JP3876603B2 - 缶蓋の滅菌洗浄方法と装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶蓋(以下、単に「蓋」と略称する場合もある。)の滅菌洗浄方法と装置、特にアセプティック充填システムへの適用に適した缶蓋の滅菌洗浄方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホットパック充填方式では、洗浄した空缶に65〜90℃の内容液を熱間充填し缶蓋を巻締後に所定時間高温状態を維持するか、又はレトルトにより所定時間加熱して滅菌を行っている。一方、アセプティック充填方式では、缶と蓋の滅菌、内容液の滅菌、無菌下での充填によって、レトルト滅菌を不要にし、例えば果汁飲料等内容物の加熱によるフレーバーの低下を防止し、高品質の缶詰を得ている。そのために、アセプティック充填方式では、缶と共に蓋も高度に滅菌し、その滅菌状態を維持して缶の密封に適用する必要がある。従来、アセプティック充填方式における缶蓋の滅菌方法として、例えば、缶蓋を立てて間隔を於いて搬送しながら、直交方向外部から缶蓋に過酸化水素を噴霧して付着させ、その後缶蓋をオーブン内で加熱することによって過酸化水素を蒸発させて除去することにより、滅菌する方法が知られている(特開平6−4043号公報、特開2000−51326号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
過酸化水素による蓋の滅菌では、過酸化水素を蓋の両面に均一に付着させる必要があり、且つ付着した過酸化水素を加熱して蒸発させなければならない。そのため、近年の缶詰製造ラインの高速化に対応して、短時間で滅菌処理を行なうには、過酸化水素の濃度を高くし、且つ高温加熱を行う必要がある。しかしながら、過酸化水素濃度が高くなるほど、また加熱乾燥温度が高くなるほど缶蓋の巻締カール部に塗布してあるコンパウドや蓋内面に塗布してある塗膜面にブリスターが発生し、巻締性や金属露出による腐食などに影響を与える問題点がある。また、アルミニウム蓋では加熱温度が180℃以上になると開口性に影響を及ぼす問題点もある。一方、短時間で滅菌処理を行って6D以上の高殺菌価を得るには、過酸化水素の濃度を高くし、且つ160℃以上の高温加熱を行う必要があり、タブ付き蓋など複雑な形状の蓋の場合はさらに高温加熱が必要になる。そのため、従来の過酸化水素による殺菌では、蓋の高殺菌価と製品品質を安定的に確保する滅菌条件を得るのは難しい。そして、ライン停止等で、滅菌装置内で蓋が一定以上停滞すると、蓋のダメージが大きくなるのでライン外に排出する必要があり、蓋が無駄になるという問題点もある。
【0004】
そこで、本発明は、従来の過酸化水による蓋滅菌の上記問題点を解決しようとするものであり、タブ付き蓋であっても低温でしかも短時間に確実に滅菌でき、且つライン停止などが発生しても製品へのダメージがなく、高殺菌価が得られる蓋滅菌洗浄方法とその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する本発明の缶蓋の滅菌洗浄方法は、滅菌洗浄装置内に上流側から順に配置された薬剤噴射滅菌ゾーン、無菌水洗浄ゾーン及び無菌空気水切りゾーンで缶蓋を間隔を開けて搬送し、搬送中に蓋間の隙間から缶蓋の内外面に前記薬剤噴射滅菌ゾーンで薬剤、前記無菌水洗浄ゾーンで無菌水、前記無菌空気水切りゾーンで無菌空気を順次噴射して、缶蓋の滅菌、洗浄、水切りを順次行うことからなり、充填ライン停止時には、前記薬剤噴射滅菌ゾーンに残っている缶蓋を所定時間薬剤を噴射して滅菌後、さらに前記薬剤噴射滅菌ゾーンで前記缶蓋を無菌水洗浄してその状態で停止し、再スタート時には前記薬剤噴射滅菌ゾーンに残っている前記缶蓋に所定時間薬剤を噴射後、通常運転に起動するようにしてなることを特徴とするものである。それにより、ライン停止時の蓋の救済処理を行うことができ、蓋が無駄になるのを防ぐことができる。
【0006】
前記薬剤としては、過酢酸系殺菌剤、次亜塩素酸ソーダ、オゾン水等の塗布のみにより殺菌効果のある薬剤が使用できるが、特に過酢酸濃度1000ppm以上の過酢酸系殺菌剤が望ましい。
【0007】
上記缶蓋の滅菌洗浄方法を行う本発明の缶蓋の滅菌洗浄装置は、1枚ずつ蓋を切り出すセパレータ、該セパレータにより切り出された缶蓋を間隔を開けて搬送する蓋間隔搬送手段、該蓋間隔搬送手段に沿って上流側から順に薬剤噴射滅菌ゾーン、無菌水洗浄ゾーン、無菌空気水切りゾーンを配置し、各ゾーンには搬送中の蓋間の隙間から缶蓋の内外面に薬剤を噴射する薬剤噴射手段、無菌水を噴射する無菌水噴射手段、無菌空気を噴射する無菌空気噴射手段がそれぞれ配置されてなり、前記薬剤噴射滅菌ゾーンには、前記薬剤噴射手段と共に無菌水噴射手段が配置されているか又は薬剤噴射手段が薬剤噴射と無菌水噴射とに切替可能になっていることを特徴とする構成を備えている。
【0008】
前記セパレータと薬剤噴射ゾーンとの間に排気ゾーンを配置することによって、作業環境の臭気及び蓋セパレータまわりの薬剤腐食を効果的に防止することができて望ましい。また、前記薬剤噴射滅菌ゾーン、無菌水洗浄ゾーン、無菌空気水切りゾーン間にはそれぞれ間仕切を設け、薬剤と無菌水が混ざらないように薬剤と無菌水を回収する薬剤回収口及び無菌水回収口を設けるのが望ましい。さらに、必要に応じて前記無菌水洗浄ゾーンの排出側を、前記セパレータが配置されている入り口側より清浄度の高い空間に連結し、該空間に搬送中の蓋に温風を吹き付けて水分を乾燥除去する乾燥ゾーンを配置する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る蓋滅菌洗浄装置の全体概念図である。
供給シュート1の下流端側に配置された蓋セパレート装置2によって1個ずつ切り出された蓋eを、外部と隔離されたチャンバー3内に配置された蓋間隔搬送手段4により所定間隔を開けて搬送する。蓋間隔搬送手段4は、図2に示すように配置された3本のフィードスクリュー5で構成され、蓋eの間隔が後述するように各ノズルにより、搬送中の蓋の内外面に向けて斜め横方向から蓋内外面をねらって薬剤や無菌水等を噴射して蓋の内外面全体にそれらを接触させることができる程度の十分な間隔を有して搬送できるように、そのピッチが形成されている。蓋の搬送間隔は、10〜20mm程度が好ましい。なお、図1における9は蓋セパレート装置及びフィードスクリューを駆動するモータである。
【0010】
チャンバー3内は、蓋間隔搬送手段4が貫通する貫通孔を有する仕切板6により、上流側から順に排気ゾーン10、薬剤噴射滅菌ゾーン11、無菌水洗浄ゾーン12、無菌空気水切りゾーン13に仕切られ、後述するように、それらのゾーンで使用される薬剤と無菌水が混ざらないように回収できるようになっている。排気ゾーン10は、蓋セパレート装置2と薬剤噴射ゾーン11との間に位置し、該排気ゾーンには排気装置に連結された排気パイプ14が連結され、該位置から排気することによって、薬剤噴射ゾーンで発生した臭気を外部に排気して作業環境に臭気が拡散することを防止すると共に、蓋セパレータ2まわりが薬剤で腐食することを防止している。
【0011】
薬剤噴射滅菌ゾーン11には、図2及び図3に示すように、3本のフィードスクリュー間の3方から薬剤を噴射できるように、搬送方向に沿って複数の薬剤噴射ノズル15が取り付けられた3組の薬剤噴射管16がフィードスクリュー5に沿って設けられている。薬剤噴射管16は薬剤供給パイプ17を介して図示しない薬剤供給源に連結されている。また、薬剤噴射滅菌ゾーン11の底部には薬剤回収パイプ18が設けられ、使用された薬剤を回収できるようになっている。なお、本実施形態では、前記薬剤噴射ノズル15、薬剤噴射管16、薬剤供給パイプ17で薬剤噴射手段19を構成しているが、その構造は必ずしも図示のものに限定されるものではない。また、本明細書で「噴射」の用語は「噴霧」も含む概念で使用しており、薬剤を霧状に噴霧して蓋の内外面に塗布するような噴霧ノズル構造にしても良い。またフィードスクリューは、2本で構成することも可能である。
【0012】
薬剤噴射滅菌ゾーン11には、図示してないが、充填ライン停止時に、該薬剤噴射滅菌ゾーン内に残っている蓋を外部に排出することなく、運転再開時にそのまま起動できるようにするため、薬剤噴射手段と並列して無菌水噴射手段が設けられている。該無菌水噴射手段は、薬剤噴射管と並列して設けた無菌水噴射管に無菌水噴射ノズルを薬剤噴射手段と同様にして設けてある。しかしながら、必ずしも無菌水噴射手段を薬剤噴射手段と別々に設けないで、薬剤噴射手段の薬剤供給パイプに切替バルブを介して切替可能に無菌水供給パイプを連結して、薬剤噴射手段を無菌水噴射手段と兼用することも可能である。
【0013】
無菌水洗浄ゾーン12には、薬剤噴射手段と同様な構造の無菌水噴射手段24が配置されている。即ち、搬送方向に沿って複数の無菌水噴射ノズル20が取り付けられた3組の無菌水噴射管21がフィードスクリュー5に沿って設けられている。無菌水噴射管21は無菌水供給パイプ22を介して図示しない無菌水供給源に連結されている。また、無菌水洗浄ゾーン12の底部には無菌水回収パイプ23が設けられ、使用された無菌水を回収できるようになっている。
【0014】
無菌空気水切りゾーン13には、無菌空気噴射手段29が設けられている。即ち、搬送方向に沿って複数の無菌空気噴射ノズル25が取り付けられた3組の無菌空気噴射管26がフィードスクリュー5に沿って設けられている。無菌空気噴射管26は無菌空気供給パイプ27を介して図示しない無菌空気供給源に連結されている。また、無菌空気水切りゾーン13の底部には排気パイプ28が設けられ、排気できるようになっている。
【0015】
蓋間隔搬送手段の下流端、即ちチャンバー3の無菌空気水切りゾーン13の出口側は、チャンバー3内及びチャンバー入口側よりも高い清浄度(クラス100以上)の無菌空間30に連結され、該無菌空間内に配置された出口側シュート31に滅菌洗浄された蓋eをフィードスクリュー5から排出し、再び重なった状態で蓋密封装置に搬送する。そして、本実施形態では、該無菌空間内に出口側シュート31に排出された蓋に向けて熱風を噴射して乾燥させる熱風乾燥ゾーン32を形成する熱風乾燥ブース33が設けられている。該熱風乾燥ブース33には、複数の熱風噴射ノズルを有する熱風噴射管34が設けられ、その底部に排気パイプ35が設けられている。なお、熱風乾燥ゾーンは必ずしも必要でないが、高速化に対応するためには設けるのが望ましい。
【0016】
本実施形態の蓋滅菌洗浄装置は、以上のように構成され、次の方法により蓋を滅菌洗浄する。
蓋セパレート装置2により1枚ずつ切り出された蓋eは、チャンバー3内をフィードスクリュー5で約10〜20mmの間隔を開けて搬送され、排気ゾーン10を通過して、薬剤噴射滅菌ゾーン11に達すると、薬剤噴射ノズル15から搬送中の蓋の内外面に向けて斜め横方向から薬剤が噴射される。それにより、薬剤噴射滅菌ゾーンを通過する間の所定時間、蓋の内外面全体に薬剤が接触して薬剤滅菌される。複数の薬剤噴射ノズル15から搬送中の蓋eの内外面に向けて斜め横方向から前記薬剤が噴射されるので、タブt付きの複雑な形状の蓋eであってもタブの隙間を含むタブ裏面まで滅菌が可能となり、滅菌洩れが生じることなく確実に滅菌することができる。本発明で使用する薬剤は、過酢酸系殺菌剤が望ましく、過酢酸濃度1000ppm以上で使用する。殺菌効果と薬剤分解による濃度低下の点から薬剤温度は30〜80℃、より好ましくは35〜70℃が望ましい。それにより、殺菌効果が増し、短時間で滅菌できる。しかしながら、かならずしも過酢酸系殺菌剤に限るものでなく、他の薬剤として、次亜塩素酸ソーダ、オゾン水等高温加熱することなく殺菌効果のある薬剤が使用可能である。
【0017】
このような薬剤を使用することによって、加熱乾燥時に殺菌効果を発揮する過酸化水素を使用する従来の場合と違って、蓋を160℃以上の高温加熱する必要がないので、コンパウンドや塗膜面にブリスターを発生させることなく、滅菌することができる。また、アルミニウム蓋もその開口性に影響を及ぼすことなく滅菌することができる。
さらに蓋内面または外面を例えばPETフィルム等でラミネートした蓋に対しても熱的影響を与えないで短時間に効果的に滅菌できる。
【0018】
薬剤噴射滅菌ゾーン11で薬剤により滅菌された蓋eは、次に無菌水洗浄ゾーン12で、蓋の内外面に向けて斜め横方向から無菌水が噴射されることにより、内外面に付着した薬剤が洗い流されて除去される。その際、滅菌の場合と同様に、無菌水でタブの隙間を含む洗浄が可能となり、洗浄洩れが生じることなく確実に洗浄することができる。なお、各ゾーンは、間仕切で隔離されているので、噴射された薬剤と無菌水が混ざることなく、別々に回収することができる。次いで、無菌空気水切りゾーンで無菌空気噴射され、蓋の内外面に向けて斜め横方向から無菌空気が噴射されることにより、積極的に水切りを行なう。無菌空気水切りゾーンでは蓋に向けて噴射された無菌空気と、蓋から垂れた水とを気液分離して排気する。
【0019】
以上のように、チャンバー内で間隔を開けて搬送中に滅菌・洗浄・水切りされた蓋は、チャンバー3からより清浄度の高い無菌空間30内に配置された出口側シュート31に排出され、搬送途中で熱風乾燥ゾーン32を通過することによって、70℃以上の熱風(温風)に曝され、水分が急速に乾燥除去される。このようにして、内外面が滅菌洗浄された蓋は、出口側シュート31を介して、内容物が無菌充填された缶胴の開口部に供給されて密封巻締されることにより、より清浄度の高い無菌充填缶詰が製造される。
【0020】
以上は、充填ラインの稼動中における蓋の滅菌洗浄工程であるが、充填ラインが停止した場合は、それと連動して蓋の滅菌洗浄ラインも停止するが、その場合そのままの状態で薬剤噴射手段により停止中の蓋に向けて所定時間薬剤を噴射し、次いで、薬剤噴射滅菌ゾーンに配置された無菌水噴射手段により無菌水を噴射して洗浄しておく。それにより、ある程度滅菌洗浄された状態を維持することができ、滅菌洗浄装置内、特に薬剤噴射滅菌ゾーン11内に残っている蓋をそこから取り出す必要はなく、再スタート時までそのままの状態であっても蓋がダメージを受けることがない。再スタート時には所定時間薬剤噴射してから通常の運転状態に起動することによって、薬剤滅菌ゾーンの終了端近くに位置している蓋も所定時間滅菌してから、次の無菌水洗浄ゾーンに送ることができるので、滅菌不足になることはない。それにより、装置内に残っていた蓋全体をそのまま使用することができ、蓋が無駄になることがない。
【0021】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限るものでなく、その技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。例えば、上記実施形態では、フィードスクリューを一つのチャンバー内に配置し、該チャンバーを仕切板で仕切ってそれぞれの処理ゾーンを形成していたが、高速化対応としてそれぞれの処理ゾーンを別々の独立したブースに形成して、それぞれ独立したフィードピッチを有する多段フィードスクリューを配置するようにしても良い。さらには、処理ゾーンを並列に設けた多列フィードスクリュー方式とするこも可能である。
【0022】
【実施例】
前記実施形態の装置を使用して実施形態に示した蓋の滅菌洗浄方法により、指標菌としてB. Stearothermophilus を蓋の内外面に付着し、過酢酸系薬剤による滅菌試験を行った結果、過酢酸濃度1000ppmでは、温度65℃、20秒噴射、過酢酸濃度2000ppmでは、温度65℃、10秒噴射でそれぞれ6D以上の殺菌効果が得られた。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、タブ付き蓋でも確実な滅菌ができ、しかも薬剤による低温短時間滅菌のため蓋へ損傷を与えることがなく、コンパウドや塗膜面にブリスターを発生させることなく、より清浄度の高い滅菌洗浄処理を高速で行うことができる。
また、請求項3及び請求項8の構成によれば、ライン停止の場合には、蓋を滅菌洗浄装置内で保持することができるので、過酸化水素と熱風乾燥方式のようなライン外への蓋の排出が不要であり、蓋が不良品となることもなく、有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る蓋の滅菌洗浄装置の概略断面図である。
【図2】薬剤噴射滅菌ゾーン又は無菌水洗浄ゾーンでのタブ付き蓋の薬剤噴射滅菌処理状態又は無菌水洗浄処理状態を示す要部断面図である。
【図3】図2のA−A断面を示す概略図である。
【符号の説明】
1 供給シュート 2 蓋セパレート装置
3 チャンバー 4 蓋間隔搬送手段
5 フィードスクリュー 6 仕切板
10 排気ゾーン 11 薬剤噴射滅菌ゾーン
12 無菌水洗浄ゾーン 13 無菌空気水切りゾーン
19 薬剤噴射手段 24 無菌水噴射手段
29 無菌空気噴射手段 30 無菌空間
31 出口側シュート 32 熱風乾燥ゾーン
Claims (6)
- 滅菌洗浄装置内に上流側から順に配置された薬剤噴射滅菌ゾーン、無菌水洗浄ゾーン及び無菌空気水切りゾーンで缶蓋を間隔を開けて搬送し、搬送中に蓋間の隙間から缶蓋の内外面に前記薬剤噴射滅菌ゾーンで薬剤、前記無菌水洗浄ゾーンで無菌水、前記無菌空気水切りゾーンで無菌空気を順次噴射して、缶蓋の滅菌、洗浄、水切りを順次行うことからなり、充填ライン停止時には、前記薬剤噴射滅菌ゾーンに残っている缶蓋を所定時間薬剤を噴射して滅菌後、さらに前記薬剤噴射滅菌ゾーンで前記缶蓋を無菌水洗浄してその状態で停止し、再スタート時には前記薬剤噴射滅菌ゾーンに残っている前記缶蓋に所定時間薬剤を噴射後、通常運転に起動するようにしてなることを特徴とする缶蓋の滅菌洗浄方法。
- 前記薬剤が、過酢酸濃度1000ppm以上の過酢酸系殺菌剤である請求項1に記載の缶蓋の滅菌洗浄方法。
- 1枚ずつ蓋を切り出すセパレータ、該セパレータにより切り出された缶蓋を間隔を開けて搬送する蓋間隔搬送手段、該蓋間隔搬送手段に沿って上流側から順に薬剤噴射滅菌ゾーン、無菌水洗浄ゾーン、無菌空気水切りゾーンを配置し、各ゾーンには搬送中の蓋間の隙間から缶蓋の内外面に薬剤を噴射する薬剤噴射手段、無菌水を噴射する無菌水噴射手段、無菌空気を噴射する無菌空気噴射手段がそれぞれ配置されてなり、前記薬剤噴射滅菌ゾーンには、前記薬剤噴射手段と共に無菌水噴射手段が配置されているか又は薬剤噴射手段が薬剤噴射と無菌水噴射とに切替可能になっていることを特徴とする缶蓋の滅菌洗浄装置。
- 前記セパレータと前記薬剤噴射滅菌ゾーンとの間に排気ゾーンを配置してなる請求項3に記載の缶蓋の滅菌洗浄装置。
- 前記薬剤噴射滅菌ゾーン、前記無菌水洗浄ゾーン、前記無菌空気水切りゾーン間にはそれぞれ間仕切が設けられ、薬剤と無菌水が混ざらないように薬剤と無菌水を回収する薬剤回収口及び無菌水回収口が設けられている請求項3又は4に記載の缶蓋の滅菌洗浄装置。
- 前記無菌水洗浄ゾーンの排出側は、前記セパレータが配置されている入り口側より清浄度の高い空間に連結され、該空間に搬送中の蓋に温風を吹き付けて水分を乾燥除去する乾燥ゾーンを配置してなる請求項3、4又は5に記載の缶蓋の滅菌洗浄装置。
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