JP3874128B2 - 近接帯電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電複写機,レーザープリンター等の電子写真プロセスを用いる画像形成装置に用いられる近接帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来より使用されている電子写真プロセスを用いる画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体ドラム1は、導体1aの表面に感光層1bを塗布することによって形成され、図示しない駆動手段により図8中の点線矢印方向に回転駆動される。帯電ロ−ラ2は、感光体ドラム1表面の感光層1bを所望の電位に帯電する。画像露光器5は、帯電した感光層1b上に露光して、所望の画像に対応する静電潜像を形成する。現像器6は、感光層1b上につくられた静電潜像を、トナーによって現像し、感光層1b上にトナー像を形成する。転写器7は、感光層1b上に現像されたトナー像を、図示しない搬送手段によって搬送される紙などの転写媒体8上に転写する。転写器7によって、トナー像を転写された転写媒体8は、図示しない定着器へと搬送され、定着器でトナーが加熱および加圧され、転写媒体8上に定着される。クリーニング装置9は、転写器7で転写媒体8上に転写されず感光体1b上に残ったトナーを清掃する。感光体ドラム1は図2中の点線矢印の方向に回転するため、上記の処理を繰り返すことによって、次々に送り込まれる転写媒体8上に所望の画像が形成される。
【0003】
この様な画像形成装置に使用される帯電器(2)としては、従来からスコロトロンなどのコロナ帯電装置のほかに、いわゆる接触帯電ロ−ラがある。コロナ帯電装置の場合には、印加電圧を高く(5〜7kV)する必要があり、そのため発生するオゾンが多い等の問題があった。接触帯電ロ−ラ2は、コロナ帯電装置での上記問題を改善することができる。このため、低速,中速の電子写真方式の画像形成装置での帯電器として広く用いられている。接触帯電ロ−ラ2は、導電体(金属)の芯金を抵抗層で被覆したものであり、被帯電体である感光体(以下、単に感光体と略す)に接触した抵抗層に芯金を介して電圧を印加することによって感光体の帯電を行う。
【0004】
図9に、従来の帯電ロ−ラの一例を横断面で示す。帯電ローラ2は直径5〜20mm、長さ約300mmであり、導体(芯金)2aの上に弾性層(抵抗層)2bを形成してある。感光体ドラム1は直径30〜80mm、長さ約300mmであり、アルミニウム筒1aの外表面上に有機感光体1bを形成してある。帯電ロ−ラ2は、回転する感光体ドラム1に対して接触し、従動回転する。帯電ロ−ラ2の弾性層(抵抗層)2bは、抵抗率が107〜109Ωcmの材料から構成される。また、帯電ロ−ラ2の表面(弾性層の表面)には、膜厚が10〜20μmm程度の表面保護層が形成されている場合もある。帯電ロ−ラ2には電源3によって電圧を印加し、感光体1bの帯電を行う。印加電圧は、直流で−1.0〜−1.5kVである。
【0005】
しかし、接触帯電装置では、帯電ロ−ラ2が直接感光体1bと接触しているために、感光体1b上のトナーなどが帯電ロ−ラ2に付着することによる帯電性能の低下,帯電ロ−ラ2を構成している物質の感光体1bへの付着,感光体1bを長期停止したときに生じる、帯電ロ−ラ2の永久変形等の問題が発生する。
【0006】
このような問題を解決する方法として、帯電部材を非接触に感光体に近接させる近接帯電装置が考案されている。この種の近接帯電装置は、帯電部材を、感光体との最近接部での距離が0.005〜0.30mmになるように近接して感光体と対向させ、帯電部材に電圧を印加することによりコロナ放電を生じさせ、感光体の帯電を行う。
【0007】
例えば、特公平6−90568号公報に提示された帯電装置は、固定電極板(帯電部材)と電荷受容体(感光体)との間に間隙が存在する非接触な近接帯電装置に関するもので、この固定電極板の抵抗率が106〜1013Ωcm、かつ表面抵抗が106Ω以上であり、前記の間隙幅が500μm以下であることが特徴である。近接帯電装置をこのような構成にすることによって、固定電極板と電荷受容体との間の空隙で火花放電が起こることなく、均一な帯電が可能となる。また固定電極板は板状であるため、電荷受容体と対向する面の平面性が高精度で得られるとしている。
【0008】
近接帯電装置では、帯電部材と感光体とが接触していないために、接触帯電装置で問題となる「帯電部材を構成している物質の感光体への付着」、「感光体を長期停止したときに生じる永久変形」は問題とはならない。また、「感光体上のトナーなどが帯電部材に付着することによる帯電性能の低下」に関しても、帯電部材に付着するトナーが少なくなるため、近接帯電装置の方が優れている。
【0009】
図10は、従来考えられていた近接帯電装置の一例であり、その断面図を表している。帯電ロ−ラ2は、直径5〜20mm、長さ約300mmであり、導体2aの上に抵抗層2bを形成してある。感光体ドラム1は直径30〜80mm、長さ約300mmであり、導体1a上に感光体1bを形成してある。帯電ロ−ラ2は回転させてもよいし、回転させなくてもよい。帯電ロ−ラ2は回転する感光体ドラム1に対して、最近接部での距離(図10中の点Aと点B間の距離G)が0.005〜0.30mmになるような位置に配置される。帯電ロ−ラ2の抵抗層2bは、抵抗率が107〜109Ωcmの材料から構成される。帯電ロ−ラ2には、電源3によって電圧を印加し、感光体1bの帯電を行う。印加電圧は、直流で−1.5〜−2.0kVである。
【0010】
接触帯電,非接触(近接)帯電にかかわらず、帯電ロ−ラを長時間使用した場合には、ローラの表面がトナーなどによって汚れ帯電能力が低下する。その対策として、従来ではブレードを適当な押圧下で帯電ローラに当接させてトナーを除去し、除去したトナーを専用の容器に収容していた。しかし、このような方法では、除去トナーを収容する容器が必要なため装置の小型化が困難であったり、また、除去トナーを収容する容器に貯まったトナーを処理する必要があるなどの問題があった。
【0011】
特開平6−149020号公報は、帯電ローラをクリーニングするクリーニング装置に関するもので、帯電ローラに接触させるブレードの位置を工夫している。すなわち帯電ローラに当接するブレードの配設位置および姿勢を、かきとったトナーが重力により感光体表面に落下、付着するように工夫している。感光体上に落下した除去トナーは、感光体の回転にともなって次行程に運ばれるので、従来のように、除去トナーを収容する容器が不要となる。
【0012】
この様にブレードを帯電ローラに当接させてトナーを除去する近接帯電装置においても、接触帯電装置に比べれば少量ではあるが、長時間の使用によって、帯電部材の表面にトナーなどが付着する。帯電部材の表面がトナー等で汚れた状態で感光体の帯電を行った場合には、感光体の帯電電位が低下する,感光体の帯電電位が不均一になるなどの問題が発生する。このような状態で画像の形成を行った場合には、白地部にトナーが付着したり(反転現像時)、画像濃度が均一でなくなるなどの問題が発生する。
【0013】
帯電部材の表面が汚れることの影響を防止する方法として、帯電部材の表面を移動させながら(例えば帯電ローラを回転させながら)、感光体の帯電を行う方法が提案されている。このような方法では、帯電部材の表面積が実質的に拡大されるため付着するトナーが分散されるので、帯電部材の汚れによる影響を小さくすることができる。移動する帯電部材の表面にブレード(クリーニング部材)を当接することによって、帯電部材の表面上に付着したトナーを除去する方法も提案されている(特開平6−149020号公報)。
【0014】
また、特開平7−72704,72705,72706号公報には、移動可能な被帯電体と、被帯電体に接触する導電性の帯電部材をもち、被帯電体の移動方向に対して上流側の前記帯電部材と前記被帯電体とによって挾まれた空間内にブレードを配置した帯電装置が提案されている。前記帯電部材には直流電圧を印加し、前記ブレードは直流電圧を印加するかまたは接地する。ブレードにより、帯電部材と被帯電体とが徐々に近づく領域で、被帯電体への放電が規制されるので、帯電むらがなくなり均一帯電が可能になると説明されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような帯電部材の表面を移動させながら感光体の帯電を行うタイプの近接帯電装置では、帯電部材を静止させて感光体の帯電を行うタイプの近接帯電装置に比べて、帯電むらが発生しやすいという問題がある。帯電むらとは感光体の帯電が均一になされない状態のことであり、感光体の表面電位が場所によって、高くなったり、低くなったりしている状態のことである。近接帯電装置で現れるこのような帯電むらは、ピッチ(空間周期)が0.1〜1mm程度と小さいため、いわゆる表面電位計(例えばTrek model 344 など)では検出することができない(表面電位計の空間分解能は、5mm程度であり、このような小さな帯電むらは平均化されてしまい検出することができない)。しかし実際に、近接帯電装置によって感光体を帯電させたのち、感光体上に画像を形成した場合、画像上にまだ班点状の帯電むらが現れる。例えば反転現像(ネガポジ)を行った場合には、白地部にトナーが付着したり、黒地部でトナーの付着が少ない箇所が現れる。
【0016】
本発明は、帯電部材と感光体の表面間距離が0.1〔mm〕以上の非接触である近接帯電装置において、帯電部材を回転させた場合でも、帯電むらを生じないようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、被帯電体(1)の移動可能な被帯電面(1b)に対して、帯電部材(2)の帯電面(2c)が非接触に対向し、この帯電部材(2)に電圧を印加することにより、前記帯電面(2c)と前記被帯電体(1)との間で直接放電を起こさせ、前記被帯電面(1b)を帯電する近接帯電装置において、
前記被帯電面(1b)を帯電する間に前記帯電面(2c)が移動し、前記帯電面(2c)と前記被帯電面(1b)との距離が、最も小さい最近接部(A-B)においても0.1[mm]以上であり、該最近接部 (A-B) において前記被帯電面 (1b) と前記帯電面 (2c) が移動する向きが同じであって、前記帯電面(2c)が移動する向きに対して、前記最近接部(A-B)よりも上流側の、前記帯電面(2c)に対向する位置に、該対向帯電面を放電させて該対向帯電面の表面電位を下げる予備放電部材(4)を配置してある、ことを特徴とする。
【0018】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の符号または対応事項の記号を、参考までに付記した。
【0019】
予備放電部材(4)がない場合を、図10の示す近接帯電装置を参照して説明すると、帯電ロ−ラ2は、図の実線矢印方向に回転するので、帯電面2cの或る一点Pは回転に伴い次第にA点(感光体1bとの最接近点)に接近する。即ち感光体1bのB点(抵抗層2bとの最接近点)に接近する。感光体1bは除電された後にB点に近づいて来るので、帯電面(2bの表面)と被帯電面(1bの表面)との電位差Vdは大略電源3の電圧に等しい。この様に被帯電面と帯電面が次第に近接して行くような場合には、放電は被帯電面と帯電面が最近接する点(A−B)よりも上流側で、電位差Vdが放電開始電圧を越えた部分(ギャップGが比較的大きい部分)で始まる。放電が始まると被帯電面は帯電されるので次第に電位が上昇し、帯電面と被帯電面との電位差Vdは減少する。従って上流側のギャップGが小さくなる部分では、電位差Vdが放電持続しきい値を下まわり放電は終了する。この放電開始直後の領域では放電に伴って移動する電荷量は大きく、その結果、放電の跡が帯電むらとして観察される。
【0020】
一方本発明のように、予備放電部材(4)を配置した場合には、上述と同様な放電が、まず帯電面(1b)と予備放電部材(4)間で発生するので、帯電面(1b)の電位は電源(3)により印加された電位よりも低くなる。例えば帯電面(2c)の或る一点Pは、まず予備放電部材(4)間で放電開始するので、点Pの電位は電源(3)により印加された電位よりも低くなっている。点Pが帯電部材(2)の回転によって、被帯電面(1b)との間で放電が起こる領域に移動してきたときにも、点Pと被帯電面(1b)との電位差は予備放電部材(4)がない場合にくらべて小さくなり、点Pと被帯電面(1b)との間で起こる放電にともなって移動する電荷量も小さくなる。その結果、放電跡が帯電むらとして観察されることはなく、均一な帯電がなされる。
帯電部材(2)を移動させず静止させた場合でも、上記の様に帯電面(2c)と被帯電面(1b)との間の電位差が小さく、このため帯電むらは発生しない。しかし、帯電部材(2)を静止させた場合には、従来技術の項で指摘したように、被帯電面(1b)の帯電のために使われる帯電部材(2)の帯電面(2c)表面積が小さいので、帯電時の電位低下,帯電不均一などの問題が発生する。このため、帯電部材(2)及び帯電面(2c)が移動するタイプの近接帯電装置の方が優れている。
【0021】
このように、本発明の近接帯電装置においては、帯電面(2c)を移動させた場合でも、従来問題となっていた帯電むらが発生しない。そして、帯電部材の帯電面(2c)を移動させることが可能なため、帯電部材の帯電面(2c)を固定させるタイプの近接帯電装置に比べて、帯電面(2c)上に付着したトナーの影響を小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(2)前記最近接部(A-B)での前記帯電面(2c)と前記被帯電面(1b)との移動速度(Va,Vb)が異なることを特徴とする。
これによれば、帯電面(2c)の移動する速度(Va)を、被帯電面(1b)の移動する速度(Vb;画像プロセス速度)に関係なく決めることができる。従って帯電部材(2)を必要以上に速く回転させる必要がなくなり、帯電部材(2)の軸や、帯電部材(2)を支持する軸受けなどの磨耗を少なくすることができる。また軸受け部分で発生する熱量を小さくすることができる。
【0023】
(3)予備放電部材(4)の表面が中抵抗の材料(4b)で被覆してあることを特徴とする。
予備放電部材(4)の表面を絶縁体のような高抵抗の材料で被覆した場合には、予備放電部材(4)と帯電部材(2)との間で放電が起こらなくなり、予備放電部材(4)を配置した効果がなくなる。また予備放電部材(4)の表面を金属のような低抵抗の材料で被覆した場合には、帯電部材(2)に抵抗が小さい欠陥が存在する場合、そこから予備放電部材(4)に対し大きな電流が流れ、その結果予備放電部材(4)や帯電部材(2)が劣化し、機能が損なわれることがある。
これに対し、中抵抗の材料(4b)で被覆してあるので、予備放電機能が損なわれることがなく、又予備放電部材(4)が劣化することがない。
【0024】
(4)予備放電部材(4)に、帯電部材(2)に印加する電圧とは反対の極性の電圧を印加することを特徴とする。
これによれば、予備放電部材(4)と帯電部材(2)との間には、予備放電部材(4)に電圧を印加しない場合に比べて、より大きな電位差が生じる。この結果、予備放電部材(4)と帯電部材(2)との間に発生する放電規模がより大きく、従って帯電部材(2)上に蓄積される電荷量が多くなる。帯電部材表面により多くの電荷が蓄積されると、帯電部材表面(2c)の電位は印加した電位に比べてより下がるため、この部分が帯電部材(2)の回転によって帯電部材表面(2c)と被帯電面(1b)との間で放電が起きる領域に移動してきた場合、帯電部材表面(2c)と被帯電面(1b)との間の電位差が小さくなり、帯電むらが発生しにくくなる。このように、予備放電部材(4)の効果がより大きく、帯電むら解消効果がより高い。
【0025】
(5)予備放電部材(4)が帯電部材(2)に接触していることを特徴とする。これによれば、予備放電部材(4)が帯電部材(2)に接触すれば良いので、予備放電部材(4)の取り付け精度はそれほど高くなくてもよい。これにより予備放電部材(4)を搭載する近接帯電装置の作成が容易となり、予備放電部材(4)を搭載してもコストを引き上げる要因にはならない。
【0026】
(6)予備放電部材(4)が帯電部材(2)の表面をクリーニングする機能を有することを特徴とする。
【0027】
これによれば、帯電部材(2)の表面(2c)がトナーなどによって汚れた場合でも、予備放電部材(4c)によりクリーニングされるため、長期間にわたって安定して、被帯電体(1)を均一に帯電することが可能である。また、予備放電部材(4c)とクリーニング部材が兼用されるため、装置の構成が複雑になることはない。帯電部材(2)は長期間にわたって安定して、被帯電体(1)を均一に帯電することが可能であり、さらに装置の構成が複雑にならない。
【0028】
本発明の他の目的及び特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0029】
【実施例】
−第1実施例−
図1は、本発明の第1実施例の近接帯電装置の概略構成を示す断面図である。ローラ形状で実線矢印の方向に回転する帯電ロ−ラ2は、導体2a(芯金)上に抵抗層2aを設け、その表面に形成した表面層2cから構成され、導体2a(芯金)には電源3から直流電圧が供給される。筒状で点線矢印の方向に回転する感光体ドラム1は、接地した導体1aと、その表面に形成した感光体1bで構成されている。図1に示す様に、帯電ロ−ラ2は感光体1と非接触で対向している。帯電ロ−ラ2には、接地されている予備放電部材4が非接触で対向している。
【0030】
この第1実施例の近接帯電装置と従来の帯電装置との違いは、
・帯電ロ−ラ2と感光体1との距離は、最も小さい最近接部A−Bでも0.1mm以上である;
・帯電ロ−ラ2が回転する。すなわち、帯電ロ−ラ2の表面(以下単に帯電面2cと略す)が移動する;
・帯電面2cの移動する向きに対して、帯電ロ−ラ2と感光体1との最近接部A−Bよりも上流側の、帯電面2cと対向する位置に予備放電部材4を配置してある;
の3点である。
【0031】
第1実施例の近接帯電装置では、帯電ロ−ラ2はローラ形状で、直径15mm、長さ300mmであり、導体2aの上に3mmの厚さを有する抵抗層2bが形成してある。抵抗層2bは、NBR系のゴム材料にハロゲン化物(イオン性化合物)を添加して、導電性を付与した材料によって構成され、抵抗率が、108Ωcmに調整してある。この抵抗層2bの表面を、イオン性化合物を添加して導電性を付与したフッ素系の樹脂で被覆し、表面層2cを形成してある。この表面層2cの抵抗率は1010Ωcmになるように調整してある。
【0032】
抵抗層2bを構成する材料としては、上記のほか各種ゴム又は樹脂などの高分子材料にイオン性化合物を添加することによって導電性を付与した材料(いわゆるイオン性導電化材料),イオン性化合物の代わりにカーボンを高分子材料中に分散させた材料(いわゆる電子性導電化材料),金属酸化物(セラミックス)などのほか、いわゆる中程度の抵抗率をしめす材料であればどのようなものであってもよい。しかし帯電むらを発生させずに、感光体1を帯電するためには、抵抗層は107〜109Ωcmでなけれなばならない。また表面については、表面層2cを形成しても、しなくてもよく、上述の材料以外のもので表面層2cを形成してもよい。
【0033】
また、第1実施例の近接帯電装置では、帯電ロ−ラ2は、図1中の実線矢印の向きに、駆動源(図示せず)によって駆動されて回転する。回転の速度は、帯電面2c上の一点が移動する速さ(周速)が、15mm/secになるように調整してある。感光体1も図1中の点線矢印の向きに、駆動源(図示せず)によって駆動されて回転する。帯電ロ−ラ2の回転の向きは、図1中に示したように、帯電ロ−ラ2と感光体1との距離が最も小さくなる最近接部A−Bにおいて、帯電ロ−ラ2,感光体1それぞれの表面が移動する向きが同じである。帯電ロ−ラ2の帯電面2cが移動する速さは、上記以外の値でもよい。
【0034】
帯電ロ−ラ2は、感光体1にたいして、最近接部A−Bでの距離が0.1mm以上になるように対向させて配置されている。帯電ロ−ラ2の導体部分2aには電源3によって電圧が印加され、感光体1の帯電を行う。印加電圧は、直流で−1.5〜−2.0kVである。
【0035】
予備放電部材4の配置位置は、帯電面2cの移動する向きに対して、帯電ロ−ラ2と感光体1との最近接部A−Bよりも上流側で、帯電面2cに対向する位置である。また予備放電部材4と帯電面2cとの距離がもっとも小さいところで、0.1mmである。予備放電部材4と帯電部2との距離は、必ずしも0.1mmでなくてもよいが、後述するように、予備放電部材4との間で放電が起こるような距離である必要がある。
【0036】
実施例1の近接帯電装置では、予備放電部材4は接地された金属であり、帯電ロ−ラ2の帯電面2cとこの予備放電部材4との間で放電が起こる。予備放電部材4は、必ずしも金属でなくてもよく、帯電面2cとの間で継続して放電が起こることが可能な導電性の材料であればよい。つまり、導電性のプラスチック,フィルムなどであってもかまわない。
【0037】
このほか、第1実施例の近接帯電装置では、帯電ロ−ラ2はローラ形状であるが、ベルト状であってもよい。図2は帯電ロ−ラ2がベルト状である場合の、近接帯電装置の概略図である。
【0038】
−第2実施例−
図3に、本発明の第2実施例の近接帯電装置の概略構成を示す。第2実施例の近接帯電装置と第1実施例の近接帯電装置との違いは、
・帯電面2cと感光体1bとの最近接部A−Bでの、帯電面2cと感光体1bとの移動する速度が異なる;
点である。
【0039】
第2実施例の近接帯電装置でも第1実施例の場合と同じように、帯電ロ−ラ2は不図示の駆動源によって図3中の実線矢印の向きに回転しており、また感光体ドラム1は不図示の駆動源によって図3中の点線矢印の向きに回転している。ただし、第2実施例の場合には、帯電ロ−ラ2と感光体ドラム1との最近接部A−Bでの、帯電面2cの移動する速度Va(ベクトル)と感光体1b表面の移動する速度Vb(ベクトル)とが異なるように、帯電ロ−ラ2の回転の速さを調整している。つまり、Va ≠ Vbとなるように、帯電ロ−ラ2の回転速度を制限する。第2実施例の近接帯電装置では、帯電面2cの移動する速さは15mm/secである。それに対して感光体1bの移動する速さは180mm/secである。帯電面2cの移動する速さは、上述の値でなくてもよく、帯電ロ−ラ2が回転していればよい。ただし、10〜100mm/sec程度の比較的小さい値の方が、帯電ロ−ラ2の軸の磨耗が少ないなどの点を考えると望ましい。
【0040】
第2実施例の近接帯電装置の、帯電面2が移動する速さと感光体ドラム1が移動する速さとが異なる点以外は、第1実施例の近接帯電装置と同じである。
【0041】
−第3実施例−
図4に、本発明の第3実施例の近接帯電装置の概略構成を示す。第3実施例の近接帯電装置と第1実施例の近接帯電装置との違いは、
・予備放電部材4の表面が中抵抗の材料4bで被覆してある;
点である。
【0042】
第3実施例の近接帯電装置では、予備放電部材4の基板導体4aの表面を、抵抗率を108Ωcmに調整した中抵抗の樹脂層4bで被覆してある。使用した被覆材料は、イオン性化合物を添加して導電性を付与したフッ素系の樹脂である。
被覆材料の抵抗率は、上述の値でなくてもよい。ただし、被覆材料の抵抗率が大きい(1010Ωcm超)場合には、予備放電部材の樹脂層4b表面上に電荷が蓄積されるため、帯電部材2と樹脂層4bとの間で放電が起こらなくなってしまい、予備放電部材4を配置した効果がなくなってしまう。また、被覆材料の抵抗率が小さい(105Ωcm未満)場合には、帯電部材2に欠陥(抵抗が局所的に小さい部分)があると、その部分を介して、帯電部材2から樹脂層4bに大きな電流が流れ、帯電部材4や予備放電部材4の樹脂層4bが劣化し、その機能を果たさなくなる。このため、予備放電部材4の導電性樹脂層4bとしては、中抵抗の抵抗率(106〜109Ωcm)を持つ材料を使用する必要がある。
【0043】
被覆材料は上述のもの以外でも、抵抗率を上述の様に中抵抗の領域に調整できるようなものであれば使用してよい。第3実施例の近接帯電装置では、予備放電部材4の表面が中抵抗の材料で被覆されていること以外は、第1実施例の近接帯電装置と同じである。
【0044】
−第4実施例−
図5に、本発明の第4実施例の近接帯電装置の概略構成を示す。第4実施例の近接帯電装置と実施例1の近接帯電装置との違いは、
・予備放電部材に、帯電部材に印加する電圧とは反対の極性の電圧を印加する;点である。
第4実施例の近接帯電装置では、帯電部材2には、帯電部材用電源3aから−2.0kVの電圧を印加して、感光体1の帯電を行なう。そして、予備放電部材4には、予備放電部材用電源3bから+0.5kVの電圧を印加する。予備放電部材4に印加する電圧は上述の値でなくてもよいが、ただし、0.5kVを越えるような正極性の電圧を印加すると、予備放電部材4と感光体層1bとの間で放電が起こる可能性がある。そしてこの場合には、画像に放電の跡がみられるようになるなどの問題が発生する。また、予備放電部材4と感光体層1bとの間で起こる放電を防止するために、絶縁体を配置することなども考えられるが、帯電装置全体が複雑な構成になってしまうという問題がある。このため、予備放電部材4に印加する電圧は+0.5kVを越えないような値である方が望ましい。
【0045】
第4実施例の近接帯電装置は、予備放電部材4に、帯電部材2に印加する電圧とは反対の極性の電圧を印加すること以外は、第1実施例の近接帯電装置と同じである。
【0046】
−第5実施例−
図6に、本発明の第5実施例の近接帯電装置の概略構成を示す。第5実施例の近接帯電装置と第1実施例の近接帯電装置との違いは、
・接地した予備放電部材が、帯電部材に接触している;
点である。
第5実施例の近接帯電装置では、予備放電部材4は導電性のポリカーボネートフィルムである。ただし予備放電部材4としては、上述の材料以外のものでもよく、各種導電性フィルムやゴムなどで、帯電部材2に接触させることができるようなものであればどのようなものであってもよい。
【0047】
また第5実施例の近接帯電装置では、帯電装置を使用している時でも使用していない時でも、予備放電部材4が帯電部材2に接触している。しかし、接離機構を設けて、帯電装置を使用していないときには、予備放電部材4を帯電部材2から離すようにしてもよい。
【0048】
第5実施例の近接帯電装置では、予備放電部材4が、少くとも帯電処理期間は帯電部材2に接触していること以外は、実施例1の帯電装置と同じである。
【0049】
−第6実施例−
図7に、本発明の第6実施例の近接帯電装置の概略構成を示す。第6実施例の近接帯電装置と第1実施例の近接帯電装置との違いは、
・予備放電部材4cが、帯電部材2の表面をクリーニングする機能を有する;点である。
第6実施例の近接帯電装置では、予備放電部材4cは導電性の繊維を寄り合わせたブラシである。ただし予備放電部材4cとしては、上述のブラシ以外のものでもよく、フィルムや弾性ブレードなど、帯電部材2の表面に付着するトナーなどの汚れを取り除くことができるようなものであればどのようなものであってもよい。また上記の予備放電部材4cを構成するブラシ,フィルム,弾性ブレード等に導電性を持たせて、更にそこに電圧を印加して、トナーなどの除去能力を高めたものであってもよい。
【0050】
第6実施例の近接帯電装置は、予備放電部材4cが、帯電部材2の表面をクリーニングする機能を有すること以外は、第1実施例の近接帯電装置と同じである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の主要部の断面図である。
【図2】 第1実施例の変形例の断面図であり、ベルト状の帯電部材2を備える態様を示す。
【図3】 本発明の第2実施例の主要部の断面図であり、帯電部材2と感光体ドラム1の表面速度が異なる態様を示す。
【図4】 本発明の第3実施例の主要部の断面図であり、予備放電部材4の表面を導電性の樹脂層4bで被覆した態様を示す。
【図5】 本発明の第4実施例の主要部の断面図であり、予備放電部材4に帯電部材2に印加した電圧と異なる極性の電圧を加える態様を示す。
【図6】 本発明の第5実施例の主要部の断面図であり、予備放電部材4が帯電部材2に接触する態様を示す断面図である。
【図7】 本発明の第6実施例の主要部の断面図であり、予備放電部材4が帯電部材2をクリ−ニングする機能を兼ね備える態様を示す。
【図8】 従来の画像形成装置の構成の一例を、断面で示すブロック図である。
【図9】 従来の接触帯電装置の構成の一例を、断面で示すブロック図である。
【図10】 従来の近接帯電装置の構成の一例を、断面で示すブロック図である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム 1a:感光体
1b:導体 2:帯電部材
2a:導体 2b:抵抗層(弾性層)
2c:表面層 3:電源
3a:帯電部材用電源 3b:予備放電部材用電源
4:予備放電部材 4a:導体
4b:導電性の樹脂層 4c:クリ−ナ兼予備放電部材
5:静電潜像形成手段 6:現像手段
7:転写手段 8:転写体(紙)
9:クリーニング手段 A:帯電部材表面層最近接位置
B:感光体最近接位置 G:A−B間ギャップ
Claims (6)
- 被帯電体の移動可能な被帯電面に対して、帯電部材の帯電面が非接触に対向し、この帯電部材に電圧を印加することにより、前記帯電面と前記被帯電体との間で直接放電を起こさせ、前記被帯電面を帯電する近接帯電装置において、
前記被帯電面を帯電する間に前記帯電面が移動し、前記帯電面と前記被帯電面との距離が、最も小さい最近接部においても0.1[mm]以上であり、該最近接部において前記被帯電面と前記帯電面が移動する向きが同じであって、前記帯電面が移動する向きに対して、前記最近接部よりも上流側の、前記帯電面に対向する位置に、該対向帯電面を放電させて該対向帯電面の表面電位を下げる予備放電部材を配置してある、ことを特徴とする近接帯電装置。 - 前記最近接部での前記帯電面と前記被帯電面との移動する速度が異なることを特徴とする請求項1に記載の近接帯電装置。
- 予備放電部材の表面が中抵抗の材料で被覆してあることを特徴とする請求項1に記載の近接帯電装置。
- 予備放電部材に、帯電部材に印加する電圧とは反対の極性の電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の近接帯電装置。
- 予備放電部材が帯電部材に接触していることを特徴とする請求項1に記載の近接帯電装置。
- 予備放電部材が帯電部材の表面をクリーニングする機能を有することを特徴とする請求項1に記載の近接帯電装置。
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