JP2004111564A - プレス工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】片面導体パターンフィルム1を複数枚積層し、これらを加熱しつつ加圧することにより、樹脂フィルム2を相互に接着して多層基板6を形成する。加熱・加圧工程において、片面導体パターンフィルム1とプレス型7a,7bとの間に緩衝効果を有する緩衝部材8a,8bを介在させ、さらに、片面導体パターンフィルム1と緩衝部材8a,8bとの夫々の間に、難着性かつ可撓性を有する離型フィルム9a〜9dを少なくとも2枚設けた。
これにより、多層基板6の形成後、多層基板6表面には、1枚の離型フィルムのみが残るため、多層基板6表面から容易に離型フィルム9b,9cを剥がすことができる。その結果、労力の低減及び作業時間の短縮がなされ、生産性を向上することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体パターンが形成された複数の樹脂フィルムを積層し、その樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することにより形成される多層基板の製造に好適なプレス工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層基板の製造方法として、導体パターンを形成した樹脂フィルムを積層し、それらを加熱しつつ加圧することにより樹脂フィルムを相互に接着し、多層基板を製造する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された多層基板の製造方法によれば、先ず熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム両面に導体パターンを形成し、これら両面の導体パターンを導電ペーストによって層間接続した両面基板を複数枚製造する。次に、この複数枚の両面基板を、層間接続可能な処理をした熱可塑性樹脂フィルムを介して積層する。そして、積層された両面基板および樹脂フィルムを、例えばチタン等の導電性金属からなるプレス型に電流を流して発熱させ、発熱したプレス型を積層した樹脂フィルムに押し当てた状態で、そのプレス型に所定の圧力を加えることにより、熱可塑性樹脂を軟化させて接着させる。しかしながら、プレス型を直接樹脂フィルムに押し当て、加熱・加圧すると、樹脂フィルム上に形成した導体パターンの位置ずれが発生しやすい。そこで、本出願人は特許文献2にて、上述のプレス型と樹脂フィルムとの間に、導体パターンの位置ずれを抑制するための緩衝部材を設けることを提案した。さらに、加熱・加圧したプレス型を緩衝部材を介して樹脂フィルムに押し付ける際に、緩衝部材と樹脂フィルムとの離型性をよくするために、緩衝部材と樹脂フィルムの間に1枚の離型フィルムを設けることも提案した。
【0004】
【特許文献1】特開2000−38464号公報
【0005】
【特許文献2】特願2002−100113号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プレス型を押し付けられることにより、離型フィルムと樹脂フィルムとが密着すると、離型フィルムといえど、樹脂フィルムから引き剥がすための引き剥がし強度が大きくなる。さらに、離型フィルムは、緩衝部材とも密着するので、離型フィルムは緩衝部材とともに、樹脂フィルムから引き剥がす必要が生じる。
【0007】
従って、緩衝部材として弾性率が高く硬いものを使用した場合、多層基板表面の樹脂フィルムから離型フィルムを引き剥がすために時間と工数がかかり、生産性が低下するといった問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み、生産性を向上させたプレス工法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に請求項1に記載のプレス工法は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面上に導体パターンを形成するパターン形成工程と、導体パターンを備えた樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムを積層する積層工程と、樹脂フィルムの積層体をプレス型を用いて加熱しつつ加圧することにより、樹脂フィルムを相互に接着して多層基板を形成する加熱・加圧工程とを備えている。そして、加熱・加圧工程において、積層体とプレス型との間に、プレス型から樹脂フィルムの積層体各部に印加される圧力差を減少する為の緩衝部材を介在させ、さらに積層体と緩衝部材との間に、積層体の樹脂フィルムと難着性かつ可撓性の離型フィルムを少なくとも2枚設けたことを特徴とする。
【0010】
樹脂フィルム上に形成した導体パターンの位置ずれの発生原因は、特願2002−100113に記載にされており、詳しい説明は省略するが、加熱・加圧した状態でプレス型を樹脂フィルムに押し当てると、樹脂フィルムの凸部及びプレス型の圧力に対して抵抗力の大きい部分に圧力が集中し、その箇所の熱可塑性樹脂の流動量が増す。その結果、その上に形成された導体パターンも移動し、位置ずれが発生する。
【0011】
その対策として、樹脂フィルム表面の凹凸及び積層された樹脂フィルム内のプレス型の圧力に対して抵抗力が大きな部分に対応して変形可能な緩衝部材を、プレス型と樹脂フィルムとの間に配置した。それにより、導体パターンの位置ずれの発生を防止できる。この際、緩衝部材と樹脂フィルムとの間に離型フィルムを配置すると、樹脂フィルムと緩衝部材との接着が防止できる。ただし、緩衝部材とともに離型フィルムを引き剥がすには、労力と時間を要し、生産性低下の一因となっていた。
【0012】
そこで、請求項1に記載のように、樹脂フィルムと緩衝部材との間に少なくとも2枚の離型フィルムを配置した。これにより、夫々の離型フィルムの一方の面は、他方の離型フィルムと接することとなるため、離型フィルム間は密着力が弱く、加熱・加圧後に離型フィルム間を容易に引き剥がすことができる。従って、形成された多層基板の樹脂フィルム表面には、1枚の離型フィルムのみが残るため、緩衝部材が共に残っていた場合よりも、樹脂フィルム表面から容易に離型フィルムを引き剥がすことができる。その結果、多層基板形成後のプレス型からの多層基板の取り出し工程の労力の低減及び作業時間の短縮がなされ、生産性を向上することができる。
【0013】
請求項2に記載のように、緩衝部材は、金属繊維、ガラス繊維若しくは樹脂繊維を板状に成形したもの、若しくは板状のゴムであることが好ましい。これにより、緩衝部材が樹脂フィルム表面の凹凸を緩衝したり、樹脂フィルムの圧縮方向の抵抗力に差が有る場合には、緩衝部材の一部が収縮変形し、圧力差を減少することが可能となる。
【0014】
請求項3に記載のように、金属繊維、ガラス繊維若しくは樹脂繊維を板状に成形した緩衝部材を、少なくとも2枚の離型フィルムの1枚により包み込んでも良い。この場合、生産性の向上と共に、さらに加熱・加圧時に、導体パターンが形成された樹脂フィルム上へ、緩衝部材の繊維の屑が付着することを防止できる。
【0015】
請求項4に記載のように、離型フィルムは、加熱・加圧工程における加熱温度よりも高い融点を有することことが好ましい。これにより、加熱・加圧時に、離型フィルムが樹脂フィルムと溶着することを防ぐことができる。
【0016】
請求項5に記載のように、少なくとも2枚の離型フィルムは、夫々が異なる材料から成ることが好ましい。例えば2枚の離型フィルムが、異なる材料により形成されると、加熱・加圧時の熱による収縮量が異なり、お互いの離型フィルム間にずり応力が働く。従って、加熱・加圧工程後に離型フィルム同士を容易に引き剥がすことができるため、多層基板の樹脂フィルム表面に残った一方の離型フィルムのみを剥がすこととなり、従来よりも容易に多層基板表面から離型フィルムを引き剥がすことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態における多層基板の製造工程を示す工程別断面図である。
【0018】
図1(a)に示すように、1は樹脂フィルム2の片面に貼着された導体箔をエッチングによりパターン形成した導体パターン3を有する片面導体パターンフィルムである。ここで、樹脂フィルム2としては、例えば熱可塑性樹脂であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)65〜35重量%とポリエーテルイミド(PEI)35〜65重量%とからなる厚さ25〜100μmの樹脂フィルムを用いることができる。また、導体箔としては、例えばAu、Ag、Cu、Alの少なくとも1種を含む低抵抗金属箔が良く、望ましくは安価でマイグレーションの心配のないCu箔が良い。尚、導体パターン3形成は、導体箔のエッチング以外にも、印刷法を用いて行われても良い。
【0019】
図1(a)の樹脂フィルム2上に導体パターン3を形成する工程が完了すると、次に、図1(b)に示すように、樹脂フィルム2側から例えば炭酸ガスレーザを照射して、導体パターン3を底面とする有底孔であるビアホール4を形成する。ビアホール4の形成には、炭酸ガスレーザ以外にもUV−YAGレーザやエキシマレーザ等を用いることが可能である。その他にもドリル加工等により機械的にビアホールを形成することも可能であるが、小径でかつ導体パターン3を傷つけないように加工することが必要とされるため、レーザによる加工法を選択することが好ましい。
【0020】
ビアホール4の形成が完了すると、図1(c)に示すように、ビアホール4内に層間接続材料である導電性ペースト5を充填する。導電性ペースト5は、Cu、Ag、Sn等の金属粒子に有機溶剤を加え、これを混練しペースト化したものである。尚、導電性ペースト5には、その他にも適宜低融点ガラスフリットや有機樹脂、或いは無機フィラーを添加混合しても良い。この、導電性ペースト5は、図示されないスクリーン印刷機やディスペンサ等を用いてビアホール4内に充填される。
【0021】
ビアホール4への導電性ペースト5の充填が完了すると、図1(d)に示すように、片面導体パターンフィルム1を複数枚積層する(本例では4枚)。このとき、4枚の片面導体パターンフィルム1の内、積層の中心を境にして、上の2枚は導体パターン3が形成された面が上側に、下の2枚は導体パターン3が形成された面が下側になるように積層する。
【0022】
このように、本実施の形態では、片面導体パターンフィルム1のみにより多層基板を構成する。従って、製造設備及び製造工程を簡素化でき、製造コストの低減に寄与できる。また、多層基板の上下両表面に導体パターン3による電極が形成されるので、高密度実装或いは多層基板の小型化を図ることができる。
【0023】
図1(d)に示すように4枚の片面導体パターンフィルム1を積層する積層工程がなされた後、積層体の上下両面から加熱プレス機のプレス型により加熱しつつ加圧し、多層基板を形成する加熱・加圧工程がなされる。上述の製造工程を経て、各樹脂フィルム2が熱溶着して一体化すると共に、ビアホール4内の導電性ペースト5により隣接する導体パターン3或いは導電性ペースト5との間で層間接続がなされ、図1(e)に示すように多層基板6が形成される。
【0024】
次に、加熱・加圧工程について、図2を用いて詳細に説明する。
【0025】
図2において、7a,7bは一対のプレス型であり、複数枚の片面導体パターンフィルム1を、積層した積層体の上下両側から挟むように配置される。このプレス型7a,7bは、例えば,チタン等の導電性金属から構成されており、電流を通電することにより発熱する。それ以外にも、プレス型7a,7b内にヒータを埋設して、そのヒータにより加熱したり、プレス型7a,7b内に流体の流通経路を設け、その流通経路内に加熱された流体を流すことによりプレス型7a,7bを加熱しても良い。
【0026】
このプレス型7a,7bの片面導体パターンフィルム1への圧力印加面は平坦であり、直接プレス型7a,7bが積層された片面導体パターンフィルム1を加熱・加圧すると、プレス型7a,7bに接する片面導体パターンフィルム1表面の凹凸や、積層体の内層の凹凸により、積層体の各部に印加される圧力に差が生じる場合がある。その結果、圧力を強く受けた部分の樹脂フィルム2の流動量が他の部分の流動量よりも増加して、導体パターン3の位置ずれが生じることとなる。さらに、上記流動により、片面導体パターンフィルム1間に隙間が生じ、形成された多層基板6にボイドが発生すると、層間剥離等の問題も生じる恐れがある。
【0027】
このため、プレス型7a,7bと片面導体パターンフィルム1との間に、緩衝効果及び通気効果を有する緩衝部材8a,8bを設け、この緩衝部材8a,8bを介して、プレス型7a,7bにより加熱・加圧を行った。
【0028】
ここで、緩衝部材8a,8bとして用いられる材料として、ステンレス等の金属を繊維状に裁断し、その繊維状金属を不織布として板状に形成したものや、織布としてニットやクロスとしたもの(一般的にナスロンニット、ナスロンクロスと呼ばれるもの)を用いることができる。それ以外にも、緩衝部材8a,8bは、後述する加熱・加圧工程条件以上の耐性を有し、プレス型7a,7bの型面と片面導体パターンフィルム1との形状差を緩衝できる形状に弾性変形可能な柔軟性を有するものであれば、他の材質及び構成のものであっても良い。例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ケプラー及びポリテトラフルオロエチレン樹脂を特殊加工したハイパーシートガスケット等の樹脂をフィルム或いは繊維化したもの、ガラス繊維などを用いることができる。さらに、減圧容器などに保管するなどして、予め片面導体パターンフィルム1間のエアが排除してある場合には、緩衝効果のみ発揮すれば良いので、耐熱性のゴムシート等を使用することもできる。尚、プレス型7a,7bにより片面導体パターンフィルム1に印加される加熱・加圧条件は、例えば、温度は、200〜350℃の範囲の値であり、圧力は0.1〜10MPaの範囲の値である。
【0029】
上述の緩衝効果を有する緩衝部材8a,8bを用いることにより、積層された片面導体パターンフィルム1の表面に凹凸があっても、その凹凸に応じて緩衝部材8a,8bが変形するため、片面導体パターンフィルム1にほぼ均等に圧力が印加され、その結果、導体パターン3の位置ずれを防止することができる。
【0030】
ここで、従来、片面導体パターンフィルム1と緩衝部材8a,8bとの間には、加熱・加圧工程での片面導体パターンフィルム1と緩衝部材8a,8bとの離型性を良くする為に、両者の間にポリイミド樹脂等の離型用フィルムが1枚配置されていた。
【0031】
しかしながら、図2に示すように、本実施の形態においては、片面導体パターンフィルム1と緩衝材8a,8bとの間には、夫々2枚の離型フィルム(計4枚)9a,9b,9c,9dを配置した。以下に、その作用効果を、図3、図5を用いて説明する。尚、図3,5は、共に加熱・加圧工程により多層基板6が形成された状態を示し、図3は従来例を、図5は本実施の形態を示す断面図である。
【0032】
離型フィルム9a〜9dは、ポリイミドからなり、エアを透過する。また、片面導体パターンフィルム1を構成する樹脂フィルム2の熱可塑性樹脂が、加熱・加圧により軟化しても、ポリイミドの溶融温度がその温度よりも高く、また温度上昇に伴う弾性率の低下も小さいため、樹脂フィルム2に対して難着性を示す。さらに、離型フィルム9a〜9dの各厚さが100μm以下であり、非常に薄いため、片面導体パターンフィルム1表面の凹凸に併せて撓むことができる。尚、離型フィルム9a〜9dとしては、ポリイミド以外にもポリテトラフルオロエチレン等の高耐熱性樹脂も使用できる。
【0033】
ここで、従来は、図5に示すように、緩衝部材8aと多層基板6との間に、離型フィルム9aを1枚だけ配置していた。この際、特に緩衝部材8aの弾性率が高く硬い材質のものを使用した場合、プレス型7aにより加熱・加圧されると、緩衝部材8aが片面導体パターンフィルム1表面の凹凸に併せて変形する際に、離型フィルム9aは、片面導体パターンフィルム1表面に強く押し付けられる。従って、多層基板6の樹脂表面及び緩衝部材8aが共に離型フィルム9aに強く密着した状態となっており、多層基板6の樹脂表面から離型フィルム9a、さらに離型フィルム9aから緩衝部材8aを引き剥がすには、相当の労力と時間を要する。そして、場合によっては、離型フィルム9aが破れたり、緩衝部材8aまたは多層基板6がダメージを受ける恐れがある。
【0034】
従って、図3に示すように、緩衝部材8aと多層基板6との間に、離型フィルムを2枚設けた。上述と同様に、緩衝部材8aとして、弾性率が高く硬い材質のものを使用した場合、離型フィルム9bの一方の面は片面導体パターン1表面に強く押し付けられるが、他方の面は離型フィルム9aと接している。そして、離型フィルム9aも一方の面は緩衝部材8aと接しているが、他方の面は離型フィルム9bと接している。離型フィルム9a,9b間は,離型フィルム9bと多層基板6の樹脂フィルム2間に比べて密着力が弱いため、容易に引き剥がすことができる。すると、多層基板6の樹脂表面には離型フィルム9bのみが残ることとなり、離型フィルム9bは可撓性があり、簡単に曲げることができるので、離型フィルム9bを曲げながら樹脂表面から容易に引き剥がすことができる。従って、離型フィルム9a,9bを緩衝部材8aと多層基板6との間に2枚設けることにより、多層基板6をプレス型8a,8bから取り出す作業が容易となり、工数及び作業時間を低減することができるため、生産性を向上させることができる。
【0035】
尚、2枚の離型フィルム9a,9bは、異なる材料から形成されると尚良い。この場合、接する離型フィルム9a,9b間の熱収縮量等が異なるため、加熱・加圧時に、両フィルム9a,9b間にずり応力が生じる。従って、多層基板6が形成された後の離型フィルム9a,9b間の引き剥がしをより容易に行うことができ、更に生産性を向上できる。また、図3には図示されないが、離型フィルム9c,9dについても上述と同様である。
【0036】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図4に基づいて説明する。
【0037】
第2の実施の形態におけるプレス工法は、第1の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0038】
第2の実施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、1枚の離型フィルムを緩衝部材を覆うように配置した点である。
【0039】
図4に示すように、緩衝部材8a,8bは、その周囲を熱可塑性樹脂からなる樹脂カバー10a,10bにて覆われている。本実施の形態においては、第1の実施の形態同様、緩衝部材8a,8bとして金属繊維、ガラス繊維、樹脂繊維等が使用可能である。従って、緩衝部材8a,8bの繊維屑等が片面導体パターンフィルム1へ付着することを、樹脂カバー10a,10bにより防ぐことができる。また、加熱・加圧工程を真空雰囲気下にて行う際には、繊維屑が放出されないため、真空ポンプのフィルタを汚さないという利点も有る。
【0040】
この際、樹脂カバー10a,10bは熱可塑性樹脂からなるから、樹脂カバー10a,10bが加熱・加圧時にプレス型7a,7bと接着するのを防ぎ、且つ緩衝部材8a,8bと片面導体パターンフィルム1との間の離型フィルム一枚分の役割をもたせるために、離型フィルム9a,9dを樹脂カバー10a,10bを覆うように設けた。
【0041】
このように、緩衝部材8a,8bを覆うように離型フィルム9a,9dを設け、それとは別に離型フィルム9a,9dに包まれた緩衝部材8a,8bと片面導体パターンフィルム1との間に、離型フィルム9b,9cを配置する。それにより、加熱・加圧工程後に、形成された多層基板6表面から離型フィルム9b,9cを容易に引き剥がすことができるため、本実施の形態においても、生産性を向上することができる。
【0042】
尚、本実施の形態においては、緩衝部材8a,8bを樹脂カバー10a,10bにて覆い、それを覆うようにさらに離型シート9a,9dを設ける例を示したが、樹脂カバー10a,10bは必ずしも設ける必要はなく、緩衝部材8a,8bを直接離型シート9a,9dにより覆って使用しても良い。
【0043】
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施する事ができる。
【0044】
上述の実施の形態において、樹脂フィルムはPEEK樹脂65〜35%とPEI樹脂35〜65%とからなる熱可塑性樹脂フィルムであったが、PEEK及びPEIを単独で用いることも可能である。更に、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂等を単独で用いても良いし、或いはPEEK、PEIを含めそれぞれの内、いずれかを混合して用いても良い。要するに加熱・加圧工程において、樹脂フィルム同士の接着が可能であり、後工程であるはんだ付け等で必要な耐熱性を有する樹脂フィルムであれば好適に用いる事ができる。
【0045】
また、本実施の形態においては、樹脂フィルムとして、片面に導体パターンの形成された片面導体パターンフィルムを積層する例を示したが、それ以外にもコア基板を用いその上下に片面導体パターンフィルムを配置したり、コア基板の代わりに両面に導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなる加工樹脂フィルムを用いても良い。また、積層される樹脂フィルムの中には、その表面に導体パターンを有していない樹脂フィルムを含んでも良い。
【0046】
また、本実施の形態において、ビアホール内に導電性ペースト充填する印刷法の例を示したが、それ以外にも無電解メッキ、電解メッキ、蒸着法、金属コート等を用いても良い。
【0047】
また、本実施の形態において、有底のビアホールを形成し、この有底ビアホールに層間接続材料である導電性ペーストを充填したが、ビアホール形成時に貫通穴を形成し、この貫通ビアホールに層間接続材料を充填するものであっても良い。
【0048】
また、本実施の形態において、樹脂フィルムを含む片面導体パターンフィルムを4枚積層する例を示したが、2枚以上であれば層数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【0049】
また、本実施の形態においては、樹脂カバーに被覆された緩衝部材を、1枚の離型シートにてさらに包み込む例を示したが、包み込まなくとも、緩衝部材とプレス型との間、そして緩衝部材と他方の離型フィルムとの間に、夫々離型フィルムを配置しても良い。
【0050】
また、本実施の形態において、緩衝部材1つに付き離型フィルムを2枚用いる例を示したが、少なくとも2枚用いられれば良く、その枚数は緩衝部材が片面導体パターンフィルム表面の凹凸に回りこめる程度に変形可能な範囲内で設定されれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における多層基板の製造工程別工程断面図である。
【図2】第1の実施の形態における加熱・加圧工程を説明するための断面図である。
【図3】離型フィルムの作用効果を説明するための断面図である。
【図4】第2の実施の形態における加熱・加圧工程を説明するための断面図である。
【図5】従来例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1・・・片面導体パターンフィルム、2・・・樹脂フィルム、6・・・多層基板、7a,7b・・・プレス型、8a,8b・・・緩衝部材、9a,9b,9c,9d・・・離型フィルム、10,10b・・・樹脂カバー
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面上に導体パターンを形成するパターン形成工程と、
前記導体パターンを備えた樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムを積層する積層工程と、
前記樹脂フィルムの積層体をプレス型を用いて加熱しつつ加圧することにより、前記樹脂フィルムを相互に接着して多層基板を形成する加熱・加圧工程とを備え、
前記加熱・加圧工程において、前記積層体と前記プレス型との間に、前記プレス型から前記樹脂フィルムの積層体各部に印加される圧力差を減少する為の緩衝部材を介在させ、前記樹脂フィルム表面と前記緩衝部材との間に、前記積層体の樹脂フィルムと難着性かつ可撓性の離型フィルムを少なくとも2枚設けたことを特徴とするプレス工法。 - 前記緩衝部材は、金属繊維、ガラス繊維若しくは樹脂繊維を板状に成形したもの、若しくは板状のゴムであることを特徴とする請求項1に記載のプレス工法。
- 金属繊維、ガラス繊維若しくは樹脂繊維を板状に成形した前記緩衝部材を、少なくとも2枚の前記離型フィルムの1枚によって包み込んだことを特徴とする請求項2に記載のプレス工法。
- 前記離型フィルムは、前記加熱・加圧工程における加熱温度よりも高い融点を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のプレス工法。
- 前記少なくとも2枚の離型フィルムは、夫々が異なる材料からなることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のプレス工法。
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