以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備える画像形成装置の構成を示す断面図である。本実施の形態においては、シート処理装置は画像形成装置に搭載される。図1において、200は画像形成装置本体である。画像形成装置本体200の上方には、原稿読み取り部150が設けられており、原稿読み取り部150の上部には、自動原稿読取装置100が装着されている。また、画像形成装置本体200内の上部かつ原稿読み取り部150の下方には、画像形成装置の筐体内に収納された本実施の形態に係るシート処理装置としてのシート処理装置500が設けられている。
自動原稿読取装置100は、原稿トレイ101上に上向きにセットされた原稿を上から分離し、先頭頁から順に1枚ずつ図中左方向に給紙し、図示しない湾曲したパスを通ってプラテンガラス102上に搬送し、原稿を読み取った後、排紙トレイ112に排出する。
プラテンガラス102上に載置された原稿に対し、スキャナユニット104のランプの光が照射され、その原稿からの反射光がミラー105、106、レンズ107を介してイメージセンサ109に導かれることで、原稿の読み取りが行われる。イメージセンサ109により読み取られた原稿の画像データは、画像処理された後、露光制御部202に送られる。露光制御部202では、画像データを基にレーザ光の発射が行われる。
このレーザ光は、回転しているポリゴンミラーによって反射され、さらに反射ミラーにより再び折り返され、表面が一様に帯電された感光体ドラム203上に照射される。このレーザ光の照射により、感光体ドラム203上には、静電潜像が形成される。感光体ドラム203上の静電潜像は、現像器205により現像された後、紙やOHPシート等のシートS上にトナー画像として転写される。
シートSは、ピックアップローラ238によりシートカセット231、232、233、234から選択的に繰り出され、分離部237により1枚ずつ分離されて給送される。さらに、レジ前ローラ対により斜行が矯正された後、感光体ドラム203の回転に同期して転写位置に送り込まれると、感光体ドラム203に形成されたトナー画像が転写ベルト211を介してシートSに転写される。
その後、シートSは、定着ローラ対206に導かれ、定着ローラ対206により加熱・加圧処理されると、シートSに転写されたトナー画像が定着する。定着ローラ対206には、それぞれ定着上分離爪、定着下分離爪が当接しており、定着ローラ対206からシートSを分離する。分離されたシートSは、本体側排出ローラ対207により搬送され、画像形成装置の筐体内に収納されたシート処理装置500に導かれる。
図2は図1の画像形成装置におけるシート処理装置500の構造を示す正面図である。図3はシート処理装置500の構造を示す平面図である。シート処理装置500は、上流側に位置し、画像形成装置本体200から排出された画像形成済みのシートSを一時的に積載する処理トレイ540、および下流側に略水平に位置し、処理トレイ540から排出されるシートSを積載するスタックトレイ504を有する。
画像形成装置本体200の本体側排出ローラ対207により排出されたシートSは、シート処理装置500側の排出ローラ508aとこれに従動する排出コロ508bとからなる排出部508により、スタックトレイ504に向かって排出される。このとき、シートSの後端が排出部508を通過するタイミングで、シートSの後端は、揺動ローラ550により処理トレイ540上に落とし込まれ、さらに揺動ローラ550と従動コロ571により挟持される。この揺動ローラ550の動作の詳細については後述する。
こうして、シートSがシート処理装置500内の処理トレイ540に排出されると、処理トレイ540上で針綴じ、整合等の後処理が行われた後、スタックトレイ504に積載される。この処理トレイ540で行われる後処理モードには、複数部に仕分けを行うソートモード、複数枚のシートをステイプルユニット510により綴じる針綴じ(ステイプル)モードなどがある。この後処理モードは、後処理ジョブの開始前、操作部380(図25参照)を介してオペレータにより選択・設定される。ステイプルモードでは、1箇所綴じ、2箇所綴じ、針綴じ位置等の選択が可能である。ステイプルユニット510は、シートのサイズ、綴じ位置等の設定内容に合わせて、実際の針綴じ位置に移動する。
画像形成装置本体200から排出されたシートSは、シート処理装置500側の排出ローラ508aとこれに従動する排出コロ508bとからなる排出部508により、スタックトレイ504に向かって排出される。このとき、シートSの後端が排出部508を通過したタイミングで、シートSの後端は、揺動ローラ550により処理トレイ540上に落とし込まれ、揺動ローラ550と従動コロ571とによって挟持される。
図4(A)〜図4(C)はシート処理装置500における揺動ローラ550の動作を説明するための図である。この揺動ローラ550は、揺動ローラ軸552を中心に上下方向に揺動自在な揺動アーム551に取り付けられている。揺動カム554を軸支する揺動アーム軸553には、揺動アーム駆動モータ643(図26参照)からの動力が伝達されており、揺動アーム駆動モータ643が回転すると、揺動カム554と一体的に、揺動アーム551は揺動ローラ軸552を中心に上下方向に揺動する。また、揺動アーム551には、上方への揺動を補助するための揺動アーム引張りばね555が装着されている。
揺動ローラ550は、揺動ローラ駆動ベルト556(図3参照)、揺動ローラ従動プーリ557および揺動ローラ軸552を介して揺動ローラ駆動モータ642(図26参照)に連結されており、図26で後述するCPU611から揺動ローラ駆動モータドライバ622を介して伝達される駆動信号にしたがって、揺動ローラ駆動モータ642が回転すると、その回転動力は揺動ローラ550に伝達され、揺動ローラ550は回転する。
図4(A)に示すように、揺動ローラ550のホームポジションは、排出部508により処理トレイ540上に排出されるシートSと当接しないように、上方に設定されている。そして、シートSが排出部508から排出され、揺動アーム551が揺動アーム駆動モータ643の動力を受けて揺動ローラ軸552を中心に反時計周りに回転すると、同図(B)に示すように、揺動ローラ550は下降し、排出されるシートSの後端部を押し付け、処理トレイ540側に落とし込み、揺動ローラ550及び従動コロ571によりシートSを挟持する。ここで、図4(B)に示すように、シートSの後端が排出部508を抜けたときのシートSの先端がスタックトレイ504の積載面に接する高さ方向の位置H1は従動コロ571の高さ方向の最上位置H2(すなわち、処理トレイ540及び従動コロ571により構成される積載面(図5(A)参照)の最上位置)よりも低い。これは、原稿読取部150の下方、かつ画像形成装置本体200内の上部に設けられたスタックトレイ504の積載容量を確保するために、スタックトレイ504を従来のスタックトレイの角度よりも水平に近づけたことによるものである。このような構成であるがゆえ、揺動ローラ550及び従動コロ571による所定タイミングでのシートSの挟持がない場合、排出部508を抜けたシートSは、処理トレイ540及び従動コロ571により構成される積載面ではなく、スタックトレイ504に自然落下してしまう。このような問題を防止するため、後述するように、所定のタイミングで揺動ローラ550を下降させる制御が行われる。
下降した揺動ローラ550は、従動コロ571との間でニップ部を形成し、揺動ローラ駆動モータ642の動力を受けて反時計周りに回転することで、処理トレイ540上に落とし込まれたシートSの後端が戻しベルト560に当接するまで、同図(C)に示すように、それまでのシートの搬送方向とは逆方向に、下ガイド561に沿ってシートSを引き込む。この後、揺動ローラ550は、再び、同図(A)に示すホームポジションまで上昇し、次のシートSの排出に備える。尚、揺動アーム551および排出ローラ508aによる排出動作の詳細については、後述する。
図5(A)、図5(B)はシート処理装置500における戻しベルト560の動作を説明するための図である。戻しベルト560は、排出ローラ軸509に支持され、この排出ローラ軸509に軸支された排出ローラ508aと、ハウジング563に支持された戻しベルトプーリ564と、これらの間に巻かれたベルト部材565とから構成される(図2参照)。戻しベルト560は、少なくとも1つのシート送り回転体であり、シート後端ストッパ562にシートSを突き当てるように、通常、処理トレイ540上のシートSに接触する位置に設けられている。
図5(A)に示すように、排出ローラ軸509が反時計周りに回転すると、ベルト部材565はシートSをシート後端ストッパ562側に搬送する。また、同図(B)に示すように、戻しベルト560は、処理トレイ540上に積載されたシートSの厚みから逃げるように揺動する。
このように、揺動ローラ550および戻しベルト560によって反時計周りの方向に押されたシートSは、処理トレイ540の端部に位置するシート後端ストッパ562で受け止められると、1枚ずつシート搬送方向の整合が行われる。
シート処理トレイ540の上には、排出ローラ軸509と平行に移動自在な前整合板541および後整合板542が設けられている(図3参照)。前整合板541および後整合板542は、それぞれ前整合モータ646(図26参照)および後整合モータ647(図26参照)により駆動される。
シート処理装置500が動作中で無い場合、前整合板541および後整合板542は、それぞれ前整合ホームポジションセンサ530(図26参照)および後整合ホームポジションセンサ531(図26参照)によって検知される位置に待機する。この位置は、整合ホームポジション(基準位置)と呼ばれ、シートSが搬送されてくる際にシートSが前整合板541及び後整合板542に当たらない位置に設定されている。
前整合板541および後整合板542は、画像形成装置からシートSが搬送されてくる前、シートSのサイズに合わせた待機位置に移動する。シートSが前述したようにシートの搬送方向に整合された後、ジョブ開始前に設定された後処理モードにおける整合位置に、前整合板541および後整合板542を移動させることで、シートの幅方向の整合が行われる。
例えば、ソートモードの場合、N部目のシートを幅方向に整合する場合、前整合板541を基準位置で待機させ、後整合板542を待機位置からシート整合位置に移動させることで、手前側を基準とした整合が行われる。そして、後述するように、整合されたシートSをスタックトレイ504に排出する。
N+1部目のシートを整合する場合、後整合板542を基準位置で待機させ、前整合板541を待機位置からシート整合位置に移動させることで、奥側を基準とした整合が行われる。そして、同様に、整合されたシートSをスタックトレイ504に排出する。これにより、スタックトレイ504上では、束排出を行う毎に仕分けされた状態で、シートを積載することができる。尚、シートの中央位置を基準に整合することも可能である。その場合、前整合板541および後整合板542の両方を待機位置から中央位置基準となる整合位置に移動させることで、整合が行われる。
また、針綴じモードが選択されている場合、設定された針綴じ位置に合わせた位置で前述した幅方向の整合動作が行われ、続いて針綴じ動作が行われる。このとき、ステイプラユニット510は、ステイプルクリンチモータ648(図26参照)により駆動され、針綴じ動作を行う。また、ステイプラユニット510はステイプルスライドモータ649(図26参照)により駆動され、図5(A)紙面垂直(シート搬送方向に対して直角方向)に移動自在である。そして、ステイプラユニット510は、ジョブが開始されると、ジョブ開始前に設定された針綴じ位置とシートサイズとから決定された針綴じ位置に移動する。この後、前述した幅方向の整合動作を終えた整合済シート束Sに対し、ステイプラユニット510は針綴じ動作を行う。
図6(A)〜図6(C)は揺動ローラ550による束排出動作を示す図である。前述したシート搬送方向の整合、シート幅方向の整合、および針綴じ動作の終了後、揺動ローラ550は、同図(A)に示すように、揺動アーム駆動モータ643により駆動され、揺動ローラ軸552を中心にシート束Sに当接するまで下降する。そして、揺動ローラ550は、従動コロ571との間でニップを形成した後、時計周りに回転し、シート束Sの後端が後端整合壁570上端付近に達するまで、シート束Sを搬送して停止させる(同図(B)参照)。
その後、揺動ローラ550は、シート束Sから離間してホームポジションに戻る(同図(C)参照)。これと同時に、後端整合壁570の下方に位置するカム572がカム揺動回転軸573を中心に回動すると、後端整合壁570は、揺動軸570aを中心にシート束Sから離れる方向に揺動する。この端整合壁570およびカム572の動作については後述する。
図7(A)〜図7(C)はシート処理装置500における処理トレイ540上のシート束Sをスタックトレイ504に排出し、スタックトレイ504上で整合・積載する動作を示す図である。後端整合壁570は、揺動回転軸570aを中心に揺動自在であり、その一端部570bがバネ512で付勢されている。また、一端部570bはカム揺動回転軸573を中心に回動自在なカム572に当接しており、ホームポジション(図6(A)参照)にあるカム572が回動すると、後端整合壁570はシート束Sの搬送方向に対して逆方向に揺動する。
排出されたシート束Sの後端が後端整合壁570の上端に当接した状態に達すると(図6(B)参照)、後端整合壁570をシート搬送方向の上流側に退避させ、後端整合壁570の斜面部にシート束Sの後端を当接させる(図6(C)、図7(A)参照)。
退避した後端整合壁570を揺動回転軸570aを中心にホームポジション(図6(A)参照)に復帰させる過程では、シート束Sの後端を後端整合壁570が水平方向に押圧することで、シート束Sの後端の整合を行いつつ、スタックトレイ504にシート束Sを積載する(図7(B)、図7(C)参照)。
スタックトレイ504上に積載されたシート束Sは、シート戻し部材583によって後端整合壁570側に引き戻され、その上面を押さえ付けられる。シート戻し部材583は、パドル状の部材であり、後端整合壁570に設けられたパドル回転軸590を中心に回転自在である。シート戻し部材(パドル)583は、揺動ローラ550によってシート束Sがスタックトレイ504上に束排出される度に反時計周りに1回転し、排出されたシート束Sを後端整合壁570側に毎回引き戻し、シート束の後端を押さえる動作を行う。
ここで、シート戻し部材583は、シート戻し動作を行う動作以外の時、図6(A)、図6(B)に示す状態を維持しており、シート束Sを押さえ付けている。このシート戻し部材583の位置は、パドルホームポジションセンサ(図示せず)によって検知される。また、スタックトレイ504は、積載されたシート束Sの上面高さを一定に保つため、駆動部(図示せず)により昇降自在に構成されている。
尚、本実施の形態では、スタックトレイ504のシート積載面は略水平に設定されているが、傾斜して設定されてもよく、この場合でも後端整合部材570は有効に作用する。また、後端整合壁570側に向かって、シート積載面を下側に傾斜させることにより(本実施の形態では、傾斜角18゜に設定されている)、スタックトレイ504上にある積載済みのシート束Sの後端と、処理トレイ540から排出される後続のシート束Sとの干渉を回避させることが容易である。また、シート処理装置を小型化できる。
ここで、揺動アーム551および排出ローラ508aの動作について詳述する。図8は入口センサ521のシートの有無を示す信号、排紙モータ641(図26参照)の回転速度を電圧に変換した信号、および揺動アーム駆動モータ643の回転速度を電圧に変換した信号の変化を示すタイミングチャートである。ここで、入口センサ521は図1及び図2に示す位置に設けられ、また、排紙モータ641は、パルスモータであり、入口搬送ローラ対(排出部508)や戻しベルト560を構成する排出ローラ508aを駆動する。揺動アーム駆動モータ643は、揺動アーム551を上下方向に駆動する。
画像形成装置本体200で画像が形成されたシートSをシート処理装置500に受け渡す際、シート処理装置500内の排出ローラ508aは、排紙モータ641によって、画像形成装置本体200のシート搬送速度と同等になるように駆動される(図8の領域A)。シートSの先端が入口センサ521に到達すると、排紙モータ641は加速され、後続するシートとの紙間が広がる(図8の領域B)。シートSの後端が入口センサ521を抜けると、排紙モータ641は減速され、シートSの後端が排出ローラ508aと排出コロ508bとから形成されるニップ部を抜けるまでに、シートの排出速度になる(図8の領域C)。
次に、排出ローラ508aから排出されたシートSが処理トレイ540上からスタックトレイ504へ滑り落ちてしまうことを防止するために、シートSの後端が排出ローラ508aと排出コロ508bとから形成されるニップ部に到達するタイミング(図中「排紙部508ニップ位置」)で、揺動アーム551の下降動作が開始するように、揺動アーム駆動モータ643を制御する。これにより、シートSの後端が従動コロ571を通ってスタックトレイ504側へ滑り落ちる前に、揺動アーム551に設けられた揺動ローラ550が従動コロ571に当接する位置に下降する。つまり、シートSの後端が従動コロ571を通ってスタックトレイ504側へ滑り落ちる前に、揺動ローラ550と従動コロ571によりシートSをキャッチすることができる。揺動アーム駆動モータ643は、入口センサ521の信号のオフエッジ(立ち下がり)時から、入口センサ521から排出ローラ508aと排出コロ508bとのニップ部までの距離に相当する所定パルス数が排紙モータ641に供給された時点、あるいは排紙モータ641に軸支された図示しないエンコーダによって、入口センサ521から排出ローラ508aと排出コロ508bとのニップ部までの距離に相当する所定の進み量が計測された時点で起動される。あるいは、揺動アーム駆動モータ643は、入口センサ521の信号のオフエッジ時からタイマ(図示せず)によって入口センサ521から排出ローラ508aと排出コロ508bとのニップ部までの距離に相当する所定時間が計測された時点で起動されてもよい。
図9は揺動アーム駆動モータ643の起動タイミングを変更する場合の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。図9では、図8と比べ、揺動アーム駆動モータ643を起動させるタイミングを早く設定している。この起動タイミングを適切な時期に設定することで、揺動アーム551の先端に取り付けられた揺動ローラ550が排出されたシートを確実に挟持できるようにするとともに、揺動アーム551が後続するシートの排出を阻害しないようにする。
また、揺動アーム駆動モータ643の動作速度を変更するために、動作電圧をV1からV2に変更することで(V1<V2)、揺動アーム551を最適に制御することも可能である。図10は揺動アーム駆動モータ643の動作電圧を変更する場合の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。
さらに、揺動アーム駆動モータ643の動作加速度をα1からα2に変更することで(α1<α2)、揺動アーム551をシートSの後端が従動コロ571を通ってスタックトレイ504側へ滑り落ちないように最適に制御することも可能である。図11は揺動アーム駆動モータ643の動作加速度を変更する場合の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。
揺動アーム551の起動タイミング、揺動アーム駆動モータ643の動作速度および動作加速度の少なくとも1つを、シートの材質(マテリアル)、厚さ、サイズ等のシートの条件に合わせて変更することで、どのようなシートが搬送される場合でも、揺動アーム551による挟持動作を確実に行わせることが可能となる。
つぎに、排出ローラ508aによるシート排出速度を制御する方法を示す。図12(A)、図12(B)は排出ローラ508aによるシート排出速度によって異なるシートSのスタックトレイ504への着地状態を示す図である。揺動アーム551が下降した時に、シートSの後端が図中の領域P内に収まっている場合、揺動アーム551はシートSを挟持することが可能となる。
したがって、排出部508からのシートの排出速度をνとすると、揺動アーム551で確実にシートSを挟持するためには、排出速度νは、ν≦ν1を満足しなければならない。ここで、ν1は排出されたシートSの後端が位置P1に着地する場合(同図(A)参照)の排出速度である。ν>ν1になると、シートSは揺動アーム551によって挟持できないので、シートSはスタックトレイ504側に滑り落ちてしまうことになる。
一方、揺動アーム551が下降した時に、排紙部508にシートの後端が残らないようにするためには、排出部508の排出速度νは、ν≧ν2を満足しなければならない。ここで、ν2は排出されたシートSの後端が位置P2に着地する場合(同図(B)参照)の排出速度である。つまり、排出速度νがν2≦ν≦ν1を満足する場合、排出されたシートSの後端が領域P内に収まるので、シートSの挟持動作を確実に行うことができる。したがって、シートSの排出速度νは、ν2≦ν≦ν1を満足するように制御される。
図13は排出部508のニップ位置から揺動ローラ550のニップ位置までの水平距離L1および垂直距離L2を示す図である。排出部508のニップ位置から揺動ローラ550のニップ位置までの水平距離L1および垂直距離L2を、揺動アーム551によるシートSの挟持可能となる最短距離に設定することによって、シート処理装置500が占有する空間(占有スペース)をコンパクトにすることができる。また、シート処理装置500の占有スペースに応じて、揺動アーム551が排出されたシートSを確実に挟持できるように、排紙モータ641および/または揺動アーム駆動モータ643を制御する。
図14〜図22はシートの排出動作およびシートの挟持動作を示す図である。排出ローラ508aによって排出されたシートは、揺動アーム551によってシートの後端が挟持されると、揺動ローラ550によりシートの後端がシート後端ストッパ562に達するまで1枚ずつ戻される。そして、シート束の最終紙であるシートS1が排出ローラ508aによって搬送され(図14参照)、シートの後端が排出ローラ508aを抜けたことがシート検知センサ595によって検知されると、揺動アーム551の下降動作を開始する(図15参照)。この例では、シート検知センサ595によりシートの後端が排出ローラ508aを抜けたことを検知しているが、前述したように入口センサ521がシートの後端を検出したときから所定時間経過あるいは所定量搬送した時に、シートの後端が排出ローラ508aを抜けたと判断してもよい。
処理トレイ540上に排出されたシートS1は、揺動アーム551の先端に設けられた揺動ローラ550と従動コロ571とで挟持される(図16参照)。その後、揺動ローラ550の反時計方向の回転により、シートS1は、シートの後端がシート後端ストッパ562に達するまで戻される(図17参照)。そして、1グループの最終シートが処理トレイ540に積載され、処理トレイ540上で所定の処理(シート整合やステイプル)が施された後、揺動ローラ550の時計方向の回転により、シート束Stは、処理トレイ540からスタックトレイ504に向けて束排出される(図18、図19参照)。
シート束Stの束排出動作が完了すると、揺動アーム551は上昇動作を開始する(図20参照)。揺動アーム551の上昇動作は、後続するシート束の先頭紙であるシートS2の先端が揺動アーム551と干渉しないタイミングで行われる(図21参照)。
ここで、揺動ローラ550の回転量は、シート束Stの束移動量と従動ローラ571上にシート束の後端残りを生じさせないための後送り量とを足した量に設定されている。したがって、シート束Stの束移動完了後の後送り中、後続するシートS2の先端がシート検知センサ595に達した場合、揺動アーム551の上昇動作が開始する(図22参照)。
ここで、揺動アーム551が排出されるシートを確実に挟持するための条件について考察する。排出部508を構成する排出ローラ508aから排出されるシートの後端は、排出速度ν1で排紙されるが、シートの後端がニップ位置を抜けてから挟持位置に達するまでの滑空時間をtとし、揺動アーム551が待機位置(ホームポジション)から挟持位置に移動するのに要する揺動降下時間をTとすると、T≦tである場合、排出されたシートは、揺動アーム551の先端に取り付けられた揺動ローラ550によって挟持可能である。
しかし、腰の強い厚紙を排出部508から排出する際、排出ローラ508aを普通紙のときと同じ回転速度で回転させていても、厚紙の排出速度が普通紙の排出速度よりも大きくなってしまう傾向があり、t<Tとなってしまうことがあり、揺動アーム551が排出されたシートを挟持できない不具合が生じてしまう。このような不具合を生じさせないように、シートの搬送モードに応じて、揺動アーム551の動作速度vまたは動作加速度aを変更する場合を示す。図23はシートの排出および挟持動作に関する各種設定値を示すテーブルである。
材質(マテリアル)Aのシート(例えば普通紙)の場合、シートの後端が排紙ニップ位置から挟持位置まで移動するのに要する滑空時間をt1、揺動アーム551が待機位置から挟持位置に移動するのに要する揺動降下時間をT1、揺動アーム551の動作速度をv1、揺動アーム551の動作加速度をa1とすると、t1≧T1の条件の下で挟持動作が可能となる。
一方、材質(マテリアル)Bのシート(例えば厚紙)の場合、シート後端の排出速度がν2(ν1<ν2)と早くなった場合、シートの後端が排紙ニップ位置から挟持位置まで移動するのに要する滑空時間はt2(t2<t1)と短くなるので、t2<T1の条件が成立すると、シートの挟持動作が不可能である。
そこで、後述する搬送モードを判定することによって、材質(マテリアル)Bのシートが厚紙であると判定された場合、揺動アーム551の動作速度をv1からv2に増速する。これにより、揺動アーム551が待機位置から挟持位置に移動するのに要する揺動降下時間がT2(T1>T2)に短縮され、t2≧T2の条件が成立すると、シートの挟持動作が可能となる。
また同様に、揺動アーム551の駆動加速度をa1からa2(a1<a2)に変更することにより、揺動アーム551が待機位置から挟持位置に移動するのに要する揺動降下時間がT2(T1>T2)に短縮され、t2≧T2の条件が成立すると、シートの挟持動作が可能となる。
図24はシートの挟持動作が不可能となるようなシートの排出動作を示す図である。スタックトレイ504が下降している場合でも、シートSはスタックトレイ504側に滑り落ちることがないように、揺動アーム551を制御することで、確実にシートを挟持できる。
また、揺動アーム551が待機位置から挟持位置まで移動するのに要する揺動降下時間がT1で一定である場合について検討する。この場合、材質(マテリアル)Aのシートでは、シートの後端が排紙ニップ位置から挟持位置まで移動するのに要する滑空時間をt1、揺動アーム551が待機位置から挟持位置に移動するのに要する揺動降下時間をT1、揺動アーム551の動作速度をv1、揺動アーム551の動作加速度をa1とした場合、前述したように、t1≧T1の条件の下で挟持動作が可能である。
しかし、材質(マテリアル)Bのシートでは、シート後端の排出速度がν2(ν1<ν2)となった場合、シート後端が排紙ニップ位置から挟持位置まで移動するのに要する滑空時間はt2(t2<t1)となるので、t2<T1の条件が成立してしまうと、シートの挟持動作が不可能である。
そこで、後述するシート搬送モードを判定することによって、材質(マテリアル)Bのシートが厚紙であると判定された場合、排出ローラ508aによって排出されるシート後端の排出速度とニップ間距離L1(図13、図24参照)とから算出される滑空時間t3が、揺動アーム551の揺動降下時間T1に対し、T1≦t3の条件式を満足すると、揺動アーム551による挟持動作が可能となる。
図25は画像形成装置全体の制御を司るコントローラ(制御部)の構成を示すブロック図である。このコントローラは、CPU回路部350、操作部380、シート処理装置制御部600、原稿給送装置制御部360、イメージリーダ制御部370、画像信号制御部330およびプリンタ制御部340を有する。画像信号制御部330には、外部インタフェース(I/F)320を介して外部のコンピュータ310が接続されている。
CPU回路部350は、CPU351、ROM352およびRAM353を内蔵し、CPU351がROM352に格納されている制御プログラムを実行することによって、このコントローラの各部を総括的に制御する。RAM353は、制御データを一時的に保持したり、CPU351が制御プログラムを実行する際、演算処理の作業領域として用いられる。
原稿給送装置制御部360は、CPU回路部350からの指示にしたがって、自動原稿給送装置100を制御する。イメージリーダ制御部370は、スキャナユニット104、イメージセンサ109などを制御し、イメージセンサ109から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部330に転送する。
画像信号制御部330は、イメージセンサ109からのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後、このデジタル信号に各種処理を施し、各種処理が施されたデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部340に出力する。また、外部I/F320を介してコンピュータ310から入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、各種処理が施されたデジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部340に出力する。この画像信号制御部330の動作は、CPU回路部350により制御される。
プリンタ制御部340は、入力されたビデオ信号に基づき、レーザスキャナユニット(露光制御部)202を駆動する。操作部380は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定情報を表示する表示部などを有し、各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部350に出力し、CPU回路部350からの信号に基づき、対応する情報を表示部に表示する。
シート処理装置制御部600は、シート処理装置500に搭載され、CPU回路部350と情報のやり取りを行って、シート処理装置500全体の制御を行う。この制御内容については後述する。
図26はシート処理装置制御部600の構成を示すブロック図である。シート処理装置制御部600は、各種ドライバおよび各種センサが接続されたCPU回路部610を有する。CPU回路部610は、CPU611、ROM612およびRAM613を有し、CPU611がROM612に格納されている制御プログラムを実行することにより、シート処理装置500を制御する。また、CPU回路部610は、通信IC614を介して画像形成装置本体側のCPU回路部350と通信してデータ交換を行い、画像形成装置本体側のCPU回路部350からの指示に基づき、シート処理装置500を制御する。
シート処理装置500を制御する際、CPU回路部610は、各種センサからの検出信号を取り込む。各種センサとしては、入口センサ521、揺動ホームポジションセンサ522、揺動スノコホームポジションセンサ523、トレイ検知センサ524、紙面検知センサ525、戻しベルト退避センサ526、ステイプルスライドホームポジションセンサ527、ステイプルクリンチホームポジションセンサ528、処理トレイ紙検知センサ529、前整合ホームポジションセンサ530、後整合ホームポジションセンサ531、パドルホームポジションセンサ532、スタックトレイ紙検知センサ533、スタックトレイエンコーダクロックセンサ534、紙面検知上センサ535、紙面検知下センサ536、トレイ上限センサ537、トレイ下限センサ538、前カバー開閉検知センサ539、シート検知センサ595等が挙げられる。
また、CPU回路部610には、各種モータドライバ621〜630が接続されており、各種モータドライバ621〜630は、CPU回路部610からの信号に基づき、対応する各種モータを夫々駆動する。各種モータとしては、排紙モータ641、揺動ローラ駆動モータ642、揺動アーム駆動モータ643、後端整合壁駆動モータ644、パドルモータ645、前整合モータ646、後整合モータ647、ステイプルクリンチモータ648、ステイプルスライドモータ649、及びスタックトレイモータ650が挙げられる。
排紙モータ641は、入口搬送ローラ対(排出部508)や戻しベルト560を構成する排出ローラ508aを駆動する。揺動ローラ駆動モータ642は、揺動アーム551の先端に取り付けられ、入口搬送ローラ対によって搬送されたシートを戻す動作および処理トレイ540上で処理されたシート束をスタックトレイ504に束排出する動作を行う揺動ローラ550を駆動する。揺動アーム駆動モータ643は、処理トレイ540上に排出されたシートの後端部をキャッチするために揺動アーム551を上下方向に駆動する。
後端整合壁駆動モータ644は、スタックトレイ504上に束排出されたシート束の後端整合を行う後端整合壁570を駆動する。パドルモータ645は、スタックトレイ504上に積載されたシート束の後端部を押さえるシート戻し部材583を駆動する。前整合モータ646および後整合モータ647は、処理トレイ540上に積載されたシートをシート搬送方向に対して垂直方向に整合する前整合板541および後整合板542をそれぞれ駆動する。
ステイプルクリンチモータ648は、ステイプラ510を駆動して針綴じを行わせる。ステイプルスライドモータ649は、ステイプルユニット510を前後方向に移動させる。スタックトレイモータ650は、スタックトレイ504を上下方向に移動させる。
ここで、排紙モータ641、揺動ローラ駆動モータ642、揺動アーム駆動モータ643、後端整合壁駆動モータ644、パドルモータ645、前整合モータ646、後整合モータ647およびステイプルスライドモータ649は、ステッピングモータから構成され、励磁パルスレートを制御することによって、各モータにより駆動されるローラ対を等速で回転させたり、独自の速度で回転させることが可能である。
また、排紙モータ641、揺動ローラ駆動モータ642、揺動アーム駆動モータ643、前整合モータ646、後整合モータ647およびステイプルスライドモータ649は、それぞれ排紙モータドライバ621、揺動ローラ駆動モータドライバ622、揺動アーム駆動モータドライバ623、前整合モータドライバ626、後整合モータドライバ627およびステイプルスライドモータドライバ629により、正回転方向および逆回転方向に駆動自在である。また、ステイプルクリンチモータ648、スタックトレイモータ650はDCモータから構成される。
図27は排出されたシートの整合・積載処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、シート処理装置制御部600内のROM612に格納されており、CPU611によって実行される。
排出ローラ508aによって排出速度νで排出されるシートの後端が排出ローラ508aの上流側に設けられたシート検知センサ595によって検知されるまで待機し(ステップS11)、シート検知センサ595によってシートの後端が検知されると、揺動アーム551を待機位置から挟持位置に下降させる動作を開始する(ステップS12)。
排出ローラ508aによって排出されたシートの後端は、揺動アーム551の先端に取り付けられた揺動ローラ550と従動コロ571とによって、挟持位置で挟持されると、揺動ローラ550の反時計周りの回転動力によってシートの後端がシート後端ストッパ562まで押し戻されるように、処理トレイ540上で戻し整合動作を行う(ステップS13)。
戻し整合動作が行われたシートが束最終紙であるか否かを判別する(ステップS14)。束最終紙である場合、処理トレイ540上で所定の処理が行われた後、揺動ローラ550の時計周りの回転動力によってシート束の束排出動作を行う(ステップS15)。シート束の束排出動作が完了したか否かを判別し(ステップS16)、シート束の束排出動作が完了すると、揺動アーム551を挟持位置から待機位置に向かって上昇させる動作を開始する(ステップS20)。この後、ステップS11の処理に戻る。このステップS20における揺動アーム551の上昇動作は、後続するシートの先端が揺動アーム551と干渉しないようにするために行われるものであって、揺動アーム551が挟持位置から待機位置に復帰するまでの復帰時間、およびシートの排出後、後続するシートの先端がシート検知センサ595の検知位置に到達するまでの移動時間を基に、その上昇開始時期が決定される。
一方、ステップS14で戻し整合動作が行われたシートが束最終紙でない場合、排出ローラ508aによって排出される後続するシートの先端がシート検知センサ595によって検知されたか否かを判別する(ステップS17)。後続するシートの先端が検知されない場合、ステップS17の処理を繰り返し、シートの先端が検知されるまで待機する。そして、シートの先端が検知されると、ステップS20で揺動アーム551を上昇させる動作を開始する。
また一方、ステップS16でシート束の束排出動作が完了していない場合、束排出後送り中であるか否かを判別する(ステップS18)。束排出動作を終了して束排出後送り中である場合、後続するシートの先端がシート検知センサ595によって検知されたか否かを判別する(ステップS19)。後続するシートの先端が検知された場合、ステップS20で揺動アーム551を上昇させる動作を開始する。
一方、ステップS18で束排出後送り中でない場合、あるいはステップS19で後続するシートの先端が検知されない場合、ステップS16の処理に戻り、束排出動作が完了するまで揺動アーム551を挟持位置で待機させる。
図28は厚紙搬送モードにおける制御処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、シート処理装置制御部600(図13)内のROM612に格納されており、シートの排出動作が行われる前にCPU611によって実行される。まず、操作部380を介してオペレータにより厚紙搬送モードが選択されているか否かを判別する(ステップS21)。尚、オペレータの操作により選択されたシート搬送モードを調べる代わりに、シートの材質等を検知するセンサを設け、その検知情報を基にシート搬送モードを調べ、厚紙搬送モードであると判別するようにしてもよい。
厚紙搬送モードが選択されている場合、揺動アーム551の待機位置から挟持位置への揺動降下時間Tが短縮されるように、あるいは排出ローラ508aによって排出されるシートの後端の滑空時間tが延長されるように、揺動アーム551あるいは排出ローラ508aの動作を制御する(ステップS22)。この後、揺動降下時間Tと滑空時間tの関係がT≦tの条件式を満足するか否かを判別する(ステップS23)。T≦tの条件式を満足する場合、本処理を終了する。一方、ステップS23でT≦tの条件式を満足しない場合、ステップS22の処理に戻り、同様の処理を繰り返す。
ここで、ステップS22における揺動降下時間Tは、揺動アーム551の動作速度や動作加速度を早くすることで短縮されるが、揺動アーム551が挟持位置でバウンドしないように、その動作速度や動作加速度は制御される。また、ステップS22におけるシート後端の滑空時間tの延長は、排出ローラ508aからの排出速度を遅らせることで実現されるが、排出ローラ508aでのシートの後端残り等の不具合が発生しないように、その排出速度は制御される。また、シート後端の滑空時間tは、シートの排出速度とニップ間距離L1から算出される値であるが、ステップS23でT≧tとなる場合、シートの挟持が不可能となるので、再度、T≦tとなるように、ステップS22の制御が行われる。
本実施の形態によれば、揺動アームによるシートの挟持動作を確実に行うことができる。したがって、排出部から排出されたシートの飛び出しによる戻し不良などを未然に防止できる。また、挟持動作を行う際、後続するシートの搬送を阻害しないように、揺動アームの上昇動作を制御することができる。したがって、後続するシートの進入を遅らせることなく、シートを搬送することができ、排出部によるシートの排出動作を確実に行うことができる。さらに、揺動アームによりシートを確実に挟持できるようになるので、処理トレイのシート搬送方向の長さを短くすることができる。また、処理トレイのシート積載面を水平にすることで、シートの積載枚数を増加させることができ、シート処理装置の小型化を図ることができる。
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
例えば、上記実施の形態では、厚紙搬送モードが選択されている場合、揺動アームの待機位置から挟持位置への揺動降下時間を短縮することで、揺動アームによるシートの挟持を確実なものとしていたが、揺動降下時間を短縮する代わりに、揺動アームの下降開始時期を早めることで対応してもよい。
また、上記実施の形態では、シートが厚紙である場合を例示したが、シートの重さ、シートサイズ、白黒/カラーの画像形成済みシートなどのシート条件に応じて、揺動アームの揺動動作および/または排出部の排紙動作を制御するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、排出ローラ508aから排出されたシートSを揺動ローラ550と従動コロ571によりキャッチした後、揺動ローラ550を反時計周りに回転することでシートSをシート後端ストッパ562に突き当てさせたが、ステイプルモードもソートモードも設定されていない場合、すなわちノンソートモードの場合は、排出ローラ508aから排出されたシートSを揺動ローラ550と従動コロ571によりキャッチした後、揺動ローラ550を時計周りに回転することでシートSをスタックトレイ504に排出するようにしてもよい。これにより、処理トレイ540上でシートSの戻し動作を行う必要がないので、排出処理時間が短縮でき、揺動ローラ550と従動コロ571によるキャッチ動作の後にシートSのスタックトレイ504への排出動作を行うので、スタックトレイ504上に排出されたシートSが散乱することを防止できる。