JP3875642B2 - 着色画像形成用材料、着色画像形成用感光液及びこれを用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー液晶表示用装置やカラー撮像管素子に用いられる着色画像形成用材料、着色画像形成用感光液およびカラーフィルタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年ディスプレイとしてはカラー液晶表示装置が多く搭載されており、カラー液晶表示装置の用途や需要の拡大に伴い、その低コスト化が望まれている。カラー液晶表示装置の必須部品であるカラーフィルタの製造においては、ブラックマトリックスパターンを形成する際にクロム薄膜のフォトリソグラフィを用いる、エッチング法が主流であった。そのため、製造コストが極めて高く、また製造時に生じるクロム廃液が環境に与える影響も社会的に問題視されていた。
【0003】
このような問題を解決するために、ブラックマトリックスの形成方法として、黒色着色剤が分散された着色画像形成用材料を用いた方法が注目されている。この方法は、例えば基板上に黒色着色剤が分散された着色画像形成用材料を塗布し、得られた塗膜にフォトマスクを介して露光し、露光部分を硬化させ、その後アルカリ現像液を用いて現像処理を行い、未露光部分を除去する事により、特定の黒色パターン(ブラックマトリックス)を形成する方法である。
【0004】
次いでブラックマトリックスが形成された基板上に赤色、緑色および青色の各画素を形成するには、赤色、緑色および青色着色剤が分散された着色画像形成用材料を順次上記と同様に、塗布、露光、現像処理する方法による。その結果、各色の画素アレイが基板上に形成されたカラーフィルタが得られる。
【0005】
このような着色画像形成用材料は着色剤、バインダーポリマー、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、増感剤、光重合開始剤などを含有しており、これらは溶剤に溶解して使用に供される。着色画像形成用材料の1成分として使用される光重合開始剤には種々の特性が要求され、プリント配線板用に適しているものを、そのままカラーフィルタに応用することは難しい。
【0006】
現在汎用の光重合開始剤としてベンゾインエーテル誘導体が多用されているが、これを用いた着色画像形成用材料は要求する感度や、基板密着性を得るために多量使用しなければならないなどの問題がある(例えば特許文献1、2参照。)。光重合開始剤としてトリアジン誘導体も使用されているが、溶剤に対する溶解性や色再現性に乏しいなどの問題がある(例えば特許文献3、4参照。)。光重合開始剤としてヘキサアリールビスイミダゾール誘導体も使用されているが、溶剤に対する溶解性に問題があるため増量添加に限度があり、そのためこれ以上高感度化できないなどの問題がある(例えば、特許文献5、6、7、8参照。)。また、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体はチオール系重合加速剤と併用して用いられるが、感度は高いものの色再現性に乏しいなどの問題がある(例えば、特許文献9参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−272780号公報
【特許文献2】
特開2001−235617号公報
【特許文献3】
特開平11−109614号公報
【特許文献4】
特開平11−258791号公報
【特許文献5】
特開平6−75372号公報
【特許文献6】
特開平6−289601号公報
【特許文献7】
特開平9−145915号公報
【特許文献8】
特開2000−249826号公報
【特許文献9】
特開2001−337454号公報
【0008】公報
【発明が解決しようとする課題】
光重合開始剤には種々の特性が要求され、すべての要求にかなう化合物はかなり限定されている。そこで本発明は、使用溶剤に対して溶解性に優れていてかつ高感度である光重合開始剤を含有する、着色画像形成用材料を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、着色画像形成用材料に使用されている溶剤に対して、従来以上に大きな溶解性を有するとともに、光重合開始剤としても優れた性能を有する化合物の検討を行った結果、光重合開始剤として下記化合物(1)を採用して着色画像形成用材料の組み合わせを追求することにより、これらの問題を解決できる事を見出し、本発明を完成した。
【0010】
【化9】
【0011】
すなわち本発明は、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)1分子中に4つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーの1種または2種以上、(D)増感剤、(E)光重合開始剤として下記化合物(1)、
【0012】
【化10】
【0013】
を含有する事を特徴とする着色画像形成用材料であり、この着色画像形成用材料を用いた着色画像形成用感光液であり、また、着色画像形成用材料を含む感光層を基板上に積層し、露光、現像によって着色画像を形成し、さらに(A)着色剤の成分を変えて同様の着色画像形成工程を繰り返し、同一基板上に複数の着色画像を作製することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0014】
さらに本発明は、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)1分子中に4つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーの1種または2種以上、(D)増感剤、(E)光重合開始剤として化合物(1)、(F)重合加速剤、を含有する事を特徴とする着色画像形成用材料であり、この着色画像形成用材料を用いた着色画像形成用感光液であり、また、着色画像形成用材料を含む感光層を基板上に積層し、露光、現像によって着色画像を形成し、さらに(A)着色剤の成分を変えて同様の着色画像形成工程を繰り返し、同一基板上に複数の着色画像を作製することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明における(A)成分の着色剤は、色調が特に限定されるものではなく、カラーフィルタの用途に応じて適宜選定され、また有機着色剤でも無機着色剤でもよい。有機着色剤とは、具体的には染料、有機顔料、天然色素等を意味し、また無機着色剤とは、具体的には無機顔料のほか、体質顔料と呼ばれる無機塩も意味する。しかしながらカラーフィルタには高精細な発色と耐熱性が求められることから、本発明における着色剤としては、発色性が高く、且つ耐熱性の高い着色剤、特に耐熱分解性の高い着色剤が好ましく、通常有機着色剤、特に有機顔料が好ましい。
【0017】
これら有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグ メントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168;C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51;C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド215;C.I,ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、ピグメントバイオレット29:C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、ビグメントブラック7等を挙げることができる。これら着色剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0018】
また、無機着色剤を用いる場合は、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。これら着色剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0019】
本発明における着色剤は、所望により、分散剤とともに使用することができる。このような分散剤としては、例えばカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコン系、フッ素系等の界面活性剤を挙げることができる。
【0020】
これらの界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類:ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類が挙げられる。商品名で示すならば、KP(信越化学工業製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業製)、エフトップ(トーケムプロダクツ製)、メガファック(大日本インキ化学工業製)、フロラード(住友スリーエム製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
これら界面活性剤は、(A)成分の着色剤100質量部に対して、通常30質量部以下、好ましくは5〜20質量部使用する。
【0022】
本発明の(B)成分として用いられるバインダーポリマーには、着色剤に対してバインダーとして作用し、かつカラーフィルタ製造時の現像処理工程において用いられる現像液、好ましくはアルカリ現像液に可溶性であるものであれば、汎用のポリマーを使用することができる。
【0023】
本発明における好ましいバインダーポリマーは、カルボキシル基を含有するポリマーであり、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「カルボキシル基含有不飽和単量体」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「他の不飽和単量体」という。)とからなる単量体混合物の共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体」という。)が好ましい。
【0024】
これらカルボキシル基含有不飽和単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類:3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類等を挙げることができる。これらのカルボキシル基含有不飽和単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0025】
また、これら他の不飽和単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類:アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、マレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類:ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコン等の重合体分子鎖末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。これらの他の不飽和単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
カルボキシル基含有共重合体としては、カルボキシル基含有不飽和単量体としてアクリル酸および/またはメタクリル酸を、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種を含む共重合体が好ましい。
【0027】
好ましいカルボキシル基含有共重合体の具体例としては、アクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/べンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体等を挙げることができる。これらのカルボキシル基含有共重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0028】
これらのカルボキシル基含有共重合体のうち、特にメタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体が好ましい。
【0029】
カルボキシル基含有共重合体におけるカルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合は、通常、5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%である。この場合、カルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合が5質量%未満では、得られる着色画像形成用材料のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向があり、また50質量%を超えると、アルカリ現像液による現像時に、形成された画素の基板からの脱落や、画素表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
【0030】
特にカルボキシル基含有不飽和単量体をこれら特定の共重合割合で含有するカルボキシル基含有共重合体は、アルカリ現像液に対して優れた溶解性を有するものであり、当該共重合体をバインダーとして用いた着色画像形成用材料は、アルカリ現像液による現像後に未溶解物が残存することが極めて少なく、基板上の画素を形成する部分以外の領域における地汚れ、膜残り等が発生し難く、しかも該組成物から得られる画素は、アルカリ現像液に過剰に溶解することがなく、基板に対して、優れた密着性を有し、基板から脱落するおそれも無いものとなる。
【0031】
バインダーポリマーは、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「重量平均分子量」という。)が3000〜300000、特に5000〜100000であることが好ましい。このような特定の重量平均分子量を有するバインダーポリマーを使用することにより、現像性に優れた着色画像形成用材料が得られ、それによりシャープなパターンエッジを有する画素アレイを形成することができる。
【0032】
本発明におけるバインダーポリマーの使用割合は、(A)着色剤100質量部に対して、通常、10〜1000質量部、好ましくは20〜500質量部である。
【0033】
この場合、バインダーポリマーの使用割合が10質量部未満では、例えば、アルカリ現像性の低下、画素が形成される部分以外の領域での地汚れや膜残りが発生するおそれがあり、一方1000質量部を超えると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となる場合がある。
【0034】
本発明の(C)成分として用いられる光重合性モノマーには、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等3価以上の多価アルコールのポリアクリレートまたはポリメタクリレート類;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴアクリレートまたはオリゴメタクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類や、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスメタクリロイルオキシエチルフォスフェート等を挙げることができる。これらの光重合性モノマーのうち、3価以上の多価アルコールのポリアクリレートまたはポリメタクリレート類が好ましく、具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールへキサメタクリレート等を挙げることができる。特にペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールへキサメタクリレートが画素強度が高く、画素表面の平滑性に優れ、かつ画素が形成される部分以外の領域での地汚れ、膜残り等を発生し難い点で好ましい。これらの光重合性モノマーは、4官能以上のモノマーは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、単官能性アクリルアミド型モノマー以外の1〜3官能性モノマーは4官能以上のモノマーに混合して使用することができる。
【0035】
本発明における光重合性モノマーの使用割合は、(B)バインダーポリマー100質量部に対して、通常、5〜500質量部、好ましくは20〜300質量部である。この場合、光重合性モノマーの使用割合が5質量部未満では、画素強度あるいは画素表面の平滑性が不十分となる傾向があり、一方500質量部を超えると、例えば、アルカリ現像性の低下、画素が形成される部分以外の傾城での地汚れや膜残りが発生しやすくなる傾向がある。
【0036】
本発明に(D)成分として用いられる増感剤としては、露光波長に感光し、光重合開始剤を増感する化合物が使用され、具体例として[表1]、[表2]に示したものが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
本発明の着色画像形成用材料中の(D)成分である増感剤は、(C)光重合性モノマー100質量部に対して、通常0.01〜200質量部、好ましくは0.03〜120質量部、特に好ましくは0.04〜50質量部である。この場合、これらの化合物の配合量が0.01質量部未満であると、露光による硬化が不十分となり、パターンに欠落、欠損やアンダーカットを生じる恐れがあり、一方200質量部を超えると、形成されたパターンが現像時に基板から脱落しやすく、またパターンが形成される部分以外の領域で地汚れ、膜残りなどを生じやすくなる。
【0040】
本発明の(E)成分である光重合開始剤として化合物(1)が使用されるが、必要な場合には化合物(1)以外のものであって、露光波長に化合物自身で感光し、または増感剤により増感されてラジカルを発生し得る化合物で、モルホリノフェニル系化合物以外のものを補助的に併用し得る。例えば[表3]、[表4]に示したものが具体例として挙げられる。また、
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
本発明の着色画像形成用材料中の(E)成分である、光重合開始剤の配合量は、(C)光重合性モノマー100質量部に対して、通常0.01〜200質量部、好ましくは0.05〜120質量部、特に好ましくは0.1〜100質量部である。この場合、これらの化合物の配合量が0.01質量部未満であると、露光による硬化が不十分となり、パターンに欠落、欠損やアンダーカットを生じる恐れがあり、一方200質量部を超えると、形成されたパターンが現像時に基板から脱落しやすく、またパターンが形成される部分以外の領域で地汚れ、膜残りなどを生じやすくなる。
【0044】
本発明の着色画像形成用材料において、溶剤は特に制限はなく、公知のものが使用でき、これら(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)や、所望により添加される他の添加剤成分を溶解または分散し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
【0045】
このような溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2―ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、ぎ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類を挙げることができる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0046】
さらに、これら溶剤とともに、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニル、アセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を併用することもできる。これらの高沸点溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0047】
これら溶剤のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、ぎ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましく、また高沸点溶剤としてはγ−ブチロラクトン等が好ましい。
【0048】
本発明における溶剤の使用割合は、(B)バインダーポリマー100質量部に対して、通常、100〜10000質量部、好ましくは500〜5000質量部である。
【0049】
本発明の(F)成分として用いられる重合加速剤としては、水素供給性化合物等が使用される。代表的な例として一般式(1)
【0050】
【化11】
【0051】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アリール基、アラルキル基またはハロゲン原子を表し、その内少なくとも一つはアミノ基、モノアルキルアミノ基またはモノアリールアミノ基であり、アミノ基に置換されているアルキル基およびアリール基はさらに置換基を有しても良い。R6はアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキル基またはアリール基を表し、ここでアルキル基はさらにハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基または置換もしくは無置換のアリール基で置換されても良く、アミノ基に置換されているアルキル基およびアリール基はさらに置換基を有しても良い。)あるいは一般式(2)
【0052】
【化12】
【0053】
(式中、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、シアノ基で置換されたアルキル基、ニトロ基で置換されたアルキル基、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基で置換されたアルキル基を表し、R9は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。)に示した重合加速剤が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
(F)成分の具体的な例としては、[表5]、[表6]に示したものが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
本発明の着色画像形成用材料中の(F)成分である重合加速剤は、(B)成分および(C)成分の合計量100質量部に対して0.01〜5.0質量部とすることが好ましく、0.02〜4.0質量部とすることがより好ましい。この配合量が0.質量部未満であると、密着性が低下する傾向があり、5.0質量部を超えると、解像度が低下する傾向がある。
【0058】
本発明の着色画像形成用材料には、必要に応じて更に、種々の添加剤を含有することもできる。このような添加剤としては、例えばガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の高分子化合物:ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤:ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチルー6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
【0059】
本発明の着色画像形成用材料を用いてカラーフィルタを形成する方法としては、まず透明基板の表面上の画素パターンを形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。この基板上に、例えば赤色の顔料が分散された着色画像形成用感光液を塗布したのち、プリベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。
【0060】
次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、現像処理を行い、塗膜の未露光部を溶解除去することによって、赤色の画素が所定のパターンで配置された画素アレイに形成される。その後、緑色または青色の顔料が分散された各着色画像形成用感光液を用い、上記と同様にして、各組成物の塗布、ブリベーク、露光および現像処理を行い、緑色の画素アレイおよび青色の画素アレイを同一基板上に順次形成することにより、赤色、緑色および青色の三原色画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。
【0061】
カラーフィルタを形成する際に使用される透明基板としては、例えばガラス、シリコン樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの透明基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、化学蒸着、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
【0062】
着色画像形成用感光液を透明基板に塗布する際には、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布法を採用することができる。塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜1.5μmである。
【0063】
カラーフィルタを形成する際に露光される光としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある光が好ましい。露光されるエネルギー量は、好ましくは1〜1000mJ/cm2である。
【0064】
また、これらアルカリ現像液としては、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。これらアルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常水洗を行う。
【0065】
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができ、現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。このようにして形成されたカラーフィルタは、例えばカラー液晶表示装置、カラー撮像管素子、カラーセンサー等に極めて有用である。
【0066】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0067】
[実施例1][比較例1、2]
着色画像形成用材料に使用される溶剤を各種選び、溶剤10mlに試料0.05gずつ添加し、完全溶解した最大量を溶解度とする方法で、本発明の光重合開始剤である化合物(1)の溶解度を測定した。また、比較例として汎用の光重合開始剤である2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキスフェニルビスイミダゾール(保土谷化学工業(株)製品、以後B-CIMと略称する。)、および2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン(日本シイベルヘグナー(株)社製製品、以後TriazinePMSと略称する。)についても同様の方法で測定した。結果を[表7]に示した。
【0068】
【表7】
【0069】
[表7]中、実施例1と比較例1、2の結果から、実施例1は類似骨格を有するB-CIMより、また汎用に使用されているTriazinePMSより使用溶剤に対して高い溶解性を示す事がわかる。
【0070】
[実施例2][比較例3〜5]
[表8]に示す組成で材料を配合し、レジン溶液を調製し、その溶液に[表9]に示す(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分を溶解させて、実施例2および比較例3〜5の着色画像形成用感光液を得た。
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
[実施例3〜5][比較例6〜8]
[表8]に示す組成で材料を配合し、レジン溶液を調製し、その溶液に[表10]に示す(C)成分、(D)成分および(E)成分、また場合により(F)成分を溶解させて、実施例3〜5および比較例6〜8の着色画像形成用感光液を得た。
【0074】
【表10】
【0075】
[実施例6][比較例9〜13]
[表8]に示す組成で材料を配合し、レジン溶液を調製し、その溶液に[表11]に示す(C)成分、(D)成分および(E)成分、また場合により(F)成分を溶解させて、実施例6および比較例9〜13の着色画像形成用感光液を得た。
【0076】
【表11】
【0077】
以下に[表7]、[表8]、[表9]、[表10]および[表11]において使用した材料を示す。
A-BPE-4:2,2−ビス[4−(アクリロキシ−ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学社製商品名)
A-TMM-3L:テトラメチロールメタントリアクリレート(新中村化学社製商品名)。
A-TMMT:テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学社製商品名)。
A-9530:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製商品名)。
EAB : 4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土谷化学工業(株)製商品名)。
化合物(D−1):2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン(東京化成製品)。
化合物(1): 2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキスフェニルビスイミダゾール。
B-CIM: 2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキスフェニルビスイミダゾール(保土谷化学工業(株)製品)。
Irg369: 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン(チバスぺシャリティケミカルズ社製製品)。
Irg907: 2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバスぺシャリティケミカルズ社製製品)。
TriazinePMS: 2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン(日本シイベルヘグナー(株)社製製品)。
化合物(F−13): 3−アミノ−4−メトキシ−N,N'−ジエチルアミノベンゼンスルホンアミド。
【0078】
次いで、この着色画像形成用感光液を、スピンコート法によりコーニング#1737ガラス基板上に均一に塗布し、80℃の熱風対流式乾燥機で10分乾燥して感光性フィルムを得た。着色画像形成用材料層の膜厚は、1.8μmであった。
【0079】
次に、超高圧水銀灯ランプを有する露光機(ウシオ電機(株))UX-1000SM-AGC01を用いて、ネガとしてコダック21段ステップタブレットを試験片の上に置いて全波長(365nm、405nm、436nm)で200mJ/cm2露光した。次に30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液に15秒間浸漬することにより、未露光部を除去した。ガラス基板上に形成された硬化膜の21段ステップタブレットの段数を測定することにより、着色画像形成用材料の感度を評価した。その結果を[表12]に示した。感度はステップタブレットの段数で示され、この段数が高いほど、感度が高い事を示す。
【0080】
【表12】
【0081】
[表12]中、実施例2と比較例3〜5の結果より、光重合性モノマーは1分子中に4つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーであれば使用に耐えうる感度となる事がわかる。
E成分として化合物(1)を使用した実施例3は比較例6よりも高感度である。
また実施例4、5のように、溶解性が高いE成分である化合物(1)を用いると増量する事ができ、増量した事により高感度化を示した。しかし比較例7、8のようにD成分が溶解性に乏しい化合物B-CIMを用いると、増量することができないので、比較例6程度以上の性能を得る事はできない。
また、実施例6および比較例9のように増感剤であるD成分としてD-1を添加した系でも、E成分として化合物(1)を使用した実施例6は光重合開始剤としてB-CIMを使用した比較例9よりも高感度を示した。
さらに、実施例3〜6は比較例10〜13のように現在汎用されている光開始剤系よりも、明らかに高感度である。
これらの結果より、本発明の着色画像形成用材料は溶解性が高く、感度において、比較例よりも優れている事がわかる。
【0082】
【発明の効果】
本発明の着色画像形成用材料は使用溶剤に対する溶解性が高く、しかも感度においても優れた効果を発揮することができる。
Claims (6)
- (A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)1分子中に4つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーの1種または2種以上、(D)増感剤、(E)光重合開始剤として下記化合物(1)、
- (A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)1分子中に4つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーの1種または2種以上、(D)増感剤、(E)光重合開始剤として下記化合物(1)、
- (A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)1分子中に4つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーの1種または2種以上、(D)増感剤、(E)光重合開始剤として下記化合物(1)、
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