JP3881448B2 - 電力増幅回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ信号用の電力増幅回路(パワーアンプ)を内蔵した半導体集積回路に係り、特に複数チャンネルのオーディオ信号を高い効率で増幅する高効率パワーアンプ(High Efficiency Power Amplifier )に関するもので、例えばカーステレオ装置に搭載されるモノリシックパワーアンプIC(集積回路)への応用に好適な電力増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用のラジオやカセットプレーヤなどのオーディオ装置に搭載されるパワーアンプは、通常、B級で動作、もしくはAB級ブリッジの回路形式で動作するものが多い。
【0003】
正弦波信号に対するB級アンプの効率(出力電力/電源からの入力電力)は、一般によく知られているように、出力が零の時の0%から、最大出力時の78. 5%(=π/4)まで変化するが、通常の楽音信号では、効率のかなり低い領域で使用される頻度が高い。B級アンプの効率が例えば20%である場合、音声出力の約5倍(100%÷20%)が消費電力としてアンプから熱放散されることを意味する。
【0004】
車載用のオーディオ装置に搭載されるパワーアンプICは、限られた空間に設置されることが多く、大きい放熱フィン等の放熱デバイスの設置が難しいほかに、高熱によるオーディオ装置の半導体デバイスの損傷や短寿命化などが問題になる。
【0005】
近年のように車載オーディオ装置の大パワー化、多チャンネル化、マルチメディア化が進んでくると、高効率で発熱の少ないパワーアンプシステムが一層望まれるようになってきている。
【0006】
オーディオ装置用のパワーアンプICとして、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)とするために、従来から種々の試みがなされてきた。即ち、高周波スイッチのPWM(パルス幅変調)方式によるD級、複数電源を信号レベルに応じて切り換えるG級[B. Murari, F. Bertotti, G.A. Vignola, "Smart Power ICs : Technologies and Applications ", New York: Springer, 1955(文献1)、pp.416〜419 参照]、信号レベルが大きい時に電源電位を一時的にリフトアップするH級[Philips Semiconductor, 40W Car Radio High Power Amplifier TDA1560Q DATA SHEET,1996, May 14. (文献2)]、更には、信号レベルに応じてブリッジとシングルを切り換えるSB級[(文献1)pp.419〜423 ]などの方式が考えられ、商品化されてきている。
【0007】
しかし、D級は約95%にも及ぶ高効率が得られる一方で、高周波スイッチングのキャリアを除去するための大きなLCローパスフィルタが必要となるほか、不要輻射を防止するための大きく重いシールドケースが必要となるなど、一般車載用としては致命的な欠点がある。
【0008】
G級は、楽音で通常のB級もしくはAB級アンプの2倍程度の効率向上が得られるが、複数の電源レールが必要となり、実質的に単一電源レールである車載用には向かない。
【0009】
H級は、G級と同様に2倍程度の効率向上が可能であるが、電源電位をリフトアップする為の追加パワーアンプと、複数の大容量コンデンサが必要となる欠点がある。
【0010】
SB級は、単一電源レールでG級と同等の効率アップが得られるメリットがあるが、双方向の高速パワースイッチや、切換えタイミングを合わせるための遅延回路などが新たに必要となるほか、逆相信号に対しては効率改善効果が見られない欠点がある。また、回路構成上2チャンネル毎のペアに限られ、3チャンネルやそれ以上の奇数チャンネル構成による効率改善効果を望むことは不可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、複数チャンネルのオーディオ信号を高い効率で増幅でき、高効率で発熱の少ないパワーアンプシステムを実現する上で好適なオーディオ信号用の電力増幅回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電力増幅回路は、電源電位が与えられる第1の電源ラインおよび接地電位が与えられる第2の電源ラインからなる一対の電源レールと、前記電源レール間の電源電圧を2分割した分圧電位を出力する電源分圧回路と、前記分圧電位が供給される中間電源ラインと、第1および第2の出力ブリッジ回路を有する第1のBTLアンプと、第3および第4の出力ブリッジ回路を有する第2のBTLアンプと、前記第1のBTLアンプの出力バイアス電位として前記分圧電位より低くかつ前記接地電位より高い第1の中間電位を設定し、前記第2のBTLアンプの出力バイアス電位として前記分圧電位より高くかつ前記電源電位より低い第2の中間電位を設定するバイアス設定回路と、前記第1のBTLアンプの無信号入力時および小信号入力時には、前記第1および第2の出力ブリッジ回路を前記中間電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続し、前記第1のBTLアンプの大信号入力時には、前記第1および第2の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続するように前記第1および第2の出力ブリッジ回路の接続先の電圧を切り換える第1の切換回路と、前記第2のBTLアンプの無信号入力時および小信号入力時には、前記第3および第4の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記中間電源ラインとの間に接続し、前記第2のBTLアンプの大信号入力時には、前記第3および第4の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続するように前記第3および第4の出力ブリッジ回路の接続先の電圧を切り換える第2の切換回路とを具備することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の高効率パワーアンプに係る2段縦積みアンプの基本構成を示す回路図である。
【0015】
図1に示す2段縦積みアンプは、それぞれ出力段トランジスタがブリッジ接続された出力ブリッジ回路を有するBTL(ブリッジ接続負荷;Bridge Tied Loadまたは平衡トランスレス;Balanced Transless)型の2つのアンプを具備する。
【0016】
この場合、上記2つのBTLアンプは、相関が比較的高いオーディオ信号、たとえばカーステレオの左チャンネルの信号と右チャンネルの信号が入力されるものであり、本例では、第1のBTLアンプ11にBチャンネル(ch.B)を割り当て、第2のBTLアンプ12にAチャンネル(ch.A)を割り当てている。
【0017】
そして、上記2つのBTLアンプは、各出力ブリッジ回路が電源レール間にスタック(縦積み)接続される、あるいは、各出力ブリッジ回路が電源レール間にそれぞれ独立に接続されるように切換え接続される。
【0018】
即ち、図1において、1は電源電位Vccが与えられる電源ライン(Vccライン)、2は接地電位GNDが与えられる電源ライン(接地ライン、GNDライン)であり、これらは電源レールを形成している。
【0019】
3は中間電源ライン、4は電源分圧回路であり、電源分圧回路4により前記電源レール間の電源電圧を2分割(例では均等に分割)して生成した分圧電位が中間電源ライン3に与えられる。
【0020】
そして、電源分圧回路4による電圧分割数と同数のBTLアンプ(図面中、下側の第1のBTLアンプ11と上側の第2のBTLアンプ12)が設けられる。
【0021】
切換回路SW1〜SW4は、前記各BTLアンプの各出力ブリッジ回路に対応して設けられており、対応するBTLアンプの出力電圧のレベルの増大に応じて各出力ブリッジ回路の動作電源電圧が段階的に大きくなるように、各出力ブリッジ回路の接続先の電源ラインを実質的に切り換えるように構成されている。
【0022】
この場合、対応するBTLアンプの出力電圧のレベルが中間電源ライン3を基準にした閾値を越えた時に、対応するBTLアンプの出力ブリッジ回路の下側 (低電位側)の出力段トランジスタまたは上側(高電位側)の出力段トランジスタを前記閾値を越えた側の1段隣りの電位を持つ電源ラインに切り換え接続するように切り換える。この切り換えは、信号の瞬時レベルに応じて、リアルタイムに行われる。
【0023】
本例の切換回路SW1〜SW4は、各BTLアンプの無信号時および小信号時には、第2のBTLアンプ12の出力ブリッジ回路をVccライン1と中間電源ライン3との間に接続し、第1のBTLアンプ11の出力ブリッジ回路を中間電源ライン3とGNDライン2との間に接続する。この場合、中間電源ライン3は、2つのBTLアンプに共通に使用されている。
【0024】
これに対して、各BTLアンプの大信号時には、第2のBTLアンプ12および第1のBTLアンプ11の各出力ブリッジ回路をそれぞれ電源レール間に接続するように切り換える。
【0025】
なお、前記電源分圧回路4は、電源レール間に2個の抵抗素子Ra 、Rb が直列に接続された抵抗分圧回路と、この抵抗分圧回路の分圧ノードからバイアスが与えられ、出力段にプッシュプル型のエミッタフォロア回路を有するバッファ回路Bufとからなる。上記エミッタフォロア回路は、電源レール間に接続されており、その出力ノードに中間電源ライン3が接続されている。
【0026】
さらに、前記第1のBTLアンプ11の一対の出力ノードのDCバイアス電位として、GNDライン2の電位より高く、かつ、中間電源ライン3の電位(Vcc/2)より低い第2の中間電圧(例えばVcc/2とGNDとの間のほぼ中点であるVcc/4)を設定し、前記第2のBTLアンプ12の一対の出力ノードのDC(直流)バイアス電位として、中間電源ライン3の電位(Vcc/2)より高く、かつ、Vccライン1の電位より低い第1の中間電圧(例えばVcc/2とVccとの間のほぼ中点である3Vcc/4)を設定するためのバイアス設定回路(図示せず)が設けられている。
【0027】
また、前記各BTLアンプの差動出力信号波形を対応する入力信号波形と比例させ、各BTLアンプの瞬時差動利得を略一定に維持するための回路(図示せず)が設けられている。
【0028】
以上の構成はパワーアンプ用ICに内蔵されており、第2のBTLアンプ12の一対の出力ノードN1 、N2 に接続されている一対の外部端子(図示せず)間にスピーカ(SP-1)の駆動コイルが負荷回路RL-1として外付け接続され、第1のBTLアンプ11の一対の出力ノードN3 、N4 に接続されている一対の外部端子(図示せず)間にスピーカ(SP-2)の駆動コイルが負荷回路RL-2として外付け接続される。
【0029】
図2は、図1の2段縦積みアンプの小信号時(小信号モード)、大信号時(大信号モード)における各BTLアンプの出力信号の電流経路を示している。
【0030】
図2において、列方向を小信号時と大信号時に分け、行方向を3つの入力信号条件に分け、6通りの組み合わせについて電流経路を示している。
【0031】
3つの入力信号条件は、チャンネルAの信号とチャンネルBの信号とが同一振幅で同位相(A=B)、Aの信号とBの信号とが同一振幅で逆位相(A=−B)、Aの信号のみ(A only )である。なお、図2中、動作に寄与しないカットオフ状態のパワートランジスタは図示していない。
【0032】
図3(a)、(b)、(c)は、図1の2段縦積みアンプの小信号時における動作波形の一例を示しており、図3(a)は第2のBTLアンプの一対の出力ノードの理論的な電圧波形、図3(b)は第1のBTLアンプの一対の出力ノードの理論的な電圧波形、図3(c)は実際のスピーカの駆動コイルに印加される差動出力電圧波形である。
【0033】
図4(a)、(b)、(c)は、図1の2段縦積みアンプの大信号時における動作波形の一例を示しており、図4(a)は第2のBTLアンプの一対の出力ノードの理論的な電圧波形、図4(b)は第1のBTLアンプの一対の出力ノードの理論的な電圧波形、図4(c)は実際のスピーカの駆動コイルに印加される差動出力電圧波形である。
【0034】
次に、図1の2段縦積みアンプの動作の概要について図2〜図4を参照しながら説明する。
【0035】
図1の2段縦積みアンプにおいて、第1のBTLアンプ11の一対の出力ノードN3 、N4 に印加されるDCバイアス電位はVcc/4、第2のBTLアンプ12の一対の出力ノードN1 、N2 に印加されるDCバイアス電位は3Vcc/4である。
【0036】
各BTLアンプは、無信号入力時および小信号入力時には実質的に動作電源電圧がVcc/2のBTLアンプとして動作する。この際、チャンネルAの信号とチャンネルBの信号が同相である時にはBTLアンプの出力信号電流の経路は図2中の上段左欄に示すようになり、チャンネルAの信号とチャンネルBの信号が逆相である時には、BTLアンプの出力信号電流の経路は図2中の中段左欄に示すようになり、チャンネルAが小信号・チャンネルBが無信号である時にはBTLアンプの出力信号電流の経路は図2中の下段左欄に示すようになる。
【0037】
上記したように各BTLアンプが実質的に動作電源電圧がVcc/2のBTLアンプとして動作する際、各BTLアンプの動作電流の差ΔIは、電源分圧回路4のバッファ回路Bufで吸収される。
【0038】
これに対して、各BTLアンプは、大信号時には動作電源電圧がVccのBTLアンプとして動作する。この際、チャンネルAの信号とチャンネルBの信号が大信号で同相である時にはBTLアンプの出力信号電流の経路は図2中の上段右欄に示すようになり、チャンネルAの信号とチャンネルBの信号が逆相である時にはBTLアンプの出力信号電流の経路は図2中の中段右欄に示すようになり、チャンネルAが大信号・チャンネルBが無信号である時にはBTLアンプの出力信号電流の経路は図2中の下段右欄に示すようになる。
【0039】
図1の2段縦積みアンプによれば、最適信号レベル、位相(小信号モードでのノンクリップ最大振幅時、かつ全てのBTLアンプが同相もしくは逆相・同レベル出力)において、理論電力効率は従来のB級アンプの2倍に改善され、理論消費電力(発熱)は最良値で、従来のB級アンプの約1/5.7へ大幅に低減されることが、後述する計算から明らかになる。
【0040】
<第1実施例>(2段縦積みアンプ)
図5乃至図7は、図1の2段縦積みアンプの具体的な回路例を示しており、図1中の電源分圧回路4、第2のBTLアンプ12、第1のBTLアンプ11を対応して図5、図6、図7に示している。
【0041】
図5乃至図7において、電源分圧回路4は、電源レール間に接続された4個の抵抗素子R18、R19、R35、R36と、この4個の抵抗素子の3個の分圧ノードが対応してバイアスとして供給される3個のバッファアンプBuf1、Buf2、Buf3とからなり、3個の分圧電位Vcc/4、Vcc/2、3Vcc/4を生成する。
【0042】
そして、分圧電位Vcc/4を第1のBTLアンプ11のDC出力バイアスとして供給し、分圧電位Vcc/2を中間電源ライン3に供給し、分圧電位3Vcc/4を第2のBTLアンプ12のDC出力バイアスとして供給する。従って、上記電源分圧回路4は、バイアス設定回路を兼用している。
【0043】
なお、前記バッファアンプBuf1の出力部のエミッタフォロアはNPNトランジスタQ31およびPNPトランジスタQ32からなり、バッファアンプBuf2の出力部のエミッタフォロアはNPNトランジスタQ33およびPNPトランジスタQ34からなり、バッファアンプBuf3の出力部のエミッタフォロアはNPNトランジスタQ35およびPNPトランジスタQ36からなる。
【0044】
また、各バッファアンプBuf1、Buf2、Buf3の出力ノードを必要に応じて外部端子に接続し、この外部端子に低周波信号をバイパス(側路)するためのコンデンサを外付け接続すれば、動作の安定化を図ることが可能になる。
【0045】
特に、分圧電位Vcc/2を供給するための中間電源ライン3を外部端子Ref に接続し、この外部端子Ref に大容量のバイパス用コンデンサC5 を外付け接続した場合は、電源効率がさらに向上するので好ましい。この理由は、瞬時的な誤差電流ΔIを上記コンデンサC5 が吸収して充電、放電することにより、バッファアンプBuf2に消費される無駄な電流が減るからである。
【0046】
第2のBTLアンプ12において、IN-1は入力信号Aが入力する入力端子、Gm1は入力信号Aが非反転入力ノード(+)に入力し、反転入力ノード(−)にバイアス電圧VB1が入力するgmアンプであり、上記一対の入力ノード(+)、(−)間に抵抗素子R1 が接続されている。
【0047】
Gm2は前記gmアンプGm1の出力側に接続されたgmアンプ、Gm3およびGm4は前記gmアンプGm2の出力側にそれぞれ接続されているgmアンプである。
【0048】
PNPトランジスタQ1 、Q2 は前記gmアンプGm3の出力側でダーリントン接続されている出力駆動制御用のPNPトランジスタ、C1 は前記トランジスタQ2 のコレクタと前記トランジスタQ1 のベースとの間に接続されている負帰還用のコンデンサである。
【0049】
NPNトランジスタQ7 およびPNPトランジスタQ8 は前記トランジスタQ2 により駆動制御される相補極性の出力段駆動用のトランジスタである。
【0050】
Q3 およびQ4 は前記出力段駆動用トランジスタQ7 、Q8 の各ベース間に直列に接続された温度特性補償用のダイオード(ダイオード接続されたトランジスタ)、I1 は前記ダイオードQ3 、Q4 に直列に接続された電流源である。
【0051】
また、PNPトランジスタQ30、Q27は前記gmアンプGm4の出力側でダーリントン接続されている出力駆動制御用トランジスタであり、C2 は前記トランジスタQ27のコレクタと前記トランジスタQ30のベースとの間に接続されている負帰還用のコンデンサである。
【0052】
NPNトランジスタQ23およびPNPトランジスタQ22は前記トランジスタQ27により駆動制御される相補極性の出力段駆動用トランジスタである。Q28およびQ29は前記出力段駆動用トランジスタQ23、Q22の各ベース間に直列に接続された温度特性補償用のダイオード、I2 は前記ダイオードQ28、Q29に直列に接続された電流源である。
【0053】
PNPトランジスタQ14、Q11、Q17、Q20およびNPNトランジスタQ15、Q16は、出力ブリッジ回路を形成する出力段パワートランジスタであって、BTLアンプの小信号入力時と大信号入力時とで異なる出力ブリッジ回路を形成するように接続されている。
【0054】
即ち、Vccライン1とVcc/2の中間電源ライン3との間にパワートランジスタQ14、Q11が直列に接続されており、電源レール間にパワートランジスタQ14、Q15が直列に接続されている。
【0055】
また、Vccライン1とVcc/2の中間電源ライン3との間にはパワートランジスタQ17、Q20が直列に接続され、電源レール間にパワートランジスタQ17、Q16が直列に接続されている。
【0056】
上記Q14とQ11、Q15との接続ノード(第1の出力ノードN1 )およびQ17とQ20、Q16との接続ノード(第2の出力ノードN2 )、つまり、出力ブリッジ回路の一対の出力ノードには対応して一対の外部端子T1 、T2 が接続されている。
【0057】
前記パワートランジスタQ11、Q15はBTLアンプの小信号入力時と大信号入力時とに対応して選択的に動作可能状態に制御されるとともに信号入力に応じた駆動信号が与えられるものであり、これらのトランジスタQ11、Q15に共通に接続されているトランジスタQ14は常に動作可能状態に制御されるとともに信号入力に応じた駆動信号が与えられる。
【0058】
また、パワートランジスタQ20、Q16はBTLアンプの小信号入力時と大信号入力時とに対応して選択的に動作可能状態に制御されるとともに駆動信号が与えられるものであり、これらのトランジスタQ20、Q16に共通に接続されているトランジスタQ17は常に動作可能状態に制御されるとともに信号入力に応じた駆動信号が与えられる。
【0059】
換言すれば、上記したように小信号入力時と大信号入力時とに対応してパワートランジスタ対(Q11、Q20)、(Q15、Q16)を選択的に動作可能状態に制御することによって、小信号入力時にはQ14、Q11、Q17、Q20が対応して第1辺〜第4辺を形成する出力ブリッジ回路を選択的に使用し、大信号入力時にはQ14、Q15、Q17、Q16が対応して第1辺〜第4辺を形成する出力ブリッジ回路を選択的に使用することになる。
【0060】
一方、R10、R12、R15、R14は、出力ブリッジ回路の一対の出力ノードに前記3Vcc/4のDCバイアス電位を供給するための抵抗素子である。
【0061】
ここで、R10、R12は3Vcc/4のDCバイアス電位と出力ブリッジ回路の一対の出力ノードのうちの第1の出力ノードN1 との間に直列に接続されている。
【0062】
また、R15、R14は前記3Vcc/4のDCバイアス電位と出力ブリッジ回路の一対の出力ノードのうちの第2の出力ノードN2 との間に直列に接続されている。
【0063】
なお、前記R10、R12の直列接続ノードは前記出力段駆動用トランジスタQ7 、Q8 の直列接続ノードに接続され、前記R15、R14の直列接続ノードは前記出力段駆動用トランジスタQ23、Q22の直列接続ノードに接続されており、換言すれば、出力ブリッジ回路の一対の出力ノードの電位は、出力段駆動用トランジスタQ7 、Q8 およびQ23、Q22に負帰還接続されている。
【0064】
また、R9 、R8 、R16、R17は、BTLアンプ12の差動出力信号を前記gmアンプGm3およびGm4の基準入力ノードに負帰還させるための負帰還用の抵抗素子である。
【0065】
ここで、抵抗素子R9 、R8 は出力ブリッジ回路の第1の出力ノードN1 と3Vcc/4のDCバイアス電位との間に直列に接続されており、このR9 、R8 の直列接続ノードがgmアンプGm3の反転入力ノード(−)に接続されている。また、抵抗素子R16、R17は出力ブリッジ回路の第2の出力ノードN2 と3Vcc/4のDCバイアス電位との間に直列に接続されており、このR16、R17の直列接続ノードがgmアンプGm4の反転入力ノード(−)に接続されている。
【0066】
さらに、第2のBTLアンプ12の差動出力信号波形を入力端子IN-1の入力信号波形と比例させ、第2のBTLアンプ12の瞬時差動利得を略一定に維持するための回路として、本例では抵抗素子R2 〜R5 からなる第1の差動負帰還回路DNF1が設けられている。
【0067】
ここで、抵抗素子R2 、R4 は出力ブリッジ回路の一対の出力ノードとgmアンプGm2の一対の入力ノードとの間に接続されており、抵抗素子R3 、R5 は上記gmアンプGm2の一対の入力ノードと3Vcc/4のDCバイアス電位の間に接続されている。
【0068】
ところで、前記したように小信号時と大信号時とに対応してトランジスタQ11、Q15を選択的にオン状態に制御するために切換回路SW1が設けられている。
【0069】
この切換回路SW1として、BTLアンプの出力電圧(出力振幅)を当該BTLアンプの出力段トランジスタに接続されている中間電源ライン3の電圧と比較し、比較結果に応じてトランジスタQ11、Q15の一方を動作可能状態に制御するとともに信号入力に応じた駆動信号を供給し、他方をカットオフ状態に設定するようにバイアスを与える差動回路が用いられている。
【0070】
即ち、この差動回路は、差動スイッチ用のPNPトランジスタQ6 、Q10、ダイオードQ9 およびそれにカレントミラー接続された出力駆動制御用のNPNトランジスタQ5 、ダイオードQ12、Q13、抵抗素子R11からなる。上記差動スイッチ用のトランジスタQ6 、Q10のエミッタ共通接続ノードは出力駆動制御用トランジスタQ8 のコレクタに接続されている。
【0071】
上記差動スイッチ用のトランジスタQ6 のベースは出力段駆動用のトランジスタQ11のコレクタ(Vcc/2の中間電源ライン3)に接続されており、前記トランジスタQ10のベースはレベルシフト用のダイオードQ12を順方向に介して出力ブリッジ回路の第1の出力ノードN1 に接続されている。
【0072】
そして、上記トランジスタQ6 のコレクタは、前記ダイオードQ9 を順方向に介してGNDラインに接続されている。また、前記トランジスタQ5 は、ベースがダイオードQ9 のアノード(コレクタ・ベース接続ノード)に接続され、エミッタがGNDラインに接続されている(つまり、ダイオードQ9 に対してカレントミラー接続されている)。そして、上記トランジスタQ5 のコレクタは小信号駆動用のパワートランジスタQ11のベースに接続されている。
【0073】
また、前記差動スイッチ用のトランジスタQ10は、コレクタが大信号駆動用のパワートランジスタQ15のベースに接続されており、ベースが抵抗素子R11を介してGNDラインに接続されるとともに、ダイオードQ13を逆方向に介して出力ブリッジ回路の第1の出力ノードに接続されている。
【0074】
一方、前記したように小信号時と大信号時とに対応してトランジスタQ20、Q16を選択的にオン状態に制御するために切換回路SW2が設けられており、この切換回路SW2も切換回路SW1に準じて構成された差動回路が用いられている。
【0075】
この切換回路SW2の差動回路は、差動スイッチ用のPNPトランジスタQ24、Q21、ダイオードQ25およびそれにカレントミラー接続された出力駆動制御用のNPNトランジスタQ26、ダイオードQ18、Q19、抵抗素子R13からなり、差動スイッチ用のトランジスタQ24、Q21のエミッタ共通接続ノードは前記出力駆動制御用トランジスタQ22のコレクタに接続されている。
【0076】
上記構成の各切換回路SW1、SW2は、BTLアンプの出力電圧のレベルがVcc/2の中間電源ラインを基準にした規定の閾値を越えた時に、前記閾値を越えた側の1段隣りの電位を持つ1本の電源ライン(本例ではGNDライン2)に出力ブリッジ回路の下側の出力段トランジスタを実質的に接続するとともに、出力段トランジスタの駆動電流を切り換える役割を持っている。
【0077】
一方、第1のBTLアンプ11は、入力信号Bが入力する入力端子IN-2、gmアンプGm5〜Gm8、ダーリントン接続された出力駆動制御用のNPNトランジスタQ36、Q38、Q62、Q56、負帰還用のコンデンサC3 、C4 、出力段駆動用のPNPトランジスタQ42およびNPNトランジスタQ43、PNPトランジスタQ55およびNPNトランジスタQ54、温度特性補償用のダイオードQ40、Q41、Q58、Q59、電流源I3 、I4 、出力段のPNPトランジスタQ48、Q47、Q49、Q50およびNPNトランジスタQ46、Q51、出力DCバイアス供給用の抵抗素子R29、R30、R32、R31、負帰還用の抵抗素子R28、R27、R33、R34、第2の差動負帰還回路DNF2(抵抗素子R21〜R24)、切換回路SW3、SW4などからなり、一対の出力ノードN3 、N4 に対応して一対の外部端子T3 、T4 が接続されている。
【0078】
初段のgmアンプGm5の一対の入力ノード(+)、(−)には、対応して入力信号Bおよびバイアス電圧VB2が与えられ、上記一対の入力ノード(+)、 (−)間には抵抗素子R20が接続されている。
【0079】
第1のBTLアンプ11の構成は、前記した第2のBTLアンプ12の構成と基本的には同様であるが、切換回路SW3、SW4などの構成が異なる。この理由は、現状のプロセスの制限により、ベースエミッタ間の逆耐圧が大きいV−PNPトランジスタ(Q35、Q39)、(Q57、Q60)を差動スイッチに使用しているからである。
【0080】
即ち、切換回路SW3は、差動スイッチ用のPNPトランジスタQ35、Q39、出力段駆動用のNPNトランジスタQ44、ダイオードQ37、Q45からなり、上記差動スイッチ用のトランジスタQ39、Q35のエミッタ共通接続ノードとVccライン1との間には前記電流源I3 が接続されている。
【0081】
そして、上記差動スイッチ用のトランジスタQ39は、ベースがレベルシフト用のダイオードQ45を順方向に介して出力ブリッジ回路の第1の出力ノードN3 に接続され、コレクタが前記出力段駆動用トランジスタQ43のベースに接続されている。そして、上記出力段駆動用トランジスタQ43のコレクタが小信号駆動用のパワートランジスタQ47のベースに接続されている。
【0082】
また、前記差動スイッチ用のトランジスタQ35は、ベースが小信号駆動用のパワートランジスタQ47のエミッタ(Vcc/2の中間電源ライン3)に接続され、コレクタがダイオードQ37を順方向に介して前記温度特性補償用のダイオードQ40、Q41の直列接続ノードに接続され、また、出力段駆動用トランジスタQ44のベースに接続されている。この出力段駆動用トランジスタQ44は、エミッタが前記出力段駆動用トランジスタQ42、Q43の直列接続ノードに接続されており、コレクタが大信号駆動用のパワートランジスタQ48のベースに接続されている。
【0083】
一方、前記したように小信号時と大信号時とに対応してパワートランジスタQ49、Q50を選択的にオン状態に制御するための切換回路SW4は、前記切換回路SW3に準じて、差動スイッチ用のPNPトランジスタQ57、Q60、出力段駆動用のNPNトランジスタQ53、ダイオードQ61、Q52により構成されており、上記差動スイッチ用のトランジスタQ57、Q60のエミッタ共通接続ノードとVccライン1との間には前記電流源I4 が接続されている。
【0084】
上記各切換回路SW3、SW4は、BTLアンプの出力電圧のレベルがVcc/2の分圧電位が与えられる中間電源ライン3を基準にした規定の閾値を越えた時に、前記閾値を越えた側の1段隣りの電位を持つ1本の電源ライン(本例ではVccライン1)に出力ブリッジ回路の上側の出力段トランジスタを実質的に接続するとともに、出力段トランジスタの駆動電流を切り換える役割を持っている。
【0085】
換言すれば、図5の2段縦積みアンプにおける4個の切換回路SW1〜SW4は、各BTLアンプの出力電圧のレベルの増大に応じて各出力ブリッジ回路の動作電源電圧が段階的に大きくなるように、出力ブリッジ回路の接続先の電源ラインを実質的に切り換えて電源レール間におけるBTLアンプの出力ブリッジ回路の縦積み段数を段階的に大きくするように制御するとともに、出力段トランジスタの駆動電流を切り換える役割を持っている。
【0086】
次に、図5の2段縦積みアンプの動作原理について図2〜図4を参照しながら詳述する。
【0087】
まず、第2のBTLアンプの動作について説明する。
【0088】
入力端子IN-1の入力信号Aは、gmアンプGm1で増幅され、さらにgmアンプGm2により増幅されて差動信号としてgmアンプGm3およびgmアンプGm4に入力する。
【0089】
gmアンプGm3の出力信号は、ダーリントン接続されたトランジスタQ1 、Q2 を経て出力段駆動用トランジスタQ7 、Q8 に入力する。上記出力段駆動用トランジスタQ7 は出力段パワートランジスタQ14を駆動し、出力段駆動用トランジスタQ8 は出力段パワートランジスタQ11またはQ15を駆動する。
【0090】
gmアンプGm4の出力信号は、ダーリントン接続されたトランジスタQ30、Q27を経て出力段駆動用トランジスタQ23、Q22に入力する。上記出力段駆動用トランジスタQ23は出力段パワートランジスタQ17を駆動し、出力段駆動用トランジスタQ22は出力段パワートランジスタQ20またはQ16を駆動する。
【0091】
これにより、出力ブリッジ回路の左辺側と右辺側は極性が反転している信号により対称的に駆動され、BTLアンプの動作が行われる。
【0092】
この際、前記出力段パワートランジスタQ11、Q15を切り換え使用するための差動回路(スイッチ回路SW1)において、差動スイッチをなすトランジスタQ6 、Q10は、出力ブリッジ回路の第1の出力ノードN1 の電圧がVcc/2より高い時は、Q6 がオン、Q10がオフとなり、小信号用のパワートランジスタQ11に駆動電流を供給する。
【0093】
そして、第1の出力ノードN1 の電圧が降下してVcc/2に近付くと、Q6 がオフ、Q10がオンとなり、駆動電流の供給先を小信号用のパワートランジスタQ11から大信号用のパワートランジスタQ15に切り換える。この場合、レベルシフタ用のダイオードQ13は、小信号用のパワートランジスタQ11が飽和する前に差動スイッチを切り換える役割を有する。
【0094】
上記と同様に、前記出力段パワートランジスタQ20、Q16を切り換え使用するための差動回路(スイッチ回路SW2)において、差動スイッチをなすトランジスタQ24、Q21は、出力ブリッジ回路の第2の出力ノードN2 の電圧がVcc/2より高い時は、Q24がオン、Q21がオフとなり、小信号用のパワートランジスタQ20に駆動電流を供給する。
【0095】
そして、第2の出力ノードN2 の電圧が降下してVcc/2に近付くと、Q24がオフ、Q21がオンとなり、駆動電流の供給先を小信号用のパワートランジスタQ20から大信号用のパワートランジスタQ16に切り換える。この場合、レベルシフタ用のダイオードQ19は、小信号用のパワートランジスタQ20が飽和する前に差動スイッチを切り換える役割を有する。
【0096】
次に、第1のBTLアンプ11の動作について説明する。
【0097】
入力端子IN-2の入力信号Bは、gmアンプGm5で増幅され、さらにgmアンプGm6により増幅されて差動信号としてgmアンプGm7およびgmアンプGm8に入力する。
【0098】
gmアンプGm7の出力信号は、ダーリントン接続されたトランジスタQ36、Q38を経て出力段駆動用トランジスタQ42、Q43に入力する。上記出力段駆動用トランジスタQ42は出力段パワートランジスタQ46を駆動し、出力段駆動用トランジスタQ43は出力段パワートランジスタQ47を駆動する。そして、出力段駆動用トランジスタQ44は出力段パワートランジスタQ48を駆動する。
【0099】
gmアンプGm8の出力信号は、ダーリントン接続されたトランジスタQ62、Q56を経て出力段駆動用トランジスタQ55、Q54に入力する。上記出力段駆動用トランジスタQ55は出力段パワートランジスタQ51を駆動し、出力段駆動用トランジスタQ54は出力段パワートランジスタQ50を駆動する。そして、出力段駆動用トランジスタQ53は出力段パワートランジスタQ49を駆動する。
【0100】
これにより、出力ブリッジ回路の左辺側と右辺側は極性が反転している信号により対称的に駆動され、BTLアンプの動作が行われる。
【0101】
第1のBTLアンプの動作は、基本的には第2のBTLアンプの動作と同様であるる。即ち、前記出力段パワートランジスタQ47、Q48を切り換え使用するための差動回路(スイッチ回路SW3)において、差動スイッチをなすトランジスタQ39、Q35は、出力ブリッジ回路の第1の出力ノードN3 の電圧がVcc/2より低い時は、Q39がオン、Q35がオフとなり、小信号用のパワートランジスタQ47に駆動電流を供給する。
【0102】
そして、第1の出力ノードN3 の電圧が上昇してVcc/2に近付くと、Q39がオフ、Q35がオンとなり、駆動電流の供給先を小信号用のパワートランジスタQ47から大信号用のパワートランジスタQ48に切り換える。
【0103】
上記と同様に、前記出力段パワートランジスタQ50、Q49を切り換え使用するための差動回路(スイッチ回路SW4)において、差動スイッチをなすトランジスタQ57、Q60は、出力ブリッジ回路の第2の出力ノードN4 の電圧がVcc/2より低い時は、Q57がオン、Q60がオフとなり、小信号用のパワートランジスタQ50に駆動電流を供給する。
【0104】
そして、第2の出力ノードN4 の電圧が上昇してVcc/2に近付くと、Q57がオフ、Q60がオンとなり、駆動電流の供給先を小信号用のパワートランジスタQ50から大信号用のパワートランジスタQ49に切り換える。
【0105】
上記したような動作原理により、出力信号のピークがVcc/2未満の時は、図2中に示すような「小信号モード」の動作が行われ、第2のBTLアンプ12の一対の出力ノードN1 、N2 の信号、第1のBTLアンプ11の一対の出力ノードN3 、N4 の信号、実際のスピーカに印加される差動出力信号はそれぞれ対応して図3(a)、(b)、(c)に示すような波形になる。
【0106】
この時、各チャンネルの信号の関係がA=B、もしくはA=−Bの場合には、図2中に示す矢印の向きに電源VccからAチャンネル、Bチャンネルに対応するパワートランジスタを電流が流れ、上下に隣接する各アンプの動作電流差(差電流)ΔIは生じない。
【0107】
なお、図2中には、信号の半サイクルの電流経路を示しており、逆相になる次の半サイクルでは、図示していない反対側の出力段トランジスタに電流が流れ、このような動作が交互に繰り返されてスピーカに出力電流が供給される。
【0108】
これに対して、出力信号のピークがVcc/2以上の時は、図2中に示すような「大信号モード」の動作が行われ、第2のBTLアンプ12の一対の出力ノードN1 、N2 の信号、第1のBTLアンプ11の一対の出力ノードN3 、N4 の信号、実際のスピーカに印加される差動出力信号はそれぞれ対応して図4(a)、(b)、(c)に示すような波形になる。
【0109】
つまり、出力信号の振幅ピークがVcc/2を越えようとすると、Aチャンネル側の第2のBTLアンプ12の出力ブリッジ回路の下側トランジスタが小信号駆動用のパワートランジスタQ11またはQ20から大信号駆動用のパワートランジスタQ15またはQ16に切り換わり、Bチャンネル側の第1のBTLアンプ11の出力ブリッジ回路の上側トランジスタが小信号駆動用のパワートランジスタQ47またはQ50から大信号駆動用のパワートランジスタQ48またはQ49に切り換わり、それぞれ実質的に電源電位がVccのBTLアンプとして動作することになる。
【0110】
この場合、Bチャンネル側の第1のBTLアンプ11の出力ノードの中心バイアス電位はVcc/4、Aチャンネル側の第2のBTLアンプ12の出力ノードの中心バイアス電位は3Vcc/4に設定されている。
【0111】
これは、従来のBTLアンプの出力ノードの中心バイアス電位であるVcc/2からオフセットしており、図4(a)、(b)に示した波形のように、出力クリップがアンバランスになるが、BTL出力で見ると、図4(c)に示したように歪のない波形になる。
【0112】
なお、出力信号の振幅ピークがVcc/2を越える部分は、BTL出力信号の一方の信号の波形がクリップするので、他方の信号の振幅を2倍にしてBTL出力信号波形が歪まないようにする必要がある。
【0113】
この対策としては、各BTLアンプに対応して差動負帰還回路DNF1、DNF2を接続し、負荷両端から入力アンプへ差動負帰還を施すことにより比較的簡単に実現できる。これによって、最終的に出力波形の上端と下端が双方共にクリップするまでは、負荷両端の信号波形は歪のない波形となる。
【0114】
次に、図1、図5の構成の2段縦積みアンプの効果について説明する。
【0115】
「小信号モード」では、Aチャンネル側で捨てた電流がBチャンネル側で再度利用されることになるので、効率が2倍になる。
【0116】
そして、「大信号モード」では、出力波形の小信号相当部分が効率2倍となり、Vcc/2を越える部分は効率が1倍となるので、信号レベルにより1〜2倍の効率向上になる。
【0117】
ここで、効率が2倍ということは、同一出力時のパワーアンプの消費電力(つまり、発熱が)半分ではなく、半分以下になることに留意されたい。
【0118】
また、図5の2段縦積みアンプにおいては、切換回路SW1〜SW4の差動スイッチとして、出力電圧をVcc/2と直接に比較するようにシンプルな構成の差動アンプを使用しているので、差動スイッチの切り換え速度が高速であり、出力信号の変化に対するスイッチングの遅れは実用上無視できる。このことは、従来のSB級アンプにおけるようにスイッチングのタイミング合わせ用に設けていた遅延回路を省略できることを意味する。
【0119】
図9は、従来のB級アンプ、本発明に係る図1、図5および後述する図8のパワーアンプにおいて、Vcc=14V、スピーカの負荷抵抗RL-1、RL-2がそれぞれ4Ωの場合について、後述する理論解析に基づいてパワーアンプの消費電力を計算し、グラフ化したものである。ここで、横軸は1チャンネル当たりの出力(W)、縦軸は2チャンネル分の消費電力である。
【0120】
図9中、同一出力の条件で比較して全出力範囲で消費電力(発熱)が最も多いのがB級アンプである。本発明のパワーアンプの場合は、最も好条件の時(同相もしくは逆相、同振幅で出力振幅がVcc/2の時)は、B級アンプに比べてアンプの理論効率は2倍、理論消費電力(発熱)は約1/5.7となっていることに注目されたい。
【0121】
本発明のパワーアンプにおいて、効率改善の見られない最悪のケース、つまり、図2中の最下段に示した小信号時の動作電流が全て差電流ΔIとなる場合は、両チャンネルの一方のチャンネル(本例ではAチャンネル)のみの出力があり、他方のチャンネルの出力が零の場合であるが、この時はB級アンプと同等の効率になる。
【0122】
しかし、このような最悪のケースは、実際のステレオ音源では滅多にないケースである。そして、この時は、一方のチャンネル(本例ではBチャンネル)のアンプが電力を消費しないモードになっているので、アンプシステム全体の発熱は従来のB級アンプの半分であり、熱問題にダメージを与えることにはならない。
【0123】
また、通常のステレオ音源では左右両チャンネル信号の相関が高い以外に、振幅のピークに対して平均的な出力はかなり小さいので、実用的にも従来のB級アンプの2倍近い効率の向上が見込まれ、発熱の大幅な低減が可能である。
【0124】
上記したような左右のチャンネルの場合と同様のことが、4チャンネルステレオの前後のチャンネルについてもいえる。
【0125】
また、前段のプリアンプ段やパワートランジスタの駆動段などは、電源レールに対して回路的に2段縦積みが困難な場合があるが、これらの動作電流はパワートランジスタの動作電流に比べて非常に少ないので、効率に対する影響は小さい。
【0126】
本願発明者は、上記した本発明の高効率パワーアンプの方式をKB級(Keyed B-class )アンプと称することにした。
【0127】
図8は、本発明の高効率パワーアンプに係るN段縦積みKB級アンプの基本構成を示すブロック図である。
【0128】
この高効率パワーアンプは、N(≧2の任意の整数)組のBTLアンプを電源レールに対してスタック(縦積み)したものであり、図1に示したBTLアンプの2段縦積みがN段縦積みに拡張されたものである。
【0129】
即ち、図8において、1はVccライン、2はGNDラインであり、これらは電源レールを形成している。
【0130】
電源分圧回路60は、電源レール間の電源電圧を複数(N)に分割(本例では均等に分割)し、接地電位側から電源電位の順に段階的に高くなる第1乃至第(N−1)の分圧電位を出力するためのものである。
【0131】
31〜3(N−1)は前記第1乃至第(N−1)の電源分圧電位が対応して供給される(N−1)本の中間電源ラインである。
【0132】
第1のBTLアンプ111乃至第NのBTLアンプ11Nは、前記電源分圧回路60による電圧分割数(N)と同数設けられ、図中下側の第1のアンプ111から図中上側の第Nのアンプ11Nの順にそれぞれ対応して第1チャネル乃至第Nチャネルの信号が入力する。
【0133】
また、前記第1のBTLアンプ111乃至第NのBTLアンプ11Nの各出力バイアス電位として、それぞれ対応して第1の分圧電位乃至電源電位より低く、かつ、接地電位乃至第(N−1)の分圧電位より高い中間電圧を設定するためのバイアス設定回路(図示せず)が設けられている。
【0134】
切換回路SWは、前記各BTLアンプの出力ブリッジ回路に対応して設けられており、前記各BTLアンプの出力電圧のレベルの増大に応じて対応する各出力ブリッジ回路の動作電源電圧が段階的に順次大きくなるように各出力ブリッジ回路の接続先の電源ラインを実質的に切り換えるように制御される。
【0135】
換言すれば、各BTLアンプの出力電圧のレベルの増大に応じて電源レール間におけるBTLアンプの出力ブリッジ回路の縦積み段数を段階的に順次大きくするように切り換え制御されるように構成されている。
【0136】
この場合、切換回路SWは、各BTLアンプの無信号入力時には第1のBTLアンプ111乃至第NのBTLアンプ11Nの各出力ブリッジ回路を対応して前記第1の分圧電位と接地電位との間の中間電位〜第(N−1)の分圧電位との間の中間電位に接続する。
【0137】
そして、対応するBTLアンプの出力電圧のレベルが対応する中間電源ラインを基準にした規定の閾値を越えた時に、閾値を越えた側の1段隣りの電位を持つ1本の中間電源ラインあるいは電源レール用の電源ラインにBTLアンプの出力ブリッジ回路を接続する。
【0138】
さらに、各BTLアンプの差動出力信号波形を対応する入力信号波形と比例させ、各BTLアンプの瞬時差動利得を略一定に維持するための回路(例えば差動負帰還回路)(図示せず)が設けられている。
【0139】
前記電源分圧回路60は、電源レール間にN個の抵抗素子Ra 〜Rn が直列に接続された抵抗分圧回路と、上記抵抗分圧回路の(N−1)個の分圧ノードから対応してバイアスが与えられ、出力段にプッシュプル型のエミッタフォロア回路を有する(N−1)個のバッファ回路Buf1〜Bufnとからなる。そして、この(N−1)個のバッファ回路Buf1〜Bufnの各出力ノードに対応して(N−1)本の中間電源ラインが接続されている。
【0140】
この場合、バッファ回路Buf1〜Bufnの各エミッタフォロア回路は、それぞれ電源レール間に接続されてもよいが、本例では、それぞれ対応して接続されている中間電源ラインの電位より1段上下の一対の電源ライン(実質的な電源レール)間に接続されている。これにより、エミッタフォロア回路に流れる電流を再利用して効率を向上させることが可能になっている。
【0141】
そのほか、バイパスコンデンサ、パワースイッチなどは前記2段縦積みアンプの例に準じて接続されている。
【0142】
次に、図8のN段縦積みのKB級アンプの動作の概要を説明する。
【0143】
このN段縦積みアンプは、任意のN組のBTLアンプが電源レールの間に縦積みされており、N組のBTLアンプに対応して第1〜第Nチャンネルのオーディオ信号が入力する。
【0144】
このように縦積みされたNチャンネルのBTLアンプのそれぞれは、小信号時には実質的に電源電位がVcc/NのBTLアンプとして動作し、大信号時には電源電位がn・Vcc/N(nは2≦n≦Nの範囲の整数)のBTLアンプとして動作する。
【0145】
即ち、小信号時は各BTLアンプに印加される実質的な電源電位がVcc/Nであり、中〜大信号時は、信号の増加に伴って各BTLアンプに印加される実質的な電源電位がVcc/Nステップで順次増大する。
【0146】
例えば最も下側の第1チャンネルにおいて、小信号時は出力段パワートランジスタの上側のトランジスタはVcc/Nの中間電源ライン31に接続されている。出力信号の瞬時電位がVcc/Nを越えると、その上位の2・Vcc/Nの中間電源ラインに切換え接続される。出力信号の振幅が増加するにつれて、出力段の上側のパワートランジスタは順に3Vcc/Nの中間電源ライン、4Vcc/Nの中間電源ライン、・・・、(N−1)Vcc/Nの電位の中間電源ライン3(N−1)に接続され、最終的にはVccライン1に接続される。
【0147】
最下段以外および最上段以外のBTLアンプには、出力段パワートランジスタの上側、下側の双方に切換回路が設けられており、出力電圧に応じて電源ラインの切り換え接続が行われる。
【0148】
また、上下に隣接する2個のBTLアンプの動作電流の差ΔIは、当該2個のBTLアンプに共通の中間電源ラインに接続されている電源分圧回路60のバッファ回路Buf1〜Bufnで吸収される。
【0149】
図8のN段縦積みのKB級アンプは、最適な信号レベル、位相(最小信号モードでのノンクリップ最大振幅時、かつ全アンプが同相もしくは逆相・同レベル出力時)において、後述する理論解析によれば、理論電力効率はB級アンプのN倍に改善され、理論消費電力(発熱)はB級アンプの(4- π) /(4N-π) へ大幅に低減される。
【0150】
因みに、N=4の場合の4段積み構成では、最適な信号レベル、位相(最小信号モードでのノンクリップ最大振幅時、かつ全アンプが同相もしくは逆相・同レベル出力)の時、理論電力効率は4倍に改善され、理論消費電力(発熱)は約1/15に低減される。
【0151】
なお、パワー段の駆動電力やプリアンプ部など周辺の固定的な消費電力が存在する実際のケースでも、図1、図5に示した2段縦積みアンプの構成により、実用的な楽音信号におけるアンプの発熱量を半減することは十分に可能である。
【0152】
次に、上記N段縦積みのKB級アンプの効果について説明する。
【0153】
通常のB級アンプでは、N個の負荷に流れる電流は全て並列に電源レールから供給される。
【0154】
これに対して、N段縦積みKB級アンプは、最も効率が改善される最適条件 (全チャンネルが最小電源モードで、同相もしくは逆相の同一レベルのノンクリップ最大出力時、つまりBTL出力振幅がVcc/N)の時、Vccからの電流が最上段のBTLアンプ出力の負荷から最下段のBTLアンプ出力の負荷までのN個の負荷に直列に流れ、スピーカを駆動する。
【0155】
この結果、N段縦積みのKB級アンプは、前記最適条件において、通常のB級アンプと比べて、効率はN倍、消費電力(発熱)は( 4−π) /( 4N−π) になる。因みに、N=4の場合は、前記最適条件で、効率は4倍、消費電力は約1/15になる。この効率の最適条件は、消費電力が最も低減する最適条件である。
【0156】
これらを直感的に理解するために、従来のB級アンプ、本発明のKB級アンプ(N=2段および4段)、Vcc=14V、RL =4Ωの例について計算した結果を図9に示した。図9中、横軸は1チャンネル当たりの出力電力、縦軸は2チャンネル分の消費電力である。全出力範囲にわたって、消費電力を大幅に低減できることが分かる。
【0157】
なお、従来のSB級アンプには本質的にN段縦積み構成の概念はなく、KB級アンプの2段縦積み構成に相当する効率改善にとどまるほか、中点の大容量コンデンサを利用しない場合では、逆相信号に対する効率向上の効果はない。
【0158】
換言すれば、本発明のKB級アンプの大きな利点の1つは、任意の縦積み段数で大幅な消費電力の低減化を可能とした点である。
【0159】
また、上記の説明では電源レールの電圧を均等にN分割して各電源ラインの基準電圧としているが、縦積みされているBTLアンプの平均出力電力が異なる場合は、平均出力の大きいBTLアンプに電圧配分を多くして、平均出力の小さいBTLアンプに電圧配分を小さくすると、効率が更に改善される。
【0160】
また、上記各説明例ではトランジスタはバイポーラタイプを使用しているが、MOSタイプを使用して上記実施例に準じて構成できることはいうまでもない。
次に、本発明のKB級アンプを従来例の各種のアンプと比較して効果を述べる
。(1)比較的高効率のSB級アンプと比べてKB級アンプが優れている点は、
(1) 任意のN段構成が可能であり、理論効率をN倍にできる。
【0161】
(2) パワースイッチは単方向でよく、構成がシンプルである。
【0162】
(3) 2チャンネル構成で比べると、パワースイッチの数が少なく素子数が少なくて済む。
【0163】
(4) 同相信号だけでなく、逆相信号に対しても効率改善効果がある。
【0164】
(5) 出力信号と切換えタイミング信号の整合がよく、遅延回路が不要である。
【0165】
(6) 電源分割の非線型化により平均出力の異なるアンプの混在が効率的に構成できる。
【0166】
(7) 奇数チャンネル、例えば3チャンネルの構成が可能である。
【0167】
(2)D級アンプと比べてKB級アンプが優れている点は、
(1) 高周波スイッチングを行わないので不要放射が殆んどない。
【0168】
(2) 高周波のリークを防止する大容量の出力ローパスフィルタが不要である。
【0169】
(3) 不要放射を低減するためのシールドケースが不要である。
【0170】
(4) 回路がシンプルで素子数が少なく、かつ平易である。
【0171】
(5) 回路は低速でよく、安価なプロセスを採用できる。
【0172】
(3)G級アンプと比べてKB級アンプが優れている点は、
(1) 電源本体は単電源でよい。
【0173】
(2) 任意のN段構成が可能であり、理論効率をN倍にできる。
【0174】
(3) パワースイッチの数が少なく、シンプルである。
【0175】
(4)H級アンプと比べてKB級アンプが優れている点は、
(1) リフトアップ用のパワーアンプ、大容量コンデンサが不要である。
【0176】
(2) 任意のN段構成が可能であり、理論効率をN倍にできる。
【0177】
(3) 回路がシンプルで素子数が少なく、かつ平易である。
【0178】
[理論解析]
(1)従来のB級アンプ。
【0179】
以下、平均を求めるのに、半周期(πラジアン)を考える。
【0180】
正弦波の平均入力電力は、
【数1】
【0181】
但し、Vccは電源レール電圧、Im は出力電流振幅、Vm は出力電圧振幅、ωは角周波数、tは時間、RL は負荷抵抗である。
【0182】
正弦波の出力電力は、
【数2】
【0183】
効率ηは、
【数3】
【0184】
である。
【0185】
よく知られているように、出力瞬時電位が電源電位に達した時、即ち、Vm =Vccの時に効率が最大になり、最大効率は次式で示される。
【0186】
【数4】
【0187】
消費電力は、
【数5】
【0188】
である。ここで、消費電力が最大となる条件を求めてみる。
【0189】
【数6】
【0190】
即ち、出力振幅が電源レール電圧の64%程度の時に消費電力が最大になり、最大消費電力は次式で示される。
【0191】
【数7】
【0192】
さらに、消費電力が最大となる時の最大出力に対する出力電力の比は、
【数8】
【0193】
つまり、最大出力の40%付近で消費電力(発熱)は最大になる。
【0194】
(2)本発明の2段縦積みKB級アンプ。
【0195】
まず、小信号モード時の平均入力電力は、実質的に電源電位がVcc/2のB級BTLと同様であるから、B級の項で計算した結果を援用して簡単に求められる。
【0196】
【数9】
【0197】
正弦波出力電力はB級アンプと全く同一であるので、次式で示される。
【0198】
【数10】
【0199】
従って、小信号モードの効率は、
【数11】
【0200】
で示され、この効率は当然にB級の2倍の効率である。
【0201】
次に、大信号モードについて考える。以下、1/4周期で平均をとる。
【0202】
まず、正弦波の平均入力電力は、次式で示される。
【0203】
【数12】
【0204】
上式(12)の第1項は小信号モード時の入力電力であって実質的な電源電位はVcc/2、上式(12)の第2項は大信号時の入力電力であって電源電位はVccである。
【0205】
また、式(12)中のθは小信号モードから大信号モードへ切り換わる時の位相角であり、次式で示される。
【0206】
【数13】
【0207】
また、式(12)中のその他の記号は、(1)従来のB級アンプで示したものを踏襲する。
【0208】
次に、正弦波の出力電力はB級と全く同一であるので、次式で示される。
【0209】
【数14】
【0210】
大信号モードの効率ηは、次式で示される。
【0211】
【数15】
【0212】
上記ηは、Vm がVcc/2とVccの時に極大値を持ち、Vm がVcc/2の時の極大値およびVm がVccの時の極大値は、それぞれ次式で示される。
【0213】
【数16】
【0214】
消費電力は、
【数17】
【0215】
となるが、式が複雑になるので実際の数値を入れて計算した結果を図9に示す。
【0216】
横軸は1チャンネル当たりの出力(W)、縦軸は2チャンネル分の消費電力 (発熱)である。図9中、○−○印のカーブは従来のB級アンプ、△−△印のカーブは本発明の2段縦積みKB級アンプ、×−×印のカーブは後述する本発明の4段縦積みKB級アンプに対応する結果である。
【0217】
(3)本発明の4段縦積みKB級アンプ。
【0218】
簡略化のため、ここでは平均を求めるのに1/4周期を考える。
【0219】
正弦波の平均入力電力を求める。
【0220】
3Vcc/4<Vm の時(大信号時)の平均入力電力は、
【数18】
【0221】
で示される。上式(18)中の第1項は実質的な電源電位がVcc/4の時の入力電力、第2項は電源電位がVcc/2の時の入力電力、第3項は電源電位が3Vcc/4の時の入力電力を表している。なお、上式(18)中のθ1 、θ2 、θ3 は、それぞれ対応して出力電圧振幅がVcc/4、Vcc/2、3Vcc/4を越える時の信号位相角である。
【0222】
Vcc/2<Vm <3Vcc/4の時(中信号時)の平均入力電力は、
【数19】
【0223】
で示される。
【0224】
Vcc/4<Vm <Vcc/2の時(中小信号時)の平均入力電力は、
【数20】
【0225】
で示される。
【0226】
0<Vm <Vcc/4の時(小信号時)の平均入力電力は、
【数21】
【0227】
で示される。
【0228】
上式(19)〜(21)中、θn (n=1,2,3,)は小信号モードから次第に大信号モードへ切り換わる時の各位相角であり、次式で示される。
【0229】
【数22】
【0230】
以下、説明が複雑になるので割愛する。
【0231】
次に、N段縦積みKB級アンプの最適条件における従来のB級アンプからの改善度を比較する。
【0232】
最良条件は、各チャンネルが同相もしくは逆相、同振幅で、かつ出力信号の振幅がN段分割の電源ラインに達した時、即ち、Vm =Vcc/Nの時である。
【0233】
KB級アンプのNチャンネル分の消費電力は、次式で示される。
【0234】
【数23】
【0235】
消費電力が極小になる点は、Vm がVccの1/N、2/N、…、( N−1) /N、1になるN個の点である。そのうち1/Nになる点が、B級アンプに比べて最も消費電力の低減比が大きくなる最適点である。
【0236】
Vm =Vcc/Nを前式(23)に代入すると、次式が得られる。
【0237】
【数24】
【0238】
一方、従来のB級アンプのNチャンネル分の消費電力は、次式で示される。
【0239】
【数25】
【0240】
従って、N段縦積みKB級アンプの消費電力の低減割合は、次式で示される。
【数26】
【0241】
上式(26)に数値を代入して計算すると次表のようになる。
【0242】
【表1】
【0243】
この結果から、縦積み段数がかなり多くなる構成の利用は現状では実際的ではないが、将来のデバイス技術や高耐圧応用の進展などによって、本発明の利点を大きく活用することが可能になるであろう。
【0244】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、複数チャンネルのオーディオ信号を高い効率で増幅でき、高効率で発熱の少ないパワーアンプシステムを実現する上で好適なオーディオ信号用の電力増幅回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高効率パワーアンプに係る2段縦積みアンプの基本構成を示す回路図。
【図2】図1の2段縦積みアンプの小信号入力時、大信号入力時における各BTLアンプの出力信号の電流経路を示す回路図。
【図3】図1の2段縦積みアンプの小信号入力時における動作波形の一例を示す図。
【図4】図1の2段縦積みアンプの大信号入力時における動作波形の一例を示す図。
【図5】図1の2段縦積みアンプの具体的な回路例を示す回路図。
【図6】図1の2段縦積みアンプの具体的な回路例を示す回路図。
【図7】図1の2段縦積みアンプの具体的な回路例を示す回路図。
【図8】本発明の高効率パワーアンプに係るN段縦積みアンプの基本構成を示す回路図。
【図9】本発明の高効率パワーアンプの理論消費電力を従来例のB級アンプと比較して示すグラフ。
【符号の説明】
1、2…電源レール用の電源ライン(1…Vccライン、2…GNDライン)、
3…中間電源ライン、
4…電源分圧回路、
SW1〜SW4…切換回路、
11…第1のBTLアンプ、
12…第2のBTLアンプ、
RL-1…第1の負荷回路、
RL-2…第2の負荷回路。
Claims (9)
- 電源電位が与えられる第1の電源ラインおよび接地電位が与えられる第2の電源ラインからなる一対の電源レールと、
前記電源レール間の電源電圧を2分割した分圧電位を出力する電源分圧回路と、
前記分圧電位が供給される中間電源ラインと、
第1および第2の出力ブリッジ回路を有する第1のBTLアンプと、
第3および第4の出力ブリッジ回路を有する第2のBTLアンプと、
前記第1のBTLアンプの出力バイアス電位として前記分圧電位より低くかつ前記接地電位より高い第1の中間電位を設定し、前記第2のBTLアンプの出力バイアス電位として前記分圧電位より高くかつ前記電源電位より低い第2の中間電位を設定するバイアス設定回路と、
前記第1のBTLアンプの無信号入力時および小信号入力時には、前記第1および第2の出力ブリッジ回路を前記中間電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続し、前記第1のBTLアンプの大信号入力時には、前記第1および第2の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続するように前記第1および第2の出力ブリッジ回路の接続先の電圧を切り換える第1の切換回路と、
前記第2のBTLアンプの無信号入力時および小信号入力時には、前記第3および第4の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記中間電源ラインとの間に接続し、前記第2のBTLアンプの大信号入力時には、前記第3および第4の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続するように前記第3および第4の出力ブリッジ回路の接続先の電圧を切り換える第2の切換回路
とを具備することを特徴とする電力増幅回路。 - 前記第1および第2のBTLアンプの差動出力信号波形を前記第1および第2のBTLアンプの入力信号波形と比例させ、前記第1および第2のBTLアンプの瞬時差動利得を略一定に維持する回路をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電力増幅回路。
- 前記第1の切換回路は、前記第1のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記中間電源ラインの分圧電圧を基準にした規定の閾値を超えた時を前記第1のBTLアンプの大信号入力時として、前記第1および第2の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続するように切り換え接続し、
前記第2の切換回路は、前記第2のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記中間電源ラインの分圧電圧を基準にした規定の閾値を超えた時を前記第2のBTLアンプの大信号入力時として、前記第3および第4の出力ブリッジ回路を前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとの間に接続するように切り換え接続することを特徴とする請求項1記載の電力増幅回路。 - 前記第1の切換回路は、前記第1のBTLアンプの出力電圧を前記中間電源ラインの分圧電圧と比較し、比較結果に応じて前記第1および第2の出力ブリッジ回路の接続先の電源ラインを選択するように切り換える差動回路が用いられており、
前記第2の切換回路は、前記第2のBTLアンプの出力電圧を前記中間電源ラインの分圧電圧と比較し、比較結果に応じて前記第3及び第4の出力ブリッジ回路の接続先の電源ラインを選択するように切り換える差動回路が用いられていることを特徴とする請求項3記載の電力増幅回路。 - 前記第1の切換回路は、前記第1および第2の出力ブリッジ回路における高電位側の出力段トランジスタの接続先の電源ラインを選択し、
前記第2の切換回路は、前記第3および第4の出力ブリッジ回路における低電位側の出力段トランジスタの接続先の電源ラインを選択する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力増幅回路。 - 前記第1、第2の各BTLアンプの出力ブリッジ回路における低電位側の出力段トランジスタあるいは高電位側の出力段トランジスタは、前記中間電源ラインあるいは前記第1および第2の電源ラインに対応して接続された複数個の出力段トランジスタを有し、
前記第1の切換回路は、前記第1のBTLアンプの出力電圧を当該BTLアンプの出力段トランジスタに接続されている中間電源ラインの電圧と比較し、比較結果に応じて前記複数個の出力段トランジスタのうちの特定の出力段トランジスタを選択して前段回路から入力する駆動信号を供給するように切り換える差動回路が用いられており、
前記第2の切換回路は、前記第2のBTLアンプの出力電圧を当該BTLアンプの出力段トランジスタに接続されている中間電源ラインの電圧と比較し、比較結果に応じて前記複数個の出力段トランジスタのうちの特定の出力段トランジスタを選択して前段回路から入力する駆動信号を供給するように切り換える差動回路が用いられていることを特徴とする請求項5記載の電力増幅回路。 - 前記電源分圧回路は、
前記電源レール間に2個の抵抗素子が直列に接続された抵抗分圧回路と、
前記抵抗分圧回路の分圧ノードからバイアスが与えられ、出力ノードに前記中間電源ラインが接続されるプッシュプル型のエミッタフォロワ回路とからなることを特徴とする請求項1記載の電力増幅回路。 - 電源電位が与えられる第1の電源ラインと、
接地電位が与えられる第2の電源ラインと、
前記電源電位と前記接地電位との間の電位が与えられる第3の電源ラインと、
前記第2の電源ラインと前記第3の電源ラインとの間に接続された第1および第2の出力ブリッジ回路を有し、前記第1の出力ブリッジ回路は一端が前記第2の電源ラインに接続された第1のトランジスタと一端が前記第1のトランジスタの他端に接続された第2のトランジスタとを有し、前記第2の出力ブリッジ回路は一端が前記第2の電源ラインに接続された第3のトランジスタと一端が前記第3のトランジスタの他端に接続された第4のトランジスタとを有する第1のBTLアンプと、
前記第1の電源ラインと前記第3の電源ラインとの間に接続された第3および第4の出力ブリッジ回路を有し、前記第3の出力ブリッジ回路は一端が前記第1の電源ラインに接続された第5のトランジスタと一端が前記第5のトランジスタの他端に接続された第6のトランジスタとを有し、前記第4の出力ブリッジ回路は一端が前記第1の電源ラインに接続された第7のトランジスタと一端が前記第7のトランジスタの他端に接続された第8のトランジスタとを有する第2のBTLアンプと、
前記第1のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えない時には前記第2のトランジスタの他端を前記第3の電源ラインに接続し、前記第1のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えた時には前記第2のトランジスタの他端を前記第1の電源ラインに接続する第1の切換回路と、
前記第1のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えない時には前記第4のトランジスタの他端を前記第3の電源ラインに接続し、前記第1のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えた時には前記第4のトランジスタの他端を前記第1の電源ラインに接続する第2の切換回路と、
前記第2のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えない時には前記第6のトランジスタの他端を前記第3の電源ラインに接続し、前記第2のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えた時には前記第6のトランジスタの他端を前記第2の電源ラインに接続する第3の切換回路と、
前記第2のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えない時には前記第8のトランジスタの他端を前記第3の電源ラインに接続し、前記第2のBTLアンプの出力電圧のレベルが前記第3の電源ラインの電位を基準とした閾値を超えた時には前記第8のトランジスタの他端を前記第2の電源ラインに接続する第4の切換回路
とを具備することを特徴とする電力増幅回路。 - 前記第1および第2のBTLアンプの差動出力信号波形を前記第1および第2のBTLアンプの入力信号波形と比例させ、前記第1および第2のBTLアンプの瞬時差動利得を略一定に維持する回路をさらに具備することを特徴とする請求項8記載の電力増幅回路。
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