JP3885936B2 - 偏波制御回路アレイおよびそれを用いた光回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光部品の偏波無依存化を可能にする偏波制御回路アレイ、および、それを用いた偏波無依存の光回路に関する。光回路としては、例えば複数の波長の光について光強度を制御するための光増幅器アレイや光変調器アレイ、光スイッチアレイ、光減衰器アレイなどがある。本発明は光波長多重通信システムを構成する光部品に適用して有用である。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの爆発的な進展に伴う通信システムの大容量化への要請に応えるために、光波長多重通信が広く普及している。光波長多重通信システムを構成する上で、複数の波長毎に光強度を制御するための、光スイッチアレイ、光減衰器アレイといった各種の光部品が必須となっている。
【0003】
しかしながら、高速伝送においては、光部品の持つ偏波依存損失(PDL)といった偏波に依存して生じる効果が光信号の品質劣化を引き起し、問題となっていた。例えば、電気光学効果を利用して光強度変調を行うマッハツェンダ干渉計(MZI)型LN変調器においては、電気光学効果が非常に大きな偏波依存性を持っているため、通常大きなPDLが発生する。
【0004】
このPDLは、MZI型LN変調器を光減衰器もしくは光スイッチとして利用する場合、大きな問題となる。
【0005】
そこで、PDLを解消するために従来、光を直交する2つの偏波に分波し、分波した光を同一の偏波(TM偏波)に変換した後、個別に変調を行うという手法が提案されている(例えば、G.Isikawa et al., ECOC96, Th3-3,Oslo 「80-Gb/s (2x40-GB-s) transmission experiments over 667-km dispersion-shifted fiber using Ti:LiNbO3 OTDM modulator and demultiplexer」)。
【0006】
この手法による偏波無依存光変調器の概略構成例を図12に示す。図12中の符号で、 1201a-1201bは入力光導波路、1202および1216a-1216b は偏波合分波回路、1204および1214は通常の1/2波長板、 1206a-1206bおよび1212a-1212b は方向性結合器、 1208a-1208cはグランド電極、 1209a-1209bは信号電極、 1217a-1217bは出力光導波路を表す。また、 1203a-1203b,1205a-1205b,1207a-1207d,1210a-1210d,1213a-1213dおよび1215a-1215d は光導波路を表す。
【0007】
偏波合分波回路1202と1/2波長板1204は、第1の偏波制御回路を構成する。1/2波長板1204は黒塗り部分で示すように、偏波合分波回路1202の上側出力ポートに接続した光導波路1203a, 1205a間の溝に挿入されている。偏波合分波回路1202は入力した任意偏波の光をTM偏波とTE偏波に分波する。1/2波長板1204は、分波した光のうちTE偏波の光をTM偏波に変換する。これにより、入力した光は直交する2つの偏波に分波され、分波した光は同一の偏波(TM偏波)に変換される。
【0008】
方向性結合器1206a と、方向性結合器1212a と、その間の上側アーム(光導波路1207a,1210a)および下側アーム(光導波路1207b,1210b)と、下側アームに設けた信号電極1209a は、MZI型LN変調器を構成する。同様に、方向性結合器1206b と、方向性結合器1212b と、その間の上側アーム(光導波路1207c,1210c)および下側アーム(光導波路1207d,1210d)と、上側アームに設けた信号電極1209b も、MZI型LN変調器を構成する。これら上段、下段2つのMZI型LN変調器はともにTM偏波の光を入力し、それぞれの信号電極1209a, 1209bに印加される電気信号に応じて、光強度を制御する。
【0009】
1/2波長板1214と偏波合分波回路1216a,1216b は、第2の偏波制御回路を構成する。1/2波長板1214は黒塗り部分で示すように、隣接する2つの光導波路の各溝(下段のMZI型LN変調器のスルーポートに接続した光導波路1213c,1215c 間の溝、並びに、そのクロスポートに接続した光導波路1213d,1215d 間の溝)に挿入されており、下段のMZI型LN変調器のスルーポートおよびクロスポートから出力されるTM偏波の2つの光を、ともにTE偏波に変換する。偏波合分波回路1216a は、上段のMZI型LN変調器のスルーポートから出力されたTM偏波の光と、下段のMZI型LN変調器のスルーポートから出力され、且つ、1/2波長板1214でTM偏波からTE偏波に偏波された光とを合波する。同様に、偏波合分波回路1216b は、上段のMZI型LN変調器のクロスポートから出力されたTM偏波の光と、下段のMZI型LN変調器のクロスポートから出力され、且つ、1/2波長板1214でTM偏波からTE偏波に変換された光とを合波する。
【0010】
動作の詳細は以下の通りである。
(1)入力光導波路1201a または1201b から入力した光は、偏波合分波回路1202でTE偏波とTM偏波に分波される。分波したTE偏波の光は光導波路1203a を経て1/2波長板1204によりTM偏波に変換された後、光導波路1205a を経て上段のMZI型LN変調器へ出力される。分波したTM偏波の光は、光導波路1203b, 1205bを経てそのまま、下段のMZI型LN変調器へ出力される。
(2)上段のMZI型LN変調器のスルーポートから出力されたTM偏波の光は、光導波路1213a,1215a を経てそのまま、偏波合分波回路1216a に入力される。下段のMZI型LN変調器のスルーポートから出力されたTM偏波の光は、光導波路1213c を経て1/2波長板1214でTE偏波に変換された後、光導波路1215c を経て偏波合分波回路1216a に入力される。偏波合分波回路1216a は入力したTM偏波とTE偏波を合波して、出力光導波路1217a へ出力する。
(3)同様に、上段のMZI型LN変調器のクロスポートから出力されたTM偏波の光は、光導波路1213b,1215b を経てそのまま、偏波合分波回路1216b に入力される。下段のMZI型LN変調器のクロスポートから出力されたTM偏波の光は、光導波路1213d を経て1/2波長板1214によりTE偏波に変換された後、光導波路1215d を経て偏波合分波回路1216b に入力される。偏波合分波回路1216b は入力したTM偏波とTE偏波を合波して、出力光導波路1217b へ出力する。
【0011】
上記のように、従来の偏波無依存光変調器では、偏波を全て電気光学効果の大きな偏波に設定することが可能となり、電気光学効果を効率良く利用できる。同時に、偏波無依存化が可能であるため、光変調器として非常に有効である。
【0012】
ところで、光波長多重通信においては、波長毎に、光スイッチや光減衰器等の光強度制御器が必要となる。そこで、図12に示した偏波無依存光変調器を利用して、例えば図13に示すような4連の偏波無依存光変調器アレイが作製可能である。
【0013】
図13中の符号で、 1301a-1301dは入力光導波路、1302および1316は偏波合分波回路(楕円マーク)、1304および1314は通常の1/2波長板、1306および1313は方向性結合器(三角マーク)、1308はグランド電極、1309は信号電極、 1317a-1317hは出力光導波路、1318は交差導波路(丸マーク)を表す。簡単のため、他の光導波路の符号は省略する。
【0014】
図13では、偏波無依存光変調器アレイが4連であることから、第1の偏波制御回路アレイは4連であり、4個の偏波合分波回路1302と1個の1/2波長板1304からなる。MZI型LN変調器アレイは8連であり、8個の方向性結合器1306と、16個のアーム導波路と、8個の方向性結合器1313からなる。第2の偏波制御回路アレイは4連であり、8個の偏波合分波回路1316と1個の1/2波長板1314からなる。
【0015】
第1の偏波制御回路アレイを構成する1/2波長板1304は、黒塗り部分が示すように連続して隣接する複数本(この例では4本)の光導波路に挿入される通常のものである。このような1/2波長板1304を所望の光導波路のみに挿入するために、第1の偏波制御回路アレイでは、多数の光導波路を複雑に引き回すとともに交差導波路1318を6個用いることにより、4個の偏波合分波回路1302と8個の方向性結合器1306を接続している。
【0016】
同様に、第2の偏波制御回路アレイを構成する1/2波長板1314も、黒塗り部分が示すように連続して隣接する複数本(この例では4本)の光導波路に挿入される通常のものである。従って、1/2波長板1314を所望の光導波路のみに挿入するために、第2の偏波制御回路アレイでは、多数の光導波路を複雑に引き回すとともに交差導波路1318を28個用いることにより、8個の方向性結合器1312と8個の偏波合分波回路1316を接続している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示したように、通常の1/2波長板1304,1314 を所望の光導波路のみに挿入する必要があることから、以下のような課題があった。
(1)複雑な光導波路の引き回しが必要であり、回路サイズの増大を招いていた。
(2)交差導波路1318が必要であり、過剰損失の増大を招いていた。
(3)光が通る経路によって交差導波路1318の数が異なるため、交差損失(交差導波路による過剰損失)の光経路依存性が生じていた。
【0018】
交差損失の光経路依存性について、図14を用いて具体的に説明する。図14の回路構成は図13と全く同じである。ここで、第1の偏波制御回路アレイの最上段の偏波合分波回路1302から第2の偏波制御回路アレイの最上段の偏波合分波回路1316へ至る2つの経路A、Bを考える。経路Aは最上段のMZI型LN変調器を通る光経路であり、経路Bは上から5段目のMZI型LN変調器を通る光経路である。また、例えば、基板にLiNbO3のZカット、光導波路としてTi拡散光導波路を用い、交差角度を40度とした場合、交差角1個当たり、0.2dBの交差損失が発生するものとする。
【0019】
従って、経路Aの交差損失は交差導波路がないから0dBとなり、経路Bの交差損失は交差導波路1318が10個あるから2.0dBとなり、過剰損失の光経路依存性が生じる。この構成の場合、経路A、Bによる交差損失の差2.0dBはそのままPDLとなるため、非常に問題となる。
【0020】
本発明の目的は、光導波路の複雑な引き回しと交差導波路を削減でき、小型で低損失な偏波制御回路アレイを実現すること、並びに、この偏波制御回路アレイを用いた小型で低損失な偏波無依存の光回路を実現することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記課題を解決する偏波制御回路アレイであり、2個以上の偏波合分波回路と、1枚以上の櫛歯状1/2波長板とを備え、前記櫛歯状1/2波長板が前記偏波合分波回路の入力光導波路または出力光導波路のいずれかに、光学が基板に対して45度傾いて挿入されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、入力した光を全て同一で単一な偏波に変換することができる。また、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0022】
第2の発明は、上記課題を解決する光回路であり、第1の偏波制御回路アレイ、第2の偏波制御回路アレイおよび偏波依存性のある光強度制御回路アレイを備える光回路において、前記第1の偏波制御回路アレイと、前記光強度制御回路アレイと、前記第2の偏波制御回路アレイとが順に接続され、かつ、配置されており、前記第1および第2の偏波制御回路アレイが第1の発明の偏波制御回路アレイであることを特徴とする。
第2の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路、例えば偏波無依存の導波路型光増幅器アレイ、偏波無依存光変調器アレイ、偏波無依存光減衰器アレイが実現できる。また、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0023】
第3の発明は、上記課題を解決する光回路であり、第1の偏波制御回路アレイ、第2の偏波制御回路アレイおよび偏波依存性のある光位相制御回路アレイを備える光回路において、前記第1の偏波制御回路アレイと、前記光位相制御回路アレイと、前記第2の偏波制御回路アレイとが順に接続され、かつ、配置されており、前記第1および第2の偏波制御回路アレイが第3の発明の偏波制御回路アレイであることを特徴とする。
第3の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路、例えば偏波無依存光スイッチアレイ、偏波無依存光変調器アレイ、偏波無依存光減衰器アレイが実現できる。また、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0024】
第4の発明は、上記課題を解決する光回路であり、順に接続されかつ配置された、第1の光回路群、第2の光回路群および第3の光回路群を備え、前記第1の光回路群は、第1の光結合回路アレイと、第1の偏波制御回路アレイとが順に接続されたものであり、前記第2の光回路群は、前記第1の光回路群の出力光導波路に接続される、前記出力光導波路と同数の入出力光導波路と、前記入出力光導波路に装荷した光の位相を変化させるための位相シフト回路とから構成された光位相制御回路アレイであり、前記第3の光回路群は、第2の偏波制御回路アレイと、第2の光結合回路アレイとが順に接続されたものであり、前記第1および第2の偏波制御回路アレイが第1の発明の偏波制御回路アレイであることを特徴とする。
第4の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路、例えば偏波無依存光スイッチアレイ、偏波無依存光変調器アレイ、偏波無依存光減衰器アレイが実現できる。また、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0025】
第5の発明は、上記課題を解決する光回路であり、順に接続されかつ配置された、第1の光回路群、第2の光回路群および第3の光回路群を備え、前記第1の光回路群は、第1の偏波制御回路アレイと、第1の光結合回路アレイとが順に接続されたものであり、前記第2の光回路群は、前記第1の光回路群の出力光導波路に接続される、前記出力光導波路と同数の入出力光導波路と、前記入出力光導波路に装荷した光の位相を変化させるための位相シフト回路とから構成された光位相制御回路アレイであり、前記第3の光回路群は、第2の光結合回路アレイと、第2の偏波制御回路アレイとが順に接続されたものであり、前記第1および第2の偏波制御回路アレイが第1の発明の偏波制御回路アレイであることを特徴とする。
第5の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路、例えば偏波無依存光スイッチアレイ、偏波無依存光変調器アレイ、偏波無依存光減衰器アレイが実現できる。また、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0026】
第6の発明は、第5の発明において、前記第1の偏波制御回路アレイを構成する偏波合分波回路の数が前記第1の光結合回路アレイを構成する光結合回路の数より少なく、前記第2の偏波制御回路アレイを構成する偏波合分波回路の数が前記第2の光結合回路アレイを構成する光結合回路の数より少ないことを特徴とする光回路である。
第6の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路が実現できる。また、回路サイズがより小型化できる。更に、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0027】
第7の発明は、第4の発明において、前記第3の光回路群に代えて、前記第2の光回路群の出力側に反射面を備えたことを特徴とする光回路である。
第7の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路が実現できる。また、回路サイズがより小型化できるとともに、高効率な光位相制御が可能になる。更に、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0028】
第8の発明は、第5または第6の発明において、前記第3の光回路群に代えて、前記第2の光回路群の出力側に反射面を備えたことを特徴とする光回路である。
第8の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路が実現できる。また、回路サイズがより小型化できるとともに、高効率な光位相制御が可能になる。更に、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0029】
第9の発明は、第4または第7の発明において、個々の光回路群がそれぞれ異なる基板上に配置され、基板同士が端面で突き合わされて光回路群間の光導波路同士が光結合されてることを特徴とする光回路である。
第9の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路が実現できる。また、光回路作製の歩留まりが良くなる。更に、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0030】
第10の発明は、第5または第6または第8の発明において、個々の光回路群がそれぞれ異なる基板上に配置され、基板同士が端面で突き合わされて光回路群間の光導波路同士が光結合されてることを特徴とする光回路である。
第10の発明によれば、光導波路の引き回しと、交差導波路を削減することができ、小型で低損失な偏波無依存光回路が実現できる。また、光回路作製の歩留まりが良くなる。更に、過剰損失の光経路依存性を低減することができる。
【0031】
ここで、光位相制御回路アレイとしては、位相制御に電気光学効果を利用したものや、熱光学効果を利用したものなどを用いることができる。電気光学効果を利用する場合は、光導波路としてニオブ酸リチウム系光導波路など電気光学効果の大きい材料を用いて作製すると良い。熱光学効果を利用する場合は、電気光学効果の大きい光導波路に限らず、石英系光導波路やプラスチック系光導波路など種種の光導波路を用いて作製することができる。
また、個々の光回路群を異なる基板上に配置して端面接続する場合、基板は同種のものであっても、異種のものであってもかまわない。光結合回路アレイと偏波制御回路アレイを含む光回路群をシリコン基板上に形成される石英系光導波路で作製した場合は、外部光ファイバとの接続に適し、また、櫛歯状1/2波長板挿入用の溝形成が容易である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の偏波制御回路アレイおよびそれを用いた光回路を説明する。
【0033】
[第1の実施例]
図1に、本発明の第1の実施例として、偏波制御回路アレイの構成を示す。本実施例の偏波制御回路アレイは4連であり、4個の偏波合分波回路102a-102d と、1枚の櫛歯状1/2波長板103 を用いて構成されている。櫛歯状1/2波長板103 は、偏波合分波回路102a-102d の出力光導波路104a,104c,104e,104g に、主軸が光導波路に対して45度傾いて、挿入されている。
【0034】
この偏波制御回路アレイでは、回路を配置する基板として平面シリコン基板を用い、入力光導波路101a-101h や出力光導波路104a-104h など偏波制御回路アレイの構成に必要な光導波路として、石英系光導波路を用いている。
【0035】
入力光導波路101a-101h はもとより、8本の出力光導波路104a-104h は図1より分かるように、交差せず、また、引き回されていない。本例では図示の如く、これらの光導波路は全て直線的に配置され、平行である。
【0036】
4個の偏波合分波回路102a-102d はそれぞれ、入力光導波路101a-101h から入力した光をTE偏波とTM偏波に分離し、出力光導波路104a-104h に出力する。
【0037】
本実施例では、偏波合分波回路102aは出力光導波路104aにTE偏波を、出力光導波路104bにTM偏波を出力し、偏波合分波回路102bは出力光導波路104cにTE偏波を、出力光導波路104dにTM偏波を出力し、偏波合分波回路102cは出力光導波路104eにTE偏波を、出力光導波路104fにTM偏波を出力し、偏波合分波回路102dは出力光導波路104gにTE偏波を、出力光導波路104hにTM偏波を出力するものとする。
【0038】
1/2波長板103 は、8本の出力光導波路104a-104h が上述の如く交差せず、引き回しされてないことから、そのうち所望の出力光導波路に挿入するために、通常のものとは異なり、櫛歯状になっている。具体的には、平行な8本の出力光導波路104a-104h のうち、1本おきの出力光導波路104a,104c,104e,104g に挿入できるように、出力光導波路104a-104h の間隔と幅に合わせて櫛歯状に形成してある。櫛歯状1/2波長板103 の4ヵ所の黒塗り部分が出力光導波路104a,104c,104e,104g に挿入した部分(歯の部分)である。
【0039】
櫛歯状1/2波長板103 の挿入に際し、加工の便のため、8本の出力光導波路104a-104h 全てを一直線に分断する溝1を作製し、この溝1のうち、1本おきの出力光導波路104a,104c,104e,104g に対応する部分に、櫛歯状1/2波長板103 を挿入している。図2に櫛歯状1/2波長板103 の挿入部分を拡大して示す。図2中、符号28は櫛歯状1/2波長板の光学主軸を表している。
【0040】
櫛歯状1/2波長板103 は機械的には回路が配置されている平面(基板)に対して垂直に溝1に挿入されているが、光学的には出力光導波路104a,104c,104e,104g に対して、櫛歯状1/2波長板103 の光学主軸28が45度傾いた状態で挿入される。一般には、光導波路が基板平面と平行に作製されることから、櫛歯状1/2波長板103 は光学主軸28を基板(平面)に対して45度傾けて挿入される。
【0041】
ここで、図1に示した偏波制御回路アレイにおける光信号の流れを説明する。例えば、入力光導波路101aに入力した光は偏波合分波回路102aに入射し、TE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する出力光導波路104aには櫛歯状1/2波長板103 が光学主軸を45度傾けて挿入されているため、櫛歯状1/2波長板103 が光をTE偏波からTM偏波に変換する。TM偏波の光が伝搬する出力光導波路104bには櫛歯状1/2波長板103 が挿入されていため、光の偏波はTM偏波のまま変わらない。その結果、2つの出力光導波路104a,104b からは全て、TM偏波の光が出射する。同様に、入力光導波路101bに光が入力した場合は2つの出力光導波路104c,104d から全てTM偏波の光が、入力光導波路101cに光が入力した場合は2つの出力光導波路104e, 104fから全てTM偏波の光が、入力光導波路101dに光が入力した場合は2つの出力光導波路104g,104h から全てTM偏波の光が、それぞれ出射する。従って、本実施例の偏波制御回路アレイでは、入力した光を全て同一の偏波(TM偏波)に変換して出射することができる。
【0042】
偏波制御回路アレイを、櫛歯状1/2波長板103 を用いて図1に示した構成とすることにより、下記▲1▼▲2▼に挙げる作用がある。
▲1▼交差導波路を削減できる。
▲2▼光導波路の複雑な引き回しを解消できる。
【0043】
その結果、下記(1)(2)(3) に挙げる効果がある。
(1) 交差損失(交差導波路による過剰損失)を低減できる。
(2) 交差損失に起因した、損失の光経路依存性を解消できる。
(3) 回路サイズを低減できる
【0044】
本実施例では入力した光を全てTM偏波に変換しているが、櫛歯状1/2波長板103 を出力光導波路104b,104d,104f,104h に挿入すれば、入力した光を全てTE偏波に変換して出射することができる。
【0045】
また、本実施例では4連の偏波制御回路アレイを説明しているが、同様な2連以上の偏波制御回路アレイにおいても、上記と同様な効果が得られる。
【0046】
また、本実施例では櫛歯状1/2波長板103 を1枚用いているが、2枚以上の櫛歯状1/2波長板を並べて用いても良い。櫛歯状1/2波長板を複数枚用いる方法は、偏波制御回路アレイが多連で出力光導波路の本数が多い場合など、1枚では櫛歯状1/2波長板の幅が長くなりすぎる場合に有用であり、複数枚の櫛歯状1/2波長板を光導波路の分断方向に並べると良い。
【0047】
更に、溝1のうち櫛歯状1/2波長板103 が挿入されていない部分(白抜き部分)は、損失低減のために光導波路とほぼ同等の屈折率を持つ接着剤で埋めてある。損失が小さい場合は、溝が開いたままでも良い。
【0048】
また、本実施例では加工の簡単のために溝1を全て出力光導波路104a-104h を分断して作製したが、櫛歯状1/2波長板103 が挿入される光導波路のみに溝を作製しても良い。
【0049】
[第2の実施例]
図3に、本発明の第2の実施例として、偏波無依存導波路型光増幅器アレイの構成を示す。本実施例の導波路型光増幅器アレイは4連であり、4連の偏波制御回路アレイ(第1の偏波制御回路アレイ)2と、8連の光強度制御回路アレイ(強度変調回路アレイ)3と、4連の偏波制御回路アレイ(第2の偏波制御回路アレイ)4を用いて構成されている。この導波路型光増幅器アレイでも、回路を配置する基板として平面シリコン基板を用い、入力光導波路301a-301d や出力光導波路307a-307d など偏波制御回路アレイの構成に必要な光導波路として、石英系光導波路を用いている。
【0050】
この導波路型光増幅器アレイは、偏波制御回路アレイ2と、光強度制御回路アレイ3と、偏波制御回路アレイ4を順次接続し、配置することで構成されている。本実施例では、これら偏波制御回路アレイ2、光強度制御回路アレイ3及び偏波制御回路アレイ4を異なる基板上に個別に作製した後、PLC−PLC基板接続により同一平面状に作製している。
【0051】
偏波制御回路アレイ2は4個の偏波合分波回路302a-302d と1枚の櫛歯状1/2波長板303 を用い、4個の偏波合分波回路302a-302d の出力光導波路に、櫛歯状1/2波長板303 をその光学主軸を基板(光導波路)に対して45度傾けて挿入したものであり、図1に示した偏波制御回路アレイと同様に構成されている。即ち、図1中の4個の偏波合分波回路102a-102d 、偏波合分波回路102a-102d の8本の出力光導波路104a-104h 、1枚の櫛歯状1/2波長板103 がそれぞれ、図3中の4個の偏波合分波回路302a-302d 、1枚の櫛歯状1/2波長板303 、偏波合分波回路302a-302d の8本の出力光導波路(符号はないが、光強度制御回路アレイ3の入力側に接続される光導波路)に相当する。
【0052】
本例では、偏波制御回路アレイ2は入力した任意偏波の光を全て直交する2つの偏波(例えばTM偏波とTE偏波)に分波し、その後同一の偏波、例えばTM偏波に変換するものとする。
【0053】
偏波制御回路アレイ4は1枚の櫛歯状1/2波長板305 と4個の偏波合分波回路306a-306d を用いて構成され、櫛歯状1/2波長板305 は4個の偏波合分波回路302a-302d の入力光導波路に、その光学主軸を光導波路に対して45度傾けて挿入されている。この偏波制御回路アレイ4では、櫛歯状1/2波長板305 と偏波合分波回路306a-306d の配置順は逆であるが、偏波制御回路アレイ2や図1に示した偏波制御回路アレイと同様、出力光導波路307a-307d はもとより、偏波合分波回路306a-306d の8本の入力光導波路(符号はないが、光強度制御回路アレイ3の出力側に接続される光導波路)は交差せず、また、引き回されていない。本実施例でも、これらの光導波路は全て直線的に配置され、平行である。詳細は後述する。
【0054】
光強度制御回路アレイ3は、偏波制御回路アレイ2の出力光導波路及び偏波制御回路アレイ4の入力光導波路と同数の入出力光導波路と、半導体光増幅器(SOA)のアレイ素子をハイブリッド集積したものである。半導体光増幅器アレイ素子は8個の半導体光増幅器304a-304h を含み、個々の半導体光増幅器は個々の入出力光導波路に接続されている。
【0055】
光強度制御回路アレイ3の各半導体光増幅器は、偏波制御回路アレイ2で変換された同一偏波(本例ではTM偏波)の光強度を制御する。
【0056】
図4に、光強度制御回路アレイ3として、2個の4連半導体光増幅器アレイ素子5、6を用いてハイブリッド集積したPLC実装基板を拡大して示す。図4において、固定用のAuSn半田パターン7、8が形成されたSiテラス搭載部9を高さ基準として、2個の4連半導体光増幅器アレイ素子5、6が高密度にハイブリッド実装され、Siテラス搭載部9両側の8本の入力光導波路コア10及び8本の出力光導波路コア11と光結合されている。なお、12、13はそれぞれ、4連半導体光増幅器アレイ素子5、6駆動用の電極を示している。
【0057】
ここで、偏波制御回路アレイ4を詳細に説明する。1/2波長板305 は、上述した交差せず、引き回しされてない8本の入力光導波路のうち所望の光導波路に挿入するために、通常のものとは異なり、櫛歯状になっている。具体的には、平行な8本の入力光導波路のうち、1本おきの光導波路に挿入できるように、光導波路の間隔と幅に合わせて櫛歯状に形成してある。櫛歯状1/2波長板305 の4ヵ所の黒塗り部分が入力光導波路に挿入した部分(歯の部分)である。
【0058】
この櫛歯状1/2波長板305 の挿入に際しても、加工の便のため、8本の入力光導波路全てを一直線に分断する溝14を作製し、この溝14のうち、1本おきの光導波路に対応する部分に、櫛歯状1/2波長板305 を挿入している。この櫛歯状1/2波長板305 も機械的には基板に対して垂直に溝14に挿入されているが、光学的には光導波路に対して光学主軸が45度傾いた状態で挿入される。一般には、光導波路が基板平面と平行に作製されることから、櫛歯状1/2波長板305 は基板に対して光学主軸を45度傾けて挿入される。
【0059】
本実施例では、櫛歯状1/2波長板305 は半導体光増幅器304b,304d,304f,304h が出力する光をTM偏波からTE偏波に変換する。
【0060】
4個の偏波合分波回路306a-306d はそれぞれ、半導体光増幅器304a,304c,304e,304g から出力されたTM偏波の光と、これと対をなすTE偏波の光(半導体光増幅器304b,304d,304f,304h から出力され、かつ、櫛歯状1/2波長板305 でTM偏波からTE偏波へ変換された光)を合波して、出力光導波路307a-307d に出力する。
【0061】
ここで、図3に示した導波路型光増幅器アレイにおける光信号の流れを説明する。例えば、入力光導波路301aに入力した光は偏波合分波回路302aに入射し、TE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路には櫛歯状1/2波長板303 が挿入されているため、櫛歯状1/2波長板303 が光をTE偏波からTM偏波に変換する。TM偏波の光が伝搬する光導波路には櫛歯状1/2波長板303 が挿入されていないため、光の偏波はTM偏波のまま変わらない。その結果、2つの半導体光増幅器304a, 304bにはいずれもTM偏波が入射することとなり、2つの半導体光増幅器304a, 304bに同じ電流を与えることで、偏波依存のない全く同様な増幅効率が得られる。そして、増幅された光のうち、一方を櫛歯状1/2波長板305 でTE偏波に変換し、櫛歯状1/2波長板305 を通らない他方のTM偏波と偏波合分波回路306aで合成する。その結果、出力光導波路307aからは、偏波無依存に増幅された光が得られる。同様に、入力光導波路301bに光が入力した場合は出力光導波路307bから、入力光導波路301cに光が入力した場合は出力光導波路307cから、入力光導波路301dに光が入力した場合は出力光導波路307dから、それぞれ偏波無依存に増幅された光が得られる。
【0062】
このように偏波制御回路アレイ2を櫛歯状1/2波長板303 を用い、また、偏波制御回路アレイ4を櫛歯状1/2波長板305 を用いて、それぞれ図3に示した構成とすることにより、下記▲1▼〜▲5▼の作用効果がある。
▲1▼交差導波路を削減できる。
▲2▼光導波路の複雑な引き回しを解消できる。
▲3▼交差損失(交差導波路による過剰損失)を低減できる。
▲4▼交差損失に起因した、損失の光経路依存性を解消できる。
▲5▼回路サイズを低減できる
【0063】
また、導波路型光増幅器アレイ全体の効果として、下記(1) 〜(4) 等があり、非常に有用である。
(1) 光強度制御回路アレイ3あるいは半導体光増幅器アレイ素子5、6単体の増幅効率に大きな偏波依存性があったとしても、偏波制御回路アレイ2、4を用いた構成により、偏波無依存な光増幅が可能である。
(2) 偏波制御回路アレイ2を用いて、光強度制御回路アレイ3の増幅効率が最も良い偏波に入力光を全て変換することにより、高効率な光増幅が可能となる。
(3) 偏波制御回路アレイ2と、光強度制御回路アレイ3と、偏波制御回路アレイ4とを個別に作製することにより、歩留良く導波路型光増幅器アレイを作製することができる。
(4) 増幅の仕方によって、光強度の増大、減衰、変調など種々の偏波無依存光強度制御を実現できる。
【0064】
本実施例では4連の導波路型光増幅器アレイを説明しているが、同様な2連以上の導波路型光増幅器アレイにおいても、上記と同様な効果が得られる。
【0065】
また、本実施例では偏波制御回路アレイ2と、光強度制御回路アレイ3と、偏波制御回路アレイ4とを個別に作製した後に、それらの基板を端面接続しているが、同一基板上に偏波制御回路アレイ2、光強度制御回路アレイ3および偏波制御回路アレイ4を全て作製しても、櫛歯状1/2波長板303,305 を用いたことによる効果が同様に期待できる。この場合、歩留りの低下が考えられるが、端面接続による過剰損失を解消できるという利点がある。
【0066】
更に、本実施例では偏波制御回路アレイ4においても、偏波制御回路アレイ2と同様、溝14のうち櫛歯状1/2波長板305 が挿入されていない部分(白抜き部分)は、損失低減のために光導波路とほぼ同等の屈折率を持つ接着剤で埋めてある。損失が小さい場合は、溝が開いたままでも良い。
【0067】
また、加工の簡単のために溝14を全ての入力光導波路を分断して作製したが、櫛歯状1/2波長板305 が挿入される光導波路のみに溝を作製しても良い。
【0068】
また、本実施例では偏波制御回路アレイ4は櫛歯状1/2波長板305 が入力光導波路に挿入された4連のものであるが、同様な2連以上の偏波制御回路アレイを構成することができる。
【0069】
また、本実施例では偏波制御回路アレイ4に櫛歯状1/2波長板305 を1枚用いているが、2枚以上の櫛歯状1/2波長板を並べて用いても良い。櫛歯状1/2波長板を複数枚用いる方法は、偏波制御回路アレイが多連で入力光導波路の本数が多い場合など、1枚では櫛歯状1/2波長板の幅が長くなりすぎる場合に有用であり、複数枚の櫛歯状1/2波長板を光導波路の分断方向に並べると良い。
【0070】
更に、本実施例では偏波制御回路アレイ2により、入力した光を全てTM偏波に変換して光強度制御回路アレイ3に出射しているが、櫛歯状1/2波長板303 の挿入位置をずらすことで、入力した光を全てTE偏波に変換して光強度制御回路アレイ3に出射することができる。
【0071】
また、偏波制御回路アレイ4中の櫛歯状1/2波長板305 の挿入位置をずらすことで、半導体増幅器304a,304c,304e,304g の出力光をTM偏波からTE偏波に変換することができる。
【0072】
[第3の実施例]
図5に、本発明の第3の実施例として、偏波無依存光スイッチアレイの構成を示す。本実施例の光スイッチアレイは、4個の方向性結合回路(光結合回路)5A02,5B02,5A17,5B17 と、8個の偏波合分波回路5A05a,5A05b,5B05a,5B05b,5A14a,5A14b,5B14a,5B14b と、2枚の櫛歯状1/2波長板507,512 と、8連の光位相制御回路アレイ(詳細後述)を用いたものである。
【0073】
言い換えれば、本実施例の光スイッチアレイは、第1の光結合回路アレイ(5A02,5B02)と、第1の偏波制御回路アレイ(5A05a,5A05b,5B05a,5B05b,507)と、光位相制御回路アレイと、第2の偏波制御回路アレイ(512,5A14a,5A14b,5B14a,5B14b)と、第2の光結合回路アレイ(5A17,5B17)とを順次接続してなる、2×2光スイッチを2つ上下並列に並べた2連の2×2光スイッチアレイである。
【0074】
本実施例では、2連2×2光スイッチアレイの基板に、LiNbO3のZカットを用いている。また、入力光導波路5A01a,5A01b,5B01a,5B01b や出力光導波路5A18a,5A18b,5B18a,5B18b 、他の光導波路5A03a,5A03b,5B03a,5B03b,5A04a,5A04b,5B04a,5B04b,5A06a,5A06b,5A06c,5A06d,5B06a,5B06b,5B06c,5B06d,5A08a,5A08b,5A08c,5A08d,5B08a,5B08b,5B08c,5B08d,5A09a,5A09b,5A09c,5A09d,5B09a,5B09b,5B09c,5B09d,5A13a,5A13b,5A13c,5A13d,5B13a,5B13b,5B13c,5B13d,5A15a,5A15b,5B15a,5B15b,5A16a,5A16b,5B16a,5B16b として、Ti拡散光導波路を用いている。
【0075】
本実施例の光位相制御回路アレイは、位相シフト回路として、信号電極配線5A11a,5A11b,5A11c,5A11d,5B11a,5B11b,5B11c,5B11d 及びグランド電極配線5A10a,5A10b,5A10c,5A10d,5B10a,5B10b,5B10c,5B10d を装荷したものである。
【0076】
図6を参照して、光位相制御回路アレイの構成を説明する。図6は図5中の線分A1−A2の断面図であり、光位相制御回路アレイの断面構造を示している。即ち、第1の偏波制御回路アレイと第2の偏波制御回路アレイ間を接続する各光導波路5A08a,5A08b,5A08c,5A08d,5B08a,5B08b,5B08c,5B08d は、その上部にバッファ層を介在して、位相制御を行うための電気信号を導波する信号電極5A11a,5A11b,5A11c,5A11d,5B11a,5B11b,5B11c,5B11d を装荷しており、位相制御を行う光位相制御回路としての役割を果たしている。グランド電極配線5A10a,5A10b,5A10c,5A10d,5B10a,5B10b,5B10c,5B10d は各信号電極の脇に装荷されている。
【0077】
第1の偏波制御回路アレイは、4個の偏波合分波回路5A05a,5A05b,5B05a,5B05b と光位相制御回路アレイとの間にて、偏波合分波回路5A05a,5A05b,5B05a,5B05b の出力導波路に櫛歯状1/2波長板507 を挿入することで、図3に示した偏波制御回路アレイ2と同様に構成されている。即ち、図3中の4個の偏波合分波回路302a-302d 、これら偏波合分波回路302a-302d の8本の出力光導波路、1枚の櫛歯状1/2波長板303 がそれぞれ、図5中の4個の偏波合分波回路5A05a,5A05b,5B05a,5B05b 、これら偏波合分波回路の8本の出力光導波路5A06a,5A06b,5A06c,5A06d,5B06a,5B06b,5B06c,5B06d 、1枚の櫛歯状1/2波長板507 に相当する。櫛歯状1/2波長板507 は、偏波合分波回路の8本の出力光導波路5A06a,5A06b,5A06c,5A06d,5B06a,5B06b,5B06c,5B06d のうち、1本おきに、4本の出力光導波路5A06b,5A06d,5B06b,5B06d に、光学主軸を基板に対して45度傾けて挿入されている。
【0078】
本実施例では、第1の偏波制御回路アレイは入力した任意偏波の光を全て直交する2つの偏波(例えばTM偏波とTE偏波)に分波し、その後同一の偏波、例えばTM偏波に変換するものとする。
【0079】
また、第2の偏波制御回路アレイは、光位相制御回路アレイと4個の偏波合分波回路5A14a,5A14b,5B14a,5B14b との間にて、偏波合分波回路5A14a,5A14b,5B14a,5B14b の入力導波路に櫛歯状1/2波長板512 を挿入することで、図3に示した偏波制御回路アレイ4と同様に構成されている。即ち、図3中の4個の偏波合分波回路306a-306d 、これら偏波合分波回路306a-306d の8本の入力光導波路、1枚の櫛歯状1/2波長板305 がそれぞれ、図5中の4個の偏波合分波回路5A14a,5A14b,5B14a,5B14b 、これら偏波合分波回路の8本の入力光導波路5A13a,5A13b,5A13c,5A13d,5B13a,5B13b,5B13c,5B13d 、1枚の櫛歯状1/2波長板512 に相当する。櫛歯状1/2波長板512 は偏波合分波回路の8本の入力光導波路5A13a,5A13b,5A13c,5A13d,5B13a,5B13b,5B13c,5B13d のうち、1本おきに、4本の入力光導波路5A13a,5A13c,5B13a,5B13c に、光学主軸を基板に対して45度傾けて挿入されている。
【0080】
第2の偏波制御回路アレイは、第1の偏波制御回路アレイで変換されていない方のTM偏波を全てTE偏波に変換するものとする。
【0081】
第1、第2いずれの偏波制御回路アレイにおいても、櫛歯状1/2波長板507,512 を用いてるため、光導波路は交差せず、また、引き回されていない。光導波路は全て直線的に配置され、平行である。
【0082】
ここで、図5に示した光スイッチアレイにおける光信号の流れと動作原理を説明する。例えば上段の2×2光スイッチにおいて、入力光導波路5A01a に入力した光は方向性結合回路5A02で光導波路5A03a,5A03b に等分配し、光導波路5A04a,5A04b に至る。光導波路5A04a,5A04b を伝搬する光は偏波合分波回路5A05a,5A05b に入射し、それぞれにてTE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路5A06b,5A06d には光学主軸を45度傾けて櫛歯状1/2波長板507 が挿入されており、TE偏波からTM偏波へ変換する。位相制御を行うための光導波路5A08a-5A08d では、全てTM偏波が伝搬する。これらのTM偏波が光導波路5A08a-5A08d から光導波路5A09a-5A09d を経て伝搬する光導波路5A13a-5A13d のうち、光導波路5A13a,5A13c には光学主軸を45度傾けた櫛歯状1/2波長板512 が挿入されており、伝搬するTM偏波をTE偏波へ変換する。この櫛歯状1/2波長板512 を通った光(TE偏波)と通らない光(光導波路5A13b,5A13d を伝搬するTM偏波)とを偏波合分波回路5A14a,5A14b で偏波合成し、更に、方向性結合回路5A17で合波する。その際、光導波路5A15a,5A15b を導波する光間に半波長分の位相差が与えられた場合は、光は方向性結合回路5A17から出力光導波路5A18a へ伝搬する。光導波路5A15a,5A15b を導波する光間に位相差が与えられない場合は、光は方向性結合回路5A17から出力光導波路5A18b へ伝搬する。即ち、光位相制御回路アレイで所望の位相差を与えることで、光スイッチが実現する。入力光導波路5A01b に光が入力した場合、下段の2×2光スイッチの入力光導波路5B01a,5B01b に光が入力した場合も同様である。
【0083】
次に、光位相制御回路アレイにおいて位相差を与える方法について、図6を参照して説明する。図6において、光導波路5A08a,5A08b 上部の信号電極5A11a,5A11b に+Vを、光導波路5A08c,5A08d 上部の信号電極5A11c,5A11d に−Vの電圧を印加する。このとき、光導波路5A08a-5A08d には図中Z方向に電界が生じ、LiNbO3の持つ電気光学効果によって、光導波路5A08a と5A08c 、そして光導波路5A08b と5A08d を伝搬した光にはそれぞれ位相差が生じる。この位相差は、印加電圧の調整により、半波長分の位相差にしたり、位相差無しにしたり、任意の値にできる。光導波路5B08a,5B08b 上部の信号電極5B11a,5B11b 、光導波路5B08c,5B08d 上部の信号電極5B11c,5B11d に電圧を印加する場合も同様である。
【0084】
次に、偏波無依存化の機構を説明する。LiNbO3のZカットにおける電気光学効果は、TE偏波とTM偏波で大きく異なっている。そこで、光を偏波合分波回路によってTE偏波とTM偏波に分離し、更にTE偏波のみを1/2波長板を用いてTM偏波へ変換し、全てをTM偏波に変換しておく。その後、それぞれのTM偏波に対して個別に所望の位相制御を行う。これにより、同一で単一の偏波のみを個別に変調することになるため、変調後の光信号には偏波依存性が生じない。従って、偏波無依存光スイッチが得られる。
【0085】
ここで、第1、第2の偏波制御回路アレイに櫛歯状1/2波長板を用いることによる効果を説明する。
(1) 従来の1/2波長板を用いて偏波無依存光スイッチアレイを構成しようとした場合、1/2波長板を挿入する光導波路と挿入しない光導波路とをそれぞれまとめる必要があるから、光導波路を引き回し、交差導波路が必須のものとなっていた。例えば、本実施例の光導波路(LiNbO3のZカット基板とTi拡散光導波路)を用いて交差角40度の交差導波路を作製した場合、1ポイント(1交差角)当たり0.2dBの過剰損失が発生する。この交差導波路の数はアレイ数が多くなるのにつれて増大する。
(2) しかしながら、櫛歯状1/2波長板507,512 を用いることによって、交差導波路を削減でき、交差導波路に起因した過剰損失の増大を解消できる。
(3) また、光導波路の引き回しによる交差導波路を除去できるため、交差損失の光経路依存性を解消できる。
(4) 更に、光導波路の引き回しが必要なくなり、回路サイズの縮小が可能となる。例えば、本例の2連2×2光スイッチアレイにおいては、従来用いられている通常の1/2波長板を用いた構成よりも、回路長を1mm程度削減することができた。
【0086】
このように、本実施例の偏波無依存2連2×2光スイッチアレイは、交差導波路が1つもないため、非常に低損失である等の利点がある。
【0087】
本実施例では2連光スイッチアレイを説明したが、同様の構成の光スイッチ単体もしくは3連以上の光スイッチアレイにおいても、同様の効果が得られる。
【0088】
また、本実施例では大きな電気光学効果を有する光導波路として、ニオブ酸リチウム系光導波路を用いているが、その他、KTa1-xNbxO3またはK1-yLiyTa1-xNbxO3を始めとした、他の多元系酸化物結晶を用いた光導波路であっても、全く同様の効果を得ることができる。
【0089】
更に、本実施例では光位相制御回路アレイにおいて位相を変化させるために電気光学効果を用いたが、その他、熱光学効果を用いても位相を変化させることが可能である。この場合、位相シフト回路として、光導波路に熱を与えるためのヒータと、このヒータに電流を流すための配線を用いることで、熱光学効果を利用した光スイッチが実現する。このような熱光学型光スイッチにおいても、偏波依存性を有している。従って、本実施例と同様な櫛歯状1/2波長板を用いた構成の熱光学型光スイッチアレイを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、有用である。なお、熱光学型光スイッチアレイの場合は、光導波路はニオブ酸リチウム系光導波路に限定されず、石英ガラスに代表される多成分系光導波路や、プラスチック光導波路といった、熱光学効果を有する光導波路においても、本発明を適用することができる。
【0090】
[第4の実施例]
図7に、本発明の第4の実施例として、別の偏波無依存光スイッチアレイの構成を示す。本実施例の光スイッチアレイは、8個の方向性結合回路(光結合回路)7A06a,7A06b,7B06a,7B06b,7A11a,7A11b,7B11a,7B11b と、8個の偏波合分波回路7A02a,7A02b,7B02a,7B02b,7A15a,7A15b,7B15a,7B15b と、2枚の櫛歯状1/2波長板704,713 と、8連の光位相制御回路アレイ(詳細後述)を用いたものである。
【0091】
言い換えれば、本実施例の光スイッチアレイは、第1の偏波制御回路アレイ(7A02a,7A02b,7B02a,7B02b,704)と、第1の光結合回路アレイ(7A06a,7A06b,7B06a,7B06b)と、光位相制御回路アレイと、第2の光結合回路(7A11a,7A11b,7B11a,7B11b)と、第2の偏波制御回路アレイ(713,7A15a,7A15b,7B15a,7B15b)とを順次接続してなる、2×2光スイッチを2つ上下並列に並べた2連の2×2光スイッチアレイである。
【0092】
本実施例では、2連2×2光スイッチアレイの基板にLiNbO3のZカットを用いている。また、入力光導波路7A01a,7A01b,7B01a,7B01b や出力光導波路7A16a,7A16b,7B16a,7B16b 、他の光導波路7A03a,7A03b,7A03c,7A03d,7B03a,7B03b,7B03c,7B03d,7A05a,7A05b,7A05c,7A05d,7B05a,7B05b,7B05c,7B05d,7A07a,7A07b,7A07c,7A07d,7B07a,7B07b,7B07c,7B07d,7A10a,7A10b,7A10c,7A10d,7B10a,7B10b,7B10c,7B10d,7A12a,7A12b,7A12c,7A12d,7B12a,7B12b,7B12c,7B12d,7A14a,7A14b,7A14c,7A14d,7B14a,7B14b,7B14c,7B14d として、Ti拡散光導波路を用いている。
【0093】
本実施例の光位相制御回路アレイは、位相シフト回路として、図5と同様、信号電極配線7A09a,7A09b,7A09c,7A09d,7B09a,7B09b,7B09c,7B09d 及びグランド電極配線7A08a,7A08b,7A08c,7A08d,7B08a,7B08b,7B08c,7B08d を装荷している。
【0094】
従って、光位相制御回路アレイの構成は図5と類似である。しかし、本実施例では、第1の光結合回路アレイ(7A06a,7A06b,7B06a,7B06b) と第2の光結合回路アレイ(7A11a,7A11b,7B11a,7B11b) 間を接続する各光導波路7A07a,7A07b,7A07c,7A07d,7B07a,7B07b,7B07c,7B07d が、その上部に、位相制御を行うための電気信号を導波する信号電極7A09a,7A09b,7A09c,7A09d,7B09a,7B09b,7B09c,7B09d を装荷しており、位相制御を行う光位相制御回路としての役割を果たしている。グランド電極7A08a,7A08b,7A08c,7A08d,7B08a,7B08b,7B08c,7B08d は各信号電極の脇に装荷されている。
【0095】
なお、方向性結合回路7A06a,7A11a とその間の光導波路7A07a,7A10a,7A07b,7A10b および信号電極7A09a,7A09b との組み合わせ、方向性結合回路7A06b,7A11b とその間の光導波路7A07c,7A10d,7A07c,7A10d および信号電極7A09c,7A09d との組み合わせ、方向性結合回路7B06a,7B11a とその間の光導波路7B07a,7B10a,7B07b,7B10b および信号電極7B09a,7B09b との組み合わせ、方向性結合回路7B06b,7B11b とその間の光導波路7B07c,7B10c,7B07d,7B10d および信号電極7B09c,7B09d との組み合わせは、それぞれ、電気光学効果を用いたマッハツェンダー干渉計スイッチとして動作する。
【0096】
第1の偏波制御回路アレイは、4個の偏波合分波回路7A02a,7A02b,7B02a,7B02b と第1の光結合回路アレイ(7A06a,7A06b,7B06a,7B06b) との間にて、偏波合分波回路7A02a,7A02b,7B02a,7B02b の出力光導波路に櫛歯状1/2波長板704 を挿入することで、構成している。この櫛歯状1/2波長板704 は、偏波合分波回路7A02a,7A02b,7B02a,7B02b の8本の出力光導波路7A03a,7A03b,7A03c,7A03d,7B03a,7B03b,7B03c,7B03d のうち、2本おきに2本ずつ、計4本の出力光導波路7A03c,7A03d,7B03c,7B03d に挿入されている。櫛歯状1/2波長板704 は偏波合分波回路7A02a,7A02b,7B02a,7B02b で分波された直交する2つの偏波(例えばTM偏波とTE偏波)を、同一の偏波例えばTM偏波に変換することとする。
【0097】
また、第2の偏波制御回路アレイは、第2の光結合回路アレイ(7A11a,7A11b,7B11a,7B11b) と4個の偏波合分波回路7A15a,7A15b,7B15a,7B15b との間にて、偏波合分波回路7A15a,7A15b,7B15a,7B15b の入力光導波路に櫛歯状1/2波長板713 を挿入することで、構成している。この櫛歯状1/2波長板713 は、偏波合分波回路の8本の入力光導波路7A14a,7A14b,7A14c,7A14d,7B14a,7B14b,7B14c,7B14d のうち、2本おきに2本ずつ、計4本の入力光導波路7A14a,7A14b,7B14a,7B14b に挿入されている。この櫛歯状1/2波長板713 は第1の偏波制御回路アレイで変換されていない方のTM偏波を全てTE偏波に変換するものとしている。
【0098】
櫛歯状1/2波長板704,713 はそれぞれ、8本全ての光導波路を分断して作製した溝に、光学主軸を基板(光導波路)に対し45度傾けて、挿入されている。溝のうち櫛歯状1/2波長板704,713 が挿入されていない部分(白抜き部分)は、損失低減のために光導波路とほぼ同等の屈折率を持つ製接着剤で埋めてある。但し、損失が小さい場合は、溝が開いたままでも良い。また、櫛歯状1/2波長板704,713 が挿入される光導波路7A03c,7A03d,7B03c,7B03d,7A14a,7A14b,7B14a,7B14b のみに溝を作製しても良い。
【0099】
ここで、図7に示した光スイッチアレイにおける光信号の流れを説明する。例えば上段の2×2光スイッチにおいて、入力光導波路7A01a に入力した光を偏波合分波回路7A02a でTE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路7A03c に光学主軸を45度傾けた櫛歯状1/2波長板704 が挿入されており、TE偏波からTM偏波へ変換する。偏波合分波回路7A02a で分離されたTM偏波を方向性結合器7A06a で光導波路7A07a,7A07b に等分配し、櫛歯状1/2波長板704 でTE偏波から変換されたTM偏波を方向性結合器7A06b で光導波路7A07c,7A07d に等分配する。これら4本の光導波路7A07a,7A07b,7A07c,7A07d は、上部に電気配線を装荷していて位相を変化させることが可能な光位相制御回路となっている。この光位相制御回路を導波した光は、光導波路7A10a,7A10b,7A10c,7A10d を導波し、方向性結合器7A11a,7A11b で合波する。その際、光導波路7A10a,7A10b 若しくは光導波路7A10c,7A10d を導波する光間に、半波長分の位相差が与えられた場合は、方向性結合回路7A11a,7A11b から光導波路7A12a もしくは光導波路7A12c へ光が伝搬し、位相差が与えられない場合は、光導波路7A12b もしくは光導波路7A12d へ光が伝搬する。そして、光導波路7A12a,7A12b には光学主軸を45度傾けた櫛歯状1/2波長板713 が挿入されており、伝搬するTM偏波をTE偏波へ変換する。この櫛歯状1/2波長板713 で偏波変換された(TE偏波)と偏波変換されない光(TM偏波)とを偏波合分波回路7A15a,7A15b で偏波合成し、出力光導波路7A16a,7A16b へ伝搬する。従って、光位相制御回路アレイにおいて位相シフト回路で所望の位相差を与えることで、光スイッチが実現する。入力光導波路7A01b に光が入力した場合、下段の2×2光スイッチの入力光導波路7B01a,7B01b に光が入力した場合も同様である。
【0100】
光位相制御回路アレイにおいて位相差を与える方法は、図6を参照して説明したものと同様である。
【0101】
ここで、偏波無依存化の機構を説明する。まず、光を偏波合分波回路によって第1のTE偏波と第1のTM偏波に分離し、第1のTE偏波を1/2波長板を用いて第2のTM偏波へ変換する。第1のTM偏波と第2のTM偏波を個別に、電気光学効果を用いた第1、第2のマッハツェンダー干渉計スイッチによってスイッチングする。このとき、入射光が同一で単一な偏波(TM偏波)であるため、位相シフト回路に所望の電気信号を与えることで、第1のマッハツェンダー干渉計スイッチと第2のマッハツェンダー干渉計スイッチは同様に動作する。そして、第1、第2のマッハツェンダー干渉計スイッチのうち、一方の出力光を第2のTE偏波に変換し、偏波合分波回路で他方の出力光(第2のTM偏波)と合波することで、偏波無依存なスイッチング特性が得られる。
【0102】
第1、第2の偏波制御回路アレイにて櫛歯状1/2波長板704,713 を用いることによる効果は、第3の実施例と同様であり、交差導波路を削減でき、交差導波路に起因した過剰損失の増大を解消でき、交差損失の光経路依存性を解消でき、回路サイズの縮小が可能となる。
【0103】
なお、本実施例では2連光スイッチアレイを説明したが、同様の構成の光スイッチ単体もしくは3連以上の光スイッチアレイにおいても、同様の効果が得られる。また、本実施例では大きな電気光学効果を有する光導波路として、ニオブ酸リチウム系光導波路を用いているが、その他、KTa1-xNbxO3またはK1-yLiyTa1-xNbxO3を始めとした、他の多元系酸化物結晶を用いた光導波路であっても、全く同様の効果を得ることができる。更に、本実施例では光位相制御回路アレイにおいて位相を変化させるために電気光学効果を用いたが、その他、熱光学効果を用いても位相を変化させることが可能である。この場合、位相シフト回路として、熱を与えるためのヒータと、このヒータに電流を流すための配線を用いることで、熱光学効果を利用した光スイッチが実現する。このような熱光学型光スイッチにおいても、偏波依存性を有している。従って、本実施例と同様な櫛歯状1/2波長板を用いた構成の熱光学型光スイッチアレイを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、有用である。なお、熱光学型光スイッチアレイの場合、光導波路はニオブ酸リチウム系光導波路に限定されず、石英ガラスに代表される多成分系光導波路、プラスチック光導波路といった、熱光学効果を有する光導波路においても、本発明を適用することができる。
【0104】
[第5の実施例]
図8に、本発明の第5の実施例として、偏波無依存光減衰器アレイの構成を示す。本実施例の光減衰器アレイは、8個の方向性結合回路(光結合回路)8A06a,8A06b,8B06a,8B06b,8A11a,8A11b,8B11a,8B11b と、4個の偏波合分波回路8A02,8B02,8A15,8B15 と、2枚の櫛歯状1/2波長板804,813 と、8連の光位相制御回路アレイ(詳細後述)を用いたものである。
【0105】
言い換えれば、本実施例の光減衰器アレイは、第1の偏波制御回路アレイ(8A02,8B02,804)と、第1の光結合回路アレイ(8A06a,8A06b,8B06a,8B06b)と、光位相制御回路アレイと、第2の光結合回路アレイ(8A11a,8A11b,8B11a,8B11b)と、第2の偏波制御回路アレイ(813,8A15,8B15)とを順次接続してなる、光減衰器を2つ上下並列に並べた2連光減衰器アレイである。
【0106】
従って、本実施例の光減衰器アレイは図7に示した光スイッチアレイと基本的に類似の構成であるが、第1の偏波制御回路アレイにおける偏波合分波回路8A02,8B02 の個数が第1の光結合回路アレイにおける方向性結合回路8A06a,8A06b,8B06a,8B06b の個数より少ない点と、第2の偏波制御回路アレイにおける偏波合分波回路8A15,8B15 の個数が第2の光結合回路アレイにおける方向性結合回路8A11a,8A11b,8B11a,8B11b の個数より少ない点が、図7に示した光スイッチアレイと相違する。
【0107】
本実施例では、2連光減衰器アレイの基板にLiNbO3のZカットを用いている。また、入力光導波路8A01,8B01 や出力光導波路8A16,8B16 、他の光導波路8A03a,8A03b,8B03a,8B03b,8A05a,8A05b,8B05a,8B05b,8A07a,8A07b,8B07a,8B07b,8A10a,8A10b,8B10a,8B10b,8A12a,8A12b,8B12a,8B12b,8A14a,8A14b,8B14a,8B14b として、Ti拡散光導波路を用いている。
【0108】
本実施例の光位相制御回路アレイは、位相シフト回路として、図5、図7と同様、信号電極配線8A09a,8A09b,8A09c,8A09d,8B09a,8B09b,8B09c,8B09d 及びグランド電極配線8A08a,8A08b,8A08c,8A08d,8B08a,8B08b,8B08c,8B08d を装荷している。
【0109】
また、方向性結合回路8A06a,8A11a とその間の光導波路8A07a,8A10a,8A07b,8A10b および信号電極8A09a,8A09b との組み合わせ、方向性結合回路8A06b,8A11b とその間の光導波路8A07c,8A10d,8A07c,8A10d および信号電極8A09c,8A09d との組み合わせ、方向性結合回路8B06a,8B11a とその間の光導波路8B07a,8B10a,8B07b,8B10b および信号電極8B09a,8B09b との組み合わせ、方向性結合回路8B06b,8B11b とその間の光導波路8B07c,8B10c,8B07d,8B10d および信号電極8B09c,8B09d との組み合わせはそれぞれ、電気光学効果を用いたマッハツェンダー干渉計光スイッチとして動作する。
【0110】
光位相制御回路アレイは図7と同様の構成であり、第1の方向性結合回路アレイ(8A06a,8A06b,8B06a,8B06b) と第2の方向性結合回路アレイ(8A11a,8A11b,8B11a,8B11b) 間を接続する各光導波路8A07a,8A07b,8A07c,8A07d,8B07a,8B07b,8B07c,8B07d が、その上部に、位相制御を行うための電気信号を導波する信号電極8A09a,8A09b,8A09c,8A09d,8B09a,8B09b,8B09c,8B09d を装荷しており、位相制御を行う光位相制御回路としての役割を果たしている。グランド電極8A08a,8A08b,8A08c,8A08d,8B08a,8B08b,8B08c,8B08d は各信号電極の脇に装荷されている。
【0111】
第1の偏波制御回路アレイは、2個の偏波合分波回路8A02,8B02 と第1の光結合回路アレイ(8A06a,8A06b,8B06a,8B06b) との間ににて、偏波合分波回路8A02,8B02 の出力光導波路に櫛歯状1/2波長板804 を挿入することで、構成している。この櫛歯状1/2波長板804 は、偏波合分波回路の4本の出力光導波路8A03a,8A03b,8B03a,8B03b のうち、1本おきに、出力光導波路8A03b,8B03b に挿入されている。櫛歯状1/2波長板804 は偏波合分波回路8A02,8B02 で分波された直交する2つの偏波(例えばTM偏波とTE偏波)を、同一の偏波例えばTM偏波に変換するものとする。
【0112】
第2の偏波制御回路アレイは、第2の光結合回路アレイ(8A11a,8A11b,8B11a,8B11b) と2個の偏波合分波回路8A15,8B15 との間にで、偏波合分波回路8A15,8B15 の入力光導波路に櫛歯状1/2波長板813 を挿入することで、構成している。この櫛歯状1/2波長板813 は、偏波合分波回路の4本の入力光導波路8A14a,8A14b,8B14a,8B14b のうち、1本おきに、入力光導波路8A14a,8B14a に挿入されている。櫛歯状1/2波長板813 は第1側の偏波制御回路アレイで変換されていない方のTM偏波を全てTE偏波に変換するものとしている。
【0113】
櫛歯状1/2波長板804,813 はそれぞれ、4本全ての光導波路を分断して作製した溝に、光学主軸を基板(光導波路)に対し45度傾けて、挿入されている。溝のうち櫛歯状1/2波長板804,813 が挿入されていない部分(白抜き部分)は、損失低減のために光導波路とほぼ同等の屈折率を持つ接着剤で埋めてある。但し、損失が小さい場合は、溝が開いたままでも良い。また、櫛歯状1/2波長板804,813 が挿入される光導波路8A03b,8B03b,8A14a,8B14a のみに溝を作製しても良い。
【0114】
図8に示した光減衰器アレイおける光信号の流れは、第4の実施例と同様である。例えば、入力光導波路8A01に入力した光を偏波合分波回路8A02でTE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路8A03b に光学主軸を45度傾けた櫛歯状1/2波長板804 が挿入されており、TE偏波からTM偏波へ変換する。偏波合分波回路8A02で分離されたTM偏波を方向性結合器8A06a で光導波路8A07a,8A07b に等分配し、櫛歯状1/2波長板804 でTE偏波から変換されたTM偏波を方向性結合器8A06b で光導波路8A07c,8A07d に等分配する。これら4本の光導波路8A07a,8A07b,8A07c,8A07d は、上部に電気配線を装荷していて位相を変化させることが可能な光位相制御回路となっている。この光位相制御回路を導波した光は、光導波路8A10a,8A10b,8A10c,8A10d を導波し、方向性結合器8A11a,8A11b でそれぞれ合波する。その際、光導波路8A10a,8A10b もしくは光導波路8A10c,8A10d を導波する光間に、半波長分の位相差が与えられた場合は、方向性結合回路8A11a,8A11b から光導波路8A12a もしくは光導波路8A12b へ伝搬し、位相差が与えられない場合は、光導波路8A12a もしくは光導波路8A12b へ伝搬しない。そして、光導波路8A12a には光学主軸を45度傾けた櫛歯状1/2波長板813 が挿入されており、伝搬するTM偏波をTE偏波へ変換する。この櫛歯状1/2波長板813 で偏波変換された(TE偏波)と偏波変換されない光(TM偏波)とを偏波合分波回路8A15で偏波合成し、出力光導波路8A16へ伝搬する。従って、光位相制御回路アレイ(8A07a,8A07b,8A07c,8A07d)で所望の位相差を与えることで、出力光導波路8A16から出射する光を消光することができる。入力光導波路8B01に光が入力した場合も同様に、光位相制御回路アレイ(8B07a,8B07b,8B07c,8B07d)で所望の位相差を与えることで、出力光導波路8B16から出射する光を消光することができる。そして、光位相制御回路アレイ(8A07a,8A07b,8A07c,8A07d,8B07a,8B07b,8B07c,8B07d)で与える位相差を調整することで、出力光導波路8A16,8B16 から出射する光を所望の光強度に設定することができ、光減衰器アレイが実現する。
【0115】
光減衰器アレイは光強度設定の仕方によって、光強度の変調やオンオフ等の光強度制御を実現できる。
【0116】
光位相制御回路アレイにおいて位相差を与える方法は、図6を参照して説明したものと同様である。
【0117】
また、偏波無依存化の機構は、第4実施例と同様である。まず、光を偏波合分波回路によって第1のTE偏波と第1のTM偏波に分離し、第1のTE偏波を1/2波長板を用いて第2のTM偏波へ変換する。第1のTM偏波と第2のTM偏波を個別に、電気光学効果を用いた第1、第2のマッハツェンダー干渉計スイッチによってスイッチングする。このとき、入射光が同一で単一な偏波(TM偏波)であるため、位相制御回路に所望の電気信号を与えることで、第1のマッハツェンダー干渉計スイッチと第2のマッハツェンダー干渉計スイッチは同様に動作する。そして、第1、第2のマッハツェンダー干渉計スイッチのうち、一方の出力光を第2のTE偏波に変換し、偏波合分波回路で他方の出力光(第2のTM偏波)と合成することで、偏波無依存な光減衰特性が得られる。
【0118】
第1、第2の偏波制御回路アレイにて櫛歯状1/2波長板804,813 を用いることによる効果は、第4実施例と同様であり、交差導波路を削減でき、交差導波路に起因した過剰損失の増大を解消でき、交差損失の光経路依存性を解消でき、回路サイズの縮小が可能となる。
【0119】
なお、本実施例では2連光減衰器アレイを説明したが、同様の構成の光減衰器単体もしくは3連以上の光減衰器アレイにおいても、同様の効果が得られる。また、本実施例では大きな電気光学効果を有する光導波路として、ニオブ酸リチウム系光導波路を用いているが、その他、KTa1-xNbxO3またはK1-yLiyTa1-xNbxO3を始めとした、他の多元系酸化物結晶を用いた光導波路であっても、全く同様の効果を得ることができる。更に、本実施例では光位相制御回路アレイにおいて位相を変化させるために電気光学効果を用いたが、その他、熱光学効果を用いても位相を変化させることが可能である。この場合、位相シフト回路として、熱を与えるためのヒータと、このヒータに電流を流すための配線を用いることで、熱光学効果を利用した光スイッチが実現する。このような熱光学型光スイッチにおいても、偏波依存性を有している。従って、本実施例と同様な櫛歯状1/2波長板を用いた構成の熱光学型光スイッチアレイを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、有用である。熱光学型光スイッチアレイの場合、光導波路はニオブ酸リチウム系光導波路に限定されず、石英ガラスに代表される多成分系光導波路、プラスチック光導波路といった、熱光学効果を有する光導波路においても、本発明を適用することができる。
【0120】
本実施例の特徴は、光減衰器として用いることで、2×2光スイッチに比べて、それらを構成する回路数、特に偏波合分波回路の個数を削減できる点にある。即ち、下記(1)(2)等のメリットがある。
(1) 第3実施例や第4実施例の2×2光スイッチに比べ、回路数が少ないので、歩留良く光回路を作製できる。
(2) 第4実施例の2×2光スイッチに比べ、交差導波路が少ないので、より低損失な光回路を提供できる。
【0121】
[第6の実施例]
次に、本発明の第6の実施例として、偏波無依存光変調器アレイを説明する。本実施例の偏波無依存光変調器アレイは2連であり、その構成図は図5と同様である。また、この2連偏波無依存光変調器アレイの回路構成、光信号の流れ、偏波無依存の機構は、図5を参照して説明した第3実施例と同様であり、説明は省略する。
【0122】
本実施例の偏波無依存光変調器アレイの特徴は、図5中の線分B1−B2と線分B3−B4において分割される3個の光回路群15、16、17が、異種の異なる基板上に個別に作製された後、基板同士を端面で突き合わせて各光導波路同士を光結合することによって作製されている点である。
【0123】
第1の光回路群15は第1の光結合回路アレイ(5A02,5B02)と、第1の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路5A05a,5A05b,5B05a,5B05b および櫛歯状1/2波長板507)とを含み、第1の光結合回路アレイと第1の偏波制御回路アレイは順に接続されている。この第1の光回路群15には、シリコン基板上に形成した石英系光導波路を用いている。
【0124】
第2の光回路群16は光位相制御回路アレイであり、第1の光回路群15の出力光導波路5A06a,5A06b,5A06c,5A06d,5B06a,5B06b,5B06c,5B06d に接続される入出力光導波路(5A08a,5A09a),(5A08b,5A09b),(5A08c,5A09c),(5A08d,5A09d),(5B08a,5B09a),(5B08b,5B09b),(5B08c,5B09c),(5B08d,5B09d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路(5A11a,5A11b,5A11c,5A11d,5B11a,5B11b,5B11c,5B11d) とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群15の出力光導波路と同数である。この第2の光回路群16には、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0125】
第3の光回路群17は第2の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路5A14a,5A14b,5B14a,5B14b および櫛歯状1/2波長板512 )と、第2の光結合回路アレイ(5A17,5B17)とを含み、第2の偏波制御回路アレイと第2の光結合回路アレイは順に接続されている。この第3の光回路群17には、第1の光回路群15と同様、シリコン基板上に形成した石英系光導波路を用いている。
【0126】
ここで、光導波路に関して詳細に述べ、基板接続の際の損失について説明する。
▲1▼石英系光導波路は、コアが方形でクラッド中に埋め込まれており、コアとクラッドとの比屈折率差が0.75%で、スポットサイズが半径3.6μmの光導波路を用いている。
▲2▼一方、LiNbO3基板上のTi拡散光導波路は、スポットサイズが半径3.6μmのものを用いている。
▲3▼このように、Ti拡散光導波路は石英系光導波路のスポットサイズに非常に近いため、低損失で結合が可能である。
▲4▼また、基板同士を端面で突き合わせて一括接続するため、結合損失に対する位置ずれトレランスも大きい。
▲5▼そこで、端面にARコートを施してフレネル反射を除去した後、端面結合したところ、結合損失として平均0.2dBという極めて低損失な値が得られ、損失バラツキも0.1dB以内に収まった。
【0127】
この端面接続の方法は、信頼性も含めて十分な実績があるPLC基板と光ファイバアレイとを接続する方法と技術的に等しいため、同じく十分な信頼性を有すると予想される。
【0128】
次に、櫛歯状1/2波長板507,512 を偏波制御回路アレイに用いることによる効果を以下に示す。
【0129】
なお、櫛歯状1/2波長板の効果を説明するために、図11に、櫛歯状1/2波長板の代わりに通常の1/2波長板を用いて同様の2連光変調器アレイを作製した場合の構成を示す。
【0130】
図11中の符号で、 1101a-1101dは入力光導波路、 1102a-1102bと1109a-1109b は方向性結合回路(三角マーク)、 1103a-1103dと1108a-1108d は偏波合分波回路(楕円マーク)、1104と1107は通常の1/2波長板、1105は信号電極、1106はグランド電極、 1110a-1110dは出力光導波路、1111は交差導波路(丸マーク)を表す。簡単のため、他の光導波路の符号は省略する。また、経路A、Bは最上段の2個の偏波合分波回路1103a,1108a 間の2つの光経路であり、経路Aは交差導波路が存在せず、経路Bは途中に交差導波路1111が存在するものを表す。
【0131】
図11に示すように、櫛歯状でない従来の1/2波長板1104,1107 を用いて偏波無依存光変調器アレイを作製しようとした場合、1/2波長板1104,1107 を挿入する光導波路と挿入しない光導波路とをまとめる必要から、交差導波路1111が必須なものとなっていた。例えば、本実施例のような石英系光導波路を用いても、交差角40度の交差導波路1111を作製した場合、1ポイント当たり0.2dBの交差損失が生じる。なお、交差角40度というのは、交差損失が最小となる値を示す。従って、通常の1/2波長板1104,1107 を用いて本実施例と同様の2連光変調器アレイを構成した場合、図11に示す通り、多数の交差導波路1110が必要となり、最大1.2dBもの交差損失が発生する。
【0132】
一方、本実施例においては、基板接続による過剰損失(両端で0.4dB)は増加するものの、櫛歯状の1/2波長板507,512(図5参照)を用いているので交差損失がないため、過剰損失を十分抑えることが可能になった。
【0133】
また、櫛歯状の1/2波長板507,512 を用いているので、光導波路の引き回しによる交差導波路を除去できるため、交差損失の光経路依存性を解消できる。
【0134】
通常の1/2波長板を用いた場合、図11に示すように、経路Aと経路Bでは交差導波路1111による過剰損失が大きく異なる。経路Aでは過剰損失0dB、経路Bでは過剰損失1,2dBとなる。そして、この経路間の過剰損失の不整合によって、前段の方向性結合回路1102a-1102b によって分岐比50%に等分配したとしても、結果的に分岐比が大きくずれることになってしまい、光変調器としての消光比の劣化を引き起こす。
【0135】
しかし、本実施例のような櫛歯状の1/2波長板507,512 を用いた構成とすることで、交差導波路による過剰損失(交差損失)が除去されるため、交差損失の光経路依存性も解消される。従って、交差損失の光経路依存性による光変調器の特性劣化を抑制することが可能となった。
【0136】
更に、光導波路の引き回しが必要なくなり、回路サイズの縮小が可能となる。例えば、本実施例においては、通常の1/2波長板を用いた従来の構成よりも、回路長を1mm程度削減することができた。
【0137】
なお、本実施例では2連光変調器アレイを説明したが、同様の構成の光変調器単体もしくは3連以上の光変調器アレイにおいても、同様の効果が得られる。また、本実施例では大きな電気光学効果を有する光導波路として、ニオブ酸リチウム系光導波路を用いているが、その他、KTa1-xNbxO3またはK1-yLiyTa1-xNbxO3を始めとした、他の多元系酸化物結晶を用いた光導波路であっても、全く同様の効果を得ることができる。更に、本実施例では光位相制御回路アレイにおいて位相を変化させるために電気光学効果を用いたが、その他、熱光学効果を用いても位相を変化させることが可能である。この場合、位相シフト回路として、熱を与えるためのヒータと、このヒータに電流を流すための配線を用いることで、熱光学効果を利用した光変調器が実現する。しかし、このような熱光学型光変調器においても、偏波依存性を有している。従って、本実施例と同様な櫛歯状1/2波長板を用いた構成の熱光学型光変調器アレイを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、有用である。熱光学型光変調器アレイの場合、光導波路はニオブ酸リチウム系光導波路に限定されず、石英ガラスに代表される多成分系光導波路、プラスチック光導波路といった、熱光学効果を有する光導波路においても、本発明を適用することができる。
【0138】
本実施例では第1の光結合回路アレイおよび第1の偏波制御回路アレイを含む第1の光回路群15にシリコン基板とその上に形成された石英系光導波路を用い、光位相制御回路アレイを含む第2の光回路群16にZカットLiNbO3基板とその上に形成されたTi拡散光導波路を用い、第2の偏波制御回路アレイおよび第1の光結合回路アレイを含む第3の光回路群17にシリコン基板とその上に形成された石英系光導波路を用いていることから、下記(1) 〜(3) 等の利点がある。
(1) LiNbO3基板上のTi拡散光導波路に比べ、シリコン基板上の石英系光導波路の方がはるかに溝加工(櫛歯状1/2波長板507,512 挿入用)が容易であり、偏波無依存光変調器アレイ作製の簡易化を図ることができる。
(2) 外部とのファイバ接続を行う必要がある第1、第3の光回路群15、17は石英系光導波路で作製されているため、低損失で、信頼性が高い接続が可能である。その理由は、石英系光導波路は通常用いられている光ファイバと同種の材料であるため相性が良く、また、モードフィールド径も光ファイバとほぼ同じであるため、低損失、高信頼性を有しているからである。
(3) 石英系光導波路はAWGのような低損失で大規模な回路が作製可能である。従って、第1、第3の光回路群15、17とAWGとを同一基板上に作製することで、波長セレクタやOADMのような高機能化が実現できる。
【0139】
[図7、図8への応用]
第6の実施例を図7に示した偏波無依存光スイッチアレイ、または、図8に示した偏波無依存光減衰器アレイに適用することができる。
【0140】
図7の偏波無依存光スイッチアレイに適用する場合は、図7中の線分C1−C2と線分C3−C4において分割される3個の光回路群18、19、20が、異種の異なる基板上に個別に作製された後、基板同士を端面で突き合わせて各光導波路同士を光結合することによって作製される。
【0141】
具体的には、第1の光回路群18は第1の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路7A02a,7A02b,7B02a,7B02b および櫛歯状1/2波長板704)と、第1の光結合回路アレイ(7A06a,7A06b,7B06a,7B06b)とを含み、第1の偏波制御回路アレイと第1の光結合回路アレイは順に接続されている。この第1の光回路群18には、シリコン基板上に形成した石英系光導波路を用いている。
【0142】
第2の光回路群19は光位相制御回路アレイであり、第1の光回路群18の出力光導波路に接続される入出力光導波路(7A07a,7A10a),(7A07b,7A10b),(7A07c,7A10c),(7A07d,7A10d),(7B07a,7B10a),(7B07b,7B10b),(7B07c,7B10c),(7B07d,7B10d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路(7A09a,7A09b,7A09c,7A09d,7B09a,7B09b,7B09c,7B09d) とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群18の出力光導波路と同数である。この第2の光回路群19には、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0143】
第3の光回路群20は第2の光結合回路アレイ(7A11a,7A11b,7B11a,7B11b)と、第2の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路7A15a,7A15b,7B15a,7B15b および櫛歯状1/2波長板713 )とを含み、第2の光結合回路アレイと第2の偏波制御回路アレイは順に接続されている。この第3の光回路群20には、第1の光回路群18と同様、シリコン基板上に形成した石英系光導波路を用いている。
【0144】
図8の偏波無依存光減衰器アレイに適用する場合は、図8中の線分D1−D2と線分D3−D4において分割される3個の光回路群21、22、23が、異種の異なる基板上に個別に作製された後、基板同士を端面で突き合わせて各光導波路同士を光結合することによって作製される。
【0145】
具体的には、第1の光回路群21は第1の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路8A02,8B02 および櫛歯状1/2波長板804)と、第1の光結合回路アレイ(8A06a,8A06b,8B06a,8B06b)とを含み、第1の偏波制御回路アレイと第1の光結合回路アレイは順に接続されている。この第1の光回路群21には、シリコン基板上に形成した石英系光導波路を用いている。
【0146】
第2の光回路群22は光位相制御回路アレイであり、第1の光回路群21の出力光導波路に接続される入出力光導波路(8A07a,8A10a),(8A07b,8A10b),(8A07c,8A10c),(8A07d,8A10d),(8B07a,8B10a),(8B07b,8B10b),(8B07c,8B10c),(8B07d,8B10d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路(8A09a,8A09b,8A09c,8A09d,8B09a,8B09b,8B09c,8B09d) とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群21の出力光導波路と同数である。この第2の光回路群22には、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0147】
第3の光回路群24は第2の光結合回路アレイ(8A11a,8A11b,8B11a,8B11b)と、第2の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路8A15,7B15 および櫛歯状1/2波長板813 )とを含み、第2の光結合回路アレイと第2の偏波制御回路アレイは順に接続されている。この第3の光回路群24には、第1の光回路群21と同様、シリコン基板上に形成した石英系光導波路を用いている。
【0148】
これら個別に作製した第1の光回路群18と第2の光回路群19と第3の光回路群20に端面接続を行って図7の偏波無依存光スイッチアレイを作製しても、また、個別に作製した第1の光回路群21と第2の光回路群22と第3の光回路群23に端面接続を行って図8の偏波無依存光減衰器アレイを作製しても、本実施例の説明から分かるように、十分小さな損失で接続が可能であるため、櫛歯状1/2波長板を用いる効果が十分期待でき、有効である。
【0149】
[第7の実施例]
次に、本発明の第7の実施例として、偏波無依存光スイッチアレイを説明する。本実施例の偏波無依存光スイッチアレイは2連であり、その構成図は図5と同様である。また、この2連偏波無依存光スイッチアレイの回路構成、光信号の流れ、偏波無依存の機構は、図5を参照して説明した第3実施例と同様であり、説明は省略する。
【0150】
本実施例の偏波無依存光変調器アレイの特徴は、図5中の線分B1−B2と線分B3−B4において分割される3個の光回路群15、16、17が、同種の異なる基板上に個別に作製された後、基板同士を端面で突き合わせて各光導波路同士を光結合することによって作製されている点である。
【0151】
第1の光回路群15は第1の光結合回路アレイ(5A02,5B02)と、第1の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路5A05a,5A05b,5B05a,5B05b および櫛歯状1/2波長板507)とを含み、第1の光結合回路アレイと第1の偏波制御回路アレイは順に接続されている。この第1の光回路群15には、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0152】
第2の光回路群16は光位相制御回路アレイであり、第1の光回路群15の出力光導波路5A06a,5A06b,5A06c,5A06d,5B06a,5B06b,5B06c,5B06d に接続される入出力光導波路(5A08a,5A09a),(5A08b,5A09b),(5A08c,5A09c),(5A08d,5A09d),(5B08a,5B09a),(5B08b,5B09b),(5B08c,5B09c),(5B08d,5B09d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路(5A11a,5A11b,5A11c,5A11d,5B11a,5B11b,5B11c,5B11d) とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群15の出力光導波路と同数である。この第2の光回路群16には、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0153】
第3の光回路群17は第2の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路5A14a,5A14b,5B14a,5B14b および櫛歯状1/2波長板512 )と、第2の光結合回路アレイ(5A17,5B17)とを含み、第2の偏波制御回路アレイと第2の光結合回路アレイは順に接続されている。この第3の光回路群17には、第1、第2の光回路群15、16と同様、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0154】
ここで、光導波路に関して詳細に述べ、基板接続の際の損失について説明する。
▲1▼LiNbO3基板上のTi拡散光導波路は、スポットサイズが半径3.6μmのものを用いている。
▲2▼端面にARコートを施してフレネル反射を除去した後、端面結合したところ、結合損失として平均0.1dBという極めて低損失な値が得られ、損失バラツキも0.1dB以内に収まった。
▲3▼基板同士を端面で突き合わせて一括接続するため、結合損失に対する位置ずれトレランスも大きい。
【0155】
この端面接続の方法は、信頼性も含めて十分な実績があるPLC基板と光ファイバアレイとを接続する方法と技術的に等しいため、同じく十分な信頼性を有すると予想される。
【0156】
次に、櫛歯状1/2波長板507,512 を偏波制御回路アレイに用いることによる効果を、図11の光回路と比較して、以下に示す。
(1) 図11に示すように、櫛歯状でない従来の1/2波長板1104,1107 を用いて偏波無依存光スイッチアレイを作製しようとした場合、1/2波長板1104,1107 を挿入する光導波路と挿入しない光導波路とをまとめる必要から、交差導波路1111が必須なものとなっていた。例えば、本実施例のようなLiNbO3基板上のTi拡散光導波路を用いても、交差角40度の交差導波路1111を作製した場合、1ポイント当たり0.2dBの交差損失が生じる。従って、通常の1/2波長板1104,1107 を用いて本実施例と同様の2連光スイッチアレイを構成した場合、図11に示す通り、多数の交差導波路1110が必要となり、最大1.2dBもの交差損失が発生する。
(2) 一方、本実施例においては、基板接続による過剰損失(両端で0.4dB)は増加するものの、櫛歯状の1/2波長板507,512(図5参照)を用いているので交差損失がないため、過剰損失を十分抑えることが可能になった。
(3) また、櫛歯状の1/2波長板507,512 を用いたので、光導波路の引き回しによる交差導波路を除去できるため、交差損失の光経路依存性を解消できる。
(4) 通常の1/2波長板を用いた場合、図11に示すように、経路Aと経路Bでは交差導波路1111による過剰損失が大きく異なる。経路Aでは過剰損失0dB、経路Bでは過剰損失1,2dBとなる。そして、この経路間の過剰損失の不整合によって、前段の方向性結合回路1102a-1102b によって分岐比50%に等分配したとしても、結果的に分岐比が大きくずれることになってしまい、光スイッチとしての消光比の劣化を引き起こす。
(5) しかし、本実施例のような櫛歯状の1/2波長板507,512 を用いた構成とすることで、交差導波路による過剰損失(交差損失)が除去されるため、交差損失の光経路依存性も解消される。従って、交差損失の光経路依存性による光スイッチの特性劣化を抑制することが可能となった。
(6) 更に、光導波路の引き回しが必要なくなり、回路サイズの縮小が可能となる。例えば、本実施例においては、通常の1/2波長板を用いた従来の構成よりも、回路長を1mm程度削減することができた。
【0157】
なお、本実施例では2連光スイッチアレイを説明したが、同様の構成の光スイッチ単体もしくは3連以上の光スイッチアレイにおいても、同様の効果が得られる。また、本実施例では大きな電気光学効果を有する光導波路として、ニオブ酸リチウム系光導波路を用いているが、その他、KTa1-xNbxO3またはK1-yLiyTa1-xNbxO3を始めとした、他の多元系酸化物結晶を用いた光導波路であっても、全く同様の効果を得ることができる。更に、本実施例では光位相制御回路アレイにおいて位相を変化させるために電気光学効果を用いたが、その他、熱光学効果を用いても位相を変化させることが可能である。この場合、位相シフト回路として、熱を与えるためのヒータと、このヒータに電流を流すための配線を用いることで、熱光学効果を利用した光スイッチが実現する。しかし、このような熱光学型光スイッチにおいても、偏波依存性を有している。従って、本実施例と同様な櫛歯状1/2波長板を用いた構成の熱光学型光スイッチアレイを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、有用である。熱光学型光スイッチアレイの場合、光導波路はニオブ酸リチウム系光導波路に限定されず、石英ガラスに代表される多成分系光導波路、プラスチック光導波路といった、熱光学効果を有する光導波路においても、本発明を適用することができる。
【0158】
本実施例では第1の光結合回路アレイおよび第1の偏波制御回路アレイを含む第1の光回路群15、光位相制御回路アレイを含む第2の光回路群16、第2の偏波制御回路アレイおよび第1の光結合回路アレイを含む第3の光回路群17ともに、ZカットLiNbO3基板とその上に形成されたTi拡散光導波路を用いていることから、十分小さな損失で接続が可能であるため、櫛歯状1/2波長板を用いる効果が十分期待できる。また、光回路群15、16、17を個別に作製した後に接続することにより、光スイッチアレイを歩留まり良く作製できる等の利点がある。
【0159】
[図7、図8への応用]
第8の実施例を図7に示した偏波無依存光スイッチアレイ、または、図8に示した偏波無依存光減衰器アレイに適用することができる。
【0160】
図7の偏波無依存光スイッチアレイに適用する場合は、図7中の線分C1−C2と線分C3−C4において分割される3個の光回路群18、19、20が、同種の異なる基板上に個別に作製した後、基板同士を端面で突き合わせて各光導波路同士を光結合することによって作製される。
【0161】
具体的には、第1の光回路群18は第1の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路7A02a,7A02b,7B02a,7B02b および櫛歯状1/2波長板704)と、第1の光結合回路アレイ(7A06a,7A06b,7B06a,7B06b)とを含み、第1の偏波制御回路アレイと第1の光結合回路アレイは順に接続されている。この第1の光回路群18には、ZカットLiNbO3基板とその上に形成されたTi拡散光導波路を用いている。
【0162】
第2の光回路群19は光位相制御回路アレイであり、第1の光回路群18の出力光導波路に接続される入出力光導波路(7A07a,7A10a),(7A07b,7A10b),(7A07c,7A10c),(7A07d,7A10d),(7B07a,7B10a),(7B07b,7B10b),(7B07c,7B10c),(7B07d,7B10d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路(7A09a,7A09b,7A09c,7A09d,7B09a,7B09b,7B09c,7B09d) とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群18の出力光導波路と同数である。この第2の光回路群19には、第1の光回路群18と同様、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0163】
第3の光回路群20は第2の光結合回路アレイ(7A11a,7A11b,7B11a,7B11b)と、第2の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路7A15a,7A15b,7B15a,7B15b および櫛歯状1/2波長板713 )とを含み、第2の光結合回路アレイと第2の偏波制御回路アレイは順に接続されている。この第3の光回路群20には、第1、第2の光回路群18、10と同様、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0164】
図8の偏波無依存光減衰器アレイに適用する場合は、図8中の線分D1−D2と線分D3−D4において分割される3個の光回路群21、22、23が、同種の異なる基板上に個別に作製された後、基板同士を端面で突き合わせて各光導波路同士を光結合することによって作製される。
【0165】
具体的には、第1の光回路群21は第1の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路8A02,8B02 および櫛歯状1/2波長板804)と、第1の光結合回路アレイ(8A06a,8A06b,8B06a,8B06b)とを含み、第1の偏波制御回路アレイと第1の光結合回路アレイは順に接続されている。この第1の光回路群21には、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0166】
第2の光回路群22は光位相制御回路アレイであり、第1の光回路群21の出力光導波路に接続される入出力光導波路(8A07a,8A10a),(8A07b,8A10b),(8A07c,8A10c),(8A07d,8A10d),(8B07a,8B10a),(8B07b,8B10b),(8B07c,8B10c),(8B07d,8B10d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路(8A09a,8A09b,8A09c,8A09d,8B09a,8B09b,8B09c,8B09d) とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群21の出力光導波路と同数である。この第2の光回路群22には、第1の光回路群21と同様、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0167】
第3の光回路群24は第2の光結合回路アレイ(8A11a,8A11b,8B11a,8B11b)と、第2の偏波制御回路アレイ(偏波合分波回路8A15,7B15 および櫛歯状1/2波長板813 )とを含み、第2の光結合回路アレイと第2の偏波制御回路アレイは順に接続されている。この第3の光回路群24には、第1、第2の光回路群21、22と同様、ZカットLiNbO3基板上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0168】
これら個別に作製した第1の光回路群18と第2の光回路群19と第3の光回路群20に端面接続を行って図7の偏波無依存光スイッチアレイを作製しても、また、個別に作製した第1の光回路群21と第2の光回路群22と第3の光回路群23に端面接続を行って図8の偏波無依存光減衰器アレイを作製しても、本実施例の説明から分かるように、光スイッチアレイを歩留まり良く作製できるという利点がある。また、十分小さな損失で接続が可能であるため、櫛歯状1/2波長板を用いる効果が十分期待でき、有効である。
【0169】
[第8の実施例]
図9に、本発明の第8の実施例として、偏波無依存光減衰器アレイの構成を示す。本実施例の光減衰器アレイは、図5を参照して説明した第6の実施例の偏波無依存光回路(光変調器アレイ)から、第3の光回路群17を削除し、その代わりに、第2の光回路群16の出力側に反射面を備えたものに相当する。
【0170】
即ち、本実施例の光減衰器アレイは、2個の方向性結合回路(光結合回路)9A02,9B02 と、4個の偏波合分波回路9A05a,9A05b,9B05a,9B05b と、1枚の櫛歯状1/2波長板907 と、8連の光位相制御回路アレイ(詳細後述)と、反射面912 を用い、これらを順次接続した光減衰器を2つ並列に並べた2連の偏波無依存光減衰器アレイである。櫛歯状1/2波長板907 は偏波合分波回路9A05a,9A05b,9B05a,9B05b と光位相制御回路アレイとの間で、1本おきの光導波路9A06b,9A06d,9B06b,9B06d に挿入される。
【0171】
2個の方向性結合回路(光結合回路)9A02,9B02 が第1の光結合回路アレイを構成し、4個の偏波合分波回路9A05a,9A05b,9B05a,9B05b と1枚の櫛歯状1/2波長板907 が第1の偏波制御回路アレイを構成し、これら第1の光結合回路アレイと第1の偏波制御回路アレイとが第1の光回路群24を構成している。第2の光回路群25は光位相制御回路アレイである。
【0172】
第1の光回路群24には、シリコン基板とその上に形成した石英系光導波路を用いている。つまり、第1の光結合回路アレイと第1の偏波制御回路アレイは同一のシリコン基板上に形成された石英系光導波路を用いて作製されている。
【0173】
第2の光回路群(光位相制御回路アレイ)25には、電気光学効果の大きいZカットLiNbO3基板とその上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0174】
反射面912 には、1枚の誘電体多層膜フィルタ(1.55μm帯全反射ミラー)を用いている。
【0175】
第1の光回路群24と第2の光回路群25は、異種の異なる基板(シリコン基板とZカットLiNbO3基板)上に個別に作製された後、基板同士を端面で突き合わせて接続して各光導波路同士を光結合することによって作製されている。
【0176】
反射面912 は、基板同士を端面接続の前もしくは後に、第2の光回路群25の出力側(光導波路9A09a,9A09b,9A09c,9A09d,9B09a,9B09b,9B09c,9B09d の端面)に、全反射するように接着されている。
【0177】
第2の光回路群25の光位相制御回路アレイについて説明すれば、第1の光回路群24の出力光導波路9A06a,9A06b,9A06c,9A06d,9B06a,9B06b,9B06c,9B06d に接続される入出力光導波路(9A08a,9A09a),(9A08b,9A09b),(9A08c,9A09c),(9A08d,9A09d),(9B08a,9B09a),(9B08b,9B09b),(9B08c,9B09c),(9B08d,9B09d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群24の出力光導波路と同数である。
【0178】
位相シフト回路としては、信号電極配線9A11a,9A11b,9A11c,9A11d,9B11a,9B11b,9B11c,9B11d 及びグランド電極配線9A10a,9A10b,9A10c,9A10d,9B10a,9B10b,9B10c,9B10d を装荷している。
【0179】
即ち、第2の光回路群25中の各光導波路9A08a,9A08b,9A08c,9A08d,9B08a,9B08b,9B08c,9B08d が、その上部や上面等に装荷した信号電極9A11a,9A11b,9A11c,9A11d,9B11a,9B11b,9B11c,9B11d を導波する位相制御を行うための電気信号により、位相制御を行う光位相制御回路としての役割を果たしている。グランド電極9A10a,9A10b,9A10c,9A10d,9B10a,9B10b,9B10c,9B10d は各信号電極の脇に装荷されている。
【0180】
光位相制御回路アレイにおいて位相差を与える方法は、図6を参照して説明したものと同様である。
【0181】
ここで、図9に示した光減衰器アレイにおける光信号の流れと動作原理を説明する。例えば上段の光減衰器において、入力光導波路9A01a に入力した光を方向性結合回路9A02で光導波路9A03a,9A03b に等分配し、光導波路9A04a,9A04b に伝搬する。光導波路9A04a,9A04b を伝搬する光を偏波合分波回路9A05a,9A05b それぞれでTE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路9A06b,9A06d には光学主軸を基板平面に対し45度傾けた櫛歯状1/2波長板907 が挿入されており、TE偏波からTM偏波へ変換する。位相制御を行うための光導波路9A08a-9A08d では、全てTM偏波が伝搬する。これらのTM偏波が光導波路9A08a-9A08d から光導波路9A09a-9A09d に伝搬する。光導波路9A09a-9A09d の端面には反射面912 が接着されており、伝搬してきた光(TM偏波)を全反射する。全反射した光は、前述した経路を逆にたどることになる。従って、光導波路9A08b,9A08d を戻る光は櫛歯状1/2波長板907 でTM偏波からTE偏波に変換され、それぞれ偏波合分波回路9A05a,9A05b で光導波路9A08a,9A08c を戻る光(TM偏波)と合成されて、偏波が復元する。ここで、反射面912 で折り返して光導波路9A08a,9A08c を導波する光、そして光導波路9A08b,9A08d を導波する光に、半波長分の位相差が与えられた場合は、元の入力光導波路9A01a が出力光導波路となり、方向性結合回路9A02から出力光導波路9A01a に光が伝搬する。位相差が与えられない場合は、方向性結合回路9A02から出力光導波路9A01b に光が伝搬する。即ち、光位相制御回路で所望の位相差を与えることで、光導波路9A01a から出射する光を消光することができる。更に、光位相制御回路で与える位相差を調整することで、光導波路9A01a から出射する光を所望の光強度に設定することができ、光減衰器として利用できる。
【0182】
下段の光減衰器においても同様であり、入力光導波路9B01a に入力した光を方向性結合回路9B02で光導波路9B03a,9B03b に等分配し、光導波路9B04a,9B04b に伝搬する。光導波路9B04a,9B04b を伝搬する光を偏波合分波回路9B05a,9B05b それぞれでTE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路9B06b,9B06d には光学主軸を基板平面に対し45度傾けた櫛歯状1/2波長板907 が挿入されており、TE偏波からTM偏波へ変換する。位相制御を行うための光導波路9B08a-9B08d では、全てTM偏波が伝搬する。これらのTM偏波が光導波路9B08a-9B08d から光導波路9B09a-9B09d に伝搬する。光導波路9B09a-9B09d の端面には反射面912 が接着されており、伝搬してきた光(TM偏波)を全反射する。全反射した光は、前述した経路を逆にたどることになる。
【0183】
偏波無依存化の機構、櫛歯状1/2波長板907 を用いた効果は、第3、第6の実施例と同様である。
【0184】
ここで、本実施例では、過剰損失は、端面接続で0.4dB、反射における損失が0.5dB、回路損失が2.0dBで、合計2.9dBであった。櫛歯状1/2波長板を用いず、また、反射させない場合の過剰損失は、交差損失1.2dB(最大)、回路損失が2.0dBで、合計3.2dBである。従って、本実施例の光回路が損失の上でも有効であることが分かる。
【0185】
以上より、本実施例の偏波無依存光減衰器アレイには、下記(1) 〜(3) 等の利点がある。
(1) 光を反射させることにより、光減衰器を構成する回路数を大幅に削減することができる。
(2) 光が往復して光位相制御回路を2回通過するので、高効率な位相制御が可能となる。
(3) 第1の光回路群24と第2の光回路群25を個別の基板に作製した後、端面接続をすることによって、歩留まり良く光減衰器を作製することができる。
【0186】
なお、本実施例では、基板を個別に作製した後に端面接続をしているが、同一基板上に第1の光回路群24と第2の光回路群25を作製しても、櫛歯状1/2波長板907 を用いたことによる効果は、同様に期待できる。その場合、歩留まりは落ちるものの、端面接続による過剰損失を解消できるという利点がある。
【0187】
本実施例では2連光減衰器アレイを説明したが、同様の構成の光減衰器単体もしくは3連以上の光減衰器レイにおいても、同様の効果が得られる。
【0188】
また、本実施例では大きな電気光学効果を有する光導波路として、ニオブ酸リチウム系光導波路を用いているが、その他、KTa1-xNbxO3またはK1-yLiyTa1-xNbxO3を始めとした、他の多元系酸化物結晶を用いた光導波路であっても、全く同様の効果を得ることができる。
【0189】
更に、本実施例では光位相制御回路アレイにおいて位相を変化させるために電気光学効果を用いたが、その他、熱光学効果を用いても位相を変化させることが可能である。この場合、位相シフト回路として、光導波路に熱を与えるためのヒータと、このヒータに電流を流すための配線を用いることで、熱光学効果を利用した光減衰器が実現する。このような熱光学型光減衰器においても、偏波依存性を有している。従って、本実施例と同様な櫛歯状1/2波長板を用いた構成の熱光学型光減衰器アレイを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、有用である。なお、熱光学型光減衰器アレイの場合は、光導波路はニオブ酸リチウム系光導波路に限定されず、石英ガラスに代表される多成分系光導波路や、プラスチック光導波路といった、熱光学効果を有する光導波路においても、本発明を適用することができる。
【0190】
[第9の実施例]
図10に、本発明の第9の実施例として、偏波無依存光減衰器アレイの構成を示す。本実施例の光減衰器アレイは、図8を参照して説明した第5の実施例の偏波無依存光回路(光減衰器アレイ)から、第3の光回路群23を削除し、その代わりに、第2の光回路群22の出力側に反射面を備えたものに相当する。
【0191】
即ち、本実施例の光減衰器アレイは、2個の偏波合分波回路10A02,10B02 と、4個の方向性結合回路(光結合回路)10A06a,10A06b,10B06a,10B06b と、1枚の櫛歯状1/2波長板1004と、8連の光位相制御回路アレイ(詳細後述)と、反射面1011を用い、これらを順次接続した光減衰器を2つ並列に並べた2連の偏波無依存光減衰器アレイである。櫛歯状1/2波長板1011は偏波合分波回路10A02,10B02 と方向性結合回路10A06a,10A06b,10B06a,10B06b との間で、1本おきの光導波路10A03b,10B03b に挿入される。
【0192】
2個の偏波合分波回路10A02,10B02 と1枚の櫛歯状1/2波長板1004が第1の偏波制御回路アレイを構成し、4個の方向性結合回路10A06a,10A06b,10B06a,10B06b が第1の光結合回路アレイを構成し、これら第1の偏波制御回路アレイと第1の光結合回路アレイとが第1の光回路群26を構成している。第2の光回路群27は光位相制御回路アレイである。
【0193】
第1の光回路群26には、シリコン基板とその上に形成した石英系光導波路を用いている。つまり、第1の光結合回路アレイと第1の偏波制御回路アレイは同一のシリコン基板上に形成された石英系光導波路を用いて作製されている。
【0194】
第2の光回路群(光位相制御回路アレイ)27には、電気光学効果の大きいZカットLiNbO3基板とその上に形成したTi拡散光導波路を用いている。
【0195】
反射面1011には、1枚の誘電体多層膜フィルタ(1.55μm帯全反射ミラー)を用いている。
【0196】
第1の光回路群26と第2の光回路群27は、異種の異なる基板(シリコン基板とZカットLiNbO3基板)上に個別に作製された後、基板同士を端面で突き合わせて接続して各光導波路同士を光結合することによって作製されている。
【0197】
反射面1011は、基板同士を端面接続の前もしくは後に、第2の光回路群27の出力側(光導波路10A10a,10A10b,10A10c,10A10d,10B10a,10B10b,10B10c,10B10d の端面)に、全反射するように接着されている。
【0198】
第2の光回路群27の光位相制御回路アレイについて説明すれば、第1の光回路群26の出力光導波路に接続される入出力光導波路(10A07a,10A10a),(10A07b,10A10b),(10A07c,10A10c),(10A07d,10A10d),(10B07a,10B10a),(10B07b,10B10b),(10B07c,10B10c),(10B07d,10B10d) と、これらの入出力光導波路に上部や上面等にて装荷される位相シフト回路とを含み、入出力光導波路は第1の光回路群26の出力光導波路と同数である。
【0199】
位相シフト回路としては、信号電極配線10A09a,10A09b,10A09c,10A09d,10B09a,10B09b,10B09c,10B09d 及びグランド電極配線10A08a,10A08b,10A08c,10A08d,10B08a,10B08b,10B08c,10B08d を装荷している。
【0200】
即ち、第2の光回路群27中の各光導波路10A07a,10A07b,10A07c,10A07d,10B07a,10B07b,10B07c,10B07d が、その上部にや上面等に装荷した信号電極10A09a,10A09b,10A09c,10A09d,10B09a,10B09b,10B09c,10B09d を導波する位相制御を行うための電気信号により、位相制御を行う光位相制御回路としての役割を果たしている。グランド電極10A08a,10A08b,10A08c,10A08d,10B08a,10B08b,10B08c,10B08d は各信号電極の脇に装荷されている。
【0201】
光位相制御回路アレイにおいて位相差を与える方法は、図6を参照して説明したものと同様である。
【0202】
ここで、図10に示した光減衰器アレイにおける光信号の流れと動作原理を説明する。例えば上段の光減衰器において、入力光導波路10A01 に入力した光を偏波合分波回路10A02 でTE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路10A03bには光学主軸を基板平面に対し45度傾けた櫛歯状1/2波長板1004が挿入されており、TE偏波からTM偏波へ変換する。これらの光を方向性結合回路10A06a,10A06b でそれぞれ光導波路10A07a,10A07b と光導波路10A07c,10A07d に等分配する。これら4本の光導波路10A07a-10A07d は、上部等に電気配線を装荷しており、位相を変化させることが可能な光位相制御回路となっている。この光位相制御回路を導波した光(TM偏波)は、光導波路10A10a,10A10b,10A10c,10A07d を伝搬し、これらの光導波路10A10a-10A07d の端面に接着された反射面1011によって全反射する。全反射した光は、前述した経路を逆にたどることになる。光導波路10A07a,10A07b を戻る光は方向性結合回路10A06aで結合され、光導波路10A05a,10A03a を経て偏波合分波回路10A02 に戻る。光導波路10A07c,10A07d を戻る光は方向性結合回路10A06bで結合され、光導波路10A05b,10A03b を伝搬する際に、櫛歯状1/2波長板1004でTM偏波からTE偏波に変換され、偏波合分波回路10A02 に戻る。これらの光は偏波合分波回路10A02 で合成されて、元の偏波に復元する。ここで、反射面1011で折り返して光導波路10A07a,10A07b を導波する光、そして光導波路10A07c,10A07d を導波する光に、半波長分の位相差が与えられた場合は、元の入力光導波路10A01 が出力光導波路となり、偏波合分波回路10A02 から出力光導波路10A01 に100%の光が導波する。位相差が与えられない場合は、偏波合分波回路10A02 から出力光導波路10A01 に光が導波しない。即ち、光位相制御回路で所望の位相差を与えることで、光導波路10A01 から出射する光を消光することができる。更に、光位相制御回路で与える位相差を調整することで、光導波路10A01 から出射する光を所望の光強度に設定することができ、光減衰器として利用できる。
【0203】
下段の光減衰器においても同様であり、入力光導波路10B01 に入力した光を偏波合分波回路10B02 でTE偏波とTM偏波に分離する。TE偏波の光が伝搬する光導波路10B03bには光学主軸を基板平面に対し45度傾けた櫛歯状1/2波長板1004が挿入されており、TE偏波からTM偏波へ変換する。これらの光を方向性結合回路10B06a,10B06b でそれぞれ光導波路10B07a,10B07b と光導波路10B07c,10B07d に等分配する。これら4本の光導波路10B07a-10B07d は、上部等に電気配線を装荷しており、位相を変化させることが可能な光位相制御回路となっている。この光位相制御回路を導波した光(TM偏波)は、光導波路10B10a,10B10b,10B10c,10B07d を伝搬し、これらの光導波路10B10a-10B07d の端面に接着された反射面1011によって全反射する。全反射した光は、前述した経路を逆にたどることになる。
【0204】
偏波無依存化の機構は、第4、第5の実施例と同様である。また、櫛歯状1/2波長板1004を用いた効果は、第4、第5の実施例と同様であり、交差導波路による光経路依存性の解消、回路サイズの低減等がある。
【0205】
以上より、本実施例の偏波無依存光減衰器アレイには、下記(1) 〜(3) 等の利点がある。
(1) 光を反射させることにより、光減衰器を構成する回路数を大幅に削減することができる。
(2) 光が往復して光位相制御回路を2回通過するので、高効率な位相制御が可能となる。
(3) 第1の光回路群26と第2の光回路群27を個別の基板に作製した後、端面接続をすることによって、歩留まり良く光減衰器を作製することができる。
【0206】
なお、本実施例では、基板を個別に作製した後に端面接続をしているが、同一基板上に第1の光回路群26と第2の光回路群27を作製しても、櫛歯状1/2波長板1004を用いたことによる効果は、同様に期待できる。その場合、歩留まりは落ちるものの。端面接続による過剰損失を解消できるという利点がある。
【0207】
本実施例では2連光減衰器アレイを説明したが、同様の構成の光減衰器単体もしくは3連以上の光減衰器レイにおいても、同様の効果が得られる。
【0208】
また、本実施例では大きな電気光学効果を有する光導波路として、ニオブ酸リチウム系光導波路を用いているが、その他、KTa1-xNbxO3またはK1-yLiyTa1-xNbxO3を始めとした、他の多元系酸化物結晶を用いた光導波路であっても、全く同様の効果を得ることができる。
【0209】
更に、本実施例では光位相制御回路アレイにおいて位相を変化させるために電気光学効果を用いたが、その他、熱光学効果を用いても位相を変化させることが可能である。この場合、位相シフト回路として、光導波路に熱を与えるためのヒータと、このヒータに電流を流すための配線を用いることで、熱光学効果を利用した光減衰器が実現する。このような熱光学型光減衰器においても、偏波依存性を有している。従って、本実施例と同様な櫛歯状1/2波長板を用いた構成の熱光学型光減衰器アレイを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、有用である。なお、熱光学型光減衰器アレイの場合は、光導波路はニオブ酸リチウム系光導波路に限定されず、石英ガラスに代表される多成分系光導波路や、プラスチック光導波路といった、熱光学効果を有する光導波路においても、本発明を適用することができる。
【0210】
【発明の効果】
以上の説明から判るように、本発明の偏波制御回路アレイおよびそれを用いた光回路によれば、櫛歯状1/2波長板で偏波変換を行うことから、交差導波路を削減することができるので、交差導波路によって生じる過剰損失(交差損失)を低減することができる。また、交差導波路によって生じる交差損失の光経路依存性を解消することができる。更に、光導波路の引き回しが必要なくなり、回路サイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての偏波制御回路アレイの構成図。
【図2】図1における櫛歯状1/2波長板の挿入部分を拡大して示す図。
【図3】本発明の第2の実施例としての導波路型光増幅器アレイの構成図。
【図4】図3における半導体光増幅器(SOA)をハイブリッド集積したPLC実装基板を示す図。
【図5】本発明の第3、第6、第7の実施例としての偏波無依存光スイッチアレイの構成を示す図。
【図6】図5の線分A1−A2の断面図。
【図7】本発明の第4の実施例としての偏波無依存光スイッチアレイの構成図。
【図8】本発明の第5の実施例としての偏波無依存光減衰器アレイの構成図。
【図9】本発明の第8の実施例としての偏波無依存光減衰器アレイの構成図。
【図10】本発明の第9の実施例としての偏波無依存光減衰器アレイの構成図。
【図11】第7の実施例に関連し、従来の1/2波長板を用いた場合の交差損失の光経路依存性を示す図。
【図12】従来の偏波無依存光変調器の構成図。
【図13】従来の偏波無依存光変調器をアレイ化した場合の構成図。
【図14】図13における交差損失の光経路依存性を説明する図。
【符号の説明】
1、14 櫛歯状1/2波長板挿入用の溝
2、4 偏波制御回路アレイ
3 光強度制御回路アレイ
5、6 4アレイ半導体光増幅器(SOA)素子
7、8 ハイブリッド実装用半田パタン
9 Siテラス搭載部
10、11 光導波路コア
12、13 4アレイ半導体光増幅器(SOA)素子駆動用電極
15、18、21、24、26 第1の光回路群
16、19、22、25、27 第2の光回路群
17、20、23 第3の光回路群
28 櫛歯状1/2波長板の光学主軸
103 、303 、305 、507 、512 、704 、713 、804 、813 、907 、1004 櫛歯状1/2波長板
101a-101h 、301a-301d 、5A01a-5A01b 、5B01a-5B01b 、7A01a-7A01b 、7B01a-7B01b 、9A01a-9A01b 、9B01a-9B01b 、10A01 、10B01 、1201a-1201b 入力光導波路
102a-102d 、302a-302d 、306a-306d 、5A05a-5A05b 、5B05a-5B05b 、5A14a-5A14b 、5B14a-5B14b 、7A02a-7A02b 、7B02a-7B02b 、7A15a-7A15b 、7B15a-7B15b 、8A02、8B02、8A15、8B15、9A05a-9A05b 、9B05a-9B05b 、10A02 、10B02 、1202、1216a-1216b 偏波合分波回路
104a-104h 、307a-307d 、5A18a-5A18b 、5B18a-5B18b 、7A16a-7A16b 、7B16a-7B16b 、8A16、8B16、1217a-1217b 出力光導波路
5A02、5B02、5A17、5B17、7A06a-7A06b 、7B06a-7B06b 、7A11a-7A11b 、7B11a-7B11b 、8A06a-8A06b 、8B06a-8B06b 、8A11a-8A11b 、8B11a-8B11b 、9A02、9B02、10A06a-10A06b 、10B06a-10B06b 、1206a-1206b 、1212a-1212b 光結合回路
912 、1011 反射面
1101、1318 交差導波路
1204、1214 通常の1/2波長板(従来)
Claims (10)
- 2個以上の偏波合分波回路と、1枚以上の櫛歯状1/2波長板とを備え、前記櫛歯状1/2波長板が前記偏波合分波回路の入力光導波路または出力光導波路のいずれかに、光学主軸が基板に対して45度傾いて挿入されていることを特徴とする偏波制御回路アレイ。
- 第1の偏波制御回路アレイ、第2の偏波制御回路アレイおよび偏波依存性のある光強度制御回路アレイを備える光回路において、
前記第1の偏波制御回路アレイと、前記光強度制御回路アレイと、前記第2の偏波制御回路アレイとが順に接続され、かつ、配置されており、
前記第1および第2の偏波制御回路アレイが請求項1記載の偏波制御回路アレイであることを特徴とする光回路。 - 第1の偏波制御回路アレイ、第2の偏波制御回路アレイおよび偏波依存性のある光位相制御回路アレイを備える光回路において、
前記第1の偏波制御回路アレイと、前記光位相制御回路アレイと、前記第2の偏波制御回路アレイとが順に接続され、かつ、配置されており、
前記第1および第2の偏波制御回路アレイが請求項1記載の偏波制御回路アレイであることを特徴とする光回路。 - 順に接続されかつ配置された、第1の光回路群、第2の光回路群および第3の光回路群を備え、
前記第1の光回路群は、第1の光結合回路アレイと、第1の偏波制御回路アレイとが順に接続されたものであり、
前記第2の光回路群は、前記第1の光回路群の出力光導波路に接続される、前記出力光導波路と同数の入出力光導波路と、前記入出力光導波路に装荷した光の位相を変化させるための位相シフト回路とから構成された光位相制御回路アレイであり、
前記第3の光回路群は、第2の偏波制御回路アレイと、第2の光結合回路アレイとが順に接続されたものであり、
前記第1および第2の偏波制御回路アレイが請求項1記載の偏波制御回路アレイであることを特徴とする光回路。 - 順に接続されかつ配置された、第1の光回路群、第2の光回路群および第3の光回路群を備え、
前記第1の光回路群は、第1の偏波制御回路アレイと、第1の光結合回路アレイとが順に接続されたものであり、
前記第2の光回路群は、前記第1の光回路群の出力光導波路に接続される、前記出力光導波路と同数の入出力光導波路と、前記入出力光導波路に装荷した光の位相を変化させるための位相シフト回路とから構成された光位相制御回路アレイであり、
前記第3の光回路群は、第2の光結合回路アレイと、第2の偏波制御回路アレイとが順に接続されたものであり、
前記第1および第2の偏波制御回路アレイが請求項1記載の偏波制御回路アレイであることを特徴とする光回路。 - 請求項5記載の光回路において、
前記第1の偏波制御回路アレイを構成する偏波合分波回路の数が前記第1の光結合回路アレイを構成する光結合回路の数より少なく、
前記第2の偏波制御回路アレイを構成する偏波合分波回路の数が前記第2の光結合回路アレイを構成する光結合回路の数より少ないことを特徴とする光回路。 - 請求項4記載の光回路において、
前記第3の光回路群に代えて、前記第2の光回路群の出力側に反射面を備えたことを特徴とする光回路。 - 請求項5または6記載の光回路において、
前記第3の光回路群に代えて、前記第2の光回路群の出力側に反射面を備えたことを特徴とする光回路。 - 請求項4または7記載の光回路において、
個々の光回路群がそれぞれ異なる基板上に配置され、基板同士が端面で突き合わされて光回路群間の光導波路同士が光結合されてることを特徴とする光回路。 - 請求項5または6または8記載の光回路において、
個々の光回路群がそれぞれ異なる基板上に配置され、基板同士が端面で突き合わされて光回路群間の光導波路同士が光結合されてることを特徴とする光回路。
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