JP3876129B2 - 透過型電子顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過型電子顕微鏡に係り、特に、生体試料等の電子線照射による損傷を受けやすい試料を写真撮影する場合に好適な透過型電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、透過型電子顕微鏡において、生体試料や有機物試料等の電子線損傷を受けやすい試料を、電子線損傷を最小限にして写真撮影することができる最小電子線照射システム(以下、MDS(ミニマム・ドーズ・システム(Minimum Dose System))と称す)を提案した。MDSについては、例えば特公昭59−19408号公報、特公昭61−20108号公報、「日本電子ニュース」(Vol.20 No.3 昭和55年8月20日発行)に開示されており、既に公知の事項であるが、以下、図4を参照して概略説明する。図4において、EBは電子線、3は集束レンズ、4は試料、5は対物レンズ、6は中間レンズ、7は投影レンズ、8は蛍光板、10は撮影装置、11はシャッタ板、20a、20bは偏向コイルを示す。
【0003】
MDSの動作は、基本的には、視野探しモード、焦点合わせモード、写真撮影モードの3つのモードから成り立っており、各モードにおいて集束レンズ3と、偏向コイル20a、20bが、その目的に従って、図示しない制御回路によって自動的に制御されるようになっている。
図4(a)、(b)、(c)において試料4上の点Aは光軸上にあり、点Bは光軸軸外にあるとする。
【0004】
図4に図示しない電子銃から放射された電子線EBは集束レンズ3によつて集束されて試料4上に照射される。該電子線照射により試料4を透過した電子線は対物レンズ5、中間レンズ6及び投影レンズ7からなる拡大レンズ系によつて拡大結象され、蛍光板8上に試料の拡大象が投影される。また、該試料4の拡大像は蛍光板駆動機構(図示せず)による蛍光板8の開放によつて撮影装置10により写真撮影される。
シャッタ板11は、写真撮影する場合に使用されるもので、図示しないシャッタ駆動機構によって開閉される。
偏向コイル20a、20bは、集束レンズ3と試料4との間におかれた2段の偏向コイルである。なお、この偏向コイルは1段でもよいが、ここでは2段の偏向コイルを用いるものとする。
【0005】
まず、視野探しモードの動作を行う。この視野探しモードにおいては、試料4を照射する電子線EBを集束レンズ3によって広げ、偏向コイル20a、20bでその電子線EBの端が光軸上にくるようにする。この端の暗い電子ビーム、即ち照射電子線量の少ない電子ビームを利用して視野探しを行うのである。即ち、試料4を点Aから点Bの方向に移動することによって、電子線量の少ない条件で目的とする視野を探すことができる。なおこのときには、集束レンズ3の励磁電流は視野探しモードに適したものに制御される。
【0006】
図4(a)は、この視野探しモード時の光線図を示すものであり、視野探しモード時には集束レンズ3は強く励磁され、照射電子線(以下、単に電子線と称す)EBは試料4の上方でフォーカスされ、試料4の広い領域を照射する。このため、試料4上での電子流密度は低くなる。また、このときには偏向コイル20a、20bにより電子線EBの中心は図4(a)に示す光線図で示すように光軸外に偏向され、電子線EBの端の部分の一部が光軸上に位置するように偏向される。
【0007】
この状態において、蛍光板8上に投影される試料像を観察しながら試料を水平移動する機構(図示せず)により試料4を図4(a)の左方に移動させることにより、所望とする点Aを蛍光板8の中心に移動させる、つまり視野A点を光軸上に位置させるのである。
【0008】
以上の視野探しモードにより、目的とする視野を探しあてたら、視野探しモードから、焦点合わせモードへ切換える。このときには、制御回路の制御によって、偏向コイル20a、20bには、予め定められた一定の偏向信号が供給され、集束レンズ3には焦点合わせに適した電流値が供給される。具体的には集束レンズ3の励磁は弱められ、電子線EBは試料4上に略フォーカスされる。
【0009】
図4(b)はこのときの光線図を示しており、図の実線で示すように、電子線EBは試料4中の点Bに略フォーカスし、その点Bを透過した電子線が対物レンズ5、中間レンズ6及び投影レンズ7によつて蛍光板8上のPで示す位置に拡大結像される。このとき試料4上の点Bでのスポット径は例えば1μm以下に絞られており、電子流密度は高くなる。
【0010】
このように、焦点合わせモードでは、集束レンズ3と、偏向コイル20a、20bには予め設定されている電流が供給され、細く絞られた電子線EBが光軸外の点Bを照射し、その点Bが蛍光板8上に結像される。従って、この焦点合わせモードで、ルーペ等により蛍光板8上の像を観察することにより、正確に焦点合わせを行うことができる。また、必要があれば非点収差の補正を行なうことができる。そして、この焦点合わせモードの間は、光軸上の点Aにある目的の視野は電子線照射を全く受けていないので、点Aは電子線損傷を全く受けていないのである。なお、試料4中の撮影すべき点A、即ち目的の視野である点Aから、光軸外の点Bまでの距離が短い場合、例えば3μm以内であれば、偏向コイル20a、20bによる偏向収差、及び対物レンズ5による軸外収差は、何れも軸上収差より十分小さい事が確かめられており、従って点Bにおいて行なつた焦点合わせや非点補正はそのまま点Aにおいても適用することができるものである。
【0011】
以上のようにして、焦点合わせモードにより焦点合わせ、あるいは必要に応じて非点補正が完了すると、次の写真撮影のモードに入る。写真撮影モードの設定は、電子顕微鏡の操作パネル上にある写真撮影用のボタンを押すことで行うことができる。この写真撮影モード時には制御回路により、集束レンズ3には写真撮影に適した電流が供給されると同時に、偏向コイル20aにはブランキング信号が供給される。これによって、電子線EBは図4(b)において破線で示すように電子線通路外に偏向され、試料4に到達しない。また、このときには蛍光板駆動機構及びシャッタ駆動機構によって、蛍光板8が開放され、シャッタ板11が閉鎖する。
【0012】
そして、設定された時間t1 経過後、偏向コイル20aに供給されているブランキング信号は停止される。これによって、電子線EBの中心は光軸上に位置される。また、このとき集束レンズ3の写真撮影に適した励磁となされ、電子線EBは図4(a)に示すと略同様にスポット径が大きく、試料4の広い領域を照射する。
【0013】
ブランキング信号が停止されてから、設定された時間t2 経過後、シャッタ板11が開放され、試料4上の点Aの拡大像が撮影装置10のフィルムに露光される。そして、所定の露出時間t3 が経過すると、シャッタ板11は再び閉鎖され、蛍光板8も閉じられる。また、偏向コイル20a、20bには、電子線EBが予め設定した試料4上の点Bを照射するような電流が供給される。なお、蛍光板8が閉じることによりシャッタ坂11が開くように構成されている。
【0014】
以上のように、写真撮影モードでは、蛍光板8が開かれ、同時にシャッタ板11が閉じ、フィルムのかぶりを防止する。そして、電子線EBはブランキングされ、その後、集束レンズ3と偏向コイル20a、20bに供給される電流が予め設定されている電流値に自動的に設定され、電子線EBは撮影に必要なある照射角の条件で、目的の視野を照射することになる。この動作後、シャッタ板11が開き、目的の視野の撮影が行なわれる。
撮影が完了すると、このシステムでは自動的に焦点合わせモードに戻るようになされているので、必要であれば、不要な電子線照射をすることなしにスルーフォーカスの連続写真も撮影可能である。
【0015】
図5に以上のMDSにおける一連の動作のタイミングチャートを示す。図中、横軸は時間を示す。また、t1 ,t2 ,t3 はそれぞれ上述した通りの時間であり、これらの時間はタイマ回路(図4には図示せず)で調節可能である。通常、t1 ,t2 は、それぞれ、10秒程度、0.1秒程度に選ばれる。図5からも明らかなように、MDSでは視野探しから写真撮影に至るまでの動作で、最小電子線照射となることが分かる。
【0016】
ところで、上述したMDSでは次のような問題が生じる。上述したように、焦点合わせモード時には電子線EBは偏向コイル20a、20bによって、予め定められた一定量だけ偏向される。図4(b)、(c)における試料4上の点Bはオペレータが任意に選べるのでなく、電子線EBが予め定められた一定量だけ偏向される位置が点Bの位置なのである。つまり、上述したMDSでは、焦点合わせモード時に電子線EBが偏向される位置は固定されているのである。
【0017】
ところで、試料4はゴニオメータの先端部に設けられている試料ホルダ上に載置されるのであるが、その試料ホルダは金属製のグリッドが縦横に多数配置されたメッシュ状となされている。
従って、図6に示すように、試料上の写真撮影したい点Aが試料ホルダのグリッドGの近傍にある場合には、焦点合わせモード時における電子線EBの偏向先が図6のBで示すように、グリッドGの上に来てしまう場合がある。しかし、試料ホルダのグリッド上では焦点合わせを行うことはできない。
【0018】
そこで、本出願人は、MDSにおいて、焦点合わせモード時に焦点合わせを行う位置を任意に指定することができるMDS(以下、これを便宜的に拡張MDSと称する)を提案した(発明協会公開技報 公技番号99−4615)。以下、この拡張MDSについて、図7を参照して概略説明する。
【0019】
図7は拡張MDS機能を搭載した透過型電子顕微鏡の概略の構成例を示す図であり、図中、21はCCDカメラ等からなるTVカメラ、22は表示制御装置、23はキーボードやポインティングデバイスからなる入力装置、24はCRT、液晶表示装置等の適宜な表示装置からなるモニタ、30は電子顕微鏡本体制御部(以下、単に本体制御部と称す)を示す。また、図7において、図4に示すものと同等なものについては同一の符号を付す。なお、図7においては、図4に示す集束レンズ3、偏向コイル20a、20b、対物レンズ5、中間レンズ6、投影レンズ7、シャッタ板11、撮影装置10については、図が煩雑になるのを避けるために図示を省略している。
【0020】
TVカメラ21は蛍光板8に結像されている拡大像を撮像するためのものであり、アナログカメラでもよく、デジタルカメラでもよい。また、TVカメラ21は、蛍光板8の光軸上の点(視野中心)が撮像画像の中心に位置するように配置されている。この点については以下同じである。
表示制御装置22は、TVカメラ21からの映像信号を取り込みモニタ24に表示する。また、表示制御装置22は、入力装置23によりモニタ24の画面上の位置が指示されると、その指示位置の情報を電子線位置制御情報として本体制御部30に通知する。
本体制御部30は、図7では図示を省略している集束レンズ3、偏向コイル20a、20b、対物レンズ5、中間レンズ6、投影レンズ7、シャッタ板11の動作を制御する。
なお、図7において、TVカメラ21、表示制御装置22、入力装置23、モニタ24及び本体制御部30は電子顕微鏡の鏡筒外に配置されている。鏡筒のTVカメラ21が取り付けられる位置には観測窓が設けられている。ただし、TVカメラ21は鏡筒内に配置することも可能である。
【0021】
以下、拡張MDSの動作を説明する。
この拡張MDSにおいても、まず、視野探しモードを行う。視野探しモードの設定は、本体制御部30の操作パネル(図示せず)の視野探しモード用のボタンを押すことで行うことができる。
【0022】
視野探しモード時の動作は上述した従来のMDSと同じであり、本体制御部30は、各レンズ3〜7や偏向コイル20a、20bが上述した動作を行うように制御する。そして、このとき、表示制御装置22はTVカメラ21で撮像した蛍光板8上の拡大像をモニタ24に表示し、そのモニタ24の画面の中心に視野中心マーカを表示する。この視野中心マーカはどのような形状のものであってもよいが、ここでは「+」の形状とする。
【0023】
そして、この状態において、オペレータはモニタ24の画面を観察しながら、試料を平行移動して、写真撮影したい点を視野中心マーカの位置に一致させる操作を行う。このときのモニタ24の画面の例を図8(a)に示す。図8(a)において「+」で示すものが視野中心マーカであり、この視野中心マーカの位置に、写真撮影したい点Aを一致させるようにするのである。
【0024】
以上のように、写真撮影したい点Aをモニタ24の画面上の視野中心マーカに一致させると視野探しモードは終了となり、次に焦点合わせモードに入る。焦点合わせモードの設定は、本体制御部30の操作パネルの焦点合わせモード用のボタンを押すことで行うことができる。
【0025】
焦点合わせモードでは、オペレータは、視野探しモードが終了した時のモニタ24の画面を観察しながら、入力装置23により、焦点合わせを行う点Bの位置を指定する。この操作は、例えば入力装置23で焦点合わせ位置指定のメニューを選択して、ポインティングデバイスにより小24の画面上の所望の点を指示する。
【0026】
例えば、視野探しモードが終了したときのモニタ24の画面が図8(a)に示すようである場合、上述した従来のMDSによれば、焦点合わせを行う位置は試料ホルダのグリッドG上になってしまう場合があるが、この拡張MDSにおいては、オペレータが任意に焦点合わせ位置を指定できるので、例えば図8(b)のBで示すように、グリッドGを回避して焦点合わせ位置を選択することが可能である。
【0027】
なお、焦点合わせ位置は、視野中心マーカから所定の距離の範囲内とするのがよい。なぜなら、視野中心からの距離が長くなると、偏向コイル20a、20bによる偏向収差、及び対物レンズ5による軸外収差が軸上収差に対して無視できなくなる恐れがあるからである。
【0028】
そして、入力装置23によって焦点合わせ位置が指示されると、表示制御装置22は、指示された焦点合わせ位置の位置情報を入力装置23から取り込み、本体制御部30に電子線位置制御情報として通知する。
【0029】
本体制御部30は、この電子線位置制御情報に基づいて、指示された焦点合わせ位置に電子線EBを集束して、焦点合わせを行うための所定の電子流密度で照射するために必要な集束レンズ3の励磁電流、偏向コイル20a、20bの励磁電流を求め、その求めた励磁電流を集束レンズ3、偏向コイル20a、20bに供給する。なお、集束レンズ3の励磁電流、偏向コイル20a、20bの励磁電流を求めるための演算は、指示された焦点合わせ位置の視野中心からの方向、距離、このときの倍率に基づいて行うことができる。
これによって、指示された焦点合わせ位置の拡大像が蛍光板8に結像され、その像がTVカメラ21によって撮像されてモニタ24に表示されるので、オペレータはモニタ24の画面の像を観察しながら焦点合わせを行う。
【0030】
焦点合わせが終了すると、次に写真撮影モードに入るが、写真撮影モード時の動作は従来と同じであるので、説明を省略する。
【0031】
以上のようであるので、拡大MDSによれば、試料ホルダのグリッドを避けて焦点合わせ位置を、モニタ24の画像を観察しながら、視野中心マーカから所定の距離の範囲内で任意に選択することができるのである。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子顕微鏡では試料を傾斜させた状態で観察する場合があるが、上述したMDSにおいても、拡張MDSにおいても試料を傾斜させた場合については考慮されておらず、試料を傾斜させて像の写真撮影を行う場合には上述したMDSあるいは拡張MDSをそのまま用いることはできないものであった。即ち、試料を傾斜させようとする場合、試料は傾斜軸を中心として傾斜することが知られている。傾斜軸とは、文字通り試料が傾斜する場合の軸となるものである。そして、傾斜軸上のある1点で焦点が合っているとすると、傾斜軸上のその他の点でも焦点は合っているが、傾斜軸を外れた点では焦点は合っていないことも知られている。
【0033】
そこで、いま、拡張MDSを用いて、図9に示すように試料4を傾斜させて、試料4上の点Aの位置の写真撮影をする場合を考える。図9(a)は試料4を斜め方向から見た斜視図であり、図9(b)は試料4上の点Aと点Bを含む線で切った断面図を示している。そして、点Aは図9(a)において破線で示す傾斜軸J上にあるとする。このとき、焦点合わせモードにおいて、焦点合わせ位置として傾斜軸Jから外れた点Bを指示してしまうと、点Bで焦点合わせを行った後に点Aに戻って写真撮影する場合に焦点がずれてしまうことになる。
【0034】
従って、図9に示す場合、焦点合わせ位置としては、例えば図9(a)の黒三角Cで示すような、傾斜軸J上の点を指示する必要があることになり、そのためにはモニタ24の画面上で傾斜軸がどこにあるかが分からなければならないが、従来の拡張MDSでは、モニタ24の画面上でどこに傾斜軸があるのかを知ることはできないものであった。
【0035】
勿論、試料を傾斜させる度毎にどれだけ傾斜させたかをメモしておき、そこからモニタ24の画面上で傾斜軸がどこにあるかを計算することは不可能ではないが、非常に面倒であり、しかも傾斜軸はX,Yの2軸があり、更に試料の回転も可能であるのが通常であるから、それら2軸での試料の傾斜や試料の回転を何度か行うと、モニタ24の画面上で各傾斜軸がどのような位置にあるかを判断することは殆ど不可能となる。そればかりでなく、例え適宜な計算によってモニタ24の画面上で各傾斜軸が現在どの位置にあるかを知ることができたとしても、それには時間を要し、その間にも試料4には電子線EBが照射されているので、試料の電子線損傷が進んでしまうことになる。
【0036】
そこで、本発明は、拡張MDSを用いて試料上の所望の位置の写真撮影を行う場合に、容易に、且つ短時間に焦点合わせ位置を正しく傾斜軸上に設定することができる透過型電子顕微鏡を提供することを目的とするものである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る透過型電子顕微鏡は、電磁レンズ、偏向コイル等の電子顕微鏡本体各部を制御する電子顕微鏡本体制御部と、試料を傾斜あるいは回転させるための傾斜・回転機構と、蛍光板に結像された像を撮像するTVカメラと、表示制御装置と、入力装置と、モニタとを備え、電子顕微鏡本体制御部は、傾斜・回転機構によって試料が傾斜あるいは回転された場合、または電磁レンズにより蛍光板上の像が回転された場合に、傾斜方向とその角度、あるいは回転方向とその角度に基づいて傾斜軸情報を生成して表示制御装置に通知し、表示制御装置は、TVカメラで撮像された拡大像をモニタに表示すると共に、電子顕微鏡本体制御部から受けた傾斜軸情報に基づいてモニタに傾斜軸パターンを表示し、入力装置によって焦点合わせ位置が指示された場合には、当該指示位置から距離が最も近い傾斜軸パターンの傾斜軸上に焦点合わせ位置を設定して、その焦点合わせ位置の情報を電子顕微鏡本体制御部に通知し、電子顕微鏡本体制御部は、表示制御装置から受けた焦点合わせ位置の情報に基づいて、電子線を当該焦点合わせ位置に集束して照射するように電子顕微鏡本体の各部を制御することを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る透過型電子顕微鏡の一実施形態の要部を示す図であり、図中、31は試料の傾斜及び回転を行うための傾斜・回転機構を示す。図1において、図4及び図7に示す構成要素と同等なものについては同一の符号を付して、重複する説明を最小限にとどめることにする。なお、図1においては、図4に示す集束レンズ3、偏向コイル20a、20b、対物レンズ5、中間レンズ6、投影レンズ7、シャッタ板11、撮影装置10については、図が煩雑になるのを避けるために図示を省略している。
【0039】
この透過型電子顕微鏡には、上述した拡張MDS機能が搭載されている。
試料4には傾斜・回転機構31が接続されている。この傾斜・回転機構2は、本体制御部30によって制御される。即ち、本体制御部30の操作パネルで傾斜の方向及び角度が設定されると、本体制御部30は、設定された傾斜の方向と角度を含む傾斜情報を傾斜・回転機構31に与える。同様に、操作パネルで回転の方向及び角度が設定されると、本体制御部30は、設定された回転の方向と角度を含む回転情報を傾斜・回転機構31に与える。これによって、傾斜・回転機構31は傾斜情報あるいは回転情報に従って試料の傾斜あるいは回転を行う。なお、試料を傾斜させたり、回転させたりするための機構は周知であるので説明は省略する。この結果、試料4は設定された方向、角度で傾斜あるいは回転される。
【0040】
また、本体制御部30は、操作パネルで傾斜の方向及び角度が設定されると、設定された傾斜の方向と角度に基づいて、傾斜軸がモニタ24の画面上でどのような位置、方向となるかを求め、それを傾斜軸情報として表示制御装置22に通知する。試料が傾斜されたときに傾斜軸がモニタ24の画面上のどのような位置で、どのような方向となるかは演算により求めることができる。即ち、TVカメラ21の配置状態は既知であり、試料の観測を一旦傾斜も回転もない状態に戻してから始めるものとすると、TVカメラ21の配置状態と、観測開始時からの試料の傾斜の設定状態に基づいて、モニタ24の画面上で傾斜軸がどのような位置に、どのような方向にあるかを求めることが可能である。
同様に、本体制御部30は、操作パネルで試料回転の方向及び角度が設定されると、設定された回転の方向と角度に基づいて、傾斜軸がモニタ24の画面上でどのような位置、方向となるかを求め、それを傾斜軸情報として表示制御装置22に通知する。試料が回転されたときに傾斜軸がモニタ24の画面上のどのような位置で、どのような方向となるかは上述したと同様に演算により求めることができる。
そして、本体制御部30は、試料の傾斜や回転が設定される度毎に傾斜軸情報を表示制御装置22に通知する。
【0041】
表示制御装置22は、本体制御部30から受けた傾斜軸情報に基づいて、傾斜軸のパターンを発生させ、その傾斜軸のパターンを傾斜軸情報で指示されている位置に、指示された方向に表示する。このときにはTVカメラ21からの画像もモニタ24に表示されているから、モニタ24の画面にはTVカメラ21で撮像した画像と傾斜軸のパターンが重畳表示される。
【0042】
そのようなモニタ24の画面の例を図2(a)に示す。図2(a)において、40は傾斜軸パターンを示している。なお、試料の拡大像は図示を省略している。
傾斜軸パターン40の中心に表示されている実線の直線が傾斜軸Jを示し、その傾斜軸Jの両側には所定の幅を有する矩形41、42が描画されている。そして、これらの矩形41、42は互いに異なる色で表示される。この矩形41、424の色分けは傾斜の方向を示しており、例えば矩形41が正方向への傾斜を示しているものとすると、矩形42は負方向への傾斜を示している。従って、オペレータは、該傾斜軸パターン40を観察することによって、この後に当該傾斜軸Jを中心として傾斜させる場合に、正方向の傾斜の方向、負方向の傾斜の方向を容易に判断することができる。
以上は試料の傾斜について説明したが、試料の回転についても同様である。
【0043】
なお、傾斜軸パターン40の表示は、継続して行うことなく一時的に表示するようにしてもよい。そのためには、例えば入力装置23によって傾斜軸パターンの表示/非表示を選択できるようにしてもよく、あるいは、表示制御装置22に、傾斜軸パターンの表示の後、一定時間経過したら傾斜軸パターンを消去する機能を持たせてもよい。
【0044】
図2(a)の説明では、傾斜軸は1軸としたが、試料4の傾斜をX、Yの2軸に対して行う場合には、傾斜軸パターンの表示を図2(b)に示すように、複数本表示とすることが望ましい。なお、図2(b)において50は例えばX方向の傾斜軸パターン、60は例えばY方向の傾斜軸パターンを示している。この2つの傾斜軸パターン50、60は直交していることは当然である。
【0045】
以上のように、傾斜軸パターンをモニタ24に試料の拡大像と重畳表示することによって、オペレータは、現在の傾斜軸がどのようになっているか、この後に正方向あるいは負方向に傾斜させるとどちらの方向に傾斜するかを容易に、短時間で判断することができ、また、この後に試料の回転を行った場合にどのようになるかを容易に予測することが可能となる。
【0046】
以上での説明では傾斜の方向を色分けした矩形で表示するものとしたが、正方向と負方向が分かるような表示を行えばよいので、矩形に限らず色分けした矢印や適宜なマーク等を表示してもよいものである。なお、上述した傾斜軸パターンの表示については、本出願人が特開2001−57170号公報で提案した公知の技術を用いればよい。
【0047】
電子顕微鏡には、上述したように試料4自体を回転させる機能の他に、電磁レンズの励磁を調整することによって蛍光板8上の拡大像を回転させる機能があるのが通常である。そして、このような像の回転を行った場合にもモニタ24の画面に表示する傾斜軸パターンを回転させる必要がある。そこで、本体制御部30は、操作パネルで像の回転の操作が行われた場合には、その都度、その像回転の回転方向、回転角度に基づいて、モニタ24の画面上で傾斜軸がどのように変化するかを求めて、傾斜軸情報として表示制御装置22に通知する。これによって表示制御装置22は傾斜軸パターンを、傾斜軸情報で指示された方向、角度だけ回転させる。
【0048】
次に、写真撮影を行う場合のオペレータの操作、そのときの動作について説明する。なお、以下においては理解を容易にするために、傾斜軸パターンは図2(a)に示すように1軸のみを表示するものとするが、X、Yの2軸の傾斜軸パターンを表示する場合も同様である。
【0049】
まず、オペレータは操作パネルを操作して、視野探しモードを設定する。このときにはモニタ24に傾斜軸パターンを表示するようにする。
このときのオペレータの基本的な操作は次のようである。オペレータは、試料4を傾斜も、回転も、更には平行移動もない状態にする。そしてこのとき、図3(a)に示すようにモニタ24の画面に表示される傾斜軸パターン40は真横になっているとする。図3(a)において、Mを付した「+」のマークは視野中心マーカである。そして、このときには視野中心マーカMは傾斜軸パターンの傾斜軸J上にあることは明らかである。なお、図3においては試料の拡大像は図示を省略している。
【0050】
オペレータはこの状態でモニタ24の画面を観察しながら、試料4を平行移動して写真撮影したい撮影ポイントを視野中心マーカMの位置に一致させ、その後試料の傾斜、回転、あるいは像の回転を行う。このとき本体制御部30から表示制御装置22に対して傾斜軸情報が通知されることは上述した通りである。そして、このときには試料の平行移動は行わないから、視野中心マーカはモニタ24の画面の中心にあり、撮影ポイントは視野中心マーカMと一致している。
なお、このときの集束レンズ3、偏向コイル20a、20bの励磁は上述したと同じに本体制御部30により制御されている。
【0051】
このようにして視野探しモードが終了すると、オペレータは次に操作パネルを操作して焦点合わせモードを設定する。そして、オペレータは入力装置23により焦点合わせ位置を指示するが、この焦点合わせ位置としては、撮影ポイント、即ち視野中心マーカM以外の傾斜軸J上の点を指示する。
【0052】
この焦点合わせ位置の指示は入力装置23のポインティングデバイスを用いて行うが、正確に傾斜軸J上の点を指示できるとは限らない。そこで、表示制御装置22は、ポインティングデバイスで指示された点に距離が最も近い傾斜軸J上の点を焦点合わせ位置として取り込む。いわゆる丸め込み処理を行うのである。
【0053】
例えば、視野探しモードが終了したとき傾斜軸パターン40が図3(b)に示すようであり、オペレータが傾斜軸Jから少し外れた図中の点Bを指示したとすると、表示制御装置22は当該点Bから距離が最も近い傾斜軸J上の点B′を焦点合わせ位置とするのである。点Bから距離が最も近い傾斜軸J上の点B′は、点Bから傾斜軸Jにおろした垂線との交点であることは明らかである。
【0054】
図3(b)では試料ホルダのグリッドは示していないが、焦点合わせ位置を指示するにグリッドを回避するようにすることは上述した通りである。また、焦点合わせ位置は、視野中心マーカMから所定の距離の範囲内となるように指示するのも上述した通りである。
なお、このときの集束レンズ3、偏向コイル20a、20bの励磁も上述したと同じに本体制御部30により制御されている。
【0055】
そして、入力装置23によって焦点合わせ位置が指示されると、表示制御装置22は、焦点合わせ位置の位置情報を入力装置23から取り込み、本体制御部30に電子線位置制御情報として通知する。
【0056】
本体制御部30は、この電子線位置制御情報に基づいて、指示された焦点合わせ位置に電子線EBを集束して、焦点合わせを行うための所定の電子流密度で照射するために必要な集束レンズ3の励磁電流、偏向コイル20a、20bの励磁電流を求め、その求めた励磁電流を集束レンズ3、偏向コイル20a、20bに供給する。これによって、指示された焦点合わせ位置の拡大像が蛍光板8に結像され、その像がTVカメラ21によって撮像されてモニタ24に表示されるので、オペレータはモニタ24の画面の像を観察しながら焦点合わせを行う。
焦点合わせが終了すると、次に写真撮影モードに入るが、写真撮影モード時の動作は従来と同じであるので、説明を省略する。
【0057】
以上のようであるので、この透過型電子顕微鏡によれば、上述した拡張MDSの効果に加えて、焦点合わせ位置を容易に、且つ短時間に傾斜軸J上に指示できるので、試料4の電子線損傷を最小限にとどめることができる。
【0058】
以上、写真撮影を行う場合の基本的な操作、及びそのときの動作について説明したが、撮影ポイント及び焦点合わせ位置は傾斜軸パターンの傾斜軸J上に設定すればよいので、撮影ポイントは必ずしも視野中心マーカMに一致させる必要はないものである。また、撮影ポイントは傾斜軸J上に複数点設定可能であり、その場合の撮影ポイントの撮影順序は、オペレータが適宜に設定できるようにしてもよく、表示制御装置22あるいは本体制御部30において、例えば傾斜軸Jの左から順番に、あるいは乱数を用いてランダムにというように、自動的に撮影ポイントの撮影順序を決定するようにしてもよい。この場合には、一つの撮影ポイントの撮影を終了したら、電子線EBを次の撮影ポイントに偏向させるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透過型電子顕微鏡の一実施形態の要部を示す図である。
【図2】傾斜軸パターンの表示の例を示す図である。
【図3】図1に示す透過型電子顕微鏡における視野探しモード時のモニタ24に表示される画面の例を示す図である。
【図4】MDSの動作を説明するための図である。
【図5】MDSにおける一連の動作のタイミングチャートである。
【図6】MDSの問題点を説明するための図である。
【図7】拡張MDS機能を搭載した透過型電子顕微鏡の概略の構成例を示す図である。
【図8】拡張MDSの機能を説明するための図である。
【図9】本発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【符号の説明】
EB…電子線、3…集束レンズ、4…試料、5…対物レンズ、6…中間レンズ、7…投影レンズ、8…蛍光板、10…撮影装置、11…シャッタ板、20a、20b…偏向コイル、21…TVカメラ、22…表示制御装置、23…入力装置、24…モニタ、30…電子顕微鏡本体制御部、31…傾斜・回転機構。
Claims (1)
- 電磁レンズ、偏向コイル等の電子顕微鏡本体各部を制御する電子顕微鏡本体制御部と、
試料を傾斜あるいは回転させるための傾斜・回転機構と、
蛍光板に結像された像を撮像するTVカメラと、
表示制御装置と、
入力装置と、
モニタと
を備え、
電子顕微鏡本体制御部は、傾斜・回転機構によって試料が傾斜あるいは回転された場合、または電磁レンズにより蛍光板上の像が回転された場合に、傾斜方向とその角度、あるいは回転方向とその角度に基づいて傾斜軸情報を生成して表示制御装置に通知し、
表示制御装置は、TVカメラで撮像された拡大像をモニタに表示すると共に、電子顕微鏡本体制御部から受けた傾斜軸情報に基づいてモニタに傾斜軸パターンを表示し、入力装置によって焦点合わせ位置が指示された場合には、当該指示位置から距離が最も近い傾斜軸パターンの傾斜軸上に焦点合わせ位置を設定して、その焦点合わせ位置の情報を電子顕微鏡本体制御部に通知し、
電子顕微鏡本体制御部は、表示制御装置から受けた焦点合わせ位置の情報に基づいて、電子線を当該焦点合わせ位置に集束して照射するように電子顕微鏡本体の各部を制御する
ことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
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