JP3875396B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動発生部からの振動の伝達を防止する場合等に適用される防振装置に関するものであり、振動を発生するエンジン等の部材を支持するマウント類に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとしての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻止するような構造となっている。
【0003】
その一例として、図8及び図9に示すような防振装置110が知られており、以下に説明する。
【0004】
これらの図に示すように、この防振装置110の外筒金具120と内筒金具116との間に、ゴム製の弾性体118がこれら金具に加硫接着されて配置されており、ブラケット114にこの外筒金具120が挿入されている。
【0005】
また、この従来の防振装置には、脚部であるボディ側締結部122及びステー部124が設けられているものの、このボディ側締結部122の高さとステー部124の高さとが相互に異なっている為、図8及び図9に示すように、それぞれブラケット114とは別金具のボディー側締結部122及びステー部124をブラケット114に溶接等して取り付ける構造とされている。
【0006】
但し、図10に示すようにステー部124はブラケット114と一体成形であるものの、ボディー側締結部122を別金具としてブラケット114に溶接する構造や、ボディー側締結部122はブラケット114と一体であるが、ステー部124を別金具として溶接する構造も考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする問題】
しかし、以上のような従来の防振装置110では、ボディー側締結部122、ステー部124等をそれぞれ別体としたりしてブラケット114に溶接する為、金型数が多くなって製造コストが増大する欠点があった。
【0008】
また、ボディー側締結部122及びステー部124をブラケット114に溶接して取付ける為、防振装置110の中心に対するボディー側締結部122及びステー部124の取付け位置を高精度なものにすることは困難であった。
【0009】
さらに、ブラケット114にフランジ部126を形成し、このフランジ部126がバウンド側ストッパを構成する場合には、フランジ部126の付け根にフランジ部126を曲げる力が加わる為、付け根部分の強度が不足することになる。従って、この対策として図11に示すように補強板128を設けることが考えられるが、補強板128の追加は製造コストの上昇要因となる。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、位置関係を高精度としつつ製造コストを低減した防振装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1による防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される取付片部及び筒状に形成される筒部を一体的に形成した外側部材と、
外側部材の筒部の内周側に位置した内側部材と、
これら内側部材と外側部材の筒部との間に配置されて内側部材と外側部材とを弾性変形可能に連結する弾性体と、
基端側が内側部材の軸方向に沿った一端部に固定され、径方向に沿って外周側へ延出すると共に、先端側が内側部材を振動発生部及び振動受部の他方に連結されるアームブラケットと、
貫通穴を有し、外側部材と一体的に形成された脚部の貫通穴と共にねじを貫通させて車体に固定され、軸方向に沿ってアームブラケットの基端部の外面側に対向するように支持され、内側部材およびアームブラケットの軸方向に沿ったリバウンド側への相対変位を制限するストッパ金具と、
外側部材の筒部の外周側に、前記ストッパ金具の外周側に位置すると共に、軸方向に沿ってアームブラケットの内面側に対向するように設けられ、内側部材及びアームブラケットの軸方向に沿ったバウンド側への相対変位を制限するフランジ部と、
フランジ部の付け根を屈曲することで形成され、フランジ部に対して段差を有した位置に配置される取付片部と、
を有することを特徴とする防振装置。
【0012】
請求項1に係る防振装置の作用を以下に説明する。
振動発生部及び振動受部の一方に連結される取付片部及び筒状に形成される筒部を外側部材が一体的に形成し、振動発生部及び振動受部の他方に連結される内側部材がこの外側部材の筒部の内周側に位置する。さらに、これら内側部材と外側部材との間に配置される弾性体が、内側部材と外側部材とを弾性変形可能に連結する。
【0013】
また、内側部材の過大な移動を防止するストッパとしてのフランジ部を外側部材の筒部の外周側に設け、このフランジ部の付け根を屈曲することで、フランジ部に対して段差を有した位置に取付片部の少なくとも一部が配置される。
【0014】
従って、外側部材或いは内側部材に連結された振動発生部側から振動が伝達されると、弾性体が変形し、この弾性体の変形により振動が減衰されて、内側部材或いは外側部材に連結された振動受部側に振動が伝達され難くなる。
【0015】
また、取付片部が筒部と一体的に外側部材に形成されているので、取付片部と筒部との間の位置関係を高精度としつつ防振装置の製造コストを低減できた。
【0016】
さらに、強度が不足しないようにリブと同様の効果を屈曲されたフランジ部の付け根部分が有することで、補強板を設けることなくこの部分の強度を高めることができ、内側部材及びアームブラケットの軸方向に沿ったバウンド側への相対変位を制限するストッパとしてのフランジ部の付け根にフランジ部を曲げる力が加わっても、フランジ部が変形し難くなる。
請求項2による防振装置は、請求項1記載の防振装置において、軸方向に沿ってストッパ金具とアームブラケットとの間にリバウンドストッパゴムを配置すると共に、フランジ部とアームブラケットとの間にバウンドストッパゴムを配置したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の防振装置に係る第1の実施の形態を図1から図5に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。
【0018】
本実施の形態を表す図1に示すように、円筒状に形成される筒部12Aを有すると共に外周に拡がるフランジ部12Bをこの筒部12Aの上部に設けたブラケット12が、この防振装置10の外側部材を構成している。
【0019】
図5に示すように、このフランジ部12Bには、フランジ部12Bの付け根を一旦下側に屈曲してからそれぞれ水平方向に外周側に突出するように延びる一対の脚部14が設けられており、さらに、これら一対の脚部14と交差する方向に沿ってブラケット12から突出するように、この防振装置10を支持する為のステー部12Cが延びている。
【0020】
つまり、これら筒部12A、フランジ部12B、脚部14及びステー部12Cが一体的に形成されることでブラケット12が構成され、この内の脚部14及びステー部12Cが取付片部を構成することになる。
【0021】
また、図1に示すように、ブラケット12の筒部12Aの内周面には、円筒形状に形成されるゴム製の弾性体8の外周面が加硫接着されており、このブラケット12が弾性体8を囲んで保持することになる。そして、この弾性体8には、図5に示すようにその周方向に沿って複数の穴部8Aが形成されており、ブラケット12のフランジ部12Bの上部には、弾性体8と繋がるストッパゴム19が加硫接着されている。
【0022】
さらに、ブラケット12の内周側の弾性体8の中心部には、金属製であって円錐状に形成された内側部材である内筒金具24が加硫接着されつつ埋設されており、この内筒金具24の上端部が弾性体8から突出している。そして、この内筒金具24には、雌ねじが形成されたねじ穴24Aが設けられていると共に回り止めピン25が取り付けられている。
【0023】
以上より、弾性体8は、内筒金具24とブラケット12の筒部12Aとの間に配置されて取り付けられることとなり、これら内筒金具24及び弾性体8がブラケット12の筒部12Aに収納され、弾性体8が内筒金具24とブラケット12とを弾性変形可能に連結する形となっている。
【0024】
図1及び図2に示すように、内筒金具24の頂面である上方側端部に対向した位置には、ゴム製で弾性変形可能なストッパゴム22を介して、アームブラケット26が配設されている。
【0025】
つまり、筒状のストッパゴム22内に、鉄鋳物等で形成されたアームブラケット26の一端側を構成する角柱部26Aが圧入されて、このストッパゴム22がアームブラケット26の一端側に被せられた構造となっている。
【0026】
さらに、ストッパゴム22内に角柱部26Aが圧入された状態で、ストッパゴム22の上壁に形成された孔22A、角柱部26Aに形成された貫通穴27A及び、ストッパゴム22の下壁に形成された開口22Bに、それぞれ上方から止めボルト28が挿通され、内筒金具24のねじ穴24Aにこの止めボルト28が螺合されて、アームブラケット26が内筒金具24に固定されている。
【0027】
また、アームブラケット26の他端側には、振動発生部となるエンジン(図示せず)にアームブラケット26を連結するためのボルト29が固定されている。従って、この弾性体8から突出される内筒金具24はエンジンへの連結用として用いられることとなり、内筒金具24がアームブラケット26を介して振動発生部となるエンジンに連結されることになる。
【0028】
これに伴って、アームブラケット26の下部に位置することになるストッパゴム19及びこのストッパゴム19が加硫接着されたフランジ部12Bが、このアームブラケット26の下側への相対移動を一定の範囲内に制限するバウンドストッパとなる。
【0029】
一方、この内筒金具24の上部には、ブラケット12に対する内筒金具24の上側への相対移動をアームブラケット26と当接して一定範囲内に制限するリバウンドストッパ金具60が、アームブラケット26を介して内筒金具24と対向して配置されている。そして、図3上、逆U字状に形成されたこのリバウンドストッパ金具60が一対の脚部14を挟み付けた状態で、このリバウンドストッパ金具60の屈曲された両端部が一対の脚部14と当接している。
【0030】
これらリバウンドストッパ金具60の両端部及び脚部14には、それぞれ貫通穴14A、60Aが形成されていて、図3に示す一対の止めねじ64により、脚部14の貫通穴14A及びリバウンドストッパ金具60の貫通穴60Aが一体的に貫通され、またステー部12Cにも貫通穴12Dが形成されていて、図示しない止めねじによりステー部12Cの貫通穴12Dが貫通され、振動受部となる車体62にそれぞれ締結されて車体62に防振装置10が固定される。
【0031】
つまり、ブラケット12は、ブラケット12の外周側に形成された一対の脚部14及びステー部12Cを介して車体62に連結されることになる。
【0032】
次に、本実施の形態に係る防振装置10の製造の手順を説明する。
まず、プレス加工により、筒部12A、フランジ部12B、脚部14及びステー部12Cを一体的に有するブラケット12を形成し、内筒金具24及びこのブラケット12を金型内に入れて、図4及び図5に示すように、弾性体8を加硫する。
【0033】
そして、図4に示すストッパゴム22内に、アームブラケット26の角柱部26Aを圧入し、ストッパゴム22及びアームブラケット26に止めボルト28を挿通させて、この止めボルト28を内筒金具24にねじ止めることで、アームブラケット26を内筒金具24に固定する。
【0034】
次に、ブラケット12から突出して形成された一対の脚部14をリバウンドストッパ金具60で挟み、これら一対の脚部14にリバウンドストッパ金具60を仮止めすれば、図1及び図2に示すように組立は完了する。
【0035】
この後、このように完成された防振装置10を車両内に設置し、一対の止めねじ64を一対の脚部14及びリバウンドストッパ金具60の両端部に貫通させ車体62に締結すると共に、図示しない止めねじをステー部12Cに貫通させ車体62に締結することにより、図3に示すように、一対の脚部14とステー部12Cに繋がるブラケット12及び、リバウンドストッパ金具60を車体62に固定し、防振装置10を車体62に搭載することができる。そして、アームブラケット26のボルト29を締結してエンジンにアームブラケット26を連結する。
【0036】
次に本実施の形態の作用を説明する。
筒部12A、フランジ部12B、脚部14及びステー部12Cをブラケット12が一体的に形成し、脚部14及びステー部12Cを介して車体62にブラケット12が連結される。また、このブラケット12の筒部12Aの内周側に内筒金具24が位置し、この内筒金具24の端部にアームブラケット26の一端側が固定されると共に、このアームブラケット26の他端側がエンジンに連結される。さらに、これら内筒金具24とブラケット12の筒部12Aとの間に配置される弾性体8が、内筒金具24とブラケット12とを弾性変形可能に連結する。
【0037】
従って、内筒金具24にアームブラケット26を介して搭載されるエンジンが作動すると、エンジンの振動がアームブラケット26及び内筒金具24を介して弾性体8に伝達される。この弾性体8は吸振主体として作用し、弾性体8の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収することができる。
【0038】
また、取付片部とされる脚部14及びステー部12Cが筒部12Aと一体的にブラケット12に形成されているので、取付片部と筒部12Aとの間の位置関係を高精度としつつ防振装置10の製造コストを低減できる。
【0039】
すなわち、別体のものをブラケットに溶接する場合、プレス型の寸法精度の他に溶接時の治具精度、溶接歪みが発生する等の問題を有していて、精度ばらつきの要因数が増すのに対して、本実施の形態のようにプレス加工でブラケットを一体成形にすれば、上面視での脚部14及びステー部12Cの位置精度は、プレス型の寸法精度のみで決定されるので、高精度となる。
【0040】
さらに、ブラケットを一体成形することで、溶接費、治具費等の費用が不要となる。また、別体のものをブラケットに溶接する場合、脚部の金型が複数個、筒部の金型が複数個というように各部材毎にブランク型、絞り型、曲げ型が必要となる為、製造コストが増大するが、一体成形することでトータルの金型数が減り、製造コストの低減が可能となる。
【0041】
他方、このエンジンから過大な振幅の振動が入力された場合には、ブラケット12のフランジ部12Bに接着されたストッパゴム19に、アームブラケット26が当接することで、ブラケット12に対する内筒金具24の下側への相対移動を制限することができる。また、ブラケット12に設置され且つアームブラケット26の一端側と対向して位置するリバウンドストッパ金具60に、アームブラケット26が当接することで、ブラケット12に対する内筒金具24の上側への相対移動を制限することができる。
【0042】
すなわち、本実施の形態では、図3に示すように内筒金具24の過大な移動を防止する為のバウンドストッパとしてのフランジ部12Bをブラケット12の筒部12Aの外周側に設け、このフランジ部12Bの付け根を曲げ部12Eで屈曲することで、フランジ部12Bに対して段差を有した位置に脚部14の貫通穴14Aが配置される。
【0043】
従って、強度が不足しないようにリブと同様の効果をこの曲げ部12Eが有することで、補強板を設けることなくこの部分の強度を高めることができる。この為、バウンドストッパとしてのフランジ部12Bの付け根にフランジ部12Bを曲げる力が加わっても、フランジ部12Bが変形し難くなる。
【0044】
次に、本発明の防振装置に係る第2の実施の形態を図6及び図7に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態と同一の部材の図示及び説明を省略する。
【0045】
本実施の形態を表す図6に示すように、この防振装置100の外側部材を第1の実施の形態と同様にブラケット12が構成しており、上端部に円板状のフランジ部16Aが形成されている外筒金具16がこのブラケット12に圧入されて、ブラケット12内に配置されている。
【0046】
また、外筒金具16の内周面には、円筒形状に形成されると共にインターリング20を埋設したゴム製の弾性体18の外周面が加硫接着されており、この外筒金具16が弾性体18を囲んで保持することになる。そして、外筒金具16の下部に対応する弾性体18の部分は薄肉とされた肉薄部18Aとされている。
【0047】
さらに、外筒金具16の内周側の弾性体18の中心部には、第1の実施の形態と同様に、金属製であって円錐状に形成された内側部材である内筒金具24が加硫接着されつつ埋設されており、この内筒金具24の上端部が弾性体18から突出している。
【0048】
以上より、弾性体18は、内筒金具24と外筒金具16との間に配置されて取り付けられることとなり、ブラケット12に外筒金具16が圧入されて、これら外筒金具16、内筒金具24及び弾性体18がブラケット12に収納され、結果として、外筒金具16を介して、弾性体18が内筒金具24とブラケット12とを弾性変形可能に連結する形となっている。
【0049】
他方、内周面にゴム製のダイヤフラム30が加硫接着されているリング材31が外筒金具16の下部の内側に嵌合して固着される。このダイヤフラム30と弾性体18との間には、これらの部材で内壁面が形成された液室32が設けられていて、例えば水、オイル等の液体が封入されている。そして、この液室32内には、例えば合成樹脂材料で形成された隔壁部材34が、弾性体18の肉薄部18Aの内壁面に嵌合されて配置されていて、液室32を一対の小液室である主液室32Aと副液室32Bとに二分して区画している。
【0050】
さらに、この隔壁部材34の中央部には、円形の開口部38が形成されており、また、この隔壁部材34の外周面となる外周端部34Bの内側には、外周端部34Bに沿いほぼ一周にわたって溝状に形成された溝部36が設けられている。この溝部36の一端部には、主液室32Aと溝部36内とを連通する小孔52が形成され、他端部には、副液室32Bと溝部36内とを連通する小孔54が形成されている。従って、弾性体18の内壁面により塞がれたこの溝部36及び小孔52、54が主液室32Aと副液室32Bとの間を連通するオリフィス42を構成することとなる。さらに、ダイヤフラム30とブラケット12の底壁との間は空気室44とされている。
【0051】
一方、隔壁部材34には、開口部38の上部側に突出するリブ34Aが形成されており、中央部が円形に突出する弾性板であるメンブラン46が、このリブ34Aに係止されている。
【0052】
そして、メンブラン46の下側外周寄りの部分には、外周端側がダイヤフラム30と隔壁部材34との間に挟持されて固定され且つ中央部が開口部38に嵌合されるように円形に突出した金属製の円板48が当接して、メンブラン46をリブ34Aとの間で挟着している。尚、小孔54に対応する円板48の位置には、図示のように孔部を有している。
【0053】
次に、本実施の形態に係る防振装置100の製造の手順を説明する。
まず、外筒金具16をプレス加工により形成し、内筒金具24及びこの外筒金具16を金型内に入れて、弾性体18を加硫する。そして、液体中において、メンブラン46、円板48が装着された状態の隔壁部材34及びダイヤフラム30等を外筒金具16内に挿入し、外筒金具16の内周側の突出部に隔壁部材34の外周側を係合して隔壁部材34の軸方向の位置決めをしつつ、外筒金具16の下部を絞り加工すると共に、外筒金具16の下端部をかしめてテーパ状に形成する。
【0054】
これにより、これらの部材が外筒金具16内に収納されるだけでなく、弾性体18の薄肉となった肉薄部18Aと隔壁部材34とが緊密に当接しつつ嵌合されて一対の液室32A、32B間が隔壁部材34によりシールされ、図7に示すような状態になる。
【0055】
そして、第1の実施の形態と同様にストッパゴム22内に、アームブラケット26の角柱部26Aを圧入し、ストッパゴム22及びアームブラケット26に止めボルト28を挿通させて、この止めボルト28を内筒金具24にねじ止めることで、アームブラケット26を内筒金具24に固定する。
【0056】
次に、外筒金具16をブラケット12に圧入しつつ、内筒金具24、外筒金具16及び弾性体18をこのブラケット12に収納する。この後、第1の実施の形態と同様にリバウンドストッパ金具60を仮止めすることによって、図6に示すように防振装置100が完成され、この完成された防振装置100を第1の実施の形態と同様に車体62とエンジンとの間に配置することができる。
【0057】
次に本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態も第1の実施の形態と同様に作用するが、以下のような相違を有する。
【0058】
まず、筒状に形成される外筒金具16が、ブラケット12の脚部14及びステー部12Cを介して車体62に連結される。また、この外筒金具16の内周側に内筒金具24が位置し、この内筒金具24の端部にアームブラケット26の一端側が固定されると共に、このアームブラケット26の他端側がエンジンに連結される。さらに、これら内筒金具24と外筒金具16との間に配置される弾性体18が、内筒金具24と外筒金具16とを弾性変形可能に連結する。
【0059】
従って、内筒金具24にアームブラケット26を介して搭載されるエンジンが作動すると、エンジンの振動がアームブラケット26及び内筒金具24を介して弾性体18に伝達される。
【0060】
弾性体18は吸振主体として作用し、弾性体18の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収することができる。さらに、主液室32A及び副液室32B内の液体がオリフィス42を通って相互に流通し、オリフィス空間に生ずる液体の圧力変化、液体流動の粘性抵抗等に基づく減衰作用で防振効果を向上することができる。
【0061】
一方、高周波の振動が伝達された場合などのように、狭い振動数範囲の低減のみ可能なオリフィス42が目詰まりしてオリフィス42のみによっては十分に振動が低減されないときでも、メンブラン46が弾性変形して、液室32内の内圧が高くなることがない。この結果、オリフィス42では振動を低減できない高周波数の振動が生じても低動ばねとなり、防振特性が低減されずに維持され、防振装置100の効果が十分発揮される。
【0062】
尚、上記実施の形態において、振動発生部であるエンジンにアームブラケット26及び内筒金具24側を連結し、振動受部である車体62にブラケット12及び外筒金具16側を連結するような構成としたが、この逆の構成としても良い。
【0063】
他方、実施の形態において、車両に搭載されるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置は例えば車両のボディマウント等、あるいは車両以外の他の用途にも用いられることはいうまでもなく、また、弾性体等の形状、寸法及びオリフィスの数なども実施の形態のものに限定されるものではない。
【0064】
【発明の効果】
本発明の防振装置は、以上のように説明した構成とした結果、位置関係を高精度としつつ製造コストを低減できると言う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示す側面図である。
【図3】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示す別の側面図である。
【図4】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の組立を説明する断面図である。
【図5】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態に適用される弾性体が加硫接着された状態のブラケットの斜視図である。
【図6】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態を示す部分断面図である。
【図7】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態の組立を説明する断面図である。
【図8】第1の従来技術に係る防振装置を示す断面図である。
【図9】第1の従来技術に係る防振装置を示す側面図である。
【図10】第2の従来技術に係る防振装置を示す側面図である。
【図11】第3の従来技術に係る防振装置を示す側面図である。
【符号の説明】
8 弾性体
10 防振装置
12 ブラケット
16 外筒金具
18 弾性体
24 内筒金具
100 防振装置
Claims (2)
- 振動発生部及び振動受部の一方に連結される取付片部及び筒状に形成される筒部を一体的に形成した外側部材と、
外側部材の筒部の内周側に位置した内側部材と、
これら内側部材と外側部材の筒部との間に配置されて内側部材と外側部材とを弾性変形可能に連結する弾性体と、
基端側が内側部材の軸方向に沿った一端部に固定され、径方向に沿って外周側へ延出すると共に、先端側が内側部材を振動発生部及び振動受部の他方に連結されるアームブラケットと、
貫通穴を有し、外側部材と一体的に形成された脚部の貫通穴と共にねじを貫通させて車体に固定され、軸方向に沿ってアームブラケットの基端部の外面側に対向するように支持され、内側部材およびアームブラケットの軸方向に沿ったリバウンド側への相対変位を制限するストッパ金具と、
外側部材の筒部の外周側に、前記ストッパ金具の外周側に位置すると共に、軸方向に沿ってアームブラケットの内面側に対向するように設けられ、内側部材及びアームブラケットの軸方向に沿ったバウンド側への相対変位を制限するフランジ部と、
フランジ部の付け根を屈曲することで形成され、フランジ部に対して段差を有した位置に配置される取付片部と、
を有することを特徴とする防振装置。 - 軸方向に沿ってストッパ金具とアームブラケットとの間にリバウンドストッパゴムを配置すると共に、フランジ部とアームブラケットとの間にバウンドストッパゴムを配置したことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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