JP3873481B2 - 冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化学プラント等で使用される多段遠心圧縮機に係り、特に蒸発可能な液体を圧縮機内に注入する冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠心圧縮機で高圧を必要とするときは、単段の圧力比をそれ程大きくすることができないので、一本の軸に多数の羽根車を取付けた多段遠心圧縮機が用いられる。特にエチレンプラントのように数10気圧までもの圧力を必要とするときは、圧縮機自体を多段に構成し、各圧縮機を数段ないし10数段にしている。このような多段の遠心圧縮機に作動ガスを流すと、ガスの種類によっては圧縮中に発生する熱により化学反応を起こし別の物質になったり、ガス中に含まれる不純物と反応してスラッジと呼ばれる汚れを発生することがある。
【0003】
先に述べたエチレンプラント用の遠心圧縮機では、作動ガスのナフタが140°C程度まで加熱されると、化学反応が促進されナフタが生じる。このスラッジは回転体である羽根車に付着したり、シール部に侵入して摩擦の原因になったりする。そこで、圧縮中の作動ガスの温度上昇を低減するため、圧縮中の作動ガスに直接液を注入し、この液が加熱により蒸発する際に作動ガスから熱を奪う蒸発潜熱を利用する方法が広く用いられている。この液の種類としては、水を用いることが多い。
【0004】
一方、圧縮により作動ガスが温度上昇するが、この温度上昇がスラッジ発生の温度になる前に、圧縮ガスを圧縮機外に取り出し、冷却した後に圧縮機に戻す方法も考えられる。しかしながらこの方法では、長期間運転した結果、圧縮機の性能が徐々に低下し、作動ガスの温度上昇が設計範囲を超えてしまうという不具合を生じる。この不具合を避けるために設計温度を低く設定すると、機械が大型化し、コスト高になる。そのため、運転当初はスラッジが発生しない温度に設定し、しかも液噴射を併用している。
【0005】
このような液噴射の例が、米国特許第2786626号に記載されている。この公報に記載の多段の遠心圧縮機では、前段の羽根車から流出した作動ガスを後段の羽根車に導く戻り流路の頂部から作動ガスに液冷媒を注入している。
【0006】
また、特公昭58−135400号公報や特開平7−127600号公報には同じく段間の流路に水を噴射する水噴射ノズルを設けている。特に特公昭58−135400号の場合には、羽根車下流で最も流速の大きいディフューザ入口付近に、特開平7−127600号公報ではさらに上流側の羽根車の心板と対向する静止壁面にノズルを配置している。さらに、特開平10−18976号公報には水噴射ノズルから噴射される水量を制御する方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
液噴射を伴う多段遠心圧縮機において、作動ガスの温度を制御するためには噴射する液を制御する必要がある。ところで、圧縮機の段間から噴射ノズルを用いて液噴射するときには、作動ガスの流れが周方向に一様化されていないので、必ずしも液噴射の効果が生じない恐れがある。これは、戻り流路において圧縮機に流入した作動ガスを次段の羽根車流路へ分配するためである。そして、流れの非一様化は部分的な作動ガス温度の上昇を引き起こし、スラッジの発生の原因となる。また、液噴射ノズルから噴出される液の非一様性が強すぎると、周方向に不均一な流れとなり、噴射された液の粒子が羽根車に流入するときに羽根車を加振し、不安定振動を引き起こす恐れがある。
【0008】
周方向の噴射液の一様性を増すために、噴射液量を増やして噴射液の粒子を周方向に確実に拡散させると、噴射位置より下流の流路で、蒸発しきれずに残った液粒子によりエロージョンを引き起こす恐れがある。噴射液の一様性を増す他の方法として、噴射液の噴射速度を増す方法も考えられるが、この場合には噴射液の流れが作動ガスの流れに影響を及ぼし、圧縮機の流体性能を低下させる恐れがある。
【0009】
つまり、上記米国特許第278662号公報に記載の遠心圧縮機では、曲率の大きい区間を作動ガスが流れざるをえないが、この曲率が大きい区間では遠心作用により作動ガスが外周側壁面に偏って流れる。このため、戻り流路の頂部から液噴射しようとしても、噴射が困難である。また、作動ガスの流れに対して、斜めまたは垂直方向から噴射液を噴射せざるをえず、作動ガスと噴射液の流れに混合損失を生じる。これらは騒音や振動の原因となり得、特に噴射位置を周方向1箇所しか取れない場合にはその悪影響が甚だしい。
【0010】
また、特公昭58−135400号公報に記載の遠心圧縮機では、側板側ディフューザ壁面に噴射ノズルを設けている。ディフューザ部では作動ガスの流速がので、液噴射時に作動ガスと噴射液の混合損失が大きくなる。また、ディフューザに羽根付きディフューザを用いるとエロージョンを生じる恐れがあるので、実質的には羽根無しディフューザしか用いることができない。
【0011】
さらに、特開平7−127600号公報に記載の遠心圧縮機では、ディフューザ羽根を有する羽根付きディフューザでの液噴射を可能としているが、圧縮機外から液噴射位置までの液噴射路の距離が長く、構造が複雑である。なお、運転時間の経過と共に液噴射路に汚れが発生するので、運転中であってもメンテナンスできることが必要であるが、この構造では運転中のメンテナンスが困難である。
【0012】
特開平10−18976号公報に記載の遠心圧縮機では、段間及び吸込み配管に液噴射ノズルを設けている。吸込み配管で液噴射することにより周方向の噴射液の流れは改善されるが、段間の噴射ノズルは上記米国特許第2786626号公報に記載のものと同様であり、段間からの噴射液の流れの改善が依然必要とされている。
【0013】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、液噴射を伴う多段遠心圧縮機において、効率的に噴射液を作動ガスに混合させることにある。本発明の他の目的は、簡単な構造の液噴射システムを実現することにある。本発明のさらに他の目的は、エロージョンや振動を生じない信頼性の高い液噴射システムを実現することにある。本発明のさらに他の目的は、安価な液噴射システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、回転軸に複数の羽根車が装着され、前段の羽根車を出た作動ガスの流れを後段の羽根車に導く戻り流路が形成された多段の遠心圧縮機において、前記戻り流路の最大径位置に角部を形成し、この角部から冷却液を噴射する冷却液噴射ノズルを設けたものである。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の第2の特徴は、回転軸と、この回転軸に装着された複数の羽根車と、この回転軸を回転自在に支承する軸受手段と、前段の羽根車を出た作動ガスの流れを後段の羽根車に導く複数の戻り流路を形成する複数のインナーケーシング及びダイヤフラムと、これら各部材を収納するケーシングとを備えた遠心圧縮機において、少なくとも1つの前記戻り流路は、軸方向に平行な円筒面が形成された前記ケーシングと、一方の面が回転軸に垂直な面を有するインナーケーシングとからなる角部を有し、この戻り流路の角部に開口し、冷却液噴射ノズルが取付けられる取付け孔を前記ケーシングに形成したものである。
【0016】
そして、開口は、ダイヤフラムの最大径位置より後段側に形成されている;開口は、ダイヤフラムの最大径位置より前段側に形成され、冷却液噴射ノズルの噴射方向がほぼ軸方向である;冷却液噴射ノズルから噴射される冷却液が水であり、その温度が作動ガスの吸込み温度以上140°C以下である;冷却液噴射ノズルを周方向複数箇所に設けてある;初段羽根車の吸込み側に冷却液噴射ノズルを設けたものである。
【0019】
そして、上記何れの特徴においても、作動ガスは、エチレン製造用のナフサであることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施例を図面を用いて説明する。図1および図2は、本発明に係る液噴射ノズルを備えた多段遠心圧縮機の一実施例を縦断面図で示したものであり、図1はその全体図、図2は液噴射部の拡大図である。
【0021】
図1では4段の羽根車を有する例えばエチレンプラント用の多段遠心圧縮機では、回転軸11がケーシング21内に軸受41a,41bにより回転自在に支持されて収納されている。この回転軸11の軸方向には、複数の羽根車12が取付けられている。羽根車12の下流には、圧力回復のためのディフューザベーンを備えたディフューザ22が羽根車の半径方向外方に形成されており、このディフューザのさらに下流には次段の羽根車へ作動ガスを導くために、半径方向外方に向かった流れを半径方向内側へ戻す戻り流路24が形成されている。
【0022】
戻り流路24には、次段羽根車への作動ガスの流れを一様化するために、リターンベーン25が形成されている。なお、戻り流路24のさらに半径方向外方はケーシング21で覆われており、このケーシング21が戻り流路24を区画している。つまり、戻り流路24は、半径方向外方に延びる部分と、円弧状のリターンベンド部26と、半径方向内方に延びる部分と、リターンベンド部26の肩部に位置する角部26aとを備えている。この角部26aは、以下に詳述するように、液噴射ノズルを取付けるために本発明において、新たに設けられたものである。角部21aに対向するケーシング2の壁面には、冷却液を噴射するための液噴射口51が形成されており、この液噴射口には液噴射ノズル52が取付けられている。
【0023】
羽根車を出た作動ガスは、ディフューザ部で圧力回復して昇圧した後、主流61は流路にほぼ沿って流れる。一方、戻り流路24のリターンベンド部26は曲がり流路のため、主流から剥離した流れが渦を発生し、後流62を形成する。この後流62は、角部26aの存在により、安定して角部24aに滞留する。
【0024】
この淀んだ後流62に液噴射ノズル52から冷却液を噴射し、滞留している後流62を主流61とともに流す。この際、冷却液は周方向の旋回流となりながら、主流61と混合する。したがって、液噴射時に作動ガスと冷却液の混合損失を低減できる。しかも、主流61の運動量に比べて噴射液の運動量がはるかに小さいから、主流は液噴射によって流れ方向や流れ速度を変化させられることがない。そのため、圧縮機の流体性能を低下させることがない。また、角部26aに滞留する後流62は主流方向の速度成分をほとんど有していないが、周方向速度成分を有しているので、液噴射手段を周方向にそれ程多くしなくとも周方向全体に冷却液を供給できる。なお、本発明者の実験的研究によれば、液噴射手段を周方向に1個のみ取付けただけでも、従来のものに比べて周方向への冷却液の回り込みが改善された。
【0025】
この周方向流れの様子を、図3及び図4を用いて説明する。図3は戻り流路24のリターンベンド26部中央に冷却液噴射ノズルを設けた場合であり、図4は戻り流路24のリターンベンド26部角部に冷却液噴射ノズルを設けた場合である。図3において、噴射された冷却液の粒子63は、噴射口の近傍に存在する主流と比較的短時間で混合し、作動ガスの主流61に沿ってリターンベーン25が設けられた流路へと運ばれる。作動ガスの主流の旋回速度成分は半径方向速度成分に比べて小さいから、冷却液噴射ノズル52の近傍のリターンベーン25をガイドとして、リターンベーン25間に形成される2〜3個のリターンチャンネルのみに流入する。このため、冷却液噴射ノズル52が設けられた位置から遠く離れた位置、例えば周方向反対側へは冷却液を供給できず、この部分を流れる作動ガスは冷却液との混合が無いまま、次段の羽根車12に流入する。したがって、作動ガスの冷却効果が少なく、また作動ガスの温度が周方向に不均一な分布となり、振動騒音の発生の一因となる。
【0026】
一方、図4に示した戻り流路24の角部に冷却液噴射ノズルを設けた場合には、主流側まで噴射された一部の冷却液粒子を除いて、大部分の液粒子63は角部に滞留する周方向速度成分が大部分である淀み部の流れ62aに引きずられて周方向に旋回する。なお、一部の液粒子は角部を形成する垂直壁に衝突して跳ね返り、その後淀み部の流れ62aに合流する。噴射された液粒子63は、旋回を続けている間に主流に引きずられるように徐々に半径方向内側へ向かう。その結果、リターンベーン25間に形成されるリターンチャンネルのほとんどに冷却液を供給できる。このようにリターンベンド部に作動ガスの淀み部を設けることにより、液粒子の周方向分布が一様化され、次段の羽根車12へ流入する作動ガスの温度分布も改善される。これにより、作動ガスの冷却効果が高めれられ、スラッジの発生を抑制できるとともに、不安定振動や騒音の発生を低減できる。
【0027】
次に、この角部の製造方法について説明する。ケーシング21を円筒形に製作し、この円筒形のケーシング21に嵌め合い部を有するインナーケーシング27を取付ける。インナーケーシング27の前面側は、戻り流路24の戻り部を形成しており、その外径側が回転軸11に対して垂直な平面となっている。インナーケーシング27の背面側は、戻り流路24の半径方向外方への流れ部を形成しており、円弧状または滑らかな曲線状に形成される。連続する2段のインナーケーシング27間には、ダイヤフラム28が配置されている。
【0028】
ダイヤフラム28の前面側には、羽根付きディフューザのディフューザベーン23が、背面側には戻り流路24のリターンベーン25が形成されている。これらディフューザベーン23及びリターンベーン25は、予めNC加工等により製作し、ダイヤフラム28に溶接してもよいし、ダイヤフラム28と一体加工してもよい。ダイヤフラム28の最外径部は、戻り流路形状に合わせて円弧状または滑らかな曲線状に形成される。
【0029】
ダイヤフラム28の内径側にはステージラビリンス32を、インナーケーシング27の内径側にはインペララビリンス31を取付ける。インペララビリンス31は、各羽根車12の吸込み側のベルマウス部に対向して設けられており、非接触型のラビリンスシールからなる。また、ステージラビリンス32は、各羽根車12の背面側に設けられ、これもラビリンスシールからなる。これらインペララビリンス31及びステージラビリンス32と羽根車12の間には微少な隙間が形成されている。このシール手段は、羽根車で圧縮された作動ガスの吸込み側への漏れや圧縮前の作動ガスの羽根車吐出側への漏れ等を防止する。
【0030】
リターンベンド26部を構成するインナーケーシング27の前面側外径部を平面形状としたので、形状が簡単になるとともに複雑な円固形状の加工が不要となり、加工工数の低減による原価低減が可能になる。さらにリターンベンド26部に角部26aを形成したので、冷却液噴射ノズルの軸方向位置に加工誤差が生じても、戻り流路の半径方向位置への影響が無いので、確実に冷却液を周方向全体にわたって供給できる。
【0031】
本実施例では、冷却液噴射ノズル52を段間の全ての戻り流路部に設けているが、最も高温となる段間のみに設けたり、吸込みに近い段間にのみ設けてもよい。また、吸い込み部での冷却液噴射と組合わせてもよい。さらに、2つの段間またはそれ以上の段間に設けてもよいことは言うまでもない。また、冷却液噴射ノズルを周方向複数箇所に設ければさらに周方向の冷却液の分布の均一化が可能となる。さらにまた、前段の羽根車を出た流れが後段の羽根車に流入する軌跡を考慮して前段の冷却液噴射ノズルと後段の冷却液噴射ノズルの周方向位置を変化させれば、さらに冷却液の周方向分布を均一化できる。
【0032】
本実施例では冷却液噴射ノズル52の軸方向位置を、戻り流路のほぼ中間位置にしているが、ダイヤフラム28の最大径部より下流側であれば、本発明の効果は得られる。また、冷却液噴射ノズル52をケーシング21の半径方向から導いているが、半径方向に対して傾いた方向から導いてもよい。つまり、作動ガスの淀み部に冷却液が噴射されれば本発明の効果が得られるものである。なお、冷却液噴射ノズル52の先端はスラッジの発生により汚染されることがあるので、冷却液噴射ノズル52を運転中であっても交換できる構造にすることが望ましい。
【0033】
本発明の他の実施例を図5に示す。この実施例では、上記実施例とは冷却液噴射ノズル52の軸方向位置が相違している。そのため、戻り流路の角部を半径方向外向き流れ部に形成している。さらに、冷却液の噴射方向を軸方向としている。本実施例では、作動ガスの主流61の方向と冷却液の噴射方向がリターンベンド26の最大径部でほぼ一致するので、主流との混合が促進される。しかも、角部には作動ガスの流れの淀み部が形成されるから、周方向への冷却液の回り込みもよい。そして、噴射位置からリターンチャンネルまでの距離を長く取れるので、冷却液粒子63は周方向に拡散され、冷却性能が向上する。
【0034】
図6に、本発明のさらに他の実施例を示す。本実施例では、段間から冷却液を噴射する他に、吸込配管からも冷却液を噴射している。吸込み配管から冷却液を噴射すると、冷却液の周方向分布は格段に改善される。しかしながら、この場合には冷却液量が増えると初段の羽根車にエロージョンを発生する恐れがある。そこで、吸込配管から供給する冷却液量をエロージョンを起こす恐れのある液量以下とし、不足分を段間から供給する。本実施例によれば、冷却液の周方向分布を均一化できるとともに、エロージョンの発生を抑制できる。
【0035】
なお、上記何れの実施例においても、冷却液としては水を用いることができ、またその供給源での温度は、標準的な吸込温度である30°C以上140°Cの間であれば冷却源として利用できる。これは噴射液が作動ガスにより加熱蒸発したときに、蒸発潜熱により温度低下するためである。
【0036】
以上述べたように上記各実施例によれば、液噴射ノズル付きの多段遠心圧縮機において、段間に設けられたリターンベンド部の角部に噴射ノズルを取付けたので、戻り流路の形状を簡素化でき、安価に遠心圧縮機を提供できる。また、角部から液噴射するので、噴射液と作動ガスの混合による損失を低減できる。さらに、噴射液の周方向の回り込みをよくしたので、周方向にわたる噴射液と作動ガスの混合の均一性が改善され、スラッジの発生を抑止できる。また、噴射液の噴出速度が小さいので、作動ガスの流れに悪影響を与えず、流体効率が高い遠心圧縮機を提供できる。さらにまた、噴射液の量を過度に増やす必要が無い。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、液噴射ノズル付きの多段遠心圧縮機において、段間に設けられたリターンベンド部の角部に噴射ノズルを取付けたので、エロージョンや振動の発生を防止でき、信頼性の高い遠心圧縮機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液噴射ノズルを備えた多段遠心圧縮機の一実施例の縦断面図である。
【図2】図1の部分詳細断面図である。
【図3】液噴射ノズルからの噴射液の作用を説明する図である。
【図4】液噴射ノズルからの噴射液の作用を説明する図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る液噴射ノズル部の拡大断面図である。
【図6】本発明に係る液噴射ノズルを備えた多段遠心圧縮機のさらに他の実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
11…回転軸、12…羽根車、12a…羽根車側版、
12b…芯板、13…次段羽根車、21…ケーシング、
22…ディフューザ、
22a…羽根車芯板側ディフューザ壁、
22b…羽根車側板側ディフューザ壁、
23…ディフューザベーン、
24…戻り流路、25…リターンベーン、
26…リターンベンド、
26a…リターンベンド角部、
27…インナーケーシング、
28…ダイヤフラム、
31…インペララビリンス、
32…ステージラビリンス、
51…液体入口、52…冷却液噴射ノズル、
61…主流、62…後流、
62a…淀み部の流れ、63…液粒子。
Claims (8)
- 回転軸に複数の羽根車が装着され、前段の羽根車を出た作動ガスの流れを後段の羽根車に導く戻り流路が形成された多段の遠心圧縮機において、前記戻り流路の最大径位置に角部を形成し、この角部から冷却液を噴射する冷却液噴射ノズルを設けたことを特徴とする冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
- 回転軸と、この回転軸に装着された複数の羽根車と、この回転軸を回転自在に支承する軸受手段と、前段の羽根車を出た作動ガスの流れを後段の羽根車に導く複数の戻り流路を形成する複数のインナーケーシング及びダイヤフラムと、これら各部材を収納するケーシングとを備えた遠心圧縮機において、少なくとも1つの前記戻り流路は、軸方向に平行な円筒面が形成された前記ケーシングと、一方の面が回転軸に垂直な面を有するインナーケーシングとからなる角部を有し、この戻り流路の角部に開口し、冷却液噴射ノズルが取付けられる取付け孔を前記ケーシングに形成したことを特徴とする冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
- 前記開口は、前記ダイヤフラムの最大径位置より後段側に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
- 前記開口は、前記ダイヤフラムの最大径位置より前段側に形成され、前記冷却液噴射ノズルの噴射方向がほぼ軸方向であることを特徴とする請求項2に記載の冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
- 前記冷却液噴射ノズルから噴射される冷却液が水であり、その温度が作動ガスの吸込み温度以上140℃以下であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
- 前記冷却液噴射ノズルを周方向複数箇所に設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
- 初段羽根車の吸込み側に前記冷却液噴射ノズルを設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
- 前記作動ガスは、エチレン製造用のナフサであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の冷却液噴射ノズル付き遠心圧縮機。
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