppm以下であることを特徴とする還元性電解水。
- 請求項5〜7のうちいずれかに記載の還元性電解水を主成分とする飲料水。
- 請求項5〜7のうちいずれかに記載の還元性電解水を主成分とする農業用肥料。
- 請求項5〜7のうちいずれかに記載の還元性電解水を含む注射液。
- 請求項5〜7のうちいずれかに記載の還元性電解水を含む点滴液。
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