JP3876940B2 - 芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、その製造方法、及び樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温での溶融安定性に優れ、低温での耐衝撃強度の改善効果にも優れた新規な芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム及びその製造方法に関する。また、本発明は、高温での溶融安定性に優れ、低温での耐衝撃強度の改善効果にも優れた新規な芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを有効成分とする樹脂用改質剤、それを含んでなる樹脂組成物、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ABS樹脂は、アクリロニトリル(AN)とブタジエン(BD)とスチレン(ST)の3つの頭文字を取って命名された耐衝撃性樹脂である。ABS樹脂は、一般に、(1)アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)にゴムをブレンドしたブレンド型、(2)ゴムの存在下にスチレンとアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト型、及び(3)グラフト重合体とAS樹脂とをブレンドしたグラフト−ブレンド型に大別されている。ゴム成分としては、ポリブタジエンゴム(BR)が一般的であるが、現在では、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリルゴム(AR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPR)など、様々な種類のゴムが使用されている。ABS樹脂は、硬質の樹脂相からなるマトリックス中にゴム粒子が分散した構造を有しており、耐衝撃性、成形加工性、剛性、耐熱性、表面外観などの諸特性がバランスした樹脂材料である。
【0003】
ブレンド型ABS樹脂は、耐衝撃性、成形加工性、成形品外観が充分ではないため、現在では、諸物性に優れるグラフト型ABS樹脂が主流となっており、必要に応じて、グラフト型ABS樹脂をAS樹脂などで希釈して最終製品としている。グラフト型ABS樹脂の製造方法(グラフト法)としては、乳化重合法、塊状重合法、塊状−懸濁重合法、乳化−塊状重合法、溶液重合法などがある。乳化重合法は、重合時のスケール付着や品質低下の問題があるため、連続重合が困難で、回分式重合とならざるを得ず、生産性が低いという問題がある。また、乳化重合法では、ポリマーの回収に凝固が必要であり、大量の排水が出るため、排水処理設備が必要である。
【0004】
最近では、連続重合が可能で生産性が高く、排水処理を必要としない塊状重合法によるABS樹脂(以下、「バルクABS樹脂」という)が注目されている。バルクABS樹脂は、一般に、ジエン系ゴムの存在下に、スチレンとアクリロニトリルを塊状重合することにより製造されているが、実際には、少量の溶剤を併用したり、塊状重合工程の後に懸濁重合工程または溶液重合工程を付加している場合がある。したがって、バルクABS樹脂は、塊状重合法、塊状溶液重合法、塊状−懸濁二段重合法、塊状−溶液二段重合法などによって製造されている。
【0005】
バルクABS樹脂は、電話機やコンピューター等のハウジング用の材料等として広く用いられている。ABS樹脂は、射出成形、押出成形、圧縮成形などいずれの成形法も適用可能であるが、量産性や成形品のデザインの自由度の点で射出成形法が最も多く用いられている。近年、バルクABS樹脂を用いたハウジング等の成形品の生産性向上や薄肉軽量化に対する要求が高まっている。これらの要求を満たすには、射出成形時におけるABS樹脂の流動性を改善することが必要である。ABS樹脂の流動性が改善されると、射出成形のサイクルを短くすることができるため、生産性を高めることができる。また、射出成形時のABS樹脂の流動性が改善されると、複雑な形状の金型であっても、金型内の隅々にまで溶融樹脂が行き渡るため、薄肉成形品であっても容易に成形することができる。
【0006】
ABS樹脂の流動性を高めるために、樹脂相の分子量を調整したり、ゴム量の調整を行うと、諸特性のバランスが悪くなりやすい。そこで、従来、射出成形時のABS樹脂の流動性を向上させるために、射出成形温度を高める方法が採用されている。射出成形温度としては、ABS樹脂の流動性を高める観点から、例えば、220〜270℃程度の温度範囲で、できるだけ高い温度を採用することが望ましい。ところが、従来のバルクABS樹脂は、高温での溶融安定性(熱安定性)が不充分なため、高温での射出成形を安定して行うことが困難であり、得られる成形品の物性や外観も満足できないという問題があった。
【0007】
バルクABS樹脂の溶融安定性が不充分な主たる原因は、ゴム成分にあると推定される。しかしながら、バルクABS樹脂では、溶媒に可溶な未架橋のゴム成分を使用することが必要であることなど、ゴム成分の選択に限界がある。従来、ゴム成分として、結合スチレン含有量が3〜30重量%で、ブタジエン部の1,2−ビニル結合量が60%以上のランダムSBRを使用することが提案されている(特開昭57−30712号公報)。しかしながら、このランダムSBRをゴム成分として使用したバルクABS樹脂は、低温での耐衝撃性が悪く、高温での溶融安定性も充分でないという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温での溶融安定性に優れ、低温での耐衝撃強度の改善効果にも優れた新規な芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、高温での溶融安定性に優れ、低温での耐衝撃強度の改善効果にも優れた新規な芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを有効成分とする樹脂用改質剤、それを含んでなる樹脂組成物、及び該樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決するために鋭意研究した結果、結合芳香族ビニル含有量が通常よりも少し高めで、かつ、選択された狭い範囲にあり、重量平均分子量(Mw)も極めて限られた範囲にあり、分子量分布が狭く、さらには、共役ジエン部のビニル結合量が小さい芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムに想到した。
【0009】
この芳香族ビニル−共役ジエン共重合体をゴム成分として使用し、バルクABS樹脂を製造したところ、260℃程度の高温での溶融安定性が良好であり、高温での射出成形を安定して行うことができ、しかも低温での耐衝撃性に優れたバルクABS樹脂の得られることを見いだした。この芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムは、炭化水素系溶媒中、ルイス塩基の存在下に、有機活性金属化合物を開始剤として用いて、芳香族ビニルと共役ジエンを共重合させることにより製造することができる。バルクABS樹脂は、この芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの存在下で、芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとその他の共重合可能な単量体との混合物をラジカル重合することにより得ることができる。この芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを樹脂改質剤やバルクABS樹脂などの樹脂組成物のゴム成分として使用する場合には、他のゴムを併用することができる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、芳香族ビニルと共役ジエンとを共重合してなる芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムにおいて、
(a)結合芳香族ビニル含有量が36〜39重量%、
(b)共役ジエン部のビニル結合量が15〜25重量%、
(c)全結合芳香族ビニル含有量を基準として、ブロック芳香族ビニル量が90重量%以上、
(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.20以下、及び
(e)重量平均分子量(Mw)が120,000〜230,000
であることを特徴とする芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、炭化水素系溶媒中、ルイス塩基の存在下に有機活性金属化合物を開始剤として、芳香族ビニルと共役ジエンとを共重合することを特徴とする
(a)結合芳香族ビニル含有量が36〜39重量%、
(b)共役ジエン部のビニル結合量が15〜25重量%、
(c)全結合芳香族ビニル含有量を基準として、ブロック芳香族ビニル量が90重量%以上、
(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.20以下、及び
(e)重量平均分子量(Mw)が120,000〜230,000
である芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの製造方法が提供される。
【0012】
本発明によれば、前記の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを有効成分として含有する樹脂用改質剤が提供される。
本発明によれば、樹脂と、前記の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含有するゴム成分とを含んでなる樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含有するゴム成分の存在下で、芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、α,β−不飽和酸系単量体、フェニルマレイミド、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる共重合可能な単量体との混合物をラジカル重合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム
本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムは、芳香族ビニルと共役ジエンとを共重合することにより製造される。
芳香族ビニルとしては、格別な制限はなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン等を挙げることができる。これらの中でも、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる事ができる。
【0014】
共役ジエンとしては、格別な制限はなく、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(すなわち、イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらの中でも1,3−ブタジエンや2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましく、特に1,3−ブタジエンが好ましい。これらの共役ジエンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム中の結合芳香族ビニル含有量は、36〜39重量%の極めて限定された範囲内にあることが必要であり、好ましくは36.5〜38.5重量%である。結合芳香族ビニル含有量が36重量%より少ないと高温での溶融安定性(熱安定性)に劣り、39重量%を越えると低温での耐衝撃性の改善効果が小さい。結合共役ジエン含有量は、61〜64重量%であり、好ましくは61.5〜63.5重量%である。
【0016】
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムにおけるブロック芳香族ビニル(A)量は、全結合芳香族ビニル含有量を基準として、90重量%以上であるときに、特に高温での溶融安定性に優れる。すなわち、本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムは、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体であることが好ましい。芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム中のブロック芳香族ビニル(A)量は、常法に従って測定することができる。具体的には、例えば、L.M.Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.,1,429(1948)に記載されているオスミウム酸分解法に従って、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを、触媒量のオスミウム酸を用い、tert−ブチルハイドロパーオキサイドで酸化分解した後に、平均孔径5.0μmのガラスフィルターで濾別されるものの割合として測定される。
【0017】
ブロック芳香族ビニル(A)部の重量平均分子量(Mw)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の値で、通常10,000〜100,000、好ましくは20,000〜80,000、より好ましくは40,000〜60,000の範囲である。ブロック芳香族ビニル(A)部の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、溶融安定性や低温での耐衝撃強度が高度にバランスされ好適である。ブロック芳香族ビニル(A)部の分子量分布(Mw/Mn)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常2.00以下、好ましくは1.10〜1.80、より好ましくは1.30〜1.70の範囲である。ブロック芳香族ビニル(A)部の分子量分布(Mw/Mn)がこの範囲にあるときに、低温での耐衝撃性などの特性に優れ好適である。
【0018】
本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの共役ジエン部のビニル結合(1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合を含む)量は、15〜25重量%、好ましくは21〜25重量%の範囲である。共役ジエン部のビニル結合量がこの範囲にあるときに、低温での耐衝撃性が高度に改善され好適である。共役ジエン部のビニル結合以外は、1,4−結合であり、この1,4−結合は、シス型、トランス型のいずれでもよい。
【0019】
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの重量平均分子量(Mw)は、GPCで測定されるポリスチレン換算の値で、120,000〜230,000、好ましくは150,000〜200,000の範囲である。芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、低温での耐衝撃性が高度に改善され好適である。
【0020】
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの分子量分布は、GPCで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で1.20以下であることが必要であり、好ましくは1.15以下、より好ましくは1.10以下である。芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの分子量分布が広いと、低温での耐衝撃性に劣り好ましくない。
【0021】
本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の製造方法は、格別限定されるものではないが、例えば、炭化水素系溶媒中、有機活性金属化合物を開始剤として用いて、共役ジエンと芳香族ビニルとを共重合して行うことができる。共役ジエンと芳香族ビニルとを共重合するに当り、少なくとも芳香族ビニルを重合する独立の工程を設けることが、ブロック芳香族ビニル(A)の含有量を充分に高める上で好適であり、通常は、芳香族ビニルを重合する工程(i)と共役ジエンを重合する工程(ii)及び/または芳香族ビニルと共役ジエンとの混合物を重合する工程(iii)とを組み合わせて行われる。芳香族ビニルを重合する工程(i)に使用される芳香族ビニル量は、格別な限定はないが、全芳香族ビニル量の、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
【0022】
炭化水素系溶媒としては、格別な制限はなく、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;などが用いられる。これらの炭化水素系溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機活性金属化合物としては、例えば、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、有機ランタノイド系列希土類金属化合物などのアニオン重合可能な有機活性金属化合物が挙げられる。これらの中でも、重合反応性、経済性などの観点から、有機アルカリ金属化合物が特に好ましい。
【0023】
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどのモノ有機リチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼンなどの多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、有機リチウム化合物が好ましく、モノ有機リチウム化合物が特に好ましい。
【0024】
有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、n−ブチルマグネシウムブロミド、n−ヘキシルマグネシウムブロミド、エトキシカルシウム、ステアリン酸カルシウム、t−ブトキシストロンチウム、エトキシバリウム、イソプロポキシバリウム、エチルメルカプトバリウム、t−ブトキシバリウム、フェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ステアリン酸バリウム、エチルバリウムなどが挙げられる。
【0025】
有機ランタノイド系列希土類金属化合物としては、例えば、特公昭63−64444号公報に記載されているようなバーサチック酸ネオジウム/トリエチルアルミニウムハイドライド/エチルアルミニウムセスキクロライドからなる複合触媒などが挙げられる。
これらの有機活性金属化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。有機活性金属化合物の使用量は、要求される生成重合体の分子量によって適宜選択され、全単量体100g当り、通常0.01〜20ミリモル、好ましくは0.05〜15ミリモル、より好ましくは0.1〜10ミリモルの範囲である。
【0026】
本発明の製造方法においては、重合反応時に、必要に応じてルイス塩基等の極性化合物を添加することができる。ルイス塩基としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジンなどの第三級アミン類;カリウム−t−アミルオキシド、カリウム−t−ブチルオキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;等の化合物を挙げられる。これらのルイス塩基は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、その本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
【0027】
重合反応は、等温反応、断熱反応のいずれでもよく、通常は0〜150℃、好ましくは20〜120℃の重合温度範囲で行われる。重合反応終了後は、常法により、例えば、停止剤としてメタノール、イソプロパノールなどのアルコール類を添加して重合反応を停止し、酸化防止剤(安定剤)やクラム化剤を加えた後、直接乾燥やスチームストリッピングなどの方法で溶媒を除去し、乾燥して生成重合体を得ることができる。
【0028】
樹脂組成物
本発明の樹脂用改質剤は、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを有効成分として含有するものであり、特に耐衝撃性の改質剤(強靭化剤)として有用である。樹脂用改質剤は、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム単独でもよいが、他のゴムなどを併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と、上記の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含むゴム成分とを含有する。
【0029】
改質される樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂;アクリロニトリル−アクリレート−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート−スチレン樹脂などの芳香族ビニル系熱可塑性樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル等のエンジニアリングプラスチック等を挙げることができる。これらの中でも、芳香族ビニル系熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテルなどが好ましく、芳香族ビニル系熱可塑性樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
ゴム成分としては、本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム単独でもよいが、本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとその他のゴムの混合物を用いてもよい。ゴム成分中の本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの割合は、使用目的に応じて適宜選択できるが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。ゴム成分中に本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含有しないと、耐衝撃性と透明性のバランスが悪く好ましくない。
【0031】
その他のゴムとしては、特に限定はなく、樹脂の強靭化剤として通常使用されるその他のゴム成分を添加することができる。具体的には、例えば、本発明の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム以外のランダムSBR、スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴムなどの芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、低シス−ポリブタジエンゴム、高シス−ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴムなどが挙げられる。
樹脂に対する上記ゴム成分の割合は、使用目的や芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの種類に応じて適宜選択されるが、樹脂100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜15重量部の範囲である。ゴム成分の割合がこの範囲である時に、一般に、耐衝撃性と透明性が高度にバランスされ好適である。
【0032】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に制限はなく、例えば、樹脂と、前記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含むゴム成分とを機械的に混合する方法を採用することができるが、樹脂が芳香族ビニル系熱可塑性樹脂の場合には、前記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含むゴム成分の存在下で、芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとその他の共重合可能な単量体との混合物をラジカル重合する方法が好ましい。
【0033】
芳香族ビニルとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−1−4−ジクロルスチレン、2−4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
芳香族ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのニトリル系単量体;メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸メチルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和酸系単量体;フェニルマレイミド等が挙げられる。これらの中でも、ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、α,β−不飽和酸系単量体が好ましく、ニトリル系単量体が特に好ましい。これらの芳香族ビニルと共重合可能な単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。芳香族ビニルとその他の共重合可能な単量体との使用割合は、用途に応じて適宜選択されるが、[芳香族ビニル]:[共重合可能な単量体]の重量比で、通常50〜100:50〜0、好ましくは55〜95:45〜5、より好ましくは60〜90:40〜10の範囲である。
【0035】
使用するゴム成分の量は、使用目的に応じて適宜選択できるが、上記単量体成分100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜15重量部となるように調節される。ゴム成分の使用量がこの範囲である時に、耐衝撃性や透明性が高度にバランスされ好適である。
ラジカル重合法としては、格別の限定はなく、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状−懸濁二段重合法や塊状−溶液二段重合法などの多段重合法などが挙げられる。これらの中でも、塊状重合法及び塊状−懸濁二段重合法が特に好ましい。塊状重合法は、塊状連続重合法が好ましい。
【0036】
塊状連続重合法により本発明の樹脂組成物を製造する場合には、例えば、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとその他の共重合可能な単量体との混合物に溶解させ、必要に応じて、希釈溶剤、流動パラフィン、ミネラルオイルなどの内部潤滑剤、酸化防止剤、連鎖移動剤などを加えた後、無重合触媒重合の場合は、通常80〜200℃において加熱重合し、触媒重合の場合は、重合触媒存在下、通常20〜200℃において重合し、単量体(芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとその他の共重合可能な単量体との混合物)の重合転化率が60から90%になるまで重合する。この場合、重合触媒を用いることがより好ましい。希釈溶剤を併用する場合は、塊状溶液重合法と呼ばれることがある。
【0037】
重合触媒としては、通常、有機過酸化物やアゾ系触媒が用いられ、好ましくは有機過酸化物である。有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−8,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ベンゾイルペルオキシド、m−トルオイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;ジミリスチルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシカーボネート類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネートなどのペルオキシエステル類;シクロヘキサノンペルオキシドなどのケトンペルオキシド類;p−メンタンハイドロペルオキシドなどのハイドロペルオキシド類などが挙げられる。これらの重合触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合触媒の使用量は、単量体成分100重量部に対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜3重量部、より好ましくは0.01〜1重量部である。
【0038】
希釈溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類;n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチルイソプロピルケトンなどのケトン類;などが挙げられ、芳香族炭化水素類が好ましい。これらの希釈溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は、全単量体の通常0〜25重量%である。
【0039】
連鎖移動剤としては、例えば、α−メチルスチレンダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;1−フェニルブテン−2−フルオレン、ジペンテンなどのテルペン類;クロロホルムなどのハロゲン化合物などが挙げられる。
重合操作終了後、生成した樹脂組成物は、常法に従って、例えば、加熱減圧による溶媒除去、あるいは揮発物除去設計された押出装置を用いて押し出すことにより、未反応モノマーや希釈溶剤などを除去して回収することができる。得られた樹脂組成物は、必要により、ペレット化または粉末化して実用に供される。
【0040】
塊状−懸濁二段重合法においては、通常、前記の塊状重合法と同様にして単量体の重合転化率が15〜50%に達するまで部分的に重合を行い、次いで、この部分的に重合した重合溶液を、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの懸濁安定剤、及び/またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤の存在下で、水中に懸濁して反応を完結させる。生成した耐衝撃性樹脂組成物は、濾過分離、遠心分離などの方法により単離し、水洗、乾燥を行い、必要に応じてペレット化または粉末化する。
【0041】
塊状−溶液二段重合法においては、通常、前記の塊状重合法と同様にして単量体の重合転化率が15〜50%に達するまで部分的に重合を行い、次いで、この部分的に重合した重合溶液に、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素類;などの有機溶媒を添加し、重合系の粘度を低下させて重合を完結させる。重合終了後、ベント式ルーダーまたはスチームストリッピング等によって脱モノマー、脱溶媒を行い、必要に応じてペレット化または粉末化する。
【0042】
本発明の樹脂組成物において、樹脂マトリックス中の本発明の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体ゴムを含むゴム成分の平均粒子径は、格別制限されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜1μmの範囲内にある時に、耐衝撃性の向上が著しく好適である。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、樹脂工業で通常使用される配合剤を添加することができる。使用できる配合剤の具体例としては、例えば、ミネラルオイル、流動パラフィン、有機ポリシロキサン、有機または無機の充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
【0043】
有機または無機の充填剤としては、各種の粉粒状または繊維状充填剤があり、より具体的には、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等を挙げることができる。
【0044】
安定剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミドビス[エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系酸化防止剤;トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系安定剤などを挙げることができる。
【0045】
難燃剤としては、特に制約はなく、通常ハロゲン系難燃剤が用いられる。ハロゲン系難燃剤としては、塩素系及び臭素系の各種難燃剤が使用可能であるが、難燃化効果、成形時の耐熱性、樹脂への分散性、樹脂の物性への影響等の面から、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノールA及びその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)等]、テトラブロモビスフェノールS及びその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等]、テトラブロモ無水フタル酸及びその誘導体[例えば、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド等]、エチレンビス(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1)−イソシアヌレート、ヘキサクロロシクロペンタジエンのディールス・アルダー反応の付加物、トリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、オクタブロモナフタレン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミンなどが好ましい。
【0046】
難燃剤の難燃化効果をより有効に発揮させるための難燃助剤として、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、三塩化アンチモン等のアンチモン系難燃助剤を併用することができる。
これらのその他の配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
【0047】
これらの配合剤の混合は、樹脂及びゴム成分と共に機械的に行ってもよいし、また、前記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含むゴム成分の存在下で、芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとその他の共重合可能な単量体との混合物をラジカル重合して得られる樹脂組成物と機械的に混合してもよい。機械的な混合方法は、常法に従えばよく、1軸もしくは2軸などの押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練装置を用いて行うことができ、混合温度は、通常100〜250℃の範囲である。
【0048】
本発明の態様としては、以下のものが例示される。
1.芳香族ビニルと共役ジエンとを共重合してなる芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムにおいて、
(a)結合芳香族ビニル含有量が36〜39重量%、
(b)共役ジエン部のビニル結合量が15〜25重量%、
(c)全結合芳香族ビニル含有量を基準として、ブロック芳香族ビニル量が90重量%以上、
(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.20以下、及び
(e)重量平均分子量(Mw)が120,000〜230,000
であることを特徴とする芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム。
2.結合芳香族ビニル含有量が36.5〜38.5重量%である1項に記載の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム。
【0049】
3.ブロック芳香族ビニル部の重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000である1または2項に記載の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム。
4.ブロック芳香族ビニル部の分子量分布(Mw/Mn)が2.00以下である1乃至3のいずれか1項に記載の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム。
【0050】
5.芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの分子量分布が1.15以下である1乃至4のいずれか1項に記載の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム。
6.炭化水素系溶媒中、ルイス塩基の存在下に有機活性金属化合物を開始剤として用いる1乃至5のいずれか1項に記載の共重合体ゴムの製造方法。
7.芳香族ビニルを重合する独立の工程を設けた6項に記載の共重合体ゴムの製造方法。
8.(i)芳香族ビニルを重合する工程と、(ii)共役ジエンを重合する工程及び/または(iii)芳香族ビニルと共役ジエンとの混合物を重合する工程とを組み合わせた7項に記載の共重合体ゴムの製造方法。
【0051】
9.(i)芳香族ビニルを重合する工程に使用される芳香族ビニル量が全芳香族ビニル量の30%以上である8項に記載の共重合体ゴムの製造方法。
10.有機活性金属化合物の使用量が全単量体100g当たり、0.01〜20ミリモルである6乃至9のいずれか1項に記載の共重合体ゴムの製造方法。
11.1乃至5のいずれか1項に記載の共重合体ゴムを有効成分として含有する樹脂用改質剤。
12.樹脂と、1乃至5のいずれか1項に記載の共重合体ゴムを含有するゴム成分とを含んでなる樹脂組成物。
13.ゴム成分中に、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムが30重量%以上含有している12項に記載の樹脂組成物。
14.ゴム成分が樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部である12または13項に記載の樹脂組成物。
【0052】
15.1乃至5のいずれか1項に記載の共重合体ゴムを含有するゴム成分の存在下で、芳香族ビニル、または芳香族ビニルとその他の共重合可能な単量体との混合物を、ラジカル重合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
16.ゴム成分が該共重合体ゴムを30重量%以上含有する15項に記載の樹脂組成物の製造方法。
17.芳香族ビニルと共重合可能な単量体が重量比で50〜100:50〜0である15または16項に記載の樹脂組成物の製造方法。
18.ラジカル重合する芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、α,β−不飽和酸系単量体、フェニルマレイミド、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる共重合可能な単量体との混合物100重量部に対し、ゴム成分0.1〜30重量部使用する15乃至17のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
19.ラジカル重合が塊状連続重合法である15乃至18のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【0053】
【実施例】
以下に、製造例、実施例、参考例、及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。以下の例中の部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。各種物性の測定法は、下記の通りである。
(1)芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム中の結合芳香族ビニル含有量は、フェニル基に起因する波数約700cm−1における赤外線吸収ピークの強度を測定し、予め求めておいた検量線からその量を求めた。
(2)芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム中の共役ジエン部のビニル結合量は、赤外分光光度計を使用して、モレロ法に従って1,2−ビニル結合量を算出した。
(3)芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロンフラン(THF)を溶媒にしたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値で示した。
【0054】
(4)ブロック芳香族ビニル(A)量は、L.M.Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.,1,429(1948)に記載されるオスミウム酸分解法に従って測定した。すなわち、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム0.05gを四塩化炭素10mlに溶解し、tert−ブチルハイドロパーオキサイドの70%水溶液16mlと四塩化オスミウムの0.05%クロロホルム溶液4mlを加え、90℃バス中にて15分間還流することにより、酸化分解反応を行った。反応終了後、反応溶液を冷却した後、メタノール200mlを攪拌下に加えてブロック芳香族ビニル成分を沈殿させ、これを平均孔径5μmのガラスフィルターにて濾別し、この重量を芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム中の全芳香族ビニル含有量に対する割合で示した。
【0055】
(5)低温アイゾッド衝撃強度は、樹脂組成物のペレットを射出成形機SAV−30/30(山城精機社製;金型温度50℃、ノズル先端温度240℃)にて射出成形して試験片を作成し、JIS K−7110に従って−10℃で測定し、比較例を100とする指数(数値が大きい程好ましい。)で表示した。
(6)溶融安定性は、高化式フローテスター(島津社製;CFT−500)により、樹脂組成物のペレットに260℃の予熱を一定時間加え、その後に同温度で30kg/cm2の荷重をかけてノズル(直径1mm、長さ5mm)から5分間に流出した樹脂量を測定し、下記式で求められる流出比率(%)を表示した(数値が100に近いものが好ましい)。
流出比率(%)=(260℃で20分間加熱した場合の樹脂流出量)/(260℃で5分間加熱した場合の樹脂流出量)
【0056】
[実施例1](共重合体ゴムの製造例)
攪拌器、リフラックスコンデンサー、及びジャケット付きの2キロリットルの反応器を、洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製、乾燥したシクロヘキサン700kg、テトラエチレンジアミン(TMEDA)17ミリモル、1,2−ブタジエン10g、及び1,3−ブタジエン61.5kgをいれて、50℃に昇温してから、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mmol/ml)825mlを添加して重合を開始した(1段目重合工程)。反応転化率が約100%になったところで引き続き、スチレン38.5kgを添加し、さらに重合した(2段目重合工程)。2段目の反応転化率が約100%となったところで、イソプロピルアルコール1molを添加して重合を停止し、次いでフェノール系老化防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス1076)200gを添加してから、反応混合物10kgを取り出して、スチームストリッピング法により脱溶媒した後、真空乾燥して共重合体ゴムAを得た。結果を表1に示した。
【0057】
[比較例1](共重合ゴムの製造例)
攪拌器、リフラックスコンデンサー、及びジャケット付きの2キロリットルの反応器を、洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製、乾燥したシクロヘキサン800kg、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム(DBSK)65.8mmol、ジエチレングリコールジメチルエーテル(EGDME)976.5mmol、スチレン25kg、及び1,3−ブタジエン75kgを入れて、40℃に昇温してから、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mmol/ml)420mlを添加して重合を開始した。反応転化率が約100%になったところでイソプロピルアルコールを1mol添加して重合を停止し、フェノール系老化防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス1076)200gを添加してから、反応混合物10kgを取り出して、スチームストリッピング法により脱溶媒した後、真空乾燥して共重合体ゴムHを得た。結果を表1に示した。
【0058】
[実施例2〜4、参考例1〜3、及び比較例2〜6](共重合ゴムの製造例)
表1記載の条件に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、共重合体ゴムB〜G及びI〜Mを製造した。結果を表1に示した。
【0059】
[実施例5]
5リットルの攪拌装置つきステンレス製反応機中で、実施例1で得られた共重合体ゴムA100gをスチレンモノマー630gとアクリロニトリル270gに溶解させた後、連鎖移動剤(n−ドデシルメルカプタン)4gを添加して、115℃で撹拌し、重合を行った。転化率が40%に達した時、ベンゾイルパーオキサイド1.3gを溶解したトルエン1500gを添加し、さらに重合を続けた。転化率が約75%のところで反応温度を室温まで下げ重合を停止させた。得られた反応混合物から残留モノマー及び溶媒を60℃で減圧除去した。得られたABS樹脂を180℃のロールで練りシート状に成形し、シートペレタイザーでペレット状にした。このペレット状のサンプルを用いて低温耐衝撃性及び溶融安定性試験を行い、それらの結果を表1に示した。
【0060】
[実施例6〜8、参考例4〜6、及び比較例7〜12]
共重合体ゴムAを、実施例2〜4、参考例1〜3、及び比較例1〜6で得られた共重合体ゴムB〜G及びH〜Mのそれぞれに代えたこと以外は、実施例5と同様にしてABS樹脂を製造し、ペレット状のサンプルを得た。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
(*1)テトラエチレンジアミン
(*2)ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム
(*3)ジエチレングリコールジメチルエーテル
(*4)比較例1を100とする指数
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、高温での溶融安定性に優れ、低温での耐衝撃強度の改善効果にも優れた新規な芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、該共重合体ゴムを含有する樹脂用改質剤、ゴム成分として、該共重合体ゴムを含有するゴム成分を用いた樹脂組成物、及びその製造方法が提供される。本発明の共重合体ゴムを含むゴム成分を用いて得られるバルクABS樹脂は、高温での射出成形が可能であり、生産性の向上や薄肉軽量成形品の製造に好適である。
Claims (5)
- 芳香族ビニルと共役ジエンとを共重合してなる芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムにおいて、
(a)結合芳香族ビニル含有量が36〜39重量%、
(b)共役ジエン部のビニル結合量が15〜25重量%、
(c)全結合芳香族ビニル含有量を基準として、ブロック芳香族ビニル量が90重量%以上、
(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.20以下、及び
(e)重量平均分子量(Mw)が120,000〜230,000
であることを特徴とする芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム。 - 炭化水素系溶媒中、ルイス塩基の存在下に有機活性金属化合物を開始剤として、芳香族ビニルと共役ジエンとを共重合することを特徴とする
(a)結合芳香族ビニル含有量が36〜39重量%、
(b)共役ジエン部のビニル結合量が15〜25重量%、
(c)全結合芳香族ビニル含有量を基準として、ブロック芳香族ビニル量が90重量%以上、
(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.20以下、及び
(e)重量平均分子量(Mw)が120,000〜230,000
である芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムの製造方法。 - 請求項1記載の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを有効成分として含有する樹脂用改質剤。
- 樹脂と、請求項1記載の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含有するゴム成分とを含んでなる樹脂組成物。
- 請求項1記載の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを含有するゴム成分の存在下で、芳香族ビニルまたは芳香族ビニルとニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、α,β−不飽和酸系単量体、フェニルマレイミド、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる共重合可能な単量体との混合物をラジカル重合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
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