JP3893930B2 - シート材保持具、シート材保持方法、及び多層基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材を加圧、加熱処理する際にシート材を保持して、シート材の取扱を容易にするためのシート材保持具、シート材の保持方法、及びその保持方法を利用した多層基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層基板の製造方法として、導体パターンを形成した導体パターンシートを含む樹脂シートを積層し、それらを加熱しつつ加圧することによって一括して複数の樹脂シート同士を接着して多層基板を製造する方法が知られている。
【0003】
例えば、特開2000−38464号公報に開示された多層基板の製造方法によれば、まず、熱可塑性樹脂からなる樹脂シート両面に導体パターンを形成し、かつこれら両面の導体パターンを導電ペーストによって層間接続した両面導体パターンシートを複数枚製造する。次に、この複数枚の両面導体パターンシートを、層間接続可能な処理をした樹脂シートを介して積層する。そして、積層した両面導体パターンシート及び樹脂シートを、所定の温度に加熱しつつ、所定圧力で加圧する。これにより、樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂を軟化させて接着させる。この加熱・加圧工程は、例えばチタン等の導電性金属材料によって構成されるプレス板に電流を流して発熱させ、発熱したプレス板を積層した樹脂シートに押し当てた状態で、そのプレス板に所定の圧力を加えることにより実施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
多層基板においては、各層に形成された導体パターンを層間接続する必要がある。この層間接続は、通常、樹脂シートにビアホールを形成し、このビアホール内に充填された層間接続材料によってなされる。従って、樹脂シートを積層する際に、この層間接続材料を充填したビアホールと導体パターンとの位置がずれてしまうと、回路として用をなさなくなってしまうため、導体パターンシートを含む各樹脂シートは高精度に位置決めして積層しなければならない。
【0005】
このため、各樹脂シートの導体パターンの位置、またはビアホールの位置を画像認識し、それらが合致する位置に位置合わせを行いながら、各樹脂シートを積層することが行われている。
【0006】
位置合わせを行いつつ積層された樹脂シートは、加熱・加圧工程によって相互に接着されて多層基板となるが、通常、位置合わせ工程を行う設備と加熱・加圧工程を行う設備とは異なる。このため、高精度に位置決めして積層した樹脂シートが、加熱・加圧工程を行う設備に移送する時等に位置ずれを起こしてしまう場合がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、複数枚のシートを積層したシート材の位置ずれを防止することが可能なシート保持具、シート保持方法、及び複数のシートを積層して多層基板を構成する場合、その積層したシートの位置ずれを防止し、多層基板の各層の導体パターン間が確実に導通されうる多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のシート材保持具は、カバー枠体と、カバー枠体に、外周部が固定されたカバー部材と、カバー枠体と同様の形状を有し、カバー枠体と結合されるベース枠体と、ベース枠体に、外周部が固定されたベース部材と、カバー部材とベース部材とによって形成される密閉空間内を減圧する真空ポンプとを備え、カバー部材とベース部材とによって形成される密閉空間内を減圧し、その減圧した空間内に複数のシートを積層したシート材を保持するシート材保持具において、カバー部材とベース部材との少なくとも一方が、カバー枠体またはベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なダイヤフラムを介して支持されており、シート材に当接する部位にカバー部材とベース部材とが設けられ、カバー部材とベース部材とがダイヤフラムよりも剛性の高い高剛性部材であることを特徴とする。
【0009】
これにより、シート材は、カバー部材とベース部材とによって加圧挟持されるので、積層された複数のシートが位置ずれを起こすことを防止することができる。さらに、カバー部材とベース部材との少なくとも一方が前記カバー枠体または前記ベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なダイヤフラムを介して支持されるので、シート厚や積層枚数が変化することによりシート材の厚さが変わった場合でも、その変化を吸収することができる。
カバー部材とベース部材との少なくとも一方を弾性変形可能なダイヤフラムによって支持することにより、密閉空間内に保持されるシート材の厚さが厚くとも、それらが弾性変形することによって対応でき、また減圧時にシート材表面に密着するように変形して、シート材を加圧挟持することができる。しかし、この場合、シート材を直接ダイヤフラムで加圧挟持すると、シート材の端部に中央部よりも大きな圧力がかかることになるので、シート材全面を均一に接着することが困難になったり、接着後の基板表面の平坦度が悪化するとの問題が生じる。
これに対し、前記カバー部材と前記ベース部材とを高剛性部材としているので、シート材全面に均一な圧力を加えた状態で、保持具はシート材を加圧挟持することができる。従って、上述したような問題の発生を防止、もしくは低減することができる。
請求項2に記載の発明では、カバー部材が、カバー枠体に外周部が固定された弾性変形可能なカバーダイヤフラムを介してカバー枠体に支持されており、
ベース部材が、ベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なベースダイヤフラムを介してベース枠体に支持されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載したように、熱可塑性樹脂からなる複数のシートを積層し、これに熱及び圧力を加えることによって相互に接着されるシート材に対して、好適に請求項1のシート材保持具を用いることができる。
【0011】
熱及び圧力を加えることによって積層したシートを相互に接着する場合、シート間等に気体が存在すると、気体が熱の影響を受けて膨張し、シート全面を接着することができない。このため、積層したシートを接着する場合には、シート間等から気体を除去するため、シート材の周囲を真空状態にすることが必要となる。しかしながら、加熱・加圧装置も含むように真空空間を形成しようとすると、真空空間を形成するための装置が大型化してしまう。
【0012】
請求項1に記載した保持具では、積層したシートを保持する密閉空間のみを減圧すればよいので、簡便にシート材の周囲を真空状態とすることができ、これにより、シート材全面で相互に接着することができる。
【0016】
請求項4記載のように、カバー枠体とベース枠体とは、シール材を介して相互に接触した状態で、真空ポンプによって密閉空間内を減圧することにより、両者が結合されることが好ましい。このようにカバー枠体とベース枠体とを分離しておくと、シート材をベースダイヤフラムの上方から載置することができ、その際に積層したシートの位置ずれが生じ難くなる。
【0017】
請求項5に記載したシート材保持方法は、請求項1に記載したシート材保持具を用いてシート材の保持を行う手順について記載したもので、加圧挟持工程において、ダイヤフラムが変形することにより、ベース部材およびカバー部材が密閉空間内外の圧力差及びダイヤフラムの弾性変形反力に相当する力でシート材を加圧挟持することを特徴とする。その作用効果は、上述した通りである。
請求項6に記載の発明では、カバー部材が、カバー枠体に外周部が固定された弾性変形可能なカバーダイヤフラムを介してカバー枠体に支持されており、ベース部材が、ベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なベースダイヤフラムを介してベース枠体に支持されており、加圧挟持工程において、カバーダイヤフラムとベースダイヤフラムとが変形することにより、ベース部材およびカバー部材が密閉空間内外の圧力差及びカバーダイヤフラムとベースダイヤフラムとの弾性変形反力に相当する力でシート材を加圧挟持することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載したように、シート材が、熱可塑性樹脂からなる複数のシートを積層したものであって、熱及び圧力を加えることによって相互に接着されるものである場合、ベース部材とカバー部材とによって加圧挟持された状態で、シート材を加熱及び加圧する工程が行われることが有効である。
【0019】
このようにすれば、シート材の周囲のみを簡便に減圧し、シート間から気体を除去しつつ、積層したシートを相互に接着することができる。ベース部材とカバー部材との少なくとも一方は、熱及び圧力をシート材に伝達しつつ、シート材の厚さに応じて弾性変形する必要があるため、金属製の薄板から構成することが好ましい。具体的には厚さ200〜300μmのステンレス等によって構成することができる。
【0020】
請求項8に記載したように、加熱及び加圧工程時に、カバー部材とベース部材とによって形成される密閉空間の減圧が継続して行われることが好ましい。複数のシートから多層基板を形成する場合、各シートにビアホールを形成し、そのビアホール内に導電性の金属粒子を含む導電ペーストを充填しておく。そして、加熱及び加圧工程時には、その導電ペーストの溶剤が揮発するため、微量のガスが発生する。その場合でも、請求項8に記載のように、密閉空間の減圧を継続して行うことにより、真空度が低下することを防止できる。
【0021】
請求項9に記載したように、シート材は、このシート材と非粘着性のフィルムを介して、加熱及び加圧が行われることが好ましい。シート材に、カバー部材やベース部材、或いは高剛性部材が直接接触すると、加熱して軟化状態となったシート材と密着してしまう場合がある。そのため、軟化したシート材に対しても非粘着性のフィルムを介してシート材を加圧及び加熱することが好ましいのである。シート材として、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートを用いた場合、非粘着性のフィルムとして、例えばポリアミドからなるフィルムを用いることができる。
【0022】
請求項10に記載の多層基板の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる複数のシート材を積層する工程と、カバー部材とベース部材との少なくとも一方が弾性変形可能なダイヤフラムを介して支持されており、ダイヤフラムよりも剛性の高い高剛性部材であるカバー部材とベース部材とであって、積層シート材が当接するカバー部材とベース部材との間に積層シート材を位置づけ、積層シート材を、カバー部材とベース部材とによって形成される密閉空間内に配置するとともに、その密閉空間内を減圧し、ダイヤフラムが変形することにより、ベース部材およびカバー部材が密閉空間内外の圧力差及びダイヤフラムの弾性変形反力に相当する力で積層シート材を加圧挟持する工程と、減圧された密閉空間内に配置された積層シート材に対して、カバー部材とベース部材とを介して加熱及び加圧を行って、積層シート材を相互に接着して多層基板を形成する工程と、多層基板を密閉空間内から取り出す工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
上述の構成によって多層基板を製造することにより、シート材の位置ずれを防止できるとともに、シート材の周囲を簡便に減圧することができる。
【0024】
請求項12に記載したように、シート材を加熱及び加圧した後に、シート材を密閉空間に保持した状態で、冷却したプレスヘッドにより加圧を行うことが好ましい。シート材を相互に接着するためには、シート材を例えば200〜350℃の範囲に加熱する。この加熱したシート材の温度が、自然放熱によって低下するためには比較的長い時間を要するため、上述のように強制的にシート材を冷却すると、生産リードタイムを短縮することができ、生産効率を向上することができる。さらに、シート材が熱可塑性樹脂によって構成される場合に、このシート材を急速に冷却すると、その熱可塑性樹脂の結晶粒径が大きくなることを防止することができ、例えば強度や絶縁性等の基板としての特性を向上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるシート材保持具1の断面図、図2は図1におけるA−A矢視図、及び図3はシート材保持具1にシート材を保持した状態を示す説明図である。
【0027】
このシート保持具1について説明する前に、まず、シート保持具1に保持されるシート材30について説明する。本実施形態においては、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートを複数枚積層して、シート材30とする。そして、シート材30をシート保持具1内に保持した状態で、加熱・加圧工程を行う。これにより、各樹脂シートが軟化して相互に接着し、多層基板となる。
【0028】
図4は、樹脂シートへの導体パターンの形成から、それを積層するまでの各工程を示す工程別断面図である。先ず、図4(a)に示すように、熱可塑性樹脂からなる樹脂シート23の片面に貼着された導体箔(本例では厚さ18μmの銅箔)を、エッチングによりパターニングして導体パターン22を形成する。このようにして、片面に導体パターン22を備える片面導体パターンシート21を形成する。本例では、樹脂シート23としてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド(PEI)樹脂35〜65重量%とからなる厚さ25〜75μmの樹脂シートを用いている。また、導体箔としては、銅箔以外にアルミニウム箔等他の金属箔を用いることもできる。
【0029】
導体パターン22の形成が完了すると、図4(b)に示すように、片面導体パターンシート21の導体パターン22が形成された面と対向する面に保護フィルム81を貼着する。本例では、保護フィルムとして、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂から成る樹脂シートに、厚さ5μmの粘着剤層をコーティングしたものを用いている。
【0030】
次に、図4(c)に示すように、保護フィルム81側から炭酸ガスレーザを照射して、樹脂シート23に導体パターン22を底面とする有底ビアホールであるビアホール24を形成する。ビアホールの形成は、炭酸ガスレーザの出力と照射時間等を調整することで、導体パターン22に穴を開けないようにしている。なお、このとき、保護フィルム81にも、ビアホール24と略同径の開口81aが形成される。
【0031】
図4(c)に示すように、ビアホール24の形成が完了すると、次に、図4(d)に示すように、ビアホール24内に層間接続材料である導電ペースト50を充填する。導電ペースト50は、銅、銀、スズ等の金属粒子に、バインダ樹脂や有機溶剤を加え、これを混練しペースト化したものである。
【0032】
ビアホール24内への導電ペースト50の充填が完了すると、図4(e)に示すように、片面導体パターンシート21から保護フィルム81を剥離する。このように、保護フィルム81を形成した状態で導電ペースト50の充填を行い、充填後保護フィルム81を除去することにより、ビアホール24以外に導電ペースト50が付着することを防止できる。
【0033】
図4(e)に示す片面導体パターンシート21が得られると、図4(f)に示すように、片面導体パターンシート21を複数枚(本例では4枚)積層する。このとき、下方側の2枚の片面導体パターンシート21は、導体パターン22が設けられた側を下側として、上方側の2枚の片面導体パターンシート21は導体パターン22が設けられた側を上側として積層する。
【0034】
すなわち、中央の2枚の片面導体パターンシート21を導体パターン22が形成されていない面同士を向かい合わせて積層し、その両面側において、導体パターン22が形成された面と導体パターン22が形成されていない面とが向かい合うようにして、それぞれ1枚の片面導体パターンシート21を積層する。
【0035】
上述のように、本実施形態では、中央の2枚の片面導体パターンシート21を導体パターン22が形成されていない面同士が向かい合うように積層し、残りの片面導体パターンシート21は、導体パターン22が形成された面と導体パターン22が形成されていない面とが向かい合うように積層される。このため、片面導体パターンシート21を用いながら、多層基板の両表面において導体パターン22による電極が形成できる。これにより、多層基板両面において、電子部品や外部回路と接続するための電極を形成できるので、高密度実装あるいは多層基板の小型化を図ることができる。
【0036】
片面導体パターンシート21を積層する時には、各層に形成される導体パターン22と導電ペースト50が充填されたビアホール24とを位置合わせする必要がある。このため、それぞれの片面導体パターンシート21の導体パターン22やビアホール24の位置を画像処理により認識し、下層の片面導体パターンシート21に対して所望の位置に位置決めした後に積層される。この位置決めについては、画像処理以外に、各片面導体パターンシート21に位置決め用の穴を複数箇所に形成しておき、この穴を共通の支持棒に挿入する等の手段を採用しても良い。
【0037】
図4(f)に示すように片面導体パターンシート21を積層したら、図1に示すシート材保持具1によって片面導体パターンシート21を積層したシート材30を保持させる。
【0038】
ここで、図1〜図3に基づいてシート材保持具1について説明する。図1及び図2に示すように、シート材保持具1は、ベース部2とカバー部6とで、シート材30を挟持することによって、シート材30を保持するものである。これらベース部2及びカバー部6は、熱伝導性に優れる金属、例えばチタンを十分な剛性を有するように厚板状に形成したものである。なお、このベース部2及びカバー部6は、それぞれ2枚の金属板の間に、後述するベースダイヤフラム4及びカバーダイヤフラム8を挟んだ状態で溶接接続することにより、ベースダイヤフラム4及びカバーダイヤフラム8に連結されている。
【0039】
すなわち、ベース部2は、ベースダイヤフラム4を介して、ベース枠体3に支持されている。同様に、カバー部6はカバーダイヤフラム8を介してカバー枠体7に支持されている。ベースダイヤフラム4及びカバーダイヤフラム8は、弾性変形可能なように、ベース部2及びカバー部6よりも薄い金属製板から構成されている。具体的には、厚さが200〜300μm程度のステンレス板から構成することができる。これらベースダイヤフラム4及びカバーダイヤフラム8の外周部は、それぞれ、ベース枠体3及びカバー枠体7に取り付けられている。従って、ベースダイヤフラム4及びカバーダイヤフラム8が弾性変形することにより、ベース部2及びカバー部6は、それぞれ、ベース枠体3及びカバー枠体7に対して可動となる。このため、各パターンシート21の厚さや積層枚数が変化して、シート材30の厚さが変わった場合でも、その変化をベースダイヤフラム4及びカバーダイヤフラム8が吸収することができる。
【0040】
ベース枠体3及びカバー枠体7は、図2に示すように、ほぼ四角環状に形成されており、両者は同一の形状となっている。ベース枠体3の、カバー枠体7との当接面のほぼ中央部には、環状に溝が形成され、その溝内にシール材13が装着されている。また、カバー枠体7には、排気口11が形成されている。なお、ベース枠体3及びカバー枠体7とも、金属材料、例えばチタンによって構成することができる。
【0041】
シート材30を、上記のように構成された保持具1に保持させる場合、まずシート材30がベース部2上に置かれる。このとき、ベース枠体3とベース枠体7とはまだ分離しているので、シート材30をベース部2の上方から載置することができるので、その際にシート材30を構成する各シート21の位置ずれは生じ難くなる。そして、ベース枠体3と同様の形状を有するカバー枠体7の位置が、ベース枠体3の位置と一致するするように、カバー枠体7をベース枠体3上に載せる。これにより、シート材30は、ベース部2とカバー部6とによって挟持される。このとき、ベース部及びカバー部6とシート材30の各表面との間には、シート材30が加熱により軟化した場合でも、このシート材30と非粘着性の性質を有するフィルムを設けておくことが好ましい。このような性質を有するフィルムとしては、例えばポリアミドからなるフィルムをあげることができる。
【0042】
次にベース枠体3とカバー枠体7とを接触状態に維持しつつ、図3に示すように、排気口11を介して、真空ポンプ15によって、ベース部2、ベースダイヤフラム4、カバー部6,及びカバーダイヤフラム8によって囲まれる密閉空間を減圧する。このとき、例えば10トール程度まで減圧すれば、シート材30を構成する各片面導体パターンシートの接着時に、シート間に気体が残留することを防止することができる。なお、図3において、12は、上記密閉空間内を大気圧にするための吸気口であり、通常は、バルブにより閉じられている。
【0043】
真空ポンプ15の減圧によって、上記密閉空間内の気体が排気されると、ベース枠体3とカバー枠体7とがシール材13を介して結合される。さらに、ベース部2及びカバー部6が、密閉空間内外の圧力差及びダイヤフラムの弾性変形反力に相当する力で、シート材30を加圧挟持する。このため、シート材21が位置ずれを起こすことがなく、また、そのシート材30の周囲を真空状態としつつ、シート材30を保持することができる。さらに、本例では、シート材30が当接する部位に、高剛性部材であるベース部2及びカバー部6を設けているので、ベースダイヤフラム4及びカバーダイヤフラム8が変形しても、シート材30の全面に均一な圧力を加えつつシート材30を保持することができる。このため、シート材30を構成する各シート21の全面を均一に接着することができ、また、接着後の基板表面の平坦度が悪化することも防止できる。
【0044】
このように、シート材30をシート材保持具1に保持した状態で、シート材30に対して加圧・加熱を行う。図6は、この加圧・加熱を行う装置100の概略構成を示している。
【0045】
装置100は、加熱及び加圧を行うプレス機120を備える。すなわち、プレス機120は、加圧するための一対の加圧ヘッド102及び104を有する。これら、加圧ヘッド102及び104の内部には、通電することにより発熱するヒータ103,105がそれぞれ内蔵されている。加圧ヘッド102と104とは、シート材21を保持した保持具1を位置決めするための台座113を挟んで、その台座113の両側に配置されている。なお、101は、上方加圧ヘッド103を下降・上昇させるための駆動部である。
【0046】
また、装置100には、加熱及び加圧を行うプレス機120に隣接して、冷却した加圧ヘッドによって保持具1に保持されたシート材30を加圧するプレス機130が設けられている。プレス機130は、加圧を行う一対の加圧ヘッド107及び109を有する。これら加圧ヘッド107及び109の内部には冷却管108及び110が配設されており、これら冷却管107及び109に冷却水を流動させることにより、一対の加圧ヘッド106及び108の温度を低温に保っている。なお、106は、上方加圧ヘッド107を下降・上昇させるための駆動部である。
【0047】
台座113には、台座113上で保持具1の位置がずれないように、保持具1の枠体3,7を取り囲むように突起部114が設けられている。台座114は、スプリング111,112を介して、装置100の基部に支持されており、上方加圧ヘッド102または107が下降した際に、同様に下降し、上方加圧ヘッド102または107が上昇した際に、同様に上昇する。
【0048】
次に、装置100の作用について説明する。
【0049】
シート材30が保持具1に保持され、装置100の台座112に載せられると、駆動部101が上方加圧ヘッド102を下降させる。上方加圧ヘッド102は、下方加圧ヘッド104との間で、シート材30を加圧できる位置まで下降する。このとき、一対の加圧ヘッド102及び104は、ヒータ103及び105によって加熱されており、シート材30を加熱しつつ加圧する。具体的な加熱、加圧条件を例示すると、シート材30に付与される圧力は0.1〜10MPaの範囲の値であり、加熱温度は200〜350℃の範囲の値である。さらに、加熱・加圧時間は、10〜40分程度に設定される。
【0050】
上述した加熱・加圧工程により、図5に示すように、各片面導体パターンシート21を構成する熱可塑性樹脂が軟化された状態で密着されるので、相互に接着される。つまり、樹脂シート23が熱融着して一体化するとともに、ビアホール24内の導電ペースト50により隣接する導体パターン22の層間接続が行なわれ、両面に電極を備える多層基板200が得られる。この加熱・加圧工程中も、保持具1内の密閉空間の真空度が目標とする真空度となるように、真空ポンプ15による減圧が継続して行われる。これにより、加熱により導電ペースト50の溶剤が揮発して、微量のガスが発生しても、密閉空間内の真空度が低下することを防止できる。
【0051】
プレス機120によって加熱・加圧工程が行われた後に、そのシート材30は保持具1内に保持されたまま、隣のプレス機130に移送され、冷却・加圧工程が行われる。すなわち、一対の加圧ヘッド107,109の温度を冷却水によって低温に保ちつつ、保持具1内に保持されたシート材30を加圧する。
【0052】
この冷却・加圧工程は、加熱・加圧工程によって高温になったシート材30の温度を強制的に低下させるために行うものである。これにより、シート材30の温度低下に要する時間を短縮することができるので、生産リードタイムを短縮し、生産効率を向上することができる。さらに、シート材30を急速に冷却すると、シート材30を構成する熱可塑性樹脂の結晶粒径が大きくなることを防止することができ、機械的強度や絶縁性等の多層基板としての特性を向上することができる。
【0053】
冷却・加圧工程の終了後には、吸気口12が開かれて、保持具1内の密閉空間に大気が導入される。これにより、ベース枠体3とカバー枠体7とが分離され、シート材31が保持具1より取り出される。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、片面導体パターンシート21を積層したシート材30を保持具1に保持した状態で、加熱・加圧工程を行うため、そのシート材30の移送時等に、シート材30を構成する各パターンシート21が位置ずれしてしまうことを防止することができる。さらに、保持具1によってシート材30の周囲のみを簡便に真空状態にすることができる。
【0055】
(他の実施形態)
第1の実施形態では、ベース部2及びカバー部6とも、ダイヤフラム4,8を介してそれぞれの枠体3,7に接続されていたが、ベース部2及びカバー部6との少なくとも一方が、弾性体であるダイヤフラムを介して枠体に接続されていれば良い。ダイヤフラムがどちらか一方にしか設けられていなくとも、そのダイヤフラムが変形することにより、シート材保持具1内の密閉空間にシート材30を保持することは可能である。
【0056】
また、第1の実施形態では、片面導体パターンフィルム21のみを用い、かつ中央の2枚について導体パターン22が形成されていない面同士を張り合わせることにより、多層基板200両面から電極を取り出した。
【0057】
しかしながら、多層基板200の構成としては、この第1の実施形態に限ることなく、例えば、片面導体パターンシートを全て同じ向きに積層して、片面からのみ電極を取り出すように構成しても良い。また、樹脂シートの両面に導体パターンを形成した両面導体パターンシートを用いて多層基板を構成しても良い。たとえば、複数の両面導体パターンシートを用意し、それらを、層間接続材料がビアホールに充填された樹脂シートを介して積層しても良いし、1枚の両面導体パターンシートの両面にそれぞれ片面導体パターンシートを積層しても良い。さらに、保持具1が保持するシート材は、多層基板を構成するためのシート材に限られるものではなく、他の用途であっても複数のシートを積層して保持する際には好適に用いることができる。
【0058】
また、上記第1の実施形態において、樹脂シート23としてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂シートを用いたが、これに限らず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂にフィラを充填したフィルムであってもよいし、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリエーテルイミド(PEI)を単独で使用することも可能である。
【0059】
さらに樹脂フィルムとして、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)や熱可塑性ポリイミド、または所謂液晶ポリマー等を用いてもよい。あるいは、ポリイミドフィルムにPEEK、PEI、PEN、PET、PES、熱可塑性ポリイミド、液晶ポリマーの少なくともいずれかの熱可塑性樹脂からなる層を積層した構造のものを使用してもよい。加熱プレスによる接着が可能であり、基板として必要な耐熱性を有する樹脂シートであれば、多層基板を構成するための樹脂シートとして好適に用いることができる。
【0060】
また、上記第1の実施形態において、多層基板200は4層基板であったが、層数がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート材保持具の構成を示す断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】シート材保持具にシート材を保持した状態を示す説明図である。
【図4】多層基板を形成するための各樹脂シートを形成し、積層する際の製造工程を示す工程別断面図である。
【図5】多層基板の構成を示す断面図である。
【図6】加熱・加圧工程及び冷却・加圧工程を行う装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 シート材保持具
2 ベース部
3 ベース枠体
4 ベースダイヤフラム
6 カバー部
7 カバー枠体
8 カバーダイヤフラム
15 真空ポンプ
30 シート材
Claims (12)
- カバー枠体と、
前記カバー枠体に、外周部が固定されたカバー部材と、
前記カバー枠体と同様の形状を有し、前記カバー枠体と結合されるベース枠体と、
前記ベース枠体に、外周部が固定されたベース部材と、
前記カバー部材と前記ベース部材とによって形成される密閉空間内を減圧する真空ポンプとを備え、前記カバー部材と前記ベース部材とによって形成される密閉空間内を減圧し、その減圧した空間内に複数のシートを積層したシート材を保持するシート材保持具において、
前記カバー部材と前記ベース部材との少なくとも一方が、前記カバー枠体または前記ベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なダイヤフラムを介して支持されており、
前記シート材に当接する部位に前記カバー部材と前記ベース部材とが設けられ、
前記カバー部材と前記ベース部材とが前記ダイヤフラムよりも剛性の高い高剛性部材であることを特徴とするシート材保持具。 - 前記カバー部材が、前記カバー枠体に外周部が固定された弾性変形可能なカバーダイヤフラムを介して前記カバー枠体に支持されており、
前記ベース部材が、前記ベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なベースダイヤフラムを介して前記ベース枠体に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のシート材保持具。 - 前記シート材は、熱可塑性樹脂からなる複数のシートを積層したものであって、熱及び圧力を加えることによって相互に接着されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のシート材保持具。
- 前記カバー枠体と前記ベース枠体とは、シール材を介して相互に接触した状態で、前記真空ポンプによって密閉空間内を減圧することにより、両者が結合されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシート保持具。
- ベース枠体に外周部が固定されたベース部材上に複数のシートを積層したシート材を載置する工程と、
カバー部材の外周部が固定されており、前記ベース枠体と同様の形状を有するカバー枠体を、前記ベース枠体上に載せる工程と、
前記ベース部材と前記カバー部材とによって形成される密閉空間内を減圧することにより、前記ベース枠体と前記カバー枠体とを結合しつつ、前記シート材を前記ベース部材と前記カバー部材とで加圧挟持する工程とを備えるシート材保持方法において、
前記カバー部材と前記ベース部材との少なくとも一方が、前記カバー枠体または前記ベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なダイヤフラムを介して支持されており、
前記シート材に当接する部位に前記カバー部材と前記ベース部材とが設けられ、
前記カバー部材と前記ベース部材とが前記ダイヤフラムよりも剛性の高い高剛性部材であって、
前記加圧挟持工程において、前記ダイヤフラムが変形することにより、前記ベース部材および前記カバー部材が前記密閉空間内外の圧力差及び前記ダイヤフラムの弾性変形反力に相当する力で前記シート材を加圧挟持することを特徴とするシート材保持方法。 - 前記カバー部材が、前記カバー枠体に外周部が固定された弾性変形可能なカバーダイヤフラムを介して前記カバー枠体に支持されており、
前記ベース部材が、前記ベース枠体に外周部が固定された弾性変形可能なベースダイヤフラムを介して前記ベース枠体に支持されており、
前記加圧挟持工程において、前記カバーダイヤフラムと前記ベースダイヤフラムとが変形することにより、前記ベース部材および前記カバー部材が前記密閉空間内外の圧力差及び前記カバーダイヤフラムと前記ベースダイヤフラムとの弾性変形反力に相当する力で前記シート材を加圧挟持することを特徴とする請求項5に記載のシート材保持方法。 - 前記シート材は、熱可塑性樹脂からなる複数のシートを積層したものであって、熱及び圧力を加えることによって相互に接着されるものであり、前記ベース部材と前記カバー部材とによって加圧挟持された状態で、前記シート材を加熱及び加圧する工程が行われることを特徴とする請求項5又は6に記載のシート材保持方法。
- 前記加熱及び加圧工程時に、前記カバー部材と前記ベース部材とによって形成される密閉空間の減圧が継続して行われることを特徴とする請求項7に記載のシート材保持方法。
- 前記シート材は、このシート材と非粘着性のフィルムを介して、加熱及び加圧が行われることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のシート材保持方法。
- 熱可塑性樹脂からなる複数のシート材を積層する工程と、
カバー部材とベース部材との少なくとも一方が弾性変形可能なダイヤフラムを介して支持されており、前記ダイヤフラムよりも剛性の高い高剛性部材である前記カバー部材と前記ベース部材とであって、前記積層シート材が当接する前記カバー部材と前記ベース部材との間に前記積層シート材を位置づけ、前記積層シート材を、前記カバー部材と前記ベース部材とによって形成される密閉空間内に配置するとともに、その密閉空間内を減圧し、前記ダイヤフラムが変形することにより、前記ベース部材および前記カバー部材が前記密閉空間内外の圧力差及び前記ダイヤフラムの弾性変形反力に相当する力で前記積層シート材を加圧挟持する工程と、
前記減圧された密閉空間内に配置された積層シート材に対して、前記可撓性材料を介して加熱及び加圧を行って、前記積層シート材を相互に接着して多層基板を形成する工程と、
前記多層基板を前記密閉空間内から取り出す工程とを備えることを特徴とする多層基板の製造方法。 - 前記密閉空間内の減圧は、前記シート材を加熱及び加圧する際にも継続して実行されることを特徴とする請求項10に記載の多層基板の製造方法。
- 前記シート材を加熱及び加圧した後に、前記シート材を密閉空間に保持した状態で、冷却したプレスヘッドにより加圧を行うことを特徴とする請求項10または11に記載の多層基板の製造方法。
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